JPH11147720A - 白金又はパラジウムを超微粒状で含有する金属酸化物の製造方法 - Google Patents

白金又はパラジウムを超微粒状で含有する金属酸化物の製造方法

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JPH11147720A
JPH11147720A JP32536897A JP32536897A JPH11147720A JP H11147720 A JPH11147720 A JP H11147720A JP 32536897 A JP32536897 A JP 32536897A JP 32536897 A JP32536897 A JP 32536897A JP H11147720 A JPH11147720 A JP H11147720A
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palladium
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microemulsion
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Katsuhiko Wakabayashi
勝彦 若林
Masahiro Kishida
昌浩 岸田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 白金化合物又はパラジウム化合物からなる超
微粒子を含有する安定性の良いマイクロエマルジョンを
提供するとともに、そのマイクロエマルジョンを原料と
している白金又はパラジウムを超微粒子状で含有する金
属酸化物の製造方法を提供する。 【解決手段】 白金化合物又はパラジウム化合物と第4
級アンモニウムハライドとの不溶性の錯体からなる白金
又はパラジウムからなる超微粒子を含有する油中水滴型
のマイクロエマルジョン及びそれを用いる白金又はパラ
ジウムを超微粒子状で含む金属酸化物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、白金又はパラジウ
ムを超微粒子状で含有する金属酸化物の製造方法、その
製造に用いる白金又はパラジウムを含む油中水滴型のマ
イクロエマルジョン及びその製造方法で得られた製品に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】貴金属超微粒子を含有する耐火性金属酸
化物(シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア等)
は、水素化触媒等として有利に使用される。このような
ものを製造する方法としては、先ず、不溶性の貴金属塩
を超微粒子状で含むマイクロエマルジョンを作り、次い
で、このマイクロエマルジョンにヒドラジン1水和化
(N24・H2O)を加えて、その貴金属塩を貴金属超
微粒子に還元し、この貴金属超微粒子を金属酸化物に固
定化する方法が知られている(特開平7−24634
3)。この方法の場合、不溶性貴金属塩が非常に凝集し
やすいために、貴金属を金属酸化物に均一径の超微粒子
状で固定化することには非常に大きな困難を伴った。貴
金属のうち、白金とパラジウムについては、特に大きな
困難を伴った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、白金化合物
又はパラジウム化合物からなる超微粒子を含有する安定
性の良いマイクロエマルジョンを提供するとともに、そ
のマイクロエマルジョンを原料としている白金又はパラ
ジウムを超微粒子状で含有する金属酸化物及びその製造
方法を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに
至った。即ち、本発明によれば、白金化合物と下記一般
式(1)
【化1】 (式中、R1、R2、R3及びR4はアルキル基又はアルケ
ニル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、R1〜R4に含
まれる炭素数の合計は12以上である)で表される第4
級アンモニウムハライドとの不溶性の錯体からなる白金
