JPH11147361A - インクジェット記録体及びその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録体及びその製造方法

Info

Publication number
JPH11147361A
JPH11147361A JP9315129A JP31512997A JPH11147361A JP H11147361 A JPH11147361 A JP H11147361A JP 9315129 A JP9315129 A JP 9315129A JP 31512997 A JP31512997 A JP 31512997A JP H11147361 A JPH11147361 A JP H11147361A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
cracks
ink
ink jet
jet recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9315129A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4016465B2 (ja
Inventor
Tatsu Kitamura
龍 北村
Tomomi Takahashi
智美 高橋
Shiyunichirou Mukouyoshi
俊一郎 向吉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Paper Co Ltd filed Critical Oji Paper Co Ltd
Priority to JP31512997A priority Critical patent/JP4016465B2/ja
Priority to US09/076,888 priority patent/US6465086B1/en
Priority to EP00115153A priority patent/EP1038691B1/en
Priority to EP98108910A priority patent/EP0878322B1/en
Priority to DE69825359T priority patent/DE69825359T2/de
Priority to DE69825477T priority patent/DE69825477T2/de
Publication of JPH11147361A publication Critical patent/JPH11147361A/ja
Priority to HK01101897A priority patent/HK1030908A1/xx
Application granted granted Critical
Publication of JP4016465B2 publication Critical patent/JP4016465B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク吸収速度、インク吸収容量、印字濃
度、印字画質に優れるインクジェット用記録体を提供す
る。 【解決手段】 2層以上の記録層を有するインクジェッ
ト記録体において、表層(支持体に最も遠い層)以外の
下層中の少なくとも1層に亀裂を設けたことを特徴とす
るインクジェット記録体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
体に関し、特に、インク吸収速度、インク吸収容量、印
字濃度、印字光沢、印字画質に優れるインクジェット記
録体に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、ノズルから
高速で射出したインク液滴を、被記録材に付着させて記
録する方式であり、フルカラー化が容易なことや印字騒
音が低い等の特徴を有する。この方式では、使用される
インクは多量の溶媒を含んでいるので、高い記録濃度を
得るためには、大量のインクを用いる必要がある。ま
た、インク液滴は連続的に射出されるので、最初の液滴
が吸収されないうちに次の液滴が射出され、インク液滴
が融合してインクのドットが接合するという不都合が生
じやすい。従って、このインクジェット記録方式で使用
される記録体としては、印字ドットの濃度が高く、色調
が明るく鮮やかであること、インクの吸収が速くて印字
ドットが重なった場合においてもインクの滲みがないこ
と等が要求される。
【0003】これらの問題を解決するために、支持体表
面にシリカ、アルミナ等の吸収性を有する顔料とバイン
ダーを含有する塗工層を設けたインクジェット記録体が
多く市販されている。これらのものはインク吸収速度が
遅く、印字ムラやニジミ等が生じやすい欠点がある。ま
た、このような記録体は記録層の吸収容量が比較的小さ
く、多くのインクを支持体(紙など)に吸収させている
のが現状である。支持体にインクを吸収させると、記録
体が波打ちしやすく、印字品位に影響するだけでなく、
外観も悪くなるのが欠点である。また、使用する顔料は
数ミクロンオーダーであるため、表面がざらつき、印字
光沢を得ることが困難である。
【0004】これらの問題、特にインク吸収速度アップ
を解決するために、表面層に不定形の亀裂を有する記録
層を設けるインクジェット記録体が提案された(例え
ば:特開平8−104054、特開平8−20743
4)。表面層に亀裂があると表面層の吸収速度が下層の
よりも大きくなり、インク吐出量が少ないときは問題な
いが、インク吐出量が多い(高濃度や高繊細の画像を得
るために)と表面層に吸収されたインクが下層への浸透
が間に合わず、表面層と下層の間に染料がたまりやす
く、画質が低下する恐れがある。特に光沢タイプの場
合、表面に亀裂が多く存在すると光沢が低下しやすく、
写真並の高光沢を得ることが困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題を
解決し、より高インク吸収速度、高インク吸収容量、高
印字濃度を有し、高光沢のインクジェット記録体を提供
することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の問題を解
決するために鋭意検討を重ねた結果、記録層を2層以上
にし、且つ、表層(支持体に最も遠い層)以外の下層中
に少なくとも1層が亀裂を形成することによって、上記
の問題を解決可能であることがわかった。表層以外の下
層中に少なくとも1層の記録層が亀裂を有すると、下層
のインク吸収速度が増大するだけでなく、インクの吸収
容量が大きく増大し、支持体にインクを殆ど吸収させる
ことなく、このため記録後も記録体の波打ちがなく、よ
り良好な品質の印字物が得られる。また、下層中の記録
層が亀裂を有すると表面層のインク吸収速度が増大し、
