JPH11153405A - スキャナーシステムの変位センサー - Google Patents

スキャナーシステムの変位センサー

Info

Publication number
JPH11153405A
JPH11153405A JP31973597A JP31973597A JPH11153405A JP H11153405 A JPH11153405 A JP H11153405A JP 31973597 A JP31973597 A JP 31973597A JP 31973597 A JP31973597 A JP 31973597A JP H11153405 A JPH11153405 A JP H11153405A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
displacement
scanner
light beam
position detector
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP31973597A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaya Okazaki
賢哉 岡咲
Nobuaki Sakai
信明 酒井
Hirohisa Fujimoto
洋久 藤本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP31973597A priority Critical patent/JPH11153405A/ja
Publication of JPH11153405A publication Critical patent/JPH11153405A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ステージの変位をダイナミックレンジや分解能
を切り換えて高精度に検出できる小型な構成のスキャナ
ーシステムの変位センサーを提供する。 【解決手段】チューブ型の圧電体スキャナー102は一
端が固定台104に固定され、自由端にはステージ10
8が固定されており、その裏側には鏡110が固定され
ている。固定台104にはスキャナー102の内側に当
たる部分に開口m106が形成されており、その下方に
1/4波長板120と偏光ビームスプリッター122と
二重焦点光学系130とポジションディテクター124
が順に配置されている。偏光ビームスプリッター122
の側方には光源112が配置されている。二重焦点光学
系130は、これに入射する光を比較的短い第一の焦点
と比較的長い第二の焦点のいずれかに適宜集光すること
ができる。ポジションディテクター124は二重焦点光
学系130の第一の焦点の近傍に配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば走査トンネ
ル顕微鏡(STM)や原子間力顕微鏡(AFM)等の走
査型プローブ顕微鏡(SPM)に適用され、探針や試料
等を走査させるスキャナーの変位センサーに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば特開昭62−130302号にお
ける「サンプル表面の像を形成する方法及び装置」のよ
うに、走査トンネル顕微鏡(STM)や原子間カ顕微鏡
(AFM)など、簡単な構成で原子サイズレベルの高い
縦横分解能を有する走査型プローブ顕微鏡(SPM)が
提案されている。
【0003】このような走査型プローブ顕微鏡で高い分
解能を実現するためには、プローブと試料の間の相対位
置を精度良くコントロールできるスキャナーが必要であ
る。一般にスキャナーにはトライポッド型やチューブ型
の圧電体スキャナーが用いられている。
【0004】チューブ型の圧電体スキャナーは、例えば
チューブ状に形成された圧電体の内周面に単一の共通電
極を有し、外周面にはその周方向に四つの駆動電極を有
している。四つの駆動電極への電圧印加を適宜制御する
ことにより、屈曲や伸縮によって圧電体スキャナーの端
部が三次元的に変位する。圧電体スキャナーの端部にス
テージを固定し、このステージに探針または試料を支持
することにより、圧電体スキャナーの端部の変位によっ
て探針または試料が走査される。
【0005】圧電体スキャナーはPZT(チタン酸ジル
コン酸鉛)などにより形成されており、電圧駆動を行な
ったときの変位にヒステリシスやクリープ現象を示すこ
とがよく知られている。従って、圧電体スキャナーを用
いて探針や試料を走査させた場合、ステージ(すなわち
探針または試料)の移動特性は非直線性を示す。このよ
うな非直線性は、走査型プローブ顕微鏡においては、測
定像の歪みとして現れ、定量的な測定の妨げとなる。
【0006】このような問題を解決するため、特開平6
−229753号は、ステージの変位量を光学的に検出
する光学式変位センサーを備えたスキャナーシステムを
開示している。この光学式変位センサーでは、ステージ
に設けた平面鏡に平行光束を照射し、その反射光をレン
ズにより集光し、ポジションディテクターに光スポット
を形成し、ポジションディテクターで検出されたスポッ
ト位置に基づいてステージの移動量を算出している。
【0007】このような光学式変位センサーにおいて、
レンズとポジションディテクターの相対的な位置を変化
させ、ポジションディテクター上の光スポットの大きさ
を変えることにより、変位センサーのダイナミックレン
ジや分解能を可変にしたものが提案されている。その一
例が特開平7−98206号に示されている。
【0008】このようにダイナミックレンジや分解能を
変更できる変位センサーは、走査範囲(数nm〜100
μm以上)が広いSPMには非常に有効である。なぜな
ら、特開平6−229753号に示されている光学式変
位センサーを含め、通常の変位センサーの分解能はせい
ぜいダイナミックレンジの1/10000程度である。
つまり、ダイナミックレンジ(SPMの最大走査幅)が
100μm以上ある変位センサーでは、その分解能は
0.01μm程度である。これは、一走査当たり約50
0ポイントのデータを取り込むSPMにおいて、変位セ
ンサーが有効な走査幅は5μm以上であることを意味す
る。従って、SPMで用いる変位センサーはダイナミッ
クレンジや分解能が可変である必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
7−98206号に示された光学式変位センサーは、メ
