JPH11146871A - X線ct装置 - Google Patents
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Abstract
において、前の撮影時と同じ条件の断層像を容易に再撮
影可能とする。 【解決手段】 システム制御部が、撮影した断層像と管
電流、管電圧と共に、再撮影に必要なヘリカルピッチ
「P」、実効管電流「mAse/mA」、実効スライス
厚「Te」、基本スライス厚「T」、フィルタ形状「F
s」、フィルタ幅「FW」等を表示部に表示制御する。
これにより、マルチスライスCT装置のヘリカルスキャ
ンにおいて、前の撮影時と同じ条件の断層像を容易に再
撮影可能とすることができる。
Description
に沿って螺旋状にスキャンを行い、これにより形成され
たX線像を複数の検出器列で検出するマルチスライス用
のX線CT装置に関する。
線ビーム発生源と、このX線ビーム発生源に対して対向
配置されX線の曝射により形成されたX線像を検出する
X線検出器とを回転させながら寝台を被検体の体軸方向
に移動させることにより被検体の断層像を得るヘリカル
スキャンによるX線CT装置が種々提案されている。こ
のようなヘリカルスキャンでは、X線ビーム発生源と検
出器との中心点を回転中心として回転させながら、寝台
を被検体の体軸方向に移動させる。このため、被検体を
基準にすると、X線ビーム発生源と検出器とは螺線軌道
を取ることになる。
は、シングルスライス(ファンビーム)CT装置と、マ
ルチスライス(コーンビーム)CT装置が開発されてい
る。シングルスライスCT装置は、ファン状のX線ビー
ムを曝射するX線ビーム発生源と、扇状に複数チャンネ
ル、例えば1000チャンネルを1列に並べた検出器と
を有する。シングルスライスCTでは、このX線ビーム
発生源と検出器を被検体の周囲に回転させ、1回転で例
えば1000データ分を収集し(1回のデータ収集を1
ビューと称する)、そのデータを基に360°補間法或
いは対向ビーム補間法による補間処理により画像を再構
成する。
のX線ビームを曝射するX線ビーム発生源と、Mチャン
ネルを円弧状に配列した検出器列をZ軸方向に並べた
(Mチャンネル×N列)2次元検出器とを有する。マル
チスライスCT装置では、このX線ビーム発生源と検出
器を被検体の周囲に回転させ、1回転でM×Nデータ分
を収集し、そのデータを基に隣接補間法により画像を再
構成する。臨床では、ヘリカルピッチ(1回転当たりの
寝台送り量)は、通常、スライス厚と同じとしている
(これを基本ピッチと称する)。
ルスライスCT装置では、図14に示すように断層像と
共に、被検者の名前(Name)、撮影ポジション(P
osition)、撮影の日付、管電圧及び1秒間の管
電流(KV/mAs)、スキャン時間(例えば1.0
s)、スキャン回数、再構成関数及びFOVサイズ等が
表示され、これらの各パラメータに基づいて再スキャン
を行い同じ断層像を得ることができるのであるが、マル
チスライスCT装置では、オーバーサンプリングの考慮
が必要なうえ、スライス方向のフィルタ処理のフィルタ
幅及び基本スライス厚の考慮が必要なことから、シング
ルスライスCT装置と同じ前記各パラメータを表示した
だけでは同じ画像を再スキャンして得ることができない
問題がある。
ける断層像のスライス厚は、X線ビームのスライス方向
の厚さにより一義的に決まるのであるが、マルチスライ
スCT装置のスライス厚は、X線検出器自体のスライス
幅と再構成に使用する検出器列の列数で決まり、さらに
ヘリカルスキャンを行う場合には、これらに加えヘリカ
ルピッチ及び再構成に用いるフィルタ幅の各パラメータ
の組み合わせによって決まる。
ス厚の断層像が表示されている場合でも、この断層像の
取り込みを行った際のX線検出器のスライス幅が2mm
である場合もあれば10mmである場合もある。また、
同様に、再構成する人体のスライス部位に照射されるX
線のX線照射量(mAs)は、スキャン時間(sec)
と管電流(mA)との積を演算して表示するのである
が、スキャンモードによっては、所定の断面をオーバー
ラップしてスキャンする場合がある。そして、この場
合、実際に表示される断層像に対応するX線照射量(m
As)は、前記オーバーラップの度合いによって変化す
るようになっている。
スCT装置は、シングルスライスCTと同様のパラメー
タを表示しただけでは、同じ画像を再スキャンして得る
ことができない問題があった。
ヘリカルスキャンを行う際に、基本スライス厚、ピッ
チ、スキャン時間、スキャン回数等の「スキャンパラメ
ータ」、ヘリカル補間方法、フィルタ幅、フィルタ形状
等の「再構成パラメータ」、及び再構成関数、管電圧、
管電流、FOVサイズ等の「その他のパラメータ」の入
力が必要なのであるが、これらの各パラメータを全て手
動で入力するのは大変面倒である。マルチスライスCT
装置に全てのパラメータを自動設定させることも可能で
あるが、医師等が真に所望する断層像が得られるように
するには、例えば医師等が所望するパラメータの入力を
行えば、他のパラメータが自動的に設定されるようなシ
ステムとすることが好ましく、また、このようなX線C
T装置の開発が望まれている。
ヘリカルスキャンを行う際に、被検体が載置された寝台
を、「ヘッド・トゥ・フット」又は「フット・トゥ・ヘ
ッド」の各スキャン方向に移動させながら断層像の撮影
を行うのであるが、補間に用いる補間データや重み付け
データは各スキャン方向毎にそれぞれ異なる。このた
め、各スキャン方向に対応するためには、各スキャン方
向に対応した2種類のハードウェア及びソフトウェアが
必要となり、コスト的に高くなるうえ、構成的にも複雑
となる問題があった。
は、ヘリカルスキャンを行うと、断層像の再構成に用い
ることのない収集データに係る余計なX線の曝射を行う
こととなり、被検体に対する余分な被曝量がシングルス
ライスCT装置に比べて大きくなる問題がある。
う場合は、目的領域の前段から寝台を助走させると共に
ガントリに設けられたX線管及びX線検出器を回転させ
て寝台の移動速度が安定したタイミングでX線の曝射を
開始し、目的領域にX線が曝射されその撮影が行われる
ように制御される。このとき、再構成を行う部位の外側
のデータ収集を「助走期間」と称する。このような助走
期間は、シングルスライスCT装置、被検体の体軸方向
に広がりを有するX線ビームでX線像の撮影を行うコー
ンビームCT装置やマルチスライスCT装置が共に必要
とするのであるが、シングルスライスCT装置の場合
は、図15(a)に示すように再構成に用いられない収
集データに係るX線の曝射範囲は無いのに対して、コー
ンビームCT装置やマルチスライスCT装置の場合は、
同図(b)に示すように複数列の検出器列に対してX線
を曝射することとなるため、前記助走期間における再構
