JP2003190144A - X線ct装置 - Google Patents

X線ct装置

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JP2003190144A
JP2003190144A JP2001391642A JP2001391642A JP2003190144A JP 2003190144 A JP2003190144 A JP 2003190144A JP 2001391642 A JP2001391642 A JP 2001391642A JP 2001391642 A JP2001391642 A JP 2001391642A JP 2003190144 A JP2003190144 A JP 2003190144A
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Takito Sakai
滝人 酒井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 曝射回数を増加させることなく必要最小限の
本番用断層画像を得ることができるX線CT装置を提供
する。 【解決手段】 被検体Mの撮像範囲のうちの所望範囲を
本番用画像再構成範囲として指定する本番用再構成範囲
指定部22を備えているので、指定した範囲についての
み本番用画像再構成することができ、その指定した範囲
の本番用断層画像だけを生成することができる。また、
実際に撮像して簡略用画像再構成処理された表示用断層
画像に対して本番用画像再構成する範囲を指定し、その
指定範囲について本番用画像再構成処理のみを行うだけ
で、指定範囲の本番用断層画像を得ることができ、再曝
射を行う必要がないことから、曝射回数を増加させるこ
となく必要最小限の本番用断層画像を生成することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、被検体を撮像し
て被検体の関心部位についての本番用断層画像を得るた
めのX線CT装置に係り、特に、曝射回数を増加させる
ことなく必要最小限の本番用断層画像を得るための技術
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のX線CT装置では、次に説明する
ようにして、被検体の本番用断層画像を取得している。
ここで言う「本番用断層画像」とは、一般に言う、画像
再構成して得られる断層画像のことであり、後述する表
示用断層画像と区別するためにそう呼ばれる。まず、天
板上に載置された被検体を挟んで対向配置された、被検
体にX線を照射するX線管および被検体を透過したX線
を検出するX線検出器を、被検体の体軸周りの所望位置
に位置させて、被検体をその体軸周りの所望の方向から
透視撮像した位置決め用透視画像を得るための透視撮像
を行う。そして、この位置決め用透視画像に基づいて、
被検体の関心部位をX線CT撮像する撮像範囲の設定、
いわゆる、X線CT撮像の位置決めを行う。
【0003】そして、被検体の撮像範囲について被検体
の体軸周りにX線管およびX線検出器を走査させて、X
線CT撮像を行う。なお、このX線CT撮像中において
は、X線CT撮像の進行状況を医師や術者などに知らせ
るために、走査各位置で得られたX線検出器のX線検出
信号を簡略用画像再構成処理して、撮像範囲について
の、本番用断層画像に比べて簡略化した表示用断層画像
を生成していき、この生成した表示用断層画像をモニタ
にリアルタイム表示するようにしている。そして、前述
のX線CT撮像にて既に取得済みの走査各位置でのX線
検出器のX線検出信号を本番用画像再構成処理して、被
検体を撮像した撮像範囲についての本番用断層画像(本
番用CT画像)を生成している。
【0004】また、前述した位置決め用透視画像による
位置決めに替えて、投光器を用いて位置決めする場合も
あり、この場合には、被検体の外部特徴に基づいて撮像
すべき範囲(撮像範囲)を推定して設定し、その設定し
た撮像範囲についてX線CT撮像を行うことになる。
【0005】また、関心部位を本番用断層画像の中心に
近づけるため等の目的で、複数方向からの位置決め用透
視画像を生成して撮像範囲の設定に用いる場合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する従来例の場合には、次のような問題が
ある。すなわち、X線CT装置では、被検体の関心部位
についての本番用断層画像(本番用CT画像)が必要以
上に増加し、生成した本番用断層画像の保管やフィルム
印刷等が負担となっているという問題がある。
【0007】具体的には、近年のX線CT装置として、
被検体に対する1スキャンで複数枚のスライスデータが
得られるというマルチスライスタイプのもの等が登場し
てきており、このようなマルチスライスタイプのX線C
T装置の場合には、短時間で複数枚のスライスデータが
得られることから、生成される本番用断層画像の枚数が
飛躍的に増大している。そのうえ、位置決め用透視画像
を用いたり、投光器を用いたりする場合には、関心部位
を外さないように広めに撮像範囲を設定することが多い
ことから、さらに、生成される本番用断層画像の枚数が
増大することになる。一般に、医用分野では、X線CT
撮像して得られた本番用断層画像を誤って消去すること
がないように、一度取得した本番用断層画像を簡単には
消去できないようにしている。このように、生成される
断層画像の枚数が飛躍的に増大することで、生成した本
番用断層画像の保管やフィルム印刷等が負担となってい
る。
【0008】また、画像観察の立場から、関心部位の画
像を中心におき、かつ、その関心部位を大きくしたいと
いう要望が生じることもあるが、この場合には、被検体
を複数方向から透視撮像して、複数方向から見た位置決
め用透視画像をそれぞれ生成し、それらのうちで最良と
される位置決め用透視画像に基づいて撮像範囲を設定す