含有超微粒子を含有する油中水滴型のマイクロエマルジ
ョンが提供される。また、本発明によれば、パラジウム
化合物と下記一般式(2)
【化2】 (式中、R1、R2、R3及びR4はアルキル基又はアルケ
ニル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、R1〜R4に含
まれる炭素数の合計は19以上である)で表される第4
級アンモニウムハライドとの不溶性の錯体からなるパラ
ジウム含有超微粒子を含有する油中水滴型のマイクロエ
マルジョンが提供される。さらに、本発明によれば、前
記白金超微粒子を含有するマイクロエマルジョン中で金
属アルコキシドを加水分解する工程を含むことを特徴と
する白金超微粒子含有金属酸化物の製造方法が提供され
る。さらにまた、本発明によれば、前記パラジウム超微
粒子を含有するマイクロエマルジョン中で金属アルコキ
シドを加水分解する工程を含むことを特徴とするパラジ
ウム超微粒子含有金属酸化物の製造方法が提供される。
さらにまた、本発明によれば、前記方法により得られた
白金又はパラジウムを超微粒子状で含有する金属酸化物
が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明による白金化合物からなる
超微粒子を含む油中水滴型のマイクロエマルジョンを調
製するには、先ず、水溶性白金化合物を含む水溶液を作
る。この場合の水溶性白金化合物としては、塩化白金酸
や塩化白金酸塩(アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリ
ウム塩等)が挙げられる。水溶液中の水溶性白金化合物
の濃度は、白金金属換算量で、0.001〜0.2重量
%、好ましくは0.05〜0.1重量%である。次に、
この水溶性白金化合物の水溶液中に、油性液体と界面活
性剤を添加し、均一に撹拌する。これにより、水溶性白
金化合物を含有する水滴が油性液体中に分散する油中水
滴型のマイクロエマルジョンが得られる。この場合、油
性液体としては、炭素数5〜18、好ましくは6〜12
の脂肪族アルコール;炭素数6〜20、好ましくは8〜
12の脂脂肪族炭化水素;芳香族炭化水素等が挙げられ
る。それらの具体例としては、例えば、ヘキサノール、
ヘプタノール、オクタノール、ドデシルアルコール、セ
チルアルコール、シクロヘキサン、シクロヘプタン、n
−ヘキサン、n−ヘプタン、イソオクタン、n−デカ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。油
性液体の使用割合は、水溶性白金化合物を含む水溶液1
重量部当り、5〜250重量部、好ましくは30〜11
0重量部の割合である。前記界面活性剤としては、非イ
オン系界面活性剤が用いられる。その具体例としては、
ポリオキシエチレン−p−ノニルフェノールや、ポリオ
キシエチレンドデシルエーテル等のアルコールやフェノ
ールの水酸基にエチレンオキシドを付加させた構造のポ
リオキシエチレン化合物が挙げられる。この場合、オキ
シエチレン基の重量度は2〜20、好ましくは3〜10
である。界面活性剤の使用割合は、水溶性白金化合物の
水溶液1重量部当り、1〜55重量部、好ましくは5〜
25重量部の割合である。
【0006】前記のようにして得られた油中水滴型のマ
イクロエマルジョンに対し、沈殿形成剤を加える。本発
明者の研究によれば、この場合の沈殿形成剤としては、
下記一般式(1)で表されるアルキルアンモニウムハラ
イドが、凝集することのない安定性の良い白金超微粒子
を含むマイクロエマルジョンの形成に有効であることが
見出された。
【化1】 前記一般式(1)において、R1、R2、R3及びR4はア
ルキル基又はアルケニル基であるが、R1、R2、R3
びR4に含まれる炭素数の合計は12以上、好ましくは
19以上である。その上限値は、26程度である。Xは
塩素や臭素、ヨウ素等のハロゲンを示す。このような沈
殿形成剤の具体例としては、例えば、テトラプロピルア
ンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミ
ド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチル
アンモニウムヨーヂト、テトラアミルアンモニウムブロ
