JPH11152123A - 延伸樹脂容器 - Google Patents

延伸樹脂容器

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JPH11152123A
JPH11152123A JP32015497A JP32015497A JPH11152123A JP H11152123 A JPH11152123 A JP H11152123A JP 32015497 A JP32015497 A JP 32015497A JP 32015497 A JP32015497 A JP 32015497A JP H11152123 A JPH11152123 A JP H11152123A
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JP
Japan
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gate
thickness
container
valley
preform
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Application number
JP32015497A
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English (en)
Inventor
Kenji Matsuno
建治 松野
Nobuyuki Kato
信行 加藤
Kimio Takeuchi
公生 竹内
Hodaka Fukahori
穂高 深堀
Kazuhisa Hamada
和久 浜田
Yutaka Mukai
豊 向井
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Original Assignee
Individual
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D1/00Containers having bodies formed in one piece, e.g. by casting metallic material, by moulding plastics, by blowing vitreous material, by throwing ceramic material, by moulding pulped fibrous material, by deep-drawing operations performed on sheet material
    • B65D1/02Bottles or similar containers with necks or like restricted apertures, designed for pouring contents
    • B65D1/0223Bottles or similar containers with necks or like restricted apertures, designed for pouring contents characterised by shape
    • B65D1/0261Bottom construction
    • B65D1/0284Bottom construction having a discontinuous contact surface, e.g. discrete feet

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 底部の周辺に交互に配置された谷部と足部と
を有する自立性容器において、底部が、ゲート残部を含
めて、有効に高延伸配向状態に配向結晶化され、更に底
谷部の少なくとも一部に周状に配置された高延伸配向状
態の帯状厚肉部が形成されると共に、この帯状厚肉部に
対応する底足部の厚み減少が抑制されることにより、底
部の軽量化が可能であり、底部の耐熱耐圧性、耐ストレ
スクラック性、耐吸湿性等に優れ、容器の軸荷重強度、
耐衝撃強度等が向上した延伸樹脂容器を提供するにあ
る。 【解決手段】 樹脂の二軸延伸ブロー成形によって形成
された口頚部、肩部、胴部及び複数の足部と谷部を有す
る底部を備えた自立性容器において、上記胴部及び底部
が底中心ゲート残部を含めて高延伸配向層を有してお
り、且つ上記底谷部の少なくとも一部に周状に配置され
た高延伸配向状態の帯状厚肉部を有すると共にこの帯状
厚肉部に対応する底足部では厚みの減少が抑制されてい
ることを特徴とする延伸樹脂容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、底部に谷部と足部とか
ら成る自立構造を有しながら、優れた耐熱圧性と向上し
た破裂強度及び軸荷重強度とを有し、更に耐衝撃性、耐
ストレスクラッキング性、耐吸湿性にも優れている延伸
樹脂容器に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(PET)
の如き熱可塑性ポリエステルの二軸延伸ブロー成形容器
は、優れた透明性や表面光沢を有すると共に、瓶に必要
な耐衝撃性、剛性、ガスバリヤー性をも有しており、各
種液体の瓶詰容器、即ちボトルとして利用されている。
【0003】この二軸延伸ブロー成形容器においては、
胴部の器壁は高度な延伸配向状態にあり、これが容器の
耐熱性、耐衝撃性、透明性、ガスバリアー性を高めるの
に役立っているが、問題は、底部の延伸配向を十分に行
うことが困難であることにあって、これが容器の耐熱性
低下、耐圧性低下、耐衝撃性低下、更には自立安定性の
低下の原因となっている。
【0004】即ち、容器底部に未配向乃至低配向の部分
があると、この部分が圧力或いは更に熱の影響によりク
リープ変形を生じ、耐熱性、耐圧性等が低下するばかり
でなく、自立性容器では、この部分の膨出変形が容器の
自立安定性を低下させることになる。また、未配向乃至
低配向の部分は高配向部分に比して当然脆く、底部の落
下衝撃等を低下させている。
【0005】二軸延伸ブロー成形容器において、容器底
部の未配向乃至低配向部の取り扱いは面倒な問題であ
り、一つの手段として、この様な未配向乃至低配向状態
の厚肉の底部を熱固定して、熱結晶化を行うことが行わ
れている。
【0006】特開平8−267549号公報には、底部
の中央に厚肉の熱結晶化部を有し、その周囲を高延伸配
向状態にて薄肉化し、且つ熱固定したペタロイド底部を
有する容器を開示している。
【0007】また、容器底部をも可及的に高延伸して、
未配向部乃至低配向部を可及的に小さくすることも行わ
れている。
【0008】特開昭57−8123号公報には、低配向
部を減少させることを目的として、ポリエチレンテレフ
タレートから予備成形体を作成した後、二軸延伸ブロー
成形して中空容器を製造するに当たり、予備成形体を、
下記に定義する容器の肩部に相当する部位及び容器の底
部周辺に相当する部位の何れか一方または双方におい
て、該部位の肉厚がそれぞれの周辺の肉厚に対し、下記
式(1)、(2) t2 ≦t1 ‥(1) 0.5≦t2 /t3 ≦0.8 ‥(2) 式中、t1 容器の口部下端部に相当する予備成形体の肉
厚、または予備成形体の底部中央の肉厚、t2 容器の肩
部に相当する部位または容器の底部周辺に相当する部位
の予備成形体の肉厚、t3 容器の胴部に相当する部位の
予備成形体の肉厚 を満足するような形状のものとすることを特徴とする中
空容器の製造法が記載されている。
【0009】本発明者らの提案に係る特開平9−118
322号公報には、樹脂の二軸延伸ブロー成形によって
形成された口頚部、肩部、胴部及び複数の谷部及び足部
とよりなる底部を備えた自立性容器において、比較的低
延伸状態の底中心部を除く底部が1mm以下の厚みに薄
肉化され、結晶化度が20%以上に比較的高延伸状態に
て配向結晶化されており、且つ底中心部の直径Dc が胴
径D0 の1〜20%の範囲内にあることを特徴とする耐
熱耐圧性に優れた自立性容器が記載され、更に、延伸温
度に加熱されたプリフォームを金型内でプリフォーム内
部に挿入された延伸棒とプリフォーム外部のプレス棒と
でプリフォームの底中心部を挟み込み、次に延伸棒を駆
動しながら同時にプリフォーム内部に高圧気体を吹き込
むと共に、延伸加工が終了する直前までの間上記底中心
部の温度低下を40℃以内に保持して二軸延伸ブロー成
形を行い、これにより、底中心部を除き比較的高延伸状
態で薄肉化された、概ねドーム状の底部を有する2次成
形品とし、該2次成形品の少なくとも底部及び底部に連
なる胴部の一部を加熱収縮させて3次成形品とし、該3
次成形品を金型内にて2次ブロー成形して最終容器とす
ることを特徴とする耐熱耐圧性に優れた自立性容器の製
造方法が記載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記先
行技術の熱結晶化法では、容器底中央の熱結晶化部は、
プリフォーム底部を加熱、熱結晶化させることにより得
られるのであり、面倒な加熱工程が必要となる。
【0011】また、延伸ブロー成形容器の製造に用いら
れるプリフォームは、樹脂の射出成形で製造されるが、
このプリフォームの底部中心にはゲート部が必ず結合し
ている。このゲート部は、余分のものとしてこれを切り
取るトリミング操作乃至仕上げ操作を行っている。しか
しながら、このようなトリミング操作乃至仕上げ操作は
面倒な工程であると共に、切り取り寸法を一定にするこ
とが必ずしも容易でないという精度上の問題もある。特
に、容器底部の成形性を考慮してゲート部の長さを限り
なく零に近づけようとすると、トリミング操作後に研磨
等の仕上げ操作が必要となり、工程が増えて一層面倒な
ことになる。一方、ゲート残部がプリフォームに少し長
く残留すると、ゲート残部は体積が大きく、この部分が
熱結晶化により著しく脆化し、その脆化部がペタロイド
底部のかなりの部分を占めるようになるため、著しく耐
衝撃性が低下する問題が生じる。また、熱結晶化によ
り、低延伸配向状態の底部は白化するが、その領域が広
くなり過ぎると美観上好ましくないという問題もある。
【0012】一方、前記先行技術の底部高延伸法では、
底部のかなりの部分を高延伸することが可能であるが、
底中心のゲート残部には未だ未配向乃至低配向の部分が
存在するという問題がある。更に、前述した底部周辺対
応部分が薄肉化されたプリフォームを使用する方法で
は、容器底部周辺の薄肉化により、容器の軸荷重強度が
低下するという問題もある。
【0013】本発明者らは、プリフォームの底部を熱結
晶化することなく、またプリフォームのゲート残部をも
有効に利用して、ペタロイド底部を高延伸配向状態とす
