JPH11165330A - 多層成形品を成形するための射出成形装置及び多層成形品の射出成形方法 - Google Patents

多層成形品を成形するための射出成形装置及び多層成形品の射出成形方法

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JPH11165330A
JPH11165330A JP10266088A JP26608898A JPH11165330A JP H11165330 A JPH11165330 A JP H11165330A JP 10266088 A JP10266088 A JP 10266088A JP 26608898 A JP26608898 A JP 26608898A JP H11165330 A JPH11165330 A JP H11165330A
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勝也 丸山
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義弘 寺田
Takao Ota
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    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/16Making multilayered or multicoloured articles
    • B29C45/1642Making multilayered or multicoloured articles having a "sandwich" structure
    • B29C45/1646Injecting parison-like articles

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  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】少なくとも2種類の樹脂から成形され、各樹脂
から構成された樹脂層が積層された多層構造物であっ
て、多層構造物の最外層を構成しない樹脂が最外層に出
現することを確実に防止し得る射出成形装置を提供す
る。 【解決手段】射出成形装置は、キャビティ24及びホッ
トランナー22A,22Bが設けられた金型20と、少
なくとも2つの射出シリンダー10A,10Bとを備
え、各射出シリンダー10A,10Bの内部とキャビテ
ィ24とを結ぶ各樹脂流路21A,21Bが、キャビテ
ィ24に開口したゲート部23の上流で合流する構造を
有し、溶融樹脂40Aを一の樹脂流路21Aを経由して
キャビティ24内に射出したとき、一の樹脂流路21A
を流れる溶融樹脂40Aを他の樹脂流路21Bに一定量
流入させる逆流手段30Bが設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層成形品を成形
するための射出成形装置、及び、多層成形品の射出成形
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、熱可塑性樹脂を用いた容器が、軽
量化、破裂に対する安全性等の利点から、化粧品、食
品、飲料などの容器として広範に使用されている。特
に、ポリエチレンテレフタレート樹脂(以下、PET樹
脂と略す場合がある)から成る容器の開発が、二軸延伸
ブロー成形技術の向上により急速に進展している。しか
しながら、PET樹脂を主体とする熱可塑性ポリエステ
ル樹脂から成る二軸配向した容器も、万全の性能を具備
しているわけではない。即ち、特に容器に充填すべき内
容物がガス遮断性を容器に対して高度に要求する飲料品
である場合には、酸素ガスや炭酸ガス等に対するガスバ
リヤー性能がPET樹脂から成形された容器には不足し
ているため、内容物の風味を損なう等の欠点を有してい
る。最近では、容器の小型化により、容器のガスバリヤ
ー性に対する要求が一層高くなっている。
【0003】このような要求に対して、熱可塑性ポリエ
ステル樹脂と、熱可塑性ガスバリヤー性樹脂であるメタ
キシリレン基含有ポリアミド樹脂(以下MXナイロン樹
脂と略す場合がある)との各々を可塑化、溶融する2つ
の射出シリンダーを備え、単一の金型を有する射出成形
装置を用い、1回の成形サイクルにおいて、溶融熱可塑
性ポリエステル樹脂を射出し、溶融熱可塑性ポリエステ
ル樹脂を射出し続けながら溶融MXナイロン樹脂を射出
し、溶融MXナイロン樹脂の射出完了後も溶融熱可塑性
ポリエステル樹脂を射出し続けることによって、熱可塑
性ポリエステル樹脂/MXナイロン樹脂/熱可塑性ポリ
エステル樹脂の3層構造を有するパリソンを成形する技
術が、特開昭57−128520号から公知である。
尚、このような射出成形方法を同時射出成形方法と呼
ぶ。
【0004】また、上記方法と同様であるが、特定の条
件下、例えば熱可塑性ポリエステル樹脂とMXナイロン
樹脂とを、熱可塑性ポリエステル樹脂、MXナイロン樹
脂、熱可塑性ポリエステル樹脂の順に射出することによ
り、熱可塑性ポリエステル樹脂/MXナイロン樹脂/熱
可塑性ポリエステル樹脂/MXナイロン樹脂/熱可塑性
ポリエステル樹脂の5層構造を有するパリソンを成形す
る技術が、特開昭60−240409号から公知であ
る。尚、このような射出成形方法を交互射出成形方法と
呼ぶ。
【0005】また、近年、PET樹脂を主体とした容器
を回収し粒状化して回収PET樹脂として再利用する技
術の開発も進められている。このような回収PET樹脂
(パリソン成形時の不良品の再利用PET樹脂やパリソ
ン成形時に一旦使用した後の再生PET樹脂を含む)を
用いて飲料容器用のパリソンを成形する場合、PET樹
脂層/回収PET樹脂層/PET樹脂層の3層構造、あ
るいは、PET樹脂層/回収PET樹脂層/PET樹脂
層/回収PET樹脂層/PET樹脂層の5層構造とする
必要がある。
【0006】これらの特許公開公報に開示された技術に
より、ポリエチレンテレフタレート樹脂から成る容器と
同等の外観及び機械的性能を有し、しかも、酸素ガスや
炭酸ガスに対するバリヤー性が大きく向上した多層容器
(多層ボトル)を製造することが可能となり、現在、使
用されるに至っている。
【0007】従来、2つ以上の射出シリンダーを用いて
2種類以上の樹脂から多層成形品(例えば、多層容器の
前駆体である多層パリソン)を成形する場合、キャビテ
ィが設けられた金型と、少なくとも2つの射出シリンダ
ーとを備えた射出成形装置を使用する。例えば、2つの
射出シリンダーとを備えた射出成形装置においては、各
射出シリンダーの内部とキャビティとを結ぶ各樹脂流路
(第1の溶融樹脂が流れる第1の樹脂流路及び第2の溶
融樹脂が流れる第2の樹脂流路)は、キャビティに開口
したゲート部の上流の合流部で合流する構造を有してい
る。尚、金型内に位置する第1の樹脂流路及び第2の樹
脂流路の部分はホットランナー構造を有する。また、合
流部よりも上流の樹脂流路の部分は、通常、多重管構造
となっている。そして、射出シリンダー内に配設された
スクリューは、溶融樹脂の射出時及び保圧時以外には、
樹脂流路から圧力が加わると後退する構造となってお
り、樹脂流路内の溶融樹脂が射出シリンダー内に逆流す
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような構造を有す
る射出成形装置においては、キャビティ内を第1及び第
2の溶融樹脂で完全に充填するために、多層成形品の最
外層を構成する第1の溶融樹脂を第1の樹脂流路を経由
してキャビティ内に射出したとき、第1の樹脂流路を流
れる第1の溶融樹脂は第2の樹脂流路内に流入するが、
この際の第1の溶融樹脂の流入量は一定ではない。その
結果、キャビティ内に射出すべき第1の溶融樹脂の量が
不安定となったり、第1の溶融樹脂の最初の射出時、合
流部近傍の第2の樹脂流路内に存在する第2の溶融樹脂
と第1の溶融樹脂とが混ざり合った状態でキャビティ内
に射出されるため、多層成形品の最外層を構成しない第
2の樹脂が最外層表面に出現するといった問題が生じ
る。
【0009】このような第1の溶融樹脂が第2の樹脂流
路へ流入することを防止するために、従来の技術におい
ては、第2の溶融樹脂を射出するための射出シリンダー
のノズル部に、油圧作動方式のシャットオフ弁を配設し
ている。第2の溶融樹脂の射出時のみシャットオフ弁を
開き、それ以外の場合においては、シャットオフ弁を閉
じることによって、第1の溶融樹脂が第2の樹脂流路へ
流入することを防止している。
【0010】ところで、シャットオフ弁による溶融樹脂
の流れの制御を行う場合、第2の樹脂流路への第1の溶
融樹脂の流入は防止することができるが、逆に、第1の
溶融樹脂の射出時、樹脂流路の合流部近傍において第1
の溶融樹脂と第2の溶融樹脂との混合が生じたり、射出
状態にない第2の溶融樹脂が射出されつつある第1の溶
融樹脂に巻き込まれる結果、合流部近傍の第2の溶融樹
脂がキャビティ内に流入し、例えば、第2の樹脂が多層
成形品の表面に出現するといった問題が生じる。即ち、
多層成形品の最外層を構成しない第2の樹脂が最外層表
面に出現するといった問題が生じる。
【0011】特開昭61−206612号公報には、第
1の樹脂流路11と第2の樹脂流路12を有し、第2の
樹脂流路12に逆止弁13が備えられた射出成形用ホッ
トランナー金型が開示されている。そして、第1の樹脂
材料Aの注入の際、キャビティ22は樹脂によって完全
に充填されるが、第2の樹脂流路12には逆止弁13が
設けられているので、第1の樹脂材料Aによって第2の
樹脂材料Bが逆流することはないとされている。
【0012】本発明の目的は、少なくとも2種類の樹脂
から成形され、各樹脂から構成された樹脂層が積層され
た多層成形品であって、多層成形品の最外層を構成しな
い樹脂が最外層表面に出現することを確実に防止し得
る、言い換えれば、多層成形品の最外層を構成する樹脂
層によって多層成形品の最外層を構成しない樹脂が確実
に封鎖された構造を有する多層成形品を成形するための
射出成形装置及び多層成形品の射出成形方法を提供する
ことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の多層成形品を成形するための射出成形装置
は、(a)キャビティが設けられたキャビティブロック
と、ホットランナーブロックとを有する金型、(b)少
なくとも第1の射出シリンダー及び第2の射出シリンダ
ー、(c)第1の射出シリンダーの内部とキャビティと
を結ぶ第1の樹脂流路、及び、(d)第2の射出シリン
ダーの内部とキャビティとを結ぶ第2の樹脂流路、を備
え、金型内に位置する第1の樹脂流路及び第2の樹脂流
路の部分はホットランナーブロック内に設けられ、第1
の樹脂流路と第2の樹脂流路とは、キャビティに開口し
たゲート部の上流の合流部で合流する構造を有する射出
成形装置であって、第2の樹脂流路を経由して第2の溶
融樹脂をキャビティ内に射出した後、第1の樹脂流路内
の第1の溶融樹脂を第2の樹脂流路内に流入させる逆流
手段が設けられており、該逆流手段は、第1の樹脂流路
内の第1の溶融樹脂が第2の樹脂流路内の第2の溶融樹
脂に及ぼす圧力によって動作することを特徴とする。こ
こで、上流とは射出シリンダー側を意味し、下流とはキ
ャビティ側を意味する。以下においても同様である。
【0014】上記の目的を達成するための本発明の第1
の態様に係る多層成形品の射出成形方法は、上記の本発
明の多層成形品を成形するための射出成形装置を使用し
た交互射出成形方法である。即ち、上記の目的を達成す
るための本発明の第1の態様に係る多層成形品の射出成
形方法は、(a)キャビティが設けられたキャビティブ
ロックと、ホットランナーブロックとを有する金型、
(b)少なくとも第1の射出シリンダー及び第2の射出
シリンダー、(c)第1の射出シリンダーの内部とキャ
ビティとを結ぶ第1の樹脂流路、及び、(d)第2の射
出シリンダーの内部とキャビティとを結ぶ第2の樹脂流
路、を備え、金型内に位置する第1の樹脂流路及び第2
の樹脂流路の部分はホットランナーブロック内に設けら
れ、第1の樹脂流路と第2の樹脂流路とは、キャビティ
に開口したゲート部の上流の合流部で合流する構造を有
する射出成形装置であって、第2の樹脂流路を経由して
第2の溶融樹脂をキャビティ内に射出した後、第1の樹
脂流路内の第1の溶融樹脂を第2の樹脂流路内に流入さ
せる逆流手段が設けられており、該逆流手段は、第1の
樹脂流路内の第1の溶融樹脂が第2の樹脂流路内の第2
の溶融樹脂に及ぼす圧力によって動作する射出成形装置
を用いた多層成形品の射出成形方法であって、(A)第
1の射出シリンダー内で溶融させた第1の溶融樹脂を、
第1の樹脂流路を介してキャビティ内に射出した後、第
1の溶融樹脂の射出を中断し、(B)第2の射出シリン
ダー内で溶融させた第2の溶融樹脂を、第2の樹脂流路
を介してキャビティ内に射出した後、第2の溶融樹脂の
射出を終了し、次いで、(C)第1の射出シリンダー内
で溶融させた第1の溶融樹脂を、第1の樹脂流路を介し
てキャビティ内に射出し、第1の溶融樹脂の射出中若し
くは射出完了後、逆流手段の動作によって第1の樹脂流
路内の第1の溶融樹脂を第2の樹脂流路内に流入させ
る、工程から成ることを特徴とする。
【0015】本発明の第1の態様に係る多層成形品の射
出成形方法においては、射出成形条件にも依存するが、
多層成形品の主たる部分を、第1の樹脂層/第2の樹脂
層/第1の樹脂層/第2の樹脂層/第1の樹脂層の5層
構成とすることができる。あるいは又、多層成形品の主
たる部分の一部分を、第1の樹脂層/第2の樹脂層/第
1の樹脂層/第2の樹脂層/第1の樹脂層の5層構成と
し、多層成形品の主たる部分の他の部分を、第1の樹脂
層/第2の樹脂層/第1の樹脂層の3層構成とすること
もできる。これらの場合、多層成形品の主たる部分以外
の部分は、第1の樹脂層によって構成される。
【0016】図14、図15及び図16に、本発明の第
1の態様に係る多層成形品の射出成形方法における射出
圧力等の時間変化を示す。尚、図14〜図21中の「逆
流手段の状態」において、「閉状態」とは、第2の射出
シリンダーの内部とキャビティとが逆流手段によって非
連通状態となっていることを意味し、「開状態」とは、
第2の射出シリンダーの内部とキャビティとが逆流手段
によって連通状態となっていることを意味し、「逆流」
とは、第1の樹脂流路内の第1の溶融樹脂が第2の樹脂
流路内の第2の溶融樹脂に及ぼす圧力によって逆流手段
が動作しており、第1の樹脂流路内の第1の溶融樹脂が
第2の樹脂流路内に流入し、その結果、第2の溶融樹脂
が第2の射出シリンダーに向かって流れる状態を意味す
る。本発明の第1に係る多層成形品の射出成形方法にお
いて、第1の溶融樹脂の射出完了後に逆流手段の動作に
よって第1の樹脂流路内の第1の溶融樹脂が第2の樹脂
流路内に流入する場合には、具体的には、第1の射出シ
リンダーによって保圧を行い、併せて、第1の溶融樹脂
の射出完了後に逆流手段の動作によって第1の樹脂流路
内の第1の溶融樹脂を第2の樹脂流路内に流入させる
(図16参照)。また、第1の溶融樹脂の射出中に逆流
手段の動作によって第1の樹脂流路内の第1の溶融樹脂
が第2の樹脂流路内に流入し始めた場合には、第1の溶
融樹脂の第2の樹脂流路内への流入完了の時点は、第1
の溶融樹脂の射出中であってもよいし(図14参照)、
射出完了と同時であってもよいし、射出完了後の保圧期
間中であってもよい(図15参照)。
【0017】上記の目的を達成するための本発明の第2
の態様に係る多層成形品の射出成形方法は、上記の本発
明の多層成形品を成形するための射出成形装置を使用し
た同時射出成形方法である。即ち、上記の目的を達成す
るための本発明の第2の態様に係る多層成形品の射出成
形方法は、(a)キャビティが設けられたキャビティブ
ロックと、ホットランナーブロックとを有する金型、
(b)少なくとも第1の射出シリンダー及び第2の射出
シリンダー、(c)第1の射出シリンダーの内部とキャ
ビティとを結ぶ第1の樹脂流路、及び、(d)第2の射
出シリンダーの内部とキャビティとを結ぶ第2の樹脂流
路、を備え、金型内に位置する第1の樹脂流路及び第2
の樹脂流路の部分はホットランナーブロック内に設けら
れ、第1の樹脂流路と第2の樹脂流路とは、キャビティ
に開口したゲート部の上流の合流部で合流する構造を有
する射出成形装置であって、第2の樹脂流路を経由して
第2の溶融樹脂をキャビティ内に射出した後、第1の樹
脂流路内の第1の溶融樹脂を第2の樹脂流路内に流入さ
せる逆流手段が設けられており、該逆流手段は、第1の
樹脂流路内の第1の溶融樹脂が第2の樹脂流路内の第2
の溶融樹脂に及ぼす圧力によって動作する射出成形装置
を用いた多層成形品の射出成形方法であって、(A)第
1の射出シリンダー内で溶融させた第1の溶融樹脂を、
第1の樹脂流路を介してキャビティ内に射出し、(B)
第1の溶融樹脂の射出中に、第2の射出シリンダー内で
溶融させた第2の溶融樹脂を第2の樹脂流路を介してキ
ャビティ内に射出し、(C)第2の溶融樹脂の射出完了
後であって第1の溶融樹脂の射出中若しくは射出完了
後、逆流手段の動作によって第1の樹脂流路内の第1の
溶融樹脂を第2の樹脂流路内に流入させる、工程から成
ることを特徴とする。
【0018】図17、図18及び図19に、本発明の第
2の態様に係る多層成形品の射出成形方法における射出
圧力等の時間変化を示す。第1の溶融樹脂の射出完了後
に逆流手段の動作によって第1の樹脂流路内の第1の溶