ることになるので、複数方向からの位置決め用透視画像
の取得のために曝射回数が増え、被爆量が増えるという
問題がある。
【0009】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、曝射回数を増加させることなく必要
最小限の本番用断層画像を得ることができるX線CT装
置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、このような
目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、請求項1に記載のX線CT装置は、(a)被検体に
X線を照射するX線源と、(b)被検体を挟んで前記X
線源に対向配置され、被検体を透過したX線を検出する
X線検出器と、(c)前記X線源と前記X線検出器とを
被検体の体軸周りに走査する走査手段と、(d)走査各
位置で得られた前記X線検出器のX線検出信号を簡略用
画像再構成処理して、被検体を撮像した撮像範囲内につ
いての、本番用断層画像に比べて簡略化した表示用断層
画像を生成する簡略用再構成手段と、(e)前記簡略用
再構成手段で生成された表示用断層画像を表示する画像
表示手段と、(f)入力指示に従って、前記画像表示手
段に表示された表示用断層画像に対して本番用画像再構
成範囲を指定する範囲指定手段と、(g)前記範囲指定
手段で指定された本番用画像再構成範囲に対応する、取
得済みの走査各位置での前記X線検出器のX線検出信号
を、本番用画像再構成処理して、本番用画像再構成範囲
について本番用断層画像を生成する本番用再構成手段と
を備えていることを特徴とする。
【0011】(作用・効果)請求項1に記載のX線CT
装置によれば、被検体をX線CT撮像する撮像範囲のう
ちの所望の範囲を本番用画像再構成範囲として指定でき
るので、被検体の撮像範囲のうちで指定した範囲につい
てのみ本番用画像再構成することができ、その指定した
範囲の本番用断層画像だけを生成することができる。言
いかえれば、指定した範囲外の画像再構成、つまり、不
必要な本番用断層画像を生成するという本番用画像再構
成を実行することがないし、不必要な本番用断層画像が
増加することもないので、取得した本番用断層画像の保
管やフィルム印刷等の負担が増大することもない。ま
た、実際に撮像して簡略用画像再構成処理された表示用
断層画像に対して本番用画像再構成する範囲を指定し、
その指定範囲について本番用画像再構成処理のみを行う
だけで、指定範囲の本番用断層画像を得ることができ、
再曝射を行う必要がないことから、曝射回数を増加させ
ることなく必要最小限の本番用断層画像を生成すること
ができる。
【0012】なお、本明細書中の「表示用断層画像」と
は、本番用断層画像に比べて簡略化した断層画像のこと
であり、緻密な本番用断層画像に比べて粗い断層画像の
ことである。また、本明細書中の「簡略用画像再構成処
理」とは、本番用画像再構成処理に比べて簡略化した画
像再構成処理のことであり、緻密な本番用断層画像に比
べて粗い表示用断層画像を生成するための画像再構成処
理のことである。
【0013】また、請求項2に記載のX線CT装置は、
請求項1に記載のX線CT装置において、前記画像表示
手段は、撮像範囲の複数枚の表示用断層画像を撮像順に
並列表示し、前記範囲指定手段は、入力指示に従って、
前記画像表示手段に表示された複数枚の表示用断層画像
に対して本番用画像再構成範囲を指定することを特徴と
する。
【0014】(作用・効果)請求項2に記載のX線CT
装置によれば、撮像順に並列表示された撮像範囲の複数
枚の表示用断層画像に対して本番用画像再構成範囲を指
定するようにしているので、本番用画像再構成範囲を指
定し易くでき、必要とされる本番用画像再構成範囲を正
確に指定することができる。
【0015】また、請求項3に記載のX線CT装置は、
請求項1または請求項2に記載のX線CT装置におい
て、前記簡略用再構成手段は、被検体を撮像する撮像速
度に連動させて、その撮像した位置の表示用断層画像を
生成していき、前記画像表示手段は、前記簡略用再構成
手段で生成した表示用断層画像を撮像速度に連動させる
ようにリアルタイム表示することを特徴とする。
【0016】(作用・効果)請求項3に記載のX線CT
装置によれば、被検体を撮像する撮像速度に連動させ
て、その撮像した位置の表示用断層画像を生成してリア
ルタイム表示し、そのリアルタイム表示された表示用断
層画像に対して本番用画像再構成範囲を指定するように
しているので、本番用画像再構成範囲を迅速に指定でき
る。
【0017】また、請求項4に記載のX線CT装置は、
請求項1に記載のX線CT装置において、前記簡略用再
構成手段で生成された撮像範囲の複数枚の表示用断層画
像に基づいて、異なる方向から見た複数種類の表示用断
層画像を生成する画像処理手段を備え、前記画像表示手
段は、その複数種類の表示用断層画像を並列表示し、前
記範囲指定手段は、入力指示に従って、前記画像表示手
段に表示されたその複数種類の表示用断層画像に対して
本番用画像再構成範囲を指定することを特徴とする。
【0018】(作用・効果)請求項4に記載のX線CT
装置によれば、異なる方向から見た複数種類の表示用断
層画像を並列表示し、その複数種類の表示用断層画像に
対して本番用画像再構成範囲が指定できるので、本番用
画像再構成範囲がより指定し易くなり、なおかつ、必要
とされる本番用画像再構成範囲を非常に正確に指定する
ことができる。
【0019】また、請求項5に記載のX線CT装置は、
請求項4に記載のX線CT装置において、前記画像処理
手段は、異なる方向から見た複数種類の表示用断層画像
として、アキシャル面像、コロナル面像、サジタル面像
またはオブリーク面像のうちで2つ以上生成することを
特徴とする。
【0020】(作用・効果)請求項5に記載のX線CT
装置によれば、異なる方向から見た複数種類の表示用断