成に用いられない収集データに係るX線の曝射範囲が発
生してしまう。このようなことから、従来のコーンビー
ムCT装置やマルチスライスCT装置は、ヘリカルスキ
ャンを行うと、被検体に対する余分な被曝量がシングル
スライスCT装置に比べて大きくなる問題があった。
う部位にのみ行われればよいのであるが、ヘリカルスキ
ャンは、再構成を行う部位(スライス面)の前後のデー
タ補間することが必要なので、図15(b)に示すよう
に全回転角度において前記補間のためのデータ収集が終
了するまでスキャン(X線の曝射)が継続されることと
なる。前述のように、コーンビームCT装置の場合は、
X線ビームが被検体の体軸方向に広がりを持ち、また、
マルチスライスCT装置の場合は、複数列の検出器列に
対してX線を曝射することとなるため、スキャン終了時
において、被検体の再構成を行う部位以外の部位に対す
るX線の曝射範囲がシングルスライスCT装置の場合と
比べて広くなり、被検体を余計に被曝させる問題があっ
た。
のであり、過去の撮影と同じ条件の断層像を簡単に再撮
影することができ、所望する一部のパラメータを入力し
ただけで他のパラメータが自動的に設定されて撮影を行
うことができ、「ヘッド・トゥ・フット」又は「フット
・トゥ・ヘッド」の各スキャンに1種類のハードウェア
及びソフトウェアで対応することができ、再構成に用い
ることのない収集データに係る余計なX線の曝射を低減
して被検体の被曝量を低減することができるようなX線
CT装置の提供を目的とする。
置は、寝台に載置された被検体に対してX線を曝射する
X線発生手段と、このX線の曝射により形成されたX線
像を複数の検出器列で検出するX線検出手段とを架台に
対向配置し、前記寝台或いは架台を回転軸方向に相対的
に移動制御すると共に、架台を回転させながらX線の曝
射を行うことにより被検体の所望の部位の撮影を行う、
いわゆるマルチスライス方式のヘリカルスキャンのX線
CT装置である。なお、前記ヘリカルスキャンにより撮
像した複数の断層像に基づいて3次元再構成を行うX線
CT装置も含む概念である。
望の画像再構成範囲を入力するための再構成範囲入力手
段と、撮影条件を示す再構成パラメータ、及び/又は、
スキャンパラメータを入力するためのパラメータ入力手
段と、前記再構成範囲入力手段及びパラメータ入力手段
により入力された画像再構成範囲及びパラメータに基づ
いて、撮影開始位置、及び/又は、撮影終了位置を決定
して撮影制御を行う制御手段とを有している。
ルスキャンのX線CT装置において、所望の再構成範囲
を指定しただけで、自動的に対応するスキャン範囲を決
めて撮影を行うことができる。
制御手段が、前記フィルタ幅、フィルタ形状、再構成画
像の実効スライス厚、スライス方向再構成関数のうち、
少なくとも一つのパラメータを再構成画像と共に表示部
に表示制御する。
ラメータを知ることができ、容易に再スキャンを行って
同じ画像を得ることができる。
ヘリカルスキャンを行うX線CT装置において、所望の
画像再構成範囲を入力するための再構成範囲入力手段
と、検査目的、及び/又は、再構成画像の目標特性の入
力を行う検査目的/目標特性入力手段と、前記検査目的
/目標特性入力手段により入力された検査目的、及び/
又は、目標特性に沿った撮影画像が得られるように再構
成パラメータを自動的に設定して撮影制御を行う制御手
段とを有する。これにより、当該X線CT装置の操作性
の向上を図ることができる。
X線発生手段から曝射されるX線を遮蔽する遮蔽手段を
有し、前記制御手段は、ヘリカルスキャンの際に、画像
再構成に用いられない領域のX線を遮蔽するように前記
遮蔽手段を制御する。
例えばスキャン開始時における助走期間に対応する領域
や、最終回転時における画像再構成に用いられない領域
等である。これにより、マルチスライス方式のX線CT
装置やコーンビームCT装置における被検体の無駄な被
曝を軽減することができる。
制御手段が、データを収集した際のビュー角度、レイ角
度、検出器列のZ座標に基づいて、補間するデータを求
める。或いは、検出器列に少なくとも寝台の送り方向に
応じた相対的な番号を付し、この相対番号に基づいて、
各検出器列からの収集データに応じた再構成画像を形成
する。具体的には、再構成画像の収集データを記憶する
記憶手段を有し、前記制御手段が、前記記憶手段に記憶
した収集データを読み出す際に、前記相対番号に基づい
て読み出し制御して再構成画像を形成する。或いは、前
記制御手段が、前記記憶手段に収集データを記憶する際
に、前記相対番号に基づいて記憶制御する。
収集したデータを1種類のハードウェア及びソフトウェ
アで対応して処理することができる。
の好ましい実施の形態について図面を参照しながら詳細
に説明する。
に載置された被検体の体軸方向に沿って螺旋状にスキャ
ンを行い、これにより形成されたX線像を複数の検出器
列で検出するマルチスライス用のX線CT装置(マルチ
スライスCT装置)である。
実施の形態のマルチスライスCT装置を示す。この第1
の実施の形態のマルチスライスCT装置は、被検体が載
置される寝台1と、架台2の内周に回転自在かつ相対向
するように設けられたX線管3及びX線検出器4と、X
線管3から曝射されるX線の線量等を制御するX線制御
部5及び高電圧発生部6と、寝台1をX線管3及びX線
検出器4の回転軸方向に沿って移動制御する架台・寝台
制御部7及び寝台移動部8とを有している。
線検出器4で収集された収集データの取り込みを行うデ
ータ収集部9と、データ収集部9で収集された収集デー
タに対して所定の補間処理を施す補間処理部10と、補
間処理部により補間処理が施された収集データに基づい
て、X線像を再構成する画像再構成部11と、画像再構
成部11により再構成されたX線像を表示する表示部1
2と、例えばスライス厚、回転速度等のヘリカルスキャ
ン条件の入力等を行うための操作部13と、当該マルチ
スライスCT装置全体のシステム制御を行うシステム制
御部14とを有している。
ャンネル)のX線検出素子を前記回転軸方向に対して直
交する方向(スライス方向)に沿って並設してなる検出
器列を、前記回転軸方向に沿って例えば4列分並設して
構成された、マルチスライス用のX線検出器となってい
る。
実施の形態のマルチスライスCT装置の動作説明をす
る。
装置を用いてヘリカルスキャンによるX線像の撮影を行
う前に、この撮影範囲を決めるために操作部13を操作
してスキャノグラム像の撮影の指定を行う。
ム像の撮影が指定されると、寝台1に載置された被検体
の上面から、静止した状態で(回転することなく)少な
い線量のX線が連続的に曝射されるように、X線制御部
5及び高電圧発生部6を介してX線管3を曝射制御する
と共に、前記回転軸に沿って寝台1が移動するように架
台・寝台制御部7及び寝台移動部8を介して寝台1を移