融樹脂が第2の樹脂流路内に流入する場合には、具体的
には、第1の射出シリンダーによって保圧を行い、併せ
て、第1の溶融樹脂の射出完了後に逆流手段の動作によ
って第1の樹脂流路内の第1の溶融樹脂を第2の樹脂流
路内に流入させる(図19参照)。また、第1の溶融樹
脂の射出中に逆流手段の動作によって第1の樹脂流路内
の第1の溶融樹脂が第2の樹脂流路内に流入し始めた場
合には、第1の溶融樹脂の第2の樹脂流路内への流入完
了の時点は、第1の溶融樹脂の射出中であってもよいし
(図17参照)、射出完了と同時であってもよいし、射
出完了後の保圧期間中であってもよい(図18参照)。
【0019】本発明の第2の態様に係る多層成形品の射
出成形方法においては、工程(B)において、第1の溶
融樹脂の単位時間当たりの射出量を第2の溶融樹脂の単
位時間当たりの射出量よりも多くすることが好ましい。
射出成形条件にも依存するが、多層成形品の主たる部分
を、第1の樹脂層/第2の樹脂層/第1の樹脂層の3層
構成とすることができる。あるいは又、多層成形品の主
たる部分の一部分を、第1の樹脂層/第2の樹脂層/第
1の樹脂層の3層構成とすることができる。これらの場
合、多層成形品の主たる部分以外の部分は、第1の樹脂
層によって構成される。
【0020】上記の目的を達成するための本発明の第3
の態様に係る多層成形品の射出成形方法は、上記の本発
明の多層成形品を成形するための射出成形装置を使用し
た射出成形方法であり、(A)第1の射出シリンダー内
で溶融させた第1の溶融樹脂を、第1の樹脂流路を介し
てキャビティ内に射出した後、第1の溶融樹脂の射出を
終了し、(B)第2の射出シリンダー内で溶融させた第
2の溶融樹脂を、第2の樹脂流路を介してキャビティ内
に射出した後、第2の溶融樹脂の射出を終了し、次い
で、(C)第1の射出シリンダーによって保圧を行い、
併せて、逆流手段の動作によって第1の樹脂流路内の第
1の溶融樹脂を第2の樹脂流路内に流入させる、工程か
ら成ることを特徴とする。図20に、本発明の第3の態
様に係る多層成形品の射出成形方法における射出圧力等
の時間変化を示す。
【0021】上記の目的を達成するための本発明の第4
の態様に係る多層成形品の射出成形方法は、上記の本発
明の多層成形品を成形するための射出成形装置を使用し
た同時射出成形方法であり、(A)第1の射出シリンダ
ー内で溶融させた第1の溶融樹脂を、第1の樹脂流路を
介してキャビティ内に射出し、(B)第1の溶融樹脂の
射出中に、第2の射出シリンダー内で溶融させた第2の
溶融樹脂を第2の樹脂流路を介してキャビティ内に射出
し、(C)第1の溶融樹脂の射出と第2の溶融樹脂の射
出を略同時に完了した後、第1の射出シリンダーによっ
て保圧を行い、併せて、逆流手段の動作によって第1の
樹脂流路内の第1の溶融樹脂を第2の樹脂流路内に流入
させる、工程から成ることを特徴とする。図21に、本
発明の第4の態様に係る多層成形品の射出成形方法にお
ける射出圧力等の時間変化を示す。
【0022】本発明の多層成形品を成形するための射出
成形装置、若しくは、本発明の第1〜第4の態様に係る
多層成形品の射出成形方法においては、逆流手段は、第
1の樹脂流路内の第1の溶融樹脂を第2の樹脂流路内に
一定量流入させることが好ましい。また、第2の樹脂流
路を経由して第2の溶融樹脂をキャビティ内に射出して
いるとき及び射出完了後には、第2の射出シリンダーの
内部とキャビティとは逆流手段によって連通状態とな
り、第1の樹脂流路内の第1の溶融樹脂が第2の樹脂流
路内に所定量流入した後、第2の射出シリンダーの内部
とキャビティとは逆流手段によって非連通状態となるこ
とが好ましい。尚、所定量と一定量との間には、(所定
量)≦(一定量)の関係がある。あるいは又、第2の樹
脂流路を経由して第2の溶融樹脂をキャビティ内に射出
しているとき及び射出完了後には、第2の射出シリンダ
ーの内部とキャビティとは逆流手段によって連通状態と
なり、第1の樹脂流路内の第1の溶融樹脂が第2の樹脂
流路内に流入し始めた後、第2の射出シリンダーの内部
とキャビティとは逆流手段によって非連通状態となるこ
とが好ましい。
【0023】本発明の多層成形品を成形するための射出
成形装置、若しくは、本発明の第1〜第4の態様に係る
多層成形品の射出成形方法においては、逆流手段は、樹
脂流路の合流部と第2の射出シリンダーとの間の第2の
樹脂流路に設けられていることが好ましい。この場合、
逆流手段は、第2の射出シリンダーのノズル部と金型と
の間、若しくは、第2の射出シリンダーのノズル部に配
設されていることが特に好ましい。
【0024】本発明の多層成形品を成形するための射出
成形装置、若しくは、本発明の第1〜第4の態様に係る
多層成形品の射出成形方法においては、一定量の第1の
溶融樹脂を第2の樹脂流路内に流入させるという観点か
ら、また、構造の簡素化の観点から、逆流手段を逆流制
御弁とすることが好ましい。逆流制御弁として、ボール
形式逆流制御弁又はスライド形式逆流制御弁を挙げるこ
とができる。
【0025】本発明の多層成形品を成形するための射出
成形装置、若しくは、本発明の第1〜第4の態様に係る
多層成形品の射出成形方法においては、第2の樹脂流路
内に流入させる第1の溶融樹脂の体積は、キャビティの
体積の5乃至50%、好ましくは5乃至35%、より好
ましくは5乃至25%とすることが望ましい。第2の樹
脂流路内に流入する第1の溶融樹脂の体積がキャビティ
の体積の5%未満では、多層成形品の最外層を構成しな
い樹脂が最外層表面に出現することを防止することが困
難となる。一方、射出条件にも依るが、第1の溶融樹脂
を第2の樹脂流路内に流入させることにより、多層成形
品の各層を構成する樹脂層に乱れが発生するが、これら
の乱れを確実に防止するためには、第2の樹脂流路内に
流入する第1の溶融樹脂の体積がキャビティの体積の3
5%以下、特に25%以下であることが望ましい。キャ
ビティの体積の50%を越える場合には、多層成形品の
各層を構成する樹脂層に、実用上、問題となる程度の乱
れが多々発生する虞がある。
【0026】本発明の多層成形品を成形するための射出
成形装置、若しくは、本発明の第1〜第4の態様に係る
多層成形品の射出成形方法においては、成形すべき多層
成形品は如何なる構造、形状のものであってもよく、例
えば、多層容器(多層ボトル)を成形するための前駆体
であるパリソンを挙げることができる。この場合、第1
の樹脂流路を経由してキャビティ内に射出された第1の
溶融樹脂によってパリソンの最外層が形成されることが
好ましい。また、成形すべき多層成形品として、その
他、自動車用バンパー、自動車用ドアハンドルを挙げる
ことができる。また、成形品に強度と外観性等の異なっ
た機能を付与するために、多層成形技術によって複数の
樹脂を組み合わせた多層成形品を挙げることもできる。
【0027】本発明の第1〜第4の態様に係る多層成形
品の射出成形方法においては、第2の樹脂として、ガス
バリヤー性を有する熱可塑性樹脂(ガスバリヤー性樹
脂)、回収ポリエチレンテレフタレート樹脂(パリソン
成形時に一旦使用した後の再生ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂を含む)、着色ポリエチレンテレフタレート樹
脂から成る群から選択された少なくとも1種の樹脂を挙
げることができる。
【0028】ここで、ガスバリヤー性樹脂は、メタキシ
リレン基含有ポリアミド樹脂(MXナイロン樹脂)、エ
チレン−酢酸ビニル共重合樹脂ケン化物、ポリアクリル
ニトリル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂から成る群から
選択された少なくとも1種の樹脂であることが好ましい
が、中でも、MXナイロン樹脂とすることが一層好まし
い。
【0029】MXナイロン樹脂とは、メタキシリレンジ
アミン単独、又は、メタキシリレンジアミン及び全量の
30%以下のパラキシリレンジアミンを含む混合キシリ
レンジアミンと炭素数6〜10のα・ω−脂肪族ジカル
ボン酸とから得られる構成単位を少なくとも70モル%
以上含有する重合体を意味する。これらの重合体の例と
しては、ポリメタキシリレンアジパミド、ポリメタキシ
リレンセバカミド、ポリメタキシリレンスベラミド等の
ような単独重合体、メタキシリレン/パラキシリレンア
ジパミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンス
ベラミド共重合体のような共重合体、あるいは、これら
の単独若しくは共重合体成分と、ヘキサメチレンジアミ
ンのような脂肪族ジアミン、ピペラジン等の脂環族ジア
ミン、パラ−ビス−(2−アミノエチル)ベンゼン等の
芳香族ジアミン、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン
酸、ε−カプロラクタム等のラクタム、ω−アミノヘプ
タン酸等のω−アミノカルボン酸、パラ−アミノ安息香
酸等の芳香族アミノカルボン酸等との共重合を例示する
ことができる。また、これらの重合体に、例えば、ナイ
ロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11
等の重合体を含有させてもよい。
【0030】これらのMXナイロン樹脂の相対粘度は
1.5以上が適当であり、好ましくは2.0〜4.0で
ある。尚、相対粘度(ηrel)は、樹脂1g/96%硫
酸100mlの条件にて、25゜Cにて測定したときの
粘度である。
【0031】一方、本発明の第1〜第4の態様に係る多
層成形品の射出成形方法において、第1の樹脂として、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−
ナフタレート(PEN)等の熱可塑性ポリエステル樹
脂;熱可塑性共重合ポリエステル樹脂;ポリオレフィン
系樹脂;脂肪族ポリアミド樹脂;ポリカーボネート樹
脂;ポリアクリルニトリル樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂;
ポリスチレン樹脂から成る群から選択された少なくとも
1種の樹脂を挙げることができるが、中でも、熱可塑性
ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。また、必要
に応じて2種の樹脂をブレンドしたもの、例えば、ポリ
エチレンテレフタレート樹脂とポリエチレン−2,6−
ナフタレート樹脂とをブレンドしたものを使用すること
もできる。
【0032】ここで、ポリエチレンテレフタレートと
は、通常、酸成分の80モル%以上、好ましくは90モ
ル%以上がテレフタル酸であり、グリコール成分の80
モル%以上、好ましくは90モル%以上がエチレングリ
コールであるポリエステルを意味し、残部の他の酸成分
としてはイソフタル酸、ジフェニルエ−テル−4,4−
ジカルボン酸、ナフタレン−1,4又は2,6−ジカル
ボン酸、アジピン酸、セバシン酸、デカン−1,10−
ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸を、また、他
のグリコール成分としてはプロピレングリコール、1,
4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチ
レングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2
−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等
を例示することができる。更には、オキシ酸として、P
−オキシ安息香酸等を含有するポリエステル樹脂を挙げ
ることもできる。
【0033】また、ポリエチレン−2,6−ナフタレー
トは、エチレン−2,6−ナフタレートの他に、他のエ
ステル形成単位を20モル%以下、好ましくは10モル
%以下で含有してもよい。他のエステル形成単位を構成
するジカルボン酸として、フタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5
−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカル
ボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−
ジフェニルカルボン酸、3,4’−ジフェニルカルボン
酸等の芳香族ジカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、セ
バシン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、テトラ
リンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸を好適なもの
として挙げることができる。また、他のエステル形成単
位を構成するジオールとして、プロピレングリコール、
トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、1,
4−ブタンジオール等の脂肪族グリコール;1,3−シ
クロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、1,6−シクロヘキサンジオール等の脂肪
族グリコール;ビスフェノールA等の芳香族グリコール
を好適なものとして挙げることができる。上記のような
ポリエチレン−2,6−ナフタレートは、例えば、少量
の安息香酸、ベンゾイル安息香酸、ベンジルオキシ安息
香酸、メトキシポリエチレングリコール等の単官能化合
物によって分子末端を封止されていてもよい。また、グ
リセリン、トリメシン酸、ペンタエリスリトール等の多
官能化合物を極く少量含んでいてもよい。
【0034】これらの熱可塑性ポリエステル樹脂の固有
粘度は0.40以上が適当であり、好ましくは0.50
〜1.4である。固有粘度が0.40未満では、得られ
る積層成形品(例えば、多層容器)の機械的強度が不十
分となる他、例えば多層成形品を透明な非晶質状態で得
ることが困難となる。尚、固有粘度(η)は、フェノー
ル/テトラクロロエタン=6/4(重量比)の混合溶媒
を使用して、30゜Cにて測定したときの粘度である。
【0035】熱可塑性共重合ポリエステル樹脂とは、テ
レフタル酸、イソフタル酸、1,4−ナフタレンジカル
ボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナ
フタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸等の酸成分と、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,3−シ
クロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)
ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベ
ンゼン等のジオール成分の中から、少なくとも2つの成
分を共重合して成る熱可塑性共重合ポリエステル樹脂で
ある。これらの熱可塑性共重合ポリエステル樹脂は、必
要に応じて、他の熱可塑性ポリエステル樹脂と混合して
使用してもよい。
【0036】本発明の第1〜第4の態様に係る多層成形
品の射出成形方法においては、熱可塑性ポリエステル樹
脂、特にポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹
脂)と、MXナイロン樹脂との組み合わせが最も好まし
い。その理由は、樹脂の有する透明性、機械的強度、射
出成形性、延伸ブロー成形性の全てにおいて優れている
ためである。また、両樹脂の熱的性質が近いため、成形
温度条件の設定が容易である。この場合、ポリエチレン
テレフタレート樹脂とMXナイロン樹脂の溶融粘度が接
近していることが好ましく、例えば固有粘度0.7〜
0.8のポリエチレンテレフタレート樹脂を使用する場
合、相対粘度2.7前後のMXナイロン樹脂を使用する
ことが望ましい。他のガスバリヤー性樹脂を使用する場
合にも、その溶融粘度はポリエチレンテレフタレート樹
脂の溶融粘度に近い値を有することが好ましい。
【0037】更には、本発明の第1〜第4の態様に係る
多層成形品の射出成形方法においては、必要に応じて、
第1の樹脂や第2の樹脂、あるいは、多層成形品を構成
する各樹脂層を形成するための樹脂に、着色剤、紫外線
吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、滑剤、核剤、抗菌剤
等を配合することができる。
【0038】本発明の射出成形装置においては、第1の
樹脂流路内の第1の溶融樹脂を第2の樹脂流路内に流入
させる逆流手段が設けられている。それ故、第1の溶融
樹脂をキャビティ内に射出する際、樹脂流路の合流部近
傍の第2の樹脂流路には、前回の成形サイクルにおいて
第2の樹脂流路内に流入した第1の溶融樹脂が既に存在
することになる。従って、樹脂流路の合流部近傍におい
て、射出された第1の溶融樹脂と第2の樹脂流路内に存
在する第2の溶融樹脂との混合が生じたり、射出状態に
ない第2の溶融樹脂が射出されつつある第1の溶融樹脂
に巻き込まれるといった現象の発生を防止することがで
きる結果、例えば、第2の樹脂が多層成形品の表面に出
現するという問題の発生を確実に回避することができ
る。
【0039】本発明の第1〜第4の態様に係る射出成形
方法においては、第1の樹脂流路内の第1の溶融樹脂を
