JP4681710B2 - 電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体およびその製造方法、ならびにそれからなる組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体、その製造方法、それからなる電子写真複写機用導電性ロールインキ組成物および導電性塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真応用機器の基本プロセスは、現在、帯電、露光、現像、転写、定着から構成されている。
【0003】
近年、高速印字と画像特性から、レーザプリンタがオフィス機器の主流となりカラー化の流れが加速されつつあり、新たな革新期を迎えている。また環境問題を重視する近年の社会情勢から、安全性の高い水系化の要望が急速に高まっている。このような状況の中で、電子写真応用機器に使用される機能性ローラも当然、機能的側面、社会的側面に配慮した設計が求められている。
【0004】
従来、電子写真記録装置の感光ドラムなどに対して帯電領域に所定の電位を付与するために、コロナ帯電方式が一般的に採用されている。しかしながら、このようなコロナ帯電方式では、コロナ放電に伴って発生する有害なオゾンなどの活性分子が感光ドラムやその他の部品を劣化させ、画像の低下を招いたり、人体に悪影響を及ぼしたりするおそれがあり、また、高電圧による感電事故などの危険な問題がある。
【0005】
そこで、これらを改善する帯電方法としていろいろな方法が提案されており、たとえば、最近では、電圧を印加した帯電母材を感光ドラムに接触させることにより、感光ドラムを帯電させる方法が提案されている。このような接触方式は、コロナ放電方式を用いた方式に比べて低い印加電圧で帯電を行なうことができ、有害なオゾンの発生もほとんどなく、コロナ放電方式の問題点を解決する方法として期待されている。
【0006】
接触帯電方式に用いられる帯電母材として、金属などの良導電性の芯材上に導電性の弾性層を形成した帯電ロールを用いることが知られており、またその弾性導電材層は、弾性ゴム、または、弾性ゴムをより柔軟なものにするためにスポンジ状の発泡体を用いることが従来公知の方法として知られている。電子写真記録装置複写機に用いられている種々の導電ロールにおいて、導電性を付与し、調整し、感光ドラムとの接触状態を改善するため、導電性弾性体層の表面に被覆層または抵抗層が設けられている。この被覆層は、導電性弾性体層の表面に導電塗料を塗布することによって形成され、前記発泡体の表面に導電塗料をスプレー法、静電塗装、ディッピング、ロールコーターなどの湿式塗布法で塗布される。これらの導電ロールは、電気抵抗のバラツキや経時変化が少なく、しかも高温高湿、低温低湿などの環境条件の変動に対しても、安定した電気的特性を得ることができる。
【0007】
ここで、被覆層の導電性材料として、たとえばカーボンブラック、グラファイトや銀、ニッケル、銅などの各種金属粉、各種非導電性粉体、短繊維表面を銀などの金属で表面処理したもの、炭素繊維、金属繊維、導電性亜鉛華、酸化チタンの表面をスズとアンチモンで処理した導電性酸化チタン、酸化錫系などの導電性材料が使用される。酸化錫系の導電性粉体は、湿度の影響を受けず、白色系であるため、任意の色に着色が可能で物理的、化学的に安定であるか、比較的添加量を多く必要とする。また、微粒子に分散させることが難しく、分散安定性に欠けたり、本来の導電性の機能を消失してしまうことがあり、経済性にも劣る。それに対し、比較的少ない添加量で導電効果があり、その微粒子分散体を用いることにより、発泡体層の表面形状を均一化し、平滑性も向上するため、安定した電気的特性が得られるという点から、カーボンブラックが通常用いられる。そして、被覆層の抵抗値は、通常107〜1012Ω・cmの範囲にある。
【0008】
しかし、塗布する際に塗布液が発泡体の空孔内に浸透して正常に形成できなくなったり、その発泡体の表面に凸凹が発生して均一な電気抵抗値が得られないという問題があり、発泡体層の表面の均質性および平滑性を考慮した導電ロールが望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記従来の問題を解決するものであり、カーボンブラックが媒体中に高濃度で微分散して分散安定性にすぐれ、粘度が低く流動性に適し、漆黒性を有するうえ、半導電性領域においてばらつきが少なく安定した電気特性が得られ、かつ経時変化が少なくしかも環境条件の変動に対しても安定な導電性を有するカーボンブラック分散体、それを容易に製造する方法およびそれを含有する組成物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、
DBP吸油量80ml/100g以下、平均一次粒子径0.03μm以下、比表面積200m2/g以下、かつpHが中性またはアルカリ性であるカーボンブラック(I)、および官能基を有する樹脂で被覆処理を行なったカーボンブラック(II)を1:9〜9:1の重量比で配合した混合体を、顔料分散剤によって水性媒体中に分散して得られ、官能基を有する樹脂が、アミノフェノール型エポキシ樹脂である電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体に関する。また、カーボンブラック(I)および(II)の平均一次粒子径が、0.005〜0.03μmであることが好ましい。また、カーボンブラック(I)および(II)を精製することが好ましい。また、カーボンブラック(I)および(II)が粉状であり、該カーボンブラックの着色力が95〜155%であることが好ましい。また、カーボンブラックの含有量が35重量%以上であることが好ましい。また、顔料分散剤が、スチレンおよび/またはスチレン誘導体からなる水性樹脂であることが好ましい。また、導電率が2000〜10000μS/cmであることが好ましい。また、平均粒子径が0.1μm以下であることが好ましい。
また、本発明は、DBP吸油量80ml/100g以下、平均一次粒子径0.03μm以下、比表面積200m2/g以下、かつpHが中性またはアルカリ性であるカーボンブラック(I)、および官能基を有する樹脂で被覆処理を行なったカーボンブラック(II)を1:9〜9:1の重量比で配合した混合体を、顔料分散剤によって水性媒体中に高濃度で分散させて微粒子とし、官能基を有する樹脂が、アミノフェノール型エポキシ樹脂であることを特徴とする電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体の製造方法に関する。
さらに、本発明は、上記電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体を含有する電子写真複写機用導電性ロールインキ組成物に関する。
さらに、本発明は、上記電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体を含有する導電性塗料組成物に関する。
さらに、本発明は、上記電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体を含有し、該分散体の体積固有抵抗が1×105〜1×1010Ω・cmである導電部材に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
【0012】
本発明の電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体は、水性の液体中に、DBP吸油量80ml/100g以下、平均一次粒子径0.03μm以下、比表面積200m2/g以下、かつpHが中性ないしアルカリ性の領域に含まれるカーボンブラック(I)と官能基を有する樹脂で被覆処理を行なったカーボンブラック(II)を特定の割合で併用した混合体を、顔料分散剤によって水性媒体中に高濃度で微粒子となるように分散したものであり、本発明により半導電性領域においてばらつきが少なく安定した電気特性が得られる。
【0013】
本発明の電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体は、前記特定の性質を有するカーボンブラックを、顔料分散剤で水性媒体中に微粒子分散させる。単にカーボンブラックが用いられた場合と比較して、官能基を有する樹脂で被覆処理を行なったカーボンブラックを特定の割合で併用することにより、非導電性を有し、着色力および隠蔽力がそこなわれず、また、表面の平滑性が向上し電気抵抗のバラツキや経時変化が少なく、しかも環境条件の変動に対しても安定した電気的特性が得られる。
【0014】
一般に、カーボンブラックは、使用する原料、製法、用途などで分類されるが、製造法で大きく分けると熱分解法と不完全燃焼法の2つになる。熱分解法は天然ガスを用いるサーマル法とアセチレンガスを用いるアセチレン分解法にわけられる。不完全燃焼法は、天然ガスを原料とするガスファーネス法と芳香族炭化水素油を原料とするオイルファーネス法、コンタクト法、ランプ・松煙法などにわけられる。現在の主流を占めているのはオイルファーネス法で、ゴム用、カラー用カーボンブラックのほとんどはこの方法で生産されている。
【0015】
