JPH11158321A - 導電性高濃度カーボンブラック分散体およびその製造方法、ならびにそれからなる組成物 - Google Patents

導電性高濃度カーボンブラック分散体およびその製造方法、ならびにそれからなる組成物

Info

Publication number
JPH11158321A
JPH11158321A JP32615997A JP32615997A JPH11158321A JP H11158321 A JPH11158321 A JP H11158321A JP 32615997 A JP32615997 A JP 32615997A JP 32615997 A JP32615997 A JP 32615997A JP H11158321 A JPH11158321 A JP H11158321A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon black
black dispersion
dispersion
weight
conductive high
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP32615997A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3351726B2 (ja
Inventor
Shinichiro Hara
進一郎 原
Kimihiko Oya
公彦 大屋
Yumiko Watanabe
由美子 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MIKUNI COLOR WORKS
Mikuni Color Ltd
Original Assignee
MIKUNI COLOR WORKS
Mikuni Color Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MIKUNI COLOR WORKS, Mikuni Color Ltd filed Critical MIKUNI COLOR WORKS
Priority to JP32615997A priority Critical patent/JP3351726B2/ja
Publication of JPH11158321A publication Critical patent/JPH11158321A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3351726B2 publication Critical patent/JP3351726B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カーボンブラックが水性媒体中に高濃度で微
分散され、分散安定性にすぐれ、粘度が低く流動性に適
し、漆黒性を有するうえ、高導電性を有するカーボンブ
ラック分散体を容易にうる方法およびかかるカーボンブ
ラック分散体、ならびにそれを含有してなる組成物を提
供すること。 【解決手段】 DBP吸油量が80ml/100g以
下、平均一次粒子径が0.03μm以下、BET法によ
る比表面積が200m2/g以下、かつpHが中性ない
しアルカリ性の領域に含まれるカーボンブラックを、顔
料分散剤によって水性媒体中に微粒子分散させることを
特徴とする導電性高濃度カーボンブラック分散体の製造
方法および該製造方法によってえられた導電性高濃度カ
ーボンブラック分散体、ならびにそれを含有してなる導
電性塗料組成物および電子写真複写機用導電性ロールイ
ンキ組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性高濃度カー
ボンブラック分散体およびその製造方法、ならびにそれ
からなる導電性塗料組成物および電子写真複写機用導電
性ロールインキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カーボンブラック分散体をうるに
は、カーボンブラックと、たとえば水溶性樹脂、界面活
性剤などの種々の顔料分散剤とを配合し、機械的エネル
ギーを加えて水中に分散させる方法が採用されてきた。
しかしながら、かかる方法によれば、ある程度高濃度に
カーボンブラックを分散させることができるものの、分
散体が高粘度であったり、着色力および漆黒性が不充分
であり、導電性に劣るといった欠点を有する。
【0003】すなわち、カーボンブラックを用いたばあ
い、微分散させることに問題があるほか、カーボンブラ
ックの吸油量によって高濃度で分散させることが困難で
ある。さらには、カーボンブラックの含有量が多くなれ
ば、粘性も高くなり、分散性の低下を招くといった問題
がある。また、カーボンブラックは粒子径が小さく、比
表面積が大きくなると、着色力が向上し、導電性がよく
なるものの、粒子間の凝集力が強くなるため、分散性が
わるくなるといった欠点を有する。
【0004】ところで、前記カーボンブラックは、各種
炭化水素を不完全燃焼させてえられる微細な球状粒子の
集合体であるが、樹脂やゴムなどに少量充填するだけで
高い導電性を発現しうるカーボンブラックは、とくに導
電性カーボンブラックと呼ばれ、通常のカーボンブラッ
クと区別されている。そして、その分散体は、導電性組
成物の調製に有用であることから、利用価値が高いもの
である。
【0005】しかしながら、通常のカーボンブラックと
比べて高い導電性を発現する前記導電性カーボンブラッ
クは、高濃度に微分散させることがとくに困難であり、
また分散安定性もわるく、経済性にも劣るといった問題
がある。
【0006】さらに、導電性フィラーは、炭素系フィラ
ーと金属系フィラーとの2つに大別され、高導電性を必
要とする複合材には、アスペクト比の大きい黄銅、ステ
ンレススチール、アルミニウムなどのファイバーやフレ
ークが、また比較的低い導電性の複合材には、カーボン
ブラックや炭素繊維、グラファイトなどが適用されてい
る。なかでも、カーボンブラックは、金属系と比べて混
練性、分散性、成形性、経済性などにすぐれる点から、
その分散体が導電性フィラーとして広く普及しているも
のの、カーボンブラックの粒子径やストラクチャーが小
さくなるほど、粒子間の凝集力が強くなるため、分散性
がわるくなり、また分散しても再凝集(フロキュレーシ
ョン)して集合体となりやすく、分散が困難となるとい
った欠点を有するものであるため、そのさらなる開発が
待ち望まれている。また、カーボンブラックを製造する
際、微量の未反応生成物(多環芳香族炭化水素)が表面
に残存、吸着しており、近年、カーボンブラックの安全
性について管理強化が求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、カーボンブラックが媒
体中に高濃度で微分散され、分散安定性にすぐれ、粘度
が低く流動性に適し、漆黒性を有するうえ、高導電性を
有するカーボンブラック分散体を容易にうる方法および
かかるカーボンブラック分散体、ならびにそれを含有し
てなる組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、 DBP吸油量が80ml/100g以下、平均一次粒
子径が0.03μm以下、BET法による比表面積が2
00m2/g以下、かつpHが中性ないしアルカリ性の
領域に含まれるカーボンブラックを、顔料分散剤によっ
て水性媒体中に微粒子分散させることを特徴とする導電
性高濃度カーボンブラック分散体の製造方法、 前記製造方法によってえられた導電性高濃度カーボン
ブラック分散体、 前記導電性高濃度カーボンブラック分散体を含有して
なる導電性塗料組成物、および 前記導電性高濃度カーボンブラック分散体を含有して
なる電子写真複写機用導電性ロールインキ組成物に関す
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の導電性高濃度カーボンブ
ラック分散体の製造方法は、前記したように、DBP吸
油量が80ml/100g以下、平均一次粒子径が0.