第2の樹脂流路内に流入させる逆流手段が設けられた本
発明の射出成形装置を用いる。それ故、工程(A)にお
いて第1の溶融樹脂をキャビティ内に射出する際、樹脂
流路の合流部近傍の第2の樹脂流路には、前回の成形サ
イクルにおいて第2の樹脂流路内に流入した第1の溶融
樹脂が既に存在することになる。従って、樹脂流路の合
流部近傍において、射出された第1の溶融樹脂と第2の
樹脂流路内に存在する第2の溶融樹脂との混合が生じた
り、射出状態にない第2の溶融樹脂が射出されつつある
第1の溶融樹脂に巻き込まれるといった現象の発生を防
止することができる結果、例えば、第2の樹脂が多層成
形品の表面に出現するという問題の発生を確実に回避す
ることができる。
【0040】本発明において、逆流手段を逆流制御弁か
ら構成すれば、射出成形装置の大型化、複雑化を回避す
ることができるし、樹脂流路からの溶融樹脂の漏れ発生
等が生じることもない。逆流制御弁をボール形式逆流制
御弁とすれば、ボールが流体圧力によって移動するだけ
であり、構造が極めて簡素であり、可動部及び摺動部が
無い。尚、ボール形式逆流制御弁による流体の制御は、
溶融樹脂の流れの制御だけでなく、他の液体やガス体に
対しても行うことができる。従来の開閉弁は、外部から
の油圧や空気圧等によって電磁バルブやシリンダーを動
かし、これらの回転や往復運動によって流体流路を強制
的に開閉している。そのため、構造や作動制御が複雑と
なり、耐久性に乏しい。
【0041】
【実施例】以下、図面を参照して、実施例に基づき本発
明を説明する。
【0042】(実施例1)実施例1における多層成形品
を成形するための射出成形装置(以下、単に射出成形装
置と呼ぶ)の概念図を図1及び図2に示す。尚、図1
は、射出成形を全く行っていない状態の射出成形装置を
示し、図2は、多層成形品の成形直前の第1の溶融樹脂
40A、第2の溶融樹脂40Bの計量済みの射出成形装
置の状態を示している。
【0043】この射出成形装置は、金型20と、2つの
射出シリンダー10A,10Bと、第1の射出シリンダ
ー10Aの内部とキャビティ25とを結ぶ第1の樹脂流
路23Aと、第2の射出シリンダー10Bの内部とキャ
ビティ25とを結ぶ第2の樹脂流路23Bとを備えてい
る。金型20は、キャビティ25が設けられたキャビテ
ィブロック21と、ホットランナーブロック22から構
成されている。キャビティブロック21は、複数のブロ
ックが組み合わされて構成されている。そして、金型2
0内に位置する第1の樹脂流路23A及び第2の樹脂流
路23Bの部分は、ホットランナーブロック22内に設
けられている。更に、第1の樹脂流路23Aと第2の樹
脂流路23Bとは、キャビティ25に開口したゲート部
24の上流の合流部で合流する構造を有する。また、第
1及び第2の射出シリンダー10A,10Bのノズル部
を参照番号12A,12Bで示す。第1の樹脂流路23
Aと第2の樹脂流路23Bとの合流部より上流(射出シ
リンダー側)における第1の樹脂流路23A及び第2の
樹脂流路23Bの一部分は、二重管構造となっている。
この二重管構造の樹脂流路における内側の管状の第2の
樹脂流路23B内にはゲートカットピン26が配設され
ている。ゲートカットピン26は空気圧シリンダー27
の作動によってキャビティ25に近づく方向及び遠ざか
る方向に移動可能である。二重管構造の樹脂流路におけ
る外側の第1の樹脂流路23Aとキャビティ25との連
通、及び、二重管構造の樹脂流路における内側の管状の
第2の樹脂流路23Bとキャビティ25との連通は、ゲ
ートカットピン26の移動によって制御することができ
る。即ち、ゲートカットピン26を前進端に位置させる
と、第1の樹脂流路23Aとキャビティ25との連通、
及び、第2の樹脂流路23Bとキャビティ25との連通
が遮断される。また、ゲートカットピン26を後進端に
位置させると、第1の樹脂流路23Aとキャビティ25
との連通、及び、第2の樹脂流路23Bとキャビティ2
5との連通が確保される。尚、図1には、ゲートカット
ピン26がゲート部24から抜き出された状態(後進端
に位置する状態)を示す。また、図2には、ゲートカッ
トピン26がゲート部24に挿入された状態(前進端に
位置する状態)を示す。ここで、図2において、参照番
号40Aは、第1の射出シリンダー10Aから第1の樹
脂流路23A及びゲート部24を介してキャビティ25
に射出される第1の溶融樹脂を示し、参照番号40B
は、第2の射出シリンダー10Bから第2の樹脂流路2
3B及びゲート部24を介してキャビティ25に射出さ
れる第2の溶融樹脂を示す。また、参照番号40aは、
前回の射出時に流入し、第2の樹脂流路23B内に残さ
れた第1の溶融樹脂40Aの残り(図中、白四角印で表
現する)を示す。尚、キャビティブロック21の内部に
は冷却水を流す配管が配設され、ホットランナーブロッ
ク22の内部にはヒータが配設されているが、かかる配
管やヒータの図示は省略した。
【0044】本発明の射出成形装置においては、第2の
溶融樹脂40Bを第2の樹脂流路23Bを経由してキャ
ビティ25内に射出した後、第1の樹脂流路23A内の
第1の溶融樹脂40Aを第2の樹脂流路23B内に一定
量流入させる逆流手段が設けられている。この逆流手段
は、第1の樹脂流路23A内の第1の溶融樹脂40Aが
第2の樹脂流路23B内の第2の溶融樹脂40Bに及ぼ
す圧力によって動作する。実施例1の射出成形装置にお
いては、この逆流手段は、第1及び第2の樹脂流路23
A,23Bの合流部より上流の第2の樹脂流路23Bに
設けられた逆流制御弁であり、具体的には、この逆流制
御弁はボール形式の逆流制御弁30Bである。尚、逆流
制御弁30Bは、第2の射出シリンダー10Bのノズル
部12Bと金型20との間に配設されているが、ノズル
部12B内に配設されていてもよい。
【0045】従来のボールチェッキ弁(逆止弁)は、溶
融樹脂の逆流を防止するために設けられている。一方、
実施例1における逆流制御弁30Bは、一定量の第2の
溶融樹脂40Bを逆流させ得る構造を有する。具体的に
は、図6の(A)に模式的な端面図を示すように、逆流
制御弁30Bは、中空部32を有する円筒管部31と、
中空部32内に格納されたボール34から構成されてい
る。中空部32の下流側(金型側)の端部から上流側
(射出シリンダー側)に向かっての所定の中空部32の
部分の直径はボール34の直径よりも大きい。この中空
部32の部分を拡径部33と呼ぶ。中空部32の拡径部
33以外の部分の直径は、ボール34の直径とほぼ等し
い。
【0046】第2の射出シリンダー10Bから第2の溶
融樹脂40Bをキャビティ25に向かって送り出す際に
は、図6の(B)に示すように、ボール34は中空部3
2の下流側端部の拡径部33に第2の溶融樹脂40Bの
圧力によって押し付けられる。従って、第2の樹脂流路
23Bを経由して第2の溶融樹脂40Bをキャビティ2
5内に射出しているとき及び射出完了後には、第2の射
出シリンダー10Bの内部とキャビティ25とは逆流制
御弁30Bによって連通状態となる。ボール34と拡径
部33との間の隙間を通って第2の溶融樹脂40Bはキ
ャビティ25に向かって流れる。
【0047】一方、第1の樹脂流路23A内の第1の溶
融樹脂40Aが第2の樹脂流路23B内の第2の溶融樹
脂40Bに及ぼす圧力によって、第2の溶融樹脂40B
は逆流する。そして、第2の溶融樹脂40Bが逆流制御
弁30B内を逆流する際には、逆流する第2の溶融樹脂
40Bの圧力によってボール34は中空部32の上流側
端部に向かって移動させられ、最終的には、中空部32
の上流側端部に押し付けられる(図6の(C)参照)。
ボール34と中空部32の上流側端部との間には隙間が
存在しない。従って、図6の(C)に示した状態におい
ては、これ以上、第2の溶融樹脂40Bの逆流が生じる
ことはない。言い換えれば、ボール34が円筒管部31
の拡径部33から中空部32の上流側端部に移動する間
に、第2の溶融樹脂40Bは逆流制御弁30B内を逆流
する。この逆流する第2の溶融樹脂40Bの体積は、概
ね、ボール34の断面積及びボール34の移動距離の積
によって規定され、一定量である。言い換えれば、この
逆流する第2の溶融樹脂40Bの体積は、概ね、中空部
32の体積からボール34の体積を減じた値と略等し
く、一定量である。従って、ボール34の直径及びボー
ル34の移動距離を適切に選択、設定することにより、
第2の樹脂流路23B内に流入する第1の溶融樹脂40
Aの体積を規定することができる。即ち、第2の樹脂流
路23B内に流入する第1の溶融樹脂40Aの体積を、
キャビティの体積の5乃至50%、好ましくは5乃至3
5%、一層好ましくは5乃至25%とするためには、ボ
ール34の直径及びボール34の移動距離を適切に選
択、設定すればよい。言い換えれば、ボール34の断面
積及びボール34の移動距離の積は、第2の樹脂流路2
3B内に流入する第1の溶融樹脂40Aの体積とほぼ等
しい。尚、図6の(B)及び(C)において、第2の溶
融樹脂40Bの流れる方向を矢印で示した。
【0048】尚、第1の樹脂流路23A内の第1の溶融
樹脂40Aが第2の樹脂流路23B内に流入し始める
と、ボール34が円筒管部31の拡径部33から中空部
32の上流側端部に向かって移動する。第1の樹脂流路
23A内の第1の溶融樹脂40Aが第2の樹脂流路23
B内に所定量流入したとき、ボール34は拡径部33と
拡径部33以外の部分の境界に達する、中空部32の拡
径部33以外の部分にボール34が侵入した時点で、中
空部32の拡径部33以外の部分の直径はボール34の
直径とほぼ等しいので、第2の射出シリンダー10Bの
内部とキャビティ25とは逆流制御弁30Bによって非
連通状態となる。
【0049】図6の(B)の矢印A−Aに沿った円筒管
部31の模式的な断面図を図7の(A)及び(B)に示
す。図7の(A)及び(B)に示した構造においては円
筒管部31の拡径部33の内面の4カ所から、突起部3
3Aが円筒管部31の軸線と平行な方向にボール受け部
31C近傍まで延びており、ボール34は突起部33A
の頂点若しくは頂面に接触しながら移動する。また、図
6の(B)の矢印A−Aに沿った円筒管部31の拡径部
33の変形例を、図7の(C)及び(D)に示す。図7
の(C)及び(D)に示した構造においては円筒管部3
1の拡径部33の内面の3カ所から、突起部33Aが円
筒管部31の軸線と平行な方向にボール受け部31C近
傍まで延びている。図7の(A)及び(C)に示した構
造においては、突起部33Aの断面形状は円形を一部切
り欠いた形状である。また、図7の(B)及び(D)に
示した構造においては、突起部33Aの断面形状は略矩
形である。第2の溶融樹脂40Bは、ボール34と突起
部33Aと拡径部33の内面によって囲まれた空間内を
流動する。尚、突起部33Aの断面形状、突起部33A
の数、円筒管部31の軸線に垂直な面でかかる空間を切
断したときの空間の形状は、図7の(A)〜(D)に示
した形状や数に限定するものではない。更には、図6の
(B)の矢印B−Bに沿ったボール受け部31Cの模式
的な断面図を図7の(E)に示す。また、図6の(B)
の矢印B−Bに沿ったボール受け部31Cの部分の変形
例を図7の(F)、(G)及び(H)の模式的な断面図
に示す。図7の(E)〜(H)に示すように、中空部3
2の下流側端部に設けられたボール受け部31Cと円筒
管部31との間には、円筒管部31の軸線と平行な方向
に延びる空間31Bが設けられており、かかる空間31
Bは拡径部33に連通しており、第2の溶融樹脂40B
はこれらの空間31B内を流動する。ボール受け部31
Cと円筒管部31は一体に作製してもよいし、個別に作
製してもよい。尚、円筒管部31の軸線に垂直な面でか
かる空間31Bを切断したときの空間31Bの形状や数
は、図7の(E)〜(H)に示した形状や数に限定する
ものではない。
【0050】第1及び第2の射出シリンダー10A,1
0Bに配設されたスクリュー11A,11Bのそれぞれ
は、樹脂を可塑化、溶融すると同時にプランジャの作用
も有する形式のインラインスクリュー方式である。以
下、図8を参照して、第2の射出シリンダー10Bを例
にとり説明を行うが、図9に示すように、第1の射出シ
リンダー10Aも同様の構造とすることができる。スク
リュー11Bは、減速歯車13を介して油圧モータ14
によって回転させられる。ホッパ15からスクリュー1
1Bに投入された第2の樹脂は、加熱シリンダー10
B、スクリュー11Bによって加熱、可塑化、溶融、計
量され、加熱シリンダー10Bとスクリュー11Bの先
端の間に形成された空隙16に蓄えられる。スクリュー
11Bの後端には射出ラム17Bが取り付けられてお
り、射出ラム17Bは射出用油圧シリンダー18Bによ
って圧力が加えられる。射出用油圧シリンダー18Bに
よって射出ラム17Bに圧力を加えることにより、スク
リュー11Bが前方に押し出され第2の溶融樹脂に圧力
が加わる結果、空隙16に蓄えられた第2の溶融樹脂
は、逆流制御弁30B、第2の樹脂流路23B及びゲー
ト部24を経由して、キャビティ25に射出される。
尚、図8において、参照番号19は射出装置前進後退用
シリンダー、参照番号19A,19Bは油圧配管、参照
番号19Cは圧力計である。
【0051】以下、図2〜図5を参照して、実施例1の
射出成形装置を用いた本発明の第1の態様に係る多層成
形品の射出成形方法を説明する。尚、この射出成形方法
は交互射出成形方法である。図14に、実施例1の多層
成形品の射出成形方法における射出圧力等の時間変化を
示す。
【0052】[工程−100]図2に示した第1及び第
2の溶融樹脂40A,40Bの計量済みの状態から、多
層成形品(実施例1においてはパリソン)を成形するた
めに、空気圧シリンダー27を作動させてゲートカット
ピン26を後退させ、ゲートカットピン26をゲート部
24から抜き出し、後進端に位置させ、ゲート部24を
開く。そして、第1の射出シリンダー10A内で溶融さ
せた第1の溶融樹脂40Aの一部を、第1の樹脂流路2
3Aを介してキャビティ25内に射出する。即ち、射出
用油圧シリンダー18Aによって射出ラム17Aに圧力
を加えることによりスクリュー11Aを前方に押し出
す。これによって、第1の射出シリンダー10A内で溶
融された第1の溶融樹脂40Aの一部は、第1の樹脂流
路23A及びゲート部24を経由してキャビティ25内
に射出される。この状態を模式的に図3に示す。尚、図
3において、参照番号40aは、前回の射出時に流入
し、第2の樹脂流路23B内に残された第1の溶融樹脂
40Aの残り(図中、白四角印で表現する)を示す。
【0053】例えば、キャビティ25における溶融樹脂
充填率がキャビティ25の体積の例えば70%以下にお
いては、第1の溶融樹脂40Aをキャビティ25内に射
出する際には、第1の溶融樹脂40Aの射出に起因した
第2の射出シリンダー10Bに向かう圧力が、第2の樹
脂流路23B内の第2の溶融樹脂40Bには殆ど加わら
ない。それ故、第2の樹脂流路23B内の第2の溶融樹
脂40Bが第2の射出シリンダー10Bに向って逆流す
ることはない。
【0054】尚、多層成形品の最外層を形成するために
第1の溶融樹脂40Aを第1の樹脂流路23Aを経由し
てキャビティ25内に射出するより以前に、即ち、この
[工程−100]より以前に(具体的には、例えば前回
の成形サイクルにおいて)、多層成形品の最外層ではな
い層を形成するための溶融樹脂以外の溶融樹脂(実施例
1においては、第1の溶融樹脂40A)が、合流部より
上流の第2の樹脂流路23Bに既に一定量流入してい
る。
【0055】[工程−110]そして、第1の溶融樹脂
40Aを中止する。即ち、第1の射出シリンダー10A
における射出用油圧シリンダー18Aによる射出ラム1
7Aへの加圧を中止する。そして、第2の射出シリンダ
ー10B内で溶融させた第2の溶融樹脂40Bを、第2
の樹脂流路23Bを介してキャビティ25内に射出す
る。即ち、第2の射出シリンダー10Bにおいて、射出
用油圧シリンダー18Bによって射出ラム17Bに圧力
を加えることによりスクリュー11Bを前方に押し出
す。これによって、第2の射出シリンダー10B内で溶
融された第2の溶融樹脂40Bは、第2の樹脂流路23
B及びゲート部24を経由してキャビティ25内に射出
される。第2の溶融樹脂40Bの射出途中の状態を模式
的に図4に示す。キャビティ25内に射出された第2の
溶融樹脂40Bは、射出条件にも依るが、既にキャビテ
ィ25の一部分を充填した第1の溶融樹脂40Aの中央
部を前進する。前回の成形サイクルにおいて流入し、第
2の樹脂流路23B内に残された第1の溶融樹脂40a
も、第2の溶融樹脂40Bと一緒にキャビティ25内に
射出される。尚、図4には第1の溶融樹脂40aの図示
は省略した。
【0056】尚、3つの射出シリンダーを備えた射出成
形装置を用い、[工程−110]に引き続き、第3の射
出シリンダー内で溶融させた第3の樹脂を、第3の樹脂
流路を介してキャビティ内に射出してもよい。この場
合、例えば、第3の樹脂を、第1の樹脂と同種の樹脂あ
るいは異種の樹脂とすることができる。
【0057】[工程−120]第2の溶融樹脂40Bの
射出が完了したならば、第2の射出シリンダー10Bに
おける射出用油圧シリンダー18Bによる射出ラム17
Bへの加圧を中止する。そして、第1の射出シリンダー
10A内で溶融させた第1の溶融樹脂40Aの残りを、
第1の樹脂流路23A及びゲート部24を介してキャビ
ティ25内に射出する。即ち、第1の射出シリンダー1
0Aにおいて、射出用油圧シリンダー18Aによって射
出ラム17Aに圧力を加えることによりスクリュー11