層画像として、アキシャル面像、コロナル面像、サジタ
ル面像またはオブリーク面像のうちで2つ以上生成して
表示し、表示された複数種類の面像に対して本番用画像
再構成範囲を指定するので、本番用画像再構成範囲がよ
り指定し易く、なおかつ、必要とされる本番用画像再構
成範囲を非常に正確に指定することができる。
【0021】なお、本明細書は、次のようなX線CT装
置における再構成範囲の指定方法に係る発明も開示して
いる。
【0022】(1)粗い表示用断層画像を表示する表示
過程と、表示用断層画像上で緻密な本番用断層画像を再
構成するための範囲を指定する範囲指定過程とを備えた
ことを特徴とするX線CT装置における再構成範囲の指
定方法。
【0023】(作用・効果)上記発明によれば、粗い表
示用断層画像を表示し、その表示用断層画像上で緻密な
本番用断層画像を再構成するための範囲を指定するの
で、被検体の撮像範囲のうちで指定した範囲についての
み本番用画像再構成することができ、その指定した範囲
の本番用断層画像だけを生成することができ、取得した
本番用断層画像の保管やフィルム印刷等の負担が増大す
ることもない。
【0024】(2)前記(1)に記載のX線CT装置に
おける再構成範囲の指定方法において、前記表示過程
は、撮像範囲の複数枚の表示用断層画像を撮像順に並列
表示し、前記範囲指定過程は、並列表示された複数枚の
表示用断層画像に対して前記範囲を指定することを特徴
とするX線CT装置における再構成範囲の指定方法。
【0025】(作用・効果)上記発明によれば、X線C
T撮像順に並列表示された撮像範囲の複数枚の表示用断
層画像に対して本番用画像再構成範囲を指定するように
しているので、本番用画像再構成範囲を指定し易くで
き、必要とされる本番用画像再構成範囲を正確に指定す
ることができる。
【0026】(3)前記(1)に記載のX線CT装置に
おける再構成範囲の指定方法において、撮像範囲の複数
枚の表示用断層画像に基づいて、異なる方向から見た複
数種類の表示用断層画像を生成する画像生成過程を備
え、前記表示過程は、この生成された複数種類の表示用
断層画像を並列表示し、前記範囲指定過程は、表示され
た複数種類の表示用断層画像に対して前記範囲を指定す
ることを特徴とするX線CT装置における再構成範囲の
指定方法。
【0027】(作用・効果)上記発明によれば、異なる
方向から見た複数種類の表示用断層画像を並列表示し、
その複数種類の表示用断層画像に対して本番用画像再構
成範囲が指定できるので、本番用画像再構成範囲がより
指定し易くなり、なおかつ、必要とされる本番用画像再
構成範囲を非常に正確に指定することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】続いて、この発明の一実施例を図
面を参照しながら説明する。 <第1実施例>図1は第1実施例に係るマルチスライス
タイプのX線CT装置の全体構成を示すブロック図であ
り、図2は第1実施例のX線CT装置の撮像系の概略構
成を示す模式図であり、図3はX線検出器におけるX線
検出素子の配列状態を示す平面図である。
【0029】第1実施例のX線CT装置は、X線ファン
ビームFB(以下、適宜にX線ビームFBと略称す
る。)を被検体Mに照射するX線源としてのX線管1
と、多数のX線検出素子2aがX線ビームFBの広がり
方向(横への広がり)にライン状に配列されているとと
もにX線ビームFBの照射に伴ってX線検出データを各
X線検出素子2aごとに出力する多チャンネル型のX線
検出器2とが被検体Mを挟んで対向配置されているX線
撮像機構3と、X線管1及びX線検出器2を対向配置状
態を維持したまま被検体Mの体軸Z周りに回転させるた
めにガントリGに配設された撮像機構回転駆動部4と、
被検体Mを載置したまま被検体Mの体軸Zの方向(紙面
と垂直な方向)に往復移動してガントリG内を出入りす
る天板5となどを備えている。
【0030】このX線CT装置は、X線CT撮像が実行
される場合、被検体Mを載置した天板5を被検体Mの体
軸Zの方向(紙面と垂直な方向)に移動させて、X線管
1及びX線検出器2を被検体Mの体軸Z周りに回転させ
ながら、X線管1からX線ビームFBが被検体Mに照射
されるのに伴ってX線検出器2から出力されるX線検出
データ(X線検出信号)に基づいて、適切な本番用画像
再構成処理が行われて最終的に本番用断層画像(X線C
T画像)が作成されるよう構成されている。以下、第1
実施例のX線CT装置の各部構成を具体的に説明する。
【0031】X線撮像機構3は、図1に示すように、ガ
ントリGの内部でX線管1の前方の位置にX線管1から
出射されるX線ビームを整形するためのコリメータ1a
を備えている。このコリメータ1aによってX線管1か
ら出射されるX線ビームがファン(扇状)の形に整えら
れる構成となっている。
【0032】さらに、このX線CT装置は、マルチスラ
イスタイプであるので、X線検出器2は、X線ビームF
Bの広がり方向に沿ってライン状に配列されているX線
検出素子2aからなるX線検出素子配列ライン2A(素
子列)は1列ではなく、図2及び図3に示すように、複
数列(この第1実施例では、例えば4列)のX線検出素
子配列ライン2Aが被検体Mの体軸Zの方向に隣接して
続くようにして配設されていて、一度に4スライス面の
X線検出データが得られることから、第1実施例のX線
CT装置は、広い撮像範囲の撮像に適する装置となって
いる。なお、各X線検出素子配列ライン2Aにおけるチ
ャンネル数(X線検出素子2aの数)は、通常、約10
00前後であり、この第1実施例の場合は例えば100
0チャンネルとする。
【0033】撮像機構回転駆動部4は、図1に示すよう
に、モータ6の回転力がプーリ7及びベルト8を介して
回転リング9に伝達されるのに伴ってこの回転リング9
を回転させるように構成されている。X線撮像機構3の
X線管1及びX線検出器2は回転リング9に固定されて
