JPH11157369A - 乗降補助構造付きシートおよびその乗降補助具 - Google Patents

乗降補助構造付きシートおよびその乗降補助具

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JPH11157369A
JPH11157369A JP9341929A JP34192997A JPH11157369A JP H11157369 A JPH11157369 A JP H11157369A JP 9341929 A JP9341929 A JP 9341929A JP 34192997 A JP34192997 A JP 34192997A JP H11157369 A JPH11157369 A JP H11157369A
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cushion
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Akira Nemoto
晃 根本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 着座姿勢での快適性、安全性を損なうことな
く、乗降性を改善する。 【構成】 シートクッション12のクッション本体12-1か
ら分離形成された乗降サイドのバケット状サイド部12-2
o が、クッション面12c を上面にほぼ水平配置する倒設
位置まで回動可能な可倒サイド部として形成されてい
る。そして、前端の下降を伴う回動のもとで、クッショ
ン本体の座面12a を、可倒サイド部のクッション面12c
に連続したほぼ水平面として設定可能としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車等に装着
される車両用等のシート、特に、高齢者、身障者等の乗
降の容易化をはかる乗降補助構造付きシートおよびその
乗降補助具に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、乗用車等の自動車用のシート
のシートクッションにおいては、座面の尻部位置をその
前方位置より低く設定した、いわゆる座面後傾型で、そ
の左右の側部を座面より上方に***させた、いわゆるバ
ケット形状のものが一般的となっている。
【0003】このような形状のシートクッションを備え
たシートにおいては、尻部の沈んだ後傾姿勢での着座と
なるため、着座姿勢の安定化が容易にはかられる。そし
て、シートに対する着座者の動き、特に左右方向への尻
部、下肢部の動きが、***した側部での抱持のもとで抑
制されるため、着座者の快適性、ひいては安全性の確保
が、優れたホールド性(保持性)、安定性のもとで容易
に確保できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】乗用車等(自動車)の
シートにおいては、ボディ側面のドアスペースを介して
乗降するため、乗用車等の横幅方向におけるアウターサ
イド(外方サイド)が、そのシートの乗降サイドとな
る。そして、下肢部をドアスペースから車外に移動させ
た後に、シートに対する横向き、かつ前傾姿勢から立ち
上がる動作が、乗用車等における一般的な降車動作とな
っている。
【0005】ところで、尻部の沈んだ後傾の着座姿勢に
おいては、その姿勢からの立ち上がり動作、つまり降車
動作が容易でなくなる。特に、公知のシートにおいて
は、シートクッションの側部が座面より***したバケッ
ト形状となっているため、シートに対する横向きに着座
姿勢を変えたとしても、この横向き姿勢が尻部の沈んだ
後傾の着座姿勢であることに変わりはない。また、乗車
の際においては、着座によって尻部が大きく沈み込むた
め、乗車動作のバランスを崩しやすい。
【0006】通常は、身体の柔軟性や腕力でのサポート
等によって、降車時の立ち上がり難さや乗車時のバラン
スの崩れ等を補っているが、身体の柔軟性や腕力に劣る
高齢者、あるいは非力な女性等においてはこれが十分に
期待できない。つまり、着座姿勢での安定性、快適性に
優れた形状のシートであっても、それが高齢者等の円
滑、容易な乗降の妨げとなる場合も多分に考えられる。
【0007】また、下肢部の不自由な身体障害者(身障
者)においては、ドアスペースに整列された車椅子の座
