JPH111468A - ジヨードメチル−p−トリルスルホンの製造方法 - Google Patents

ジヨードメチル−p−トリルスルホンの製造方法

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JPH111468A
JPH111468A JP15675397A JP15675397A JPH111468A JP H111468 A JPH111468 A JP H111468A JP 15675397 A JP15675397 A JP 15675397A JP 15675397 A JP15675397 A JP 15675397A JP H111468 A JPH111468 A JP H111468A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一塩化ヨウ素を用いるジヨードメチル−p−
トリルスルホンの製法において、不純物の混入がなく、
着色を起こすようなことのない高純度のジヨードメチル
−p−トリルスルホンを収率よく製造する。 【解決手段】 p−トリルスルホニル酢酸ナトリウム水
溶液またはp−トリルスルホニル酢酸カリウム水溶液に
一塩化ヨウ素の塩酸溶液を添加し、反応させたのち、反
応液のpHを調整、次いでチオ硫酸ナトリウムで処理す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工業用殺菌剤また
は殺カビ剤等として有用なジヨードメチル−p−トリル
スルホン(以下、DMTSと略する)の製造方法に関す
るものであり、より詳しくは、p−トルエンスルホニル
酢酸ナトリウム水溶液またはp−トルエンスルホニル酢
酸カリウム水溶液を、一塩化ヨウ素を用いてヨード化
し、生成したDMTSをチオ硫酸ナトリウムで処理する
ことにより、副生成物を抑制し高純度のDMTSを収率
よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一塩化ヨウ素を用いたDMTSの
製造方法としては、***特許第 2065961号に示された方
法が知られている。該特許では、一塩化ヨウ素をアルカ
リ水溶液に添加し、次亜ヨウ素酸ナトリウムとしたの
ち、これにp−トルエンスルホニル酢酸を添加すること
によりDMTSを製造するものである。
【0003】また、特許番号第 2590227号公報には、p
−トルエンスルホニル酢酸に一塩化ヨウ素・塩化ナトリ
ウム水溶液または一塩化ヨウ素・塩化カリウム水溶液を
添加し、pHを 1.0〜6.0 に調整しながらヨード化しD
MTSを製造する方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記***特許第 20659
61号記載の方法は、一塩化ヨウ素を水酸化ナトリウム水
溶液に溶解させることにより、次亜ヨウ素酸ナトリウム
水溶液を形成させ、これをヨウ素化剤として使用し、ヨ
ウ素化を行わしめるものである。この場合、次亜ヨウ素
酸ナトリウムが比較的不安定な化合物であるため、その
高濃度の水溶液を得ることが難しく、したがって工業的
規模の生産を目的とした場合には、水量ばかりが増加す
ることになってしまい、好ましくない。
【0005】また、一塩化ヨウ素を水酸化ナトリウム水
溶液中に添加することにより、比較的効率よく次亜ヨウ
素酸ナトリウムを製造することは可能であるが、実際に
は、一部、ヨウ素酸を生成する。そのために高収率でD
MTSを得るためには、大過剰の一塩化ヨウ素を必要と
する。また、次亜ヨウ素酸ナトリウムをヨウ素化剤に用
いた反応では低温ではその進行が遅いため、比較的高温
で行わせることになる。このため副生物であるモノヨー
ドメチル−p−トリルスルホン(以下、MMTSと略す
る)の生成が多くなり、高純度のDMTSを得ることが
難しいといった欠点もある。
【0006】また、特許番号第 2590227号公報記載の方
法は、反応性の高い一塩化ヨウ素を塩化ナトリウムまた
は塩化カリウムで安定化させそのまま用いるため、高純
度のDMTSを高収率で得ることができる。
【0007】しかしながら、本発明者らの研究によれ
ば、一塩化ヨウ素を塩化ナトリウム、塩化カリウムまた
は塩酸を用い、これらの水溶液として安定化させ、そし
てこれをヨウ素化剤として使用した場合、一塩化ヨウ素