Aを前方に押し出す。これによって、第1の射出シリン
ダー10A内で溶融された第1の溶融樹脂40Aは、第
1の樹脂流路23A及びゲート部24を経由してキャビ
ティ25内に射出される。第1の溶融樹脂40Aの射出
完了時点における状態を模式的に図5に示す。尚、射出
すべき第1の溶融樹脂40Aの残りの量は、キャビティ
25の全てを充填するのに充分な量及び第2の樹脂流路
23B内に流入する量の合計とする。キャビティ25内
に射出された第1の溶融樹脂40Aは、射出条件にも依
るが、既にキャビティ25の一部分を充填した第2の溶
融樹脂40Bの中央部を前進する。
【0058】このとき、第2の樹脂流路23B内の第2
の溶融樹脂40Bに対して第2の射出シリンダー10B
に向かう圧力が第1の溶融樹脂40Aによって加わる。
それ故、第2の樹脂流路23B内の第2の溶融樹脂40
Bが第2の射出シリンダー10Bに向って逆流する。そ
の結果、第1の樹脂流路23A内の第1の溶融樹脂40
Aの一部が第2の樹脂流路23B内に流入する。先に説
明したとおり、第2の溶融樹脂40Bの逆流によってボ
ール34が円筒管部31の拡径部33から中空部32の
上流側端部に移動させられる。この逆流する第2の溶融
樹脂40Bの体積は一定量である。従って、第1の樹脂
流路23A内の第1の溶融樹脂40Aが第2の樹脂流路
23B内に流入する量も一定量となる。尚、第2の樹脂
流路23B内に流入した第1の溶融樹脂の部分を参照番
号40aで示し、白四角印で表現した。このとき、第2
の樹脂流路23B内に流入した第1の溶融樹脂40aと
第2の溶融樹脂40Bとは、射出成形条件に依っては、
殆ど混ざり合わない場合もあるし、混ざり合う場合もあ
る。また、射出成形条件に依っては、この工程では、第
1の樹脂流路23A内の第1の溶融樹脂40Aの一部が
第2の樹脂流路23B内に流入する現象が生ぜず、次の
保圧期間中において、第1の樹脂流路23A内の第1の
溶融樹脂40Aの一部が第2の樹脂流路23B内に流入
する現象が生じる場合もある。また、第1の樹脂流路2
3A内の第1の溶融樹脂40Aの一部が第2の樹脂流路
23B内に流入し終わる時点は、射出成形条件に依っ
て、第1の溶融樹脂40Aの射出中の場合があるし、次
の保圧期間中となる場合もある。
【0059】[工程−130]第1の溶融樹脂40Aの
射出完了後、第1の射出シリンダー10Aによって保圧
を行う。その後、ゲートカットピン26を前進させ、ゲ
ートカットピン26によってゲート部24を閉じる。そ
して、キャビティ25内の樹脂を冷却した後、金型20
を開き、多層成形品であるパリソンを取り出す。こうし
て得られた多層成形品の主たる部分(パリソンの側面の
主たる部分)は、射出条件にも依るが、第1の樹脂40
A/第2の樹脂40B/第1の樹脂40A/第2の樹脂
40B/第1の樹脂40Aの5層構造である。また、多
層成形品の主たる部分以外の部分は、第1の樹脂層によ
って構成される。
【0060】第2の樹脂流路23B内に流入する第1の
溶融樹脂40Aの体積は、キャビティ25の体積の5乃
至50%であることが好ましい。第2の樹脂流路23B
内に流入した第1の溶融樹脂40aは、第2の溶融樹脂
40Bの射出時に、第2の溶融樹脂40Bと共にキャビ
ティ25内に射出される。第2の樹脂流路23B内に流
入する第1の溶融樹脂40aの体積がキャビティ25の
体積の50%以下ならば、第2の溶融樹脂40Bと共に
キャビティ内に射出される第1の溶融樹脂40aが多層
成形品の特性に何ら悪影響を与えることがない。尚、第
2の樹脂流路23B内に流入する第1の溶融樹脂40a
の体積がキャビティ25の体積の25%以下ならば、多
層成形品の各層を構成する樹脂層に乱れが発生すること
を確実に防止することができる。第2の樹脂流路23B
内に流入する第1の溶融樹脂40aの体積がキャビティ
25の体積の25%を越え、50%以下の場合には、多
層成形品の各層を構成する樹脂層に若干の乱れが発生す
る場合があるが、実用上問題となる乱れではない。第2
の樹脂流路23B内に流入する第1の溶融樹脂40aの
体積がキャビティ25の体積の50%を越える場合に
は、多層成形品の各層を構成する樹脂層に、実用上、問
題となる程度の乱れが発生する場合がある。
【0061】一方、第2の樹脂流路23B内に流入する
第1の溶融樹脂40aの体積がキャビティ25の体積の
5%未満の場合、例えば[工程−100]において第1
の溶融樹脂40Aをキャビティ25内に射出する際、前
回の射出時に流入しそして第2の樹脂流路23B内に残
された第1の溶融樹脂40a、更には、第2の樹脂流路
23B内の第2の溶融樹脂40Bが、キャビティ25内
に射出される第1の溶融樹脂40Aに巻き込まれ、第2
の溶融樹脂40Bもキャビティ25内に流入する。その
結果、キャビティ25内で第1の溶融樹脂40Aと第2
の溶融樹脂40Bの混合が生じ、第2の樹脂40Bが多
層成形品の最外層表面に出現するといった問題が生じる
場合がある。
【0062】先に説明したように、第1の樹脂流路内の
第1の溶融樹脂が第2の樹脂流路内に流入する現象は、
常に起こるわけではなく、キャビティ25内における溶
融樹脂充填率が例えば70%を越える場合に発生する。
従って、[工程−100]において、キャビティ25に
おける溶融樹脂充填率がキャビティ25の体積の例えば
70%以下においては、第1の溶融樹脂40Aをキャビ
ティ25内に射出する際には、第1の溶融樹脂40Aの
射出に起因した第2の射出シリンダー10Bに向かう圧
力が、第2の樹脂流路23B内の第2の溶融樹脂40B
には殆ど加わらず、第2の樹脂流路23B内に第1の溶
融樹脂40Aが流入することはない。また、[工程−1
10]においても、第2の樹脂流路23B及びゲート部
24を経由して第2の溶融樹脂40Bをキャビティ25
内に射出したとき、キャビティ25における溶融樹脂充
填率が例えば70%を越えない場合には、第2の溶融樹
脂40Bをキャビティ25内に射出する際、第2の溶融
樹脂40Bの射出に起因した第1の射出シリンダー10
Aに向かう圧力が、第1の樹脂流路23A内の第1の溶
融樹脂40Aには殆ど加わらない。それ故、第1の樹脂
流路23A内の第1の溶融樹脂40Aが第1の射出シリ
ンダー10Aに向って逆流することはない。第1の射出
シリンダー10Aのノズル部12Aあるいはノズル部1
2Aと金型20との間に逆流を防止するための弁を配設
する必要はないが、場合によっては、かかる弁を射出シ
リンダー10Aのノズル部12Aあるいはノズル部12
Aと金型20との間に配設してもよい。この場合の弁
は、逆流制御弁30Bと同様の構造であってもよいし、
従来の溶融樹脂の逆流を防止するボールチェッキ弁(逆
止弁)であってもよい。
【0063】尚、射出条件によっては、[工程−12
0]においてキャビティ25内に射出された第1の溶融
樹脂40Aは、既にキャビティ25の一部分を充填した
第2の溶融樹脂40Bの中央部を前進するが第2の溶融
樹脂40Bから成る樹脂層の先端部分にまでは到達せ
ず、図10の(A)にパリソンの模式的な断面図を示す
ように、多層成形品の主たる部分(パリソンの側面の主
たる部分)の一部分は、第1の樹脂40A/第2の樹脂
40B/第1の樹脂40A/第2の樹脂40B/第1の
樹脂40Aの5層構造の部分であり、多層成形品の主た
る部分の他の部分は、第1の樹脂40A/第2の樹脂4
0B/第1の樹脂40Aの3層構造の部分の3層構成と
することもできる。あるいは又、射出条件によっては、
図10の(B)に示すように、パリソンの側面が3層/
5層/3層等の構造を有するパリソンを成形することも
可能である。
【0064】尚、図14、図15及び図16に交互射出
成形方法における射出圧力等の時間変化を示すように、
第1の樹脂流路23A内の第1の溶融樹脂40Aの一部
が第2の樹脂流路23B内に流入する現象が第1の溶融
樹脂40Aの射出中に生じるか(図14及び図15参
照)、射出完了後に生じるか(図16参照)は、射出成
形条件に依存する。尚、第1の溶融樹脂40Aの射出完
了後に逆流手段の動作によって第1の樹脂流路23A内
の第1の溶融樹脂40Aが第2の樹脂流路23B内に流
入する場合には、具体的には、第1の射出シリンダー1
0Aによって保圧を行い、併せて、第1の溶融樹脂40
Aの射出完了後に逆流手段の動作によって第1の樹脂流
路23A内の第1の溶融樹脂40Aを第2の樹脂流路2
3B内に流入させる(図16参照)。また、第1の溶融
樹脂40Aの射出中に逆流手段の動作によって第1の樹
脂流路23A内の第1の溶融樹脂40Aが第2の樹脂流
路23B内に流入し始めた場合には、第1の溶融樹脂4
0Aの第2の樹脂流路23B内への流入完了の時点は、
第1の溶融樹脂40Aの射出中であってもよいし(図1
4参照)、射出完了と同時であってもよいし、射出完了
後の保圧期間中であってもよい(図16参照)。
【0065】また、本発明の第2の態様に係る多層成形
品の射出成形方法である同時射出成形方法に基づく射出
を行えば、即ち、[工程−110]において、第1の溶
融樹脂40Aをキャビティ25に射出し続けながら、第
2の溶融樹脂40Bを一定量だけキャビティ25に射出
すれば、図11の(A)にパリソンの模式的な断面図を
示すように、多層成形品の主たる部分(パリソンの側面
の主たる部分)が、第1の樹脂層/第2の樹脂層/第1
の樹脂層の3層構造のパリソンが得られる。場合によっ
ては、図11の(B)にパリソンの模式的な断面図を示
すように、多層成形品の主たる部分(パリソンの側面の
主たる部分)の一部分が、第1の樹脂層/第2の樹脂層
/第1の樹脂層の3層構成のパリソンを得ることもでき
る。尚、図17、図18及び図19に射出圧力等の時間
変化を示すように、第2の溶融樹脂40Bの射出完了後
であって第1の溶融樹脂40Aの射出中若しくは射出完
了後、逆流手段の動作によって第1の樹脂流路23A内
の第1の溶融樹脂40Aを第2の樹脂流路23B内に流
入させる。第1の樹脂流路23A内の第1の溶融樹脂4
0Aの一部が第2の樹脂流路23B内に流入する現象が
第1の溶融樹脂40Aの射出中に生じるか(図17及び
図18参照)、射出完了後に生じるか(図19参照)
は、射出成形条件に依存する。尚、第1の溶融樹脂40
Aの射出完了後に逆流手段の動作によって第1の樹脂流
路23A内の第1の溶融樹脂40Aが第2の樹脂流路2
3B内に流入する場合には、具体的には、第1の射出シ
リンダー10Aによって保圧を行い、併せて、第1の溶
融樹脂40Aの射出完了後に逆流手段の動作によって第
1の樹脂流路23A内の第1の溶融樹脂40Aを第2の
樹脂流路23B内に流入させる(図19参照)。また、
第1の溶融樹脂40Aの射出中に逆流手段の動作によっ
て第1の樹脂流路23A内の第1の溶融樹脂40Aが第
2の樹脂流路23B内に流入し始めた場合には、第1の
溶融樹脂40Aの第2の樹脂流路23B内への流入完了
の時点は、第1の溶融樹脂40Aの射出中であってもよ
いし(図17参照)、射出完了と同時であってもよい
し、射出完了後の保圧期間中であってもよい(図18参
照)。
【0066】更には、場合によっては、[工程−12
0]を省略することもできる。この場合、本発明の第3
の態様に係る多層成形品の射出成形方法である交互射出
成形方法においては、[工程−110]において、第2
の溶融樹脂40Bをキャビティ25に射出し、キャビテ
ィ25内を第2の溶融樹脂40Bで完全に満たす。ま
た、本発明の第4の態様に係る多層成形品の射出成形方
法である同時射出成形方法においては、[工程−11
0]において、第1の溶融樹脂40Aをキャビティ25
に射出し続けながら、第2の溶融樹脂40Bをキャビテ
ィ25に射出し、キャビティ25内を第1の溶融樹脂4
0A及び第2の溶融樹脂40Bで完全に満たす。そし
て、これらの場合、[工程−130]において、第1の
射出シリンダー10Aによる保圧を行う。この第1の射
出シリンダー10Aによる保圧によって、第2の樹脂流
路23B内の第2の溶融樹脂40Bに対して第2の射出
シリンダー10Bに向かう圧力が第1の溶融樹脂40A
によって加わる。その結果、逆流手段が動作し、第2の
樹脂流路23B内の第2の溶融樹脂40Bが第2の射出
シリンダー10Bに向って逆流し、第1の樹脂流路23
A内の第1の溶融樹脂40Aの一部が第2の樹脂流路2
3B内に流入する(図20及び図21参照)。
【0067】尚、逆流制御弁として、図6の(A)〜
(C)に示したボール形式逆流制御弁の代わりに、図1
2の(A)〜(C)に示すスライド形式逆流制御弁50
を用いることもできる。このスライド形式逆流制御弁5
0は、一定量の第2の溶融樹脂40Bを逆流させ得る構
造を有する。具体的には、図12の(A)に模式的な端
面図を示すように、逆流制御弁50は、中空部52を有
する円筒管部51と、中空部52内に格納された弁体5
4と、バー55から構成されている。バー55は円筒管
部51の中心部にその軸線に沿って配設され、支持体5
6A,56Bによって円筒管部51に取り付けられてい
る。第2の溶融樹脂40Bは、支持体56A,56Bを
自由に通過し得る。弁体54の中心部はバー55に滑動
自在に取り付けられている。中空部52の下流側(金型
側)の端部から上流側(射出シリンダー側)に向かって
の所定の中空部52の部分の断面積は弁体54の断面積
よりも大きい。この中空部52の部分を拡径部53と呼
ぶ。中空部52の拡径部53以外の部分の断面形状は、
弁体54の断面形状とほぼ等しい。
【0068】第2の射出シリンダー10Bから第2の溶
融樹脂40Bをキャビティ25に向かって射出する場合
には、図12の(B)に示すように、弁体54は中空部
52の下流側端部の支持体56Aに第2の溶融樹脂40
Bの圧力によって押し付けられる。従って、第2の樹脂
流路23Bを経由して第2の溶融樹脂40Bをキャビテ
ィ25内に射出しているとき及び射出完了後には、第2
の射出シリンダー10Bの内部とキャビティ25とは逆
流制御弁50によって連通状態となる。弁体54と拡径
部53との間の隙間を通って第2の溶融樹脂40Bはキ
ャビティ25に向かって流れる。
【0069】一方、第1の樹脂流路23A内の第1の溶
融樹脂40Aが第2の樹脂流路23B内の第2の溶融樹
脂40Bに及ぼす圧力によって、第2の溶融樹脂40B
は逆流する。そして、第2の溶融樹脂40Bが逆流制御
弁50内を逆流する際には、第2の樹脂流路23Bに流
入する第1の溶融樹脂40Aの圧力によって弁体54は
中空部52の上流側端部に向かって移動させられ、最終
的には、中空部52の上流側端部に押し付けられる(図
12の(C)参照)。弁体54と中空部52の上流側端
部との間には隙間が存在しない。従って、図12の
(C)に示した状態においては、これ以上、第2の溶融
樹脂40Bの逆流が生じることはない。言い換えれば、
弁体54が円筒管部51の中空部52の下流側端部から
上流側端部に移動する間に、第2の溶融樹脂40Bは逆
流制御弁50内を逆流する。この逆流する第2の溶融樹
脂40Bの体積は、概ね、弁体54が移動する中空部5
2の部分の断面積及び弁体54の移動距離の積によって
規定され、一定量である。言い換えれば、この逆流する
第2の溶融樹脂40Bの体積は、概ね、中空部52の体
積から弁体54の体積を減じた値と略等しく、一定量で
ある。従って、弁体54が移動する中空部52の部分の
断面積及び弁体54の移動距離を適切に選択、設定する
ことにより、第2の樹脂流路23B内に流入する第1の
溶融樹脂40Aの体積を規定することができる。言い換
えれば、弁体54が移動する中空部52の部分の断面積
及び弁体54の移動距離の積は、第2の樹脂流路23B
内に流入する第1の溶融樹脂40Aの体積とほぼ等し
い。図12の(B)及び(C)において、第2の溶融樹
脂40Bの流れる方向を矢印で示した。尚、第2の溶融
樹脂40Bの流れる方向に垂直な面で切断したときの弁
体54及び中空部52の形状は円形であることが好まし
いが、かかる形状に限定されず、矩形等、任意の形状と
することができる。
【0070】尚、第1の樹脂流路23A内の第1の溶融
樹脂40Aが第2の樹脂流路23B内に流入し始める
と、弁体54が中空部52を上流側端部に向かって移動
する。第1の樹脂流路23A内の第1の溶融樹脂40A
が第2の樹脂流路23B内に所定量流入したとき、弁体
54は、拡径部53と拡径部53以外の部分の境界に達
する。中空部52の拡径部53以外の部分に弁体54が
侵入した時点で、中空部52の拡径部53以外の部分の
断面形状は弁体54の断面形状とほぼ等しいので、第2
の射出シリンダー10Bの内部とキャビティ25とは逆
流制御弁50によって非連通状態となる。
【0071】図12の(B)の矢印A−Aに沿った円筒
管部51の模式的な断面図を図13の(A)に示す。ま
た、図12の(B)の矢印B−Bに沿った円筒管部51
の模式的な断面図を図13の(B)に示す。支持体56
Aは中央部が円盤状であり、周囲から4本の腕が延び、
これらの腕の先端部が円筒管部51の内面に達してい
る。支持体56Aと円筒管部51は一体に作製してもよ
いし、個別に作製してもよい。支持体56Aの中心部に
はバー55が固定されている。尚、支持部56Aの構造
は、図13の(A)及び(B)に示した構造に限定され
るものではなく、支持体56Aの中央部の形状、腕の数
は、任意である。
【0072】場合によっては、シャットオフ弁を用いる
こともできる。従来の射出成形方法においては、第2の
射出シリンダー10Bのノズル部12Bに、油圧シリン
ダーの作動にて開閉するシャットオフ弁を配設する。そ
して、[工程−110]の完了後、直ちに油圧シリンダ