面とシートの座面との間での尻部の移動が、乗降動作の
主動作となる。しかし、側部の***した公知のシート形
状では、***した側部の高さがその尻部の移動の妨げと
なりやすい。そして、身障者の乗降の際においては、介
護者が介護につく場合も多いが、乗用車等のドアスペー
スは低く狭いため、介護者による介護も容易ではない。
【0008】この発明は、着座姿勢での快適性、安全性
を損なうことなく、乗降性を改善する乗降補助構造付き
シートおよびその乗降補助具の提供を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、この発明の乗降補助構造付きシートによれば、シー
トクッションが、その上面を座面とするクッション本体
と、クッション面をクッション本体側に配して、クッシ
ョン本体の左右の側方に立設された一対のバケット状サ
イド部とに分離形成され、この左右一対のバケット状サ
イド部のうち、乗降の際に尻部の通過される側のサイド
部が、クッション面をほぼ水平上面とする倒設位置への
回動、保持のもとで乗降補助具として機能な可倒サイド
部として形成されている。
【0010】そして、クッション本体が、後部の支点を
中心とした回動のもとで前端を下降可能に支持され、所
定の操作に伴うこの前端の下降により、クッション本体
の座面を、倒設位置での可倒サイド部のクッション面に
連続するほぼ水平面として設定可能としている。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながらこの発
明の実施の形態について詳細に説明する。
【0012】図1、図2に示すように、この発明に係る
乗降補助構造付きシート10においては、座面後傾型とし
てなるシートクッション12が、その上面を座面12a とす
るクッション本体12-1と、このクッション本体の左右の
側方に立設された一対のバケット状サイド部12-2とに分
離形成されている。そして、この左右一対のバケット状
サイド部12-2のうち、たとえば、クッション本体12-1に
対する着座者の乗降サイド、つまり乗降の際に着座者の
尻部の通過されるドアスペースサイド(アウターサイ
ド)のサイド部12-2o が、図1に示す立設位置でシート
クッション12のバケット部として機能可能、かつ立設位
置から外方に倒した図3に示す倒設位置で乗降補助具と
して機能可能な、可倒サイド部として形成されている。
【0013】この発明の実施の形態においては、正面か
ら見た左方を乗用車等の横幅方向に対するアウターサイ
ド、右方を同インナーサイドとするシート(乗降補助構
造付きシート)10を例示して、以下説明する。つまり、
図1ないし図3を見るとわかるように、このシート10に
おいては、正面から見た左方のバケット状サイド部12-2
が、可倒サイド部12-2o として設定されている。
【0014】なお、図1、図3に示すように、乗降サイ
ドとなるドアスペースサイド(アウターサイド)に対す
るインナーサイド(乗用車等の中央サイド;正面から見
たシート10の右方)のサイド部12-2i は、立設位置で固
定された固定サイド部として形成されている。
【0015】図2に加えて図4を見るとわかるように、
シート10は、たとえば、シートスライド装置14を備えて
いる。シートスライド装置14は、たとえば、ガイドレー
ル16に対してスライド可能なスライドレール18を備えて
構成され、シートクッション12へのスライドレールの固
定、および床面等へのガイドレールの固定のもとでシー
ト10をその前後方向(図中右左方向)にスライド可能に
支持するように、シートに対する左右(アウターサイ
ド、インナーサイド)の離間位置にそれぞれ配設されて
いる。
【0016】なお、このようなシートスライド装置14と
しては、特開平05−220025号公報等に開示の公知の構成
が何ら変更を加えることなく利用可能であり、また、こ
のシートスライド装置の構成自体はこの発明の趣旨でな
いため、ここでは詳細に説明しない。
【0017】シートクッション12は、たとえば、シート
スライド装置のスライドレール18に一体的に設けられた
左右一対のベースプレート20o、20i へのクッション本体
12-1、およびバケット状サイド部12-2(可倒サイド部12
-2o、固定サイド部12-2i)の組み付けのもとで、対応形状
に組み立てられる。
【0018】たとえば、図2に示すように、固定サイド