が強い酸化剤であることに起因した副生物が生成してし
まうことが判明した。すなわち、DMTS分子中のヨウ
素が三価まで酸化反応を受け、ヨウ素が付加した構造を
とる下記式(1)[化1]で示される化合物である。
【化1】
【0008】この式(1)[化1]で示される化合物が
DMTSの製品中に不純物として存在すると、徐々にヨ
ウ素を遊離し、製品DMTSの結晶を褐色に着色させて
しまうという問題があった。
【0009】そこで本発明では、一塩化ヨウ素を用いる
DMTSの製法において、前記式(1)[化1]で示さ
れる化合物の混入がなく、着色を起こすようなことのな
い高純度のDMTSを容易に製造し得る方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のか
かる課題について鋭意検討した結果、p−トルエンスル
ホニル酢酸ナトリウム水溶液またはp−トルエンスルホ
ニル酢酸カリウム水溶液を、塩化水素、塩化ナトリウム
または塩化カリウム水溶液中に溶解させた一塩化ヨウ素
と反応させ、得られた反応混合物をチオ硫酸ナトリウム
にて還元処理することにより、該反応で副生した前記式
(1)[化1]で示される化合物がDMTSとヨウ化ナ
トリウムに還元されることを見いだした。さらに検討を
重ね、こうして得られたDMTSの結晶が、経時安定性
試験および過酷試験においても何らの着色を生ずるもの
でないことをも確認し、この事実をもって本発明を完成
するに至った。
【0011】すなわち、本発明は、p−トルエンスルホ
ニル酢酸ナトリウム水溶液またはp−トルエンスルホニ
ル酢酸カリウム水溶液に一塩化ヨウ素を添加し反応させ
たのち、反応液のpHを 6.0〜10.0に調整し、次いでチ
オ硫酸ナトリウムで処理することを特徴とするDMTS
の製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】一塩化ヨウ素は水中では分解しヨ
ウ素と塩素酸となって、ヨウ素が結晶として析出してく
る。そこで一塩化ヨウ素を水中で安定化させるため塩
酸、塩化ナトリウム水溶液または塩化カリウム水溶液中
に溶解する。この場合に用いる塩化水素、塩化ナトリウ
ムまたは塩化カリウムの量は、一塩化ヨウ素の1モルあ
たり 0.3〜1.5 モルである範囲が好ましい。これが 1.5
モルを越えるような塩酸、塩化ナトリウムまたは塩化カ
リウムを用いても水量がいたずらに増加するだけであり
好ましくはない。またこれが 0.3モル未満であるような
量では、一塩化ヨウ素を安定化することができず、一
部、一塩化ヨウ素の分解が起こることになり、このため
p−トルエンスルホニル酢酸をヨウ素化する際の一塩化
ヨウ素の絶対量が不足することになり、目的物の収率低
下を起こすことになってしまう。
【0013】上記において、一塩化ヨウ素の塩酸溶液の
場合、一塩化ヨウ素の濃度は40〜65重量%とすることが
望ましい。また、塩化ナトリウムあるいは塩化カリウム
水溶液の場合、一塩化ヨウ素の濃度は30〜50重量%とす
ることが望ましい。ここに記載の上限数値を越えるよう
な高い濃度では、いずれにおいても一塩化ヨウ素が溶解
しにくくなり、また下限数値未満のような低い濃度で
は、水量ばかりが増加し実用的ではない。
【0014】本発明において、一塩化ヨウ素の使用量
は、p−トルエンスルホニル酢酸の1モルに対し 2.0〜
2.4 モルであり、より望ましくは 2.0〜2.2 モルの範囲
である。これが 2.0モル未満では目的DMTSの収率が
低下することになり、また 2.4モルを越えて使用しても
収率の向上は望めなく、さらには高価なヨウ素を必要以
上に用いることからして経済的でもない。
【0015】本発明では、上記した一塩化ヨウ素の溶液
をp−トルエンスルホニル酢酸ナトリウム水溶液または
p−トルエンスルホニル酢酸カリウム水溶液に添加し、
反応させることによりヨウ素化を行う。
【0016】p−トルエンスルホニル酢酸ナトリウム水
溶液またはp−トルエンスルホニル酢酸カリウム水溶液
の濃度は、10.0〜30.0重量%としておくことが望まし
い。該水溶液は、一塩化ヨウ素溶液を添加する前にpH
を酸性に調整する。この場合のpHは 1.0〜6.0 であ
り、さらに望ましくは 1.5〜3.5 の範囲である。pHが
6.0を越えると一塩化ヨウ素の分解が顕著になってしま