動制御する。これにより、寝台の移動に応じて前記X線
の曝射により形成されたX線像がX線検出器4で検出さ
れる。データ収集部9は、このX線検出器4で検出され
た各X線像の取り込みを行い、これらを補間処理部10
を介して画像再構成部11に供給する。画像再構成部1
1は、各X線像を撮影順に並べることにより1枚の2次
元的な透視画像であるスキャノグラム像を形成し、これ
を表示部12に供給する。これにより、表示部12にス
キャノグラム像を表示することができる。
下に説明するスキャンパラメータ、再構成パラメータ及
び管電圧、管電流、視野サイズ等の入力を行う。
5mm、1.0mm、2.0mm、3.0mm、5.0
mm、10.0mm等の「基本スライス幅(Tm
m)」、2.5、3.5、4.0、4.5等の「ピッチ
(P)」、10秒、20秒等の任意の「スキャン時間
(t)」、所望の撮影範囲に対してヘリカルスキャンを
繰り返す回数である「スキャン回数」等の入力を行う。
1.0、2.0、4.0等の「フィルタ幅(前記基本ス
ライス幅Tで正規化したフィルタ幅Fn)」、フィルタ
の選択等の入力を行う。
ようにフィルタ幅Fnが0〜+Fn/2まで、及び0〜
−Fn/2までは所定の重み値を維持し、フィルタ幅F
nが+Fn/2或いは−Fn/2となったときに重み値
が0まで急峻に立ち下がるフィルタ特性を有する第1の
フィルタ(ZFC1)と、同図(b)に示すようにフィ
ルタ幅Fnが0のときに最大の重み値を有し、フィルタ
幅Fnが0〜+Fn/2及び0〜−Fn/2にそれぞれ
移行するに連れてなだらかな放物線を描くように重み値
が立ち下がるフィルタ特性を有する第2のフィルタ(Z
FC2)とが設けられている。
に示すようにフィルタ幅Fnが0のときに最大の重み値
を有し、フィルタ幅Fnが0〜略+Fn/4及び0〜略
−Fn/4にそれぞれ移行するに連れて所定のマイナス
値まで重み値がリニアに立ち下がり、略+Fn/4〜+
3Fn/8及び略−Fn/4〜−3Fn/8にそれぞれ
移行するに連れて所定のプラス値まで重み値がリニアに
立ち下がり、+3Fn/8〜+Fn/2及び−3Fn/
8〜−Fn/2にそれぞれ移行するに連れてなだらかな
放物線を描くように重み値が立ち下がるフィルタ特性を
有する第3のフィルタ(ZFC3)と、同図(d)に示
すようにこの第3のフィルタ(ZFC3)の重み値の立
ち上がり量及び立ち下がり量を少なくしたフィルタ特性
を有する第4のフィルタ(ZFC4)とが設けられてい
る。
「フィルタ幅」と共に、これら第1〜第4のフィルタ
(ZFC1〜ZFC4)の中から所望のフィルタを選択
して入力を行う。
は、このスキャンパラメータ及び再構成パラメータ等の
入力に対して、以下に説明する第1〜第3の3つの入力
方法が設けられている。
13を操作して前記各パラメータを全て手動で入力する
方法である。システム制御部14は、手動で入力された
各パラメータに基づいてスキャン時間やフィルタ幅等の
設定を行うのであるが、この場合、全てのパラメータを
操作者が所望する値に設定することができるため、操作
者が所望する撮影画像を得ることができる利点がある。
タの入力の省略が可能となっている。システム制御部1
4は、そのパラメータの入力が省略された場合は、これ
をデフォルト値に自動設定する。これにより、全てのパ
ラメータの手動入力に掛かる手間を軽減することができ
る。
13を操作して検査目的や、目的とする画像の特徴等を
入力する方法である。この場合、操作者は、第1の条件
として例えば0.5mm、1.0mm、2.0mm、
3.0mm、10.0mm等の再構成画像の実効スライ
ス厚IT(mm)の入力を行うと共に、第2の条件とし
て以下の第1〜第3のモードの中から所望のモードを選
択する。なお、前記実効スライス厚ITの入力は、操作
者が所望する値を入力してもよいが、幾つかの実効スラ
イス厚を表示し、この中から操作者が選択するようにし
てもよい。
のうち、第1のモードは、部分容積効果によるアーチフ
ァクトが抑制された画像を得ることができる「パーシャ
ルフリーモード」となっている。システム制御部14
は、第2の条件としてこのパーシャルフリーモードが設
定されると、基本スライス幅Tを再構成画像の実効スラ
イス厚ITの略半分以下となるように自動設定する。こ
の場合、スキャン時間tが多少長くなる場合がある。
る「高速スキャンモード」となっている。システム制御
部14は、第2の条件としてこの高速スキャンモードが
設定されると、基本スライス幅Tを実効スライス厚IT
の80%となるように自動設定する。この場合、部分容
積効果が残る場合がある。
ード及び高速スキャンモードの中間のモードである「標
準スキャンモード」となっている。システム制御部14
は、第2の条件としてこの標準スキャンモードが設定さ
れると、スキャン時間tを15秒前後に、基本スライス
幅Tを再構成画像の実効スライス厚ITの80%以下に
自動設定する。
第2の条件が選択されると、この選択された各条件に基
づいて、スキャンパラメータ及び再構成パラメータを自
動的に設定する。
(パーシャルフリーモード)を選択した場合を一例とし
て操作手順の説明をすると、この場合まず操作者は、再
構成画像の実効スライス厚ITの入力を行う。システム
制御部14には、図4(a)に示すようにこの第1のモ
ードにおいて入力された実効スライス厚ITに対応する
基本スライス幅LTを演算するための計算式或いはテー
ブルが予め記憶されている。このため、システム制御部
14は、実効スライス厚ITが入力されると、この実効
スライス厚を「IT」、基本スライス幅を「T」として
「IT/5≦T≦IT/2」の条件を満たすような基本
スライス幅「LT」を検出する。
スライス厚ITは、その値が小さい程好ましい。また、
この実効スライス厚ITが入力されなかった場合には、
システム制御部14は、例えば「IT/2」をそのデフ
ォルト値として自動的に設定するようになっている。
チP)の入力を行う。このヘリカルピッチPは、例えば
2.5、3.5、4.5・・・の中から選択或いは所望
の値の入力を行う。システム制御部14には、図4
(b)に示すようにこの第1のモードにおいて入力され
る各ヘリカルピッチPを基本スライス幅Tで正規化した
値である「ヘリカルピッチLP」を演算するための計算
式或いはテーブルが予め記憶されている。このため、シ
ステム制御部14は、ヘリカルピッチPが入力されると
前記計算式或いはテーブルに基づいて前記ヘリカルピッ
チLPを検出する。
チPの値は小さい程好ましいものとなっている。また、
この第1のモードにおいて、ヘリカルピッチPが入力さ
れなかった場合は、システム制御部14は、例えば
「2.5」をデフォルト値として自動的に設定するよう
になっている。
行う。システム制御部14には、図4(c)に示すよう
にこの第1のモードにおいて入力される各スキャン時間