おり、モータ6の正転又は逆転により回転リング9が連
動して回転するのに従い、X線管1とX線検出器2が被
検体Mの体軸Z周りに回転する。なお、この撮像機構回
転駆動部4は、撮像機構制御部10からのコントロール
により必要な回転駆動動作を実行する構成となってい
る。
【0034】また、照射制御部11は、主制御部16か
らの設定照射条件に従って、高電圧発生部11aのX線
管1への管電圧・管電流等を制御する。X線管1からの
X線ビームFBの照射に伴ってX線検出器2から出力さ
れるX線検出データは、データ収集部(DAS)13に
より収集されてディジタル変換された上で後段へ出力さ
れる。
【0035】さらに、天板5は、天板駆動部12のコン
トロールにより被検体Mの体軸Zの方向に往復移動させ
られるように構成されている。したがって、天板5と天
板駆動部12とにより、被検体Mに対しX線管1および
X線検出器2を被検体Mの体軸Zの方向に沿って相対的
に移動させる位置移動手段が構成されていることにな
る。なお、撮像機構制御部10や照射制御部11あるい
は天板駆動部12のコントロールは、操作卓やマウスな
どの入力用機器14等からの入力操作や撮像進行状況に
応じて主制御部16から適時に送出される指令信号など
に従って実行される構成になっている。なお、撮像機構
回転駆動部4と天板駆動部12とが本発明の走査手段に
相当する。
【0036】一方、第1実施例のX線CT装置は、デー
タ収集部13の後段において、X線検出器2から出力さ
れるディジタル信号のX線検出データに対してX線検出
素子2aの間の感度のバラツキ等による誤差を補正する
データ前処理部15aと、データ前処理部15aによる
前処理済のX線検出データに基づき画像再構成処理を行
う再構成処理部15と、最終的に得られる本番用断層画
像(X線CT画像)を記憶するCT画像メモリ17を備
えている。またこの他に、X線CT装置は、入力用機器
14等からの入力操作や主制御部16の指令等に従って
X線CT画像を表示する表示用モニタ18やX線CT画
像をフィルムなどに印刷して出力する画像焼付け器19
等も備えていている。
【0037】再構成処理部15は、データ前処理部15
aから出力される前処理済のX線検出データを処理に必
要な期間格納しておく検出データメモリ20と、この検
出データメモリ20から出力される前処理済のX線検出
データ、つまり、走査各位置で得られたX線検出器2の
X線検出データを、本番用画像再構成処理に比べて簡略
化した処理である簡略用画像再構成処理して、被検体M
を撮像した撮像範囲内についての、本番用断層画像に比
べて簡略化した表示用断層画像を生成する簡略用画像再
構成部21とを備えている。
【0038】この実施例中で言う「簡略用画像再構成処
理」とは、本番用画像再構成処理に比べて簡略化した画
像再構成処理、つまり、緻密な本番用断層画像に比べて
粗い表示用断層画像を生成するための画像再構成処理の
うちで次に説明するもののことである。すなわち、X線
CT撮像の進行状況を医師や術者などに知らせるため
に、X線CT撮像に連動させて、撮像範囲のうちで撮像
が終了した箇所についての簡易的な断層画像(表示用断
層画像)を表示用モニタ18に逐次にリアルタイム表示
させるための処理の粗い画像再構成処理のことである。
例えば、本番用断層画像のサイズが512×512のマ
トリックスものであるのに対し、表示用断層画像のサイ
ズを256×256のマトリックスものとするなど画素
数を低減して画像再構成したり、対向パスに相当する部
分を一部削除するというように再構成ステップを一部削
除して画像再構成したりすることで、非常に短時間で表
示用断層画像を生成できるようにしたものである。この
ことから、表示用断層画像は、緻密な本番用断層画像に
比べて粗い断層画像になっている。
【0039】簡略用画像再構成部21は、所定のスライ
ス厚で所定時間ごとに表示用断層画像を逐次に生成して
いき表示用モニタ18に出力する。なお、簡略用画像再
構成部21が本発明の簡略用再構成手段に相当する。
【0040】表示用モニタ18は、X線CT撮像に連動
するように、簡略用画像再構成部21から逐次に出力さ
れる表示用断層画像をリアルタイム表示する。図4
(a)に示すように、表示用モニタ18は、その画面上
に簡略用画像再構成部21から逐次に出力される表示用
断層画像KGをリアルタイム表示し、X線CT撮像の進
行に沿ってリアルタイム表示する表示用断層画像KGの
枚数が増加していき、結果として複数枚の表示用断層画
像KGを並列表示することになる。図4(a)では、X
線CT撮像の進行に沿って、矢印で示す順に表示用断層
画像KGが表示されていき、例えば横4枚×縦4枚=1
6枚の表示用断層画像KGが表示されている。なお、上
述した表示用モニタ18が本発明の画像表示手段に相当
する。
【0041】さらに、第1実施例のX線CT装置は、入
力指示に従って、表示用モニタ18に表示された表示用
断層画像KGに対して本番用画像再構成範囲を指定する
本番用再構成範囲指定部22を備えている。オペレータ
は、図4(a)に示した表示用モニタ18にリアルタイ
ム表示される複数枚の表示用断層画像KGを確認し、入
力用機器14を操作することで表示用モニタ18上の表
示用断層画像KGに本番用画像再構成範囲を入力指示す
ると、本番用再構成範囲指定部22は、その入力指示に
従って、本番用画像再構成範囲を検出データメモリ20
に指示する。
【0042】具体的には、図4(a)に示すように、表
示用モニタ18上の複数枚の表示用断層画像KGの中か
ら、本番用画像再構成範囲の開始位置とする表示用断層
画像KGと、その本番用画像再構成範囲の終了位置とす
る表示用断層画像KGとを選択することで、本番用画像
再構成範囲が本番用再構成範囲指定部22に入力指示さ
れる。図4(a)では、太枠で囲まれた表示用断層画像
KGの全てが本番用画像再構成範囲であることを示して