い、一塩化ヨウ素を有効に使用することができなくな
る。また、このpHが 1.0未満である場合はp−トルエ
ンスルホニル酢酸が析出しやすく、反応系が不均一とな
って反応の進行は非常に遅くなりやすい。
【0017】本発明では、上記のようにpH調整を行っ
たp−トルエンスルホニル酢酸ナトリウム水溶液または
p−トルエンスルホニル酢酸カリウム水溶液に、前記一
塩化ヨウ素溶液を添加し、反応させてヨウ素化を行う。
【0018】反応温度は10〜40℃であり、より望ましく
は20〜35℃の範囲である。これより低い温度では反応の
進行が遅く、またこれよりも高い温度では副生物のMM
TSの生成比率が増大してしまい、得られるDMTS結
晶の純度が低下するため望ましくない。
【0019】本発明において、p−トルエンスルホニル
酢酸ナトリウム水溶液またはp−トルエンスルホニル酢
酸カリウム水溶液に一塩化ヨウ素を添加し、反応させる
際、反応液のpHは 1.0〜6.0 、より望ましくは 1.5〜
3.5 の範囲で行う。このpH調整は通常、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウムもしくは水酸化アンモニウム等、
またはその水溶液により行う。
【0020】通常、一塩化ヨウ素によりp−トルエンス
ルホニル酢酸のヨウ素化を行う場合は、反応の進行に伴
い生成する塩化水素のためpHの低下が起こることにな
り、このような場合は先に述べたようにp−トルエンス
ルホニル酢酸が析出することになり、反応の進行が遅く
なる。また、反応がアルカリ性側では一塩化ヨウ素の分
解が顕著に起こるため望ましくない。
【0021】一塩化ヨウ素溶液の添加に要する時間は、
目的DMTSの製造量、反応温度および反応器の形状等
にも左右されて一定しないが、通常は1〜6時間であ
る。一塩化ヨウ素溶液の添加終了後は、前記した温度範
囲内で1〜3時間程度保持し、反応を完結させるように
することが好ましい。
【0022】次いで本発明では、上記反応液のpHを、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化アンモ
ニウム等により 6.0〜10.0の範囲に、より望ましくは
7.0〜9.0 の範囲に調整し、また温度を徐々に昇温して4
0〜80℃、より望ましくは50〜70℃に調整し、反応液中
にチオ硫酸ナトリウムを添加して還元処理を行う。
【0023】添加するチオ硫酸ナトリウムの量は、反応
に用いた一塩化ヨウ素の量に対し、1〜5重量%のチオ
硫酸ナトリウムを用いる。これが1重量%未満の量では
還元反応が極めて遅く、経時により着色の原因となる前
記式(1)[化1]で示した化合物が得られるDMTS
結晶中に残存してしまうことになり、またこれが5重量
%を越える量を使用してもそれ以上の特段の効果は認め
られない。
【0024】チオ硫酸ナトリウムによる還元処理の間、
反応液のpHは同様に 6.0〜10.0の範囲、より望ましく
は 7.0〜9.0 に調整する。pHが 6.0未満ではチオ硫酸
ナトリウムの還元力が小さくなるため、還元効果が小さ
く、また10.0を越えるpHであっては不純物であるMM
TSの副生が増え、望ましくない。
【0025】また、還元処理の温度は40〜80℃の範囲、
より望ましくは50〜70℃にて行う。40℃未満の温度では
還元効果が小さく、80℃を越える温度ではMMTSの副
生が顕著に増えてしまい、望ましくない。
【0026】本発明において、使用するチオ硫酸ナトリ
ウムは含水塩であっても無水物であっても特に問題はな
い。また、結晶をそのまま固体状で添加しても、あるい
は水に溶解し水溶液として添加しても効果には何等差が
ない。
【0027】また、一塩化ヨウ素が分解して生成するヨ
ウ素のために、析出するDMTSは通常、褐色に着色し
ていることが多いが、この還元反応を行うことにより生
成ヨウ素は沃化ナトリウムに還元され、上記着色は脱色
されることになる。こうして得られるDMTSは、反応
液中よりろ別、水洗、乾燥等の操作により微黄白色の結
晶として取り出される。
【0028】
【実施例】以下、本発明によるDMTSの製造方法を実
施例および比較例を挙げ、更に具体的に説明する。以下
において%は全て重量基準である。
【0029】実施例1 p−トルエンスルホニル酢酸85.6g(0.40モル)を 5.0