tを正規化した値である「スキャン時間Lt」を演算す
るための計算式或いはテーブルが予め記憶されている。
このため、システム制御部14は、スキャン時間tが入
力されると前記計算式或いはテーブルに基づいて前記ス
キャン時間Ltを検出する。なお、この第1のモードに
おけるスキャン時間tは、例えば「15秒」程度に設定
することが好ましいものとなっている。このため、この
スキャン時間tが入力されなかった場合には、システム
制御部14は、例えば「15秒」をこのスキャン時間t
のデフォルト値として自動的に設定するようになってい
る。
力を行う。このスキャン回数は、操作者の所望の回数を
入力するようになっている。この入力が省略された場
合、システム制御部14は、例えば「1回」を、このス
キャン回数のデフォルト値として自動的に設定するよう
になっている。
実効スライス厚IT及びヘリカルピッチPが入力される
と、システム制御部14は、図5(a)又は同図(b)
に示すように基本スライス幅T、実効スライス厚IT及
びヘリカルピッチPに基づいて予め形成されたテーブル
又は演算式からフィルタ幅Fnを求める。
いて前述した第1のフィルタZFC1〜第4のフィルタ
ZFC4の中から所望のフィルタ形状のフィルタを選択
し、その入力を行う。なお、この第1のモードにおい
て、フィルタ形状の入力が省略された場合、システム制
御部14は、例えば「第1のフィルタZFC1」を自動
的に選択して処理するようになっている。
〜(c)に示すように基本スライス幅LT、ヘリカルピ
ッチLP及びスキャン時間Ltを検出すると、以下の式
に基づいて、C(T、P、t)が最大になる条件を検出
する。なお、以下の式中「wT、wp、wt」は、基本
スライス幅、ヘリカルピッチ及びスキャン時間の各条件
の所定の重み付け値を示し、各条件はその重要度に応じ
て重み付けされるようになっている。
p+wt×Lt システム制御部14は、C(T、P、t)が最大になる
条件を検出し、この条件に基づいて撮影画像の撮影を行
うように各部を制御する。
メータの第3の入力方法は、いわば前述の第1、第2の
入力方法の中間の入力方法であり、操作者が固定したい
パラメータだけを手動で入力或いは選択する入力方法で
ある。
を行う場合、操作者は、図1に示す操作部13を操作し
て、例えばスキャン時間tを10秒に、スキャン回数を
3回に、実効スライス厚ITを5mmのスライス画像等
のように所望のパラメータを入力する。システム制御部
14は、このように操作者が所望するパラメータの入力
が行われると、この入力された各パラメータ以外のパラ
メータを、前述の第2の入力方法と同様に自動的に設定
し、この設定した条件に基づいて撮影画像の撮影を行う
ように各部を制御する。なお、前記第1〜第3のモード
(パーシャルフリーモード〜標準スキャンモード)のう
ち所望のモードが設定されない場合には、システム制御
部14は、第3のモード(標準スキャンモード)を自動
的に選択するようになっている。
メータ及び再構成パラメータ(及び管電圧、管電流、視
野サイズ)の各パラメータの入力が終了すると、再構成
範囲の指定を行う。この再構成範囲の指定は、いわゆる
スキャノグラム像に基づいて行うようになっており、具
体的には、操作者は、例えば図3に示すようなスキャノ
グラム像の取り込みを行い、このスキャノグラム像に基
づいて操作部13を操作し、同図中太線で示すように画
像再構成を行う範囲(再構成範囲)の指定を行う。
スキャンモードに応じて、指定された再構成範囲と、こ
れに対応して実際に設定されるスキャン範囲との関係が
定式化されて記憶されている。具体的には、システム制
御部14は、この再構成範囲の指定がなされると、図3
に示すように指定された再構成範囲の前段及び後段に前
記選択されたフィルタのフィルタ幅の略半分の幅に相当
するスキャン範囲を加えると共に、架台2の1回転分の
スキャン範囲を加え、これを全体で実際のスキャン範囲
であるデータ収集範囲とする。システム制御部14は、
このようにしてデータ収集範囲を決定すると、操作者に
より撮影の開始が指定されるまで待機状態となる。
付加される前記選択されたフィルタのフィルタ幅の略半
分の幅に相当するスキャン範囲や、架台2の1回転分の
スキャン範囲は、例えば5mm、10mm等の少範囲で
あるが、図3においては理解を容易とするために、これ
らの各範囲を広めに図示している。また、システム制御
部14は、スキャン開始位置よりも前段で架台2の回転
速度や寝台1の移動速度が一定速度となっていること等
が必要な場合には、図3に点線で示すように前記データ
収集範囲にこのための助走範囲も計算して付加するよう
になっている。
囲を指定した後に、操作部13を操作して撮影の開始を
指定する。システム制御部14は、この撮影の開始が指
定されると、図1に示す架台・寝台制御部7を介して架
台2を所定の速度で回転制御し、寝台移動部8を介して
被検体の載置された寝台1を架台2の回転軸方向に沿っ
て被検体の頭側から足側にかけて移動制御(ヘッド・ト
ゥ・フット)、或いは被検体の足側から頭側にかけて移
動制御(フット・トゥ・ヘッド)すると共に、X線制御
部5及び高電圧発生部6を介してX線管3を曝射制御す
る。これにより、いわゆるヘリカルスキャンにより、X
線検出器4により被検体のX線像が螺旋状に取り込まれ
データ収集部9に供給されることとなる。
ルピッチPが2.5ピッチ、3.5ピッチの場合におけ
るヘリカルスキャンの軌跡を、図7(a)、(b)にヘ
リカルピッチPが4.0ピッチ、4.5ピッチの場合に
おけるヘリカルスキャンの軌跡をそれぞれ示す。なお、
この図6(a)、(b)及び図7(a)、(b)は、フ
ィルタ幅F=基本スライス幅の場合を示し、また、X線
検出器4の数字(1〜4)は、第1〜第4の検出器列を
示すようになっている。
が2.5ピッチの場合は、まず、1回転目で、図中細線
の矢印で示すように前述のように決定されたスキャン範
囲の開始位置から360°分の収集データが収集され、
次に2回転目で、図中太線の矢印で示すように1回転目
のスキャン開始位置から2.5ピッチ分離れた位置から
360°分の収集データが収集され、以後同様に前記決
定されたスキャン範囲の終了位置までに、スキャン開始
位置を2.5ピッチずつずらしながら収集データの収集
が行われる。この場合、前のスキャン位置の後半1.5
ピッチ分が次のスキャン時にオーバースキャンされるこ
ととなる。
チが3.5ピッチの場合は、まず、1回転目で、図中細
線の矢印で示すように決定されたスキャン範囲の開始位
置から360°分の収集データが収集され、次に2回転
目で、図中太線の矢印で示すように1回転目のスキャン
開始位置から3.5ピッチ分離れた位置から360°分
の収集データが収集され、以後同様に前記決定されたス
キャン範囲の終了位置までに、スキャン開始位置を3.