部12-2i は、クッション面12b をクッション本体12-1側
に垂直状態で配した立設位置で、前後一対のステー22を
介して、対応サイドのベースプレート20i に連結、固定
されている。
【0019】ここで、図5、図6に示すように、この発
明においては、可倒サイド部12-2oが、一対の取り付け
ブラケット24をベースにユニット化されるとともに、こ
の取り付けブラケットを介して、乗降サイドとなるアウ
ターサイドのベースプレート20o に取り付けられてい
る。そして、この可倒サイド部12-2o は、クッション面
12c をクッション本体12-1側に垂直配置した図1に示す
立設位置と、クッション面をほぼ水平位置とする図3に
示す倒設位置との間を回動可能に構成されている。
【0020】この可倒サイド部12-2o は、取り付けブラ
ケット24の上端に、支軸26を介して回動自在に下端の連
結されたベースフレーム28と、取り付けブラケットの下
端に、回動自在にその下端30a の抱持、連結されたリン
クアーム30との組み合わせを備えている。そして、この
リンクアームの上端30b を、ベースフレーム26に、ガイ
ドプレート31を介して摺動可能に連結することで、可倒
サイド部12-2o を立設位置、倒設位置間で回動可能とす
る機構部が構成されている。
【0021】このような構成では、支軸28を中心とした
ベースフレーム26の回動に追従した、下端30a を中心と
したリンクアーム30の回動に伴う、ガイドプレート31、
ベースフレームに対するリンクアームの上端30b の摺動
によって、取り付けブラケット24に対するベースフレー
ムの回動範囲、つまり可倒サイド部12-2o の回動範囲
が、図5に実線で示す立設位置と、同図に二点鎖線で示
す倒設位置との間に規定される。
【0022】ここで、図5、図6に示すように、この発
明の実施の形態においては、リンクアームの下端30a
が、取り付けブラケット24に対して上下方向に摺動可能
に抱持、連結されている(図5の実線、および一点鎖線
参照)。そして、可倒サイド部12-2o をそのロックのも
とで立設位置に保持するロック手段32が、上方へのリン
クアーム30の引き上げのもとでロック解除可能に設けら
れている。
【0023】ロック手段32として、たとえば、リンクア
ーム30の左右サイド間に架設、固定されたロックバー34
と、このロックバーの挿入、係合可能なフック片36との
組み合わせを有する構成が利用できる。なお、ロックバ
ー34には、ベースプレート20o の係止片38との間に張設
された引張コイルばねからなるロックばね40の偏倚力が
付与され、この偏倚力のもとで、ロックバーは、フック
片36への挿入、係合方向に偏倚されている。
【0024】そして、図6に示すように、リンクアーム
30をロック解除方向に引き上げる際のロック解除片とな
るロックオフベルト42の一端が、リンクアームの左右サ
イド間に架設、固定された連結ワイヤ44に連結され、そ
の他端は、図1、図4等に示すように、所定の挿通孔46
を介して、可倒サイド部12-2o の外部に露出、保持され
ている。
【0025】ところで、図1、図4に示すように、この
シートのシートクッション12は、座面の後傾された座面
後傾型であるため、上面を座面12a とするクッション本
体12-1を対応する後傾状態に配設して構成されるが、こ
の発明においては、このクッション本体が、図3、およ
び図7に示す座面のほぼ水平位置まで、前端の下降のも
とで回動可能に、ベースプレート20o、20i に対して連
結、支持されている。
【0026】図2、図4に示すように、たとえば、ベー
スプレート20o、20i の後部間に、支持シャフト48がブラ
ケット50等を介して架設され、この支持シャフトに、ク
ッション本体12-1のフレーム(本体フレーム)52の後部
が、抱持部材54による支持シャフトの抱持によって回動
自在に連結されている。また、クッション本体12-1の前
部は、操作レバー56に連動して上下方向に回動可能なリ
ンクアーム58を有する昇降手段60によって、前端を昇降
可能に支持されている。
【0027】なお、前部の昇降手段60は、操作レバー56
に連動したリンクアーム58の回動に伴う前端の昇降によ
って座面12a の後傾位置、ほぼ水平位置でクッション本
体12-1の前部を保持可能とする構造であれば足り、この