カ的にレンズとポジションディテクターの相対位置を変
化させ、ダイナミックレンジや分解能を可変にしている
ため、機構が巨大化、複雑化するだけでなく、それが振
動ノイズの増加につながる。特開平7−98206号に
示されるようなレンズを駆動するメカ機構による高精度
(nmオーダー)な位置決めは難しい。従って、装置を
小さく高剛性にすることが必要なSPMにおいては、こ
のような光学式変位センサーは望ましくない。
【0010】本発明は、このような事情を考慮して成さ
れたものであり、その目的は機構の大型化や複雑化を伴
なうことなくダイナミックレンジや分解能を変更でき、
これにより広い走査範囲にわたってステージの位置検出
を高精度に行なえるスキャナーシステムの変位センサー
を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】第一の主題に基づく本発
明によるスキャナーシステムの変位センサーは、ステー
ジの裏側に固定された鏡と、変位検出のための光ビーム
を射出する光源と、光源からの光ビームを鏡に導く手段
と、鏡で反射された光ビームを第一の焦点または第二の
焦点のいずれかに集光させる二重焦点光学系と、第一の
焦点または第二の焦点の近くに配置されたポジションデ
ィテクターで、二重焦点光学系による焦点の切り換えに
応じて受光面に形成されるスポットの径が切り換えられ
るポジションディテクターと、ポジションディテクター
の出カに基づいてステージの変位を算出する演算部とを
有している。
【0012】第二の主題に基づく本発明によるスキャナ
ーシステムの変位センサーは、ステージの裏側に固定さ
れた平面鏡と、変位検出のための光ビームを射出する光
源と、光源からの光ビームを平面鏡に導く手段と、平面
鏡で反射された光ビームを収束性光ビームに変換するレ
ンズ手段と、収束性光ビームを二本に分割するビーム分
割手段と、分割された二本の収束性光ビームの各々の光
路上に一つずつ設けられた計二つのポジションディテク
ターで、その一方はレンズ手段の焦点の近くに配置され
ており、このためその受光面には比較的小さい光スポッ
トが形成され、他方の受光面には比較的大きい光スポッ
トが形成される、二つのポジションディテクターと、二
つのポジションディテクターのそれぞれの出力に基づい
てステージの変位を算出する演算部とを有している。
【0013】第三の主題に基づく本発明によるスキャナ
ーシステムの変位センサーは、ステージの裏側に固定さ
れた平面鏡と、変位検出のための光ビームを射出する光
源と、光源からの光ビームを平面鏡に導く手段と、平面
鏡で反射された光ビームを収束性光ビームに変換するレ
ンズ手段と、収束性光ビームの光路上に配置されたポジ
ションディテクターと、平面鏡からポジションディテク
ターに至る間に設けられた絞り径を変更可能な絞りであ
り、入射する光ビームの径を適宜制限することによりポ
ジションディテクター上に形成される光スポットの大き
さを変更し得る絞り径を変更可能な絞りと、ポジション
ディテクターの出カに基づいてステージの変位を算出す
る演算部とを有している。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態について説明する。まず、第一の実施の形
態によるスキャナーシステムについて説明する。図1
は、第一の実施の形態によるスキャナーシステムの概略
構成を一部破断して示している。
【0015】チューブ型の圧電体スキャナー(チューブ
スキャナー)102は、その詳細な構造は図示してない
が、チューブ状に形成された圧電体を有し、その内周面
には単一の共通電極が設けられ、外周面には周方向に四
つまたは五つの駆動電極が設けられている。スキャナー
102は、その一端が固定台104に固定されている。
【0016】スキャナー102の他端すなわち自由端に
はステージ108が固定されている。スキャナー102
は(図示しない)スキャナードライバーにより駆動さ
れ、その結果としてステージ108がx、y、zの各方
向に変位される。
【0017】ステージ108の裏側には鏡110が固定
されている。固定台104には、スキャナー102の内
側に当たる部分に開ロ106が形成されており、この開
ロ106を通して鏡110に光を導き入れることができ
る。
【0018】開ロ106の下側には、1/4波長板12
0と偏光ビームスプリッター122と二重焦点光学系1
30とポジションディテクター124とが上方から順に
配置されている。また、偏光ビームスプリッター122
の側方には、これに入射する光を生成する光源112が
配置されている。
【0019】光源112は半導体レーザー114とレン
ズ116を含み、半導体レーザー114はLDドライバ
ー118によって駆動され、半導体レーザー114から
発せられた発散光はレンズ116によって平行光に変換
され、この平行光は偏光ビームスプリッター122に入
射する。
【0020】偏光ビームスプリツター122は、光源1
12より発せられた光のy方向(紙面垂直方向)の振動
面を持つ成分の光を反射して鏡110に導くとともに、
鏡110で反射され戻って来る光のx方向(紙面平行方
向)の振動面を持つ成分の光を透過して二重焦点光学系
130へ導く。
【0021】二重焦点光学系130は、これに入射する
光を比較的短い第一の焦点と比較的長い第二の焦点のい
ずれかに適宜集光することができる。この二重焦点光学
系130の具体的な構成については後述する。
【0022】ポジションディテクター124は、二重焦
点光学系130の比較的短い第一の焦点の位置近傍に配
置されている。ポジションディテクター124は図2に
示されるように四つの受光素子を含んでおり、図1に示
されるように、これらの受光素子の出カA,B,C,D
は演算回路126に入力される。
【0023】演算回路126は、ポジションディテクタ
ー124の受光素子の出カA,B,C,Dに基づいて、
ポジションディテクター124の受光面に形成されるス
ポットの位置を算出する。演算回路126は、x方向の
スポット位置の変位(x方向のステージ108の変位)
を、 {(A+B)−(C+D)}/(A+B+C+D) で求め、y方向のスポット位置の変位(y方向のステー
ジ108の変位)を、 {(A+D)−(B+C)}/(A+B+C+D) で求める。
【0024】図3は、二重焦点光学系130の具体例を
示している。二重焦点光学系130は二重焦点レンズ1
32と液晶素子134と電源136とスイッチ138と