印字画質が良好で、かつニジミも発生することなく印字
することが可能である。本発明の最も望ましい態様は下
層に亀裂が存在し、表層に亀裂がない記録体である。下
層に亀裂があると表層に亀裂がなくてもインク吸収速度
が得られ、インク中の分子量が比較的大きい染料が表層
に定着し、下層に分子量の比較的小さい水や溶剤が吸収
される。従って、塗工量が少なくても高インク吸収速
度、高インク吸収容量の記録体が得られるだけでなく、
表層に亀裂がないため真円性の高いドットが得られ、高
精細の画像を得ることができる。
【0007】一般に、下層に亀裂を有し、上層に亀裂が
なく或いはそれより少ないように設けることは殆ど不可
能であったが、本発明では鋭意に検討を重ねた結果、下
層を支持体に塗工し、亀裂を生じさせた後、一旦その亀
裂を溶剤或いは水等で埋めた後、上層を塗工し、そのま
ま乾燥すると下層に亀裂を有する記録体が得られること
がわかった。また、成形面に表層(勿論、インク吸収容
量を得るために表層の上に他の記録層をさらに塗布して
もよい)を塗工乾燥し、支持体に下層を塗工、亀裂を生
じさせた後、表層と貼り合わせて成形面を剥離すること
によって、写真調を有する高光沢のインクジェット記録
体を得ることが可能である。
【0008】本発明の少なくとも1層の記録層、好まし
くは表層に粒径3〜40nmの1次粒子が凝集してなる
平均粒径10〜300nmの2次超微細粒子を含有する
と、より高光沢、高印字濃度に優れるインクジェット記
録体が得られる。上層の記録層にカチオン性化合物を配
合すると、アニオン性の染料がより定着しやすく、得ら
れた印字物も耐水性や長期保存性が大幅に向上する。
【0009】本発明は以下の様態を含むがこれらに限る
ものではない。本発明の概略は図1に示す。勿論、概略
図に示す構成に限るものではない。 [1]支持体上に2層以上の記録層を有するインクジェ
ット記録体において、記録を行う側の表層(支持体に最
も遠い層)以外の下層中の少なくとも1層が亀裂を有
し、且つこの亀裂を有する層にインクジェット印字を行
い、形成した直径50μmの印字ドットを光学顕微鏡で
150倍に拡大観察した場合、その30%以上の印字ド
ットに亀裂が認められることを特徴とするインクジェッ
ト記録体。 [2]亀裂は200μm四方以内に必ず存在することを
特徴とする[1]記載のインクジェット記録体。 [3]表層に亀裂を有し、かつ、表層の亀裂はの存在率
(%)は下層中の前記亀裂を有する層より少ないことを
特徴とする[1]または[2]記載のインクジェット記
録体。 [4]表層には亀裂がないことを特徴とする[1]また
は[2]記載のインクジェット記録体。
【0010】[5]少なくとも1層の記録層は平均粒径
3〜40nmの1次粒子が凝集してなる平均粒径10〜
300nmの2次超微細粒子を含有することを特徴とす
る[1]〜[4]のいずれかに記載のインクジェット記
録体。 [6]各層とも平均粒径3〜40nmの1次粒子が凝集
してなる平均粒径10〜300nmの2次超微細粒子を
含有することを特徴とする[5]記載のインクジェット
記録体。 [7]2次超微細粒子はシリカゾル、アルミナシリケー
トゾル、アルミナゾル(擬ベーマイトゾルも含む)、炭
酸カルシウムゾルであることを特徴とする[5]または
[6]記載のインクジェット記録体。
【0011】[8]少なくとも表層中にカチオン性化合
物を含有することを特徴とする前記いずれかに記載のイ
ンクジェット記録体。 [9]カチオン性化合物はカチオン性樹脂であることを
特徴とする[8]記載のインクジェット記録体。 [10]表層の細孔容積が0.2〜3.0cc/gの範
囲にあることを特徴とする前記いずれかに記載のインク
ジェット記録体。 [11]下層中の前記亀裂を有する層にインクジェット
印字を行い、直径50μmの印字ドットを光学顕微鏡で
150倍に拡大観察し、その60%以上の印字ドットに
亀裂が観察されることを特徴とする[1]〜[10]の
いずれかに記載のインクジェット記録体。
【0012】[12]支持体上に2層以上の記録層を有
し、記録を行う側の表層(支持体に最も遠い層)以外の
下層中の少なくとも1層が亀裂を有するインクジェット
記録体の製造方法であり、少なくとも表層は成形面に塗
被成膜され、支持体(支持体が予め他の記録層を有する
場合はその他の記録層)に転写し、成形面から剥離する
インクジェット記録体の製造方法。 [13]成形面に塗被された記録層は中間層を介して支
持体に転写されることを特徴とする[12]記載のイン
クジェット記録体。 [14]中間層は感圧接着剤、接着剤或いは他の記録層
であることを特徴とする[13]記載のインクジェット
記録体。 [15]支持体上に2層以上の記録層を有し、記録を行
う側の表層(支持体に最も遠い層)以外の下層中の少な
くとも1層が亀裂を有するインクジェット記録体の製造
方法であり、支持体上に下層を塗布乾燥し、その上に水
または溶剤を塗布し、更に表層を塗工してから乾燥する
インクジェット記録体の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は2層以上の記録層を有す
るインクジェット記録体において、表層(支持体に最も
遠い層)以外の下層中に少なくとも1層が亀裂を有する
ことを特徴とするインクジェット記録体を提供するもの
である。本発明のインクジェット記録体は高インク吸収
速度、高インク吸収容量、高印字濃度、高印字品位を兼
ね備えたものである。本発明でいう亀裂は下記のように
定義する。インクジェット記録体を用い、該記録体から
任意に10カ所を選び、720dpi×720dpiの
インクジェットプリンター(例えば:EPSON社製の
PM−700C)でこの10カ所に1mm2 当たりに1
00〜200個のドット(1個のドットの大きさは約5
0μ)を均等に打ち、光学顕微鏡で100〜200倍に
(例えば150倍)拡大観察し、30%以上のドットに
亀裂が観察されるならば亀裂を有することとし、30%
以上のドットに亀裂が観察されないものを亀裂がないと
定義する。好ましくは60%以上、より好ましくは70
%以上のドットに亀裂が観察されるものとする。下層中
の亀裂を観察する場合はその下層の上にある全ての層を
削り取り、上記の方法で観察するか、或いは亀裂のある
層間を切りその表面を観察することができる。尚、印字
ドットが50μmより大きかった場合は直径50μmの
同心円を想定して観測することができる。本発明でいう
亀裂は不定形のものであり、塗工層形成後に機械的な手
段により亀裂を形成するのではなく、乾燥過程で自然に
発生するものである。また亀裂の容量が小さいと亀裂に
よるインク吸収容量向上効果が小さく、一方容量が大き
すぎると、亀裂が大きくなりすぎて記録層表面がぼこつ
く恐れがある。亀裂の幅は特に限定しないが、例えば
0.5〜10μmの範囲である。亀裂の幅が大きすぎる