機構自体はこの発明の趣旨でないため、ここでの詳細な
説明は省略する。
【0028】たとえば、図1、図4に示す状態、つまり
通常の着座状態となる可倒サイド部12-2o の立設状態、
および座面12a を後傾させたクッション本体12-1の後傾
状態を、このシート10の初期状態と仮定する。このシー
ト10の初期状態からの着座者の降車の際においては、ま
ず、ロックオフベルト(ロック解除部材)42による、ロ
ックばね40の偏倚力に抗したリンクアーム30の引き上げ
のもとで、ロック手段のロックバー34とフック片36との
係合を解除する(図5、図6参照)。そして、このロッ
ク手段32のロック解除状態での、外方への可倒サイド部
12-2o の回動、つまり倒設によって、図3、図7に示
す、クッション面12c をほぼ水平とする可倒サイド部の
倒設位置が設定される(図5の二点鎖線参照)。
【0029】次に、前方への操作レバー56の回動操作に
よるクッション本体12-1の前端の下降のもとで、クッシ
ョン本体12-1を回動させて、クッション本体を座面12a
のほぼ水平な前端の下降位置に設定、保持する。
【0030】図3、図7に示す、この可倒サイド部12-2
o の倒設位置、およびクッション本体12-1の前端下降位
置においては、可倒サイド部のクッション面12c 、およ
びクッション本体12-1の座面12a が、相互に連続するほ
ぼ水平面として設定され、これが、このシート10におけ
る乗降補助状態となる。
【0031】このようなシート10の乗降補助状態におい
ては、クッション本体の座面12a 、可倒サイド部のクッ
ション面12c の連続する水平面上で尻部をドアサイドに
移動させれば足りるため、降車の際の尻部移動が容易に
行える。そして、可倒サイド部のクッション面12c 上に
尻部を置くことによって、ドアスペースから車外への下
肢部の移動、および車外に向いた横向きの前傾着座姿勢
が容易に可能となるとともに、この可倒サイド部のクッ
ション面に腰掛けた状態の前傾着座姿勢から立ち上がれ
ば足りるため、非力な高齢者等においても、姿勢を崩す
ことなく、また腕力に頼ることなく、降車動作が容易に
行える。
【0032】また、下肢部の不自由な身障者等であって
も、クッション本体の座面12a 、可倒サイド部のクッシ
ョン面12c の連続する水平面上で尻部の位置をずらすこ
とは、自己の腕力等のもとでも比較的容易に行える。そ
して、倒設位置の可倒サイド部12-2o に腰掛け、更には
下肢部を車外に移動させた横向きの着座姿勢であれば、
介護者が必要な場合であっても、介護者の位置する介護
スペースがドアスペース脇に広く確保できるため、降車
動作が煩雑化することもない。
【0033】着座者の降車後においては、可倒サイド部
12-2o を倒設位置から立設位置方向に回動させれば、ロ
ック手段32のロックのもとで、可倒サイド部は立設位置
に保持される。なお、このとき、可倒サイド部12-1とク
ッション本体12-2o とは非連動であるため、クッション
本体の前端下降状態、つまり座面12a のほぼ水平状態は
維持される。
【0034】着座者の降車後での再乗車の際において
は、可倒サイド部12-2o を立設位置から倒設位置に回
動、設定すれば、降車の際と同様に、可倒サイド部のク
ッション面12c 、クッション本体の座面12a の連続した
ほぼ水平面がシートクッション12に形成される。そし
て、着座者は、可倒サイド部のクッション面12c 上に一
旦腰掛けて下肢部を車内に移動させるとともに、尻部を
クッション本体の座面12a 上に滑らせて着座し、その
後、可倒サイド部12-2o を立設位置方向に回動させると
ともに、後方への操作レバー56の回動操作のもとでの前
端の上昇によってクッション本体12-1を後傾方向に回動
させば、可倒サイド部、クッション本体は図1、図3に
示す初期位置に戻される(図5の実線参照)。
【0035】上記のように、この発明の乗降補助構造付
きシート10においては、乗降サイドとなるアウターサイ
ドの可倒サイド部12-2o が、クッション面12c をほぼ水
平とする倒設位置に回動設定可能であるとともに、クッ
ション本体12-1の座面12a が、前端の下降のもとで、こ
のクッション面に連続する水平面として設定され、これ
が、このシートの乗降補助状態となっている。そのた
め、この乗降補助状態では、乗降の際におけるシートク