%水酸化ナトリウム水溶液 400gに溶解させ、この水溶
液を2N塩酸でpH 3.5に調整した。上記溶液を撹拌し
ながら30℃の温度においてこれに、一塩化ヨウ素 138g
(0.85モル)を26%塩化ナトリウム水溶液 182.1gに溶
解させた溶液を1時間かけて添加し、反応させた。添加
中にpHが低下したため、20%水酸化ナトリウム水溶液
でpHを 2.0〜3.0 の間に調整した。添加終了後も30℃
の温度において2時間撹拌しておいた。また、この間も
pHは 2.0〜3.0 に調整を行った。次に、20%水酸化ナ
トリウム水溶液を用い上記反応液のpHを 8.5とし、徐
々に温度を上げていき、約40分かけて60℃に昇温した。
この昇温する間もpHは 8.5を保つよう調整を行った。
次いで上記反応液にチオ硫酸ナトリウム 5.0gを加え、
60℃の温度において2時間撹拌を続けておき、析出して
いる結晶の脱色および還元反応を行った。この還元反応
の間、pHは 8.5を保持するように調整した。析出して
いる結晶をろ別し、水洗し、乾燥を行ったところDMT
Sの高純度の結晶 167.3gが得られた(収率99.1%)。
なお、結晶中に含まれる不純物であるMMTSの含有率
は0.82%であった。また高速液体クロマトグラフィーを
用いて行った結晶分析では、三価のヨウ素化合物である
前記式(1)[化1]で示される化合物は検出されなか
った。
【0030】実施例2 p−トルエンスルホニル酢酸85.6g(0.40モル)を 7.0
%水酸化カリウム水溶液 400gに溶解させて行うように
した以外は、実施例1と同様に行った。その結果、DM
TSの結晶が 166.8g得られた(収率98.8%)。なお、
結晶中に含まれる不純物であるMMTSの含有率は0.78
%であった。また高速液体クロマトグラフィーを用いて
行った結晶分析では、三価のヨウ素化合物である前記式
(1)[化1]で示される化合物は検出されなかった。
【0031】実施例3 p−トルエンスルホニル酢酸85.6g(0.40モル)を 5.0
%水酸化ナトリウム水溶液 400gに溶解させ、この水溶
液を2N塩酸でpH 3.5に調整した。この溶液を撹拌し
ながら30℃の温度において、これに50%一塩化ヨウ素塩
酸溶液 266.3g(一塩化ヨウ素 133.2g(0.82モル)お
よび塩化水素29.9g(0.82モル)を含有)を1時間かけ
て添加し、反応させた。添加中にpHが低下したため、
20%水酸化ナトリウム水溶液でpHを 2.0〜3.0 の間に
調整した。添加終了後も30℃の温度において2時間撹拌
しておいた。また、この間もpHは 2.0〜3.0に調整を
行った。次に、20%水酸化ナトリウム水溶液を用い上記
反応液のpHを 8.5とし、徐々に温度を上げていき、約
40分かけて60℃に昇温した。この昇温する間もpHは
8.5を保つよう調整を行った。次いで上記反応液にチオ
硫酸ナトリウム 5.0gを加え、60℃の温度において2時
間撹拌を続けておき、析出している結晶の脱色および還
元反応を行った。この還元反応の間、pHは 8.5を保持
するように調整した。析出している結晶をろ別し、水洗
し、乾燥を行ったところDMTSの高純度の結晶 168.0
gが得られた(収率99.5%)。なお、結晶中に含まれる
不純物であるMMTSの含有率は0.94%であった。ま
た、高速液体クロマトグラフィーを用いて行った結晶分
析では、三価のヨウ素化合物である前記式(1)[化
1]で示される化合物は検出されなかった。
【0032】比較例1 p−トルエンスルホニル酢酸85.6g(0.40モル)を5.0%
水酸化ナトリウム水溶液 400gに溶解させ、この水溶液
を2N塩酸でpHを 3.5に調整した。上記溶液を攪拌し
ながら30℃の温度においてこれに、一塩化ヨウ素 138g
(0.85モル)を26%塩化ナトリウム溶液 182.1gに溶解
させた溶液を1時間かけて添加し、反応させた。添加中
にpHが低下したため、20%水酸化ナトリウム水溶液で
pHを 2.0〜3.0 の間に調整した。添加終了後も30℃の
温度において2時間撹拌しておいた。また、この間もp
Hは 2.0〜3.0 に調整を行った。次に、20%水酸化ナト
リウム水溶液を用い上記反応液のpHを11.0とし、析出
している結晶の脱色を行った。この結晶をろ別し、水洗