と表層が沈みやすく、極めて光沢に優れた表層が得られ
ない恐れがある。長さも特に限定しないが、亀裂の枝分
かれしている部分から測定して、例えば5〜200μm
である。亀裂を有する層を水銀圧入法で測定すると、そ
の容量は例えば0.5〜10ml/gである。
【0014】本発明において、支持体としては特に限定
されず、透明であっても不透明であってもよい。例え
ば、セロハン、ポリエチレン、ポリプロピレン、軟質ポ
リ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル等の
プラスチックフィルム類、上質紙、アート紙、コート
紙、キャスト塗工紙、箔紙、クラフト紙、ポリエチレン
ラミネート紙、含浸紙、蒸着紙、水溶性紙等の紙類、金
属フォイル、合成紙などが適宜使用される。
【0015】次に、本発明の記録層について詳細説明す
る。記録層は2層以上により構成され、各層とも顔料と
接着剤(バインダー)を含有することが望ましい。顔料
としては、たとえば、シリカ、アルミナシリケート、カ
オリン、クレー、焼成クレー、酸化亜鉛、酸化錫、硫酸
マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウ
ム、擬ベーマイト、炭酸カルシウム、サチンホワイト、
珪酸アルミニウム、スメクタイト、珪酸マグネシウム、
炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、スチレ
ン系プラスチックピグメント、尿素樹脂系プラスチック
ピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメン
ト等、一般塗工紙分野で公知公用の各種顔料を適宜使用
される。高印字濃度、高光沢性を得るためには、上記各
種顔料は3〜40nmの1次粒子が凝集してなる平均粒
径10〜300nmの2次粒子を選択するのが好まし
い。さらに好ましくは5〜30nmの1次粒子が凝集し
てなる平均粒径20〜200nmの2次粒子を選択す
る。
【0016】平均粒径10〜300nmの2次粒子(分
散体)を得るためには一般市販の各種顔料(数ミクロ
ン)を機械的手段で強い力を与えることにより得られる
ことが可能である。つまり、breaking dow
n法(塊状原料を細分化する方法)によって得られる。
機械的手段としては、超音波ホモジナイザー、圧力式ホ
モジナイザー、ナノマイザー、高速回転ミル、ローラミ
ル、容器駆動媒体ミル、媒体攪拌ミル、ジェットミル、
擂解機、サンドグラインダー等の機械的手法が挙げられ
る。得られる超微細粒子はコロイド粒子であっても、ス
ラリーであってもよい。本発明の効果(印字品位、高繊
細の画像)をより良く得るためには、顔料としてはシリ
カ、アルミナシリケート、アルミナ(擬ベーマイトも含
む)、炭酸カルシウムが好ましい。本発明でいう平均粒
径はすべて電子顕微鏡(SEMとTEM)で観察した粒
径(マーチン径)である(「微粒子ハンドブック」、朝
倉書店、p52参照)。
【0017】本発明の各層で用いる接着剤(バインダ
ー)としては、水溶性樹脂(たとえばポリビニルアルコ
ール(以下PVAとも称す)、カゼイン、大豆蛋白、合
成タンパク質類、でんぷん、カルボキシメチルセルロー
スやメチルセルロース等のセルロース誘導体)、スチレ
ン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタ
ジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アク
リル系重合体ラテックス、スチレン−酢酸ビニル共重合
体等のビニル系共重合体ラテックスなどの一般に塗工紙
に用いられている公知の接着剤(バインダー)が単独或
いは併用して用いられる。記録層と支持体、或いは記録
層間の接着性を上げるためには、水溶性樹脂が好ましく
選択使用される。特に重合度2000以上のPVAを使
用すると、記録層と支持体、或いは記録層間の密着性が
よく、高インク吸収速度、高インク吸収容量、高印字濃
度、耐水性に優れるインクジェット記録体が得られる。
【0018】各層とも顔料と接着剤(バインダー)の固
形分重量比は100/2〜100/200、好ましくは
100/5〜100/100の範囲に調節される。接着
剤(バインダー)の添加量が多いと、粒子間の細孔が小
さくなり、インク吸収速度が得られにくく、また、亀裂
を形成することも難しい。一方、接着剤(バインダー)
が少なすぎると記録層と支持体、或いは記録層間の接着
強度が弱すぎて、記録体を使用時に粉落ちする現象が生
じる可能性がある。塗工層に亀裂を生じさせるためには
接着剤(バインダー)の減量や乾燥温度のアップが挙げ
られる。亀裂の発生は顔料の粒径、種類、接着剤の種類
及び塗工量に左右される。ここで、例を挙げて具体的に
説明する。例えば顔料として粒径15nmの1次粒子に
より構成された粒径70nmの2次粒子のシリカスラリ
ーを用い、バインダーとして重合度2400、ケン化度
98%以上のポリビニルアルコール(クラレ社製、商品
名:PVA−124)を使用すると、顔料/ポリビニル
アルコール=100/50、塗工量が20g/m2 の場
合、乾燥温度が120℃で亀裂が生じる。100/60
になると亀裂がなくなる。一方、顔料/ポリビニルアル
コール=100/50でも乾燥温度を80℃にすると亀
裂が生じない。次に、例えば、顔料として粒径45nm
の1次粒子であるコロイダルシリカ(日産化学社製、商
品名:ST−XL)を用い、バインダーとして上記と同
様のポリビニルアルコールを用いると、顔料/バインダ
ー=100/10、塗工量20g/m2 、乾燥温度12
0℃でひび割れが生じるが、100/20になるとひび
割れがなくなる。
【0019】インク定着性を向上させる目的でカチオン
樹脂を記録層中に添加することができる。本発明の記録
層中に、特に上層中にカチオン性樹脂の添加が好まし
い。添加されるカチオン樹脂としては、例えばポリエチ
レンアミンやポリプロピレンポリアミンなどのポリアル
キレンポリアミン類、またはその誘導体、第3級アミノ
基や第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、ジア
クリルアミン等一般市販の各種公知公用のカチオン樹脂
が挙げられる。なお、カチオン樹脂の添加量としては顔
料100重量部に対し、1〜30重量部、より好ましく
は5〜20重量部の範囲で調節される。その他、一般塗
工紙製造において使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、
着色剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤が適宜添加さ
れる。
【0020】記録層は2層であっても、3層以上により
構成されてもよい。各層の塗工量は特に限定するもので