とくに高い導電性を有するカーボンブラックは、特別に導電性カーボンと呼ばれて通常のカーボンブラックと区別されている。アセチレン法によるアセチレンブラック、ファーネス法によるファーネスブラック、シェル法のガス化炉による特殊導電性カーボンブラックが知られている。これらカーボンブラックの特性は、通常のカーボンブラックと比較して粒子径が小さく、ストラクチャーが高度に発達し、表面積が大きく、表面に不純物が少なくグラファイト化が進んでいるものである。表面の不純物として、カルボキシル基、フェノール性水酸基、キノン基などの酸素や、水素原子を含む官能基が存在しており、導電性に大きく影響を及ぼしている。
【0016】
これらの表面の不純物は、水性媒体中に微粒子分散させる際に、分散剤や界面活性剤の機能を果たし、分散を促進する効果も有している。高い導電性を発現する前記導電性カーボンブラックは、その特性に相関するファクターとしてDBP(ジブチルフタレート)吸油量がある。粒子径の減少、ストラクチャーの発達、表面積の増大および多孔性の増加は、このDBP吸油量の増加につながり、カーボンブラックの充填量を低くしなければならない。また、表面積の増大により凝集体表面を被覆するのに必要な分散剤が多くなって、高粘度化し、高濃度に微分散させることがとくに困難となって、漆黒度や光沢および導電性などが低下し、分散安定性も低下して、不均一分散などにより安定した電気抵抗を保つことが困難で経済性にも劣るといった問題がある。とくに配合量と電気抵抗値の勾配が急なため、任意の電気抵抗値を発現させるのが極めて困難である。
【0017】
また、カーボンブラックの粒子表面に官能基を付与する酸化処理、高温で処理し結晶子を発達させる黒鉛化、さらに水蒸気や炭酸ガスと接触させカーボンブラック表面に細孔を形成する賦活、重合開始剤を用いてカーボンブラック表面にポリスチレンやアクリロニトリルなどを重合させるグラフト化、また、グラフト化に似た技術で官能基を有する樹脂で表面を覆う被覆処理などがあり、これら後処理を行なうことで、その特性が大きく変化し、幅広く用途展開されている。とくに、近年は導電性を有さず、優れた非導電性(絶縁性)を有した高抵抗カーボンブラックが開発され、さらなる用途開発が期待されている。高抵抗カーボンブラックの製法には、従来公知の方法(たとえば特開平9−71733号公報、特開平9−124969号公報に記載)がある。官能基を有する樹脂で処理することによって、カーボンブラック表面に酸素コンプレックスなどπ電子の移動を妨げる物質を付与し、結晶子の乱れ部分、コンダクティブホールを除去し、π電子の移動を妨げる。このような官能基を有する樹脂としては、たとえばフェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、キシレン樹脂などがあげられる。これらは、単独または2種以上混合して用いられる。これらの官能基を有する樹脂は、カーボンブラックに含有している不純物金属イオン、たとえば、Ca、Naをカーボンブラック中に封じ込める働きもあり、分散性、分散安定性が向上できる点で、水不溶性であることが好ましい。また、被覆処理に水溶性の樹脂を用いると、再溶解して本来の導電性の値が得られない。前記水不溶性樹脂としては、多官能エポキシ樹脂が推奨される。このようにカーボンブラックは、化学的にきわめて活性の強い粉体で、優れた安定性を有し、またその充填量により任意の導電性がコントロールできる利点があり、広く普及している。
【0018】
本発明に用いられるカーボンブラックとしては、ファーネス方式で生産された中性またはアルカリ性の領域をもち、DBP吸油量が低く、より多孔性で、ストラクチャーが低く、残留多環芳香族炭化水素が少ないカーボンブラック(I)と、前記特性を有するカーボンブラックを、官能基を有する樹脂で被覆処理を行なったカーボンブラック(II)を特定の割合で併用した混合体を顔料分散剤によって水性媒体中に高濃度で微粒子に分散させることを特徴とする。それぞれのカーボンブラック混合比率を変化させることにより、カーボンブラック配合量と電気抵抗値の勾配が緩くなり、任意の導電性がコントロールでき、かつ微粒子に分散させることにより表面の平滑性が向上し電気抵抗のバラツキや経時変化が少なく、しかも環境条件の変動に対しても安定した電気的特性が得られる。
【0019】
本発明に用いられるカーボンブラック(I)および(II)のDBP吸油量は、小さいものが好ましい。DBP吸油量が小さいカーボンブラックは、本発明の方法で微細化されやすく、微分散性や電気的特性において良好な結果が得られるからである。また、カーボンブラックを高濃度で分散させた際に、粘度が高く、流動性に欠け、かつ分散性に劣り、漆黒度や光沢および導電性などが低下するといった影響をおよぼさないようにするためには、80ml/100g以下であることが必要であり、50ml/100g以下であることが好ましい。一方、カーボンブラックの凝集体表面を被覆するために必要な分散剤量が多くなり、カーボンブラックの充填量を低くしなければならないこと、カーボンブラック分散体の安定性が低下し、沈降や二次凝集して増粘することを考慮すると、DBP吸油量は40ml/100g以上であることが好ましい。
【0020】
なお、前記DBP吸油量とは、一定重量のカーボンブラック中の空隙容積を液体で置換し、その容量をストラクチャーの指標とするものである。具体的には、カーボンブラック100g当りに包含される油の体積(ml)をいい、油としてフタル酸ジブチルを用いたアブソープトメーターによる値(JIS K 6211吸油量A法(機械法))である。
【0021】
前記カーボンブラック(I)および(II)の平均一次粒子径は、カーボンブラックを充分に高濃度で微分散させるためには、0.03μm以下であることが必要であり、0.025μm以下であることが好ましい。粒子径が小さくなるほど黒色度は高くなるが、粗大粒子を残さず微粒子に分散させることが難しくなる。また、一次凝集体を最終的に安定に維持するという点を考慮すると、平均一次粒子径は、0.005μm以上であることが好ましく、0.01μm以上である。
【0022】
ここで、一次粒子とは、結晶子が1000〜2000個集合して1個の粒子を形成しているものをさし、平均一次粒子径は、一般的に、電子顕微鏡で撮影した一次粒子をEndterの装置などで計測して求められる。さらにこの一次粒子が数十個相互に化学的物理的に結合したものをストラクチャーと呼んでいる。
【0023】
前記カーボンブラック(I)および(II)の比表面積は、DBP吸油量と相関するファクターで、粒子の大きさと微細空孔度を表わす。高いグレードは単位重量あたりにより多くのアグリゲートをもつために、黒色度、導電性は高いが、カーボンブラック粒子の表面積が増加するにつれて凝集体表面を被覆するために必要な分散剤量が多くなり、分散体の粘度に大きく影響を及ぼし分散性が低下する。また、安定した分散状態を得るためにはカーボンブラックの充填量を低くしなければならないこと、カーボンブラック分散体の安定性が低下し、沈降や二次凝集して増粘することを考慮すると、200m2/g以下、好ましくは130m2/g以下である。また、カーボンブラックの単位重量あたりの粒子個数が少なくなると黒色度、任意の導電性がコントロールできなくなる点を考慮すると、比表面積は、好ましくは20m2/g以上、さらに好ましくは、50m2/g以上である。ここで比表面積とは、BET法により測定した値を表わす。
【0024】
前記カーボンブラック(I)および(II)の混合割合を変化させることにより、カーボンブラック配合量と電気抵抗値の勾配が緩くなり、任意の導電性がコントロールでき、かつ微粒子に分散させることにより表面の平滑性が向上し電気抵抗のバラツキや経時変化が少なくなる。前記カーボンブラック(I)または(II)単独でも、高濃度で微分散された分散体が得られ表面の平滑性も向上する。しかし、カーボンブラック(I)のみでは、配合量と電気抵抗値の勾配が急になり、任意の電気抵抗値を出現させるのが困難であり、また電気抵抗のバラツキが大きく、安定した電気的特性を得ることができにくい。一方、カーボンブラック(II)のみでは、高い電気抵抗値を有しているため、配合量と電気抵抗値の勾配が緩くなり、高抵抗域で安定した抵抗値が得られるが、カーボンブラックの配合量を多くしても高抵抗域のため半導電域の電気抵抗値が得られにくい。また、カーボンブラックの配合量が多くなると、得られる組成物の硬度が低くなりすぎ、硬さと電気抵抗のバランスを取るのが難しくなること、また被覆層の抵抗値は107〜1012Ω・cmの範囲にあることが好ましいことを考慮すると、カーボンブラック(I)および(II)の割合は、1:9〜9:1であるが、2:8〜8:2であることが好ましい。
【0025】
前記カーボンブラック(I)または(II)は、たとえば後述する顔料分散剤が非イオン系およびアニオン系の分散剤である場合には、カーボンブラック表面に媒体が吸着され顔料粒子同士の付着力を低下させる濡れ効果、分散剤とカーボンブラックの疎水性相互作用による立体安定化カーボンブラック凝集体に対してマイナス電荷を与え凝集体自らを反発させる静電引力から、pHが中性ないしアルカリ性であることが必要である。アニオン系分散剤の場合、酸性の領域であったり、あまりにも高アルカリ性の領域であったりすると、加水分解を起こすため、分散安定性が低下することも考えられる。したがって、そのpHの上限は、好ましくは6.0以上、より好ましくは6.5以上であり、下限は、好ましくは9.0以下、より好ましくは8.5以下である。
【0026】
前記カーボンブラック(I)および(II)は、分散性がすぐれる点から、粉状であることが好ましく、その着色力は95〜155%であることが好ましい。粒子径が小さく、比表面積が大きいほど黒色度、着色効果が高くなるが、微分散や分散安定性を考慮すると、着色力は95%以上、好ましくは100%以上、また155%以下、好ましくは150%以下である。