03μm以下、BET法による比表面積が200m2
g以下、かつpHが中性ないしアルカリ性の領域に含ま
れるカーボンブラックを、顔料分散剤によって水性媒体
中に微粒子分散させることを特徴とするものである。
【0010】本発明に用いられるカーボンブラックは、
前記のごとき特定の性質を有するものであり、かかるカ
ーボンブラックを顔料分散剤にて水性媒体中に微粒子分
散させるといった簡便な操作により、カーボンブラック
が高濃度で微分散された分散体が容易にえられる。
【0011】一般に、カーボンブラックは、天然ガス、
アセチル、芳香族炭化水素油などを熱分解、不完全燃焼
などさせてえられる微細な球状粒子の集合体であり、そ
の製法は、ファーネスブラック法、チャンネルブラック
法およびアセチレン熱分解法に大別されている。
【0012】とくに高い導電性を有する導電性カーボン
ブラックとしては、アセチレン法によるアセチレンブラ
ック、ファーネス法によるファーネスブラック、シェル
法のガス化炉による特殊カーボンブラックなどがあげら
れるが、本発明においては、前記特定の性質を有し、よ
り多孔性でストラクチャーが低く、残留多環芳香族炭化
水素が少ないファーネスブラックが好ましく用いられ
る。
【0013】本発明に用いられるカーボンブラックのD
BP吸油量は、カーボンブラックを高濃度で分散させた
際に、粘度が非常に高く、流動性に欠け、かつ分散性に
劣り、光沢および導電性が低下する(漆黒性に劣り、微
粒子になりにくい)といった多大な影響を及ぼさないよ
うにするためには、80ml/100g以下、好ましく
は50ml/100g以下である。また、分散安定性が
低下しやすく、たとえば顔料の浮きや沈降が起こるとい
う点や、カーボンブラック分散体の安定性が低下し、再
凝集して増粘することがあるという点を考慮すると、か
かるDBP吸油量は、40ml/100g以上であるこ
とが好ましい。
【0014】なお、前記DBP吸油量とは、一定重量の
カーボンブラック中の空隙容積を液体で置換し、その容
量をストラクチャー指標とするものである。具体的に
は、カーボンブラック100gあたりに包含される油の
量(ml)をいい、油としてフタル酸ジブチル(dib
utyl phtalate)を用いたアブソープトメ
ーターによる値(JIS K 6211に記載の吸油量
A法(機械法))である。
【0015】前記カーボンブラックの平均一次粒子径
は、カーボンブラックを充分に高濃度で分散させるため
には、0.03μm以下、好ましくは0.025μm以
下である。また、粒子径やストラクチャーが小さくなる
ほど黒色度、導電性は高くなるが、その反面、粒子間の
凝集力が強くなって分散性が低下し、分散しても再凝集
しやすいという点を考慮すると、かかる平均一次粒子径
は、好ましくは0.005μm以上、さらに好ましくは
0.01μm以上である。
【0016】前記カーボンブラックのBET法にて測定
した比表面積は、大きいほど黒色度、導電性は向上する
が、カーボンブラックの表面を被覆するのに必要な顔料
分散剤の量が多くなり、分散体の粘度が高くなって微粒
子化されにくくなることを考慮すると、200m2/g
以下、好ましくは130m2/g以下である。また、カ
ーボンブラックの単位重量あたりの粒子個数が少なくな
ると、黒色度、導電性が低下するという点を考慮する
と、かかる比表面積は、好ましくは20m2/g以上、
さらに好ましくは50m2/g以上である。
【0017】さらに前記カーボンブラックは、たとえば
後述する顔料分散剤がアニオン系の分散剤であるばあい
には、湿潤効果とカーボンブラック凝集体に対してマイ
ナスの電荷とを与え、凝集体自らを反発させるという点
から、そのpHが中性ないしアルカリ性の領域に含まれ
るものであり、さらには、アニオン系の分散剤のばあ
い、酸性の領域であったり、あまりにも高アルカリ性の
領域であったりすると、加水分解を起こすばあいも考え
られるので、好ましくは6.5以上、さらに好ましくは
7.0以上、また好ましくは9.0以下、さらに好まし
くは8.5以下である。
【0018】さらに前記カーボンブラックは、分散性に
よりすぐれる点から、粉状であることが好ましく、また
着色効果の点から、その着色力が100〜150%であ
ることが好ましい。なお、かかるカーボンブラックの着
色力とは、色の濃さ、すなわち白色顔料に対する隠蔽度
を表わし、値が大きいほど着色力が高い。カーボンブラ
ックのばあい、粒子径が小さく、比表面積が大きいほど
着色力が高くなるが、分散性やえられる分散体の粘度を
考慮すると、95%以上、好ましくは105%以上、ま
た155%以下、好ましくは145%以下であることが
望ましい。
【0019】本発明に用いられるカーボンブラックの代
表例としては、たとえば#45、#45L、#52およ
びCF9(以上、三菱化学(株)製);REGAL25
0R(キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・イン
ク社製);Printex25およびPrintex5
5(以上、デグサ社製)などがあげられる。
【0020】前記カーボンブラックは、えられる導電性
高濃度カーボンブラック分散体の粘度が低くなりすぎ、
分散安定性がわるくなったり、着色力および漆黒性が低
下するとともに導電性も低下するおそれをなくすために
は、該カーボンブラック分散体の35重量%以上、好ま
しくは40重量%以上含有されるように調整することが
望ましい。また、分散性が低下したり、微粒子化が困難
となるおそれをなくすためには、該カーボンブラック
は、カーボンブラック分散体の60重量%以下、好まし
くは50重量%以下含有されるように調整することが望
ましい。
【0021】なお、本発明において、前記カーボンブラ
ックの品質および安定性を向上させるために、とくに、
えられるカーボンブラック分散体中に含まれる後述する
ナトリウム、カリウムなどの不純物金属イオンの量をよ
り充分に少なくするために、該カーボンブラックをイオ
ン交換水や不純物金属イオンを除去した水にて洗浄し、
精製することが好ましい。
【0022】本発明の製造方法においては、前記のごと
き特定のカーボンブラックを顔料分散剤によって水性媒
体中に微粒子分散させる。
【0023】本発明に用いられる顔料分散剤としては、
カーボンブラックをきわめて安定な状態で微分散させる
ことができるという点から、ポリビニルアルコールなど
の水溶性高分子化合物、変性アクリルポリマーなどの顔
料(カーボンブラック)に対する親和性が高い官能基を
有する高分子系分散剤などや、また水溶性樹脂であるこ
とが好ましいが、なかでも、スチレン−α−メチルスチ
レン−アクリル酸共重合体およびスチレン−無水マレイ
ン酸共重合体がとくに好ましい。
【0024】前記顔料分散剤は、カーボンブラックの分
散性をより向上させ、えられる導電性高濃度カーボンブ
ラック分散体の粘度を適宜低下させ、導電性をより向上
させるという点から、その酸価が120以上、好ましく
は150以上、また250以下、好ましくは230以下
であり、かつその重量平均分子量が2000以上、好ま
しくは2200以上、また10000以下、好ましくは
8000以下のものであることが望ましい。
【0025】なお、顔料分散剤である前記水溶性樹脂
は、たとえばアルカリ性化合物で中和させ、塩を形成さ
せて用いることができる。かかるアルカリ性化合物とし
ては、たとえばアミノメチルプロパノール、2−アミノ
イソプロパノール、トリエタノールアミン、アンモニア
水などがあげられる。さらに、たとえばプロピレングリ
コール、イソプロパノールなどを溶解助剤として用いて
もよい。また、該顔料分散剤の溶解安定性を向上させる
ためには、顔料分散剤中の塩がイオン解離されないよう
に、アミン、無機塩、アンモニアなどのpH調整剤など
を添加し、えられる導電性高濃度カーボンブラック分散
体のpH値が最適な値となるように調整することが好ま
しい。
【0026】前記顔料分散剤は、カーボンブラックの分
散性が低下して分散不良となり、微粒子化が困難となっ
て、えられる導電性高濃度カーボンブラック分散体の着
色力および漆黒性が低下するおそれをなくすためには、
該カーボンブラック分散体の10重量%以上、好ましく
は12重量%以上含有されるように調整することが望ま
しい。また、カーボンブラック分散体の粘度を低く設定
することが困難となり、さらには導電率があまりにも高
くなりすぎて、分散体を用いてえられた材料の電気特性
値が安定的にコントロールされにくくなり、また均一な
抵抗値がえられにくくなるほか、不純物金属イオンを多
く含有するため再凝集を招く可能性が高くなるおそれを
なくすためには、該顔料分散剤は、カーボンブラック分
散体の20重量%以下、好ましくは18重量%以下含有
されるように調整することが望ましい。
【0027】本発明に用いられる水性媒体にはとくに限
定がなく、通常カーボンブラック分散体に用いられる、
たとえばイオン交換水や不純物金属イオンを除去した水
などを用いることができる。
【0028】前記水性媒体の含有量にもとくに限定がな
く、通常前記カーボンブラックおよび顔料分散剤のほ
か、導電性高濃度カーボンブラック分散体中に含まれる
その他の添加剤などの残量であればよい。
【0029】さらに、本発明の製造方法においては、湿
潤性および浸透性を向上させて顔料分散剤の活性効果を
高め、カーボンブラックの分散性をより向上させるため
に、アニオン性界面活性剤や非イオン性界面活性剤など
の界面活性剤を用いることが好ましい。
【0030】前記アニオン性界面活性剤としては、たと
えば脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベン
ゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、
アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテ
ルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチ
ルアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチルアルキル
アリル硫酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリ
ン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル
などがあげられる。
【0031】また、前記非イオン性界面活性剤として
は、たとえばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシ
エチレン誘導体、オキシエチレン−オキシプロピレンブ
ロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールア
ミド、アセチレンジオール、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル変性シリコーンなどのシリコン系界
面活性剤、炭化水素系界面活性剤の疎水基の水素原子の
少なくとも1つがフッ素原子で置換されたフッ素系界面
活性剤などがあげられる。
【0032】前記界面活性剤は、カーボンブラックとの
湿潤効果を高め、流動性を向上させてより効果的に分散
させ、また分散粒子の凝集を充分に阻止するためには、
えられる導電性高濃度カーボンブラック分散体の0.1
重量%以上、好ましくは0.3重量%以上含有されるよ
うに調整することが望ましい。また、該界面活性剤の添
加量が多くなりすぎると、起泡性が高くなり、分散性が
低下し、またチクソトロピック性が付与される傾向があ
ることを考慮すると、該界面活性剤は、カーボンブラッ
ク分散体の5重量%以下、好ましくは2重量%以下含有
されるように調整することが望ましい。
【0033】また、前記界面活性剤のほかにも、必要に
応じて、たとえば顔料、濡れ浸透剤、防腐剤、消泡剤な
どの添加剤を、本発明の目的を阻害しない範囲で適宜配
合することができる。
【0034】本発明の製造方法において、カーボンブラ
ックを顔料分散剤によって水性媒体中に微粒子分散させ
る際に用いる装置にはとくに限定がなく、通常分散体を
うる際に用いられているロールミル、ボールミル、スパ
イクミル、パールミル、ダイノミル、サンドグライダー
などの湿式粉砕装置を用いることができる。また、分散
させる際のメディアとしては、粒径が小さいものほど、
表面積が大きいことから分散性がよく、また密度が大き
いものほど、分散性がよい。本発明においては、かかる
メディアとして、たとえばソーダ−石灰ガラスビーズ、
無アルカリビーズ、アルミナビーズ、シリコンビーズ、
ジルコニアビーズなどがあげられ、その粒径が0.4〜
1.4mm程度のものが好ましい。
【0035】分散時の条件にもとくに限定がなく、たと
えばそれぞれ所定量のカーボンブラック、顔料分散剤お
よび水性媒体、ならびに必要に応じてその他の添加剤を
配合し、たとえば前記メディアを充填した湿式粉砕装置
にて周速8〜16m/sec程度、滞留時間2〜30分
間程度で微粒子分散させるなどすればよい。
【0036】なお、えられる導電性高濃度カーボンブラ
ック分散体の品質安定性をさらに向上させるために、遠
心処理やフィルター処理を施し、粗大粒子を除去しても
よい。
【0037】かくしてえられる本発明の導電性高濃度カ
ーボンブラック分散体の導電率は、該カーボンブラック
分散体を、高導電性が必要とされる用途に好適に使用す
ることを考慮すると、4000μS/cm以上、好まし
くは4100μS/cm以上であることが望ましい。ま
た、電気特性を高くする不純物金属イオンが多く含有さ
れるため、分散性が低下して再凝集が起こり、分散安定
性が低下するおそれがあるという点を考慮すると、該導
電率は、6000μS/cm以下、好ましくは5900
μS/cm以下であることが望ましい。
【0038】また、前記導電性高濃度カーボンブラック
分散体の平均粒子径は、微細化という点と、着色力、黒
色度、導電性および分散安定性の低下(たとえば顔料の
沈降または粘度の上昇)という点を考慮すると、0.1
μm以下、好ましくは0.095μm以下であることが
望ましい。また、再凝集の可能性がより高くなり、粘度
が上昇して分散安定性が低下しないようにするという点
を考慮すると、該平均粒子径は、0.05μm以上、好
ましくは0.07μm以上であることが望ましい。
【0039】前記導電性高濃度カーボンブラック分散体
は低粘度であるが、たとえば定着剤(水溶性樹脂または
エマルジョン)に混合する該分散体の添加量が制限され
ると、たとえばえられる塗料組成物、インキ組成物の粘
度が高くなって帯電性が変化するという点を考慮する
と、25℃での粘度が400mPa・s以下、好ましく
は350mPa・s以下であることが望ましい。また、
たとえば顔料の沈降、分散安定性の低下およびえられる
組成物の粘度変化による帯電性の変化が生じないように
するという点を考慮すると、該25℃での粘度が30m
Pa・s以上、好ましくは50mPa・s以上であるこ
とが望ましい。
【0040】なお、本発明の導電性高濃度カーボンブラ
ック分散体中には、たとえばナトリウム、カリウムなど
の金属が含まれるが、これらの不純物金属イオンが多く
含有されると、分散性が低下し、再凝集が起こりやすい
という点を考慮すると、かかるナトリウムの含有量(カ
ーボンブラック分散体1kg中のナトリウムの量(m
g))は、150mg/kg以下、好ましくは130m
g/kg以下であることが望ましく、カリウムの含有量
(カーボンブラック分散体1kg中のカリウムの量(m
g))は、260mg/kg以下、好ましくは250m
g/kg以下であることが望ましい。なお、これらの金
属の含有量は、少ないほど好ましい。
【0041】このように、本発明の導電性高濃度カーボ
ンブラック分散体は、カーボンブラックが水性媒体中に
高濃度で微分散され、高導電性を有することはもちろん
のこと、分散安定性にすぐれ、粘度が低く流動性に適
し、漆黒性を有するものであるので、各種組成物に好適
に使用しうるものである。
【0042】本発明の導電性塗料組成物は、前記導電性
高濃度カーボンブラック分散体を含有したものである。
【0043】前記導電性塗料組成物中の導電性高濃度カ
ーボンブラック分散体の含有量は、えられる組成物に充
分に導電性および漆黒性を付与するためには、0.5重
量%以上、好ましくは3重量%以上であることが望まし
い。また、えられる組成物に用途に応じた適切な物性、
たとえば黒色度、電気特性、成形加工性、経済性、機械
的特性などが付与されるようにするためには、該カーボ
ンブラック分散体の含有量は、40重量%以下、好まし
くは30重量%以下であることが望ましい。
【0044】本発明の導電性塗料組成物には、前記導電
性高濃度カーボンブラック分散体のほかにも、たとえば
樹脂、硬化剤、架橋剤、レベリング剤、消泡剤、粘弾性
調整剤、水性溶剤、導電性添加剤、中和剤(pH調整
剤)などの通常塗料組成物に用いられるものを適宜配合
することができる。
【0045】前記樹脂としては、たとえばウレタン樹
脂、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル系樹
脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、カルボキシル変
性ラテックス、メタクリル樹脂、フッ素樹脂などのなか
で水溶性タイプのもののほか、さらにこれらをエマルジ
ョン化したものなどがあげられ、これらは単独でまたは
2種以上を混合して用いることができる。また、その含
有量は、導電性塗料組成物の40〜95重量%程度であ
ることが好ましい。
【0046】前記樹脂のなかでも、反応を促進させるも
のとして、たとえばメラミン樹脂、アジリジン系化合
物、カーボジイミド系樹脂、アミノホルムアルデヒド樹
脂、エポキシ樹脂、多価イソシアネート化合物、ポリヒ
ドロキシ化合物、多価アミン化合物、過酸化物、酸化亜
鉛、水溶性エポキシとポリアミドやアミンとの反応物な
どの水溶性タイプのもののほかにも、たとえばDDSA
(Dodecenylsuccinic anhydr
ide)、MNA(Methyl nadicanhy
dride)などが架橋剤や硬化剤として用いられ、ま
た紫外線や電子線により、たとえば水性ウレタン樹脂、
エポキシアクリレートなどを硬化させることができる。
【0047】前記架橋剤や硬化剤の含有量は、導電性塗
料組成物の3〜15重量%程度であることが好ましい。
【0048】さらに、前記レべリング剤としては、たと
えばノニオン系界面活性剤が、前記消泡剤としては、非
シリコン系化合物およびシリコン系化合物が用いられ
る。
【0049】前記粘弾性調整剤としては、たとえばポリ
エーテル系樹脂、変性ポリアクリル系スルホン酸塩、ウ
レタン変性ポリエーテル系樹脂、変性ポリアクリル酸ナ
トリウムなどの変性ポリアクリル酸系化合物、変性ポリ
アクリル系エマルジョンなどがあげられ、これらは単独
でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0050】前記水性溶剤としては、たとえばジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチ
ルエーテルなどのエーテル;メトキシエタノール、エト
キシエタノール、ブトキシエタノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、t−ブタノール、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、プロピレングリコールなどのアルコールなどがあげ
られ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いる
ことができる。
【0051】前記導電性添加剤としては、たとえば高分
子電解質などのイオン伝導剤;Cu、Ag、Ni、F
e、Sn、Zn、Auなどの金属粉などの電子伝導剤;
イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプ
ロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、テ
トラn−ブチルチタネートなどのチタネート系カップリ
ング剤などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上
を混合して用いることができる。
【0052】前記中和剤(pH調整剤)としては、たと
えばアンモニア、ジエチルアシルアミン、トリエチルア
ミン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、
モルホリン、アミノメチルプロパノールなどがあげら
れ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いるこ
とができる。
【0053】本発明の導電性塗料組成物をうる方法には
とくに限定がなく、たとえば適宜配合量を調整した導電
性高濃度カーボンブラック分散体、および必要に応じて
樹脂、硬化剤、架橋剤、レべリング剤、消泡剤、粘弾性
調整剤、水性溶剤、導電性添加剤、中和剤(pH調整
剤)などを通常のニーダー、ディスパーサーなどにて撹
拌混合するなどすればよい。
【0054】かくしてえられる導電性塗料組成物は、通
常の塗料の塗布方法によって所望の厚さとなるように基
材上に塗布し、自然乾燥または加熱乾燥させて塗膜を形
成させればよい。
【0055】さらに、本発明の電子写真複写機用導電性
ロールインキ組成物は、前記導電性高濃度カーボンブラ
ック分散体を含有したものである。
【0056】前記電子写真複写機用導電性ロールインキ
組成物中の導電性高濃度カーボンブラック分散体の含有
量は、えられる組成物に充分に導電性および漆黒性を付
与するためには、5重量%以上、好ましくは10重量%
以上であることが望ましい。また、所望の導電値よりも
大きくなり、成形加工性や機械的特性が低下しないよう
にするためには、該カーボンブラック分散体の含有量
は、40重量%以下、好ましくは30重量%以下である
ことが望ましい。
【0057】本発明の電子写真複写機用導電性ロールイ
ンキ組成物には、前記導電性高濃度カーボンブラック分
散体のほかにも、たとえば樹脂、帯電防止剤、定着向上
剤、抵抗制御剤、離型剤などの通常電子写真複写機用イ
ンキ組成物に用いられるものを適宜配合することができ
る。
【0058】前記樹脂としては、たとえばブタジエン−
メチルメタクリレート共重合体、アクリル系樹脂、ウレ
タン樹脂、カルボキシル変性ラテックス、エポキシ樹
脂、ポリエステル系樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹
脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アルキッド樹脂など
のなかで水溶性タイプのもののほか、さらにこれらをエ
マルジョン化したものなどがあげられ、これらは単独で
または2種以上を混合して用いることができる。また、
その含有量は、導電性ロールインキ組成物の40〜95
重量%程度であることが好ましい。
【0059】前記帯電防止剤としては、たとえばエステ
ル類、硫酸化合物、リン酸化合物、ポリアミド樹脂、4
級アンモニウム塩、ベタイン類、アミノ酸類、エチレン
オキサイド付加物などがあげられ、これらは単独でまた
は2種以上を混合して用いることができる。また、その
含有量は、導電性ロールインキ組成物の0.1〜10重
量%程度であることが好ましい。
【0060】前記定着向上剤としては、たとえば低分子
オレフィン系重合体、微粉末シリカ、アルミナ、チタニ
アなどがあげられる。
【0061】前記抵抗制御剤としては、たとえばマグネ
タイト、フェライト、酸化セリウム、導電性チタニアな
どの無機粉末;スチレン系樹脂、アクリル系樹脂などの
有機粉末があげられる。
【0062】前記離型剤としては、たとえばオレフィン
系ワックス、エステル系ワックスなどがあげられる。
【0063】さらに、本発明の電子写真複写機用導電性
ロールインキ組成物には、たとえば架橋剤、レべリング
剤、消泡剤、粘弾性調整剤、水性溶剤、中和剤(pH調
整剤)などの前記導電性塗料組成物に用いられる添加剤
も配合することができる。
【0064】本発明の電子写真複写機用導電性ロールイ
ンキ組成物をうる方法にはとくに限定がなく、たとえば
適宜配合量を調整した導電性高濃度カーボンブラック分
散体、および必要に応じて樹脂、帯電防止剤、定着向上
剤、抵抗制御剤、離型剤、架橋剤、レベリング剤、消泡
剤、粘弾性調整剤、水性溶剤、中和剤(pH調整剤)な
どを通常のニーダー、ディスパーサーなどにて撹拌混合
するなどすればよい。
【0065】かくしてえられる電子写真複写機用導電性
ロールインキ組成物は、通常の方法によって電子写真複
写機内の帯電ロール、現象ロール、転写ロールなどの表
面コート層に用いることができる。
【0066】
【実施例】つぎに、本発明の導電性高濃度カーボンブラ
ック分散体およびその製造方法、ならびにそれからなる
組成物を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本
発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0067】実施例1 カーボンブラック(ファーネスブラック、ピグメントブ
ラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表面積1
27m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml/1
00g、pH8.0、着色力140%、粉状)をイオン
交換水にて洗浄濾過し、不純物金属イオンを除去したも
の45重量%、顔料分散剤としてスチレン−無水マレイ
ン酸共重合体(酸価175、重量平均分子量2500)
およびスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重
合体(酸価200、重量平均分子量7000)15重量
%、防腐剤0.1重量%、濡れ浸透剤0.1重量%なら
びにイオン交換水を添加し、全量が100重量%となる
ようにして分散ミルベースをえた。これをディスパーサ
ー(1000rpm)で1時間予備撹拌したのち、直径
1mmのガラスビーズを80%充填した湿式粉砕装置に
より、周速10m/sec、滞留時間4分間で分散さ
せ、えられた分散液を200メッシュの網で濾過した。
さらに10μmのフィルター処理にて分散しえなかった
粗大粒子を除去し、49.5重量%の固形分濃度になる
ように調整して導電性高濃度カーボンブラック分散体を
えた。えられた導電性高濃度カーボンブラック分散体に
含有されている金属(NaおよびK)について、原子吸
光光度計((株)日立製作所製、Z−8230)にて元
素分析を行なった。その結果を表1に示す。
【0068】えられた導電性高濃度カーボンブラック分
散体の特性として、粘度、平均粒子径、導電率および分
散安定性を以下の方法にしたがって調べた。また、導電
性高濃度カーボンブラック分散体を用いて形成した塗膜
の物性として、反射濃度および表面抵抗率を以下の方法
にしたがって調べた。その結果を表1に示す。
【0069】前記塗膜は、導電性高濃度カーボンブラッ
ク分散体をブタジエン−メチルメタクリレート共重合体
ラテックスに均一となるように混合し(インキ組成物中
のカーボンブラック分散体の含有量:9重量%)、えら
れたインキ組成物をNo.8のバーコーターで上質紙
(北越製紙(株)製「孔雀半紙」)に塗工して乾燥させ
てえられたものである(乾燥膜厚:4.6μm)。
【0070】なお、前記導電性高濃度カーボンブラック
分散体を水溶性タイプのウレタン樹脂に均一となるよう
に混合し(塗料組成物中のカーボンブラック分散体の含
有量:9重量%)、えられた塗料組成物を前記インキ組
成物と同様に塗工して乾燥させたところ、該インキ組成
物と同様の塗膜をうることができた(乾燥膜厚:4.6
μm)。
【0071】(1)粘度 B型粘度計((株)東京計器製)を用い、25℃にて調
製直後のカーボンブラック分散体の粘度(mPa・s)
を測定した。
【0072】なお、カーボンブラック分散体が低粘度で
あるとは、カーボンブラックの含有量が45重量%のカ
ーボンブラック分散体について、400mPa・s以下
のばあいをいう。
【0073】(2)平均粒子径 レーザー光拡散方式粒度分布測定機(リーズ・アンド・
ノースラップ社(Leeds and North R
up)製、マイクロトラックUPA粒度分布計)を用い
て平均粒子径(μm)を測定した。
【0074】なお、とくにカーボンブラックは、一般に