5ピッチずつずらしながら収集データの収集が行われ
る。この場合、前のスキャン位置の後半0.5ピッチ分
が次のスキャン時にオーバースキャンされることとな
る。
チが4.0ピッチの場合は、まず、1回転目で、図中細
線の矢印で示すように決定されたスキャン範囲の開始位
置から360°分の収集データが収集され、次に2回転
目で、図中太線の矢印で示すように1回転目のスキャン
終了位置から360°分の収集データが収集され、以後
同様に前記決定されたスキャン範囲の終了位置までに、
前のスキャン位置と今回のスキャン位置とがオーバース
キャンされることなく収集データの収集が行われる。
チが4.5ピッチの場合は、まず、1回転目で、図中細
線の矢印で示すように決定されたスキャン範囲の開始位
置から360°分の収集データが収集され、次に2回転
目で、図中太線の矢印で示すように1回転目のスキャン
終了位置から0.5ピッチ分離れた位置から360°分
の収集データが収集され、以後同様に前記決定されたス
キャン範囲の終了位置までに、前のスキャン終了位置か
ら0.5ピッチずつずらしながら収集データの収集が行
われる。
り込まれたX線像を収集し、これを収集データとして補
間処理部10に供給する。
分の検出器列を有しており、操作者は、撮影を行う前に
前記4列分の検出器列の中から、再構成に用いる収集デ
ータに対応するX線像の取り込みを行う検出器列を指定
するようになっている。このため、システム制御部14
は、補間処理部10に供給された各検出器列に対応する
収集データのうち、操作者により指定された検出器列の
収集データのみ所定の補間処理を施して出力するように
補間処理部10を制御する。
タ補間法(或いは360°補間法、対向ビーム補間法
等)により所定の補間処理を前記収集データに施し、こ
れを画像再構成部11に供給する。画像再構成部11
は、前記スキャン範囲から得られた複数回転分の収集デ
ータに基づいて、操作者により指定された再構成範囲の
断層像を形成(再構成)し、これを表示部12に供給す
る。これにより、表示部12に、ヘリカルスキャンによ
り撮影した被検体の所望の部位の断層像を表示すること
ができる。
を行う際に、オーバーサンプリングの考慮、スライス方
向のフィルタ処理のフィルタ幅の考慮及び基本スライス
厚の考慮等が必要となるのであるが、当該第1の実施の
形態のマルチスライスCT装置は、操作者により指定さ
れた再構成範囲と実際のスキャン範囲との相互関係が定
式化されており、これをスキャンモード毎に検出するよ
うになっている。このため、必要十分な被曝量及び撮影
時間により画像の撮影を行うことができる。
共に、その断層像を撮影した際の再構成パラメータ及び
スキャンパラメータを表示部12に表示制御するように
なっている。
前(Name)、撮影ポジション(Positio
n)、撮影の日付、管電圧及び1秒間の管電流(KV/
mAs)、ヘリカルピッチ(P)、実効管電流及び管電
流(mAse/mA)、実効スライス厚及び基本スライ
ス厚(Te/T)、フィルタ形状及びフィルタ幅(FS
/FW)、スキャン時間(例えば1.0s)、スキャン
回数、再構成関数及びFOVサイズ等が表示される。
ち、ヘリカルピッチ(P)、実効管電流及び管電流(m
Ase/mA)、実効スライス厚及び基本スライス厚
(Te/T)、フィルタ形状及びフィルタ幅(FS/F
W)がマルチスライスCT装置特有のパラメータとなっ
ている。
の検出器列を有する。このため、システム制御部14
は、実効管電流(mAse)を表示する際に、ヘリカル
ピッチを「P」、管電流を「mA」、回転速度を「s」
として「mAse=4/P×mA×s」の演算式を用い
て実効管電流を算出して表示するようになっている。
ドによっては、ある断面をオーバーラップしてスキャン
する場合があり、実際の画像の実効管電流はオーバーラ
ップの度合いに応じて変化する。このため、同じ撮影画
像を再スキャンにより得ることは困難なのであるが、こ
のように、撮影画像と共にその撮影画像のパラメータを
表示することにより、再構成した画像を観察しながら画
像の収集条件を知ることができ、他の画像との対応付け
を容易とすることができると共に、観察中の画像と同じ
条件での再スキャンを行うことを可能とすることができ
る。
画像を得たい場合がある。この場合、操作者は、操作部
13を操作してその旨の指示を行う。この操作者の指示
により指定された範囲が、最初に指定した再構成範囲外
で、かつ、この最初に指定した再構成範囲にフィルタ幅
の半分の幅を加えた範囲内であった場合、システム制御
部14は、初期に指示された範囲外である旨のメッセー
ジを表示部12に表示制御すると共に、フィルタ幅を薄
くして再構成を行うか否かのメッセージを表示部12に
表示制御する。
行ってよい場合は、操作部13を操作して実行を指示す
る。システム制御部14は、操作者より実行の指示がな
されると、フィルタ幅を薄くして前記再構成範囲外の画
像の撮影を実行制御する。そして、これにより得られた
補間データに基づいて画像を再構成し表示部12に表示
制御すると共に、この画像はフィルタ幅が薄い旨を示す
メッセージを表示部12に表示制御する(図6(a)、
(b)、図7(a)、(b)参照)。
範囲が、最初に指定した再構成範囲にフィルタ幅の半分
の幅を加えた範囲外で、かつ、この範囲の前後に架台2
の1回転分の範囲を加えた範囲内であった場合、システ
ム制御部14は、初期に指示された範囲の大幅に外側で
ある旨のメッセージを表示部12に表示制御すると共
に、粗いピッチの収集データで再構成を行うか否かのメ
ッセージを表示部12に表示制御する。
成を行ってよい場合は、操作部13を操作して実行を指
示する。システム制御部14は、操作者より実行の指示
がなされると、この近傍のデータを内挿或いは外挿で補
間して補間データを得、これに基づいて画像を再構成し
表示部12に表示制御すると共に、この画像は粗いピッ
チのデータで再構成した旨のメッセージを表示部12に
表示制御する(図6(a)、(b)、図7(a)、
(b)参照)。
側や厚いフィルタ幅の場合でも最良の撮影画像を再構成
することができる。
T装置の説明をする。
リカルスキャンを行うと、スキャン開始時点と終了時点
とで再構成に使うことができないデータを収集する余計
な被曝があり、マルチスライスCT装置やコーンビーム
CT装置の場合、これがシングルスライスCT装置に比
べ大きくなる。当該第2の実施の形態のX線CT装置
は、この余計な被曝の低減を図ったものである。
置は、この点のみが第1の実施の形態のマルチスライス
CT装置と異なるため、以下、この差異のみ説明し重複
説明を省略することとする。
T装置は、図9に示すようにX線管3から曝射されたX
線を所定分遮蔽するプリコリメータ20を有している。