【0027】
ここで、着色力は、カーボンブラックの鉱物油との混合ペーストと白色顔料の印刷ワニスとの混合ペーストを混ぜ合わせて平板上に引き延ばし、別に調製した標準ブラックと白色顔料の混合ペーストと比較して同じ黒さになるように白色顔料ペーストを追加、混合し、その追加量から算出する。着色力の測定方法には、反射率計が採用されており、日本工業規格、およびASTM規格に規定されている。
【0028】
前記カーボンブラック(I)および(II)は、得られる分散体の粘度が低くなりすぎ、分散安定性、着色力および漆黒性が低下するのを防止するとともに、得られる組成物の硬さと電気抵抗のバランスを保つために、カーボンブラック含有量は分散体の35重量%以上が好ましく、40重量%以上がより好ましい。また、分散安定性が低下したり、微粒子化が困難となるおそれをなくすためには、カーボンブラック分散体の53重量%以下が好ましく、48重量%以下がより好ましい。
【0029】
なお、本発明において、前記カーボンブラック分散体の品質、電気的特性、分散安定性を向上させるために、とくに、得られたカーボンブラック分散体中に含まれる後述のナトリウム、カリウムなどの不純物金属イオンの量を充分に少なくするために、該カーボンブラック(I)および(II)をイオン交換水や不純物金属イオンを除去した水にて洗浄し、精製することが好ましい。
【0030】
本発明の製造方法においては、前記特定のカーボンブラックを顔料分散剤によって水性媒体中に微粒子分散させる。
【0031】
本発明に用いられる顔料分散剤としては、カーボンブラックを安定に微分散させることができるという点から、親和性の高い官能基を有する高分子系の分散剤、水溶性樹脂および水分散性樹脂を単独ないし混合して用いることができる。このような樹脂としては、アクリル共重合体、スチレン誘導体のアクリル酸−スチレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体やポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系の水溶性樹脂および水分散性樹脂があげられる。なかでもアクリル酸−スチレン共重合体がとくに好ましい。
【0032】
カーボンブラックを均一に微分散させ、分散安定性、環境条件の変動に対しても、安定した電気的特性が得られるという点から、その酸価は、好ましくは70以上、より好ましくは120以上であり、また、好ましくは270以下、より好ましくは230以下である。重量平均分子量は、好ましくは2000以上、より好ましくは2200以上、また、好ましくは12000以下、より好ましくは10000以下である。
【0033】
前記水溶性樹脂は、アルカリ性化合物で中和させ、安定に溶解させておくことが好ましい。中和剤としては、アルカリ性金属であるナトリウム、カリウムの水酸化物、脂肪族アミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、メチルエタノールアミン酸のアルコールアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、アンモニア水などがあげられる。また、中和で形成された塩がイオン解離されず、溶解性、耐水性、再溶解性の維持が良好に行なわれるように、前記中和剤をpH調整剤として添加し、得られるカーボンブラック分散体のpHが最適な値となるように調整することが好ましい。
【0034】
前記顔料分散剤の添加量は、カーボンブラックの分散性が低下して分散不良となり、微粒子化が困難となり、得られるカーボンブラック分散体の漆黒性、および分散安定性が低下するおそれをなくすためには、該カーボンブラック分散体の12重量%以上であることが好ましく、15重量%以上であることがより好ましい。また、カーボンブラック分散体の粘度を低く設定することが困難となること、分散剤分子の単分子層が非極性の顔料表面に対して極性配向となるが、分散剤の二次層が吸着される場合分子配向は、反対方向となり顔料表面を再び非極性に戻してしまうため、分散剤の有効性が減少してカーボンブラックの充填能力を低下させてしまうこと、導電率が高くなりすぎて、分散体を用いて得られた材料の電気特性値が安定的にコントロールされにくくなること、均一な抵抗値が得られにくくなること、さらに不純物金属イオン、酸化物、窒化物などの活性能をもつ物質に安定性の低下を招く可能性をなくすためには、カーボンブラック分散体の23重量%以下であることが好ましく、20重量%以下であることがより好ましい。
【0035】
本発明に用いられる水性媒体はとくに限定されないが、分散安定性の低下を防止するためには、不純物金属イオンを除去したイオン交換水、蒸留水が好ましい。
【0036】
前記水性媒体の含有量にもとくに限定がなく、通常前記カーボンブラックおよび顔料分散剤のほか、電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体中に含まれるその他の添加剤などの残量であればよい。
【0037】
さらに、本発明の製造方法においては、濡れ性を向上させ、顔料粒子同士の付着力を低下させ顔料に水溶性樹脂を吸着させやすくするための親和性を高めて、カーボンブラックの分散性および分散安定性をより向上させるため、非イオン性界面活性剤やアニオン性界面活性剤を用いることが好ましい。
【0038】
前記非イオン性界面活性剤としては、たとえばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、アセチレンジオール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル変性シリコーンなどのシリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤などがあげられる。
【0039】
また、アニオン性界面活性剤としては、たとえば脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エステルなどがあげられる。
【0040】
前記界面活性剤は、カーボンブラックとの親和性を高め、流動性を向上させてより効果的に水溶性樹脂が顔料に吸着させやすくし、また分散粒子の凝集を充分に阻止するためには、得られるカーボンブラック分散体の0.05重量%以上、好ましくは0.2重量%以上含有されるように調整することが望ましい。また、該界面活性剤の添加量が多くなりすぎると、流動性および耐水性が低下する傾向があることを考慮すると、カーボンブラック分散体の5重量%以下、好ましくは、3重量%以下含有されるように調整されることが望ましい。
【0041】
また、前記界面活性剤のほかにも、必要に応じて、たとえば顔料、濡れ浸透剤、防腐剤、消泡剤などの添加剤を、本発明の目的を阻害しない範囲で適宜配合することができる。
【0042】
本発明の製造方法において、カーボンブラックを水性媒体中に微粒子分散させる際に用いる分散装置にはとくに限定がなく、湿式粉砕の方式としてはガラス、アルミナ、ジルコニア、変性ジルコニアなどのビーズを用いるビーズミル方式あるいは、ビーズを用いずに顔料を含有したスラリーを高圧、高速で隘路を通過させたのち、スラリー同志を衝突させる、あるいはダイヤモンド板に衝突させる方式または超音波による方式が好適である。具体的には、ビーズミル方式としては、ペイントシェカー、ボールミル、アトライター、サンドミル、パールミル、ジェットミル、スパイクミル、ダイノーミルがあげられる。
【0043】
またビーズを用いない方式としては、マイクロフルイダイザー、ナノマイザー、アルティマイザーがあげられる。超音波による方式として超音波ホモジナイザー、超音波ミルがあげられ、効率よく微粒子化させるためにはビーズミル方式が好ましい。また、顔料、顔料分散剤および水溶性樹脂または界面活性剤とをニーダー、二本、三本ロールミルにてあらかじめよく混練りしたのち、適宜水にて希釈し、他の添加剤を混合してビーズミル方式の分散装置で分散してもよい。
【0044】
また、分散させるメディアとしては、従来は、ガラスビーズが主体であったが、アルミア、ジルコニア、変性ジルコニアなどもあげられるが、分散安定性を低下させる要因とされる不純物金属イオン、たとえばNa、K、Si、Al、Ca、Fe、Cr、Ni、Zr、Cu、Znなどの金属イオン、酸化物、窒化物の混入をできるだけ避けるために、無アルカリガラス、ジルコニア、変性ジルコニアなどが好ましい。その粒径については、効率よく微粒化するために、小粒子径、高密度が重要であって、0.1〜1.0mm程度のものが好ましい。
【0045】
なお、得られる電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体の分散安定性をさらに向上させ、活シャープな粒度分布を得るために、遠心処理やフィルターを施し、粗大粒子を除去することが望ましい。
【0046】
かくして得られる本発明の電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体の導電率は、該カーボンブラック分散体を安定した電気特性値が必要とされる導電ロールに好適に使用することを考慮すると、2000μS/cm以上、好ましくは2100μS/cm以上である。また、分散体を用いて得られた材料の電気特性値が安定的にコントロールされにくくなること、不純物金属イオン、酸化物、窒化物などの活性能をもつ物質により安定性の低下を招く可能性があることを考慮すると、該導電率は、10000μS/cm以下、好ましくは9900μS/cm以下である。