はないが、好ましくは表層の塗工量が1〜50g/
2 、さらに好ましくは2〜20g/m2 に調節する。
表層以外の記録層の好ましい全塗工量は1〜60g/m
2 、さらに好ましくは2〜40g/m2 に調節する。亀
裂を有する記録層はインク吸収容量が大きいため、高印
字濃度部のインクを完全に吸収するには、1〜40g/
2 に調節するのが好ましい。さらに好ましくは2〜3
0g/m2 に調節する。塗工量が少ないと均一塗膜が得
られにくく、一方、塗工量が多いと効果が飽和し無意味
である。
【0021】本発明の好ましい態様では、表層(勿論、
表層上に他の記録層を設けてもよい)を成形面に塗被成
膜した後、支持体に他の記録層を塗工し亀裂を生じさ
せ、表層と貼り合わせて(勿論、支持体に他の記録層を
塗工し、表層と貼り合わせてから亀裂を生じさせてもよ
い)成形面(から)を剥離すると、より高光沢を得るこ
とが可能である。
【0022】成形面に使用される材料としては、高表面
平滑性を有するセロハン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエ
ステル等のプラスチックフィルム類、ポリエチレンラミ
ネート紙、グラシン紙、含浸紙、蒸着紙等の紙類、金属
フォイル、合成紙等可とう性を有するシート類及び無機
ガラス、金属、プラスチック等の高平滑表面を有するド
ラムや板類が適宜使用される。特に、製造工程及び成形
面と記録層の剥離適性等の観点から、高分子フィルム
(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等)、
高平滑表面を有する金属ドラムが好ましい。
【0023】成形面は光沢を付与する目的で平滑である
方が好ましく、成形面の表面粗さ(JIS B−060
1)は、Raが0.5μm以下が好ましく、より好まし
くはRaが0.05μm以下である。尚、表面粗さをコ
ントロールして、セミグロス調、マット調などの風合い
をもたせることが可能である。
【0024】成形面は無処理のままでよいが、記録層と
支持体(或いは他の記録層)の接着力よりも、成形面と
記録層の接着力を小さく制御するため、成形面の塗工面
にシリコーンやフッ素樹脂等の剥離性を有する化合物を
塗工して使用することが可能である。成形面に塗工した
記録層と支持体(或いは他の記録層)が接着さえできれ
ば特に接着方法は限定するものではないが、記録層をダ
イレクトに支持体上の記録層に圧着して接着する方法や
支持体上に記録層を設け、湿潤状態で成形面に塗工した
記録層と貼り合わせ乾燥した後、成形面(から)を剥離
する方法などが挙げられる。
【0025】記録層や中間層の塗工用コーターとしては
ダイコーター、ブレードコーター、エアーナイフコータ
ー、ロールコーター、バーコーター、グラビアコータ
ー、ロッドブレードコーター、リップコーター、カーテ
ンコーター等の各種公知の塗工装置が挙げられる。
【0026】本発明は特に表層以外の下層中に少なくと
も1層が亀裂を有することが必要であるため、塗工方法
等について概説する。一般に、下層に亀裂を有し、上層
に亀裂がなく或いは下層より少ないように設けることは
困難であった。下層に亀裂を有すると、上層を設ける
際、上層中の顔料やバインダーが亀裂中に沈み、下層の
亀裂がなくなり、高インク吸収容量の記録層が得られな
い。本発明では鋭意に検討を重ねた結果、まず、下層を
支持体に塗工し、亀裂を生じさせ、上層中の顔料やバイ
ンダーを亀裂に沈まないように、一旦その亀裂を溶剤
(アルコールなど)或いは水等で埋めた後、上層を塗布
し、そのまま乾燥すると下層に亀裂を有する記録体が得
られる。また、成形面に表層(勿論、インク吸収容量を
得るために表層の上に他の記録層をさらに塗布してもよ
い)を塗工乾燥し、支持体に下層を塗工、亀裂を生じさ
せた後、表層と貼り合わせて成形面を剥離することによ
って、写真調を有する高光沢のインクジェット記録体を
得ることが可能である。貼り合わせは圧力(5〜150
Kg/cm)と必要により熱(30〜100℃)により
可能だが、より好ましくは上層また/或いは下層に記録
層絶乾重量に対して水分が50〜350%になるように
蒸気を当てたり、或いは水塗りしてカレンダー等により
圧着することによって実現可能である。勿論、支持体に
記録層(下層)を塗工し、ウエットの状態で表層(成形
面に予め塗布乾燥する)と貼り合わせてから乾燥工程で
下層中に亀裂を生じさせ、成形面を剥離しても写真調を
有する高光沢のインクジェット記録体を得ることが可能
である。亀裂は前述したように接着剤(バインダー)の
減量や乾燥温度アップにより実現可能である。
【0027】本発明では表層以外の下層に亀裂を有する
ため、下層までに染料が浸透すると印字ニジミが発生す
る恐れがあるため、表層に亀裂がないか、あっても下層
の亀裂より小さいことが望ましい。下層に亀裂があると
表層に亀裂がなくてもインク吸収速度が得られ、インク
中の染料が表層に定着し、下層にインク中の水、溶剤の
みが吸収される。表層に亀裂が少ないと真円性の高いド
ットが得られ、高繊細の画像を得ることができる。表層
にインク中の染料をとめるには表層の細孔容積が0.2
〜3.0cc/gにあることが好ましい。さらに好まし
い範囲は細孔容積が0.5〜2.5cc/gである。本
発明の細孔容積は支持体の影響を避けるために、記録層
をフィルムに設けた後、カッターなどで記録層を剥がし
取り水銀圧入法によるポアサイザー9320(島津製作
所社製)で測定した。特に細孔半径6μm以下の領域の
細孔容積が上記範囲であることが好ましい。
【0028】本発明のインクジェット記録方法で使用さ
れるインクとしては、像を形成するための色素と該色素
を溶解または分散するための液媒体を必須成分とし、必
要に応じて各種分散剤、界面活性剤、粘度調整剤、比抵
抗調整剤、pH調整剤、防かび剤、記録剤の溶解または
分散安定化剤等を添加して調整される。
【0029】インクに使用される記録剤としては直接染
料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素、分
散染料、油性染料及び各種顔料等があげられるが、従来
公知のものは特に制限なく使用することができる。この
ような色素の含有量は、液媒体成分の種類、インクに要
求される特性などに依存して決定されるが、本発明にお
けるインクの場合も、従来のインク中におけるような配
合、即ち、0.1〜20重量%程度の割合になるような
使用で特に問題はない。
【0030】本発明で用いられるインクの溶媒として
は、水及び水溶性の各種有機溶剤、例えば、メチルアル
コール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、
イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソ
ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコー
ル類、アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまた
はケトンアルコール類、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール
類、エチレングリコール、、ポロピレングリコール、ブ
チレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグ
リコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコー
ル等のアルキレン基が2〜6個のアルキレングリコール
類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、テトラヒドロ
フラン等のエーテル類、グリセリン、エチレングリコー
ルメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(エチ
ル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチルエー
テル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類など
が挙げられる。
【0031】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。
また、例中の部及び%は特に断らない限り、水を除いた
固形分であり、それぞれ重量部及び重量%を示す。
【0032】[亀裂]インクジェット記録体を用い、該
記録体から任意に10カ所を選び、720dpi×72
0dpiのインクジェットプリンター(EPSON社
製、商品名:PM−700C)でこの10カ所に1mm
2 当たりに100個のドットを均等に打ち(1個のドッ
トの大きさ約50μm)、光学顕微鏡で150倍を拡大
観察し、60%以上のドットに亀裂が観察されるならば
亀裂を有することとし、60%以上のドットに亀裂が観
察されないものを亀裂がないと定義する。以下、本文中
に例えば50%のドットに亀裂が認められた場合は、亀
裂50%と表現する。尚、下記において、一次粒子径は
粉砕処理後も処理前とかわらない。
【0033】[シリカゾルA]平均粒径3μの合成無定
型シリカ(日本シリカ工業社製、商品名:Nipsi
l、HD−2、1次粒子径:11nm)を用い、サンド
グラインダーにより粉砕分散した後、圧力式ホモジナイ
ザーでさらに粉砕分散し、平均凝集粒子径が60nmに
なるまでサンドグラインダーと圧力式ホモジナイザーの
粉砕分散操作を繰り返し、7%の分散液を試作した。 [シリカゾルB]平均粒径3μの合成無定型シリカ(日
本シリカ工業社製、商品名:Nipsil、LP、、1
次粒子径:16nm)を用い、サンドグラインダーによ
り粉砕分散した後、圧力式ホモジナイザーでさらに粉砕
分散し、平均粒子径が100nmになるまでサンドグラ
インダーと圧力式ホモジナイザーの粉砕分散操作を繰り
返し、9%の分散液を試作した。 [シリカゾルC]平均粒径1.5μの合成無定型シリカ
(日本シリカ工業社製、商品名:Nipsil、E−1
011、1次粒子径:24nm)を用い、サンドグライ
ンダーにより粉砕分散した後、圧力式ホモジナイザーで
さらに粉砕分散し、平均粒子径が150nmになるまで
サンドグラインダーと圧力式ホモジナイザーの粉砕分散
操作を繰り返し、12%の分散液を試作した。
【0034】実施例1 シリカゾルC100部に、ポリビニルアルコール(クラ
レ社製、商品名:PVA−135H、重合度:350
0、ケン化度:99%以上)35部を混合した10%水
溶液を用い、乾燥塗工量が20g/m2 となるように、
市販塗工紙(王子製紙社製、商品名:OKコート、12
7.9g/m2 )にラミネート加工したもの(エクスト
ルージュンラミネート法により塗工紙表面にポリエチレ
ンを25μm ラミネートしたもの、以下単にラミネート
塗工紙と称す)のラミネート面に塗工、120℃で乾燥
した。こうして得た下層の亀裂は80%であった。続い
て、上記塗工層上に水塗り(20g/m2 )をした後、
シリカゾルA100部にPVA(PVA−135H)3
0部を混合した7%水溶液を用い、塗工量が8g/m 2
となるように上記塗工層上に塗工、50℃で乾燥し、本
発明のインクジェット記録体を製造した。表層の亀裂は
30%であった。表層の細孔容積は0.9ml/gであ
った。
【0035】実施例2 シリカゾルA100部に、カチオン樹脂としてジアリル
ジメチルアンモニウムクロライドーアクリルアミド共重
合物(日東紡績社製、商品名:PAS−J−81)15
部を添加し、圧力式ホモジナイザーで平均凝集粒子径が
100nmになるように再度粉砕分散し、得られたカチ
オン樹脂含有シリカゾルにポリビニルアルコール(クラ
レ社製、商品名:PVA−135H)20部を添加し、
濃度8%の水溶液を調整した。実施例1と同様の支持体
に同様にしてシリカゾルCを含有する塗工層上に水塗り
(20g/m2 )をした後、上記表層塗工液を用い、塗
工量が8g/m2 となるように塗工、50℃で乾燥し、
本発明のインクジェット記録体を製造した。表層の亀裂
は30%であった。表層の細孔容積は0.83ml/g
であった。
【0036】実施例3 実施例2に示した表層塗工液、即ちジアリルジメチルア
ンモニウムクロライドーアクリルアミド共重合物含有シ
リカゾルAにポリビニルアルコール(クラレ社製、商品
名:PVA−135H)20部を添加し、その塗工液を
用い、成形面として利用するPETフィルム(東レ社
製、商品名:ルミラーT、50μm 、表面あらさRa=
0.02μm)に乾燥塗工量が8g/m2 となるように
塗工、40℃で乾燥した。亀裂は10%以下であった。
シリカゾルC100部に、ポリビニルアルコール(クラ
レ社製、商品名:PVA−135H)30部を混合した
10%水溶液を用い、乾燥塗工量が20g/m 2 となる
ように一般上質紙(米坪:157g/m2 )に塗工、1
20℃で乾燥した(亀裂は90%であった)。続いて、
PETフィルム上に設けたカチオン樹脂含有層に水分を
付与(5g/m2 )した後、カレンダーの温度が75
℃、線圧が20kg/cmの条件下で、上記両塗工層を
貼り合わせた後、PETフィルムを剥がし、本発明のイ
ンクジェット記録体を製造した。表層の細孔容積は0.
76ml/gであった。
【0037】実施例4 実施例2に示した表層塗工液、即ちジアリルジメチルア
ンモニウムクロライドーアクリルアミド共重合物含有シ
リカゾルAにポリビニルアルコール(クラレ社製、商品
名:PVA−135H)20部を添加し、その塗工液を
用い、成形面として利用するPETフィルム(東レ社