このプリコリメータ20は、架台2の回転軸方向に開幅
する第1、第2のプリコリメータ片20a、20bを有
しており、各プリコリメータ片20a、20bは、それ
ぞれ独立に開幅制御されるようになっている。
にはシステム制御部14により前記各プリコリメータ片
20a、20bが、図9(a)に示すようになってい
る。
部14は、図9(a)に示すように架台2の1回転目の
回転角が0°のときには、X線検出器4の第1の検出器
列4aでのみX線像が取り込まれるように、第2のプリ
コリメータ片20bを開幅制御する。また、システム制
御部14は、架台2の1回転目の回転角が90°のとき
は、図9(b)に示すようにX線検出器4の第1、第2
の検出器列4a、4bでX線像が取り込まれるように、
第2のプリコリメータ片20bを開幅制御する。また、
システム制御部14は、架台2の1回転目の回転角が1
80°のときは、図9(c)に示すようにX線検出器4
の第1〜第3の検出器列4a〜4cでX線像が取り込ま
れるように、第1、第2のプリコリメータ片20a、2
0bを開幅制御する。そして、システム制御部14は、
架台2の1回転目の回転角270°以降は、図9(d)
に示すようにX線検出器4の第1〜第4の検出器列4a
〜4dでX線像が取り込まれるように、第1、第2のプ
リコリメータ片20a、20bを開幅制御する。以後、
X線検出器4の第1〜第3の検出器列4a〜4cでX線
像が取り込まれるように、第1、第2のプリコリメータ
片20a、20bが開幅制御された状態で、画像再構成
を行う部位のスキャンが行われる。
終了時における最後の回転時となると、図10(a)に
示すようにそれまで全開に開幅制御していた各プリコリ
メータ片20a、20bを、架台2の最終回転目の回転
角が180°のときには、X線検出器4の第1の検出器
列4aに曝射されるX線が遮蔽されるように、第2のプ
リコリメータ片20bを閉幅制御する。また、システム
制御部14は、架台2の最終回転目の回転角が270°
のときは、図10(b)に示すようにX線検出器4の第
1、第2の検出器列4a、4bに曝射されるX線が遮蔽
されるように、第2のプリコリメータ片20bを閉幅制
御する。また、システム制御部14は、架台2の最終回
転目の回転角が360°(0°)のときは、図10
(c)に示すようにX線検出器4の第1〜第3の検出器
列4a〜4cに曝射されるX線が遮蔽されるように、第
2のプリコリメータ片20bを閉幅制御する。
CT装置は、システム制御部14が、スキャン開始時に
おいては、架台2の1回転目の回転角に応じて、被検体
に対するX線の曝射範囲を徐々に広げるように各プリコ
リメータ片20a、20bを開幅制御し、スキャン終了
時においては、架台2の最終回転目の回転角に応じて、
被検体に対するX線の曝射範囲を徐々に狭めるように各
プリコリメータ片20a、20bを閉幅制御する。これ
により、図15(b)に示すスキャン開始時の助走期間
及びスキャン終了時における被検体の無駄な被曝を低減
することができる他、上述の第1の実施の形態のマルチ
スライスCT装置と同じ効果を得ることができる。
域は、スキャンパラメータ及び再構成パラメータに基づ
いてシステム制御部14が決定するようになっている。
また、前述の粗いサンプリングによる補間を行わない場
合には、操作者により指定された再構成範囲外のデータ
を全てカットするようにしてもよい。
おける余計なX線の遮蔽制御の説明であったが、このよ
うな遮蔽制御は、体軸方向(Z方向)に広がりを持った
X線の曝射を行うコーンビームCT装置においても同様
に行うことができる。
に示すように1回転目〜4回転目におけるスキャンで被
検体の画像再構成を行う部位の撮影を行うものとする
と、最初の1回転目のスキャン時に、画像再構成に寄与
しない部位に対するX線の曝射を第1のプリコリメータ
片20aで遮蔽し、2回転目及び3回転目のスキャンで
は各プリコリメータ片20a、20bを全開に開幅制御
し、最終の4回転目のスキャン時に、画像再構成に寄与
しない部位に対するX線の曝射を第2のプリコリメータ
片20bで遮蔽するように該各プリコリメータ片20
a、20bを開閉制御する。なお、図11中、点PはX
線管の焦点を示す。
転目における各プリコリメータ片20a、20bの位置
関係を示している。この図からわかるように、システム
制御部14は、1回転目には第1のプリコリメータ片2
0aを閉幅制御して第2のプリコリメータ片20bを開
幅制御する。また、2回転目及び3回転目には各プリコ
リメータ片20a、20bをそれぞれ開幅制御し、4回
転目には第2のプリコリメータ片20bを閉幅制御す
る。これにより、コーンビームCT装置においても、上
述と同様にスキャン開始時の助走期間及びスキャン終了
時における被検体の無駄な被曝を低減することができ
る。
スライスCT装置の説明をする。
CT装置は、その収集データを収集した検出器列で定義
することとしたが、この第3の実施の形態のマルチスラ
イスCT装置は、その収集データを収集したときのビュ
ー角度、焦点角度、レイ角度、検出器チャンネル番号、
検出器列のZ座標で定義するようにしたものである。
標で定義するようにしたものであり、Z座標に基づいた
論理によって補間するデータを選択し、その重みを決定
するようになっている。
イスCT装置は、この点のみが第1の実施の形態のマル
チスライスCT装置と異なるため、以下、この差異のみ
説明し重複説明を省略することとする。
チスライスCT装置のシステム制御部14は、検出器列
番号を「k」、正規化したヘリカルピッチを「P」、基
本スライス幅を「T」、ビュー角度を「φ」として以下
の演算式に基づいてZ座標(k、φ)を検出する。
例として以下のようになっており、ビュー角度毎及びレ
イ角度毎に実行するようになっている。
置のシステム制御部14は、ビュー角φのときの第N番
目のデータのZ座標を「Z(N、φ)」、ビュー角φの
ときの第m番目の焦点のZ座標を「Zs(m、φ)」、
第m回転を「m」、検出器列番号を「k」、正規化した
ヘリカルピッチを「P」、基本スライス幅を「T」、ビ
ュー角度を「φ」として以下の演算式に基づいてZ座標
(N、φ)を検出する。
の演算プログラムは、一例として以下のようになってお
り、ビュー角度毎及びレイ角度毎に実行するようになっ
ている。
時のビュー角度(焦点角度)、レイ角度(検出器チャン
ネル番号)及びZ座標で定義する。そして、ファンビー
ム再構成のための補間では、この3条件に加えてデータ
の選択と補間の重み決定を行う。
成)を行う場合には、データの定義にZ座標を加え、
「データを収集したときのビュー角度或いは焦点角度、
レイ角度或いは検出器チャンネル番号、(検出器列のZ