し、乾燥を行ったところDMTSの高純度の結晶 163.5
gが得られた(収率96.9%)。なお、結晶中に含まれる
不純物であるMMTSの含有率は0.85%であった。ま
た、高速液体クロマトグラフィーを用いて行った結晶分
析では、三価のヨウ素化合物である前記式(1)[化
1]で示される化合物が、面積比において 3.4%検出さ
れた。
【0033】比較例2 p−トルエンスルホニル酢酸85.6g(0.40モル)を 5.0
%水酸化ナトリウム水溶液400gに溶解させ、この水溶液
を2N塩酸でpH 3.5に調整した。上記溶液を撹拌しな
がら30℃の温度において、これに50%一塩化ヨウ素塩酸
溶液 276.0g(一塩化ヨウ素 138.0g(0.85モル)およ
び塩化水素31.0g(0.85モル)を含有)を1時間かけて
添加し、反応させた。添加中にpHが低下したため、20
%水酸化ナトリウム水溶液でpHを 2.0〜3.0 の間に調
整した。添加終了後も30℃の温度において2時間撹拌し
ておいた。また、この間もpHは 2.0〜3.0に調整を行
った。次に、20%水酸化ナトリウム水溶液を用い上記反
応液のpHを11.0とし、析出している結晶の脱色を行っ
た。この結晶をろ別し、水洗し、乾燥を行ったところD
MTSの高純度の結晶 164.6gが得られた(収率97.5
%)。なお、結晶中に含まれる不純物であるMMTSの
含有率は0.82%であった。また、高速液体クロマトグラ
フィーを用いて行った結晶分析では、三価のヨウ素化合
物である前記式(1)[化1]で示される化合物が、面
積比において 4.6%検出された。
【0034】得られたDMTS結晶の色変性試験 実施例および比較例で得られたDMTS結晶を用い、下
記に示す条件において経時安定性試験および過酷試験を
実施した。すなわち、前記実施例1〜3および比較例
1,2で得られた各DMTSの結晶10gを、各々20mlガ
ラス製スクリューバイアル瓶にとり、恒温槽にて25℃3
ケ月間の経時安定性試験、および、40℃ならびに60℃1
ケ月間の過酷試験を行った。それによる各々DMTSサ
ンプルの着色状況を観察し、結果を表1にまとめた。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】以上の実施例ならびに比較例、さらには
色変性試験の結果からも明らかなように、本発明による
DMTSの製法によれば、前記式(1)[化1]で示さ
れる化合物の混入はなく、また長期保存を行っても着色
を起こすようなことのないDMTSが容易に製造するこ
とが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関 亮一 千葉県茂原市東郷1900番地 三井東圧化学 株式会社内 (72)発明者 松下 武史 千葉県茂原市茂原1502−5 マリアナハイ ツ101号

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 p−トルエンスルホニル酢酸ナトリウム
    水溶液またはp−トルエンスルホニル酢酸カリウム水溶
    液に一塩化ヨウ素を添加し反応させたのち、反応液のp
    Hを 6.0〜10.0に調整し、次いでチオ硫酸ナトリウムで
    処理することを特徴とするジヨードメチル−p−トリル
    スルホンの製造方法。
JP15675397A 1997-06-13 1997-06-13 ジヨードメチル−p−トリルスルホンの製造方法 Expired - Lifetime JP3938222B2 (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100668894B1 (ko) * 2005-12-12 2007-01-12 현대자동차주식회사 차량의 루프몰딩 장착 클립
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JP2020196683A (ja) * 2019-06-03 2020-12-10 三井化学株式会社 水溶液及び抗菌剤
JP2020196684A (ja) * 2019-06-03 2020-12-10 三井化学株式会社 ジヨードメタン化合物の水溶液の製造方法

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