ミド、ジドデシルジメチルアンモニウムブロミド、セチ
ルトリメチルアンモニウムブロミド、セチルトリメチル
アンモニウムクロリド等が挙げられる。テトラメチルア
ンモニウムブロミドやテトラエチルアンモニウムブロミ
ド等は、安定性の良い不溶性超微粒子を与えない。前記
第4級アンモニウムハライドの添加量は、水溶液中に含
まれる白金化合物中の白金金属1モル当り、0.5〜5
0モル、このましくは1〜10モルの割合である。ま
た、前記第4級アンモニウムハライドは、油性液体との
混合物として添加するのが好ましい。
【0007】前記第4級アンモニウムハライドの添加に
より、白金化合物と第4級アンモニウムクロリドとの水
不溶性の結合体(錯体)が形成され、このものは超微粒
子状の沈殿コロイドとして分散し、マイクロエマルジョ
ンを形成する。前記した白金化合物と第4級アンモニウ
ムハライドとの錯体からなる超微粒子を含むマイクロエ
マルジョンは、安定性の著しく向上したもので、その白
金化合物は、凝集粗大化することなく、超微粒子状に保
持される。このマイクロエマルジョンは、白金超微粒子
含有金属酸化物を製造する際の原料として適用される。
【0008】本発明によるパラジウム化合物を超微粒子
状で含むマイクロエマルジョンは、前記白金化合物を超
微粒子状で含むマイクロエマルジョンの場合と、同様に
して調製することができる。この場合、水溶性パラジウ
ム化合物としては、塩化パラジウム等の可溶性パラジウ
ム塩が挙げられる。また、沈殿剤としては、下記一般式
(2)に示すものが挙げられる。
【化2】 前記一般式(1)において、R1、R2、R3及びR4はア
ルキル基又はアルケニル基であり、R1、R2、R3及び
4に含まれる炭素数の合計は16以上、好ましくは1
9以上である。その上限値は、26程度である。Xは塩
素、臭素、ヨウ素等のハロゲンを示す。前記沈殿形成剤
の具体例としては、ジドデシルジメチルアンモニウムブ
ロミド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロリド、セ
チルトリメチルアンモニウムブロミド、セメチトリメチ
ルアンモニウムクロリド等が挙げられる。パラジウム超
微粒子を含有する金属酸化物は、前記マイクロエマルジ
ョンを原料として製造される。
【0009】本発明による白金又はパラジウムを超微粒
子状で含有する金属酸化物において、その白金又はパラ
ジウムは、化合物や金属状態で存在する。金属状態で存
在するパラジウムは、還元剤(水素、ヒドラジン等)で
還元することにより形成される。白金又はパラジウムか
らなる超微粒子の平均粒子径は、3〜5nm程度であ
る。金属酸化物中の白金又はパラジウム含有量は、特に
制約されないが、通常0.05〜10重量%、好ましく
は0.5〜5重量%である。
【0010】本発明による白金超微粒子又はパラジウム
超微粒子を含む金属酸化物を製造する方法としては、前
記不溶性の白金化合物又はパラジウム化合物を含むマイ
クロエマルジョンを金属酸化物に含浸させた後、乾燥
し、焼成し、次いで必要に応じ水素還元する方法や、そ
のマイクロエマルジョンに、金属アルコキシドを加え、
加水分解して、不溶性の白金化合物又はパラジウム化合
物を含む金属酸化物コロイドを得、これを乾燥し焼成
し、必要に応じ水素還元する方法等が挙げられる。本発
明では、金属アルコキシドを用いる方法の使用が好まし
く、この方法について以下に詳細に説明する。
【0011】金属アルコキシドとしては、その金属酸化
物が触媒担体等に使えれるものであればよく、特に限定
されない。例えば、表面積が大きいシリカを形成するシ
リコンアルコキシドや、アルミナを形成するアルミニウ
ムアルコキシドが好ましく使われるし、チタニアを形成
するチタニウムアルコキシドやジルコニアを形成するジ
ルコニウムアルコキシドも使える。さらに、マグネシ
ア、ボリア、ニオビア、酸化ランタン等を与える金属ア
ルコキシドも使用可能である。また、金属アルコキシド
は単独でも2種類以上混合して使っても良く、異種の金
属から成る金属アルコキシド混合物を加水分解すると、
シリカ−アルミナやシリカ−アルミナ−マグネシアのよ
うな複合酸化物が得られる。なお、金属アルコキシドの
加水分解速度はその種類で大きく違う場合が多いから、