座標と焦点のZ座標)或いは(焦点のZ座標と検出器列
の相対的Z座標)」で定義し、前述と同様に補間に用い
るデータを選択し、重みを決定する。
の頭側から足側にかけて寝台1を移動制御して撮影を行
うモード(ヘッド・トゥ・フット)と、被検体の足側か
ら頭側にかけて寝台1を移動制御して撮影を行うモード
(フット・トゥ・ヘッド)との2つの撮影モードを有す
るのであるが、このようにデータを、データ収集時のビ
ュー角度(焦点角度)、レイ角度(検出器チャンネル番
号)及びZ座標で定義することにより、前記各撮影モー
ド毎の2種類のソフトウェア及びハードウェアを必要とす
ることなく、各撮影モード共1種類のソフトウェア及び
ハードウェアで対応することができ、寝台1の送り方向
に拘わらず適切なデータ選択等を行うことができる他、
上述の各実施の形態のマルチスライスCT装置と同じ効
果を得ることができる。
スライスCT装置の説明をする。
CT装置は、その収集データを収集した検出器列で定義
することとしたが、この第4の実施の形態のマルチスラ
イスCT装置は、スキャン開始側から何列目の検出器で
収集データであるかでその収集データを定義するように
したものである。すなわち、検出器列を絶対番号ではな
く相対番号で番号付けしたものである。
イスCT装置は、この点のみが第1の実施の形態のマル
チスライスCT装置と異なるため、以下、この差異のみ
説明し重複説明を省略することとする。
・フットにより寝台1を移動制御した場合、図13
(a)に示すようにスキャン開始位置から当該移動方向
に並設されたX線検出器4の第1〜第4の検出器列4a
〜4dにより順にデータの収集が行われるのであるが、
フット・トゥ・ヘッドにより寝台1を移動制御した場合
は、この逆に、同図(b)に示すようにスキャン開始位
置から当該移動方向と反対の方向に並設されたX線検出
器4の第4〜第1の検出器列4d〜4aにより順にデー
タの収集が行われるようになる。このため、そのデータ
を、収集した検出器列の絶対番号で定義すると、その処
理のために2種類のソフトウェア及びハードウェアが必要
となる。
は、ヘッド・トゥ・フット或いはフット・トゥ・ヘッド
のいずれの場合でも、システム制御部14が、スキャン
開始位置の検出器列を第1の検出器列として相対番号で
位置付けして処理を行う。
ライスCT装置のフット・トゥ・ヘッドの場合を示して
いるのであるが、この場合、同図(b)と比較してわか
るように、システム制御部14は、スキャン開始位置の
第4の検出器列を第1の検出器列としてそのデータの処
理を行う。
に示す補間処理部10での補間の際に、そのデータに対
してアクセスするためのデータアドレスとして、スライ
ス位置に対応した相対番号を割り付ける。すなわち、再
構成データは、図示しないハードディスク等の記憶手段
に記憶されるのであるが、この記憶の際は、各検出器列
4a〜4d順に記憶し、この読み出しの際に各データの
相対番号でデータ処理を行う。
ドレスとを対応付ける変換テーブルを設け、補間プログ
ラムは、収集位置に基づいて所望のデータを要求し、前
記変換テーブルが該所望のデータのデータアドレスを発
生し、これを記憶手段から読み込むようにしてもよい。
トゥ・ヘッドの寝台送り方向に応じた2種類の補間プロ
グラムを設け、ヘリカルスキャン時の送り方向に対応し
た方の補間プログラムを選択して補間処理するようにし
てもよい。
発生操作のみで、ヘッド・トゥ・フットによるデータ収
集或いはフット・トゥ・ヘッドによるデータ収集のいず
れにも1種類のソフトウェア及びハードウェアで対応する
ことができると共に、データの高速処理を可能とするこ
とができる。
スライスCT装置の説明をする。
CT装置では、各検出器列の絶対番号のかたちで記憶手
段に一旦記憶した再構成データを、読み出しの際に各検
出器列の相対番号でデータ処理を行うものであったが、
この第5の実施の形態のマルチスライスCT装置は、再
構成データを記憶手段に記憶する段階で各検出器列の相
対番号のかたちで記憶するようにしたものである。
スライスCT装置は、システム制御部14が、データの
記憶時にスキャン開始側からスキャン終了側の検出器列
で収集したデータの順番(アドレス)で該各データを記
憶するように記憶手段を記憶制御する。
を、スキャン開始側からスキャン終了側の検出器列で収
集したデータの順番で出力する。
アドレス発生操作のみで、ヘッド・トゥ・フットによる
データ収集或いはフット・トゥ・ヘッドによるデータ収
集のいずれにも1種類のソフトウェア及びハードウェアで
対応することができると共に、データの高速処理を可能
とすることができる。
んの一例である。このため、本発明は、上述の各実施の
形態に限定されることはなく、例えばヘリカルスキャン
を行う際に固定された架台2に対して寝台1が移動する
こととしたが、これは、固定された寝台1に対して架台
2が移動するようにしてもよく、この他、本発明に係る
技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて
種々の変更が可能であることは勿論である。
影と同じ条件の断層像を簡単に再スキャンして得ること
ができる。
ただけで他のパラメータを自動的に設定して撮影を行う
ことができる。
ハードウェア及びソフトウェアで対応して収集データの
処理を行うことができる。
におけるの被検体に対する余計な被曝を低減することが
できる。
施の形態のマルチスライスCT装置のブロック図であ
る。
置で選択可能なフィルタ形状を示す図である。
置で操作者により指定される再構成範囲と実際のスキャ
ン範囲との関係を示す図である。
置で設定される各パラメータを示す図である。
置で設定される各パラメータを示す図である。
置のヘリカルピッチが2.5及び3.5の場合のスキャ
ン状態を示す図である。
置のヘリカルピッチが4.0及び3.5の場合のスキャ
ン状態を示す図である。
置において、表示部に表示されるマルチスライスCT装
置特有のパラメータを示す図である。
施の形態のX線CT装置のスキャン開始時(助走期間)
における被曝低減動作を説明するための図である。
ャン終了時における被曝低減動作を説明するための図で
ある。
走期間)及びスキャン終了時における被曝低減動作を説
明するための図である。
おける第1、第2のプリコリメータの位置関係を説明す
るための図である。
実施の形態のマルチスライスCT装置における収集デー
タの検出器列の相対番号でのデータ処理を説明するため
の図である。
示される各パラメータを示す図である。
CT装置におけるヘリカルスキャン開始時の余計な被曝
量の差を説明するための図である。
用のX線検出器 5…X線制御部、6…高電圧発生部、7…架台・寝台制
御部、8…寝台移動部 9…データ収集部、10…補間処置部、11…画像再構