る二軸延伸ブロー成形手段を鋭意検討した。その結果、
ブロー成形における底部の延伸成形は成形体の底中心部
であるゲート部が金型の底部に達した時点から顕著に行
われることを突き止めた。そして、成形体の底中心部が
金型底部に達する時点での底中心部及びその近傍の温度
低下を一定以下に小さくする手段を採用することによ
り、底部全体を、ゲート残部をも含めて、高延伸配向状
態に層状化できることを見いだした。更に、特定の寸法
形状のプリフォームを用いることにより、底谷部の少な
くとも一部に周状に配置された高延伸配向状態の帯状厚
肉部を形成させると共に、この帯状厚肉部に対応する底
足部の厚み減少を抑制することができ、これにより容器
の諸特性を顕著に向上させうることを見出した。
【0014】即ち、本発明の目的は、底部の周辺に交互
に配置された谷部と足部とを有する自立性容器におい
て、底部が、ゲート残部を含めて、有効に高延伸配向状
態に配向結晶化され、更に底谷部の少なくとも一部に周
状に配置された高延伸配向状態の帯状厚肉部が形成され
ると共に、この帯状厚肉部に対応する底足部の厚み減少
が抑制されることにより、底部の軽量化が可能であり、
底部の耐熱耐圧性、耐ストレスクラック性、耐吸湿性等
に優れ、容器の軸荷重強度、耐衝撃強度等が向上した延
伸樹脂容器を提供するにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、樹脂の
二軸延伸ブロー成形によって形成された口頚部、肩部、
胴部及び複数の足部と谷部を有する底部を備えた自立性
容器において、上記胴部及び底部が底中心ゲート残部を
含めて高延伸配向層を有しており、且つ上記底谷部の少
なくとも一部に周状に配置された高延伸配向状態の帯状
厚肉部を有すると共にこの帯状厚肉部に対応する底足部
では厚みの減少が抑制されていることを特徴とする延伸
樹脂容器が提供される。本発明の容器においては、 1.底谷部の帯状厚肉部の内周側端縁に対する垂線を含
む仮想円錐台面と、前記帯状厚肉部の外周側端縁に対す
る垂線を含む仮想円錐台面とで区画される空間内に、底
足部の先端部が含まれる位置関係に、底谷部の帯状厚肉
部と底足部とが設けられていること、 2.帯状厚肉部の肉厚が0.45乃至1.1mmの範囲
にあること、 3.底足先端部の肉厚が0.17mm以上に保持される
ように厚みの減少が抑制されていること、 4.上記高延伸配向層の配向に伴う結晶化度が20%以
上であること、 5.上記底中心ゲート残部及びその近傍を除く部分の肉
厚が1.1mm以下であること、 6.上記底中心ゲート残部が高延伸配向層と低延伸配向
部とから構成されること、 7.上記底部が25%以上の結晶化度にて熱固定されて
おり、底中心ゲート残部を除いて、実質的に透明である
こと、が好ましい。
【0016】
【発明の実施形態】本発明の延伸樹脂容器は、樹脂の二
軸延伸ブロー成形によって形成された口頚部、肩部、胴
部及び複数の足部と谷部を有する底部を備え、自立性を
有しているが、上記胴部及び底部が底中心ゲート残部を
含めて高延伸配向層を有していること、及び上記底谷部
の少なくとも一部に周状に配置された高延伸配向状態の
帯状厚肉部を有すると共にこの帯状厚肉部に対応する底
足部では厚みの減少が抑制されていることが、顕著な特
徴である。
【0017】尚、本明細書において底中心ゲート残部と
は、プリフォームの射出成形時にその底中心から突出し
たゲート部が形成されるが、上記ゲート部に対応した容
器の底中心の厚み方向の全体にわたる部分をいう。
【0018】本発明の容器では、先ず、容器の胴部及び
底部が底中心ゲート残部を含めて高延伸配向層を有する
ため、70℃程度の高温での耐圧強度、即ち耐熱圧強度
が高いレベルにあり、耐熱圧性に優れている。一般に、
容器底部の耐熱圧性は、70℃での降伏荷重で評価する
ことができる。本発明の容器は、底中心ゲート残部を含
めた底部について以下の方法で測定して、25kgf/
cm以上、特に好適には30kgf/cm以上の降伏荷
重(70℃)を示す。70℃における降伏荷重値は、ゲ
ート残部を含めた底中央谷部から、標準試験片を作成
し、その標準試験片を70℃の温度で引っ張り試験を行
ったときの降伏荷重値を幅1cm当たりに換算した値と
して求めることができる。この70℃における降伏荷重
値は容器底部の肉厚を加味したものであり、最も大きな
変形力が作用するゲート残部を含む底中央部の70℃に
おける降伏荷重値を求めることにより、容器底部の耐熱
圧性を評価することができる。
【0019】更に、この容器では、胴部や底の谷部及び
足部は勿論のこと、底中心ゲート残部をも含めて、高延
伸配向されているので、自立性、耐衝撃性、耐ストレス
クラッキング性等にも優れており、また、従来の容器に
比べて、底の軽量化も可能となっている。
【0020】ブロー成形における底部の延伸成形は、プ
リフォーム成形体の底中心部であるゲート部が金型の底
部に達した時点から顕著に行われることが分かった。本
発明では、成形体の底中心部が金型底部に達する時点で
の底中心部及びその近傍の温度低下を一定以下に小さく
する手段を採用することにより、底部を、ゲート残部を
も含めて、高延伸配向状態に薄肉化できる。
【0021】延伸ブロー成形容器におけるゲート残部
は、厄介な問題の一つであり、この部分が未延伸の厚肉
の状態で残留すると、熱と圧力とが同時に加わる条件下
では、クリープ変形を生じるので、この部分をプリフォ
ームの状態で熱結晶化させるか、ゲート残部を可及的に
薄肉にして延伸配向されやすくするというのが従来の考
えであったが、本発明では、ゲート残部が厚肉であって
も、この中心部に前述した手段で高延伸配向層を形成す
ることが可能となり、前記問題を解消したものである。
【0022】本発明では、プリフォームの形状と底部の
肉厚及びブロー成形条件を調整して、ブロー成形時のプ
リフォーム底部の延伸倍率、特にゲート残部に接するゲ
ート周縁部の延伸倍率を適正化することにより、容器の
底中心ゲート残部が厚肉である場合にも、その周囲のゲ
ート周縁部を高延伸配向させて、ゲート残部に高延伸配
向層を形成することができる。
【0023】さらに、上記のように底中心ゲート周縁部
を高延伸配向状態とした本発明の容器では、驚くべきこ
とに、厚肉のゲート残部に高延伸配向部或いは高延伸配
向部と低延伸配向部とが存在し、しかも、このゲート残
部の高延伸配向部は層状を成しており、高延伸配向状態
のゲート周縁部と連続的に連なった構造となっているこ
とが判った。
【0024】上記の底中心ゲート残部の構造は、ブロー
成形時に底中心ゲート残部に相当するプリフォームの底
ゲート部の周囲を高延伸配向状態とすることにより、底
ゲート部の肉厚方向における一部がその高延伸される周
囲により引っ張られて局部的に高延伸配向して、結果的
に層状の高延伸配向部を形成することを示している。
【0025】一般に、底中心ゲート残部には、上記高延
伸配向層と共に低延伸配向部とが存在するが、この低延
伸配向部は、ゲート残部中の高延伸配向部とは独立に存
在し、高延伸配向部の層状構造や、高延伸配向状態のゲ
ート接続部及びゲート周縁部と連続的に連なった連続層
状構造を何ら分断しないので、耐熱圧性等の阻害要因と
はならない。
【0026】本発明の容器は、上記の通り、胴部及び底
部が底中心ゲート残部を含めて高延伸配向層を有するも
のであるが、上記底谷部の少なくとも一部に周状に配置
された高延伸配向状態の帯状厚肉部を有すると共にこの
帯状厚肉部に対応する底足部では厚みの減少が抑制され
ていることが顕著な特徴である。
【0027】一般に、自立性延伸樹脂容器の底部におい
ては、底中心ゲート残部が最も肉厚であり、径外方向に
向けて、即ち中心から胴部との接続部に向けて次第に肉
厚が減少するような肉厚分布をとり、特に谷部に比して
外方に突出させて形成される足部においては、肉厚の減
少が特に著しいものとなりやすい。
【0028】これに対して、本発明においては、底周辺
に位置する谷部に周状に配置された高延伸状態の帯状厚
肉部を設けるのである。この帯状厚肉部は、成形途中の
段階では、容器の底部に存在する環状厚肉部に由来する
ものであるが、谷部よりも外方に突出している底足部で
は、この環状厚肉部が底足部の厚みの減少を抑制するよ
うに作用するのである。即ち、底足部では、上記環状厚
肉部の部分が底谷部より更に外方にブロー延伸されるた
め、環状厚肉部に対応する部分も更に延伸薄肉化される
が、環状厚肉部が存在しない場合に比べて、厚みの減少
が抑制されているのである。
【0029】本発明における底谷部及び足部は、当然の
ことながら、高延伸による分子配向を有しているが、底
谷部では肉厚の増大に伴い、また底足部では肉厚の減少
が抑制されるため、谷部及び足部の剛性が顕著に向上し
ており、このため、容器の破裂強度は一般に10kgf
/cm2 以上となり、また容器の軸荷重強度は30kg
f以上に向上している。
【0030】底谷部における帯状厚肉部の存在は、底谷
部について、底中心から底周辺までの厚み分布を求める
ことにより、確認することができ、一般にこの帯状厚肉
部においては、厚みが極大値をとる少なくとも1個のピ
ークが存在するか、或いは厚みが比較的平坦な肩部が存
在する。添付図面の図4には、本発明の延伸樹脂容器の
一例についての底部の厚み分布が示されている。
【0031】一般には、最も肉厚な底中心ゲート残部と
帯状厚肉部との間には、これらよりも肉厚の減少した部
分が存在する。というのは、既に指摘したとおり、底中
心ゲート残部の周囲の高延伸が底中心ゲート残部におけ
る高延伸配向層の形成をもたらすからである。
【0032】本発明において、底谷部に対して設ける帯
状厚肉部は、足部の薄肉化を抑制するものであるが、こ
の帯状厚肉部は最も薄肉化を生じやすい足先端部の薄肉
化を防止できるものでなければならない。このために、
底谷部の帯状厚肉部の内周側端縁に対する垂線を含む仮
想円錐台面と、前記帯状厚肉部の外周側端縁に対する垂
線を含む仮想円錐台面とで区画される空間内に、底足部
の先端部が含まれる位置関係に、底谷部の帯状厚肉部と
底足部とを設けるのが最もよい。
【0033】底足部の先端の薄肉化を防止し且つ高延伸
配向化を行うという見地からは、底谷部における帯状厚
肉部の肉厚は0.45〜1.1mmの厚みを有するのが
好ましく、帯状厚肉部の厚みが上記範囲を下回る場合に
は、足先端部が薄肉化して、軸方向荷重や破裂強度が低
下する傾向がある。一方、上記範囲を上回ると、帯状厚
肉部の一部に低延伸配向部が形成されることになり、そ
の結果、逆に谷部の耐熱耐圧強度が低下する傾向があ
る。またその低延伸配向部は熱固定により白化する傾向
が生じるため、好ましくない。
【0034】本発明においては、上記手段を採用するこ
とにより、薄肉化しやすい足先端部の肉厚を一般に0.