で構成されている。液晶素子134はスイッチ138の
オン・オフに対応して液晶分子の配列が変わる。図3
(A)に示されるように、スイッチ138のオンに対し
ては、液晶分子の配列がそろった状態になり、入射する
光をその偏光方向を変えることなく透過する。つまり、
x方向の振動面を持つ入射光は透過後もx方向の振動面
を持つ。図3(B)に示されるように、スイッチ138
のオフに対しては、液晶分子の配列がねじれた状態にな
り、入射する光をその偏光方向を90度回転させて透過
する。つまり、x方向の振動面を持つ入射光は透過後に
y方向の振動面を持つ。このように液晶素子134は、
スイッチ138のオン・オフに対応して、二重焦点レン
ズ132に入射する光の偏光方向を切り換える。
【0025】二重焦点レンズ132は、結晶の配列方向
より屈折率が異なる複屈折結晶で作製されており、入射
する光の偏光方向によって異なる屈折率を有している。
すなわち、図3(A)に示されるように、偏光方向がx
方向の光は二重焦点レンズ132によってOAで示され
る焦点位置に集光され、図3(B)に示されるように、
偏光方向がy方向の光は二重焦点レンズ132によって
OBで示される焦点位置に集光される。この二重焦点光
学系では、焦点位置がOAとなる集光光線は常光線であ
り、焦点位置がOBとなる集光光線は異常光線である。
二重焦点レンズ132に使用される硝材は水晶に限ら
ず、方解石など、複屈折結晶なら制限はない。
【0026】図4は、二重焦点光学系130の別の具体
例を示している。二重焦点光学系130はレンズ142
と液晶素子144と液晶駆動部146とで構成されてい
る。液晶駆動部146は、液晶素子144に印加する電
圧を供給する電源と、液晶素子144に対する電圧の印
加のオン・オフを切り換えるスイッチとを含んでおり、
液晶素子144は液晶駆動部146からの電圧印加の有
無に応じて屈折率が変化する。
【0027】液晶素子144は電圧印加の有無に応じて
高い屈折率と低い屈折率の二状態をとる。例えば、電圧
印加のオフに対して液晶素子144は低い屈折率をと
り、これに入射する光はOAで示される焦点位置に集光
され、電圧印加のオンに対して液晶素子144は高い屈
折率をとり、これに入射する光はOBで示される焦点位
置に集光される。
【0028】図5は、二重焦点光学系130の更に別の
具体例を示している。二重焦点光学系130は焦点可変
レンズ152と焦点制御部160とで構成されている。
焦点可変レンズ152は、電圧印加の有無に応じて屈折
率が変わる液晶部154を有し、これを挟んで対向する
透明板材がレンズ156と158で構成されている。つ
まり、この焦点可変レンズ152は機能的には図4の二
重焦点光学系におけるレンズ142と液晶素子144を
一体化したものに実質的に等しい。
【0029】焦点可変レンズ152は、例えば、電圧印
加のオフに対して液晶部154は低い屈折率をとり、焦
点可変レンズ152に入射する光はOAで示される焦点
位置に集光され、電圧印加のオンに対して液晶部154
は高い屈折率をとり、焦点可変レンズ152に入射する
光はOBで示される焦点位置に集光される。
【0030】二重焦点光学系130の具体例をいくつか
示したが、その構成はこれらに限らない。例えば、特開
昭60−50510号に開示されている液晶レンズを用
いてもよい。二重焦点光学系130は、焦点位置を適宜
切り換えられる機能を持つ集光光学系であれば、どのよ
うな構成であっても構わない。
【0031】次に、以上のように構成された図1に示さ
れるスキャナーシステムの変位センサーの動作について
述べる。光源112のレンズ116で平行光とされた光
は、偏光ビームスプリッター122によって特定の偏光
成分が反射され、その反射光は一方向のみの偏光成分を
持つ直線偏光となる。この直線偏光は1/4波長板12
0を通過することで円偏光となり、固定台104の開ロ
106を通ってスキャナー102の内部に設けられた鏡
110に到達する。鏡110で反射された光は再度1/
4波長板120を通過することで、1/4波長板120
に入射する前の直線偏光に対して直交する偏光面を持つ
直線偏光となる。このため、この直線偏光は偏光ビーム
スプリッター122で反射されずにこれを通過し、二重
焦点光学系130によって集光され、ポジションディテ
クター124の受光面にスポットを形成する。
【0032】二重焦点光学系130から射出される光が
焦点位置OAに集光する集光光線であれば、図6に示さ
れるように、ポジションディテクター124の受光面に
は比較的大きいスポットが形成され、焦点位置OBに集
光する集光光線であれば、図7に示されるように、ポジ
ションディテクター124の受光面には比較的小さいス
ポットが形成される。
【0033】スキャナー102が変位していない場合、
スポットはポジションディテクター124の受光面の中
央に形成される。すなわち、二重焦点光学系130から
の光が、焦点位置OAに集光する集光光線であれば、図
6(A)に示されるように、また、焦点位置OBに集光
する集光光線であれば、図7(A)に示されるように、
スポットはポジションディテクター124の受光面の中
央に位置する。
【0034】一方、スキャナー102が変位している場
合、偏光ビームスプリッター122から鏡110へ向か
う光の入射方向に対して鏡110の面方向が傾斜するた
め、鏡110に入射した光は入射方向とは異なる方向に
反射される。このため、スポットはポジションディテク
ター124の受光面の中央からずれた位置に形成され
る。すなわち、二重焦点光学系130からの光が、焦点
位置OAに集光する集光光線であれば、図6(B)に示
されるように、また、焦点位置OBに集光する集光光線
であれば、図7(B)に示されるように、スポットはポ
ジションディテクター124の受光面の中央から移動す
る。
【0035】スポットの中央からの移動量は、鏡110
の傾斜角度すなわちスキャナー102の自由端の変位量
に対応しており、この変位量は演算回路126において
前述した演算を行なうことによって求められる。
【0036】図6(B)と図7(B)を比較して分かる
ように、スポットの大きさが異なるため、同じ鏡110
の傾斜すなわち同量のスキャナー102の変位に対し
て、演算回路126による演算結果は異なるものとな
る。言い換えれば、二重焦点光学系130で集光位置を
変えることによって、ダイナミックレンジと分解能が切
り換えられる。
【0037】つまり、ポジションディテクター124の