微小な粒子が凝集したものであるため、カーボンブラッ
ク分散体の平均粒子径は、カーボンブラックの平均一次
粒子径よりもかなり大きい値となる。したがって、カー
ボンブラック分散体がきわめて微分散されたものである
とは、カーボンブラックの含有量が45重量%のカーボ
ンブラック分散体について、平均粒子径が0.1μm以
下のばあいをいう。
【0075】(3)導電率 導電率計((株)堀場製作所製、カスタニーDS−1
4)を用いて導電率(μS/cm)を測定した。
【0076】なお、導電率とは、導体中での電流の流れ
やすさを示す指標である。したがって、カーボンブラッ
ク分散体が好適な導電性であるとは、カーボンブラック
の含有量が45重量%のカーボンブラック分散体につい
て、導電率が4000〜6000μS/cmのばあいを
いう。
【0077】(4)分散安定性 カーボンブラック分散体100mlをイージーボトル
((株)ニッコー製)に採り、50℃にて10日間放置
したのち、カーボンブラックの沈降の有無を調べるとと
もに、前記B型粘度計を用いて25℃における粘度を測
定し、前記(1)で測定した調製直後の粘度と比較し、
以下の評価基準に基づいて評価した。
【0078】(評価基準) ◎:カーボンブラックの沈降がまったくなく、粘度変化
もない非常に良好な状態である。 ○:カーボンブラックの沈降がわずかにあるが、粘度変
化がなく良好な状態である。 △:カーボンブラックの沈降がかなりあるか、粘度上昇
があり、わるい状態である。 ×:カーボンブラックの沈降がいちじるしく、また粘度
上昇がいちじるしい非常にわるい状態である。
【0079】(5)反射濃度 マクベス(登録商標)濃度計(IR−927、オルソマ
テックタイプ)を用いて反射濃度(単位なし)を測定し
た。
【0080】なお、反射濃度は、物質が光を反射する程
度を表わす値であり、光路長が一定であるとき、反射濃
度が大きいほど色材の濃度が高いことを示す。したがっ
て、塗膜が漆黒性を有するとは、カーボンブラックの含
有量が45重量%のカーボンブラック分散体から形成さ
れた塗膜について、反射濃度が1.5以上のばあいをい
う。
【0081】(6)表面抵抗率 抵抗率計(三菱化学(株)製、HirestaIP(M
CP−HT250))にて表面抵抗率(Ω/□)を測定
した。
【0082】なお、均一な厚さの塗膜が形成され、その
塗膜の艶、良好な低摩擦性、密着性、耐汚染性および均
一な抵抗値が満足されるとは、カーボンブラックの含有
量が45重量%のカーボンブラック分散体から形成され
た塗膜について、表面抵抗率が5×104Ω/□以下の
ばあいをいう。
【0083】比較例1 カーボンブラック(ファーネスブラック、ピグメントブ
ラック7、平均一次粒子径0.056μm、比表面積4
5m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml/10
0g、pH9.0)45重量%、顔料分散剤としてスチ
レン−無水マレイン酸共重合体(酸価175、重量平均
分子量2500)およびスチレン−α−メチルスチレン
−アクリル酸共重合体(酸価200、重量平均分子量7
000)15重量%、防腐剤0.1重量%、濡れ浸透剤
0.1重量%ならびにイオン交換水を添加し、全量が1
00重量%となるようにして分散ミルベースをえた。こ
れをディスパーサー(1000rpm)で1時間予備撹
拌したのち、直径1mmのガラスビーズを80%充填し
た湿式粉砕装置により、周速10m/sec、滞留時間
4分間で分散させ、えられた分散液を200メッシュの
網で濾過した。しかしながら、えられたカーボンブラッ
ク分散体は、粘度が非常に高く流動性に欠けており、ま
た分散性もわるく、10μmのフィルター処理が不可能
であった。
【0084】えられたカーボンブラック分散体に含有さ
れている金属の量、その特性およびこれを用いて形成し
た塗膜の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果
を表1に示す。
【0085】実施例2 カーボンブラック(ファーネスブラック、ピグメントブ
ラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表面積1
27m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml/1
00g、pH8.0、着色力140%、粉状)をイオン
交換水にて洗浄濾過し、不純物金属イオンを除去したも
の45重量%、顔料分散剤としてスチレン−無水マレイ
ン酸共重合体(酸価175、重量平均分子量2500)
およびスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重
合体(酸価200、重量平均分子量7000)15重量
%、防腐剤0.1重量%、濡れ浸透剤0.1重量%なら
びにイオン交換水を添加し、全量が100重量%となる
ようにして分散ミルベースをえた。これをディスパーサ
ー(1000rpm)で1時間予備撹拌したのち、直径
1mmのガラスビーズを80%充填した湿式粉砕装置に
より、周速10m/sec、滞留時間20分間で分散さ
せ、えられた分散液を200メッシュの網で濾過した。
さらに10μmのフィルター処理にて分散しえなかった
粗大粒子を除去し、49.5重量%の固形分濃度になる
ように調整して導電性高濃度カーボンブラック分散体を
えた。
【0086】えられた導電性高濃度カーボンブラック分
散体に含有されている金属の量、その特性およびこれを
用いて形成した塗膜の物性を実施例1と同様にして調べ
た。その結果を表1に示す。
【0087】比較例2 カーボンブラック(ファーネスブラック、ピグメントブ
ラック7、平均一次粒子径0.035μm、比表面積5
0m2/g(BET法)、DBP吸油量46ml/10
0g、pH8.0)45重量%、顔料分散剤としてスチ
レン−無水マレイン酸共重合体(酸価175、重量平均
分子量2500)およびスチレン−α−メチルスチレン
−アクリル酸共重合体(酸価200、重量平均分子量7
000)15重量%、防腐剤0.1重量%、濡れ浸透剤
0.1重量%ならびにイオン交換水を添加し、全量が1
00重量%となるようにして分散ミルベースをえた。こ
れをディスパーサー(1000rpm)で1時間予備撹
拌したのち、直径1mmのガラスビーズを80%充填し
た湿式粉砕装置により、周速10m/sec、滞留時間
4分間で分散させ、えられた分散液を200メッシュの
網で濾過した。しかしながら、えられたカーボンブラッ
ク分散体は、粘度が非常に高く流動性に欠けており、ま
た分散性もわるく、10μmのフィルター処理が不可能
であった。
【0088】えられたカーボンブラック分散体に含有さ
れている金属の量、その特性およびこれを用いて形成し
た塗膜の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果
を表1に示す。
【0089】実施例3 カーボンブラック(ファーネスブラック、ピグメントブ
ラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表面積1
27m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml/1
00g、pH8.0、着色力140%、粉状)をイオン
交換水にて洗浄濾過し、不純物金属イオンを除去したも
の45重量%、顔料分散剤としてスチレン−無水マレイ
ン酸共重合体(酸価175、重量平均分子量2500)
およびスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重
合体(酸価200、重量平均分子量7000)15重量
%、防腐剤0.1重量%、濡れ浸透剤0.1重量%なら
びにイオン交換水を添加し、全量が100重量%となる
ようにして分散ミルベースをえた。これをディスパーサ
ー(1000rpm)で1時間予備撹拌したのち、直径
0.6mmのガラスビーズを85%充填した湿式粉砕装
置により、周速14m/sec、滞留時間20分間で分
散させ、えられた分散液を200メッシュの網で濾過し
た。さらに10μmのフィルター処理にて分散しえなか
った粗大粒子を除去し、49.5重量%の固形分濃度に
なるように調整して導電性高濃度カーボンブラック分散
体をえた。
【0090】えられた導電性高濃度カーボンブラック分
散体に含有されている金属の量、その特性およびこれを
用いて形成した塗膜の物性を実施例1と同様にして調べ
た。その結果を表1に示す。
【0091】実施例4 カーボンブラック(ファーネスブラック、ピグメントブ
ラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表面積1
27m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml/1
00g、pH8.0、着色力140%、粉状)をイオン
交換水にて洗浄濾過し、不純物金属イオンを除去したも
の45重量%、顔料分散剤としてスチレン−無水マレイ
ン酸共重合体(酸価175、重量平均分子量2500)
およびスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重
合体(酸価200、重量平均分子量7000)15重量
%、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量
%、防腐剤0.1重量%、濡れ浸透剤0.1重量%なら
びにイオン交換水を添加し、全量が100重量%となる
ようにして分散ミルベースをえた。これをディスパーサ