17mm以上、好適には0.2mm以上に維持すること
が可能となり、これにより軸方向荷重や破裂強度を前述
した範囲に向上させることができる。
【0035】本発明では、胴部及び底部が底中心ゲート
残部を含めて高延伸配向層を有することに関連して、底
中心ゲート残部及びその近傍を除く部分の肉厚が1.1
mm以下、好ましくは1mm以下となるように薄肉化さ
れており、この部分は、20%以上の配向結晶化度を有
している。上記の程度の延伸薄肉化及び配向結晶化が行
われていれば、高温下での耐クリープ性、耐衝撃性、耐
ストレスクラッキング性に関しては満足すべき結果が得
られ、また容器底部を軽量化することが可能となる。
【0036】本発明の耐熱耐圧性自立容器では、底部の
高延伸配向層は、熱固定されていることが好ましく、熱
固定された高延伸配向層は、一般に30乃至55%の結
晶化度を有している。その熱固定された底部は底中心ゲ
ート残部を除いて実質的に透明である。
【0037】本発明の容器における底中心ゲート残部
は、高延伸薄肉化されているが、このゲート残部に形成
される高延伸配向層は、底部の他の部分に形成される高
延伸配向層と同様に透明であり、一般に0.4乃至1.
1mmの肉厚と20%以上の配向結晶化度を有してい
る。熱固定を行った場合、底中心ゲート残部は一般に3
0乃至55%の結晶化度を有しているが、底中心ゲート
残部に低延伸配向部が存在すると、この部分は白化する
傾向である。
【0038】本発明の容器は、決してこれに限定される
ものではないが、有底プリフォームを1次ブロー成形し
て2次成形品とする工程、2次成形品を加熱収縮させて
3次成形品とする工程及び3次成形品を2次プロー成形
成形して、底周辺に谷部と足部とを交互に備えた最終製
品とする工程を経て製造され、この際有底プリフォーム
としてプリフォームの底肩部がゲート周縁部及び胴部よ
りも厚肉のプリフォームを用い、しかも底谷部に前述し
た帯状厚肉部が形成されるようにすることにより製造さ
れる。用いるプリフォームは底中心にゲート部を有する
ものであるが、延伸加工が終了する直前までの間、上記
底中心の温度低下を40℃以内に保持して、成形品の底
ゲート残部に高延伸配向層を形成させるのがよい。
【0039】
【実施例】[本発明の容器]本発明の耐熱耐圧容器を示
す図1(一部断面側面図)及び図2(拡大底面図)にお
いて、この容器は、樹脂の二軸延伸ブロー成形で形成さ
れた口頸部1、口頸部に接続される肩部2及び胴部3及
び底部4から成っている。この具体例において、底部4
は、底中央谷部5と底中央谷部の周囲に交互に配置され
た複数の谷部6と足部7とから成っている。底部4に連
なる胴部3の下部は径D0 を有しており、底中心には、
径Dg の底中心ゲート残部8が存在している。底中央谷
部5及び谷部6は下向きに凸の滑らかな曲面上に位置し
ている。肩部2及び胴部3は、口頸部1との接続部を除
き、高延伸配向状態で薄肉化されている。
【0040】底部4は、底中央に位置する厚肉のゲート
残部8、ゲート残部8と接するゲート接続部9及びゲー
ト接続部の周囲にあり且つ足部7の付け根部の内側の部
分となるゲート周縁部10とにより構成される底中央谷
部5と、複数の谷部6と足部7とが交互に形成されてい
る底周辺部とから成っている。この具体例の容器では、
ゲート残部8を除く底部4の各部位(10、6、7)は
実質的に高延伸配向状態の層のみから成っている。ま
た、ゲート残部8及びゲート接続部9を除き、1.1m
m以下の厚みに薄肉化されている。これら高延伸配向層
は20%以上の配向結晶化度を有する。
【0041】足部7は谷部6よりも下方向(外方)に突
出しており、先端部13及び接地部14を備えている。
また、谷部6は周状に配置された高延伸状態の帯状厚肉
部15を有している。
【0042】[底中心ゲート残部]本発明の容器の底中
心ゲート残部8は比較的厚肉であるが、図3の底部中心
拡大断面図に示すとおり、高延伸配向部11或いは高延
伸配向部11と低延伸配向部12との組み合わせで構成
されている。通常、ゲート残部8の高延伸配向部11は
ゲート残部を横断した連続層から成っており、且つゲー
ト残部の周囲に広がるゲート周縁部10と連結してい
る。その結果、本発明容器では底部4が連続した高延伸
配向層にて覆われていることになる。
【0043】高延伸配向層の好適な配置においては、底
中心ゲート残部8は、容器内面側の一般に透明な高延伸
配向層11と容器外面側の一般に白化した低延伸低配向
層12とから成っている。この耐熱性延伸樹脂容器の底
中心ゲート残部8では、内面側に高延伸配向層11が存
在するため、耐熱性と耐衝撃性との組み合わせに特に優
れている。
【0044】高延伸配向層の配置の他の例では、底中心
ゲート残部8は、厚さ方向の中央に位置する一般に透明
な高延伸配向層と、内外両側の白化した低延伸低配向層
とから成る積層構成を有していてもよい。この積層構成
は、所謂剛−柔−剛の積層構成であり、高温高圧下での
底部の寸法安定性に特に優れている。
【0045】また、容器内面側の一般に透明な高延伸配
向層と容器外面側の一般に白化した低延伸低配向部とか
ら成る構造のものであっても、高延伸配向層11が非常
に厚く、低延伸低配向部12がゲート中心或いはゲート
周辺等の非常に限られた部位に薄く形成されていてもよ
い。この構造では、高延伸配向層11の厚みが増大して
いることによる底部降伏荷重の増大が著しい。
【0046】底中心ゲート残部8の高延伸配向部11
は、ブロー成形時に、一般的にいって20%以上、好ま
しくは25%の結晶化度に配向結晶化されていること
が、耐熱圧性、耐衝撃性の点で好ましい。
【0047】底中央ゲート残部をも含めて底部を熱固定
することにより、ゲート残部8の低延伸配向層12は熱
結晶化及び白化して結晶化度が増大する。一方、ゲート
残部8の高延伸配向層11は実質的に透明の状態を保持
しながら熱結晶化が進行する。この場合、白化したゲー
ト残部の低延伸配向層12が容器の底中央部に存在する
ことになるが、その大きさは限定されており、特に美観
上問題になることはない。
【0048】熱固定された底中心ゲート残部8では、低
延伸配向層12は20%以上、特に25%以上の結晶化
度を、高延伸配向層11は25%以上の結晶化度を有す
ることが好ましい。
【0049】底中心ゲート残部8の肉厚は、通常最大部
で1.4〜3.5mm程度となるのがよく、本発明で
は、プリフォームのゲート部の仕上げを行う必要なし
に、底中央ゲート残部が高延伸配向した容器底部を形成
することができる。一方、底中央ゲート残部8における
高延伸配向層11の厚みは、底部中心に十分な耐熱圧性
を付与するものであればよく、一般的にいって、0.3
5mm以上、特に0.4乃至1.1mmの範囲にあり、
ゲート残部の全体の厚みの20%以上、特に30%以上
を占めることが好ましい。
【0050】底中心ゲート残部8の直径Dg は、胴径D
0 の0.25倍以下、特に0.2倍以下であることが、
ゲート残部の存在が目立たないので、容器の外観特性の
点で好ましい。
【0051】[帯状厚肉部]本発明の容器の底部におい
て、底部4における各部位の厚み及び結晶化度は、既に
述べた範囲にあるが、本発明の容器では、谷部6に周状
に配置された高延伸配向状態の帯状厚肉部15を備えて
いる。
【0052】本発明の容器の谷中央部10及び谷部6の
位置と、厚みの分布との関係を示す図4において、底中
心ゲート残部8は最も肉厚が大きく、胴部3では厚みが
最も小さくなっているが、谷部6の一部では厚みが増大
して、厚みの極大値をとる部位が存在する。
【0053】底谷部6に対して設ける高延伸配向化した
帯状厚肉部15は、谷部の耐熱耐圧強度を高める効果を
有する。さらに、その帯状厚肉部15は足部7、特に足
部先端部13の薄肉化を抑制するものであって、以下に
述べる特定の位置関係にもうけられている。即ち、図4
に示すとおり、底谷部6の帯状厚肉部15の内周側端縁
に対する垂線Pを含む仮想円錐台面と、前記帯状厚肉部
15の外周側端縁に対する垂線Qを含む仮想円錐台面と
で区画される空間内に、底足部の先端部13が含まれる
位置関係に、底谷部の帯状厚肉部と底足部とを設けてい
る。足先端部13は、底谷部の帯状厚肉部15と同一の
円周上に位置する同様の厚肉部から形成されるため、足
先端部13の薄肉化が抑制されるのである。
【0054】底谷部の強度の向上及び底足部の先端13
の薄肉化の防止を行うという見地からは、底谷部におけ
る帯状厚肉部15の肉厚は0.45〜1.1mmの厚み
を有するのが好ましく、帯状厚肉部15の厚みが上記範
囲を下回る場合には、足先端部が薄肉化して、軸方向荷
重や破裂強度が低下する傾向がある。一方、上記範囲を
上回ると、帯状厚肉部15の一部に低延伸配向部が形成
されることになり、その結果、逆に谷部の耐熱耐圧強度
が低下する傾向がある。またその低延伸配向部は熱固定
により白化する傾向が生じるため、好ましくない。
【0055】本発明においては、上記手段を採用するこ