ーを作動させてシャットオフ弁を閉じ、第2の溶融樹脂
40Bの第2の射出シリンダー10B内への逆流を防止
している。本発明の射出成形方法においては、[工程−
110]の完了後もシャットオフ弁を開いた状態として
おき、第2の樹脂流路23B内に流入する第1の溶融樹
脂40Aの体積と同体積の第2の溶融樹脂40Bが第2
の射出シリンダー10B内に逆流した時点で油圧シリン
ダーを作動させてシャットオフ弁を閉じ、第2の溶融樹
脂40Bの第2の射出シリンダー10B内へのそれ以上
の逆流を阻止する。これによっても、第1の樹脂流路内
の第1の溶融樹脂を第2の樹脂流路内に流入させること
ができる。尚、[工程−120]において第1の溶融樹
脂40Aの射出を開始してから第2の射出シリンダー1
0Bに配設されたシャットオフ弁を閉じるタイミング
は、種々の試験を行い、決定すればよい。
【0073】あるいは又、第2の射出シリンダー10B
に配設された射出用油圧シリンダー18Bを改造し、逆
流手段を、第2の射出シリンダー10B内に配設された
スクリュー11B、及び射出用油圧シリンダー18Bか
ら構成することもできる。即ち、スクリュー11Bにキ
ャビティ側から第2の溶融樹脂40Bの圧力が加わった
とき、スクリュー11Bが自由に後退するのではなく、
一定量だけスクリュー11Bが後退し、それ以上の後退
を阻止する機能を、射出用油圧シリンダー18Bに付与
する。このような構成にすることによって、[工程−1
20]において、第1の溶融樹脂40Aが第2の樹脂流
路23B内に流入したとき、第2の溶融樹脂40Bは第
2の射出シリンダー10B内へ逆流するが、第2の樹脂
流路23B内に流入する第1の溶融樹脂40Aの体積と
同体積の第2の溶融樹脂40Bが第2の射出シリンダー
10B内に逆流した時点で、射出用油圧シリンダー18
Bによってスクリュー11Bのそれ以上の後退は阻止さ
れる。即ち、第2の溶融樹脂40Bの第2の射出シリン
ダー10B内へのそれ以上の逆流が阻止され、その結
果、第2の樹脂流路23B内に流入する第1の溶融樹脂
40Aの量が一定量に規制される。即ち、これによって
も、第1の樹脂流路内の第1の溶融樹脂を第2の樹脂流
路内に一定量流入させることができる。
【0074】実施例1においては、2つの射出シリンダ
ーを備え、2つの射出シリンダーのそれぞれの内部とキ
ャビティとを結ぶ2つの樹脂流路を有する射出成形装置
を例にとり説明を行ったが、射出シリンダーの数は3つ
以上であってもよく、この場合には、射出シリンダーの
数と同じ数の樹脂流路を設ければよい。そして、[工程
−110]と[工程−120]との間で、第3、第4・
・・の射出シリンダーから溶融した第3、第4・・・の
樹脂をキャビティ25へと射出すればよい。この場合、
1つの樹脂流路が第1の樹脂流路に相当し、残りの樹脂
流路が第2の樹脂流路に相当する。尚、第2の樹脂流路
のそれぞれに流入する第1の溶融樹脂の体積が、キャビ
ティの体積の5乃至50%、好ましくは5乃至35%、
より好ましくは5乃至25%であることが望ましい。ま
た、金型に設けられたキャビティの数は1つに限定され
ず、任意である。キャビティの数が複数の場合、第1の
樹脂流路及び第2の樹脂流路のそれぞれをキャビティの
数だけ分岐し、分岐された各樹脂流路を各キャビティに
開口した各ゲート部と結べばよい。この場合、本発明の
射出成形装置においては、逆流手段の下流で樹脂流路を
分岐することが好ましい。尚、第2の樹脂流路のそれぞ
れに流入する第1の溶融樹脂の体積が、キャビティの体
積の5乃至50%、好ましくは5乃至35%、より好ま
しくは5乃至25%であることが望ましい。
【0075】実施例1においては、第2の樹脂流路23
B内にゲートカットピン26が配設されている構造とし
たが、ゲート部の構造や、ゲート部における溶融樹脂の
温度を適宜設定することによって、ゲートカットピンを
省略することもできる。
【0076】また、実施例1においては、射出シリンダ
ー内で樹脂の可塑化、溶融、計量を行い、射出シリンダ
ーから溶融樹脂の射出を行ったが、ポット式(シューテ
ィング・ポット式あるいは加熱ポット式とも呼ばれる)
の成形装置を用いることもできる。このポット式の成形
装置においては、樹脂の可塑化、溶融、計量をシリンダ
ー内で行い、溶融樹脂を射出用ポット内に充填する。シ
リンダーと射出用ポットとの間には逆止弁が配設されて
いる。射出用ポット内に充填された溶融樹脂には射出用
シリンダーから圧力が加えられ、樹脂流路及びゲート部
を介して溶融樹脂がキャビティ内に射出される。このよ
うなポット式の成形装置においても、射出用ポットとキ
ャビティとを結ぶ第2の樹脂流路に逆流手段を配設すれ
ばよい。
【0077】以下、実施例2〜実施例11及び比較例1
〜比較例3により、本発明を更に詳細に説明する。尚、
これらの実施例及び比較例における温度条件を以下の表
1に示すが、特に断りの無い限り、表1の温度条件を採
用した。また、これらの実施例及び比較例においては、
図1に示した実施例1の射出成形装置を使用した。
【0078】
【表1】 射出シリンダー10Aにおける第1の溶融樹脂40Aの温度:270゜C 射出シリンダー10Bにおける第2の溶融樹脂40Bの温度:260゜C ホットランナーブロック内の第1及び第2の樹脂流路の温度:270゜C キャビティブロック内の冷却水の温度 : 15゜C
【0079】ポリエチレンテレフタレート樹脂の固有粘
度(η)は、フェノール/テトラクロロエタン=6/4
(重量比)の混合溶媒を使用して、30゜Cにて測定し
た。一方、ポリメタキシリレンアジパミド樹脂の相対粘
度(ηrel)は、樹脂1g/96%硫酸100mlの条
件にて、25゜Cにて測定した。また、層間接着強度の
測定は、剥離方向180度、剥離速度20mm/分、試
料寸法10mm(幅)×100mm(長さ)にて行っ
た。
【0080】(実施例2)第1の樹脂40Aとして、固
有粘度0.75のポリエチレンテレフタレート樹脂(P
ET樹脂。日本ユニペット株式会社製のRT543C)
を用い、第2の樹脂40Bとして、相対粘度2.7のポ
リメタキシリレンアジパミド樹脂(N−MXD6樹脂。
三菱瓦斯化学株式会社製の#6007)を使用した。そ
して、実施例1にて説明した各工程に基づき、PET樹
脂、N−MXD6樹脂、PET樹脂を交互に射出し、5
層構成のパリソンを交互射出成形方法(本発明の第1の
態様に係る多層成形品の射出成形方法)に基づき成形し
た。パリソンの長さを110mm、肉厚を4.5mm、
外形直径を26.5mmとした。尚、このようなパリソ
ンに基づき二軸延伸ブロー成形法にて得られる多層ボト
ルの寸法は、全長200mm、外径75mm、容積60
0ミリリットルである。
【0081】第1の樹脂流路23Aと第2の樹脂流路2
3Bとの合流部より上流(射出シリンダー側)における
第1の樹脂流路23A及び第2の樹脂流路23Bの一部
分は、二重管構造となっており、この部分の長さを12
0mmとした。この二重管構造の樹脂流路における外側
の第1の樹脂流路23Aの外径を18mm、内径を14
mmとした。一方、この二重管構造の樹脂流路における
内側の管状の第2の樹脂流路23Bの直径を8mmとし
た。また、円柱状のゲートカットピン26の外径を4m
mとした。
【0082】第1の射出シリンダー10Aとしては内径
50mmのものを使用して、第1の樹脂40A(PET
樹脂)を可塑化し、溶融した。また、第2の射出シリン
ダー10Bとしては内径40mmのものを使用し、第2
の樹脂40B(N−MXD6樹脂)を可塑化し、溶融し
た。逆流手段としてボール形式逆流制御弁30Bを使用
した。金型20には4つのキャビティ25が設けられて
おり、各樹脂流路23A,23Bを、逆流制御弁30B
よりも下流で分岐させて、各々のキャビティ25に開口
したゲート部24へと繋げた。
【0083】射出成形前には、前回の射出時に第2の樹
脂流路23B内に流入した第1の溶融樹脂40aがキャ
ビティ25の体積の5%に相当する量だけ第2の樹脂流
路23B内に残っていた。
【0084】先ず、[工程−100]と同様にして、第
1の溶融樹脂40A(溶融PET樹脂)をキャビティ2
5の体積の30%に相当する量だけキャビティ25に射
出した。この際、第1の溶融樹脂40Aが第2の樹脂流
路23B内に流入することはなかった。
【0085】次いで、[工程−110]と同様にして、
第2の射出シリンダー10Bから第2の溶融樹脂40B
(溶融N−MXD6樹脂)をキャビティ25に射出し
た。射出した第2の溶融樹脂40Bの量を、キャビティ
25の体積の5%に相当する量とした。前回の射出時に
第2の樹脂流路23B内に流入し、キャビティ25の体
積の5%に相当する量だけ残っていた第1の溶融樹脂4
0aもキャビティ25に射出された。この際にも、第2
の溶融樹脂40B及び第1の溶融樹脂40aが第1の樹
脂流路23A内に流入することはなかった。
【0086】続いて、[工程−120]と同様にして、
第1の射出シリンダー10Aから第1の溶融樹脂40A
(溶融PET樹脂)をキャビティ25に射出した。射出
した第1の溶融樹脂40Aの量を、キャビティ25を溶
融樹脂で充填するためのキャビティ25の体積の60%
に相当する量と、第2の樹脂流路23B内に第1の溶融
樹脂40Aが流入する量の合計とした。この際、第1の
溶融樹脂40Aが第2の樹脂流路23B内に流入し、第
2の樹脂流路23B内の第2の溶融樹脂40Bが逆流
し、第2の射出シリンダー10B内のスクリュー11B
が後退したが、逆流制御弁30Bの作動によって、第2
の樹脂流路23Bへの第1の溶融樹脂40Aの流入はキ
ャビティ25の体積の5%にとどまった。
【0087】次に、第1の射出シリンダー10Aによ
り、15秒間保圧した後、空気圧シリンダー27を作動
させてゲートカットピン26を前進させてゲート部24
を閉じた。その後、10秒間冷却した後、金型を開き、
積層成形品であるパリソンを金型から取り出した。得ら
れたパリソンは、図5に示したと同様に、PET樹脂層
/N−MXD6樹脂層/PET樹脂層/N−MXD6樹
脂層/PET樹脂層の5層構造であり、樹脂層に乱れの
無い、きれいな樹脂層が形成されていた。また、N−M
XD6樹脂層がパリソンの最外層表面(パリソンの内側
表面及び外側表面)に出現する現象も全く認められなか
った。得られた多層パリソンを100゜Cに加熱して、
二軸延伸ブロー成形法にて多層ボトルを製造したとこ
ろ、外観良好な多層ボトルが得られた。
【0088】(実施例3)ボール34の直径は実施例2
にて使用した逆流制御弁30Bのボール34の直径と同
じであるが、ボール34の移動距離が実施例2にて使用
した逆流制御弁30Bよりも長いボール形式逆流制御弁
30Bに交換した以外は、実施例2の射出成形装置を用
いてパリソンの成形を行った。
【0089】射出成形前には、前回の射出時に第2の樹
脂流路23B内に流入した第1の溶融樹脂40aがキャ
ビティ25の体積の15%に相当する量だけ第2の樹脂
流路23B内に残っていた。
【0090】先ず、[工程−100]と同様にして、第
1の溶融樹脂40A(溶融PET樹脂)をキャビティ2
5の体積の40%に相当する量だけキャビティ25に射
出した。この際、第1の溶融樹脂40Aが第2の樹脂流
路23B内に流入することはなかった。
【0091】次いで、[工程−110]と同様にして、
第2の射出シリンダー10Bから第2の溶融樹脂40B
(溶融N−MXD6樹脂)をキャビティ25に射出し
た。射出した第2の溶融樹脂40Bの量を、キャビティ
25の体積の5%に相当する量とした。前回の射出時に
第2の樹脂流路23B内に流入し、キャビティ25の体
積の15%に相当する量だけ残っていた第1の溶融樹脂
40aもキャビティ25に射出された。この際にも、第
2の溶融樹脂40B及び第1の溶融樹脂40aが第1の
樹脂流路23A内に流入することはなかった。
【0092】続いて、[工程−120]と同様にして、
第1の射出シリンダー10Aから第1の溶融樹脂40A
(溶融PET樹脂)をキャビティ25に射出した。射出
した第1の溶融樹脂40Aの量を、キャビティ25を溶
融樹脂で充填するためのキャビティ25の体積の40%
に相当する量と、第2の樹脂流路23B内の第2の溶融
樹脂40Bの逆流する量に相当する量の合計とした。こ
の際、第1の溶融樹脂40Aが第2の樹脂流路23B内
に流入し、第2の樹脂流路23B内の第2の溶融樹脂4
0Bが逆流し、第2の射出シリンダー10B内のスクリ
ュー11Bが後退したが、逆流制御弁30Bの作動によ
って、第2の樹脂流路23Bへの第1の溶融樹脂40A
の流入はキャビティ25の体積の15%にとどまった。
【0093】次に、第1の射出シリンダー10Aによ
り、15秒間保圧した後、空気圧シリンダー27を作動
させてゲートカットピン26を前進させてゲート部24
を閉じた。その後、10秒間冷却した後、金型を開き、
積層成形品であるパリソンを金型から取り出した。得ら
れたパリソンは、図5に示したと同様に、PET樹脂層
/N−MXD6樹脂層/PET樹脂層/N−MXD6樹
脂層/PET樹脂層の5層構造であり、樹脂層に乱れの
無い、きれいな樹脂層が形成されていた。また、N−M
XD6樹脂層がパリソンの最外層表面(パリソンの内側
表面及び外側表面)に出現する現象も全く認められなか
った。また、外観良好な多層ボトルが得られた。
【0094】(実施例4)第2の樹脂40Bとして、N
−MXD6樹脂の代わりに、エチレン−酢酸ビニル共重
合樹脂ケン化物(EVOH。クラレ株式会社製のEVA
L EF−E)を用いた。実施例4に於ける温度条件
を、以下の表2に示す。ボール34の直径は実施例3に
て使用した逆流制御弁30Bのボール34の直径と同じ
であるがボール34の移動距離が実施例3にて使用した
逆流制御弁30Bよりも長いボール形式逆流制御弁30
Bに交換した点を除き、実施例2と同様の射出成形装置
にて射出成形を行った。
【0095】
【表2】 射出シリンダー10Aにおける第1の溶融樹脂40Aの温度:270゜C 射出シリンダー10Bにおける第2の溶融樹脂40Bの温度:230゜C ホットランナーブロック内の第1及び第2の樹脂流路の温度:270゜C キャビティブロック内の冷却水の温度 : 15゜C
【0096】射出成形前には、前回の射出時に第2の樹
脂流路23B内に流入した第1の溶融樹脂40aがキャ
ビティ25の体積の25%に相当する量だけ第2の樹脂
流路23B内に残っていた。
【0097】先ず、[工程−100]と同様にして、第
1の溶融樹脂40A(溶融PET樹脂)をキャビティ2
5の体積の40%に相当する量だけキャビティ25に射
出した。この際、第1の溶融樹脂40Aが第2の樹脂流
路23B内に流入することはなかった。
【0098】次いで、[工程−110]と同様にして、
第2の射出シリンダー10Bから第2の溶融樹脂40B
(溶融EVOH樹脂)をキャビティ25に射出した。射
出した第2の溶融樹脂40Bの量を、キャビティ25の
体積の5%に相当する量とした。前回の射出時に第2の
樹脂流路23B内に流入し、キャビティ25の体積の2
5%に相当する量だけ残っていた第1の溶融樹脂40a
もキャビティ25に射出された。この際にも、第2の溶
融樹脂40B及び第1の溶融樹脂40aが第1の樹脂流
路23A内に流入することはなかった。
【0099】続いて、[工程−120]と同様にして、
第1の射出シリンダー10Aから第1の溶融樹脂40A
(溶融PET樹脂)をキャビティ25に射出した。射出
した第1の溶融樹脂40Aの量を、キャビティ25を溶
融樹脂で充填するためのキャビティ25の体積の30%
に相当する量と、第2の樹脂流路23B内の第2の溶融
樹脂40Bの逆流する量に相当する量の合計とした。こ
の際、第1の溶融樹脂40Aが第2の樹脂流路23B内
に流入し、第2の樹脂流路23B内の第2の溶融樹脂4
0Bが逆流し、第2の射出シリンダー10B内のスクリ
ュー11Bが後退したが、逆流制御弁30Bの作動によ
って、第2の樹脂流路23Bへの第1の溶融樹脂40A
の流入はキャビティ25の体積の25%にとどまった。
【0100】次に、第1の射出シリンダー10Aによ
り、15秒間保圧した後、空気圧シリンダー27を作動
させてゲートカットピン26を前進させてゲート部24
を閉じた。その後、10秒間冷却した後、金型を開き、
積層成形品であるパリソンを金型から取り出した。得ら
れたパリソンは、図5に示したと同様に、PET樹脂層
/EVOH樹脂層/PET樹脂層/EVOH樹脂層/P
ET樹脂層の5層構造であり、樹脂層に乱れの無い、き
れいな樹脂層が形成されていた。また、EVOH樹脂層
がパリソンの最外層表面(パリソンの内側表面及び外側
表面)に出現する現象も全く認められなかった。また、
外観良好な多層ボトルが得られた。
【0101】(実施例5)ボール34の直径は実施例2
にて使用した逆流制御弁30Bのボール34の直径と同
じであるが、ボール34の移動距離が実施例2にて使用
した逆流制御弁30Bよりも長いボール形式逆流制御弁
30Bに交換した点、第1の射出シリンダー10Aのノ
ズル部12Aに従来の逆止弁を設けた点を除き、実施例
2と同様の射出成形装置にて射出成形を行った。尚、第
2の樹脂40BとしてN−MXD6樹脂の代わりに回収
PET樹脂を用いた。
【0102】射出成形前には、前回の射出時に第2の樹
脂流路23B内に流入した第1の溶融樹脂40aがキャ
ビティ25の体積の10%に相当する量だけ第2の樹脂
流路23B内に残っていた。
【0103】先ず、[工程−100]と同様にして、第
1の溶融樹脂40A(溶融PET樹脂)をキャビティ2
5の体積の50%に相当する量だけキャビティ25に射
出した。この際、第1の溶融樹脂40Aが第2の樹脂流