受光面に大きいスポットを形成した場合には、大きいダ
イナミックレンジを得られる反面、ポジションディテク
ター124の単位面積当たりの受光量が低下するため、
変位検出の分解能は下がる。反対に、ポジションディテ
クター124の受光面に小さいスポットを形成した場合
には、ダイナミックレンジが小さくなる反面、ポジショ
ンディテクター124の単位面積当たりの受光量が増加
するため、変位検出の分解能は上がる。
【0038】本実施形態では、光源112の発光手段に
半導体レーザー114を用いているが、LED等の他の
発光手段を適用してもよい。LEDを適用した場合には
干渉による悪影響が生じないので、1/4波長板120
を省略したり、偏光ビームスプリッター122の代わり
にハーフミラーを用いることができ、構成を簡単にする
ことができる。
【0039】次に、第二の実施の形態によるスキャナー
システムについて説明する。図8は、第二の実施の形態
によるスキャナーシステムの概略構成を一部破断して示
している。
【0040】チューブ型の圧電体スキャナー202は、
詳細な図示は省略しているが、チューブ状すなわち両端
が開口した円筒状に形成された圧電体の内周面に単一の
共通電極を備え、外周面には駆動用電極を備えている。
一般に、駆動用電極は四個または五個からなっている。
スキャナー202は一端が固定台204に固定されてい
る。スキャナー202の自由端にはステージ208が固
定され、その裏側に平面鏡210が設けられている。
【0041】スキャナー202の内側に位置する固定台
204の部分には開ロ206が設けられている。開ロ2
06の下方には、1/4波長板220、偏光ビームスプ
リッター222、レンズ232、ハーフミラー234、
ポジションディテクター236が同軸上に配置されてい
る。偏光ビームスプリッター222の側方には半導体レ
ーザー214とコリメータレンズ216が配置され、ま
た、ハーフミラー234の側方にはポジションディテク
ター238が配置されている。
【0042】ポジションディテクター236と238は
同じ構造を有しており、共に四分割された受光部を備え
ている。つまり、ポジションディテクター236は四つ
の受光部236aと236bと236cと236dを有
し、ポジションディテクター238は四つの受光部23
8aと238bと238cと238dを有している。こ
れらの各受光部の出カは演算回路240に入力される。
【0043】レンズ232からポジションディテクター
236までの光路長は、レンズ232からポジションデ
ィテクター238までの光路長に比較して短く設定され
ている。つまり、光学経路に関して、ポジションディテ
クター236はポジションディテクター238よりもレ
ンズ232の近くに配置されている。
【0044】次に、このスキャナーシステムの変位セン
サーの動作について説明する。半導体レーザー214
は、LDドライバー218からの電流供給を受けて、一
方向直線偏光成分を有する発散光ビームを生成する。半
導体レーザー214から射出された発散光ビームは、レ
ンズ216によって平行光ビームに変換され、偏光ビー
ムスプリッター222で反射される。その反射光は、1
/4波長板220を通過することで、直線偏光から円偏
光に変換される。この円偏光から成る平行光ビームは、
固定台204に形成された開ロ206を通ってスキャナ
ー202の内部に入り、平面鏡210に達し、そこで反
射される。
【0045】その反射光ビームは再度1/4波長板22
0を通過し、これにより、最初の直線偏光に対して方位
角が90°回転した直線偏光となる。この直線偏光から
成るビームは偏光ビームスプリッター222を通過し、
レンズ232によって集束光ビームに変えられ、ハーフ
ミラー234によって二つに分割される。ハーフミラー
234を通過した収束光ビームはポジションディテクタ
ー236に入射し、一方、ハーフミラー234で反射さ
れた収束光ビームはポジションディテクター238に入
射する。
【0046】ポジションディテクター238はレンズ2
32の焦点面近傍に配置されており、ポジションディテ
クター236はそれよりもレンズ232寄りに配置され
ているため、ポジションディテクター236には、ポジ
ションディテクター238に形成されるスポットよりも
大きいスポットが形成される。
【0047】スキャナー202が変位していない場合、
ポジションディテクター236と238に形成されるス
ポットはそれぞれの受光面の中心に形成される。すなわ
ち、四つの受光部236aと236bと236cと23
6dの各々に等しい光量のビームが入射し、同様に、四
つの受光部238aと238bと238cと238dの
各々に等しい光量のビームが入射する。
【0048】一方、スキャナー202が例えば図9に示
されるように変位している場合、スキャナー202の内
部に入射する光ビームの光軸に対して平面鏡210が傾
斜する。例えば、スキャナー202のy方向の変位に対
して、平面鏡210はx軸を中心に傾斜する。具体的に
は、スキャナー202の先端が基準状態に対してθの傾
きを有している場合、平面鏡210に入射した光ビーム
は入射ビームに対して2θの角度をもって反射される。
その結果、ポジションディテクター236と238に形
成されるスポットは、平面鏡210の傾斜角に対応し
て、ポジションディテクター236と238の受光面の
中心からずれる。
【0049】ここで、平面鏡210の傾斜角θとスポッ
トの移動量の関係について図10を用いて説明する。ポ
ジションディテクター238はレンズ232の焦点面に
配置されており、両者の相対的な位置関係は概略的に図
10(A)で示される。また、ポジションディテクター
236はレンズ232の焦点面よりもレンズ寄りに配置
されており、両者の相対的な位置関係は概略的に図10
(B)で示される。
【0050】レンズ232とポジションディテクター2
38の間隔をf1 (これはレンズ232の焦点距離に等
しい)とすると、平面鏡210の傾斜角θに対するポジ
ションディテクター238上のスポットの移動量d1
(θ)はd1 (θ)=f1 sin(2θ)で与えられ
る。また、レンズ232とポジションディテクター23
6の間隔をf2 とすると、平面鏡210の傾斜角θに対
するポジションディテクター236上のスポットの移動
量d2 (θ)はd2 (θ)=f2 sin(2θ)で与え
られる。
【0051】f1 >f2 であるから、同じ平面鏡210
の傾斜θに対して、ポジションディテクター238上の