複合酸化物を得る場合には加水分解触媒を添加し、その
加水分解速度を同一程度にするのがよい。
【0012】金属酸化物コロイドの製造原料に使われる
金属アルコキシドを具体的に例示すると以下のとおりで
ある。シリコンテトラエトキシド、シリコンテトライソ
プロポキシド、シリコンテトラブトキシド等のシリコン
アルコキシド;アルミニウムトリエトキシド、アルミニ
ウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリブトキシ
ド等のアルミニウムアルコキシド;チタニウムテトラエ
トキシド、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニ
ウムブトキシド等のチタニウムアルコキシド;ジルコニ
ウムエトキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシ
ド、ジルコニウムテトラブトキシド等のジルコニウムア
ルコキシド;マグネシウムジブトキシド、ペンタブトキ
シニオブ、トリブトキシボラン、トリブトキシランタン
その他。これらの金属アルコキシドは、所望する金属酸
化物コロイドの種類によって適宜選択して使えば良い。
【0013】マイクロエマルジョン中での金属アルコキ
シドの加水分解反応において、その金属アルコキシドの
加水分解反応に必要な水は、あらかじめマイクロエマル
ジョン中に存在させておくこともできるし、金属アルコ
キシドの加水分解反応に際し、マイクロエマルジョン中
に添加することもできる。また加水分解反応に必要な水
は、反応開始時に、その全量をマイクロエマルジョン中
に存在させても良いし、反応の進行と共に徐々に加えて
もよい。金属アルコキシドの加水分解反応に際して用い
る全水量は、金属アルコキシドの加水分解反応に必要と
される理論量の1〜10モル倍、好ましくは1〜3モル
倍である。金属アルコキシドの種類によっては加水分解
速度が遅いために、触媒の使用が好ましい場合もある。
この場合は、加水分解用の水として、0.01〜1重量
%程度のアンモニア水や0.01〜1重量%程度の希硝
酸を含む水を用いればよい。
【0014】加水分解温度は、金属アルコキシドの種類
によっても異なるが一般に20〜60℃、好ましくは3
0〜50℃である。分散液に水を加える場合、その添加
水は反応開始から0〜8時間、好ましくは1〜2時間の
間に分割して加えるのが望ましい。また、水の添加終了
後0〜12時間、好ましくは1〜8時間攪拌下に20〜
60℃、好ましくは30〜50℃に保って加水分解反応
を完結させ、その後0〜3時間、好ましくは1〜2時間
前記温度で熟成させるのが良い。この加水分解反応にお
いては、反応が進んでコロイド状生成物が形成される。
加水分解反応時の反応液のpHは、金属アルコキシドの
種類等によっても異なるが、一般的には3〜11、好ま
しくは7〜11、より好ましくは8〜10とするのが良
い。
【0015】以上のようにして、超微粒子を状の白金又
はパラジウムを含有する金属酸化物コロイドが形成され
るが、このものは、熟成期間が終了すると反応器内に沈
澱粒子状で存在する。この生成物は、これを固液分離し
て該沈殿を母液と濾別してから、アルコール等で洗浄し
て界面活性剤等の不純物を除き、次いで常圧又は減圧下
に加熱・乾燥して水や含有する油性液体等を除くことに
より担持触媒を得ることができる。このようにして得ら
れた超微粒子を含有する金属酸化物は、所望の粒度に粉
砕後に必要であれば所望の雰囲気下に焼成し、或いは水
素還元等の処理後に所望の形に成形して触媒とすれば良
い。なお、アルコール洗浄等で精製したペースト状の金
属酸化物コロイドを、ハニカム状等に加工してから乾燥
して触媒に使用しても良い。
【0016】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。なお、以下において示す部及び%はいずれも重
量基準である。
【0017】実施例1 内容積5.0リットルのビーカーに塩化白金酸H2Pt
Cl4を1部とイオン交換水を5部入れ、良く撹拌して
均一液としてから該水溶液に1−ヘキサノール306部
と界面活性剤ポリオキシエチレン(5)−p−ノニルフ
ェニルエーテル(=NP−5)106部を加え、25℃