【0047】
また、前記電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体の平均粒子径は、微細化という点、着色力、黒色度、平滑性、安定した電気的特性および分散安定性という点を考慮すると、0.1μm以下、好ましくは、0.095μm以下である。また、二次凝集の可能性、長期安定性が低下するという点を考慮すると、0.05μm以上、好ましくは0.06μm以上である。
【0048】
前記電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体は低粘度であるが、水溶性樹脂またはエマルジョンなどの定着剤に混合する該カーボンブラック分散体の添加量が制限されると、たとえば得られるインキ組成物の粘度が高くなって平滑性が低下し任意の電気特性値が安定的にコントロールされにくくなるとい点を考慮すると、25℃での粘度が600mPa・s以下であることが好ましく、500mPa・s以下であることがより好ましい。また、インキ組成物をスプレー法、ディッピング、ロールコーターなどの湿式塗布法で行なわれる際の塗工適性が低下し、任意の電気特性値がえられないという点を考慮すると、25℃での粘度が50mPa・s以上であることが好ましく、80mPa・s以上であることがより好ましい。
【0049】
このように、本発明の電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体は、カーボンブラックが水性媒体中に高濃度で微分散され、分散安定性にすぐれ、粘度が低く流動性に適し漆黒性を有することはもちろんのこと、安定した電気的特性を有し、任意にコントロール可能な導電性を有するものであるので、電子写真複写機用導電性ロールに好適に使用し得るものである。
【0050】
本発明の電子写真複写機用導電性ロールインキ組成物は、前記電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体を含有するものである。
【0051】
前記電子写真複写機用導電性ロールインキ組成物中の電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体の含有量は、得られる組成物に任意の導電性および漆黒性を付与するためには、5重量%以上、好ましくは7重量%以上である。また、得られる組成物の硬度が低くなりすぎ、硬さと電気抵抗のバランスをとるのが困難にならないようにするためには、35重量%以下、好ましくは30重量%以下である。
【0052】
本発明の電子写真複写機用導電性ロールインキ組成物には、前記電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体のほかにも、たとえばエマルジョン樹脂、導電性材料、架橋剤、レベリング剤、界面活性剤、粘弾性調整剤、充填剤などの通常電子写真複写機用導電性ロールインキ組成物に用いられるものを適宜配合することができる。
【0053】
前記エマルジョン系樹脂としては、たとえばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、イソプレンゴムラテックス、ブタジエンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックスなどがあげられる。また、このエマルジョン系樹脂材料は、単量体を水媒体に分散させて、乳化および懸濁重合法によって得ることができ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。また、その含有量は、導電性ロールインキ組成物の30〜90重量%であることが好ましい。
【0054】
前記導電性材料としては、イオンにより導電性を発現するイオン導電タイプのものと電子により導電性を発現する電子導電タイプがあげられる。
【0055】
前記イオン導電性物質としては、たとえば過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸カルシウム、塩化リチウムなどの無機イオン導電性物質、さらに変性脂肪族ジメチルアンモニウムエトサルフェート、ステアリルアンモニウムアセテート、ラウリルアンモニウムアセテート、オクタデシルトリメチルアンモニウム過塩素酸、テトラブチルアンモニウムホウフッ酸塩の有機イオン導電性物質があげられる。
【0056】
前記電子導電物質としては、たとえば酸化チタンの表面をスズとアンチモンで処理した導電性酸化チタン、アンチモンドーブの酸化錫、酸化亜鉛、銅、銀、鉄、アルミニウム、ニッケル、ゲルマニウムなどの金属、金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレンなどの導電性ポリマーなどがあげられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。また、その含有量は、導電性ロールインキ組成物の0.01〜20重量%以下、好ましくは0.01〜5重量%以下である。
【0057】
前記エマルジョン系樹脂の反応を促進させ、耐水性、耐溶剤性を向上させる架橋剤としては、たとえばメラミン樹脂、アジリジン系化合物、カルボジイミド樹脂系、エポキシ樹脂、アミノホルムアルデヒド樹脂、多価イソシアネート化合物、ポリヒドロキシ化合物、多価アミン化合物、有機過酸化物などがあげられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。また、その含有量は、導電性ロールインキ組成物の0.01〜15重量%以下、好ましくは0.01〜10重量%以下である。
【0058】
前記レべリング剤としては、たとえばシリコーン系、フッ素系などなどがあげられる。シリコーン系として、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、オキシアルキル変性シリコーン、グリコール変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、脂肪酸エステル変性シリコーンがあげられる。フッ素系として、フッ化炭素系化合物、フッ素シリコーンなどがあげられる。
これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0059】
前記界面活性剤としては、たとえばアニオン性界面活性剤として、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩などがあげられる。
【0060】
また、両性界面活性剤としては、たとえば高級アルキルアミンから誘導されるラウリルジメチルアミンオキサイド、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチル、およびベタイン型化合物としてラウリルベタイン、ステアリルベタインなどがあげられる。
【0061】
非イオン性界面活性剤として、たとえばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、フッ素系界面活性剤などがあげられる。フッ素系界面活性剤として、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキシド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物などがあげられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。その含有量は、塗布液にレベリング剤または界面活性剤が添加されていると、表面張力が低下し、浸透性が向上し、はじきおよびむらなどの塗工欠陥を防止することができることを考慮すると、0.0001〜10重量%であることが好ましい。
【0062】
前記粘弾性調整剤としては、たとえばポリエーテル系樹脂、変性ポリアクリル系スルホン酸塩、ウレタン変性ポリエーテル系樹脂、変性ポリアクリル酸ナトリウム系化合物、変性ポリアクリル系エマルジョンなどがあげられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0063】
前記充填剤としては、たとえば二酸化ケイ素、アルミナ、亜鉛華、チタン酸カリウムウィスカーやその他の金属酸化物、複合金属酸化物などがあげられ、粘着性低下や低温低湿、高温高湿下の環境変動による帯電不良を防止するために、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0064】
その他の添加剤として、本発明では表面張力の比較的大きい水を溶媒とするため、さらに浸透性を高めるために、水性溶剤も適宜配合することができる。水性溶剤としては、たとえばジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテル;メトキシエタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ジおよびトリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコールなどがあげられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。また、離型剤としては、たとえばシリコーン系、フッ素系、オレフィン、エステル系ワックスも適宜配合することもできる。また、電子写真複写機用導電性ロールインキ組成物のpHを調整し該ロールインキ組成物の安定性を得るため、アミン、無機塩、アンモニアなどの、pH調整剤を用いることができる。さらに該ロールインキの循環、移動、あるいは、該ロールインキ製造時の泡の発生を防止するために、消泡剤を適宜配合することもできる。