路23B内に流入することはなかった。
【0104】次いで、[工程−110]と同様にして、
第2の射出シリンダー10Bから第2の溶融樹脂40B
(回収PET樹脂)をキャビティ25に射出した。射出
した第2の溶融樹脂40Bの量を、キャビティ25の体
積の20%に相当する量とした。前回の射出時に第2の
樹脂流路23B内に流入し、キャビティ25の体積の1
0%に相当する量だけ残っていた第1の溶融樹脂40a
もキャビティ25に射出された。この際、第1の射出シ
リンダー10Aのノズル部12Aに従来の逆止弁が設け
られているので、第2の溶融樹脂40B及び第1の溶融
樹脂40aが第1の樹脂流路23A内に流入することは
なかった。
【0105】続いて、[工程−120]と同様にして、
第1の射出シリンダー10Aから第1の溶融樹脂40A
(溶融PET樹脂)をキャビティ25に射出した。射出
した第1の溶融樹脂40Aの量を、キャビティ25を溶
融樹脂で充填するためのキャビティ25の体積の20%
に相当する量と、第2の樹脂流路23B内に第1の溶融
樹脂40Aが流入する量の合計とした。この際、第1の
溶融樹脂40Aが第2の樹脂流路23B内に流入し、第
2の樹脂流路23B内の第2の溶融樹脂40Bが逆流
し、第2の射出シリンダー10B内のスクリュー11B
が後退したが、逆流制御弁30Bの作動によって、第2
の樹脂流路23Bへの第1の溶融樹脂40Aの流入はキ
ャビティ25の体積の10%にとどまった。
【0106】次に、第1の射出シリンダー10Aによ
り、15秒間保圧した後、空気圧シリンダー27を作動
させてゲートカットピン26を前進させてゲート部24
を閉じた。その後、10秒間冷却した後、金型を開き、
積層成形品であるパリソンを金型から取り出した。得ら
れたパリソンは、図5に示したと同様に、PET樹脂層
/回収PET樹脂層/PET樹脂層/回収PET樹脂層
/PET樹脂層の5層構造であり、樹脂層に乱れの無
い、きれいな樹脂層が形成されていた。また、回収PE
T樹脂層がパリソンの最外層表面に出現する現象も全く
認められなかった。得られた多層パリソンを100゜C
に加熱して、二軸延伸ブロー成形法にて多層ボトルを製
造したところ、外観良好な多層ボトルが得られた。
【0107】(実施例6)ボール34の直径は実施例4
にて使用した逆流制御弁30Bのボール34の直径と同
じであるが、ボール34の移動距離が実施例4にて使用
した逆流制御弁30Bよりも長いボール形式逆流制御弁
30Bに交換した点、第1の射出シリンダー10Aのノ
ズル部12Aに従来の逆止弁を設けた点を除き、実施例
2と同様の射出成形装置にて射出成形を行った。尚、第
2の樹脂40BとしてN−MXD6樹脂の代わりに、回
収PET樹脂を用いた。
【0108】射出成形前には、前回の射出時に第2の樹
脂流路23B内に流入した第1の溶融樹脂40aがキャ
ビティ25の体積の50%に相当する量だけ第2の樹脂
流路23B内に残っていた。
【0109】先ず、[工程−100]と同様にして、第
1の溶融樹脂40A(溶融PET樹脂)をキャビティ2
5の体積の30%に相当する量だけキャビティ25に射
出した。この際、第1の溶融樹脂40Aが第2の樹脂流
路23B内に流入することはなかった。
【0110】次いで、[工程−110]と同様にして、
第2の射出シリンダー10Bから第2の溶融樹脂40B
(回収PET樹脂)をキャビティ25に射出した。射出
した第2の溶融樹脂40Bの量を、キャビティ25の体
積の10%に相当する量とした。前回の射出時に第2の
樹脂流路23B内に流入し、キャビティ25の体積の5
0%に相当する量だけ残っていた第1の溶融樹脂40a
もキャビティ25に射出された。この際、第1の射出シ
リンダー10Aのノズル部12Aに従来の逆止弁が設け
られているので、第2の溶融樹脂40B及び第1の溶融
樹脂40aが第1の樹脂流路23A内に流入することは
なかった。
【0111】続いて、[工程−120]と同様にして、
第1の射出シリンダー10Aから第1の溶融樹脂40A
(溶融PET樹脂)をキャビティ25に射出した。射出
した第1の溶融樹脂40Aの量を、キャビティ25を溶
融樹脂で充填するためのキャビティ25の体積の10%
に相当する量と、第2の樹脂流路23B内の第2の溶融
樹脂40Bの逆流する量に相当する量の合計とした。こ
の際、第1の溶融樹脂40Aが第2の樹脂流路23B内
に流入し、第2の樹脂流路23B内の第2の溶融樹脂4
0Bが逆流し、第2の射出シリンダー10B内のスクリ
ュー11Bが後退したが、逆流制御弁30Bの作動によ
って、第2の樹脂流路23Bへの第1の溶融樹脂40A
の流入はキャビティ25の体積の50%にとどまった。
【0112】次に、第1の射出シリンダー10Aによ
り、15秒間保圧した後、空気圧シリンダー27を作動
させてゲートカットピン26を前進させてゲート部24
を閉じた。その後、10秒間冷却した後、金型を開き、
積層成形品であるパリソンを金型から取り出した。得ら
れたパリソンは、PET樹脂層/回収PET樹脂層/P
ET樹脂層/回収PET樹脂層/PET樹脂層の5層構
造を有し、各層を構成する樹脂層に若干の乱れが発生し
たが、実用上問題となる乱れではなかった。また、回収
PET樹脂層がパリソンの最外層表面に出現する現象も
全く認められなかった。得られた多層パリソンを100
゜Cに加熱して、二軸延伸ブロー成形法にて多層ボトル
を製造したところ、外観良好な多層ボトルが得られた。
【0113】(実施例7)実施例2と同じ樹脂を使用
し、実施例2の射出成形装置を用いて、射出成形を行っ
た。尚、温度条件は表1と同様とした。実施例7が実施
例2と相違する点は、実施例2が交互射出成形方法であ
ったのに対して、実施例7においては同時射出成形方法
(本発明の第2の態様に係る多層成形品の射出成形方
法)を採用した点にある。
【0114】射出成形前には、前回の射出時に第2の樹
脂流路23B内に流入した第1の溶融樹脂40aがキャ
ビティ25の体積の5%に相当する量だけ第2の樹脂流
路23B内に残っていた。
【0115】先ず、[工程−100]と同様にして、第
1の溶融樹脂40A(溶融PET樹脂)をキャビティ2
5の体積の20%に相当する量だけキャビティ25に射
出した。この際、第1の溶融樹脂40Aが第2の樹脂流
路23B内に流入することはなかった。
【0116】次いで、キャビティ25への第1の溶融樹
脂40A(溶融PET樹脂)の射出を続行しながら、第
2の射出シリンダー10Bから第2の溶融樹脂40B
(溶融N−MXD6樹脂)をキャビティ25に射出し
た。射出した第2の溶融樹脂40Bの量を、キャビティ
25の体積の5%に相当する量とした。前回の射出時に
第2の樹脂流路23B内に流入し、キャビティ25の体
積の5%に相当する量だけ残っていた第1の溶融樹脂4
0aもキャビティ25に射出された。この際にも、第2
の溶融樹脂40B及び第1の溶融樹脂40aが第1の樹
脂流路23A内に流入することはなかった。
【0117】その後、キャビティ25への第2の溶融4
0B樹脂の射出を中止した。そして、キャビティ25へ
の第1の溶融樹脂40A(溶融PET樹脂)の射出を続
行し、キャビティ25内を溶融樹脂で完全に充填した。
射出した第1の溶融樹脂40Aの量を、キャビティ25
を溶融樹脂で充填するためのキャビティ25の体積の7
0%に相当する量と、第2の樹脂流路23B内の第2の
溶融樹脂40Bの逆流する量に相当する量の合計とし
た。この際、第1の溶融樹脂40Aが第2の樹脂流路2
3B内に流入し、第2の樹脂流路23B内の第2の溶融
樹脂40Bが逆流し、第2の射出シリンダー10B内の
スクリュー11Bが後退したが、逆流制御弁30Bの作
動によって、第2の樹脂流路23Bへの第1の溶融樹脂
40Aの流入はキャビティ25の体積の5%にとどまっ
た。
【0118】次に、第1の射出シリンダー10Aによ
り、15秒間保圧した後、空気圧シリンダー27を作動
させてゲートカットピン26を前進させてゲート部24
を閉じた。その後、10秒間冷却した後、金型を開き、
積層成形品であるパリソンを金型から取り出した。得ら
れたパリソンは、図11の(A)に示したと同様に、P
ET樹脂層/N−MXD6樹脂層/PET樹脂層の3層
構造であり、樹脂層に乱れの無い、きれいな樹脂層が形
成されていた。また、N−MXD6樹脂層がパリソンの
最外層表面(パリソンの内側表面及び外側表面)に出現
する現象も全く認められなかった。得られた多層パリソ
ンを100゜Cに加熱して、二軸延伸ブロー成形法にて
多層ボトルを製造したところ、外観良好な多層ボトルが
得られた。
【0119】(実施例8)逆流手段を図12の(A)に
示したスライド形式逆流制御弁50に換えた以外は、実
施例2の射出成形装置を用い、実施例2と同様の射出形
成条件にてパリソンの成形を行った。
【0120】射出成形前には、前回の射出時に第2の樹
脂流路23B内に流入した第1の溶融樹脂40aがキャ
ビティ25の体積の20%に相当する量だけ第2の樹脂
流路23B内に残っていた。
【0121】先ず、[工程−100]と同様にして、第
1の溶融樹脂40A(溶融PET樹脂)をキャビティ2
5の体積の30%に相当する量だけキャビティ25に射
出した。この際、第1の溶融樹脂40Aが第2の樹脂流
路23B内に流入することはなかった。
【0122】次いで、[工程−110]と同様にして、
第2の射出シリンダー10Bから第2の溶融樹脂40B
(溶融N−MXD6樹脂)をキャビティ25に射出し
た。射出した第2の溶融樹脂40Bの量を、キャビティ
25の体積の5%に相当する量とした。前回の射出時に
第2の樹脂流路23B内に流入し、キャビティ25の体
積の20%に相当する量だけ残っていた第1の溶融樹脂
40aもキャビティ25に射出された。この際にも、第
2の溶融樹脂40B及び第1の溶融樹脂40aが第1の
樹脂流路23A内に流入することはなかった。
【0123】続いて、[工程−120]と同様にして、
第1の射出シリンダー10Aから第1の溶融樹脂40A
(溶融PET樹脂)をキャビティ25に射出した。射出
した第1の溶融樹脂40Aの量を、キャビティ25を溶
融樹脂で充填するためのキャビティ25の体積の45%
に相当する量と、第2の樹脂流路23B内の第2の溶融
樹脂40Bの逆流する量に相当する量の合計とした。こ
の際、第1の溶融樹脂40Aが第2の樹脂流路23B内
に流入し、第2の樹脂流路23B内の第2の溶融樹脂4
0Bが逆流し、第2の射出シリンダー10B内のスクリ
ュー11Bが後退したが、逆流制御弁50の作動によっ
て、第2の樹脂流路23Bへの第1の溶融樹脂40Aの
流入はキャビティ25の体積の20%にとどまった。
【0124】次に、第1の射出シリンダー10Aによ
り、15秒間保圧した後、空気圧シリンダー27を作動
させてゲートカットピン26を前進させてゲート部24
を閉じた。その後、10秒間冷却した後、金型を開き、
積層成形品であるパリソンを金型から取り出した。得ら
れたパリソンは、図5に示したと同様に、PET樹脂層
/N−MXD6樹脂層/PET樹脂層/N−MXD6樹
脂層/PET樹脂層の5層構造であり、樹脂層に乱れの
無い、きれいな樹脂層が形成されていた。また、N−M
XD6樹脂層がパリソンの最外層表面(パリソンの内側
表面及び外側表面)に出現する現象も全く認められなか
った。また、外観良好な多層ボトルが得られた。
【0125】(実施例9)第1の樹脂40Aとして、固
有粘度0.75のPET樹脂と、固有粘度0.50のポ
リエチレン−2,6−ナフタレート樹脂(PEN樹脂)
とを90/10の重量割合でブレンドした樹脂を使用
し、温度条件を以下の表3に示す条件とした以外は、実
施例2の射出成形装置を用いて射出成形を行った。
【0126】
【表3】 射出シリンダー10Aにおける第1の溶融樹脂40Aの温度:290゜C 射出シリンダー10Bにおける第2の溶融樹脂40Bの温度:260゜C ホットランナーブロック内の第1及び第2の樹脂流路の温度:290゜C キャビティブロック内の冷却水の温度 : 15゜C
【0127】射出成形前には、前回の射出時に第2の樹
脂流路23B内に流入した第1の溶融樹脂40aがキャ
ビティ25の体積の5%に相当する量だけ第2の樹脂流
路23B内に残っていた。
【0128】先ず、[工程−100]と同様にして、第
1の溶融樹脂40A(溶融PET・PEN樹脂)をキャ
ビティ25の体積の30%に相当する量だけキャビティ
25に射出した。この際、第1の溶融樹脂40Aが第2
の樹脂流路23B内に流入することはなかった。
【0129】次いで、[工程−110]と同様にして、
第2の射出シリンダー10Bから第2の溶融樹脂40B
(溶融N−MXD6樹脂)をキャビティ25に射出し
た。射出した第2の溶融樹脂40Bの量を、キャビティ
25の体積の5%に相当する量とした。前回の射出時に
第2の樹脂流路23B内に流入し、キャビティ25の体
積の5%に相当する量だけ残っていた第1の溶融樹脂4
0aもキャビティ25に射出された。この際にも、第2
の溶融樹脂40B及び第1の溶融樹脂40aが第1の樹
脂流路23A内に流入することはなかった。
【0130】続いて、[工程−120]と同様にして、
第1の射出シリンダー10Aから第1の溶融樹脂40A
(溶融PET・PEN樹脂)をキャビティ25に射出し
た。射出した第1の溶融樹脂40Aの量を、キャビティ
25を溶融樹脂で充填するためのキャビティ25の体積
の60%に相当する量と、第2の樹脂流路23B内の第
2の溶融樹脂40Bの逆流する量に相当する量の合計と
した。この際、第1の溶融樹脂40Aが第2の樹脂流路
23B内に流入し、第2の樹脂流路23B内の第2の溶
融樹脂40Bが逆流し、第2の射出シリンダー10B内
のスクリュー11Bが後退したが、逆流制御弁30Bの
作動によって、第2の樹脂流路23Bへの第1の溶融樹
脂40Aの流入はキャビティ25の体積の5%にとどま
った。
【0131】次に、第1の射出シリンダー10Aによ
り、15秒間保圧した後、空気圧シリンダー27を作動
させてゲートカットピン26を前進させてゲート部24
を閉じた。その後、10秒間冷却した後、金型を開き、
積層成形品であるパリソンを金型から取り出した。得ら
れたパリソンは、PET・PEN樹脂層/N−MXD6
樹脂層/PET・PEN樹脂層/N−MXD6樹脂層/
PET・PEN樹脂層の5層構造であり、樹脂層に乱れ
の無い、きれいな樹脂層が形成されていた。また、N−
MXD6樹脂層がパリソンの最外層表面(パリソンの内
側表面及び外側表面)に出現する現象も全く認められな
かった。得られた多層パリソンを110゜Cに加熱し
て、二軸延伸ブロー成形法にて多層ボトルを製造したと
ころ、外観良好な多層ボトルが得られた。
【0132】(実施例10)第1の射出シリンダー10
Aのノズル部12Aに従来の逆止弁を設けた点を除き、
実施例2と同じ樹脂を使用し、実施例2の射出成形装置
を用いて、射出成形を行った。尚、温度条件は表1と同
様とした。実施例2が本発明の第1の態様に係る交互射
出成形方法であったのに対して、実施例10において
は、本発明の第3の態様に係る多層成形品の射出成形方
法(交互射出成形方法)を採用した。
【0133】射出成形前には、前回の射出時に第2の樹
脂流路23B内に流入した第1の溶融樹脂40aがキャ
ビティ25の体積の10%に相当する量だけ第2の樹脂
流路23B内に残っていた。
【0134】先ず、[工程−100]と同様にして、第
1の溶融樹脂40A(溶融PET樹脂)をキャビティ2
5の体積の70%に相当する量だけキャビティ25に射
出した。この際、第1の溶融樹脂40Aが第2の樹脂流
路23B内に流入することはなかった。
【0135】次いで、キャビティ25への第1の溶融樹
脂40A(溶融PET樹脂)の射出を終了し、[工程−
110]と同様にして、第2の射出シリンダー10B内
で溶融させた第2の溶融樹脂40B(溶融N−MXD6
樹脂)を、第2の樹脂流路23Bを介してキャビティ2
5内に射出した。射出した第2の溶融樹脂40Bの量
を、キャビティ25の体積の20%に相当する量とし
た。前回の射出時に第2の樹脂流路23B内に流入し、
キャビティ25の体積の10%に相当する量だけ残って
いた第1の溶融樹脂40aもキャビティ25に射出され
た。
【0136】第2の溶融樹脂40Bの射出を終了した
後、第1の射出シリンダー10Aによって15秒間の保
圧を行い、併せて、ボール形式逆流制御弁30Bの動作
によって第1の樹脂流路23A内の第1の溶融樹脂40
Aを第2の樹脂流路23B内に流入させた。即ち、第1
の溶融樹脂40Aが第2の樹脂流路23B内に流入し、
第2の樹脂流路23B内の第2の溶融樹脂40Bが逆流
し、第2の射出シリンダー10B内のスクリュー11B
が後退したが、逆流制御弁30Bの作動によって、第2
の樹脂流路23Bへの第1の溶融樹脂40Aの流入はキ
ャビティ25の体積の10%にとどまった。
【0137】その後、空気圧シリンダー27を作動させ
てゲートカットピン26を前進させてゲート部24を閉
じた。そして、10秒間冷却した後、金型を開き、積層
成形品であるパリソンを金型から取り出した。ゲート部
に対応するパリソンの部分以外のパリソンの表面には、
N−MXD6樹脂層の出現は認められなかった。得られ
た多層パリソンを100゜Cに加熱して、二軸延伸ブロ
ー成形法にて多層ボトルを製造したところ、外観良好な
多層ボトルが得られた。
【0138】(実施例11)第1の射出シリンダー10
Aのノズル部12Aに従来の逆止弁を設けた点を除き、
実施例2と同じ樹脂を使用し、実施例2の射出成形装置
を用いて、射出成形を行った。尚、温度条件は表1と同
様とした。実施例2が本発明の第1の態様に係る交互射