いる。つまり、最上段(1段目)の左から3番目の表示
用断層画像KG(3枚目の表示用断層画像KG)から最
下段(上から4段目)の左から2番目の表示用断層画像
KG(14枚目の表示用断層画像KG)までの12枚分
が本番用画像再構成範囲として指定されている。検出デ
ータメモリ20は、本番用画像再構成範囲に対応する、
内部に格納している前処理済のX線検出データ、つま
り、既に取得済みの走査各位置で得られたX線検出器2
のX線検出データを、後述する本番用画像再構成部23
に出力する。なお、上述した本番用再構成範囲指定部2
2が本発明の範囲指定手段に相当する。
【0043】さらに、第1実施例のX線CT装置は、検
出データメモリ20に格納された前処理済のX線検出デ
ータのうちで本番用再構成範囲指定部22で指定された
本番用画像再構成範囲に対応する前処理済のX線検出デ
ータ、つまり、既に取得済みの走査各位置のX線検出器
2のX線検出データのうちで本番用画像再構成範囲に対
応するX線検出器2のX線検出データを、本番用画像再
構成処理して、本番用画像再構成範囲について本番用断
層画像を生成する本番用画像再構成部23を備えてい
る。
【0044】本番用画像再構成部23で生成された本番
用画像再構成範囲についての本番用断層画像は、CT画
像メモリ17に記憶され、入力用機器14の操作によっ
て、表示用モニタ18に適宜に表示されたり、画像焼付
け器19でフィルムなどに適宜に記憶されたりする。
【0045】続いて、以上に述べた構成を有する第1実
施例のX線CT装置によるX線CT撮像の進行プロセス
を、図面を参照しながら説明する。図5は第1実施例装
置によるX線CT撮像の進行状況を示すフローチャート
である。
【0046】〔ステップS1〕位置決め用透視画像の撮
像を行う。具体的には、天板5上に載置された被検体M
を挟んで対向配置された、被検体MにX線を照射するX
線管1および被検体Mを透過したX線を検出するX線検
出器2を、被検体Mの体軸Z周りの所望位置に位置させ
て、被検体Mをその体軸Z周りの所望の方向から透視撮
像した位置決め用透視画像を得るための透視撮像を行
う。
【0047】〔ステップS2〕前述のステップS1で得
た位置決め用透視画像に基づいて、被検体Mの関心部位
をX線CT撮像する撮像範囲の設定、いわゆる、X線C
T撮像の位置決めを行う。
【0048】〔ステップS3〕前述のステップS2で撮
像範囲が設定されると、その撮像範囲についてのX線C
T撮像の実行と表示用断層画像のリアルタイム表示とが
行われる。具体的には、オペレータが入力用機器14か
らX線CT撮像開始の指令を入力すると、被検体Mの体
軸Z方向への移動が始まるとともにX線管1からのX線
ビームFBの照射とX線検出器2から出力されるX線検
出データの収集が始まる。X線検出器2のX線検出デー
タは、データ前処理部15aで前処理されて検出データ
メモリ20に格納される。簡略用画像再構成部21は、
検出データメモリ20に格納された前処理済みのX線検
出データを簡略用画像再構成処理して、被検体Mを撮像
した撮像範囲内についての、本番用断層画像に比べて簡
略化した表示用断層画像を逐次に生成していき表示用モ
ニタ18に出力する。表示用モニタ18は、図4(a)
に示すように、X線CT撮像に連動するように、簡略用
画像再構成部21から逐次に出力される表示用断層画像
KGをリアルタイム表示する。なお、このステップS3
での表示用断層画像KGのリアルタイム表示が、本発明
の表示過程の一態様に相当する。
【0049】〔ステップS4〕リアルタイム表示される
表示用断層画像に対して本番用画像再構成範囲を指定す
る。具体的には、オペレータが入力用機器14を操作し
て、表示用モニタ18上の表示用断層画像に対して本番
用画像再構成範囲が入力指示されると、本番用再構成範
囲指定部22は、その入力指示に従って、本番用画像再
構成範囲を検出データメモリ20に指示する。つまり、
図4(a)に示すように、表示用モニタ18上の複数枚
の表示用断層画像KGの中から、本番用画像再構成範囲
の開始位置とする表示用断層画像KGと、その本番用画
像再構成範囲の終了位置とする表示用断層画像KGとが
オペレータにより選択され、太枠で囲まれた表示用断層
画像KGの全てが本番用画像再構成範囲となる。図4
(b)に示すように、被検体MをX線CT撮像した撮像
範囲のうちの所望の範囲を本番用画像再構成範囲として
指定していることがわかる。なお、このステップS4で
の本番用画像再構成範囲の指定が、本発明の範囲指定過
程の一態様に相当する。
【0050】そして、本番用画像再構成範囲に対応す
る、検出データメモリ20内の前処理済のX線検出デー
タ、つまり、既に取得済みの走査各位置で得られたX線
検出器2のX線検出データが、本番用画像再構成部23
に出力される。このように、被検体MをX線CT撮像す
る撮像範囲のうちの所望の範囲を本番用画像再構成範囲
として指定できるのである。
【0051】なお、本番用画像再構成範囲が設定された
時点でX線CT撮像が継続中である場合には、本番用画
像再構成範囲の設定後、比較的速やかにX線CT撮像は
終了する。図4(a)では、右下の表示用断層画像KG
(16枚目の表示用断層画像KG)がリアルタイム表示
された時点でX線CT撮像が終了している。
【0052】〔ステップS5〕本番用CT再構成の実
行、つまり、本番用画像再構成範囲について本番用断層
画像を生成する。具体的には、本番用画像再構成部23
は、本番用画像再構成範囲に対応する、既に取得済みの
走査各位置で得られたX線検出器2のX線検出データ
を、本番用画像再構成処理して、本番用画像再構成範囲
について本番用断層画像を生成する。X線CT撮像は、
前述のステップS3〜S4で実行されており、このステ
ップS5では、本番用画像再構成範囲についての本番用
断層画像を生成するという本番用画像再構成処理(演
算)のみが行われている。本番用画像再構成範囲につい
ての本番用断層画像は、CT画像メモリ17に記憶さ