【0065】
本発明の電子写真複写機用導電性ロールインキ組成物を得る方法にとくに限定がなく、たとえば適宜配合量を調整した電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体、および必要に応じてエマルジョン樹脂、架橋剤、粘弾性調整剤、導電性材料、界面活性剤、レベリング剤、充填剤、水性溶剤、離型剤、pH調整剤などをニーダー、ディスパーサーによる撹拌混合のほか、高速の分散機により行なうことができる。
【0066】
かくして得られる電子写真複写機用導電性ロールインキ組成物は、従来公知の方法によって電子写真複写機内の帯電ロール、現象ロール、転写ロール、供給ロールなどの表面被覆層に用いることができる。また、被覆層のみならず、導電性弾性体層にも応用することができる。
【0067】
さらに本発明に係る電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体を含有する組成物は、導電性塗料組成物として、各分野における目的、要求特性に応じて適宜用いることができる。
【0068】
また、電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体を含有して得られる組成物は、半伝導性領域においてバラツキが少なく、安定した電気的特性を示す導電部材であるため、体積固有抵抗が1×105〜1×1010Ω・cmであることが好ましく、さらに好ましくは1×106〜1×109Ω・cmである。
【0069】
【実施例】
つぎに本発明の電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体およびその製造方法、ならびにそれからなる組成物を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0070】
実施例1
カーボンブラック(I)(ピグメントブラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表面積125m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml/100g、pH8.0、着色力140%、粉状)、官能基を有する水不溶性樹脂(アミノフェノール型エポキシ樹脂)で被覆処理を行なったカーボンブラック(II)(ピグメントブラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表面積75m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml/100g、pH5.0、着色力130%、粉状)をイオン交換水にて洗浄濾過を行ない、不純物金属イオンを除去し、3:7の混合体としたもの40重量%、顔料分散剤として、スチレン−αメチルスチレン−アクリル酸共重合体(酸価200、重量平均分子量7000)24重量%、防腐剤0.1重量%、濡れ浸透剤0.1重量%、ならびにイオン交換水を添加し全量が100重量%となるようにして分散ミルベースを得た。これをディスパーサー(1000rpm)で1時間予備撹拌したのち、直径0.5mmのジルコニアビーズを85%充填した湿式粉砕装置により、周速8m/sec、滞留時間5分で分散後、さらに周速12m/sec、滞留時間25分で分散させ、得られた分散液を200メッシュの網で濾過した。さらに10μmのフィルター処理にて分散しえなかった粗大粒子を除去し、48重量%の固形分濃度になるように調整し、電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体を得た。えられた電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体に含有されている金属(NaおよびK)について、原子吸光光度計((株)日立製作所製、Z−8230)にて元素分析を行なった。その結果を表1に示す。
【0071】
本発明で得られる電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体の特性として、粘度、平均粒子径、導電率および分散安定性を以下の方法にしたがって調べた。また、電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体を用いて形成した塗膜の物性として、反射濃度および体積固有低坑、体積固有低坑のバラツキを以下の方法によって調べた。その結果を表1に示す。
【0072】
前記塗膜は、電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体をアクリル共重合体エマルジョンに均一となるように混合し(インキ組成物の固形分に対するカーボンブラックの含有量(CB/固形分)、20重量%)、得られたインキ組成物をアプリケーターの5ミルでアート紙ボンアイボリー試験用紙に塗工して乾燥させて得られたものである(乾燥膜厚:20μm)。
【0073】
(1)粘度
B型粘度計((株)東京計器製)を用い、25℃にて調製直後のカーボンブラック分散体の粘度(mPa・s)を測定した。
【0074】
なお、カーボンブラック分散体が低粘度であるとは、カーボンブラックの含有量が40重量%のカーボンブラック分散体について、300mPa・s以下の場合をいう。
【0075】
(2)平均粒子径
レーザー光拡散方式粒度分布測定機(リーズ・アンド・ノースラップ社(Leeds and North Rup)製、マイクロトラックUPA粒度分布計)を用いて、平均粒子径(μm)を測定した。ただし、体積累積50%径の値を示す。
【0076】
なお、とくにカーボンブラックは一般に微小な粒子が凝集したものであるため、カーボンブラック分散体の平均粒子径は、カーボンブラックの一次粒子径より大きい値となる。したがって、カーボンブラック分散体がきわめて微分散されたものであるとは、カーボンブラックの含有量が40重量%のカーボンブラック分散体について、平均粒子径が0.1μm以下の場合をいう。
【0077】
(3)導電率
導電率計((株)堀場製作所製、カスタニーDS−14)を用いて導電率(μS/cm)を測定した。
【0078】
なお、導電率とは導体中での電流の流れやすさを示す指標である。したがって、カーボンブラック分散体が好適な導電性であるとは、カーボンブラックの含有量が40重量%のカーボンブラック分散体について、導電率が2000〜10000μS/cmの場合をいう。
【0079】
(4)分散安定性
カーボンブラック分散体100mlをイージーボトル((株)ニッコー製)に採り、室温および50℃にて10日間放置したのち、カーボンブラックの沈降の有無を調べるとともに、B型粘度計を用いて25℃における粘度を測定し、前記(1)で測定した調製直後の粘度と比較し、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0080】
(評価基準)
◎:カーボンブラックの沈降がまったくなく、粘度変化、平均粒子径の増粒もない非常に良好な状態である。
〇:カーボンブラックの沈降がほとんどなく、粘度変化、平均粒子径の増粒も大きな変化がなく良好な状態である。
△:カーボンブラックの沈降がかなりあるか、粘度上昇、平均粒子径の増粒があり、わるい状態である。
×:カーボンブラックの沈降がいちじるしく、粘度上昇、平均粒子径の増粒がいちじるしく、非常にわるい状態である。
【0081】
(5)反射濃度
マクベス(登録商標)濃度計(IR−927、オルソマテックタイプ)を用いて、反射濃度(単位なし)を測定した。
【0082】
なお、反射濃度は、物質が光を反射する程度を表わす値であり、光路長が一定のとき反射濃度が大きいほど色材の濃度が高いことを示す。したがって、塗膜が漆黒性を有するとは、カーボンブラック分散体から形成された塗膜について、反射濃度が1.5以上の場合をいう。
【0083】
(6)体積固有抵抗
抵抗率計(三菱化学社製、HirestaIP(MCP−HT250))を用いて、温度20℃、湿度50%、印加電圧10Vにて体積固有抵抗(Ω・cm)を測定した。インキ組成物の固形分に対しカーボンブラックの含有量(CB/固形分)が、5重量%、10重量%、20重量%、30重量%、40重量%のときの体積固有抵抗を測定した。
【0084】
なお、均一な厚さの塗膜が形成され、その塗膜の艶、密着性、耐汚染性および安定した電気抵抗値が満足されるとは、カーボンブラックの含有量が40重量%のカーボンブラック分散体がインキ組成物の固形分に対しカーボンブラックの含有量が20重量%である組成物を用いて形成された塗膜について、体積固有抵抗が1×107〜1×108Ω・cmの場合をいう。
【0085】
(7)体積固有抵抗のバラツキ
各実施例および、比較例で得たサンプルを各3個用意し、等間隔に6点測定し、その最大値と最小値との差ΔLog10Rを求めた。この差が大きいほど、体積固有抵抗のばらつきが大きいことになる。また、インキ組成物の固形分に対しカーボンブラックの含有量、5重量%、10重量%、20重量%、30重量%、40重量%としてカーボンブラック配合量による体積固有抵抗が1×106〜1×109Ω・cmの場合をいう。
【0086】
実施例2