ッション12上での尻部の移動が、尻部、大腿部等を大き
く浮かせることなく容易に可能となる。
【0036】そして、乗降の際に、倒設位置の可倒サイ
ド部のクッション面12c 上に一旦腰掛けてから、降車動
作、乗車動作を行えば足りるため、乗降の際の姿勢の崩
れが確実に防止できるとともに、腕力等でのサポート
も、特に重要でなくなる。そのため、高齢者、身障者等
においても、乗降動作が容易に可能となる。
【0037】また、通常の着座状態においては、クッシ
ョン本体の座面12a が後傾状態に設定できるとともに、
可倒サイド部12-2o を立設位置に保持することで、この
可倒サイド部が他方の固定サイド部12-2i と共にシート
クッション12のバケット部として機能するため、着座時
でのサポート性を損なうことがない。つまり、この発明
のシート10によれば、サポート性を損なうことなく、高
齢者等の乗降の容易な乗降補助構造が容易に確保でき、
サポート性、乗降性の両立がはかられる。
【0038】更に、この発明においては、クッション本
体12-1の前端の下降のもとで座面12a のほぼ水平状態を
設定するため、水平状態での座面の低位置化が可能とな
る。従って、シート10を比較的高い位置に設定する、い
わゆる1ボックス、RV車等のシートとして、この発明は
特に有効に利用できる。
【0039】また、可倒サイド部12-2o は、ガイドプレ
ート31によって上端30b の抱持されたリンクアーム30を
備え、このガイドプレートに対するリンクアーム上端の
摺動規制によって、取り付けブラケット24に対するベー
スフレーム28、ひいては可倒サイド部の回動範囲を規定
するとともに、このリンクアームによって支持している
ため、倒設位置において可倒サイド部のクッション面12
c に作用する荷重、つまり着座者の体重は、このリンク
アームに逃がされる(図5の二点鎖線参照)。従って、
可倒サイド部12-2o における支持力が、構成の複雑化を
伴うことなく十分に高く得られ、機能性、安定性、ある
いは安全性に優れた可倒サイド部が容易に確保できる。
【0040】ところで、この発明においては、可倒サイ
ド部12-2o として具体化された乗降補助具が予めユニッ
ト化されているため、シート10への組み付け作業が容易
化される。そして、単体のユニットとして取り扱えるこ
とから、この乗降補助具としてなる可倒サイド部12-o
を、他の車種のシートに応用することも十分に可能とな
る。
【0041】たとえば、ミニバンタイプの自動車等にお
けるサードシートのエマージェンシーシートやその他補
助シート等として、この可倒サイド部12-2o を応用して
もよい。
【0042】また、この発明においては、ロック手段32
を、リンクアーム30の昇降のもとでロック解除する構成
として具体化しているが、ロック手段はロック、ロック
解除の切り換え可能な構成であれば足りるため、この構
成に限定されない。そして、立設位置でのみロックする
構成に限定されず、立設位置、倒設位置の双方でロック
可能に、ロック手段32を構成してもよい。
【0043】なお、この発明の乗降補助構造付きシート
10における乗降補助構造、つまり倒設可能な可倒サイド
部12-2o 、および前端の下降可能なクッション本体12-1
を備えた構造は、身障者、高齢者等の乗降に限定され
ず、他の着座者の乗降の際に使用しても何ら差し支えな
い。つまり、このシート10の乗降補助構造を利用すれ
ば、可倒サイド部12-2o のクッション面12c 上に一旦腰
を掛けることで、足を大きく開くことなく乗降できた
め、スカートや着物等を着衣した女性等の乗降の際にお
いても、特に有効に利用できる。
【0044】また、この実施の形態においては、自動車
のフロントシートに代表される、シートスライド装置14
を有する構成をシート10として例示しているが、ドアス
ペースに隣接するシートであれば足りるため、これに限
定されず、たとえば、4ドアタイプのセダン(サルーン
とも称する)やステーションワゴン等のボディタイプの
自動車のリヤシート、あるいは1ボックス、RV車等のド
アサイドのセカンドシート等に、このシートを配設して
もよい。
【0045】また、このシートは、乗用車等のシートに
限定されず、たとえば、電車、船舶、飛行機等の他の車
両等のシート、あるいは娯楽施設等の種々のシートとし
ても、十分に応用できる。
【0046】上述した発明の実施の形態は、この発明を