れ、オペレータによる入力用機器14の操作によって、
表示用モニタ18に適宜に表示されたり、画像焼付け器
19でフィルムなどに適宜に記憶されたりする。
【0053】以上に詳述したように、第1実施例のX線
CT装置によれば、被検体MをX線CT撮像する撮像範
囲のうちの所望の範囲を本番用画像再構成範囲として指
定できるので、被検体Mの撮像範囲のうちで指定した範
囲についてのみ本番用画像再構成することができ、その
指定した範囲の本番用断層画像だけを生成することがで
きる。言いかえれば、指定した範囲外の画像再構成、つ
まり、不必要な本番用断層画像を生成するという本番用
画像再構成を実行することがないし、不必要な本番用断
層画像が増加することもないので、取得した本番用断層
画像の保管やフィルム印刷等の負担が増大することもな
い。また、実際に撮像して簡略用画像再構成処理された
表示用断層画像に対して本番用画像再構成する範囲を指
定し、その指定範囲について本番用画像再構成処理のみ
を行うだけで、指定範囲の本番用断層画像を得ることが
でき、再曝射を行う必要がないことから、曝射回数を増
加させることなく必要最小限の本番用断層画像を生成す
ることができる。
【0054】また、従来例のような位置決め用透視画像
を用いた位置決めでは、厳密な位置決めができなかった
が、この第1実施例のX線CT装置によれば、実際に撮
像して生成した表示用断層画像をもとに位置や範囲を設
定することができるので、厳密に必要最小限の本番用断
層画像の枚数を設定できる。
【0055】また、撮像順に並列表示された撮像範囲の
複数枚の表示用断層画像に対して本番用画像再構成範囲
を指定するようにしているので、本番用画像再構成範囲
を指定し易くでき、必要とされる本番用画像再構成範囲
を正確に指定することができる。
【0056】また、被検体Mを撮像する撮像速度に連動
させて、その撮像した位置の表示用断層画像を生成して
リアルタイム表示し、そのリアルタイム表示された表示
用断層画像に対して本番用画像再構成範囲を指定するよ
うにしているので、本番用画像再構成範囲を迅速に指定
できる。
【0057】<第2実施例>図6は第2実施例に係るマ
ルチスライスタイプのX線CT装置の全体構成を示すブ
ロック図である。
【0058】第2実施例のX線CT装置は、前述の第1
実施例のX線CT装置の再構成処理部15に、後述する
画像処理部24を追加している点が前述の第1実施例と
は異なっている。なお、再構成処理部15以外は、前述
の第1実施例の構成と同じであるので、同一箇所につい
ては同一符号を付すに留め、第2実施例では、この第2
実施例の特徴部分である再構成処理部15の画像処理部
24について詳細に説明する。
【0059】画像処理部24は、再構成処理部15内の
簡略用画像再構成部21の後段に設けられており、簡略
用画像再構成部21で生成された撮像範囲の複数枚の表
示用断層画像に基づいて、異なる方向から見た複数種類
の表示用断層画像を生成する。この第2実施例では、被
検体Mの体軸Zに直交したアキシャル面像(体軸像)
と、被検体Mの前面に平行でアキシャル像と直交する面
でのコロナル面像(冠状像)と、被検体Mの前面とアキ
シャル像とに直交した面でのサジタル面像(矢状像)と
の3種類の表示用断層画像を生成している。画像処理部
24は、単純投影、MIP(最大値投影)、ボリューム
レンダリングなどの画像処理を行うことで、上述した3
種類の表示用断層画像を生成している。
【0060】画像処理部24で生成された上述の3種類
の表示用断層画像は表示用モニタ18に出力され、表示
用モニタ18の画面上に並列表示されている。図7
(a)に示すように、表示用モニタ18の画面は、左
上、右上、左下、右下の4つの表示エリアに分割されて
おり、その画面の左下のエリアにはアキシャル面像が表
示されており、その画面の左上のエリアにはコロナル面
像が表示されており、その画面の右下のエリアにはサジ
タル面像が表示されている。アキシャル面像、コロナル
面像およびサジタル面像には、本番用画像再構成範囲を
示す四角形のボックスカーソルBCがそれぞれ表示され
ており、アキシャル面像、コロナル面像およびサジタル
面像のうちの1つのボックスカーソルBCの大きさや位
置を変更すると、それ以外の面像のボックスカーソルB
Cの大きさや位置が連動して変更される。図7(b)に
示すように、被検体MをX線CT撮像した撮像範囲のう
ちの所望の範囲を本番用画像再構成範囲として指定して
いることがわかる。
【0061】続いて、以上に述べた構成を有する第2実
施例のX線CT装置によるX線CT撮像の進行プロセス
を、図8を参照しながら説明する。図8は、第2実施例
装置によるX線CT撮像の進行状況を示すフローチャー
トである。
【0062】なお、図8に示した第2実施例のステップ
S4’のみが、図5に示した前述の第1実施例のステッ
プS4と異なるので、この第2実施例では、図8に示し
たステップS4’について詳細に説明するものとする。
【0063】〔ステップS4’〕画像処理部24は、簡
略用画像再構成部21で生成された複数枚の表示用断層
画像、つまり、リアルタイム表示される複数枚の表示用
断層画像に基づいて、アキシャル面像、コロナル面像お
よびサジタル面像(3種類の表示用断層画像)を断面変
換などの画像処理によって生成する。なお、このステッ
プS4’に入った時点でX線CT撮像は終了している。
表示用モニタ18は、画像処理部24で生成されたアキ
シャル面像、コロナル面像およびサジタル面像を並列表
示する。オペレータが入力用機器14を操作して、図7
(a)に示すように、表示用モニタ18に並列表示され
たアキシャル面像、コロナル面像およびサジタル面像上
のボックスカーソルBCの大きさや位置が変更(入力指
示)されると、本番用再構成範囲指定部22は、その入
力指示に従って、本番用画像再構成範囲を検出データメ
モリ20に指示する。そして、本番用画像再構成範囲に