カーボンブラック(I)(ファーネスブラック、ピグメントブラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表面積125m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml/100g、pH8.0、着色力140%、粉状)、官能基を有する水不溶性樹脂(アミノフェノール型エポキシ樹脂)で被覆処理を行なったカーボンブラック(II)(ファーネスブラック、ピグメントブラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表面積75m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml/100g、pH5.0、着色力130%、粉状)をイオン交換水にて洗浄濾過を行ない、不純物金属イオンを除去し5:5の混合体としたもの40重量%、顔料分散剤として、スチレン−αメチルスチレン−アクリル酸共重合体(酸価200、重量平均分子量7000)24重量%、防腐剤0.1重量%、濡れ浸透剤0.1重量%、ならびにイオン交換水を添加し全量が100重量%となるようにして分散ミルベースを得た。これをディスパーサー(1000rpm)で1時間予備撹拌したのち、直径0.5mmのジルコニアビーズを85%充填した湿式粉砕装置により、周速8m/sec、滞留時間5分で分散後、さらに周速12m/sec、滞留時間25分で分散させ、得られた分散液を200メッシュの網で濾過した。さらに10μmのフィルター処理にて分散しえなかった粗大粒子を除去し、48重量%の固形分濃度になるように調整し、電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体を得た。えられた電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体に含有される金属の量、その特性およびこれを用いて形成した塗膜の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0087】
実施例3
カーボンブラック(I)(ファーネスブラック、ピグメントブラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表面積125m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml/100g、pH8.0、着色力140%、粉状)、官能基を有する水不溶性樹脂(アミノフェノール型エポキシ樹脂)で被覆処理を行なったカーボンブラック(II)(ファーネスブラック、ピグメントブラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表面積75m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml/100g、pH5.0、着色力130%、粉状)をイオン交換水にて洗浄濾過を行ない、不純物金属イオンを除去し7:3の混合体としたもの40重量%、顔料分散剤としてスチレン−αメチルスチレン−アクリル酸共重合体(酸価200、重量平均分子量7000)24重量%、防腐剤0.1重量%、濡れ浸透剤0.1重量%、ならびにイオン交換水を添加し全量が100重量%となるようにして分散ミルベースを得た。これをディスパーサー(1000rpm)で1時間予備撹拌したのち、直径0.5mmのジルコニアビーズを85%充填した湿式粉砕装置により、周速8m/sec、滞留時間5分で分散後、さらに周速12m/sec、滞留時間25分で分散させ、得られた分散液を200メッシュの網で濾過した。さらに10μmのフィルター処理にて分散しえなかった粗大粒子を除去し、48重量%の固形分濃度になるように調整し、電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体を得た。得られた電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体に含有される金属の量、その特性およびこれを用いて形成した塗膜の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0088】
実施例4
カーボンブラック(I)(ファーネスブラック、ピグメントブラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表面積125m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml/100g、pH8.0、着色力140%、粉状)、官能基を有する水不溶性樹脂(アミノフェノール型エポキシ樹脂)で被覆処理を行なったカーボンブラック(II)(ファーネスブラック、ピグメントブラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表面積75m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml/100g、pH5.0、着色力130%、粉状)をイオン交換水にて洗浄濾過を行ない、不純物金属イオンを除去し3:7の混合体としたもの40重量%、顔料分散剤としてスチレン−αメチルスチレン−アクリル酸共重合体(酸価200、重量平均分子量7000)24重量%、防腐剤0.1重量%、濡れ浸透剤0.1重量%、ならびにイオン交換水を添加し全量が100重量%となるようにして分散ミルベースを得た。これをディスパーサー(1000rpm)で1時間予備撹拌したのち、直径0.5mmのジルコニアビーズを80%充填した湿式粉砕装置により、周速8m/sec、滞留時間5分で分散後、さらに周速12m/sec、滞留時間35分で分散させ、得られた分散液を200メッシュの網で濾過した。さらに10μのフィルター処理にて分散しえなかった粗大粒子を除去し、48重量%の固形分濃度になるように調整し、電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体を得た。得られた電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体に含有される金属の量、その特性およびこれを用いて形成した塗膜の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0089】
実施例5
カーボンブラック(I)(ファ−ネスブラック、ピグメントブラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表面積125m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml/100g、pH8.0、着色力140%、粉状)、官能基を有する水不溶性樹脂(アミノフェノール型エポキシ樹脂)で被覆処理を行なったカーボンブラック(II)(ファーネスブラック、ピグメントブラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表面積75m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml/100g、pH5.0、着色力130%、粉状)をイオン交換水にて洗浄濾過を行ない、不純物金属イオンを除去し3:7の混合体としたもの40重量%、顔料分散剤として、スチレン−αメチルスチレン−アクリル酸共重合体(酸価200、重量平均分子量7000)24重量%、防腐剤0.1重量%、濡れ浸透剤0.1重量%、ならびにイオン交換水を添加し全量が100重量%となるようにして分散ミルベースを得た。これをディスパーサー(1000rpm)で1時間予備撹拌したのち、直径1mmのガラスビーズを85%充填した湿式粉砕装置により、周速8m/sec、滞留時間5分で分散後、さらに周速12m/sec、滞留時間25分で分散させ、得られた分散液を200メッシュの網で濾過した。しかしながら、得られたカーボンブラック分散体は、分散安定性は比較的良好であるが、分散性がわるくまた、粘度が少し高いため、10μmのフィルター処理が少し困難であった。
【0090】
得られた電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体に含有されている金属の量、その特性およびこれを用いて形成した塗膜の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0091】
参考例6
カーボンブラック(I)(ファーネスブラック、ピグメントブラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表面積125m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml/100g、pH8.0、着色力140%、粉状)、官能基を有する樹脂で被覆処理を行なったカーボンブラック(II)(ファーネスブラック、ピグメントブラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表面積75m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml/100g、pH5.0、着色力130%、粉状)を3:7の混合体としたもの40重量%、顔料分散剤として、スチレン−αメチルスチレン−アクリル酸共重合体(酸価200、重量平均分子量7000)24重量%、防腐剤0.1重量%、濡れ浸透剤0.1重量%、ならびにイオン交換水を添加し全量が100重量%となるようにして分散ミルベースを得た。これをディスパーサー(1000rpm)で1時間予備撹拌したのち、直径0.5mmのジルコニアビーズを85%充填した湿式粉砕装置により、周速14m/sec、滞留時間30分で分散後、得られた分散液を200メッシュの網で濾過した。さらに10μmのフィルター処理にて分散しえなかった粗大粒子を除去し、48重量%の固形分濃度になるように調整し、電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体を得た。得られた電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体に含有されている金属の量、その特性およびこれを用いて形成した塗膜の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0092】