成部、12…表示部 13…操作部、14…システム制御部
Claims (14)
- 【請求項1】 寝台に載置された被検体に対してX線を
曝射するX線発生手段と、このX線の曝射により形成さ
れたX線像を複数の検出器列で検出するX線検出手段と
を架台に対向配置し、前記寝台或いは架台を回転軸方向
に相対的に移動制御すると共に、架台を回転させながら
X線の曝射を行うことにより被検体の所望の部位の撮影
を行うX線CT装置において、 所望の画像再構成範囲を入力するための再構成範囲入力
手段と、 撮影条件を示す再構成パラメータ、及び/又は、スキャ
ンパラメータを入力するためのパラメータ入力手段と、 前記再構成範囲入力手段及びパラメータ入力手段により
入力された画像再構成範囲及びパラメータに基づいて、
撮影開始位置、及び/又は、撮影終了位置を決定して撮
影制御を行う制御手段とを有することを特徴とするX線
CT装置。 - 【請求項2】 前記再構成パラメータは、フィルタ幅、
フィルタ形状、再構成画像の実効スライス厚、スライス
方向再構成関数のうち、少なくとも一つのパラメータを
含むことを特徴とする請求項1記載のX線CT装置。 - 【請求項3】 前記制御手段は、パラメータ入力手段に
より入力されないパラメータについては、予め定められ
た所定の値のパラメータを自動的に設定して撮影制御を
行うことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のX線
CT装置。 - 【請求項4】 前記制御手段は、再構成パラメータ入力
手段により入力されないパラメータについて予め定めら
れた所定の値のパラメータを自動的に設定する際に、実
際に入力されたスキャンパラメータ及び/又は再構成パ
ラメータは変更することなく、前記パラメータの自動設
定を行うことを特徴とする請求項3記載のX線CT装
置。 - 【請求項5】 寝台に載置された被検体に対してX線を
曝射するX線発生手段と、このX線の曝射により形成さ
れたX線像を複数の検出器列で検出するX線検出手段と
を架台に対向配置し、前記寝台或いは架台を回転軸方向
に相対的に移動制御すると共に、架台を回転させながら
X線の曝射を行うことにより被検体の所望の部位の撮影
を行うX線CT装置において、 所望の画像再構成範囲を入力するための再構成範囲入力
手段と、 検査目的、及び/又は、再構成画像の目標特性の入力を
行う検査目的/目標特性入力手段と、 前記検査目的/目標特性入力手段により入力された検査
目的、及び/又は、目標特性に沿った撮影画像が得られ
るように再構成パラメータを自動的に設定して撮影制御
を行う制御手段とを有することを特徴とするX線CT装
置。 - 【請求項6】 前記制御手段は、ヘリカルスキャン後
に、前記再構成範囲入力手段により入力された画像再構
成範囲外の画像の再構成を指定された際、及び/又は、
再構成パラメータの変更を指示された際に、対応する補
間処理により再構成画像を形成することを特徴とする請
求項1乃至請求項5のうちいずれか1項記載のX線CT
装置。 - 【請求項7】 寝台に載置された被検体に対してX線を
曝射するX線発生手段と、このX線の曝射により形成さ
れたX線像を複数の検出器列で検出するX線検出手段と
を架台に対向配置し、前記寝台或いは架台を回転軸方向
に相対的に移動制御すると共に、架台を回転させながら
X線の曝射を行うことにより被検体の所望の部位の撮影
を行うX線CT装置において、 撮影に関する情報であるフィルタ幅、フィルタ形状、再
構成画像の実効スライス厚、スライス方向再構成関数の
うち、少なくとも一つのパラメータを再構成画像と共に
表示部に表示制御する制御手段を有することを特徴とす
るX線CT装置。 - 【請求項8】 寝台に載置された被検体に対してX線を
曝射するX線発生手段と、このX線の曝射により形成さ
れたX線像を検出器列で検出するX線検出手段とを架台
に対向配置し、前記寝台或いは架台を回転軸方向に相対
的に移動制御すると共に、架台を回転させながらX線の
曝射を行うことにより被検体の所望の部位の撮影を行う
X線CT装置において、 前記X線発生手段から曝射されるX線を遮蔽する遮蔽手
段と、 ヘリカルスキャンの際に、画像再構成に用いられない領
域のX線を遮蔽するように前記遮蔽手段を制御する制御
手段とを有することを特徴とするX線CT装置。 - 【請求項9】 前記遮蔽手段は、回転軸方向に沿った第
1の方向に移動する第1の遮蔽片と、前記第1の方向と
反対の第2の方向に移動する第2の遮蔽片とを有し、 前記各遮蔽片は、前記制御手段によりそれぞれ独立に移
動制御可能となっていることを特徴とする請求項8記載
のX線CT装置。 - 【請求項10】 前記制御手段は、スキャン開始時にお
ける画像再構成に用いられない領域、及び/又は、スキ
ャン終了時における画像再構成に用いられない領域のX
線を遮蔽するように前記遮蔽手段を制御することを特徴
とする請求項9記載のX線CT装置。 - 【請求項11】 寝台に載置された被検体に対してX線
を曝射するX線発生手段と、このX線の曝射により形成
されたX線像を複数の検出器列で検出するX線検出手段
とを架台に対向配置し、前記寝台或いは架台を回転軸方
向に相対的に移動制御すると共に架台を回転させながら
X線の曝射を行うことにより被検体の所望の部位の撮影
を行うX線CT装置において、 データを収集した際のビュー角度、レイ角度、検出器列
のZ座標に基づいて、補間するデータを求める制御手段
を有することを特徴とするX線CT装置。 - 【請求項12】 寝台に載置された被検体に対してX線
を曝射するX線発生手段と、このX線の曝射により形成
されたX線像を複数の検出器列で検出するX線検出手段
とを架台に対向配置し、前記寝台或いは架台を回転軸方
向に相対的に移動制御すると共に、架台を回転させなが
らX線の曝射を行うことにより被検体の所望の部位の撮
影を行うX線CT装置において、 検出器列に少なくとも寝台の送り方向に応じた相対的な
番号を付し、この相対番号に基づいて、各検出器列から
の収集データに応じた再構成画像を形成する制御手段を
有することを特徴とするX線CT装置。 - 【請求項13】 再構成画像の収集データを記憶する記
憶手段を有し、 前記制御手段は、前記記憶手段に記憶した収集データを
読み出す際に、前記相対番号に基づいて読み出し制御し
て再構成画像を形成することを特徴とする請求項12記
載のX線CT装置。 - 【請求項14】 前記制御手段は、前記記憶手段に収集
データを記憶する際に、前記相対番号に基づいて記憶制
御することを特徴とする請求項12記載のX線CT装
置。
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