対応する、検出データメモリ20内の前処理済のX線検
出データ、つまり、既に取得済みの走査各位置で得られ
たX線検出器2のX線検出データが、本番用画像再構成
部23に出力される。このように、被検体MをX線CT
撮像する撮像範囲のうちの所望の範囲を本番用画像再構
成範囲として指定できるのである(図7(b)参照)。
なお、このステップS4’での3種類の表示用断層画像
の生成が、本発明の生成過程の一態様に相当し、このス
テップS4’での本番用画像再構成範囲の指定が、本発
明の範囲指定過程の一態様に相当する。
【0064】そして、ステップS5にて、本番用画像再
構成範囲について本番用断層画像を生成する。
【0065】以上に詳述したように、第2実施例のX線
CT装置によれば、前述の第1実施例の効果を有すると
ともに、アキシャル面像、コロナル面像およびサジタル
面像を並列表示し、それらの各面像に対して本番用画像
再構成範囲が指定できるので、本番用画像再構成範囲が
より指定し易くなり、なおかつ、必要とされる本番用画
像再構成範囲を非常に正確に指定することができる。ま
た、画像中心や再構成視野サイズなどを、実際のX線C
T画像(本番用断層画像)を簡略化して生成した表示用
断層画像(アキシャル面像、コロナル面像およびサジタ
ル面像)をもとに設定できるので、追加の位置決め用透
視画像の撮像を不要にできる。
【0066】また、X線CT撮像後に行われるフィルム
への印刷作業は、従来では、本番用断層画像を手動で選
択して、範囲やウインドウレベルや拡大率や視野サイズ
などの画質調整を行った後に印刷したり、自動でのフィ
ルム印刷を行う場合には、本番用断層画像の選択や画質
調整について、例えば視野サイズを変更したい場合や関
心部位が中心から離れている場合やコントラストが悪い
場合でも、割り切らざるを得なかった。しかし、この第
2実施例のX線CT装置によれば、表示用断層画像を用
いた本番用画像再構成範囲の設定時に、範囲やウインド
ウレベルや拡大率や視野サイズなどの画質調整を同時に
行うことができるので、本番用断層画像のフィルム印刷
作業の自動化を妥協することなく行うことができる。
【0067】この発明は、上記実施の形態に限られるこ
とはなく、下記のように変形実施することができる。
【0068】(1)上述した第1実施例のX線CT装置
では、複数枚の表示用断層画像を表示用モニタ18に同
時に並列表示しているが、表示用モニタ18に1枚の表
示用断層画像のみを表示し、時系列的に個別に表示され
る表示用断層画像に対して、本番用画像再構成範囲の開
始位置とする表示用断層画像と本番用画像再構成範囲の
終了位置とする表示用断層画像とを選択して本番用画像
再構成範囲を設定するようにしてもよい。
【0069】(2)上述したこの第1実施例では、本番
用画像再構成範囲の開始位置とする表示用断層画像KG
と、その本番用画像再構成範囲の終了位置とする表示用
断層画像KGとを選択することで本番用画像再構成範囲
を設定していたが、図9に示すように、さらにボックス
カーソルBCで本番用画像再構成範囲を細かく設定する
ようにしてもよい。この場合には、表示用断層画像を用
いた本番用画像再構成範囲の設定時に、範囲やウインド
ウレベルや拡大率や視野サイズなどの調整を同時に行う
ことができるので、本番用断層画像のフィルム印刷作業
の自動化を妥協することなく行うことができる。
【0070】(3)上述した第2実施例のX線CT装置
では、異なる方向から見た複数種類の表示用断層画像と
して、アキシャル面像、コロナル面像およびサジタル面
像の3つを表示用モニタ18に並列表示しているが、ア
キシャル面像、コロナル面像、サジタル面像またはオブ
リーク面像のうちで2つ以上を表示用モニタ18に並列
表示するようにしてもよい。オブリーク面像(斜入像)
は、アキシャル面像、コロナル面像およびサジタル面像
以外の任意の方向の断層画像のことである。
【0071】(4)上述した各実施例では、X線管1及
びX線検出器2を備えたガントリG内を出入りするよう
に、被検体Mを載置した天板5を天板駆動部12によっ
て移動させているが、天板5を固定としガントリGを移
動させるようにしても良いし、天板5とガントリGの両
方を移動させるようにしても良い。
【0072】(5)上述した各実施例では、ステップS
1〜S2にて、位置決め用透視画像を撮像しそれに対し
て撮像範囲を設定するようにしているが、投光器などを
用いて撮像範囲を設定するようにしてもよい。
【0073】(6)上述した実施例のX線CT装置は、
被検体Mを挟んだ状態でX線管1とX線検出器2とを被
検体Mの体軸Z周りに1回転させることで、被検体Mの
特定の測定位置における全周方向のX線検出データを取
得し、被検体Mを載置した天板5を所定の送りピッチで
被検体Mの体軸Zの方向にステップ送りして、被検体M
の次の測定位置における全周方向のX線検出データを取
得するというように、1回転させた後に1ステップ送り
するスキャン方式のものとしているが、このスキャン方
式のものに限定されるものではなく、ヘリカルスキャン
を行うものなど、回転と送りとを同時に行うスキャン方
式のものとした場合にも、適用可能である。
【0074】(7)実施例のX線CT装置は、X線検出
素子配列ライン2Aが4列設けられているマルチスライ
スタイプの装置であったが、この発明のX線CT装置
は、X線検出素子配列ライン2Aが4列以外の複数列あ
るマルチスライスタイプの装置でもよいし、X線検出素
子配列ライン2Aが1列だけのシングルスライスタイプ
(非マルチスライスタイプ)の装置であってもよい。ま
た、X線管1をコーンビームX線を出射するタイプのも
のとし、X線検出器2に替えてフラットパネル型X線検
出器(FPD)を採用することで、X線撮像機構3をコ
ーンビームスキャンタイプのものとしてもよい。
【0075】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明のX線C