ー(1000rpm)で1時間予備撹拌したのち、直径
1mmのガラスビーズを80%を充填した湿式粉砕装置
により、周速10m/sec、滞留時間4分間で分散さ
せ、えられた分散液を200メッシュの網で濾過した。
さらに10μmのフィルター処理にて分散しえなかった
粗大粒子を除去し、49.5重量%の固形分濃度になる
ように調整して導電性高濃度カーボンブラック分散体を
えた。
【0092】えられた導電性高濃度カーボンブラック分
散体に含有されている金属の量、その特性およびこれを
用いて形成した塗膜の物性を実施例1と同様にして調べ
た。その結果を表1に示す。
【0093】実施例5 カーボンブラック(ファーネスブラック、ピグメントブ
ラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表面積1
27m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml/1
00g、pH8.0、着色力140%、粉状)をイオン
交換水にて洗浄濾過し、不純物金属イオンを除去したも
の45重量%、顔料分散剤としてスチレン−無水マレイ
ン酸共重合体(酸価175、重量平均分子量2500)
およびスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重
合体(酸価200、重量平均分子量7000)20重量
%、防腐剤0.1重量%、濡れ浸透剤0.1重量%なら
びにイオン交換水を添加し、全量が100重量%となる
ようにして分散ミルベースをえた。これをディスパーサ
ー(1000rpm)で1時間予備撹拌したのち、直径
1mmのガラスビーズを80%充填した湿式粉砕装置に
より、周速10m/sec、滞留時間4分間で分散さ
せ、えられた分散液を200メッシュの網で濾過した。
さらに10μmのフィルター処理にて分散しえなかった
粗大粒子を除去し、49.5重量%の固形分濃度になる
ように調整して導電性高濃度カーボンブラック分散体を
えた。
【0094】えられた導電性高濃度カーボンブラック分
散体に含有されている金属の量、その特性およびこれを
用いて形成した塗膜の物性を実施例1と同様にして調べ
た。その結果を表1に示す。
【0095】比較例3 カーボンブラック(ファーネスブラック、ピグメントブ
ラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表面積1
27m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml/1
00g、pH8.0)に硝酸にて酸処理を施し、pHを
5.0としたもの45重量%、顔料分散剤としてスチレ
ン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体(酸価2
00、重量平均分子量7000)15重量%、防腐剤
0.1重量%、濡れ浸透剤0.1重量%およびイオン交
換水を添加し、全量が100重量%となるようにして分
散ミルベースをえた。これをディスパーサー(1000
rpm)で1時間予備撹拌したのち、直径1mmのガラ
スビーズを80%充填した湿式粉砕装置により、周速1
0m/sec、滞留時間4分間で分散させ、えられた分
散液を200メッシュの網で濾過した。しかしながら、
えられたカーボンブラック分散体は、分散安定性は比較
的よいものの、粘度が少し高く、10μmのフィルター
処理が少し困難であった。
【0096】えられたカーボンブラック分散体に含有さ
れている金属の量、その特性およびこれを用いて形成し
た塗膜の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果
を表1に示す。
【0097】比較例4 カーボンブラック(ファーネスブラック、ピグメントブ
ラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表面積1
25m2/g(BET法)、DBP吸油量110ml/
100g、pH8.0)45重量%、顔料分散剤として
スチレン−無水マレイン酸共重合体(酸価175、重量
平均分子量2500)およびスチレン−α−メチルスチ
レン−アクリル酸共重合体(酸価200、重量平均分子
量7000)15重量%、防腐剤0.1重量%、濡れ浸
透剤0.1重量%ならびにイオン交換水を添加し、全量
が100重量%となるようにして分散ミルベースをえ
た。これをディスパーサー(1000rpm)で1時間
予備撹拌したが、分散ミルベースの粘度が非常に高く、
流動性もなく、水親和性に欠けているため、実施例1で
用いた湿式粉砕装置にかからず、カーボンブラック分散
体をうることができなかった。
【0098】比較例5 カーボンブラック(ファーネスブラック、ピグメントブ
ラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表面積1
27m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml/1
00g、pH8.0)に硝酸にて酸処理を施し、pHを
5.0としたもの40重量%、顔料分散剤としてスチレ
ン−無水マレイン酸共重合体(酸価175、重量平均分
子量2500)およびスチレン−α−メチルスチレン−
アクリル酸共重合体(酸価200、重量平均分子量70
00)15重量%、防腐剤0.1重量%、濡れ浸透剤
0.1重量%ならびにイオン交換水を添加し、全量が1
00重量%となるようにして分散ミルベースをえた。こ
れをディスパーサー(1000rpm)で1時間予備撹
拌したのち、直径1mmのガラスビーズを80%充填し
た湿式粉砕装置により、周速10m/sec、滞留時間
4分間で分散させ、えられた分散液を200メッシュの
網で濾過した。さらに10μmのフィルター処理にて分
散しえなかった粗大粒子を除去し、49.5重量%の固
形分濃度になるように調整してカーボンブラック分散体
をえた。えられたカーボンブラック分散体は、実施例1
のものと比較して粘度が低く、分散安定性に欠け、室温
にて10日後にはカーボンブラックの沈降が認められ
た。
【0099】えられたカーボンブラック分散体に含有さ
れている金属の量、その特性およびこれを用いて形成し
た塗膜の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果
を表1に示す。
【0100】比較例6 カーボンブラック(ファーネスブラック、ピグメントブ
ラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表面積1
27m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml/1
00g、pH8.0)に硝酸にて酸処理を施し、pHを
5.0としたもの30重量%、顔料分散剤としてスチレ
ン−無水マレイン酸共重合体(酸価175、重量平均分
子量2500)およびスチレン−α−メチルスチレン−
アクリル酸共重合体(酸価200、重量平均分子量70
00)15重量%、防腐剤0.1重量%、濡れ浸透剤
0.1重量%ならびにイオン交換水を添加し、全量が1
00重量%となるようにして分散ミルベースをえた。こ
れをディスパーサー(1000rpm)で1時間予備撹
拌したのち、直径1mmのガラスビーズを80%充填し
た湿式粉砕装置により、周速10m/sec、滞留時間
4分間で分散させ、えられた分散液を200メッシュの
網で濾過した。さらに10μmのフィルター処理にて分
散しえなかった粗大粒子を除去し、49.5重量%の固
形分濃度になるように調整してカーボンブラック分散体
をえた。えられたカーボンブラック分散体は、実施例1
のものと比較して粘度が低く、分散安定性に欠け、室温
にて10日後にはカーボンブラックの沈降が認められ
た。
【0101】えられたカーボンブラック分散体に含有さ
れている金属の量、その特性およびこれを用いて形成し
た塗膜の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果
を表1に示す。
【0102】比較例7 カーボンブラック(ファーネスブラック、ピグメントブ
ラック7、平均一次粒子径0.031μm、比表面積8
00m2/g(BET法)、DBP吸油量360ml/
100g、pH9.0)10.5重量%、顔料分散剤と
してスチレン−無水マレイン酸共重合体(酸価200、
重量平均分子量11000)15.8重量%、エチレン
グリコール3.5重量%、防腐剤0.1重量%、濡れ浸
透剤0.1重量%およびイオン交換水を添加し、全量が
100重量%となるようにして分散ミルベースをえた。
これをディスパーサー(1000rpm)で1時間予備
撹拌したのち、直径1mmのガラスビーズを80%充填
した湿式粉砕装置により、周速10m/sec、滞留時
間4分間で分散させ、えられた分散液を200メッシュ
の網で濾過した。
【0103】なお、本比較例7では、当初カーボンブラ
ックの含有量を15重量%以上として分散ミルベースを
試作していたが、カーボンブラックのDBP吸油量およ
び比表面積が高いため、分散ミルベースの粘度が非常に
高く、分散適性および分散安定性に欠けていた。したが
って、適切な流動粘性がえられるように、カーボンブラ
ックの含有量を10.5重量%に設定した。また、えら
れたカーボンブラック分散体は分散性に劣るものであっ
たため、フィルター処理は行なわなかった。
【0104】えられたカーボンブラック分散体に含有さ
れている金属の量、その特性およびこれを用いて形成し
た塗膜の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果