とにより、薄肉化しやすい足先端部13の肉厚を一般に
0.17mm以上、好適には0.2mm以上に維持する
ことが可能となり、これにより軸方向荷重や破裂強度を
前述した範囲に向上させることができる。
【0056】谷部6の帯状厚肉部15の厚みの極大値を
6 、底部4に連なる胴部3の下部の厚みをT4 及びゲ
ート周縁部10の厚みをT5 としたとき、一般に、 T6 >T4 及び T6 ≧T5 、特にT6 >T5 である。破裂強度及び軸荷重強度の向上の見地からは、
6 >T4 の厚み比は、1.3乃至3.5、特に1.5
乃至3、特に1.6乃至3の範囲にあり、またT6 >T
5 の厚み比は、1乃至2.2、特に1.1乃至2の範囲
にあることが好ましい。
【0057】帯状厚肉部15の幅d、即ち厚みの立ち上
がり部間の幅は、容器底部の寸法や形状によっても相違
するが、一般に15乃至30mmの範囲にあることが破
裂強度や軸荷重強度の向上及び谷部の耐熱耐圧強度の向
上の点で好ましい。
【0058】[ゲート周縁部]ゲート周縁部10は1m
m以上の肉厚を多少越えても高延伸配向状態を保持する
ことが可能である。そのゲート接続部の肉厚は0.3乃
至1.1mm、特に0.35乃至1.0mmの範囲にあ
ることが、やはりゲート残部8に高延伸配向層11を有
効に形成させるために好ましい。
【0059】ゲート周縁部10の肉厚が0.3mmを下
回る場合、薄肉化しすぎて底中央部の耐熱圧性が低下
し、好ましくない。一方、ブロー成形した段階でのゲー
ト周縁部の肉厚が1mmを上回る部位が多くなると、ゲ
ート残部に高延伸配向層を形成させることが困難とな
る。但し、ゲート周縁部の肉厚がごく限定された狭い部
位において1mmを越える場合には、特にゲート残部の
一部を高延伸配向化することを妨げるものではない。
【0060】以上の様に、好ましい範囲の肉厚にあっ
て、且つ高度に配向結晶化されたゲート周縁部10は耐
熱耐圧性と耐衝撃強度に特に優れている。
【0061】[谷部形状]図5に示される具体例におい
て、谷中央部5及び底谷部6が下に凸な曲面上に位置す
ることは既に指摘したが、この曲面は、ゲート残部8を
含む底中央部に位置する曲率半径R1 なる概略球面と胴
部に連なる曲率半径R2 なる概略球面とにて構成され
る。
【0062】底中央谷部5を含む球面の曲率半径R1
適切な大きさとし、且つその球面の垂線が足先端部16
と谷面間の最短距離となる様にすることにより、足先端
部13と谷部6との間の距離を比較的小さくすることが
できる。その結果、底足先端部13のブロー成形性が向
上し、足先端部13の肉厚を比較的厚くすること及び過
延伸による足先端部13の白化を防止することが可能と
なる。
【0063】具体的には、底中央谷部5を構成する概略
球面の曲率半径R1 と胴部半径R0との比率R1 /R0
を1.25乃至2とすることが好ましく、その球面の範
囲を示す直径D1 と胴径D0 との比率D1 /D0 を0.
55乃至0.75とすることが好ましい。R1 /R0
2を越えると、谷部の耐熱圧性能が低下して、内容物を
充填し、熱殺菌処理を行った後の容器の自立性を確保す
ることが難しくなる。R1 /R0 が1.2を下回ると、
足先端部と谷部との距離が大きくなりすぎて、足先端部
の好ましい肉厚を確保することが難しくなる。
【0064】図6に示される具体例では、底谷部6がゲ
ート残部8を含む比較的小さな曲率半径R1 を有する概
略球面Aと、概略球面Aと接し概略球面Aの延長仮想面
よりも外面側に位置する円錐台状または概略球面状の面
Bと、面Bより胴部に接続される概略球面状または円錐
状の面Cより構成されている。この際、底谷周辺部を構
成する面Bまたは面Cが足先端部13からの最短距離部
となるようにすることが好ましい。
【0065】本例では、最も大きな変形力の作用する底
ゲート残部8を含む底中央谷部6を比較的小さな曲率半
径の球面Aとすることで好ましい耐熱圧強度を付与す
る。一方、底中央に比較して比較的に小さな変形力の作
用する谷面B及びCを外側に大きく膨らませることによ
り、足先端部13と谷面間の距離を短くすることができ
る。それにより、底足先端部13のブロー成形性が向上
でき、その結果、足先端部13の肉厚を比較的厚くする
こと及び過延伸による白化を防止することが可能とな
る。具体的には、底中央部を構成する概略球面Aの曲率
半径R1 と胴部半径R0 との比率R1 /R0 を0.9乃
至1.4とすることが好ましく、その球面の範囲を示す
直径D1 が胴径D0 の0.18倍乃至0.5倍とするこ
とが好ましい。概略球面Aと接続し外側に延びる面Bは
概略球面Aと接する円錐面または円錐面に近い大きな曲
率半径を有する概略球面で構成されることが好ましく、
その面Bの最外径D2 が胴径D0 の0.3倍乃至0.8
5倍であることが好ましい。
【0066】さらに、最も大きな変形力が作用する底中
央谷部5及びその近傍の谷幅を比較的広く取ることによ
り、耐熱耐圧性を確保することが好ましい。具体的に
は、胴径D0 の80%の直径の円内に含まれる谷部の表
面積Sと谷部のみにより構成される仮想の概略球面の表
面積S0 との比S/S0 を0.2乃至0.5とすること
が好ましい。S/S0 が0.2を下回ると、底中央部及
びその近傍の谷部の面積が小さく限定され過ぎるため、
底中央部の変形が大きくなり、容器の自立性を確保する
ことが難しくなる。一方、S/S0 が0.5を越える
と、ブロー成形時に足部に利用できる部位が限定され過
ぎるため、好ましい足先端部の肉厚の確保が難しくな
る。
【0067】[足部]本発明では、図7に示すとおり、
足部7間を横切りながら足部先端部13を指向し且つ谷
部6に垂直な面において谷部を挟む足部開き角θを65
゜乃至90゜の範囲とすることが好ましい。足部開き角
度θが65゜を下回った容器では、比較的厳しい熱殺菌
処理を施した場合、熱殺菌処理後の足部開き角度θが大
きく拡大し、それに伴って谷部の変形量も大きくなる傾
向にある。足部開き角θを予め大きくした場合、球面の
一部からなる谷部を足部が引っ張り上げるように作用す
る力の作用方向を球面の方向に近づけると見なすことが
でき、そのため、球面状谷部に垂直に働く力成分、すな
わち谷部を変形させる力成分が減じることになる。その
結果、足部開き角θを大きくすることにより、谷部の変
形を減じることができ、耐熱耐圧性能が向上する。さら
に、足部開き角度θを比較的に大きくすることにより、
足部の成形性に対しても有利な方向に作用する。すなわ
ち、足部開き角度θを大きくすると、相対的に足部の表
面積が減少し、足部での延伸量を比較的低く抑えること
ができるからである。一方、足部開き角度θを大きくし
過ぎると足先端接地部14の幅が細くなることになる。
この足先端接地部14が細くなりすぎると、特に充填前
の空容器にて転倒しやすくなる傾向にあり、好ましくな
い。従って、足部開き角度θは90゜以下とすることが
好ましい。
【0068】[足高さ、足本数]本明細書において、足
高さとは、足接地部14と底中心ゲート残部8との軸方
向の距離をいう。未充填状態で、足高さを2乃至8m
m、好ましくは3乃至6mmとするのが好ましい。足高
さが2mmを下回ると、内容物充填、熱殺菌後の底中央
谷部の変形後の足高さが極く小さくなるか、またはマイ
ナスすなわち底中央部が足部よりも下方に出っ張った状
態となり、容器の自立性を保持することが難しくなる。
一方、足高さが8mmを越えると、足先端部と谷部との
距離が大きくなり過ぎて、好ましい足先端部厚みを確保
することが難しくなる。足の本数は6本乃至4本が好ま
しい。
【0069】[樹脂]本発明において、プラスチック材
料としては、延伸ブロー成形及び熱結晶化可能なプラス
チック材料であれば、任意のものを使用し得るが、熱可
塑性ポリエステル、特にエチレンテレフタレート系熱可
塑性ポリエステルが有利に使用される。勿論、ポリカー
ボネートやアリレート樹脂等を用いることもできる。
【0070】本発明に用いるエチレンテレフタレート系
熱可塑性ポリエステルは、エステル反復単位の大部分、
一般に70モル%以上、特に80モル%以上をエチレン
テレフタレート単位を占めるものであり、ガラス転移点
(Tg)が50乃至90℃、特に55乃至80℃で、融
点(Tm)が200乃至275℃、特に220乃至27
0℃にある熱可塑性ポリエステルが好適である。
【0071】ホモポリエチレンテレフタレートが耐熱圧
性の点で好適であるが、エチレンテレフタレート単位以
外のエステル単位の少量を含む共重合ポリエステルも使
用し得る。
【0072】テレフタル酸以外の二塩基酸としては、イ
ソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳
香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂
環族ジカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、セバチン
酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;の1種
又は2種以上の組合せが挙げられ、エチレングリコール
以外のジオール成分としては、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,
6−ヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノー
ル、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等の
1種又は2種以上が挙げられる。
【0073】また、エチレンテレフタレート系熱可塑性
ポリエステルにガラス転移点の比較的高い例えばポリエ
チレンナフタレート、ポリカーボネート或いはポリアリ
レート等を5%〜25%程度をブレンドした複合材を用
いることができ、それにより比較的高温時の材料強度を
高めることができる。さらに、ポリエチレンテレフタレ
ートと上記のガラス転移点の比較的高い材料とを積層化
して用いることができる。
【0074】用いるエチレンテレフタレート系熱可塑性
ポリエステルは、少なくともフィルムを形成するに足る
分子量を有するべきであり、用途に応じて、射出グレー
ド或いは押出グレードのものが使用される。その固有粘
度(I.V.)は一般的に0.6乃至1.4dL/g、
特に0.63乃至1.3dL/gの範囲にあるものが望
ましい。
【0075】[容器の製造法]本発明の延伸樹脂容器
は、延伸温度に加熱されたプリフォームを金型内でプリ
フォーム内部に挿入された延伸棒とプリフォーム外部の
プレス棒とでプリフォームの底中心部を挟み込み、次に
延伸棒を駆動しながら同時にプリフォーム内部に高圧気
体を吹き込んで延伸樹脂容器を製造するに際し、前記プ
リフォームとして、底中心部にゲート部を有するプリフ
ォームを使用し、且つ延伸加工が終了する直前までの間
上記底中心部の温度低下を40℃以内に保持して底中心
部をも高延伸することにより製造される。
【0076】容器の製造に際し、先ず有底筒状のプリフ
ォームを成形し、必要によりこのプリフォームの口頸部
を加熱して、局部的に熱結晶化部を設ける。
【0077】本発明の容器の製造に用いるプリフォーム
は、図8で20に示すような形状を有しており、このプ
リフォーム20は、首部21、胴部22及び閉塞底部2
3から成っており、首部21には、ネジ等の蓋締結機構
及び容器保持のためのサポートリング等が設けられてお
り、首部21は通常熱結晶化すなわち球晶化されてい
る。この球晶化された首部21は、図1の容器口頸部1
となるものである。また、閉塞底部23の中心には、ゲ
ート残部24が存在している。
【0078】このプリフォームの底部を拡大して示す図
9において、このプリフォームの底部23は底肩部25
及びゲート周縁部26を備えているが、胴部22の厚み
1、ゲート周縁部の厚みT2 及び底肩部の厚みT
3 は、下記式 T3 ≧T1 及び T3 >T2 を満足する関係にあることが、容器の谷部6の少なくと
も一部に帯状厚肉部15を形成させるために重要であ
る。
【0079】即ち、本発明の容器の製造では、プリフォ
ーム20のゲート部24が容器の底中心ゲート残部8、
プリフォームのゲート周縁部26が容器のゲート周縁部
10、プリフォームの底肩部25が容器の谷部6、及び
プリフォームの胴部22が容器の胴部3にそれぞれ対応
するように、延伸条件を設定し、しかもプリフォームの
器壁の肉厚を前述した関係を満足するようにすることに
より、容器の谷部6の少なくとも一部に帯状厚肉部15
を形成させることが可能となるわけである。
【0080】本発明においては、プリフォームの胴部2
2の厚みT1 、ゲート周縁部の厚みT2 及び底肩部の厚
みT3 は、下記式 T1 /T3 =0.8〜1 及び T2 /T3 =0.75〜0.98 を満足する関係にあることが、容器の谷部の少なくとも
一部に明確に且つ確実に帯状厚肉部を形成させ且つ底足
部先端の厚みの減少を抑制すると共に、容器の底底各部
の厚み寸法を前述した範囲に維持するために好適であ
る。
【0081】プラスチック材料のプリフォーム20への
成形には、射出成形を用いることができる。即ち、プラ
スチックを冷却された射出型中に溶融射出して、過冷却
された非晶質のプラスチックプリフォームに成形する。
【0082】射出機としては、射出プランジャーまたは
スクリューを備えたそれ自体公知のものが使用され、ノ
ズル、スプルー、ゲートを通して前記ポリエステルを射
出型中に射出する。これにより、ポリエステル等は射出
型キャビティ内に流入し、固化されて延伸ブロー成形用
のプリフォームとなる。
【0083】射出型としては、容器形状に対応するキャ
ビティを有するものが使用されるが、ワンゲート型或い
はマルチゲート型の射出型を用いるのがよい。射出温度
は270乃至310℃、圧力は28乃至110kg/c
2 程度が好ましい。
【0084】プリフォーム20の首部21の球晶化は、
これらの部分をそれ自体公知の手段で選択的に加熱する
ことにより行うことができる。ポリエステル等の熱結晶
化は、固有の結晶化温度で顕著に生じるので、一般にプ
リフォームの対応する部分を、結晶化温度に加熱すれば
よい。加熱は、赤外線加熱或いは誘電加熱等により行う
ことができ、一般に延伸すべき胴部を熱源から断熱材に
より遮断して、選択的加熱を行うのがよい。
【0085】上記の球晶化は、プリフォーム20の延伸
温度への予備加熱と同時に行っても或いは別個に行って
もよい。
【0086】本発明では、プリフォーム20の閉塞底部
23の中心を熱結晶化することなく、二軸延伸ブロー成
形に使用する。この閉塞底部23の中心には、射出成形
の際形成されるゲート部24が存在する。本発明では、
このゲート部24を、更に切断する等の仕上げ工程に付
することなく、そのまま残留させた状態で、容器の底部
中心に高延伸配向層11を形成させるために利用する。
【0087】このゲート部の寸法を説明するための図1
0において、ゲート部24は、長さhと付け根径dとを
有していて、一般に先細りのテーパ状(テーパ角α)と
なっている。hは3mm以下、特に0.1乃至1mmの
範囲にあるのがよく、dは2乃至6mm、αは0.5乃
至6度の範囲にあるのが適当である。
【0088】プリフォーム20の延伸温度は、一般に8
5乃至135℃、特に90乃至130℃の温度が適当で
あり、その加熱は、赤外線加熱、熱風加熱炉、誘電加熱
等のそれ自体公知の手段により行うことができる。ま
た、口部球晶化は、プリフォーム底部及び口部を、他の
部分と熱的に絶縁した状態で、一般に140乃至220
℃、特に160乃至210℃の温度に加熱することによ
り行うことができる。プリフォーム口部の結晶化度は2
5%以上であるのがよい。
【0089】尚、プリフォームからの延伸ブロー成形に
は、成形されるプリフォーム成形品に与えられた熱、即
ち余熱を利用して、プリフォーム成形に続いて延伸ブロ
ー成形を行う方法も使用できるが、一般には、一旦過冷
却状態のプリフォーム成形品を製造し、このプリフォー
ムを前述した延伸温度に加熱して延伸ブロー成形を行う
方法が好ましい。
【0090】本発明の容器は、有底プリフォームを1次
ブロー成形して2次成形品とする工程、2次成形品を加
熱収縮させて3次成形品とする工程及び3次成形品を2
次プロー成形成形して、底周辺に谷部と足部とを交互に
備えた最終製品とする工程を経て製造され、この際、有
底プリフォームとしてプリフォームの底肩部がゲート周
縁部及び胴部よりも厚肉の前述したプリフォームを用
い、しかも底谷部に前述した帯状厚肉部が形成されるよ
うにすることにより製造される。
【0091】本発明の容器は、一度の二軸延伸ブロー成
形で製造することも可能である。しかしながら、複雑な
形状のペタロイド底部を一度に高延伸配向状態にブロー
成形する場合、特に足部先端が過延伸状態で、白化し易
くなる傾向にあり、それを防止しようとすると、ブロー
成形条件がかなり狭くなる。また、金型を用いた底部の
熱固定では、比較的長時間を要し、ブロー成形時間が長
くなる問題が生じる。
【0092】検討の結果、本発明容器の成形手段として
は、1次ブロー成形にてプリフォームを中間成形品と
し、その中間成形品を2次ブロー成形して最終製品を得
る2段ブロー成形法が適することが判った。
【0093】本発明の2段ブロー成形法では、1次ブロ
ー成形にてプリフォーム成形体より最終容器よりも底部
及び底部に連なる胴部の一部が高さ方向或いは円周方向
に大きな2次成形品を作成し、次に2次成形品の少なく
とも底部及び底部に連なる胴部を加熱収縮させることに
より、2次ブロー金型に収納できる大きさの3次成形品
とし、最後に3次成形品を2次ブロー成形して最終容器
とすることが好ましい。
【0094】上記の2段ブロー成形法を採用することに
より、以下の効果が生じる。第1に、1次ブロ一成形に
て底部の形状を最適化することにより、底部を好ましい
高延伸配向状態とすること、特にゲート周縁部の延伸倍