製、商品名:ルミラーT、50μm )に塗工量が8g/
2 となるように塗工、40℃乾燥した。亀裂は10%
以下であった。続いて、この塗工層の上にシリカゾルB
100部に、ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品
名:PVA−135H)35部を混合した10%水溶液
を用い、塗工量が10g/m2 となるように塗工、80
℃で乾燥した。亀裂は20%であった。シリカゾルC1
00部に、ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品
名:PVA−135H)25部を混合した10%水溶液
を用い、塗工量が10g/m2 となるように一般上質紙
(米坪:157g/m2 )に塗工し、上記塗工層と貼り
合わせた後、130℃で乾燥し、PETフィルムを剥が
し、本発明のインクジェット記録体を製造した。シリカ
ゾルC層の亀裂は95%であった(亀裂は上層を削った
後、印字して観察した)。表層の細孔容積は0.76m
l/gであった。
【0038】実施例5 シリカゾルC100部に、ポリビニルアルコール(クラ
レ社製、商品名:PVA−135H)35部を混合した
10%水溶液を用い、乾燥塗工量が20g/m 2 となる
ようにラミネート塗工紙に塗工、100℃で乾燥した。
亀裂は65%であった。続いて、上記塗工層上に水塗り
(15g/m2 )をした後、シリカゾルA100部にポ
リビニルアルコール(PVA−135H)25部を混合
した7%水溶液を用い、塗工量が8g/m2 となるよう
に上記塗工層上に塗工、80℃で乾燥し、本発明のイン
クジェット記録体を製造した。表層の亀裂は80%であ
った。
【0039】比較例1 シリカゾルB100部に、ポリビニルアルコール(クラ
レ社製、商品名:PVA−135H)45部を混合した
10%水溶液を用い、乾燥塗工量が28g/m 2 となる
ようにラミネート塗工紙に塗工、100℃で乾燥した。
亀裂は10%以下であった。 比較例2 シリカゾルC100部に、ポリビニルアルコール(クラ
レ社製、商品名:PVA−135H)40部を混合した
10%水溶液を用い、乾燥塗工量が20g/m 2 となる
ようにラミネート塗工紙に塗工、100℃乾燥した。亀
裂は20%であった。続いて、上記塗工層上に水塗り
(20g/m2 )をした後、シリカゾルA100部にポ
リビニルアルコール(PVA−135H)30部を混合
した7%水溶液を用い、乾燥塗工量が8g/m2 となる
ように上記塗工層上に塗工、50℃乾燥し、インクジェ
ット記録体を製造した。表層の亀裂は30%であった。
表層の細孔容積は0.91ml/gであった。
【0040】比較例3 シリカゾルC100部に、PVA(クラレ社製、商品
名:PVA−135H)40部を混合した10%水溶液
を用い、乾燥塗工量が20g/m2 となるようにラミネ
ート塗工紙に塗工、100℃で乾燥した。亀裂は20%
であった。続いて、上記塗工層上に水塗り(15g/m
2 )をした後、シリカゾルA100部にポリビニルアル
コール(PVA−135H)25を混合した7%水溶液
を用い、乾燥塗工量が8g/m2 となるように上記塗工
層上に塗工、100℃で乾燥し、本発明のインクジェッ
ト記録体を製造した。表層の亀裂は80%であった。
【0041】比較例4 市販の光沢紙(CANON社製、商品名:GP−10
1)を用いた。表層に亀裂があり、亀裂は100%であ
った。 [評価方法]各実施例、比較例で得られたインクジェッ
ト記録体のインク吸収速度、インク吸収容量、光沢性、
印字濃度等は以下に示す方法で評価した。光沢性、印字
濃度については市販のインクジェットプリンター(EP
SON社製、商標:PM−700C)で記録を行った場
合のベタ部分の光沢感、印字濃度を示す。 [インク吸収速度]印字部がブラックベタになるように
イエロー、マゼンタ、シアンの各単色を重ね打ちし、印
字直後から5秒毎にプリントした印字面に上質紙を貼合
せ、インクが上質紙に転写するかどうかを観察する。全
く転写しなくなるまでの時間を測定する。測定された秒
数を4段評価した(◎:5秒以下、○:5〜10秒、
△:10〜30秒、×:30秒以上)。
【0042】[インク吸収容量]A4 サイズのPPC用
紙の真中に10cm×10cm四方の本発明のインクジ
ェット記録体を貼り付け、インク吐出量が40g/m2
となるようにブラックインクを本発明のシートにベタ印
字し、印字直後から10秒毎にプリンした印字面に上質
紙を貼り合わせ、インクが上質紙に転写するかどうかを
観察する。全く転写しなくなるまでの時間を測定し、4
段階評価した(◎:10秒未満、○:10〜30秒、
△:30〜1分、×:1分以上)。
【0043】[印字部の光沢感(照り感)]印字部の光
沢感はブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各印字
部に対して横の角度から目視し、以下のように4段評価
した。 ◎:銀塩方式のカラー写真と同レベルの照り感がある。 ○:カラー写真よりは劣るが、高い照り感がある。 △:一般市販のコート紙やアート紙並。 ×:全く照り感がない。
【0044】[印字濃度]黒ベタ部の印字濃度をマクベ
ス反射濃度計(Macbeth、RD−920)を用い
て測定した。表中に示した数字は5回測定の平均値であ
る。 [耐湿保存性]40℃、90%の恒温恒湿器に印字品を
保存し、48時間後に取り出し、印字部のニジミを観察
する。 ◎:全くニジミがみられない。 ○:ニジミはみられるが、実用レベルである。 △:ニジミが大きく、場合によっては(例えば:夏高湿
時など)使用しにくいことがある。 ×:ニジミがひどく全く使用し得ないレベル。
【0045】[波打ち]記録体全面にブラックのベタに
なるようにイエロー、シアン、マゼンタの各単色を重ね
打ちし、印字後の記録体の波打ちを評価する。 ○:殆ど波打ちが観察されない。 △:波打ちはあるが、実用可能レベル。 ×:波打ちがひどく、品質が大きく低下する状態。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】表1から明らかなように、本発明の方法
により得られたインクジェット記録体はインク吸収性が
良好で、かつ光沢性、印字濃度などが優れるインクジェ
ット記録体である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の亀裂を示した概念図であり、図1左に
は記録層が2層よりなり、下層が亀裂を有する態様を示
す。図1右には記録層が3層よりなり、下層の内の下に
ある層が亀裂を有する態様を示す。
【符号の説明】
1:記録層(表層) 2:記録層(亀裂を有する下層) 3:支持体 4:記録層(表層) 5:記録層(下層2層の内の上の方に位置する層) 6:記録層(下層2層の内の下の方に位置し、亀裂を有
する層) 7:支持体