出成形方法であったのに対して、実施例11において
は、本発明の第4の態様に係る多層成形品の射出成形方
法(同時射出成形方法)を採用した。
【0139】射出成形前には、前回の射出時に第2の樹
脂流路23B内に流入した第1の溶融樹脂40aがキャ
ビティ25の体積の20%に相当する量だけ第2の樹脂
流路23B内に残っていた。
【0140】先ず、[工程−100]と同様にして、第
1の溶融樹脂40A(溶融PET樹脂)をキャビティ2
5の体積の40%に相当する量だけキャビティ25に射
出した。この際、第1の溶融樹脂40Aが第2の樹脂流
路23B内に流入することはなかった。
【0141】引き続き、第1の溶融樹脂40A(溶融P
ET樹脂)をキャビティ25の体積の20%に相当する
量だけキャビティ25に射出しながら、第2の射出シリ
ンダー10Bから第2の溶融樹脂40B(溶融N−MX
D6樹脂)をキャビティ25に射出した。射出した第2
の溶融樹脂40Bの量を、キャビティ25の体積の20
%に相当する量とした。前回の射出時に第2の樹脂流路
23B内に流入し、キャビティ25の体積の20%に相
当する量だけ残っていた第1の溶融樹脂40aもキャビ
ティ25に射出された。
【0142】第1の溶融樹脂40Aの射出と第2の溶融
樹脂40Bの射出を略同時に完了した後、第1の射出シ
リンダー10Aによって15秒間の保圧を行い、併せ
て、ボール形式逆流制御弁30Bの動作によって第1の
樹脂流路23A内の第1の溶融樹脂40Aを第2の樹脂
流路23B内に流入させた。即ち、第1の溶融樹脂40
Aが第2の樹脂流路23B内に流入し、第2の樹脂流路
23B内の第2の溶融樹脂40Bが逆流し、第2の射出
シリンダー10B内のスクリュー11Bが後退したが、
逆流制御弁30Bの作動によって、第2の樹脂流路23
Bへの第1の溶融樹脂40Aの流入はキャビティ25の
体積の20%にとどまった。
【0143】その後、空気圧シリンダー27を作動させ
てゲートカットピン26を前進させてゲート部24を閉
じた。そして、10秒間冷却した後、金型を開き、積層
成形品であるパリソンを金型から取り出した。ゲート部
に対応するパリソンの部分以外のパリソンの表面には、
N−MXD6樹脂層の出現は認められなかった。得られ
た多層パリソンを100゜Cに加熱して、二軸延伸ブロ
ー成形法にて多層ボトルを製造したところ、外観良好な
多層ボトルが得られた。
【0144】(比較例1)ボール34の直径は実施例6
にて使用した逆流制御弁30Bのボール34の直径と同
じであるが、ボール34の移動距離が実施例6にて使用
した逆流制御弁30Bよりも長いボール形式逆流制御弁
30Bに交換して、実施例2と同じ樹脂及び実施例2と
同じ射出成形装置を用いてパリソンの成形を行った。第
2の樹脂流路23Bへの第1の溶融樹脂40Aの流入が
キャビティ25の体積の60%以上にも達し、しかも、
射出成形サイクル毎に大きく変動した。第2の射出シリ
ンダー10Bにおける第2の溶融樹脂40Bの計量値を
増加させたが安定した成形を行うことができず、得られ
た5層のパリソンは層構造が非常に乱れたものであっ
た。
【0145】(比較例2)逆流手段を、溶融樹脂の逆流
を防止する従来のボールチェッキ弁(逆止弁)に交換し
た。そして、実施例2と同じ樹脂及び実施例2の射出成
形装置を用いてパリソンの成形を行った。
【0146】先ず、[工程−100]と同様にして、第
1の溶融樹脂40A(溶融PET樹脂)をキャビティ2
5の体積の60%に相当する量だけキャビティ25に射
出した。この際、第1の溶融樹脂40Aが第2の樹脂流
路23B内に流入することはなかった。
【0147】次いで、[工程−110]と同様にして、
第2の射出シリンダー10Bから第2の溶融樹脂40B
(溶融N−MXD6樹脂)をキャビティ25に射出し
た。射出した第2の溶融樹脂40Bの量を、キャビティ
25の体積の10%に相当する量とした。
【0148】続いて、[工程−120]と同様にして、
第1の射出シリンダー10Aから第1の溶融樹脂40A
(溶融PET樹脂)をキャビティ25に射出した。射出
した第1の溶融樹脂40Aの量を、キャビティ25を溶
融樹脂で充填するためのキャビティ25の体積の30%
に相当する量とした。この際、従来の逆止弁を使用して
いるので、第1の溶融樹脂40Aが第2の樹脂流路23
B内に流入することはなかった。
【0149】次に、第1の射出シリンダー10Aによ
り、15秒間保圧した後、空気圧シリンダー27を作動
させてゲートカットピン26を前進させてゲート部24
を閉じた。その後、10秒間冷却した後、金型を開き、
積層成形品であるパリソンを金型から取り出した。PE
T樹脂層/N−MXD6樹脂層/PET樹脂層/N−M
XD6樹脂層/PET樹脂層の5層構造のパリソンが得
られた。パリソンの表面にはN−MXD6樹脂層の出現
が認められた。
【0150】(比較例3)逆流手段を、従来の油圧シリ
ンダー作動にて開閉動作するシャットオフ弁に変えた以
外は、実施例2と同様の方法にてパリソンの成形を行っ
た。即ち、第2の射出シリンダー10Bのノズル部12
Bに、油圧シリンダーの作動にて開閉するシャットオフ
弁を配設し、[工程−110]の完了後、直ちに油圧シ
リンダーを作動させてシャットオフ弁を閉じ、第2の溶
融樹脂40Bの第2の射出シリンダー10B内への逆流
を防止した。第2の樹脂流路23Bへの第1の溶融樹脂
40Aの流入はキャビティ25の体積の0〜0.9%で
あった。その結果、[工程−100]と同様の工程にお
いて第1の溶融樹脂40A(溶融PET樹脂)の射出の
際、第2の樹脂流路23B内の第2の溶融樹脂40B
(溶融N−MXD6樹脂)が同伴されてキャビティ25
内に流入し、得られた5層のパリソンの開口部付近の第
1の樹脂40A(PET樹脂)から構成された樹脂層表
面に第2の樹脂40B(N−MXD6樹脂)が出現して
いた。
【0151】以上、本発明を、好ましい実施例に基づき
説明したが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。実施例1にて説明した射出成形装置は例示であり、
適宜、設計変更することができる。また、各実施例にて
説明した射出成形装置や射出成形条件も例示であり、適
宜、設計変更・条件変更することができるし、実施例に
て使用した樹脂も例示である。[工程−110]におい
て、溶融樹脂40Aを射出し続けながら溶融樹脂40B
の射出を行い、溶融樹脂40Bの射出完了後も溶融樹脂
40Aを射出し続ける、同時射出成形方法を実行しても
よい。実施例においては、逆流手段内を第2の溶融樹脂
が逆流したが、逆流手段の配設位置によっては、逆流手
段内を第2の溶融樹脂だけでなく第1の溶融樹脂が逆流
する場合もあり得る。
【0152】本発明における逆流手段は、断続的に2種
類の液体(比較的粘度の高い液体等から構成された流動
体を含む)を切り替える場合にも適用することができ
る。更には、本発明における逆流手段は、断続的に2種
類のガス体を切り替える場合にも適用することができ
る。断続的に切り替える際、最初に使用する液体若しく
はガス体中に、第2番目に使用する液体若しくはガス体
の混入を避けたい分野に、特に有効であり、石油化学の
分野、食品製造分野(菓子の製造分野や食品加工分野
等)、化学品製造装置、排水処理設備等への適用が可能
である。以下、具体的に適用可能な分野を列挙する。 (1)原油採取設備における原油と海水の切換装置にお
いて、海水中に原油が流入することを避ける場合 (2)菓子の製造において、2色の高粘度のクリーム等
を切り替えて使用するときに、或る色のクリームが他の
色のクリームに混入することを避ける場合 (3)水産加工等の食品加工分野において、真水中に海
水が混入することを避ける場合 (4)化学品製造装置において、最終製品と粗製品の貯
蔵設備への配管を共通に使用するとき、最終製品に粗製
品が混入することを避ける場合 (5)イオン交換装置において、液体の吸着ライン及び
脱着ラインの切り替えを行う場合 (6)高純度のガス製造設備において、ガスの流れを断
続的に切り替えてガス製造設備を運転するとき、高純度
のガス中に原料ガスあるいは粗ガスが混入することを避
ける場合
【0153】
【発明の効果】本発明の射出成形装置あるいは本発明の
射出成形方法においては、第1の溶融樹脂の射出時、樹
脂流路の合流部近傍において、多層成形品の外層を形成
する第1の溶融樹脂と第2の樹脂流路内に存在する多層
成形品の内層を形成する第2の溶融樹脂との混合が生じ
たり、射出状態にない第2の溶融樹脂が射出されつつあ
る第1の溶融樹脂に巻き込まれるといった現象の発生を
防止することができる。その結果、例えば、第2の樹脂
が多層成形品の表面に出現するという問題の発生を確実
に回避することができる。樹脂として、例えば熱可塑性
ポリエステル樹脂とガスバリヤー性樹脂とから構成され
た多層成形品であるパリソンを成形すれば、二軸延伸ブ
ロー成形することによって、ガスバリヤー性、透明性、
機械的強度に優れた多層容器を製造することができる。
しかも、第2の樹脂流路内に流入する第1の溶融樹脂の
量の上限を規定することによって、多層成形品の各層を
構成する樹脂層に乱れが発生することを確実に防止する
ことができる。
【0154】尚、逆流手段を逆流制御弁から構成すれ
ば、射出成形装置の大型化、複雑化を回避することがで
きるし、樹脂流路からの溶融樹脂の漏れ発生等が生じる
こともない。更には、逆流手段の作動が迅速であり、し
かも、第2の樹脂流路への一定量の第1の溶融樹脂の流
入を確実に生じさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における射出成形装置の概念図であっ
て、射出成形を全く行っていない状態の射出成形装置を
示す図である。
【図2】実施例1における射出成形装置の概念図であっ
て、多層成形品の成形直前の第1及び第2の溶融樹脂の
計量済みの射出成形装置の状態を示す図である。
【図3】実施例1の射出成形装置を用いた多層成形品の
射出成形方法を説明するためのキャビティ等の概念図で
ある。
【図4】図3にに引き続き、実施例1の射出成形装置を
用いた多層成形品の射出成形方法を説明するためのキャ
ビティ等の概念図である。
【図5】図4に引き続き、実施例1の射出成形装置を用
いた多層成形品の射出成形方法を説明するためのキャビ
ティ等の概念図である。
【図6】実施例1における逆流手段である逆流制御弁の
模式的な端面図である。
【図7】図6の(B)の矢印A−Aに沿った逆流制御弁
の円筒管部の模式的な断面図、及び、図6の(B)の矢
印B−Bに沿った逆流制御弁の円筒管部の模式的な断面
図である。
【図8】第2の射出シリンダーの構造を示す模式的な断
面図である。
【図9】第1の射出シリンダーの構造を示す模式的な断
面図である。
【図10】パリソンの模式的な断面図である。
【図11】パリソンの模式的な断面図である。
【図12】スライド形式逆流制御弁の模式的な端面図で
ある。
【図13】図12の(B)の矢印A−Aに沿った円筒管
部の模式的な断面図、及び、図12の(B)の矢印B−
Bに沿った円筒管部の模式的な断面図である。
【図14】本発明の第1の態様に係る多層成形品の射出
成形方法における射出圧力等の時間変化を示すグラフで
ある。
【図15】本発明の第1の態様に係る多層成形品の射出
成形方法における射出圧力等の時間変化を示すグラフで
ある。
【図16】本発明の第1の態様に係る多層成形品の射出
成形方法における射出圧力等の時間変化を示すグラフで
ある。
【図17】本発明の第2の態様に係る多層成形品の射出
成形方法における射出圧力等の時間変化を示すグラフで
ある。
【図18】本発明の第2の態様に係る多層成形品の射出
成形方法における射出圧力等の時間変化を示すグラフで
ある。
【図19】本発明の第2の態様に係る多層成形品の射出
成形方法における射出圧力等の時間変化を示すグラフで
ある。
【図20】本発明の第3の態様に係る多層成形品の射出
成形方法における射出圧力等の時間変化を示すグラフで
ある。
【図21】本発明の第4の態様に係る多層成形品の射出
成形方法における射出圧力等の時間変化を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
10A,10B・・・射出シリンダー 11A,11B・・・スクリュー 12B・・・射出シリンダー10Bのノズル部 13・・・減速歯車 14・・・油圧モータ 15・・・ホッパ 16・・・空隙 17A,17B・・・射出ラム 18A,18B・・・射出用油圧シリンダー 19・・・射出装置前進後退用シリンダー 19A,19B・・・油圧配管 19C・・・圧力計 20・・・金型 21・・・キャビティブロック 22・・・ホットランナーブロック 23A,23B・・・樹脂流路 24・・・ゲート部 25・・・キャビティ 26・・・ゲートカットピン 27・・・空気圧シリンダー 30B,50・・・逆流制御弁 31,51・・・円筒管部 32,52・・・中空部 33,53・・・拡径部 34・・・ボール 40A,40B・・・樹脂又は溶融樹脂 40a・・・他の樹脂流路内に流入した第1の溶融樹脂 54・・・弁体 55・・・バー 56A,56B・・・支持体
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 9:00 22:00 (72)発明者 太田 貴夫 東京都千代田区丸の内二丁目5番2号 三 菱瓦斯化学株式会社内

Claims (48)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)キャビティが設けられたキャビティ
    ブロックと、ホットランナーブロックとを有する金型、 (b)少なくとも第1の射出シリンダー及び第2の射出
    シリンダー、 (c)第1の射出シリンダーの内部とキャビティとを結
    ぶ第1の樹脂流路、及び、 (d)第2の射出シリンダーの内部とキャビティとを結
    ぶ第2の樹脂流路、を備え、 金型内に位置する第1の樹脂流路及び第2の樹脂流路の
    部分はホットランナーブロック内に設けられ、 第1の樹脂流路と第2の樹脂流路とは、キャビティに開
    口したゲート部の上流の合流部で合流する構造を有する
    射出成形装置であって、 第2の樹脂流路を経由して第2の溶融樹脂をキャビティ
    内に射出した後、第1の樹脂流路内の第1の溶融樹脂を
    第2の樹脂流路内に流入させる逆流手段が設けられてお
    り、 該逆流手段は、第1の樹脂流路内の第1の溶融樹脂が第
    2の樹脂流路内の第2の溶融樹脂に及ぼす圧力によって
    動作することを特徴とする多層成形品を成形するための
    射出成形装置。
  2. 【請求項2】逆流手段は、第1の樹脂流路内の第1の溶
    融樹脂を第2の樹脂流路内に一定量流入させることを特
    徴とする請求項1に記載の多層成形品を成形するための
    射出成形装置。
  3. 【請求項3】第2の樹脂流路を経由して第2の溶融樹脂
    をキャビティ内に射出しているとき及び射出完了後に
    は、第2の射出シリンダーの内部とキャビティとは逆流
    手段によって連通状態となり、第1の樹脂流路内の第1
    の溶融樹脂が第2の樹脂流路内に所定量流入した後、第
    2の射出シリンダーの内部とキャビティとは逆流手段に
    よって非連通状態となることを特徴とする請求項1に記
    載の多層成形品を成形するための射出成形装置。
  4. 【請求項4】第2の樹脂流路を経由して第2の溶融樹脂
    をキャビティ内に射出しているとき及び射出完了後に
    は、第2の射出シリンダーの内部とキャビティとは逆流
    手段によって連通状態となり、第1の樹脂流路内の第1
    の溶融樹脂が第2の樹脂流路内に流入し始めた後、第2
    の射出シリンダーの内部とキャビティとは逆流手段によ
    って非連通状態となることを特徴とする請求項1に記載
    の多層成形品を成形するための射出成形装置。
  5. 【請求項5】逆流手段は、樹脂流路の合流部と第2の射
    出シリンダーとの間の第2の樹脂流路に設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の多層成形品を成形す
    るための射出成形装置。
  6. 【請求項6】逆流手段は、第2の射出シリンダーのノズ
    ル部と金型との間、若しくは、第2の射出シリンダーの
    ノズル部に配設されていることを特徴とする請求項5に
    記載の多層成形品を成形するための射出成形装置。
  7. 【請求項7】逆流手段は逆流制御弁であることを特徴と
    する請求項1に記載の多層成形品を成形するための射出
    成形装置。
  8. 【請求項8】逆流制御弁は、ボール形式逆流制御弁又は
    スライド形式逆流制御弁であることを特徴とする請求項
    7に記載の多層成形品を成形するための射出成形装置。
  9. 【請求項9】第2の樹脂流路内に流入させる第1の溶融
    樹脂の体積は、キャビティの体積の5乃至50%である
    ことを特徴とする請求項1に記載の多層成形品を成形す
    るための射出成形装置。
  10. 【請求項10】第2の樹脂流路内に流入させる第1の溶
    融樹脂の体積は、キャビティの体積の5乃至25%であ
    ることを特徴とする請求項9に記載の多層成形品を成形
    するための射出成形装置。
  11. 【請求項11】多層成形品はパリソンであることを特徴
    とする請求項1に記載の多層成形品を成形するための射