スポットの移動量d1 の方が、ポジションディテクター
236上のスポットの移動量d2 よりも大きいことが分
かる。
【0052】以上の議論は、図9において、スキャナー
202の自由端のy方向の変位に対応して、平面鏡21
0に傾斜角θが生じるものとしてのものであるが、これ
はそのままx方向の変位に対しても適用できる。
【0053】スキャナー202の自由端の傾斜角度はそ
の変位量に依存しており、従って、スキャナー202す
なわちステージ208の移動量はポジションディテクタ
ー236と238に形成されるスポットの移動量から求
められる。
【0054】受光部236aと受光部238aの出カを
代表的にAで表し、同様に、受光部236bと受光部2
38bの出力を代表的にB、受光部236cと受光部2
38cの出カを代表的にC、受光部236dと受光部2
38dの出カを代表的にDで表すと、スポットが各受光
部間の境界から外れない範囲において、スポットのx方
向の移動量(言い換えればステージ208のx方向の変
位)dxは dx=k{(A+D)−(B+C)} で求められ、スポットのy方向の移動量(言い換えれば
ステージ208のy方向の変位)dyは dy=k{(A+D)−(B+C)} で求められる。ここにkは所定の比例定数kである。
【0055】この演算は、演算回路240において、ポ
ジションディテクター236の受光部236aと236
bと236cと236dの各出カおよびポジションディ
テクター238の受光部238aと238bと238c
と238dの各出力に対して行われる。
【0056】図10に示されるように、ポジションディ
テクター236の受光面に形成されるスポットはポジシ
ョンディテクター238の受光面に形成されるスポット
よりも大きく、また、前述したように、平面鏡210の
同じ傾斜に対するポジションディテクター238上のス
ポットの移動量の方がポジションディテクター236上
のスポットの移動量よりも大きいことから、ポジション
ディテクター238の受光部238aと238bと23
8cと238dの出力に基づいて得られる変位信号はダ
イナミックレンジは狭いが感度が高く、これとは反対
に、ポジションディテクター236の受光部236aと
236bと236cと236dの出力に基づいて得られ
る変位信号は感度は低いがダイナミックレンジが広いこ
とが分かる。
【0057】続いて、第三の実施の形態によるスキャナ
ーシステムについて説明する。図11は、第三の実施の
形態によるスキャナーシステムの概略構成を一部破断し
て示している。
【0058】チューブ型の圧電体スキャナー(チューブ
スキャナー)302は、詳細な構成の図示は省略してい
るが、チューブ状すなわち両端が開口した円筒状に形成
された圧電体の内周面に単一の共通電極を設けるととも
に外周面にその周方向に4つまたは5つの駆動電極を設
けて構成されている。このスキャナー302はその下端
が固定台304に固定されている。スキャナー302の
上端すなわち自由端にはステージ308が固定されてい
る。このステージ308に試料あるいはプローブが装着
される。
【0059】ステージ308の下面には、平面鏡310
がその反射面を下に向けて固定されている。固定台30
4には、スキャナー302と同軸に孔306が形成され
ており、1/4波長板320と偏光ビームスプリッター
320と平面鏡310と一直線上に配置されている。偏
光ビームスプリッター322の下方には、図示しない支
持部材により支持されている光源部312が配置されて
いる。この光源部312は、半導体レーザー314と、
これを駆動するためのLDドライバー318と、半導体
レーザー314の射出側に配置されたコリメータレンズ
316とで構成されている。
【0060】偏光ビームスプリッター322の側方に
は、絞り径が可変な絞り330と、集光レンズ332
と、ポジションディテクター334とが一直線上に配置
されている。絞り330は、例えば、径の異なる複数の
開口が形成され回転可能に支持された円板で構成され
る。あるいは、複数の羽状の絞り板からなる虹彩絞りで
構成されてもよい。
【0061】ポジションディテクター334は四つの受
光領域を有し、その中心が光軸上に位置するように配置
されている。ポジションディテクター334の受光領域
は、プリアンブ336を介して、その出力に基づいてス
キャナー302の変位を算出する演算回路338に接続
されている。
【0062】スキャナー302を駆動するスキャナード
ライバー344は、波形発生器346で発生される基準
波形(基準電圧)に基づいて制御信号を生成するスキャ
ンコントローラー340に接続されている。このスキャ
ンコントローラー340は、演算回路338から入カさ
れる変位信号に基づいて、スキャナー302の非直線性
を補正する非直線性補正手段342を含んでいる。
【0063】演算回路338は増幅されたポジションデ
ィテクター334の出力信号からスキャナー302の変
位を求め、その変位を示す変位信号をスキャンコントロ
ーラー340に供給する。スキャンコントローラー34
0は、波形発生器346で発生される基準電圧に対して
所定の処理(後述するフィードバック制御のための処理
やスキャナー302の動きをxy方向から回転させたり
ずらしたりするための処理など)を行ない、x方向の制
御信号およびy方向の制御信号をスキャナードライバー
344へ出力する。その際、非直線性補正手段342
は、演算回路338から供給される変位信号に基づいて
生成される制御信号に所定の補正を加える。スキャナー
ドライバー344は、供給される制御信号に従ってスキ
ャナー302の四つの駆動電極に選択的に電圧印加を行
ない、スキャナー302を変位させる。
【0064】次に、この様に構成されたスキャナーシス
テムの変位センサーの動作について述べる。スキャナー
ドライバー344がスキャナー302の四つの駆動電極
のいずれにも電圧を印加していない状態では、スキャナ
ー302は変位しておらず基準状態にある。また、スキ
ャナードライバー344がスキャンコントローラー34
0から出カされる制御信号に基づいてスキャナー302
の四つの駆動電極に選択的に電圧印加を行なうと、その
電圧印加に応じてスキャナー302が変位する。
【0065】光源部312から射出された直線偏光であ
る平行ビームは、偏光ビームスプリツター322を通っ
て1/4波長板320に入射する。この1/4波長板3
20で入射光ビームの直線偏光成分は円偏光成分に変換
される。
【0066】1/4波長板320を透過した光ビーム