で撹拌するとただちに、100g中に白金0.11gを
イオンとして含有するマイクロエマルジョンが形成され
る。撹拌にはスターラーを使用した。該マイクロエマル
ジョンは一相系油中水滴型であり、液滴の直径は23Å
(平均値)と計算され、一つの液滴中に含まれる白金イ
オンの数は平均0.40個と計算される。このマイクロ
エマルジョンにセチルトリメチルアンモニウムクロリド
(CTAC)4部と1−ヘキサノール392部を加え、
充分に撹拌しながら0.5時間25℃に保って、Pt−
CTAC錯体化合物からなる超微粒子を含む分散液を作
製した。前記分散液に、28%のアンモニア水(触媒)
を0.5部とイオン交換水72部を加えて充分撹拌し、
pHを4.5とした。それにアルミニウムトリイソプロ
ポキシド192部と1−ヘキサノール392部を加えて
溶解させ、5〜80℃の間で温度制御可能な温浴に浸漬
した。反応温度は25℃とし、10分間撹拌した後に、
生成した沈殿を母液からただちに分取した。得られた沈
殿は、200部のエタノールで3回洗浄して沈殿に含ま
れている界面活性剤や油性液体を充分に除去した。この
沈殿を80℃で12時間乾燥してから、空気流通下に6
00℃で2時間焼成し、さらに水素気流中400℃で1
時間還元すると担持された超微粒子が白金金属となり、
1.0重量%の白金を含むアルミナゲルが48部得られ
た。原料のアルミニウムトリイソプロポキシドからのア
ルミナゲル収率は理論量の100%であった。また、塩
化白金酸からの白金収率も理論量の100%であった。
【0018】実施例2 内容積5.0リットルのビーカーに塩化白金酸H2Pt
Cl4を1部とイオン交換水を5部入れ、良く撹拌して
均一液としてから該水溶液に1−ヘキサノール306部
と界面活性剤ポリオキシエチレン(5)−p−ノニルフ
ェニルエーテル(=NP−5)106部を加え、25℃
で撹拌するとただちに、100g中に白金0.11gを
イオンとして含有するマイクロエマルジョンが形成され
る。撹拌にはスターラーを使用した。該マイクロエマル
ジョンは一相系油中水滴型であり、液滴の直径は23Å
(平均値)と計算され、一つの液滴中に含まれる白金イ
オンの数は平均0.40個と計算される。このマイクロ
エマルジョンにテトラプロピルアンモニウムブロミド
(TPAB)1.5部と1−ヘキサノール392部を加
え、充分に撹拌しながら0.5時間25℃に保って、P
t−TPAB錯体化合物からなる超微粒子を含む分散液
を作製した。前記分散液に、28%のアンモニア水(触
媒)を0.5部とイオン交換水72部を加えて充分撹拌
し、pHを4.5とした。それにアルミニウムトリイソ
プロポキシド192部と1−ヘキサノール392部を加
えて溶解させ、5〜80℃の間で温度制御可能な温浴に
浸漬した。反応温度は25℃とし、10分間撹拌した後
に、生成した沈殿を母液からただちに分取した。得られ
た沈殿は、200部のエタノールで3回洗浄して沈殿に
含まれている界面活性剤や油性液体を充分に除去した。
この沈殿を80℃で12時間乾燥してから、空気流通下
に600℃で2時間焼成し、さらに水素気流中400℃
で1時間還元すると担持された超微粒子が白金金属とな
り、1.0重量%の白金を含むアルミナゲルが48部得
られた。原料のアルミニウムトリイソプロポキシドから
のアルミナゲル収率は理論量の100%であった。ま
た、塩化白金酸からの白金収率も理論量の100%であ
った。
【0019】実施例3 内容積5.0リットルのビーカーに塩化パラジウムPd
Cl2を1部と濃塩酸0.5部とイオン交換水を9部入
れ、良く撹拌して均一液としてから該水溶液に1−ヘキ
サノール361部と界面活性剤ポリオキシエチレン(2
3)ドデシルエーテル60部を加え、25℃で撹拌する
とただちに、100g中にパラジウム0.14gをイオ
ンとして含有するマイクロエマルジョンが形成される。
撹拌にはスターラーを使用した。該マイクロエマルジョ
ンは一相系油中水滴型であり、液滴の直径は67Å(平
均値)と計算され、一つの液滴中に含まれる白金イオン
の数は平均13個と計算される。このマイクロエマルジ
ョンにセチルトリメチルアンモニウムクロリド(CTA
C)2部と1−ヘキサノール8部を加え、充分に撹拌し
ながら0.5時間25℃に保って、Pd−CTAC錯体
化合物からなる超微粒子を含む分散液を作製した。前記
分散液に、28%のアンモニア水(触媒)を6部とイオ
ン交換水101部を加えて充分撹拌し、pHを9.5と
した。それにシリコンテトラエトキシド185部を加え
て溶解させ、5〜80℃の間で温度制御可能な温浴に浸
漬した。反応温度は50℃とし、4分間撹拌した後に、
生成した沈殿を母液から分取した。得られた沈殿は、2
00部のエタノールで3回洗浄して沈殿に含まれている
界面活性剤や油性液体を充分に除去した。この沈殿を8
0℃で12時間乾燥してから、空気流通下に500℃で
2時間焼成し、さらに水素気流中350℃で2時間還元
すると担持された超微粒子がパラジウム金属となり、
1.3重量%のパラジウムを含むシリカゲルが45部得
られた。原料のシリコンテトラエトキシドからのシリカ
ゲル収率は理論量の88%であった。また、塩化パラジ
ウムからのパラジウム収率は理論量の100%であっ
た。
【0020】比較例1 内容積0.2リットルのビーカーに塩化白金酸H2Pt
Cl4を1部とイオン交換水を5部入れ、良く撹拌して
均一液としてから該水溶液に1−ヘキサノール306部
と界面活性剤ポリオキシエチレン(5)−p−ノニルフ
ェニルエーテル(=NP−5)106部を加え、25℃
で撹拌するとただちに、100g中に白金0.11gを
イオンとして含有するマイクロエマルジョン(マイクロ
エマルジョンAとする)が形成される。撹拌にはスター
ラーを使用した。該マイクロエマルジョンは一相系油中
水滴型であり、液滴の直径は23Å(平均値)と計算さ
れ、一つの液滴中に含まれる白金イオンの数は平均0.
40個と計算される。内容積0.2リットルのビーカー
に塩化アンモニウムNH4Clを4部と0.1規定の塩
酸0.1部とイオン交換水24を入れ、良く撹拌して均
一液としてから該水溶液に1−ヘキサノール306部と
界面活性剤ポリオキシエチレン(5)−p−ノニルフェ
ニルエーテル(=NP−5)106部を加え、25℃で
撹拌するとただちに、100g中にNH4Clの0.9
1gを含有するマイクロエマルジョン(マイクロエマル
ジョンBとする)が形成される。内容積0.5リットル
のビーカーマイクロエマルジョンAとマイクロエマルジ
ョンBを同時に入れて、充分に撹拌しながら10分間2
5℃に保って、(NH42PtCl6超微粒子分散液を
作製した。前記分散液に、イオン交換水72部を加えて
充分撹拌した。それにアルミニウムトリイソプロポキシ
ド192部と1−ヘキサノール392部を加えて溶解さ
せ、5〜80℃の間で温度制御可能な温浴に浸漬した。
反応温度は25℃とし、10分間撹拌した後に、生成し
た沈殿を母液からただちに分取した。得られた沈殿は、
200部のエタノールで3回洗浄して沈殿に含まれてい
る界面活性剤や油性液体を充分に除去した。この沈殿を
80℃で12時間乾燥してから、空気流通下に600℃
で2時間焼成し、さらに水素気流中400℃で1時間還
元すると担持された超微粒子が白金金属となり、1.0
重量%の白金を含むアルミナゲルが48部得られた。原
料のアルミニウムトリイソプロポキシドからのアルミナ
ゲル収率は理論量の100%であった。また、塩化白金
酸からの白金収率も理論量の100%であった。
【0021】比較例2 実施例1において、塩化白金酸を加えないで、その他は
全く同様にして、白金を含まないアルミナゲルを調製し
た。このアルミナゲルを担体とし、常法にしたがって浸
漬法で塩化白金酸を担持させてから、80℃で12時間
乾燥し、それを空気流通下に600℃で2時間焼成し、
さらに水素気流中400℃で1時間還元することによっ
て、1.0重量%の白金を担持した白金−アルミナ触媒
を作製した。
【0022】比較例3 実施例3において、塩化パラジウムと濃塩酸を加えない
で、その他は全く同様にして、パラジウムを含まないシ
リカゲルを調製した。このシリカゲルを担体とし、常法
にしたがって浸漬法で塩化パラジウムを担持させてか
ら、80℃で12時間乾燥し、それを空気流通下に50
0℃で2時間焼成し、さらに水素気流中350℃で2時
間還元することによって、1.3重量%のパラジウムを
担持したパラジウム−シリカ触媒を作製した。
【0023】比較例4 比較例2において、担体として富士シリシア製シリカゲ
ルCariact−50を用い、同法の含浸法によっ