説明するためのものであり、この発明を何等限定するも
のでなく、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施さ
れたものも全てこの発明に包含されることはいうまでも
ない。
【0047】
【発明の効果】上記のように、この発明に係る乗降補助
構造付きシートによれば、乗降サイドの可倒サイド部の
クッション面とクッション本体の座面とをほぼ水平面上
で連続させた乗降補助状態が設定できるため、乗降の際
におけるシートクッション上での尻部の移動が容易に可
能となる。つまり、乗降の際の姿勢の崩れが確実に防止
できるとともに、腕力等でのサポートも特に重要でなく
なるため、高齢者、身障者等においても、その乗降性が
向上する。
【0048】そして、走行時等においては、後傾の着座
姿勢が確保できるとともに、可倒サイド部を立設位置に
保持することで、この可倒サイド部が他方の固定サイド
部と共にシートクッションのバケット部として機能する
ため、着座時でのサポート性を損なうことがなく、サポ
ート性、乗降性の両立が可能となる。
【0049】また、クッション本体が、前端の下降のも
とで回動するため、水平状態での座面の低位置化が可能
となる。従って、シートを比較的高い位置に設定する車
種等のシートとして、この発明は特に有効に利用でき
る。
【0050】更に、リンクアームによって倒設位置の可
倒サイド部を支持する構成であるため、高い支持力が構
成の複雑化を伴うことなく容易に得られる、従って、機
能性、安定性、あるいは安全性に優れた可倒サイド部が
容易に確保できる。
【0051】また、乗降補助具として予めユニット化さ
れた可倒サイド部によれば、シートへの組み付け作業が
容易化される。そして、単体のユニットとして取り扱え
ることから、この乗降補助具を、他の車種のシートに応
用することも十分に可能となる。更には、乗降補助具と
してだけでなく、緊急用シートや補助シートとしても、
その利用範囲は拡張できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】初期状態における、この発明に係る乗降補助構
造付きシートの概略斜視図である。
【図2】一部を分解した、乗降補助構造付きシートの概
略斜視図である。
【図3】乗降補助状態における、乗降補助構造付きシー
トの概略斜視図である。
【図4】初期状態における、乗降補助構造付きシートの
概略側面図である。
【図5】可倒サイド部の概略断面図である。
【図6】内部構造を示す、可倒サイド部の概略斜視図で
ある。
【図7】乗降補助状態における、乗降補助構造付きシー
トの概略側面図である。
【符号の説明】
10 乗降補助構造付きシート 12 シートクッション 12-1 クッション本体 12-2o 可倒サイド部(乗降補助具) 12-2i 固定サイド部 12a クッション本体の座面 12c 可倒サイド部のクッション面 32 ロック手段

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 座面の尻部位置をその前方位置より低く
    設定した座面後傾型のシートクッションを備えたシート
    において、 上記シートクッションが、その上面を座面とするクッシ
    ョン本体と;クッション面をクッション本体側に配し
    て、クッション本体の左右の側方に立設された一対のバ
    ケット状サイド部と;に分離形成され、この左右一対の
    バケット状サイド部のうち、乗降の際に尻部の通過され
    る側のサイド部が、クッション面をほぼ水平上面とする
    倒設位置への回動、保持のもとで乗降補助具として機能
    な可倒サイド部として形成されるとともに、 前記クッション本体が、後部の支点を中心とした回動の
    もとで前端を下降可能に支持され、所定の操作に伴うこ
    の前端の下降により、当該クッション本体の座面を、倒
    設位置での可倒サイド部のクッション面に連続するほぼ
    水平面として設定可能としたことを特徴とする乗降補助
    構造付きシート。
  2. 【請求項2】 座面の尻部位置をその前方位置より低く
    設定した座面後傾型のシートクッションを備えたシート
    において、 上記シートクッションが、その上面を座面とするクッシ
    ョン本体と;クッション面をクッション本体側に配し