率を適正化することが容易となる。その結果、2次成形
品の底部のゲート残部は高延伸配向層を含む厚肉とし、
且つその周囲のゲート周縁部は高延伸配向状態であっ
て、好ましい肉厚を保持するように安定的にブロー成形
することできる。第2に、2次成形品の底部及び底部に
連なる胴部の一部を加熱収縮させることにより、2次成
形品の底中央部の熱固定を行い熱結晶化を進行させるこ
とができる。この熱固定工程は極めて短時間で効率よく
行うことができる。第3に、2次ブロー成形では、高温
状態の3次成形品の底部を延伸ブロー成形することによ
り、足部は過延伸状態とすることなく容易に成形可能と
なり、また足部を除く底部、特に底中央部は延伸度合い
が小さく、ブロー成形による結晶化度の低下の程度はご
く少ない。従って、好ましい性状の足部を有するととも
に、最も耐熱耐圧強度が要求される底中央部において、
配向結晶化と熱結晶化とが十分に行われた高い耐熱耐圧
強度を有する容器とすることができる。
【0095】二段ブロー成形法では、部分熱結晶化及び
延伸のための予備加熱を行ったプリフォーム20を1次
ブロー金型内にて二軸延伸ブロー成形して、最終容器よ
りも大きな寸法の底部を形成すると共に、プリフォーム
の熱結晶化部以外の部分を高延伸倍率に延伸した2次成
形品36とし(図11及び図12);この2次成形品の
底部及び底部に連なった胴部の少なくともその一部を加
熱して、該底部及び一部胴部が収縮した3次成形品44
とし(図13);次いでこの3次成形品を2次ブロー金
型内にてブロー成形して、複数の谷部及び足部から成り
且つ高延伸により薄肉化された底部を有する最終製品5
0とする(図14及び図15)。
【0096】この際、最終容器のペタロイド底部をゲー
ト残部を除いて比較的高延伸配向状態にて薄肉化するに
は、1次ブロー成形した2次成形品の底部をゲート残部
をも含めて比較的に高延伸配向させることが重要であ
る。
【0097】(1)1次ブロー成形 1次ブロー成形に用いられるプリフォーム20は、図9
に関して説明した厚みの分布を有するものであるが、更
に2次成形品の各部位の延伸倍率を考慮して、形状及び
肉厚分布を決める。この際、2次成形品の底中心ゲート
残部の周囲に広がる最終容器のゲート周縁部に相当する
部位が面積延伸倍率3.5倍乃至12.5倍、特に好ま
しくは5倍乃至10倍にて延伸されるようにプリフォー
ムの底部のプロファイルを決めることが重要である。
【0098】1次ブロー成形では、プリフォーム20は
延伸温度に加熱される。プリフォームの延伸温度は一般
に85乃至135℃、特に90乃至130℃の温度が適
当である。その際、プリフォームの底部と胴部の加熱温
度差を10℃以内とすることが好ましく、それにより底
部及び胴部の双方の高延伸化が可能となる。
【0099】プリフォーム胴部の加熱温度が底部の加熱
温度よりも10℃を越えて高い場合には、温度の比較的
低い底部の延伸が不足する。また、底部の加熱温度が胴
部の加熱温度よりもl0℃を越えて高い場合には、底部
が局部的に延伸され過ぎて好ましくない。
【0100】一次延伸ブロー成形工程を示す図11及び
図12において、プリフォーム20は、コア金型31に
よりその首部を支持されており、閉じた割金型32、3
2内に保持される。コア金型の反対側には、2次成形品
の底形状を規定する底金型33も配置されている。プリ
フォーム20内に延伸棒34を挿入し、プリフォーム底
部23を突き上げることにより、延伸成形を行う。その
延伸成形の途中の段階にてタイミングを見計らって、延
伸棒34を通して高圧気体を成形体内に吹き込むことに
より、ブロー成形を行って金型に沿った形状の容器を得
る。
【0101】図11及び図12に示す実施例では、延伸
棒34と同軸に、底金型33の側にプレス棒35を配置
して、引っ張り延伸に際して、プリフォームのゲート部
24が延伸棒34とプレス棒35とにより狭持され、プ
リフォームの底部のゲート部24が形成される容器底4
の中心に位置するように位置規制する。即ち、このプレ
ス棒35はプリフォームの引っ張り延伸の段階にて延伸
棒34とでプリフォームのゲート部24を挟み込んで拘
束し、さらにブロー成形の段階にて成形体の底ゲート残
部を拘束する。このプレス棒の使用により、ゲート残部
の心ずれを防止する効果を有する。
【0102】この1次ブローの際、2次成形品の底部全
体にて高延伸配向層が形成できるように、延伸棒により
プリフォーム底部を突き上げる延伸速度、高圧空気を成
形体内に吹き込むタイミング、高圧空気の流量にて決ま
る延伸ブロー速度等のブロー成形条件を適正化すること
が重要である。
【0103】また、発明者らはプレス棒先端に熱電対を
取り付けて、ブロー成形時に底中心ゲート残部の温度変
化を測定した結果、プレス棒が上死点に達した時点以降
に5〜15℃程度の温度上昇が見られることが判った。
これは、底中央部が金型に到達してからゲート残部及び
その近傍の比較的大きな延伸が行われるのであり、その
延伸の際の発熱により温度上昇しているものと推測され
る。その際、プレス棒が上死点に至った時点での、プレ
ス棒先端に対向する成形体のゲート残部の初期加熱温度
からの温度低下を少なくすることにより、それ以降の延
伸に伴う温度上昇量、すなわちゲート残部及びその近傍
の延伸の程度を大きくできることが判明した。
【0104】具体的には、延伸加工が終了する直前まで
の間でのプリフォーム底中心部の温度低下を40℃以
内、より好ましくは30℃以内とすることにより、2次
成形品の底中心ゲート残部及びその周縁部を高延伸配向
状態にできることが判ったのである。
【0105】ブロー成形中のプリフォーム底中心部の温
度低下を低くするための手段として、延伸棒34及びプ
レス棒35からの過剰な熱伝導を防止することが有効で
ある。具体的には、少なくとも延伸棒或いはプレス棒の
先端部を断熱性能を有する耐熱性プラスチック材または
セラミック材とすることが好ましい。
【0106】また、プレス棒或いは延伸棒を加温し、比
較的高温に温度制御する手段も有効である。プレス棒及
び延伸棒の加温は、通常プリフォームの延伸温度に対応
して50℃乃至130℃とすることが好ましい。その加
温方式としては、電気ヒータ、高周波誘導加熱などによ
る電気的加熱方式、高温液体の循環による流体加熱方
式、ヒートパイプなどの熱伝導方式等を採用することが
できる。
【0107】得られた2次成形品36の底部37は、図
16に示される底ゲート残部42及びゲート接続部41
を除き、結晶化度が20%以上、より好ましくは25%
以上に比較的に高延伸状態に配向結晶化しており、且つ
1mm以下、特に0.8mm以下の板厚に薄肉化されて
いることが好ましい。通常、2次成形品36の底ゲート
残部42は、図17に示される内面側に位置する高延伸
配向層42aと外面側に位置する低延伸配向層42bと
から構成される。2次成形品の段階では、底ゲート残部
42の低延伸配向層は通常、透明である。そのゲート残
部の高延伸配向層42aでは結晶化度の最大値が20%
以上、特に25%以上となっていることが好ましい。ま
た、ゲート残部の直径DG は、胴径D0 の0.25倍以
下、特に0.2倍以下が好ましい。また、ゲート残部4
2に接するゲート接続部41は結晶化度が20%以上、
より好ましくは25%以上に比較的に高延伸状態に配向
結晶化しており、且つ1.3mm以下、より好ましくは
1.1mm以下の板厚に薄肉化されていることが好まし
い。
【0108】1次ブロー成形により得られる2次成形品
の底形状を示す図16において、底部37における平坦
部40からの凹部41の高さH1 は一般に1乃至8m
m、凹部41の径D4 は2次成形品の底部に連なる胴径
の0.15乃至0.6倍の範囲にあることが、底中心の
高延伸配向を有効に行わせるために望ましい。
【0109】図16には、2次成形品について、底部の
位置と、厚みの分布との関係も示されている。底中心ゲ
ート残部42は最も肉厚が大きく、胴部43では最も厚
みが小さいが、底コーナ部44a乃至その近傍では厚み
が増大して、厚みの極大値をとる部位、即ち環状厚肉部
が存在することが特に重要である。この環状厚肉部は、
図9で示されるプリフォームの厚肉の底肩部25に対応
して形成されるものであり、その一部が最終的に2次ブ
ロー成形されて、得られた最終成形品である容器のペタ
ロイド底部の底谷部6にて帯状厚肉部15を形成するこ
とになる。
【0110】2次成形品の底部37における底コーナ部
44aの曲率半径R1 は、一般に胴径の0.05乃至
0.35倍の範囲にあることが、続いて行う熱処理より
最終成形品の底形状に近い底形状を発現させるために好
ましい。
【0111】(2)加熱収縮工程 本発明では、次いで行う加熱収縮工程で、2次成形品の
底部及び底部に連なる胴部の一部は加熱され、高さ方向
及び径方向に収縮し、最終製品形状である2次ブロー金
型に収まる形状を有する3次成形品となる。
【0112】この2次成形品の底部の熱処理では、加熱