て、1.3重量%のパラジウムを担持したパラジウム−
シリカ触媒を作製した。
【0024】前記実施例1、2及び比較例1、2で得ら
れた触媒の白金粒子径の比較を行った。粒子径測定方法
としては、透過型電子顕微鏡(TEM)観察による粒子
径計測とX線回折測定による半価幅法を用いた。また、
粒子径分布の幅を表す標準偏差はTEM観察から求め
た。その結果を表1に示す。表1からもわかるように、
本発明法で調製した金属酸化物に含まれる白金の平均粒
子径が浸漬法で調製したものよりも非常に小さいことが
わかる。さらに、標準偏差が著しく小さいこともわか
る。すなわち、本発明法で調製した白金の粒子径分布は
非常にシャープであることがわかる。また、本発明法と
ほとんど同じ調製法である比較例1でも微粒子の種類が
異なると大きくなることがわかる。したがって、アルキ
ルアンモニウムハライドと白金の錯体超微粒子を用いる
ことによって、小さい微粒子の白金をシャープな粒子径
分布で含有する金属酸化物を効率よく調製可能になるこ
とがわかる。
【0025】
【表1】
【0026】パラジウムについての結果を表2に示す。
この場合も、白金の場合と同様の結果が得られた。
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、白金又はパラジウムか
らなる超微粒子をシャープな粒子径分布で含有する金属
酸化物を効率よく製造することができる。また、本発明
で原料として用いる超微粒子状の白金又はパラジウムを
含むマイクロエマルジョンは、分散安定性の非常にすぐ
れたもので、その超微粒子は容易に凝集粗大化するよう
なことはない。従って、本発明のマイクロエマルジョン
を用いることにより、白金又はパラジウムからなる超微
粒子をシャープな粒子径分布で含む金属酸化物を容易か
つ効率よく製造することができる。本発明による白金又
はパラジウムを超微粒子状で含む金属酸化物は、各種の
用途、例えば、触媒、特に水素化触媒等として有利に用
いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07F 15/00 C07F 15/00 F

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白金化合物と下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1、R2、R3及びR4はアルキル基又はアルケ
    ニル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、R1〜R4に含
    まれる炭素数の合計は12以上である)で表される第4
    級アンモニウムハライドとの不溶性の錯体からなる白金
    含有超微粒子を含有する油中水滴型のマイクロエマルジ
    ョン。
  2. 【請求項2】 パラジウム化合物と下記一般式(2) 【化2】 (式中、R1、R2、R3及びR4はアルキル基又はアルケ
    ニル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、R1〜R4に含
    まれる炭素数の合計は19以上である)で表される第4
    級アンモニウムハライドとの不溶性の錯体からなるパラ
    ジウム含有超微粒子を含有する油中水滴型のマイクロエ
    マルジョン。
  3. 【請求項3】 請求項1のマイクロエマルジョン中で金
    属アルコキシドを加水分解する工程を含むことを特徴と
    する白金超微粒子含有金属酸化物の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2のマイクロエマルジョン中で金
    属アルコキシドを加水分解する工程を含むことを特徴と
    するパラジウム超微粒子含有金属酸化物の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3の方法で得られた白金超微粒子
    含有金属酸化物。
  6. 【請求項6】 請求項4の方法で得られたパラジウム超
    微粒子含有金属酸化物。
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