を表1に示す。
【0105】比較例8 カーボンブラック(ファーネスブラック、ピグメントブ
ラック7、平均一次粒子径0.055μm、比表面積2
9m2/g(BET法)、DBP吸油量130ml/1
00g、pH8.1)35重量%、顔料分散剤としてス
チレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体(酸
価175、重量平均分子量7000)15重量%、防腐
剤0.1重量%、濡れ浸透剤0.1重量%およびイオン
交換水を添加し、全量が100重量%となるようにして
分散ミルベースをえた。これをディスパーサー(100
0rpm)で1時間予備撹拌したのち、直径1mmのガ
ラスビーズを80%充填した湿式粉砕装置により、周速
10m/sec、滞留時間4分間で分散させ、えられた
分散液を200メッシュの網で濾過してカーボンブラッ
ク分散体をえた。しかしながら、えられたカーボンブラ
ック分散体は、粘度が高く、流動性に欠け、分散性もわ
るく、10μmのフィルター処理が不可能であった。
【0106】えられたカーボンブラック分散体に含有さ
れている金属の量、その特性およびこれを用いて形成し
た塗膜の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果
を表1に示す。
【0107】
【表1】
【0108】表1に示された結果から、実施例1〜5で
えられたカーボンブラック分散体は、Naが約120m
g/kg以下およびKが約245mg/kg以下といず
れの不純物金属イオンの含有量もきわめて少ないほか、
粘度が400mPa・sよりも低く、45重量%といっ
た高濃度のカーボンブラックを含有していても流動性に
適した低粘度であり、分散安定性も良好であることがわ
かる。しかも、これらのカーボンブラック分散体は、い
ずれも平均粒子径が0.1μmよりも小さく、きわめて
微分散されたものであり、また導電率が約4300〜5
900μS/cmであるので、好適な導電性を有するも
のであることがわかる。
【0109】さらに、前記のごときすぐれたカーボンブ
ラック分散体から形成された実施例1〜5における塗膜
は、いずれも反射濃度が1.5以上と漆黒性を有するも
のであり、また表面抵抗率が5×104Ω/□よりも小
さく、良好な低摩擦性ならびに改善された耐汚染性およ
び表面性を有するとともに、適切な導電率に安定的にコ
ントロールしうるものであることがわかる。
【0110】これに対して、比較例1〜3および5〜8
でえられたカーボンブラック分散体は、いずれも平均粒
子径が0.1μmをこえており、微分散されたものでは
なく、分散安定性にも劣るものであることがわかる。ま
た、比較例1〜3および8のように高粘度であったり、
比較例1〜2および6〜7のように導電率が4000μ
S/cmを下まわるものや、比較例3のように6000
μS/cmをこえるものなど、好適な導電性を有しない
ものであることがわかる。さらに、比較例1〜8のカー
ボンブラック分散体は、不純物金属イオンであるNaお
よびKの含有量がそれぞれ200mg/kgおよび40
0mg/kgをこえており、このことによって分散性が
低下し、分散安定性にも悪影響が及ぼされていることが
わかる。
【0111】しかも、前記のごとき良好な特性を具備し
ていないカーボンブラック分散体から形成された比較例
1〜3および5〜8の塗膜は、いずれも反射濃度が1.
5よりも小さく、漆黒性を有しないものであり、また表
面抵抗率が1×105Ω/□をこえ、摩擦性が高く、耐
汚染性および表面性に劣り、また適切な導電率に安定的
にコントロールしえないものであることがわかる。また
とくに、かかるカーボンブラック分散体には、前記のご
とく不純物金属イオンが多量に含有されていることか
ら、安定した電気特性値を示す塗膜がえられないことが
わかる。
【0112】
【発明の効果】本発明の導電性高濃度カーボンブラック
分散体は、カーボンブラックが水性媒体中に高濃度で微
分散され、高導電性を有することはもちろんのこと、分
散安定性にすぐれ、粘度が低く流動性に適し、漆黒性を
有するものである。また、かかる導電性高濃度カーボン
ブラック分散体は、本発明の製造方法によって容易にう
ることができる。
【0113】前記のごときすぐれた導電性高濃度カーボ
ンブラック分散体は、各種組成物に好適に使用すること
ができ、該導電性高濃度カーボンブラック分散体を含有
した本発明の導電性塗料組成物および電子写真複写機用
導電性ロールインキ組成物は、すぐれた物性を有するも
のである。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 DBP吸油量が80ml/100g以
    下、平均一次粒子径が0.03μm以下、BET法によ
    る比表面積が200m2/g以下、かつpHが中性ない
    しアルカリ性の領域に含まれるカーボンブラックを、顔
    料分散剤によって水性媒体中に微粒子分散させることを
    特徴とする導電性高濃度カーボンブラック分散体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 カーボンブラックが粉状であり、その着
    色力が95〜155%である請求項1記載の導電性高濃
    度カーボンブラック分散体の製造方法。
  3. 【請求項3】 カーボンブラックを35重量%以上含有
    させる請求項1または2記載の導電性高濃度カーボンブ
    ラック分散体の製造方法。
  4. 【請求項4】 カーボンブラックを精製する請求項1、
    2または3記載の導電性高濃度カーボンブラック分散体
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 顔料分散剤が水溶性樹脂である請求項
    1、2、3または4記載の導電性高濃度カーボンブラッ
    ク分散体の製造方法。
  6. 【請求項6】 水溶性樹脂がスチレン−α−メチルスチ
    レン−アクリル酸共重合体および/またはスチレン−無
    水マレイン酸共重合体である請求項5記載の導電性高濃
    度カーボンブラック分散体の製造方法。
  7. 【請求項7】 顔料分散剤の酸価が120〜250であ
    り、かつ重量平均分子量が2000〜10000である
    請求項1、2、3、4、5または6記載の導電性高濃度
    カーボンブラック分散体の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1、2、3、4、5、6または7
    記載の製造方法によってえられた導電性高濃度カーボン
    ブラック分散体。
  9. 【請求項9】 導電率が4000〜6000μS/cm
    である請求項8記載の導電性高濃度カーボンブラック分
    散体。
  10. 【請求項10】 平均粒子径が0.1μm以下である請
    求項8または9記載の導電性高濃度カーボンブラック分
    散体。
  11. 【請求項11】 25℃での粘度が30〜400mPa
    ・sである請求項8、9または10記載の導電性高濃度
    カーボンブラック分散体。
  12. 【請求項12】 ナトリウムの含有量が150mg/k
    g以下である請求項8、9、10または11記載の導電
    性高濃度カーボンブラック分散体。
  13. 【請求項13】 カリウムの含有量が260mg/kg
    以下である請求項8、9、10、11または12記載の
    導電性高濃度カーボンブラック分散体。
  14. 【請求項14】 請求項8、9、10、11、12また
    は13記載の導電性高濃度カーボンブラック分散体を含
    有してなる導電性塗料組成物。
  15. 【請求項15】 請求項8、9、10、11、12また
    は13記載の導電性高濃度カーボンブラック分散体を含
    有してなる電子写真複写機用導電性ロールインキ組成
    物。
JP32615997A 1997-11-27 1997-11-27 導電性高濃度カーボンブラック分散体およびその製造方法、ならびにそれからなる組成物 Expired - Lifetime JP3351726B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32615997A JP3351726B2 (ja) 1997-11-27 1997-11-27 導電性高濃度カーボンブラック分散体およびその製造方法、ならびにそれからなる組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32615997A JP3351726B2 (ja) 1997-11-27 1997-11-27 導電性高濃度カーボンブラック分散体およびその製造方法、ならびにそれからなる組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11158321A true JPH11158321A (ja) 1999-06-15
JP3351726B2 JP3351726B2 (ja) 2002-12-03

Family

ID=18184718