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に2層以上の記録層を有するイン
    クジェット記録体において、記録を行う側の表層(支持
    体に最も遠い層)以外の下層中の少なくとも1層が亀裂
    を有し、且つこの亀裂を有する層にインクジェット印字
    を行い、形成した直径50μmの印字ドットを光学顕微
    鏡で150倍に拡大観察した場合、その30%以上の印
    字ドットに亀裂が認められることを特徴とするインクジ
    ェット記録体。
  2. 【請求項2】表層に亀裂を有し、かつ、表層の亀裂の存
    在率(%)は下層中の前記亀裂を有する層より少ないこ
    とを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録体。
  3. 【請求項3】少なくとも1層の記録層は平均粒径3〜4
    0nmの1次粒子が凝集してなる平均粒径10〜300
    nmの2次超微細粒子を含有することを特徴とする請求
    項1または2記載のインクジェット記録体。
  4. 【請求項4】各層とも平均粒径3〜40nmの1次粒子
    が凝集してなる平均粒径10〜300nmの2次超微細
    粒子を含有することを特徴とする請求項3記載のインク
    ジェット記録体。
  5. 【請求項5】少なくとも表層中にカチオン性化合物を含
    有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    のインクジェット記録体。
  6. 【請求項6】表層の細孔容積が0.2〜3.0cc/g
    の範囲にあることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    に記載のインクジェット記録体。
  7. 【請求項7】下層中の前記亀裂を有する層にインクジェ
    ット印字を行い、直径50μmの印字ドットを光学顕微
    鏡で150倍に拡大観察し、その60%以上の印字ドッ
    トに亀裂が観察されることを特徴とする請求項1〜6の
    いずれかに記載のインクジェット記録体。
  8. 【請求項8】支持体上に2層以上の記録層を有し、記録
    を行う側の表層(支持体に最も遠い層)以外の下層中の
    少なくとも1層が亀裂を有するインクジェット記録体の
    製造方法であり、少なくとも表層は成形面に塗被成膜さ
    れ、支持体(支持体が予め他の記録層を有する場合はそ
    の他の記録層)に転写し、成形面から剥離するインクジ
    ェット記録体の製造方法。
  9. 【請求項9】支持体上に2層以上の記録層を有し、記録
    を行う側の表層(支持体に最も遠い層)以外の下層中の
    少なくとも1層が亀裂を有するインクジェット記録体の
    製造方法であり、支持体上に下層を塗布乾燥し、その上
    に水または溶剤を塗布し、更に表層を塗工してから乾燥
    するインクジェット記録体の製造方法。
JP31512997A 1997-05-15 1997-11-17 インクジェット記録体及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4016465B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31512997A JP4016465B2 (ja) 1997-11-17 1997-11-17 インクジェット記録体及びその製造方法
US09/076,888 US6465086B1 (en) 1997-05-15 1998-05-13 Ink jet recording material and process for producing same
EP98108910A EP0878322B1 (en) 1997-05-15 1998-05-15 Ink jet recording material and process for producing the same
DE69825359T DE69825359T2 (de) 1997-05-15 1998-05-15 Tintenstrahlaufzeichnngsverfahren und Herstellungsverfahren dafür
EP00115153A EP1038691B1 (en) 1997-05-15 1998-05-15 A process for producing an ink jet recording material
DE69825477T DE69825477T2 (de) 1997-05-15 1998-05-15 Herstellungsverfahren zu einem Tintenstrahlaufzeichnungsmaterial
HK01101897A HK1030908A1 (en) 1997-05-15 2001-03-16 A process for producing an ink jet recording material.