実施例7
カーボンブラック(I)(ファーネスブラック、ピグメントブラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表面積125m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml/100g、pH8.0、着色力140%、粉状)、官能基を有する水不溶性樹脂(アミノフェノール型エポキシ樹脂)で被覆処理を行なったカーボンブラック(II)(ファーネスブラック、ピグメントブラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表面積75m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml/100g、pH5.0、着色力130%、粉状)をイオン交換水にて洗浄濾過を行ない、不純物金属イオンを除去し3:7の混合体としたもの42重量%、顔料分散剤として水溶性樹脂、スチレン−αメチルスチレン−アクリル酸共重合体(酸価200、重量平均分子量7000)24重量%、防腐剤0.1重量%、濡れ浸透剤0.1重量%、ならびにイオン交換水を添加し全量が100重量%となるようにして分散ミルベースを得た。これをディスパーサー(1000rpm)で1時間予備撹拌したのち、直径0.5mmのジルコニアビーズを85%充填した湿式粉砕装置により、周速8m/sec、滞留時間5分で分散後、さらに周速12m/sec、滞留時間25分で分散させ、得られた分散液を200メッシュの網で濾過した。さらに10μmのフィルター処理にて分散しえなかった粗大粒子を除去し、48重量%の固形分濃度になるように調整し、電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体を得た。しかし、得られたカーボンブラック分散体は、粘度が少し高く、10μmのフィルター処理が少し困難であり、また分散安定性に欠け、室温にて10日後には非常におおきく増粘し、また増粒も認められた。
【0093】
得られた電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体に含有される金属の量、その特性およびこれを用いて形成した塗膜の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0094】
参考例8
カーボンブラック(I)(ファーネスブラック、ピグメントブラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表面積125m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml/100g、pH8.0、着色力140%、粉状)、官能基を有する樹脂で被覆処理を行なったカーボンブラック(II)(ファーネスブラック、ピグメントブラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表面積75m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml/100g、pH5.0、着色力130%、粉状)を3:7の混合体としたもの40重量%、顔料分散剤として、スチレン−無水マレイン酸共重合体(酸価175、重量平均分子量2500)27重量%、防腐剤0.1重量%、濡れ浸透剤0.1重量%、ならびにイオン交換水を添加し全量が100重量%となるようにして分散ミルベースを得た。これをディスパーサー(1000rpm)で1時間予備撹拌したのち、直径0.5mmのジルコニアビーズを85%充填した湿式粉砕装置により、周速8m/sec、滞留時間5分で分散後、さらに周速12m/sec、滞留時間25分で分散させ、得られた分散液を200メッシュの網で濾過した。得られたカーボンブラック分散体は、粘度が非常に高く流動性に欠けており、また分散性もわるく、10μmのフィルター処理が不可能であった。また分散安定性に欠け、室温にて10日後にはおおきく増粘し、また増粒も認められた。
【0095】
得られた電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体に含有される金属の量、その特性およびこれを用いて形成した塗膜の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0096】
比較例1
カーボンブラック(I)(ファ−ネスブラック、ピグメントブラック7、平均一次粒子径0.056μm、比表面積45m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml/100g、pH9.0)45重量%、顔料分散剤として、スチレン−αメチルスチレン−アクリル酸共重合体(酸価200、重量平均分子量7000)27重量%、防腐剤0.1重量%、濡れ浸透剤0.1重量%、ならびにイオン交換水を添加し全量が100重量%となるようにして分散ミルベースを得た。これをディスパーサー(1000rpm)で1時間予備撹拌したのち、直径1mmのガラスビーズを80%充填した湿式粉砕装置により、周速8m/sec、滞留時間3分で分散後、さらに周速12m/sec、滞留時間10分で分散させ、得られた分散液を200メッシュの網で濾過した。さらに10μmのフィルター処理にて分散しえなかった粗大粒子を除去し、49重量%の固形分濃度になるように調整し、電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体を得た。
【0097】
得られたカーボンブラック分散体は、実施例1のものと比較して、粘度が少し高く、分散安定性に欠け、室温にて10日後には増粘、増粒も認められた。
【0098】
得られた電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体に含有される金属の量、その特性およびこれを用いて形成した塗膜の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0099】
比較例2
官能基を有する水不溶性樹脂(アミノフェノール型エポキシ樹脂)で被覆処理を行なったカーボンブラック(II)(ファーネスブラック、ピグメントブラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表面積75m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml/100g、pH5.0、着色力130%、粉状)を40重量%、顔料分散剤としてスチレン−αメチルスチレン−アクリル酸共重合体(酸価200、重量平均分子量7000)24重量%、防腐剤0.1重量%、濡れ浸透剤0.1重量%、ならびにイオン交換水を添加し全量が100重量%となるようにして分散ミルベースを得た。これをディスパーサー(1000rpm)で1時間予備撹拌したのち、直径0.5mmのジルコニアビーズを85%充填した湿式粉砕装置により、周速8m/sec、滞留時間5分で分散後、さらに周速12m/sec、滞留時間10分で分散させ、得られた分散液を200メッシュの網で濾過した。しかしながら、得られたカーボンブラック分散体は、分散性に欠けており、10μmのフィルター処理が少し困難であった。また分散安定性に欠け、室温にて10日後にはカーボンブラックの沈降が少し認められた。
【0100】
得られた電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体に含有される金属の量、その特性およびこれを用いて形成した塗膜の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0101】
参考例9
カーボンブラック(I)(ファーネスブラック、ピグメントブラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表面積125m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml/100g、pH8.0、着色力140%、粉状)、官能基を有する樹脂で被覆処理を行なったカーボンブラック(II)(ファーネスブラック、ピグメントブラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表面積75m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml/100g、pH5.0、着色力130%、粉状)を3:7の混合体としたもの40重量%、顔料分散剤として、ポリエステル系高分子重合体、8重量%、防腐剤0.1重量%、濡れ浸透剤0.1重量%、ならびにイオン交換水を添加し全量が100重量%となるようにして分散ミルベースを得た。これをディスパーサー(1000rpm)で1時間予備撹拌したのち、直径0.5mmのジルコニアビーズを85%充填した湿式粉砕装置により、周速8m/sec、滞留時間5分で分散後、さらに周速12m/sec、滞留時間25分で分散させ、得られた分散液を200メッシュの網で濾過した。さらに10μmのフィルター処理にて分散しえなかった粗大粒子を除去し、48重量%の固形分濃度になるように調整し、電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体を得た。得られたカーボンブラック分散体は、実施例1のものと比較して、粘度が非常に低く、分散安定性に欠け、室温にて10日後にはカーボンブラックの沈降が認められた。