は、固定台304の孔306を通って平面鏡310へ入
射する。この入射光ビームは平面鏡310で反射され
て、再度1/4波長板320に入射する。1/4波長板
320を透過した光ビームは、1/4波長板320の二
度の通過で、1/4波長板320に入射する前の直線偏
光成分とは直交した直線偏光成分を持つ光ビームとな
る。
【0067】1/4波長板320を通過した光ビーム
は、偏光ビームスプリッター322で反射される。反射
された光ビームは、絞り径を変えることのできる絞り3
30を介し、集光レンズ332に入射し、ポジションデ
ィテクター334の受光面に集光され、光スポットを形
成する。この光スポットは、ステージ308の傾斜すな
わちスキャナー302の変位に対応して、中心より変位
した位置に形成される。
【0068】スキャナー302が図に示される様に変位
している場合、平面鏡310は、スキャナー320の内
部に入射した光ビームの光軸に対して傾きθを持つ。従
って、平面鏡310に入射した光ビームは、2θの角度
をもって反射される。
【0069】平面鏡310で反射された光ビームは、1
/4波長板320および偏光ビームスプリツター322
を経て、絞り径を可変な絞り330に入射する。絞り3
30の絞り径を小さくすることにより、例えば偏光ビー
ムスプリッター322の表面反射や1/4波長板320
などの表面反射により発生するノイズ光を除去し、測定
用の光ビームだけを取り出すことができる。絞り330
を通過した光は四つの受光領域を有するポジションディ
テクター334の受光面に光スポットを形成する。この
とき、光ビームは平面鏡310において入射光ビームに
対して2θの角度で反射しているため、光スポットの形
成位置は平面鏡310の傾き方向に応じて変位する。
【0070】ポジションディテクター334は、集光レ
ンズ332の焦点位置に配置すると、光スポットが小さ
いため、移動量が大きくなると蹴られ始め、移動検出範
囲が小さくなるため、若干光軸方向にずらしてある。つ
まり、ポジションディテクター334は、集光レンズ3
32の焦点位置よりもレンズ332の近くに配置されて
いる。
【0071】ポジションディテクター334の受光面上
における光スポットの受光面中心からの変位量Dは近似
的に D=fsin(2θ) で表される。ここにfは集光レンズ332の焦点距離で
ある。
【0072】ここで絞り330の径を図中に破線で示さ
れるように小さくすると、集光レンズ332から射出さ
れる光ビームの開口角が小さくなり、ポジションディテ
クター334の受光面上に形成される光スポット径が小
さくなる。その結果、光スポット径に対する変位量の比
が大きくなるので、高い分解能での測定が可能となる。
また、絞り330の径を大きくすると、集光レンズ33
2から射出される光ビームの開口角が大きくなり、ポジ
ションディテクター334の受光面上に形成される光ス
ポット径が大きくなる。その結果、光スポット径に対す
る変位量の比が小さくなるので分解能は低下するが、広
い領域に渡って測定が可能である。
【0073】ポジションディテクター334の受光面上
の光スポットの変位方向と変位量は平面鏡310の傾き
方向と傾き角に対応しており、平面鏡310の傾き方向
と傾き角はステージ308の変位方向と変位量に対応し
ている。演算回路338はポジションディテクター33
4の出カ信号に対して所定の演算を行なうことにより、
ポジションディテクター334の受光面上の光スポット
の変位方向と変位量を算出し、光スポットの変位方向と
変位量から平面鏡310の傾き方向と傾き角を求め、平
面鏡310の傾き方向と傾き角からステージ308の変
位方向と変位量を求める。
【0074】具体的には、ポジションディテクター33
4の受光面上における光スポットのx方向の変位量dx
とy方向の変位量dyは、ポジションディテクター33
4の各受光領域の出力信号をそれぞれA,B,C,Dと
して、 dx={(A+D)−(B+C)}/(A+B+C+
D) dy={(A+B)−(C+D)}/(A+B+C+
D) で得られる。
【0075】スキャンコントローラー340は、波形発
生器346から出カされる基準波形に基づいて、ステー
ジ308を所定状態に変位させるためのx方向の制御信
号とy方向の制御信号を生成する。所望のステージ30
8の状態と実際のステージ308の状態との間には、ス
キャナー302を構成する圧電体の変位に生じるヒステ
リシスやクリープなどのために偏差が存在する。非線形
性補正手段342は、モニター信号を監視し、所望のス
テージ308の状態とモニター信号が示す実際のステー
ジ308の状態との偏差を求め、これを補償するよう
に、前述の生成された制御信号に補正を加える。すなわ
ち、スキャンコントローラー340は、演算回路338
で求められる実際のステージ308の状態が所望の状態
となるようにフィードバック制御を行なう。
【0076】実際のステージ308の状態(傾き角θお
よび傾き方向)が光学的に検出され、この検出される実
際のステージ308の状態が所望の状態となるようにフ
ィードバック制御されるので、ステージ308の状態
は、スキャナー302を構成する圧電体の変位にヒステ
リシスやクリープなどの影響を受けないものとなり、ス
テージ308の状態が良好に制御される。
【0077】次に、上述した第三の実施の形態のスキャ
ナーシステムの変形例について説明する。図12は、こ
の変形例によるスキャナーシステムの概略構成を一部破
断して示している。図中、第三の実施の形態において既
に説明した部材と同じ部材は同じ参照符号で示し、その
詳しい説明は省略する。
【0078】この変形例は、図12から分かるように、
前述した第三の実施の形態のスキャナーシステム(図1
1)に、スキャン範囲を設定するスキャン範囲設定部3
48と、設定されたスキャン範囲に応じて絞り330の
絞り径を調整する絞り調整部350とを付加した構成と
なっている。
【0079】波形発生器346は、スキャン設定部34
8で設定されるスキャン範囲に基づいて基準波形(基準
電圧)を生成する。また、絞り調整部350は、スキャ
ン設定部348で設定されたスキャン範囲に応じて、絞
り330の絞り径を変更する。具体的には、スキャン設
定部348において広いスキャン範囲が設定された場合
には、絞り調整部350は絞り径が大きくなるように絞
り330を調整し、スキャン設定部348において狭い
スキャン範囲が設定された場合には、絞り調整部350
は絞り径が小さくなるように絞り330を調整する。
【0080】前述したように、絞り調整部850の絞り
径が大きい場合には、感度は低いが、平面鏡310の傾
き角の検出可能な範囲、言い換えればステージ308の
変位の検出可能な範囲は広い。逆に、絞り調整部350
の絞り径が小さい場合には、感度は高いが、平面鏡31
0の傾き角の検出可能な範囲、言い換えればステージ3
08の変位の検出可能な範囲は狭い。
【0081】絞り調整部350は、検出可能なステージ
308の変位の範囲がスキャン範囲設定部348で設定
されるスキャン範囲に等しいかあるいはこれよりも僅か
に広くなるように、絞り330の絞り径を調整する。
【0082】例えば、絞り330が複数の羽状の絞り板
からなる虹彩絞りで構成されている場合には、この条件
を最も良く満足するように絞り径が調整される。また、
絞り330が径の異なる複数の開口が形成され回転可能
に支持された円板で構成されている場合には、この条件
を満たす開口の中から適当な開口が光路上に配置され
る。
【0083】このような絞り330の調整を行なうこと
により、スキャン範囲に合った最適な感度で、平面鏡3
10の状態を検出するための信号を得ることができる。
ポジションディテクター334で検出される信号は、前
述した第三実施形態と全く同様に処理される。すなわ
ち、ポジションディテクター334で得られる情報に基
づいて実際のステージ308の状態(傾き角θおよび傾
き方向)を検出し、この検出される実際のステージ30
8の状態が所望の状態となるようにフィードバック制御
する。これにより、ステージ808の状態は、スキャナ
ー302のヒステリシスやクリープなどの影響が除去さ
れ、良好に制御される。
【0084】ここに説明した第三の実施の形態およびそ
の変形例では所望のステージ状態を得るためにフィード
バック制御を行なっているが、例えばSTMやAFMの
場合には演算回路338からのモニター信号に合わせて
xy座標を新たにコンピューター上におこし、このxy
座標上にSTM信号やAFM信号を再配置する画像処理
を行なうことにより所望のステージ状態を得ることもで
きる。
【0085】光源312の発光手段に半導体レーザー3
14を用いているが、LED等の他の発光手段を適用し
てもよい。LEDを適用した場合には干渉による悪影響
が生じないので、1/4波長板320と偏光ビームスプ
リッター322に代えてハーフミラーを用いることがで
き、構成の簡略化を図ることができる。本発明は上述し
た実施の形態に何等限定されるものではなく、その要旨
を逸脱しない範囲で行なわれる全ての実施を含む。
【0086】
【発明の効果】本発明によれば、機構の大型化や複雑化
を伴なうことなく、ダイナミックレンジや分解能を変更
できるスキャナーシステムの変位センサーが提供され
る。従って、このスキャナーシステムは、高い剛性が要
求される走査型プローブ顕微鏡に好適に適用でき、探針
または試料を支持するステージの変位を広範な走査範囲
にわたり高精度に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施の形態によるスキャナーシステムの
概略構成を一部破断して示している。
【図2】図1に示されるポジションディテクターに含ま
れる四つの受光素子を概略的に示している。
【図3】図1に示される二重焦点光学系のひとつの具体
例を示している。
【図4】図1に示される二重焦点光学系の別の具体例を
示している。
【図5】図1に示される二重焦点光学系の更に別の具体
例を示している。
【図6】焦点位置OAに集光する集光光線によってポジ
ションディテクター上に形成されるスポットおよびスポ
ットの位置と鏡の傾斜の関係を示している。
【図7】焦点位置OBに集光する集光光線によってポジ
ションディテクター上に形成されるスポットおよびスポ
ットの位置と鏡の傾斜の関係を示している。
【図8】第二の実施の形態によるスキャナーシステムの
概略構成を一部破断して示している。
【図9】図8に示される平面鏡の傾斜とポジションディ
テクター上に形成されるスポットの位置の関係を示して
いる。
【図10】図8においてレンズから二つのポジションデ
ィテクターまでの距離とポジションディテクター上に形
成されるスポットの大きさの関係を示している。
【図11】第三の実施の形態によるスキャナーシステム
の概略構成を一部破断して示している。
【図12】図11に示されるスキャナーシステムの変形
例の概略構成を一部破断して示している。
【符号の説明】
110 鏡 112 光源 120 1/4波長板 122 偏光ビームスプリッター 124 ポジションディテクター 126 演算回路 130 二重焦点光学系

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チューブスキャナーの自由端に固定され
    たステージの変位を検出するスキャナーシステムの変位
    センサーであり、 ステージの裏側に固定された鏡と、 変位検出のための光ビームを射出する光源と、 光源からの光ビームを鏡に導く手段と、 鏡で反射された光ビームを第一の焦点または第二の焦点
    のいずれかに集光させる二重焦点光学系と、 第一の焦点または第二の焦点の近くに配置されたポジシ
    ョンディテクターで、二重焦点光学系による焦点の切り
    換えに応じて受光面に形成されるスポットの径が切り換
    えられるポジションディテクターと、 ポジションディテクターの出カに基づいてステージの変
    位を算出する演算部とを有しているスキャナーシステム
    の変位センサー。
  2. 【請求項2】 チューブスキャナーの自由端に固定され
    たステージの変位を検出するスキャナーシステムの変位
    センサーであり、 ステージの裏側に固定された平面鏡と、 変位検出のための光ビームを射出する光源と、 光源からの光ビームを平面鏡に導く手段と、 平面鏡で反射された光ビームを収束性光ビームに変換す
    るレンズ手段と、 収束性光ビームを二本に分割するビーム分割手段と、 分割された二本の収束性光ビームの各々の光路上に一つ
    ずつ設けられた計二つのポジションディテクターで、そ
    の一方はレンズ手段の焦点の近くに配置されており、こ
    のためその受光面には比較的小さい光スポットが形成さ
    れ、他方の受光面には比較的大きい光スポットが形成さ
    れる、二つのポジションディテクターと、 二つのポジションディテクターのそれぞれの出力に基づ
    いてステージの変位を算出する演算部とを有しているス
    キャナーシステムの変位センサー。
  3. 【請求項3】 チューブスキャナーの自由端に固定され
    たステージの変位を検出するスキャナーシステムの変位
    センサーであり、 ステージの裏側に固定された平面鏡と、 変位検出のための光ビームを射出する光源と、 光源からの光ビームを平面鏡に導く手段と、 平面鏡で反射された光ビームを収束性光ビームに変換す
    るレンズ手段と、 収束性光ビームの光路上に配置されたポジションディテ
    クターと、 平面鏡からポジションディテクターに至る間に設けられ
    た絞り径を変更可能な絞りであり、入射する光ビームの
    径を適宜制限することによりポジションディテクター上
    に形成される光スポットの大きさを変更し得る絞り径を
    変更可能な絞りと、 ポジションディテクターの出カに基づいてステージの変
    位を算出する演算部とを有しているスキャナーシステム
    の変位センサー。
JP31973597A 1997-11-20 1997-11-20 スキャナーシステムの変位センサー Withdrawn JPH11153405A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31973597A JPH11153405A (ja) 1997-11-20 1997-11-20 スキャナーシステムの変位センサー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31973597A JPH11153405A (ja) 1997-11-20 1997-11-20 スキャナーシステムの変位センサー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11153405A true JPH11153405A (ja) 1999-06-08

Family

ID=18113601

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31973597A Withdrawn JPH11153405A (ja) 1997-11-20 1997-11-20 スキャナーシステムの変位センサー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11153405A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006250636A (ja) * 2005-03-09 2006-09-21 Hitachi Kenki Fine Tech Co Ltd 移動装置
JP2010181247A (ja) * 2009-02-05 2010-08-19 Nokodai Tlo Kk 形状測定装置及び形状測定方法
TWI507657B (zh) * 2013-12-09 2015-11-11 Panasonic Ind Devices Sunx Co Displacement sensor
CN112902838A (zh) * 2021-01-19 2021-06-04 上海集成电路装备材料产业创新中心有限公司 一种零位传感器及检测***

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006250636A (ja) * 2005-03-09 2006-09-21 Hitachi Kenki Fine Tech Co Ltd 移動装置
JP2010181247A (ja) * 2009-02-05 2010-08-19 Nokodai Tlo Kk 形状測定装置及び形状測定方法
TWI507657B (zh) * 2013-12-09 2015-11-11 Panasonic Ind Devices Sunx Co Displacement sensor
CN112902838A (zh) * 2021-01-19 2021-06-04 上海集成电路装备材料产业创新中心有限公司 一种零位传感器及检测***

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007333743A (ja) 走査型プローブ顕微鏡用の装置及び方法
WO2006090593A1 (ja) 走査型プローブ顕微鏡用変位検出機構およびこれを用いた走査型プローブ顕微鏡
JPH11153405A (ja) スキャナーシステムの変位センサー
JP3349779B2 (ja) スキャナシステム及びこれを用いた走査型顕微鏡
JPH07128595A (ja) 光学顕微鏡を用いて緻密なライン幅構造を映像化する方法及び装置
US20070242329A1 (en) Multibeam Internal Drum Scanning System
JP4589931B2 (ja) 小型光走査装置
JPH08278317A (ja) 原子間力顕微鏡
JP3353965B2 (ja) スキャナシステム及びこれを用いた走査型顕微鏡
JP2005147979A (ja) 走査形プローブ顕微鏡
JPH09105865A (ja) 走査型近接場光学顕微鏡
JPH06289305A (ja) 走査ユニット
US6748795B1 (en) Pendulum scanner for scanning probe microscope
JPH09171028A (ja) スキャナシステム
JPH07244058A (ja) 表面形状測定装置
JPH1019906A (ja) プローブ駆動装置及びこれを用いた走査型プローブ顕微鏡
US10564181B2 (en) Atomic force microscope with optical guiding mechanism
JPH07134132A (ja) 走査型プローブ顕微鏡
JPH08329488A (ja) 焦点ズレ補正装置
JPH0980059A (ja) スキャナーシステム
JP3327041B2 (ja) 原子間力顕微鏡
JPH028809A (ja) 走査式光学装置及びその調整方法
JP2000304755A (ja) 走査型近接場顕微鏡
JPH07311029A (ja) 微動装置及び走査型プローブ顕微鏡
JP2004198192A (ja) 光学系の偏心量測定機及び偏心量測定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050201