収縮は非接触加熱にて、拘束なしに加熱収縮させること
が好ましい。図13に示す例では、2次成形品の移動す
る通路に沿って、2次成形品の底部及び胴部の一部に対
向する赤外線放射体45及び46が備えられており、そ
の赤外線放射体で囲まれた空間内を2次成形品36bを
コア金型31により支持して、軸方向に自転させて加熱
しながら移動させることにより、2次成形品の底部及び
胴部の一部が、図13に示すように加熱収縮して3次成
形品44となる。必要以外の胴部の収縮を防止するため
に、熱遮蔽板47を設けることが推奨される。
【0113】赤外線放射体45、46は、400〜10
00℃程度に加熱された比較的放射効率に優れたものを
使用するとよい。これにより、比較的高エネルギー密度
の赤外線を2次成形品36の所定の部位に照射すること
ができ、例えば10秒以下程度の短時間にて所定の温度
とすることができる。
【0114】3次成形品44の底48の形状は2次ブロ
ー金型の底谷部にできるだけ接近させることが好まし
く、それにより、最終製品の足部の成形を容易にするこ
とができる(図14参照)。
【0115】3次成形品44の底形状を好ましい形状と
するには、2次成形品36の底形状が重要であり、加熱
収縮を行う2次成形品の高さを熱収縮を見込んで高くす
ることが好ましい。また、2次成形品36の底中心ゲー
ト残部42は、底部の加熱の際に厚肉であるためにその
周囲の薄肉部に比べて温度上昇が遅い。そのため、2次
成形品の底形状を例えば半球状とすると、そのゲート残
部の周囲の薄肉部が最初に円錐状に熱収縮して、厚肉の
ゲート残部42を外面側に突出させる形状となり、その
様な中央が上凸状の形状では、2次ブロー底型の谷形状
から大きく離れることになる。本発明では、図16に示
すように、2次成形品の底37を全体として見て平坦状
とし、さらに底中央に凹部41を設けた形状を採用する
ことが有効であり、図13に示すように、底中央部に多
少凹状であるが、概ね平坦状の底面48を有し且つ肩部
49が2次ブロー金型の谷部に近接した形状の3次成形
品44を得ることができる。この際、図16に示す2次
成形品の底コーナ部44aに環状厚肉部が形成されてい
ると、その環状厚肉部を挟む底周縁部及び胴部よりも厚
肉のため加熱時の温度上昇が小さく、熱収縮の程度が少
なくなる。その結果、2次成形品の環状厚肉部は加熱収
縮した3次成形品の底肩部49となり、図13に示すよ
うに比較的に肩の張った形状の3次成形品を得ることが
できるのである。この3次成形品の底肩部49は厚肉で
あり、次の2次ブロー成形により、その一部が谷部に位
置して帯状厚肉部15となり、また、その一部が足先端
部13近傍に位置して足先端部13の好ましい肉厚を確
保する。
【0116】2次成形品の高延伸配向された底部及びそ
れに連なる胴部の一部の加熱温度は130〜200℃と
することが好ましく、得られた3次成形品は収縮すると
共に熱固定され、熱結晶化が進行する。この際、3次成
形品の底部ではゲート残部の低延伸配向層が白化する
が、ゲート残部の高延伸配向層及びその周囲のゲート周
縁部は白化することなく、実質的に透明状態を保持す
る。
【0117】(3)2次ブロー成形 加熱状態の3次成形品44は2次ブロー金型内に導入さ
れ、2次ブロー成形されて最終製品となる(図14及び
図15)。
【0118】2次ブロー成形工程の詳細を示す図14に
おいて、3次成形品44は、コア金型31によりその首
部を支持されており、閉じた割金型51内に保持され
る。コア金型の反対側には、最終容器の底形状を規定す
る底金型52も配置されている。3次成形品44内に流
体を吹き込んで、3次成形品を2次ブロー成形し、所定
の谷部及び足部を備えた最終容器50の底形状に形成す
る。成形された容器50は、それ自体公知の取り出し機
構(図示せず)により、開いた2次ブロー金型51から
外部に取り出される。
【0119】また、3次成形品では、熱処理による結晶
化で、弾性率が増加しているので、高い流体圧を用いて
行うのがよく、一般に15乃至45kg/cm2 の圧力
を用いるのが好ましい。
【0120】2次ブロー成形に際して、金型の温度は、
5乃至135℃の温度に維持して、成形後直ちに冷却が
行われるようにしてもよいし、或いは、最終成形品中に
冷風等を流して冷却が行われるようにしてもよい。
【0121】この様にして得られた最終製品の底部はゲ
ート残部を含めて高耐熱圧強度と高耐衝撃強度を有する
熱固定された高延伸配向層から構成されており、耐熱圧
性能及び耐衝撃性能に優れる。この際、容器の底中心ゲ
ート残部、ゲート接続部及びゲート周縁部の肉厚は1次
ブロー成形された2次成形品の肉厚よりも熱固定時に熱
収縮した分だけ厚肉となり、次の2次ブロー成形では底
中央部位は殆ど延伸されないことから、多少厚肉とな
る。また、2次成形品の底コーナ部44a乃至その近傍
の環状厚肉部に対応して、谷部には帯状厚肉部が形成さ
れると共に、足部先端の薄肉化が抑制されることにな
る。
【0122】[製造例]図11乃至図15に示されるよ
うな2段ブロー成形法の装置を用いて、最終成形品の最
大胴径D0 が91mm、全高さが303mm、容量が1
500mlで、底部が6本の足部及び谷部とから構成さ
れる図1に示されるようなポリエチレンテレフタレート
(PET)製の容器を作成した。
【0123】図8及び図9に示される有底状のプリフォ
ームを用意した。そのプリフォームの胴部の肉厚T1 と
底肩部の肉厚T3 の比T1 /T3 が0.95、ゲート周
縁部の肉厚T2 と底肩部の肉厚T3 との比T2 /T3 が
0.89であった。上記プリフォームを用いて、図12
に示されるような、高さが315mmで、概ね平坦な底
部の中央部が内方に、径D1 が30mmで深さH1 が2
mmの凹状部を有し、且つ曲率半径が20mmの底コー
ナ部を有する底型よりなるブロー金型を用いて、1次ブ
ロー成形を行った。その1次ブロー成形では、最初にプ
リフォームを延伸温度に加熱して金型内に導入し、次に
プリフォームの底部を内部に設置された延伸棒と外部に
設置されたプレス棒とで挟み込み、延伸棒でプリフォー
ム底部を突き上げながら同時に20kgf/cm2 の圧
縮空気をプリフォーム内に吹き込んでブロー成形し、2
次成形品を得た。得られた2次成形品の底部は底中心ゲ
ート残部を除き1mm以下の肉厚であり、延伸配向に伴
う結晶化度は25%以上であった。底中心ゲート残部の
最大厚肉部の肉厚は1.5mmで、0.6〜0.7mm
程度の肉厚の内面側に位置する高延伸配向層及び最大厚
肉部で約0.8mm程度の肉厚の外面側に位置する低延
伸配向層で構成されていた。その高延伸配向層の最大結
晶化度は25%であり、低延伸配向層の外表面側近傍の
結晶化度は1〜10%程度であった。また、得られた2
次成形品の底コーナR部にはその近傍の胴部及びゲート
残部周縁よりも厚肉な環状の厚肉部が形成されていた。
底コーナR部に形成された環状厚肉部の最大厚肉部の肉
厚は0.64mmであり、その近傍の胴部及びゲート残
部周縁部の最小肉厚はそれぞれ0.35mmと0.38
mmであった。また、環状厚肉部の幅は約18mmであ
った。
【0124】次に、セラミック内に電熱ヒータを組み込
んだ面状の赤外線加熱体を天面及び側面に配置したトン
ネル状の熱処理装置中を2次成形品を自転させながら移
動させることにより、2次成形品の底部及び底部に連な
る胴部の一部を加熱収縮させて3次成形品を得た。赤外
線加熱体の温度は天面が900℃で、側面が750℃で
あり、加熱時間は6秒間であった。得られた3次成形体
の加熱部位は図13に示す様に環状の底肩部の比較的に
張った形状を有しており、その底肩部が最終容器の底谷
曲面に比較的に近接していた。この3次成形品の底肩部
は比較的に厚肉であり、2次成形品の底コーナR部の環
状厚肉部に対応している。この場合、2次成形品が加熱
される際に、最初に底コーナ部の環状厚肉部の内側の比
較的に薄肉の部分が薄肉であるが故により早く温度上昇
し、平板状に収縮する。次に環状厚肉部が温度上昇し収
縮を開始する時点には、その内部の平板状の薄肉部は収
縮がほぼ終了している。そのため、環状厚肉部の収縮の
程度が抑制され、比較的に肩の張った底肩部が形成され
る。その様な好ましい3次成形品の底形状を得るには2
次成形品に環状厚肉部を形成させることが重要である。
【0125】最後に、加熱状態にある3次成形品を6本
の足部及び谷部からなる所定の底形状を有する2次ブロ
ー金型を用いて、40kgf/cm2 の圧縮空気にて2
次ブロー成形して前記容器を得た。その際の2次ブロー
金型の底型では、底中央部近傍における谷底部の曲率半
径R1 が67mm、胴径D0 の40%の直径内に含まれ
る底谷部の合計表面積S’と胴径D0 の40%の直径内
に含まれる底部仮想曲面の表面積S0 ’との比S’/S
0 ’が0.72、胴径D0 の80%の直径内に含まれる
底谷部の合計表面積Sと胴径D0 の80%の直径内に含
まれる底部仮想曲面の表面積S0 との比S/S0 が0.