【0102】
得られた電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体に含有されている金属の量、その特性およびこれを用いて形成した塗膜の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0103】
比較例3
カーボンブラック(ファーネスブラック、ピグメントブラック7、平均一次粒子径0.031μm、比表面積800m2/g(BET法)、DBP吸油量360ml/100g、pH9.0)10.5重量%、顔料分散剤としてスチレン−無水マレイン酸共重合体(酸価200、重量平均分子量11000)15.8重量%、エチレングリコール3.5重量%、防腐剤0.1重量%、濡れ浸透剤0.1重量%、およびイオン交換水を添加し100重量%とした。分散ミルベースは、ディスパーサー(1000rpm)で1時間予備撹拌したのち、直径1mmのガラスビーズを80%充填し湿式粉砕装置により、周速10m/sec、滞留時間5分で分散させ、得られた分散液を200メッシュの網で濾過した。
【0104】
なお、比較例3では、カーボンブラックのDBP吸油量、比表面積が高いため、分散適正および分散安定性よりカーボンブラックの含有量を10.5%に設定した。また、得られたカーボンブラックの分散体は、分散性に劣るものであったため、フィルター処理は行なわなかった。得られたカーボンブラック分散体に含有されている金属の量、その特性およびこれを用いて形成した塗膜の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0105】
【表1】
【0106】
表1に示された結果から、実施例1〜4で得られたカーボンブラック分散体はNaが約35mg/kg以下およびKが132mg/kg以下といずれの不純物金属イオンの含有量もきわめて少ないほか、粘度が350mPa・sよりも低く、40重量%といった高濃度のカーボンブラックを含有していても流動性に適した低粘度であり分散安定性も非常に良好であることがわかる。しかも、これらのカーボンブラック分散体は、いずれも平均粒子径が0.09μmよりも小さく、きわめて微分散されたものであり、また導電率が約6100〜8800μS/cmであるので半導電性領域において、安定した電気的特性が得られ、好適な導電性を有するものであることがわかる。
【0107】
さらに、前記のごときすぐれたカーボンブラック分散体から形成された実施例1〜4における塗膜は、いずれも反射濃度が1.5以上と漆黒性を有するものであり、また体積固有抵抗においてカーボンブラック分散体を用いて得られる組成物において必要電気抵抗領域でカーボンブラックの配合量と電気抵抗値の勾配を緩やかにすることかできる。この勾配はカーボンブラック(I)および(II)の配合比を任意に変えることによって、比較的任意に変えることができることがわかる。またカーボンブラック分散体が微分散であることから表面の凸凹がきわめて少なく表面形状を均一化し帯電均一性を有するとともに、良好な低摩擦性ならびに環境条件の変動にも改善された耐汚染性および表面性を有するともにさらに半導電性領域における電気抵抗のばらつきが少なく、安定した電気的特性が得られるものであることがわかる。
【0108】
これに対して、比較例で得られたカーボンブラック分散体は、分散安定性、粘性、電気的特性のいずれにおいても劣っていることがわかる。そして、これら比較例で得られた分散体から形成された塗膜は、いずれも反射濃度が1.5よりも小さく、漆黒性を有しないものであり、また体積固有抵抗においてもバラツキが大きく安定した電気的特性が得られないことがわかる。とくに比較例1は、体積固有抵抗において必要電気抵抗領域でカーボンブラックの配合量と電気抵抗値の勾配が急なため、カーボンブラック分散体の秤量誤差、不均一分散により任意の電気抵抗値を出現させるのが極めて困難であることがわかる。
【0109】
また比較例2は、比較例1と相反し、高抵抗域で安定した電気抵抗値が得られるが、必要電気抵抗領域でカーボンブラックの配合量と電気抵抗値の勾配があまりにもゆるやかすぎて、半導電性領域における任意の電気抵抗値が得られにくいことがわかる。
【0110】
【発明の効果】
本発明の電子写真用導電性高濃度カーボンブラック体は、カーボンブラックが水性媒体中に高濃度で微分散され、分散安定性に優れることはもちろんのこと、粘度が低く流動性に適し漆黒性を有するうえ、カーボンブラック(I)および(II)を適温混合したことから、とくに半導電性領域における体積固有抵抗のバラツキが少なく、安定した電気的特性が得られ、任意の導電性がコントロール可能な導電性を有するものである。また、かかる電子写真用導電性高濃度カーボンブラック体は、本発明の製造方法によって容易に得ることができる。
【0111】
前記のごときすぐれた電子写真用導電性高濃度カーボンブラック体は、各種組成物に好適に使用することができ、該電子写真用導電性高濃度カーボンブラック体を含有した本発明の電子写真複写機用導電性ロールインキ組成物および導電性塗料組成物は、すぐれた物性を有するものである。
Claims (12)
- DBP吸油量80ml/100g以下、平均一次粒子径0.03μm以下、比表面積200m2/g以下、かつpHが中性またはアルカリ性であるカーボンブラック(I)、および官能基を有する樹脂で被覆処理を行なったカーボンブラック(II)を1:9〜9:1の重量比で配合した混合体を、顔料分散剤によって水性媒体中に分散して得られ、
官能基を有する樹脂が、アミノフェノール型エポキシ樹脂である電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体。 - カーボンブラック(I)および(II)の平均一次粒子径が、0.005〜0.03μmである請求項1記載の電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体。
- カーボンブラック(I)および(II)を精製することを特徴とする請求項1または2記載の電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体。
- カーボンブラック(I)および(II)が粉状であり、該カーボンブラックの着色力が95〜155%である請求項1、2または3記載の電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体。
- カーボンブラックの含有量が35重量%以上である請求項1、2、3または4記載の電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体。
- 顔料分散剤が、スチレンおよび/またはスチレン誘導体からなる水性樹脂である請求項1、2、3、4または5記載の電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体。
- 導電率が2000〜10000μS/cmである請求項1、2、3、4、5または6記載の電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体。
- 平均粒子径が0.1μm以下である請求項1、2、3、4、5、6または7記載の電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体。
- DBP吸油量80ml/100g以下、平均一次粒子径0.03μm以下、比表面積200m2/g以下、かつpHが中性またはアルカリ性であるカーボンブラック(I)、および官能基を有する樹脂で被覆処理を行なったカーボンブラック(II)を1:9〜9:1の重量比で配合した混合体を、顔料分散剤によって水性媒体中に高濃度で分散させて微粒子とし、
官能基を有する樹脂が、アミノフェノール型エポキシ樹脂であることを特徴とする電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体の製造方法。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体を含有する電子写真複写機用導電性ロールインキ組成物。
- 請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体を含有する導電性塗料組成物。
- 請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体を含有し、体積固有抵抗が1×105〜1×1010Ω・cmである導電部材。
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