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31512997A JP4016465B2 (ja) 1997-11-17 1997-11-17 インクジェット記録体及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11147361A true JPH11147361A (ja) 1999-06-02
JP4016465B2 JP4016465B2 (ja) 2007-12-05

Family

ID=18061763

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31512997A Expired - Fee Related JP4016465B2 (ja) 1997-05-15 1997-11-17 インクジェット記録体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4016465B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7014894B2 (en) 2001-10-04 2006-03-21 Nisshinbo Industries, Inc. Ink jet recording sheet
US7303651B2 (en) 2001-11-08 2007-12-04 Oji Paper Co., Ltd. Ink jet recording paper

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7014894B2 (en) 2001-10-04 2006-03-21 Nisshinbo Industries, Inc. Ink jet recording sheet
US7303651B2 (en) 2001-11-08 2007-12-04 Oji Paper Co., Ltd. Ink jet recording paper

Also Published As

Publication number Publication date
JP4016465B2 (ja) 2007-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6548149B1 (en) Ink jet recording material and process for producing same
EP0803374B1 (en) Ink jet recording material and process for producing an ink jet recording material
US5958168A (en) Ink jet recording material and method of producing same
JP3411151B2 (ja) インクジェット記録体
JP3751118B2 (ja) インクジェット記録体
JP3736891B2 (ja) インクジェット記録用シート及びその製造方法
JPH10181190A (ja) インクジェット記録体及びその製造方法
JPH11147361A (ja) インクジェット記録体及びその製造方法
JP3585066B2 (ja) インクジェット記録体
JP3705286B2 (ja) インクジェット記録体
JP3324425B2 (ja) インクジェット記録体の製造方法
JP3924841B2 (ja) インクジェット記録体及びその製造方法
JP3598968B2 (ja) インクジェット記録体
JP3903546B2 (ja) インクジェット記録体の製造方法
JP3680824B2 (ja) 分散安定化されたインクジェット記録体用塗液及びそれを用いたインクジェット記録体
JP3948049B2 (ja) インクジェット記録体の製造方法
JP4245013B2 (ja) インクジェット記録体
JPH09150571A (ja) インクジェット記録用シート及びその製造方法
JP3931367B2 (ja) インクジェット記録体の製造方法
JP3579020B2 (ja) インクジェット記録体の製造方法
JP3792501B2 (ja) インクジェット記録体
JPH1086510A (ja) インクジェット記録体及びその製造方法
JPH09175000A (ja) インクジェット記録体
JPH1086509A (ja) インクジェット記録体
JP3599037B2 (ja) インクジェット記録体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040406

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060301

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070130

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070326

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070424

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070615

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070710

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070730

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070828

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070910

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100928

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100928

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110928

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110928

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120928

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130928

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees