JPH11152552A - Al−Zn−Si系合金の加工方法 - Google Patents
Al−Zn−Si系合金の加工方法Info
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Abstract
加工変形抵抗を小さくして大型製品の鍛造も可能になる
他、プレス金型の寿命を延ばすことができると共に、作
業の効率化が図れるアルミニウム系合金の加工方法を提
供すること。 【解決手段】 重量%で、Zn:10〜25%、Si:
4〜12%、Cu:0.05〜2.0%、Mn:0.1
〜0.5%、Mg:0.02〜0.2%、Fe:0〜
1.0%を含み、残部がAlと不可避物質からなること
を特徴とする鋳造と加工性に優れたAl−Zn−Si系
合金を120℃〜380℃、好ましくは200〜350
℃で鍛造加工又は圧延加工等の塑性加工を施す。
Description
系のアルミニウム合金の加工方法、詳しくは、特定の成
分組成を有するAl−Zn−Si系のアルミニウム合金
を鋳造後、鍛造(プレスを含む)又は圧延加工等の塑性
加工を施すAl−Zn−Si系のアルミニウム合金の加
工方法及び該塑性加工して得られる加工品に関する。
に、Siを5〜7重量%含有し鋳造性を向上させたJI
S AC2B,AC4Cなどが知られているが、これら
の合金は、稀に鍛造用として使用されることはあるが、
あくまでも鋳造用を目的とした合金である。また特開平
4−192942号公報や特開平5−188191号公
報に記載されているような鋳造と鍛造を組み合わせた、
いわゆる鋳鍛造法と呼ばれる方法でSiを含むアルミニ
ウム系合金によりスクロール(冷凍機などのコンプレッ
サー部品で複雑な形状をしている)を製造することも知
られている。
明の合金と一部組成が重複するダイカスト用アルミニウ
ム鋳造用合金が優れた機械的性質、特に機械強度あるい
は耐磨耗性を有することは開示されているが、かかる合
金が鋳造性に優れ、比較的低温度で加工ができることに
ついては知られていなかった。
性に優れ、比較的低温度で加工ができ、加工変形抵抗を
小さくして大型製品の鍛造も可能になる他、プレス金型
の寿命を延ばすことができると共に、作業の効率化が図
れるアルミニウム系合金の加工方法を提供することにあ
る。
を解決すべく鋭意研究した結果、アルミニウム鋳造用合
金に亜鉛を10〜25重量%含有するAl−Zn−Si
系のアルミニウム合金が、比較的低温度で加工ができ、
加工変形抵抗が小さく、大型製品の鍛造も可能であり、
さらに鋳造性も良好であることを見出し、本発明を完成
するに至った。
〜25%、Si:4〜12%、Cu:0.05〜2.0
%、Mn:0.1〜0.5%、Mg:0.02〜0.2
%、Fe:0〜1.0%を含み、残部がAlと不可避物
質からなることを特徴とする鋳造と加工性に優れたAl
−Zn−Si系合金を120℃〜380℃、好ましくは
200〜350℃で鍛造加工又は圧延加工等の塑性加工
をすることを特徴とするAl−Zn−Si系合金の加工
方法やかかる加工方法により得られる加工品に関する。
すなわち以下に説明する成分・組成からなる合金が、従
来のアルミニウム鋳造合金には知られていない、優れた
加工性を有するものであり、特に従来のアルミニウム鋳
造合金の鋳造性を損なわずに、低い温度で加工ができ
る、ということを見出したことにより、従来不可能とさ
れていた大型の製品にもかかる合金が適用でき、用途の
拡大が期待できるものである。
金は、Zn(亜鉛)を10〜25重量%、より好ましく
は13〜15重量%含有している。Znは初晶内に固溶
し室温では強度や硬さを向上させる効果があり、また、
Znを含むことによって120℃から急激に軟化し加工
変形抵抗が著しく低下し、加工性を向上させることがで
きる。Znの好ましい範囲は10重量%〜25重量%で
10重量%未満では加工性が向上せず、25重量%を超
えると脆くなり加工性が低下すると共に、熱間割れが生
じやすい。
金は、Si(ケイ素)を4〜12重量%含有している。
Siは鋳造性を向上させる効果があり、ZnとAlとが
共存すると3元共晶を形成する。Siが12重量%を超
えると粗大な初晶Siが晶出し加工性が著しく低下す
る。また、4重量%未満では鋳造性が低下し凝固時の欠
陥が多くなる。したがって、Siの好ましい範囲は4〜
12重量%で、さらに7〜9重量%がより好ましい。ま
た、ZnとSiの量比のバランスによっては熱間割れが
生じやすくなる傾向があるので、SiはZn100重量
部に対し16〜120重量部使用することが望ましい。
金は、Cu(銅)を0.05〜2.0重量%、好ましく
は0.5〜1.0重量%含有している。Cuは強度と硬
度の向上に効果的であり、その含有量が0.05重量%
未満ではその効果が少なく、1.0重量%を越えると金
属間化合物を形成し加工性が劣り好ましくない。
金は、Mn(マンガン)を0.1〜0.5重量%含有し
ている。Mnを含むことによって、Feを含む針状の金
属間化合物を塊状にし、加工性を向上させる。加工性を
向上させるための好ましい範囲は0.1〜0.5重量%
で、0.1重量%未満では効果がなく、0.5重量%を
超えると脆くなり加工性が低下する。含有量が0.2〜
0.4重量%であると、加工性の点でさらに好ましい。
金は、Mg(マグネシウム)を0.02〜0.2重量%
含有している。Mgは強度に効果的な役割を果たし、わ
ずかな含有量で強度が向上する。強度を向上させるため
の好ましい範囲は0.02重量%〜0.2重量%で、
0.02重量%未満では効果がなく、0.2重量%を超
えると脆くなり、加工性が低下する。含有量が0.04
〜0.1重量%であると、強度の点でさらに好ましい。
金は、Fe(鉄)が0〜1.0重量%含まれている。F
eが多く含まれると針状の金属間化合物が粗大に晶出
し、加工性が低下する。したがって、本発明のAl−Z
n−Si系合金としては、Feを含まないものが望まし
いが、実際には不可避的に微量、例えば0.01重量%
程度含まれることが多い。本発明に用いられるAl−Z
n−Si系合金におけるFeの許容含量は1重量%以下
であり、好ましくは0.6重量%以下である。
金は、上記各範囲の合金成分を含んでなり、残部はアル
ミニウム及び不可避不純物からなる。不可避不純物とし
ては、合金成分そのものに含まれている不純物や、合金
作製時に混入する不純物等があり、工業用原料から合金
を作製する場合、通常0.1〜0.2重量%含まれるこ
とが多い。
発明の合金加工方法は、かかる鋳造と加工性に優れた合
金を120℃〜380℃で塑性加工をすることを特徴と
するものである。380℃を越える温度でも鍛造加工又
は圧延加工等の塑性加工をすることができるが、一般的
にプレス金型や圧延ロールなどの材質は鉄鋼系で380
℃を超えると硬さの低下や繰り返しの熱応力が原因で発
生する型割れなどが発生し、他方、120℃未満の温度
で鍛造加工又は圧延加工等の塑性加工をすると、加工品
に割れが発生するなど適切な製品が得られないことか
ら、上記のように120℃から380℃という低温度範
囲で加工することが好ましく、更に200℃から350
℃が経済的にみてより好ましい。
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 第1表に示される化学組成をもったアルミニウム合金を
黒鉛坩堝で溶製し、40×20×200mmの金型に鋳
造し、続いて400℃で2時間溶体化処理を行った。こ
れらの試料のNo.1〜No.7は本発明に用いられる
合金(以下「本発明合金」という)であり、試料No.
8〜No.17は比較のために調製された合金(以下
「比較合金」という)であり、試料No.18及びN
o.19は、それぞれ実用化されているJIS AC4
CH規定の鋳造用アルミニウム合金AC4C及びJIS
AC8A規定の鋳造用アルミニウム合金(以下「従来
合金」という)である。比較合金及び従来合金は、いず
れも本発明合金の成分範囲から外れたものである。
重工業製の圧延機で圧下率90重量%まで圧延した加工
品の割れの発生状態を試験した結果であり、また1パス
の圧下率は5重量%とし連続して行った。なお、割れの
発生は目視で判定し、割れが一箇所でも確認されたもの
は、割れが発生したものとみなした。
金、比較合金及び従来合金を再度溶解し、20φmm×
50mmの金型に融点から50℃高い温度で鋳造し、金
型の温度は150℃一定とした。鋳造性は熱間割れの状
態と引け巣の観察から判断し、鋳造時に割れや丸棒表面
や底部に引けが発生したものは鋳造性が悪いものと判断
した。総合評価として圧延時の割れの発生がなく、鋳造
性が良好なものを○とした。
べ、圧下率90%という過酷な加工条件でも割れの発生
がなく優れた加工性を有すると共に、鋳造時の熱間割れ
や引けもないことが確認された。
黒鉛坩堝で溶製し、40×20×200mmの金型に鋳
造し、続いて400℃で2時間溶体化処理を行った後、
100℃から400℃の温度で圧下率90%まで圧延し
た加工品の割れの発生状態を試験した結果である。また
1パスの圧下率は5%とし連続して行った。なお割れの
発生は目視で判定し、割れが一箇所でも確認されたもの
は、割れが発生したものと見なし×とした。また割れの
発生がないものを○とした。第3表より、本発明合金は
従来合金に比べ低温度でも優れた加工性を有することが
明かであるが、100℃で圧延したときは割れが発生
し、400℃で圧延したときには割れの発生はなかった
が、ロールや金型に劣化が認められた。
れていたAl−Si系の鋳造合金の加工が可能となり、
鍛造用、鋳造鍛造用および押出し、圧延等の加工もする
ことができ、加工変形抵抗が小さくなって大型製品の鍛
造も可能となり、さらに鋳造性も良好なことから、製品
に近い形状に鋳造することができ、従来複数の工程を行
っていた加工を大幅に省略することができる。しかも1
20℃〜380℃という低温度での加工により、金型寿
命も伸びかつ作業の効率化が図れて経済的である。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量%で、 Zn:10〜25%、 Si:4〜12%、 Cu:0.05〜2.0%、 Mn:0.1〜0.5
%、 Mg:0.02〜0.2%、 Fe:0〜1.0%、を
含み、残部がAlと不可避物質からなる鋳造と加工性に
優れた合金を120℃〜380℃で塑性加工をすること
を特徴とするAl−Zn−Si系合金の加工方法。 - 【請求項2】 120℃〜380℃が、200℃〜35
0℃であることを特徴とする請求項1記載のAl−Zn
−Si系合金の加工方法。 - 【請求項3】 塑性加工が、鍛造加工又は圧延加工であ
ることを特徴とする請求項1又は2記載のAl−Zn−
Si系合金の加工方法。 - 【請求項4】 重量%で、 Zn:10〜25%、 Si:4〜12%、 Cu:0.05〜2.0%、 Mn:0.1〜0.5
%、 Mg:0.02〜0.2%、 Fe:0〜1.0%、を
含み、残部がAlと不可避物質からなるAl−Zn−S
i系合金を塑性加工して得られることを特徴とする加工
品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32973297A JP3769646B2 (ja) | 1997-11-14 | 1997-11-14 | Al−Zn−Si系合金の加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JPH11152552A true JPH11152552A (ja) | 1999-06-08 |
JP3769646B2 JP3769646B2 (ja) | 2006-04-26 |
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JP32973297A Expired - Lifetime JP3769646B2 (ja) | 1997-11-14 | 1997-11-14 | Al−Zn−Si系合金の加工方法 |
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Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101985708A (zh) * | 2010-11-08 | 2011-03-16 | 西安晟金新材料科技有限公司 | 轻型耐磨高锌铝基轴承实体保持架材料 |
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JP2022539416A (ja) * | 2019-07-05 | 2022-09-08 | ビーワイディー カンパニー リミテッド | アルミニウム合金、その製造方法及びアルミニウム合金の構造部材 |
-
1997
- 1997-11-14 JP JP32973297A patent/JP3769646B2/ja not_active Expired - Lifetime
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