    出成形装置。
  12. 【請求項12】第1の樹脂流路を経由してキャビティ内
    に射出された第1の溶融樹脂によってパリソンの最外層
    が形成されることを特徴とする請求項11に記載の多層
    成形品を成形するための射出成形装置。
  13. 【請求項13】(a)キャビティが設けられたキャビテ
    ィブロックと、ホットランナーブロックとを有する金
    型、 (b)少なくとも第1の射出シリンダー及び第2の射出
    シリンダー、 (c)第1の射出シリンダーの内部とキャビティとを結
    ぶ第1の樹脂流路、及び、 (d)第2の射出シリンダーの内部とキャビティとを結
    ぶ第2の樹脂流路、を備え、 金型内に位置する第1の樹脂流路及び第2の樹脂流路の
    部分はホットランナーブロック内に設けられ、 第1の樹脂流路と第2の樹脂流路とは、キャビティに開
    口したゲート部の上流の合流部で合流する構造を有する
    射出成形装置であって、 第2の樹脂流路を経由して第2の溶融樹脂をキャビティ
    内に射出した後、第1の樹脂流路内の第1の溶融樹脂を
    第2の樹脂流路内に流入させる逆流手段が設けられてお
    り、 該逆流手段は、第1の樹脂流路内の第1の溶融樹脂が第
    2の樹脂流路内の第2の溶融樹脂に及ぼす圧力によって
    動作する射出成形装置を用いた多層成形品の射出成形方
    法であって、 (A)第1の射出シリンダー内で溶融させた第1の溶融
    樹脂を、第1の樹脂流路を介してキャビティ内に射出し
    た後、第1の溶融樹脂の射出を中断し、 (B)第2の射出シリンダー内で溶融させた第2の溶融
    樹脂を、第2の樹脂流路を介してキャビティ内に射出し
    た後、第2の溶融樹脂の射出を終了し、次いで、 (C)第1の射出シリンダー内で溶融させた第1の溶融
    樹脂を、第1の樹脂流路を介してキャビティ内に射出
    し、第1の溶融樹脂の射出中若しくは射出完了後、逆流
    手段の動作によって第1の樹脂流路内の第1の溶融樹脂
    を第2の樹脂流路内に流入させる、工程から成ることを
    特徴とする多層成形品の射出成形方法。
  14. 【請求項14】逆流手段によって、第1の樹脂流路内の
    第1の溶融樹脂を第2の樹脂流路内に一定量流入させる
    ことを特徴とする請求項13に記載の多層成形品の射出
    成形方法。
  15. 【請求項15】第2の樹脂流路を経由して第2の溶融樹
    脂をキャビティ内に射出しているとき及び射出完了後に
    は、第2の射出シリンダーの内部とキャビティとは逆流
    手段によって連通状態となり、第1の樹脂流路内の第1
    の溶融樹脂が第2の樹脂流路内に所定量流入した後、第
    2の射出シリンダーの内部とキャビティとは逆流手段に
    よって非連通状態となることを特徴とする請求項13に
    記載の多層成形品の射出成形方法。
  16. 【請求項16】第2の樹脂流路を経由して第2の溶融樹
    脂をキャビティ内に射出しているとき及び射出完了後に
    は、第2の射出シリンダーの内部とキャビティとは逆流
    手段によって連通状態となり、第1の樹脂流路内の第1
    の溶融樹脂が第2の樹脂流路内に流入し始めた後、第2
    の射出シリンダーの内部とキャビティとは逆流手段によ
    って非連通状態となることを特徴とする請求項13に記
    載の多層成形品の射出成形方法。
  17. 【請求項17】多層成形品の主たる部分は、第1の樹脂
    層/第2の樹脂層/第1の樹脂層/第2の樹脂層/第1
    の樹脂層の5層構成であることを特徴とする請求項13
    に記載の多層成形品の射出成形方法。
  18. 【請求項18】多層成形品の主たる部分の一部分は、第
    1の樹脂層/第2の樹脂層/第1の樹脂層/第2の樹脂
    層/第1の樹脂層の5層構成であり、多層成形品の主た
    る部分の他の部分は、第1の樹脂層/第2の樹脂層/第
    1の樹脂層の3層構成であることを特徴とする請求項1
    3に記載の多層成形品の射出成形方法。
  19. 【請求項19】逆流手段は、樹脂流路の合流部と第2の
    射出シリンダーとの間の第2の樹脂流路に設けられてい
    ることを特徴とする請求項13に記載の多層成形品の射
    出成形方法。
  20. 【請求項20】逆流手段は、第2の射出シリンダーのノ
    ズル部と金型との間、若しくは、第2の射出シリンダー
    のノズル部に配設されていることを特徴とする請求項1
    9に記載の多層成形品の射出成形方法。
  21. 【請求項21】逆流手段は逆流制御弁であることを特徴
    とする請求項13に記載の多層成形品の射出成形方法。
  22. 【請求項22】逆流制御弁は、ボール形式逆流制御弁又
    はスライド形式逆流制御弁であることを特徴とする請求
    項21に記載の多層成形品の射出成形方法。
  23. 【請求項23】第2の樹脂流路内に流入させる第1の溶
    融樹脂の体積は、キャビティの体積の5乃至50%であ
    ることを特徴とする請求項13に記載の多層成形品の射
    出成形方法。
  24. 【請求項24】第2の樹脂流路内に流入させる第1の溶
    融樹脂の体積は、キャビティの体積の5乃至25%であ
    ることを特徴とする請求項23に記載の多層成形品の射
    出成形方法。
  25. 【請求項25】多層成形品はパリソンであることを特徴
    とする請求項13に記載の多層成形品の射出成形方法。
  26. 【請求項26】第1の樹脂流路を経由してキャビティ内
    に射出された第1の溶融樹脂によってパリソンの最外層
    が形成されることを特徴とする請求項25に記載の多層
    成形品の射出成形方法。
  27. 【請求項27】第1の樹脂は、熱可塑性ポリエステル樹
    脂、熱可塑性共重合ポリエステル樹脂、ポリオレフィン
    系樹脂、脂肪族ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹
    脂、ポリアクリルニトリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、
    ポリスチレン樹脂から成る群から選択された少なくとも
    1種の樹脂であることを特徴とする請求項13に記載の
    多層成形品の射出成形方法。
  28. 【請求項28】第2の樹脂は、ガスバリヤー性樹脂、回
    収ポリエチレンテレフタレート樹脂、着色ポリエチレン
    テレフタレート樹脂から成る群から選択された少なくと
    も1種の樹脂であることを特徴とする請求項13に記載
    の多層成形品の射出成形方法。
  29. 【請求項29】ガスバリヤー性樹脂は、メタキシリレン
    基含有ポリアミド樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹
    脂ケン化物、ポリアクリルニトリル樹脂、ポリ塩化ビニ
    リデン樹脂から成る群から選択された少なくとも1種の
    樹脂であることを特徴とする請求項28に記載の多層成
    形品の射出成形方法。
  30. 【請求項30】(a)キャビティが設けられたキャビテ
    ィブロックと、ホットランナーブロックとを有する金
    型、 (b)少なくとも第1の射出シリンダー及び第2の射出
    シリンダー、 (c)第1の射出シリンダーの内部とキャビティとを結
    ぶ第1の樹脂流路、及び、 (d)第2の射出シリンダーの内部とキャビティとを結
    ぶ第2の樹脂流路、を備え、 金型内に位置する第1の樹脂流路及び第2の樹脂流路の
    部分はホットランナーブロック内に設けられ、 第1の樹脂流路と第2の樹脂流路とは、キャビティに開
    口したゲート部の上流の合流部で合流する構造を有する
    射出成形装置であって、 第2の樹脂流路を経由して第2の溶融樹脂をキャビティ
    内に射出した後、第1の樹脂流路内の第1の溶融樹脂を
    第2の樹脂流路内に流入させる逆流手段が設けられてお
    り、 該逆流手段は、第1の樹脂流路内の第1の溶融樹脂が第
    2の樹脂流路内の第2の溶融樹脂に及ぼす圧力によって
    動作する射出成形装置を用いた多層成形品の射出成形方
    法であって、 (A)第1の射出シリンダー内で溶融させた第1の溶融
    樹脂を、第1の樹脂流路を介してキャビティ内に射出
    し、 (B)第1の溶融樹脂の射出中に、第2の射出シリンダ
    ー内で溶融させた第2の溶融樹脂を第2の樹脂流路を介
    してキャビティ内に射出し、 (C)第2の溶融樹脂の射出完了後であって第1の溶融
    樹脂の射出中若しくは射出完了後、逆流手段の動作によ
    って第1の樹脂流路内の第1の溶融樹脂を第2の樹脂流
    路内に流入させる、工程から成ることを特徴とする多層
    成形品の射出成形方法。
  31. 【請求項31】逆流手段によって、第1の樹脂流路内の
    第1の溶融樹脂を第2の樹脂流路内に一定量流入させる
    ことを特徴とする請求項30に記載の多層成形品の射出
    成形方法。
  32. 【請求項32】第2の樹脂流路を経由して第2の溶融樹
    脂をキャビティ内に射出しているとき及び射出完了後に
    は、第2の射出シリンダーの内部とキャビティとは逆流
    手段によって連通状態となり、第1の樹脂流路内の第1
    の溶融樹脂が第2の樹脂流路内に所定量流入した後、第
    2の射出シリンダーの内部とキャビティとは逆流手段に
    よって非連通状態となることを特徴とする請求項30に
    記載の多層成形品の射出成形方法。
  33. 【請求項33】第2の樹脂流路を経由して第2の溶融樹
    脂をキャビティ内に射出しているとき及び射出完了後に
    は、第2の射出シリンダーの内部とキャビティとは逆流
    手段によって連通状態となり、第1の樹脂流路内の第1
    の溶融樹脂が第2の樹脂流路内に流入し始めた後、第2
    の射出シリンダーの内部とキャビティとは逆流手段によ
    って非連通状態となることを特徴とする請求項30に記
    載の多層成形品の射出成形方法。
  34. 【請求項34】多層成形品の主たる部分は、第1の樹脂
    層/第2の樹脂層/第1の樹脂層の3層構成であること
    を特徴とする請求項30に記載の多層成形品の射出成形
    方法。
  35. 【請求項35】多層成形品の主たる部分の一部分は、第
    1の樹脂層/第2の樹脂層/第1の樹脂層の3層構成で
    あることを特徴とする請求項30に記載の多層成形品の
    射出成形方法。
  36. 【請求項36】逆流手段は、樹脂流路の合流部と第2の
    射出シリンダーとの間の第2の樹脂流路に設けられてい
    ることを特徴とする請求項30に記載の多層成形品の射
    出成形方法。
  37. 【請求項37】逆流手段は、第2の射出シリンダーのノ
    ズル部と金型との間、若しくは、第2の射出シリンダー
    のノズル部に配設されていることを特徴とする請求項3
    6に記載の多層成形品の射出成形方法。
  38. 【請求項38】逆流手段は逆流制御弁であることを特徴
    とする請求項30に記載の多層成形品の射出成形方法。
  39. 【請求項39】逆流制御弁は、ボール形式逆流制御弁又
    はスライド形式逆流制御弁であることを特徴とする請求
    項38に記載の多層成形品の射出成形方法。
  40. 【請求項40】第2の樹脂流路内に流入させる第1の溶
    融樹脂の体積は、キャビティの体積の5乃至50%であ
    ることを特徴とする請求項30に記載の多層成形品の射
    出成形方法。
  41. 【請求項41】第2の樹脂流路内に流入させる第1の溶
    融樹脂の体積は、キャビティの体積の5乃至25%であ
    ることを特徴とする請求項40に記載の多層成形品の射
    出成形方法。
  42. 【請求項42】多層成形品はパリソンであることを特徴
    とする請求項30に記載の多層成形品の射出成形方法。
  43. 【請求項43】第1の樹脂流路を経由してキャビティ内
    に射出された第1の溶融樹脂によってパリソンの最外層
    が形成されることを特徴とする請求項42に記載の多層
    成形品の射出成形方法。
  44. 【請求項44】第1の樹脂は、熱可塑性ポリエステル樹
    脂、熱可塑性共重合ポリエステル樹脂、ポリオレフィン
    系樹脂、脂肪族ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹
    脂、ポリアクリルニトリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、
    ポリスチレン樹脂から成る群から選択された少なくとも
    1種の樹脂であることを特徴とする請求項30に記載の
    多層成形品の射出成形方法。
  45. 【請求項45】第2の樹脂は、ガスバリヤー性樹脂、回
    収ポリエチレンテレフタレート樹脂、着色ポリエチレン
    テレフタレート樹脂から成る群から選択された少なくと
    も1種の樹脂であることを特徴とする請求項30に記載
    の多層成形品の射出成形方法。
  46. 【請求項46】ガスバリヤー性樹脂は、メタキシリレン
    基含有ポリアミド樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹
    脂ケン化物、ポリアクリルニトリル樹脂、ポリ塩化ビニ
    リデン樹脂から成る群から選択された少なくとも1種の
    樹脂であることを特徴とする請求項45に記載の多層成
    形品の射出成形方法。
  47. 【請求項47】(a)キャビティが設けられたキャビテ
    ィブロックと、ホットランナーブロックとを有する金
    型、 (b)少なくとも第1の射出シリンダー及び第2の射出
    シリンダー、 (c)第1の射出シリンダーの内部とキャビティとを結
    ぶ第1の樹脂流路、及び、 (d)第2の射出シリンダーの内部とキャビティとを結
    ぶ第2の樹脂流路、を備え、 金型内に位置する第1の樹脂流路及び第2の樹脂流路の
    部分はホットランナーブロック内に設けられ、 第1の樹脂流路と第2の樹脂流路とは、キャビティに開
    口したゲート部の上流の合流部で合流する構造を有する
    射出成形装置であって、 第2の樹脂流路を経由して第2の溶融樹脂をキャビティ
    内に射出した後、第1の樹脂流路内の第1の溶融樹脂を
    第2の樹脂流路内に流入させる逆流手段が設けられてお
    り、 該逆流手段は、第1の樹脂流路内の第1の溶融樹脂が第
    2の樹脂流路内の第2の溶融樹脂に及ぼす圧力によって
    動作する射出成形装置を用いた多層成形品の射出成形方
    法であって、 (A)第1の射出シリンダー内で溶融させた第1の溶融
    樹脂を、第1の樹脂流路を介してキャビティ内に射出し
    た後、第1の溶融樹脂の射出を終了し、 (B)第2の射出シリンダー内で溶融させた第2の溶融
    樹脂を、第2の樹脂流路を介してキャビティ内に射出し
    た後、第2の溶融樹脂の射出を終了し、次いで、 (C)第1の射出シリンダーによって保圧を行い、併せ
    て、逆流手段の動作によって第1の樹脂流路内の第1の
    溶融樹脂を第2の樹脂流路内に流入させる、工程から成
    ることを特徴とする多層成形品の射出成形方法。
  48. 【請求項48】(a)キャビティが設けられたキャビテ
    ィブロックと、ホットランナーブロックとを有する金
    型、 (b)少なくとも第1の射出シリンダー及び第2の射出
    シリンダー、 (c)第1の射出シリンダーの内部とキャビティとを結
    ぶ第1の樹脂流路、及び、 (d)第2の射出シリンダーの内部とキャビティとを結
    ぶ第2の樹脂流路、を備え、 金型内に位置する第1の樹脂流路及び第2の樹脂流路の
    部分はホットランナーブロック内に設けられ、 第1の樹脂流路と第2の樹脂流路とは、キャビティに開
    口したゲート部の上流の合流部で合流する構造を有する
    射出成形装置であって、 第2の樹脂流路を経由して第2の溶融樹脂をキャビティ
    内に射出した後、第1の樹脂流路内の第1の溶融樹脂を
    第2の樹脂流路内に流入させる逆流手段が設けられてお
    り、 該逆流手段は、第1の樹脂流路内の第1の溶融樹脂が第
    2の樹脂流路内の第2の溶融樹脂に及ぼす圧力によって
    動作する射出成形装置を用いた多層成形品の射出成形方
    法であって、 (A)第1の射出シリンダー内で溶融させた第1の溶融
    樹脂を、第1の樹脂流路を介してキャビティ内に射出
    し、 (B)第1の溶融樹脂の射出中に、第2の射出シリンダ
    ー内で溶融させた第2の溶融樹脂を第2の樹脂流路を介
    してキャビティ内に射出し、 (C)第1の溶融樹脂の射出と第2の溶融樹脂の射出を
    略同時に完了した後、第1の射出シリンダーによって保
    圧を行い、併せて、逆流手段の動作によって第1の樹脂
    流路内の第1の溶融樹脂を第2の樹脂流路内に流入させ
    る、工程から成ることを特徴とする多層成形品の射出成
    形方法。
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