31、足高さHが4mm、足部間を横切り且つ谷部に垂
直な面において谷部を挟む足角度θが71°であった。
得られた容器の底部及び底部に連なる胴部の一部は底中
心ゲート残部を除いて、1mm以下の肉厚であり、透明
状態であった。加熱された底部及び胴部の一部は熱結晶
化が行われており、底谷部での結晶化度は35〜45%
であった。底中心ゲート残部は約3mmの直径を有して
おり、図3に示す様に、内面側に位置する透明の高延伸
配向層及び外面側に位置する白化した低延伸配向層とで
構成されていた。その高延伸配向層は約0.8mmの肉
厚で、結晶化度は約33%であった。一方、白化した低
延伸配向層は最大厚肉部が1.3mmであり、結晶化度
は約30%程度に球晶化していた。得られた容器の底谷
部には帯状厚肉部が形成されていた。その帯状厚肉部の
最大厚肉部は底中心部より約25mmの位置にあり、そ
の肉厚の各谷部での平均値は0.85mmであった。ま
た、その帯状肉厚部の幅は約20mmであった。この様
な帯状肉厚部は2次成形品の底コーナR部近傍に形成さ
れた環状厚肉部に由来するものであり、その環状厚肉部
が次の底部及び胴部の一部の加熱収縮工程において得ら
れる3次成形品の環状で且つ厚肉の底肩部となり、さら
に、2次ブロー成形されて谷部において帯状厚肉部とな
ることが判った。一方、3次成形品の環状の底肩部にお
いて、2次ブロー成形で足部となる部位は足先端部に近
傍に延伸された。その結果、足接地部及び足先端部の最
小肉厚が0.22〜0.3mmとかなり厚肉となり、好
ましい肉厚を得ることができた。
【0126】得られた5本の容器を用意し、圧縮試験機
にて容器の口部を軸方向に圧縮し、軸荷重強度を求め
た。その結果、軸荷重強度は平均38.6kgfであ
り、足先端部の厚肉化に伴って、好ましい値が得られ
た。次に10本の容器を用意し、3ガスボリューム(G
V)の炭酸水を充填してキャッピングした後、70℃の
熱湯を容器上部から30分間流すことにより内容物の加
熱殺菌処理を行った。その加熱殺菌処理において底中心
部は最大68℃までの温度上昇が見られた。加熱殺菌処
理が終了し冷却した容器底部の変形量を測定し、足高さ
(H)を求めたところ、足高さは1mm以上であり、い
ずれの容器も十分な自立性を有していた。さらに、10
本の容器を用意し、湿潤な環境に置いて5000ppm
の含水率となるようにした。その容器に2.8ガスボリ
ューム(GV)の炭酸水を充填してキャッピングした
後、上記と同様の条件にて加熱殺菌処理を行った。処理
後の容器の底部の足高さは0.8mm以上あり、いずれ
の容器も十分な自立性を有していた。上記の加熱殺菌処
理した20本の容器を正立状態で1.2mの高さから垂
直落下させたが、いずれの容器にも割れは一切見られな
かった。
【0127】
【発明の効果】本発明によれば、底部が、ゲート残部を
含めて、有効に高延伸配向状態に配向結晶化され、更に
底谷部に高延伸状態の環状厚肉部を有すると共に底足部
の薄肉化が抑制されていることにより、底部の軽量化が
可能であり、底部の耐熱耐圧性、耐ストレスクラック
性、耐吸湿性等に優れ、容器の軸荷重強度、耐衝撃強度
等が向上した延伸樹脂容器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の容器の一例を示す一部断面側面図であ
る。
【図2】図1の容器の底部を拡大して示す底面図であ
る。
【図3】本発明の容器における底中心ゲート残部の配置
の一例を示す部分拡大断面図である。
【図4】本発明の容器における底部の各部位と肉厚の分
布との関係を示す説明図である。
【図5】本発明の容器の底谷部の形状及び寸法を説明す
るための説明図である。
【図6】本発明の容器の底谷部の形状及び寸法の他の例
を説明するための説明図である。
【図7】本発明の容器における足部開き角θを説明する
ための説明図である。
【図8】本発明の方法に使用するプリフォームの一例を
示す側面図である。
【図9】プリフォームの底部の形状及び寸法を示す説明
図である。
【図10】プリフォームのゲート部の形状及び寸法を示
す説明図である。
【図11】2段ブロー成形法における1次ブロー成形工
程の最初の段階を示す断面図である。
【図12】2段ブロー成形法における1次ブロー成形工
程の最後の段階を示す断面図である。
【図13】2段ブロー成形法における3次成形品を得る
ための中間加熱工程の最初の段階を示す断面図である。
【図14】2段ブロー成形法における2次ブロー成形工
程を示す断面図である。
【図15】2段ブロー成形法における最終製品を示す側
面図である。
【図16】2次成形品の底形状と厚みの分布とを示す説
明図である。
【図17】2次成形品における底中心ゲート残部の配置
の一例を示す部分拡大断面図である。
【図18】3次成形品の底形状を示す部分断面図であ
る。
【符号の説明】
1 口頸部 2 肩部 3 胴部 4 底部 5 底中央谷部 6 谷部 7 足部 8 ゲート残部 9 ゲート接続部 10 ゲート周縁部 11 高延伸配向部 12 低延伸配向部 13 先端部 14 接地部 15 帯状厚肉部 16 足先端部 20 プリフォーム 21 首部 22 胴部 23 閉塞底部 24 ゲート残部 25 底肩部 26 ゲート周縁部 31 コア金型 32 割金型 33 底金型 34 延伸棒 35 プレス棒 36 2次成形品 36b 2次成形品 37 底部 38 凸部 39 平坦部 41 ゲート接続部 42 底ゲート残部 42a 高延伸配向層 42b 低延伸配向層 43 胴部 44 3次成形品 44a 底コーナ部 45、46 赤外線放射体 48 平坦状の底面 49 底肩部 50 最終製品 51 割金型
【手続補正書】
【提出日】平成10年7月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】一般に、自立性延伸樹脂容器の底部におい
ては、底中心ゲート残部が最も厚肉であり、径外方向に
向けて、即ち中心から胴部との接続部に向けて次第に肉
厚が減少するような肉厚分布をとり、特に谷部に比して
外方に突出させて形成される足部においては、肉厚の減
少が特に著しいものとなりやすい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】一般には、最も厚肉な底中心ゲート残部と
帯状厚肉部との間には、これらよりも肉厚の減少した部
分が存在する。というのは、既に指摘したとおり、底中
心ゲート残部の周囲の高延伸が底中心ゲート残部におけ
る高延伸配向層の形成をもたらすからである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正内容】
【0056】谷部6の帯状厚肉部15の厚みの極大値を
、底部4に連なる胴部3の下部の厚みをT
びゲート周縁部10の厚みをTとしたとき、一般
に、 T>T 及び T ≧T、特にT>T である。破裂強度及び軸荷重強度の向上の見地からは、
>Tの厚み比は、1.3乃至3.5特に
1.6乃至3の範囲にあり、またT>Tの厚み
比は、1乃至2.2、特に1.1乃至2の範囲にあるこ
とが好ましい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正内容】
【0062】底中央谷部5を含む球面の曲率半径R
を適切な大きさとし、且つその球面の垂線が足先端部
と谷面間の最短距離となる様にすることにより、足先
端部13と谷部6との間の距離を比較的小さくすること
ができる。その結果、底足先端部13のブロー成形性が
向上し、足先端部13の肉厚を比較的厚くすること及び
過延伸による足先端部13の白化を防止することが可能
となる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0110
【補正方法】変更
【補正内容】
【0110】2次成形品の底部37における底コーナ部
44aの曲率半径 は、一般に胴径の0.05乃至
0.35倍の範囲にあることが、続いて行う熱処理より
最終成形品の底形状に近い底形状を発現させるために好
ましい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0123
【補正方法】変更
【補正内容】
【0123】図8及び図9に示される有底状のプリフォ
ームを用意した。そのプリフォームの胴部の肉厚T1 と
底肩部の肉厚T3 の比T1 /T3 が0.95、ゲート周
縁部の肉厚T2 と底肩部の肉厚T3 との比T2 /T3 が
0.89であった。上記プリフォームを用いて、図12
に示されるような、高さが315mmで、概ね平坦な底
部の中央部が内方に、径D4 が30mmで深さH1 が2
mmの凹状部を有し、且つ曲率半径が20mmの底コー
ナ部を有する底型よりなるブロー金型を用いて、1次ブ
ロー成形を行った。その1次ブロー成形では、最初にプ
リフォームを延伸温度に加熱して金型内に導入し、次に
プリフォームの底部を内部に設置された延伸棒と外部に
設置されたプレス棒とで挟み込み、延伸棒でプリフォー
ム底部を突き上げながら同時に20kgf/cm
圧縮空気をプリフォーム内に吹き込んでブロー成形し、
2次成形品を得た。得られた2次成形品の底部は底中心
ゲート残部を除き1mm以下の肉厚であり、延伸配向に
伴う結晶化度は25%以上であった。底中心ゲート残部
の最大厚肉部の肉厚は1.5mmで、0.6〜0.7m
m程度の肉厚の内面側に位置する高延伸配向層及び最大
厚肉部で約0.8mm程度の肉厚の外面側に位置する低
延伸配向層で構成されていた。その高延伸配向層の最大
結晶化度は25%であり、低延伸配向層の外表面側近傍
の結晶化度は1〜10%程度であった。また、得られた
2次成形品の底コーナR部にはその近傍の胴部及びゲー
ト残部周縁よりも厚肉な環状の厚肉部が形成されてい
た。底コーナR部に形成された環状厚肉部の最大厚肉部
の肉厚は0.64mmであり、その近傍の胴部及びゲー
ト残部周縁部の最小肉厚はそれぞれ0.35mmと0.
38mmであった。また、環状厚肉部の幅は約18mm
であった。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0127
【補正方法】変更
【補正内容】
【0127】
【発明の効果】本発明によれば、底部が、ゲート残部を
含めて、有効に高延伸配向状態に配向結晶化され、更に
底谷部に高延伸状態の状厚肉部を有すると共に底足部
の薄肉化が抑制されていることにより、底部の軽量化が
可能であり、底部の耐熱耐圧性、耐ストレスクラック
性、耐吸湿性等に優れ、容器の軸荷重強度、耐衝撃強度
等が向上した延伸樹脂容器が提供される。
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図16
【補正方法】変更
【補正内容】
【図16】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜田 和久 神奈川県横浜市西区西戸部町2−206 (72)発明者 向井 豊 神奈川県川崎市中原区下小田中6−7−27

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂の二軸延伸ブロー成形によって形成
    された口頚部、肩部、胴部及び複数の足部と谷部を有す
    る底部を備えた自立性容器において、上記胴部及び底部
    が底中心ゲート残部を含めて高延伸配向層を有してお
    り、且つ上記底谷部の少なくとも一部に周状に配置され
    た高延伸配向状態の帯状厚肉部を有すると共にこの帯状
    厚肉部に対応する底足部では厚みの減少が抑制されてい
    ることを特徴とする延伸樹脂容器。
  2. 【請求項2】 底谷部の帯状厚肉部の内周側端縁に対す
    る垂線を含む仮想円錐台面と、前記帯状厚肉部の外周側
    端縁に対する垂線を含む仮想円錐台面とで区画される空
    間内に、底足部の先端部が含まれる位置関係に、底谷部
    の帯状厚肉部と底足部とが設けられている請求項1記載
    の延伸樹脂容器。
  3. 【請求項3】 底谷部の帯状厚肉部の肉厚が0.45〜
    1.1mmの範囲にある請求項1または2記載の延伸樹
    脂容器。
  4. 【請求項4】 底足先端部の肉厚が0.17mm以上に
    保持されるように厚みの減少が抑制されている請求項1
    乃至3の何れかに記載の延伸樹脂容器。
  5. 【請求項5】 上記高延伸配向層の配向に伴う結晶化度
    が20%以上である請求項1乃至4の何れかに記載の延
    伸樹脂容器。
  6. 【請求項6】 上記底中心ゲート残部及びその近傍を除
    く部分の肉厚が1.1mm以下である請求項1乃至5の
    何れかに記載の延伸樹脂容器。
  7. 【請求項7】 上記底中心ゲート残部が高延伸配向層と
    低延伸配向部とから構成される請求項1乃至6の何れか
    に記載の延伸樹脂容器。
  8. 【請求項8】 上記底部が25%以上の結晶化度を有す
    るように熱固定されており、底中心ゲート残部を除い
    て、実質的に透明である請求項1乃至7の何れかに記載
    の延伸樹脂容器。
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