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32615997A Expired - Lifetime JP3351726B2 (ja) 1997-11-27 1997-11-27 導電性高濃度カーボンブラック分散体およびその製造方法、ならびにそれからなる組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3351726B2 (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001311034A (ja) * 2000-04-28 2001-11-09 Mikuni Color Ltd 電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体およびその製造方法、ならびにそれからなる組成物
JP2002292798A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Nissha Printing Co Ltd 漆黒感を有する加飾用フィルムとこれを用いた漆黒感を有する加飾成形品の製造方法
JP2006522210A (ja) * 2003-04-01 2006-09-28 キャボット コーポレイション 粒状物質を選択し開発する方法
JP2007199677A (ja) * 2005-12-28 2007-08-09 Konica Minolta Business Technologies Inc 現像ローラとそれを用いた現像方法
JP2007291205A (ja) * 2006-04-24 2007-11-08 Bridgestone Corp 天然ゴムウェットマスターバッチ及びそれを用いたゴム組成物
JP2009024035A (ja) * 2007-07-17 2009-02-05 Dic Corp 水性顔料分散体の製造方法、及びインクジェット記録用水性インク
JP2011184584A (ja) * 2010-03-09 2011-09-22 Mitsubishi Chemicals Corp 水性顔料分散液及びインク組成物
WO2014185452A1 (ja) * 2013-05-14 2014-11-20 ライオン株式会社 カーボンブラック、導電性樹脂組成物及び電極合材
JP2014221889A (ja) * 2013-05-14 2014-11-27 ライオン株式会社 カーボンブラック
JP2014534285A (ja) * 2011-09-30 2014-12-18 コーニング インコーポレイテッド ウルトラキャパシタ用導電性インクを作製するための炭素及び黒鉛の塩酸洗浄
JP2015043726A (ja) * 2013-08-28 2015-03-12 n−tech株式会社 鳥獣類忌避用塗料およびこれを利用した鳥獣類忌避システム
US9217944B2 (en) 2007-04-24 2015-12-22 Cabot Corporation Low structure carbon black and method of making same
JPWO2016098578A1 (ja) * 2014-12-15 2017-09-28 関西ペイント株式会社 顔料分散樹脂及び顔料分散ペースト

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4681710B2 (ja) * 2000-04-28 2011-05-11 御国色素株式会社 電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体およびその製造方法、ならびにそれからなる組成物
JP2001311034A (ja) * 2000-04-28 2001-11-09 Mikuni Color Ltd 電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体およびその製造方法、ならびにそれからなる組成物
JP2002292798A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Nissha Printing Co Ltd 漆黒感を有する加飾用フィルムとこれを用いた漆黒感を有する加飾成形品の製造方法
JP2006522210A (ja) * 2003-04-01 2006-09-28 キャボット コーポレイション 粒状物質を選択し開発する方法
JP2007199677A (ja) * 2005-12-28 2007-08-09 Konica Minolta Business Technologies Inc 現像ローラとそれを用いた現像方法
JP2007291205A (ja) * 2006-04-24 2007-11-08 Bridgestone Corp 天然ゴムウェットマスターバッチ及びそれを用いたゴム組成物
US9217944B2 (en) 2007-04-24 2015-12-22 Cabot Corporation Low structure carbon black and method of making same
JP2009024035A (ja) * 2007-07-17 2009-02-05 Dic Corp 水性顔料分散体の製造方法、及びインクジェット記録用水性インク
JP2011184584A (ja) * 2010-03-09 2011-09-22 Mitsubishi Chemicals Corp 水性顔料分散液及びインク組成物
JP2014534285A (ja) * 2011-09-30 2014-12-18 コーニング インコーポレイテッド ウルトラキャパシタ用導電性インクを作製するための炭素及び黒鉛の塩酸洗浄
WO2014185452A1 (ja) * 2013-05-14 2014-11-20 ライオン株式会社 カーボンブラック、導電性樹脂組成物及び電極合材
JP2014221889A (ja) * 2013-05-14 2014-11-27 ライオン株式会社 カーボンブラック
CN105283514A (zh) * 2013-05-14 2016-01-27 狮王株式会社 炭黑、导电性树脂组合物以及电极混合材料
JP2015043726A (ja) * 2013-08-28 2015-03-12 n−tech株式会社 鳥獣類忌避用塗料およびこれを利用した鳥獣類忌避システム
JPWO2016098578A1 (ja) * 2014-12-15 2017-09-28 関西ペイント株式会社 顔料分散樹脂及び顔料分散ペースト

Also Published As

Publication number Publication date
JP3351726B2 (ja) 2002-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3351726B2 (ja) 導電性高濃度カーボンブラック分散体およびその製造方法、ならびにそれからなる組成物
JP4681710B2 (ja) 電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体およびその製造方法、ならびにそれからなる組成物
TW200417580A (en) Aqueous, colloidal gas black suspension
JP5422904B2 (ja) 磁性トナー用疎水性磁性酸化鉄粒子粉末及びその製造方法
JPS62278131A (ja) ケイ素元素を有する磁性酸化鉄
JP2007160299A (ja) 分散剤としての2,3−ジヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸塩の使用
WO2010001965A1 (ja) 塗布組成物
JP7303481B2 (ja) アニリンブラック並びに該アニリンブラックを用いた樹脂組成物及び分散体
KR102525865B1 (ko) 실리콘 오일 처리 실리카 입자, 및 전자사진용 토너
CN108962432A (zh) 一种石墨烯导电薄膜
KR20120027542A (ko) 변형된 안료를 포함하는 화학 토너
JP2005035809A (ja) フラーレン水性分散液
JP4722412B2 (ja) 導電性酸化錫粉末、その製造方法、導電性ペースト及び導電性塗料
JPH09319209A (ja) 画像形成方法
JP3365883B2 (ja) 針状導電性酸化錫微粉末およびその製造方法
JP2005053752A (ja) 改質黒鉛粒子及びこの改質黒鉛粒子を配合した塗料
JP2010102024A (ja) エステルワックス及びそれを含有するトナー用バインダー樹脂、及びトナー
JP3515625B2 (ja) 針状導電性酸化錫微粉末およびその製造方法
JP2007137917A (ja) 常温硬化性ないし熱硬化性の水系透明導電性塗料とその製造方法および塗膜
JP5400321B2 (ja) 複合被覆マグネタイト粒子の製造方法
CN109021798A (zh) 一种用于保护薄膜的石墨烯导电涂料
JP4525899B2 (ja) 帯電制御材及び該帯電制御材を用いた帯電制御用塗料
KR100467675B1 (ko) 카본블랙 콜로이드 용액 및 그 제조방법
JPH11160907A (ja) 正帯電現像剤
JP2002080224A (ja) 黒色磁性トナー用黒色磁性粒子粉末及び該黒色磁性粒子粉末を用いた黒色磁性トナー

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110920

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140920

Year of fee payment: 12

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term