    て、クッション本体の左右の側方に立設された一対のバ
    ケット状サイド部と;に分離形成され、 この左右一対のバケット状サイド部のうち、乗降の際に
    尻部の通過される側のサイド部が、 所定の固定部材に対して固定される取り付けブラケット
    の上部にベースフレームの下端を、当該取り付けブラケ
    ットの下部にリンクアームの下端を、それぞれ回動自在
    に連結し、このリンクアームの上端を、ベースフレーム
    に摺動自在に連結してなる機構部と;所定の偏倚力によ
    るフックへのロックバーの挿入、係合のもとで、ベース
    フレームの回動を特定位置で規定可能とするロック手段
    と;を備えて、クッション面をほぼ水平上面とする倒設
    位置への回動、保持のもとで乗降補助具として機能可能
    な可倒サイド部として形成されるとともに、 前記クッション本体が、後部の支点を中心とした回動の
    もとで前端を下降可能に支持され、所定の操作に伴うこ
    の前端の下降により、当該クッション本体の座面を、倒
    設位置での可倒サイド部のクッション面に連続するほぼ
    水平面として設定可能としたことを特徴とする乗降補助
    構造付きシート。
  3. 【請求項3】 リンクアームの下端が、取り付けブラケ
    ットの下端に対して上下方向に摺動可能に抱持、連結さ
    れ、取り付けブラケットに対する、所定の偏倚力に抗し
    た上方へのリンクアームの引き上げ操作によって、ロッ
    ク手段をロック解除可能とした請求項2記載の乗降補助
    構造付きシート。
  4. 【請求項4】 リンクアーム上端が、その摺動範囲を立
    設位置、倒設位置間での可倒サイド部の回動に対応する
    範囲に規定可能なガイドプレートを介してベースフレー
    ムに連結され、倒設位置サイドでのリンクアーム上端の
    摺動規制によって、可倒サイド部を倒設位置に設定、保
    持可能とした請求項2または3記載の乗降補助構造付き
    シート。
  5. 【請求項5】 所定の固定部材に対して固定される取り
    付けブラケットの上部にベースプレートの下端を、当該
    取り付けブラケットの下部にリンクアームの下端を、そ
    れぞれ回動自在に連結し、このリンクアームの上端を、
    ベースフレームに摺動自在に連結してなる機構部と;所
    定の偏倚力によるフックへのロックバーの挿入、係合の
    もとで、ベースフレームの回動を特定位置で規定可能と
    するロック手段と;を備えて、一平面をクッション面と
    する形態に予めユニット化されるとともに、このクッシ
    ョン面をほぼ垂直面としてロック手段により保持される
    立設位置と、当該クッション面をほぼ水平上面とする倒
    設位置との間で回動可能、かつ各位置で保持可能に形成
    されたシートの乗降補助具。
  6. 【請求項6】 リンクアームの下端が、取り付けブラケ
    ットの下端に対して上下方向に摺動可能に抱持、連結さ
    れ、取り付けブラケットに対する、所定の偏倚力に抗し
    た上方へのリンクアームの引き上げ操作によって、ロッ
    ク手段をロック解除可能とした請求項5記載のシートの
    乗降補助具。
  7. 【請求項7】 リンクアーム上端が、その摺動範囲を立
    設位置、倒設位置間での回動に対応する範囲に規定可能
    なガイドプレートを介してベースプレートに連結され、
    少なくとも、倒設位置サイドでのリンクアーム上端の摺
    動規制によって倒設位置に設定、保持される請求項5ま
    たは6記載のシートの乗降補助具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011005934A (ja) * 2009-06-25 2011-01-13 Honda Motor Co Ltd 車両用シート構造
CN103358944A (zh) * 2013-07-24 2013-10-23 苏州市润凯汽车配件制造有限公司 一种新型公交车座椅
JP2018069895A (ja) * 2016-10-27 2018-05-10 株式会社ミクニライフ&オート 補助シート

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