T装置によれば、被検体をX線CT撮像する撮像範囲の
うちの所望の範囲を本番用画像再構成範囲として指定で
きるので、被検体の撮像範囲のうちで指定した範囲につ
いてのみ本番用画像再構成することができ、その指定し
た範囲の本番用断層画像だけを生成することができる。
また、実際に撮像して簡略用画像再構成処理された表示
用断層画像に対して本番用画像再構成する範囲を指定
し、その指定範囲について本番用画像再構成処理のみを
行うだけで、指定範囲の本番用断層画像を得ることがで
き、再曝射を行う必要がないことから、曝射回数を増加
させることなく必要最小限の本番用断層画像を生成する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のX線CT装置の全体構成を示すブ
ロック図である。
【図2】第1実施例のX線CT装置における撮像系の概
略構成を示す模式図である。
【図3】第1実施例装置のX線検出器におけるX線検出
素子の配列状態を示す平面図である。
【図4】(a)は第1実施例装置の表示用モニタ画面の
マルチフレーム表示と本番用画像再構成範囲の指定を説
明するための図であり、(b)は撮像範囲に対する画像
再構成範囲を模式的に示した図である。
【図5】第1実施例のX線CT装置によるX線CT撮像
の進行状況を示すフローチャートである。
【図6】第2実施例のX線CT装置の全体構成を示すブ
ロック図である。
【図7】(a)は第2実施例装置の表示用モニタ画面の
3断面表示と本番用画像再構成範囲の指定を説明するた
めの図であり、(b)は撮像範囲に対する画像再構成範
囲を模式的に示した図である。
【図8】第2実施例のX線CT装置によるX線CT撮像
の進行状況を示すフローチャートである。
【図9】(a)は第1実施例とは別の実施例の本番用画
像再構成範囲の指定を説明するための図であり、(b)
は撮像範囲に対する画像再構成範囲を模式的に示した図
である。
【符号の説明】
1 … X線管(X線源) 2 … X線検出器 4 … 撮像機構回転駆動部(走査手段) 12 … 天板駆動部(走査手段) 18 … 表示用モニタ(画像表示手段) 21 … 簡略用画像再構成部(簡略用再構成手段) 22 … 本番用再構成範囲指定部(範囲指定手段) 23 … 本番用画像再構成部(本番用再構成手段) 24 … 画像処理部(画像処理手段) KG … 表示用断層画像 M … 被検体 Z … 体軸

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)被検体にX線を照射するX線源
    と、(b)被検体を挟んで前記X線源に対向配置され、
    被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、(c)
    前記X線源と前記X線検出器とを被検体の体軸周りに走
    査する走査手段と、(d)走査各位置で得られた前記X
    線検出器のX線検出信号を簡略用画像再構成処理して、
    被検体を撮像した撮像範囲内についての、本番用断層画
    像に比べて簡略化した表示用断層画像を生成する簡略用
    再構成手段と、(e)前記簡略用再構成手段で生成され
    た表示用断層画像を表示する画像表示手段と、(f)入
    力指示に従って、前記画像表示手段に表示された表示用
    断層画像に対して本番用画像再構成範囲を指定する範囲
    指定手段と、(g)前記範囲指定手段で指定された本番
    用画像再構成範囲に対応する、取得済みの走査各位置で
    の前記X線検出器のX線検出信号を、本番用画像再構成
    処理して、本番用画像再構成範囲について本番用断層画
    像を生成する本番用再構成手段とを備えていることを特
    徴とするX線CT装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のX線CT装置におい
    て、前記画像表示手段は、撮像範囲の複数枚の表示用断
    層画像を撮像順に並列表示し、前記範囲指定手段は、入
    力指示に従って、前記画像表示手段に表示された複数枚
    の表示用断層画像に対して本番用画像再構成範囲を指定
    することを特徴とするX線CT装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のX線C
    T装置において、前記簡略用再構成手段は、被検体を撮
    像する撮像速度に連動させて、その撮像した位置の表示
    用断層画像を生成していき、前記画像表示手段は、前記
    簡略用再構成手段で生成した表示用断層画像を撮像速度
    に連動させるようにリアルタイム表示することを特徴と
    するX線CT装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のX線CT装置におい
    て、前記簡略用再構成手段で生成された撮像範囲の複数
    枚の表示用断層画像に基づいて、異なる方向から見た複
    数種類の表示用断層画像を生成する画像処理手段を備
    え、前記画像表示手段は、その複数種類の表示用断層画
    像を並列表示し、前記範囲指定手段は、入力指示に従っ
    て、前記画像表示手段に表示されたその複数種類の表示
    用断層画像に対して本番用画像再構成範囲を指定するこ
    とを特徴とするX線CT装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のX線CT装置におい
    て、前記画像処理手段は、異なる方向から見た複数種類
    の表示用断層画像として、アキシャル面像、コロナル面
    像、サジタル面像またはオブリーク面像のうちで2つ以
    上生成することを特徴とするX線CT装置。
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