JPH11144653A - X線発生装置 - Google Patents

X線発生装置

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JPH11144653A
JPH11144653A JP30403997A JP30403997A JPH11144653A JP H11144653 A JPH11144653 A JP H11144653A JP 30403997 A JP30403997 A JP 30403997A JP 30403997 A JP30403997 A JP 30403997A JP H11144653 A JPH11144653 A JP H11144653A
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JP
Japan
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ray
electron beam
ray target
incident
target
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Withdrawn
Application number
JP30403997A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Yamanaka
清 山中
Ikuo Wakamoto
郁夫 若元
Susumu Urano
晋 浦野
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子ビームによる装置各部(X線ターゲット
やX線取出窓等)の熱負荷の低減と電子ビームの有効利
用とを図れるX線発生装置を提供する。 【解決手段】 入射面を略凹型に形成したX線ターゲッ
ト23と、電子ビーム24をローレンツ力によりX線タ
ーゲットに近づく方向に偏向してX線ターゲットに入射
させると共に反射電子24a等をローレンツ力によりX
線ターゲットに近づく方向に偏向してX線ターゲットに
再入射させる電子ビーム偏向手段(磁場発生装置)とか
らなる電子ビーム再入射手段を設ける。或いは透過型の
第1X線ターゲットと反射型の第2X線ターゲット(反
射電子受熱部)とを有するX線ターゲット部と、電子ビ
ームをローレンツ力により第1X線ターゲットに近づく
方向に偏向させて第1X線ターゲットに入射させると共
に反射電子をローレンツ力により第2X線ターゲットに
近づく方向に偏向して第2X線ターゲットに再入射させ
る電子ビーム偏向手段(磁場発生装置)とからなる電子
ビーム再入射手段を設ける。また電子ビーム形状を実際
に又は見かけ上幅方向に長いリニア状とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はX線発生装置に関
し、具体的には電子ビームによる装置各部の熱負荷の軽
減や電子ビームの有効利用を図ることができるようにし
たX線発生装置のX線発生部の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は従来のX線発生装置の構成を示す
縦断面図、図7は図6のX線発生装置に備えたX線ター
ゲット部のVII 方向矢視図である。
【0003】図6に示すように、従来のX線発生装置
は、主に、内部が真空排気装置(図示せず)によって真
空排気されている又は真空排気済(封じきり管の場合)
の真空容器1と、この真空容器1内に設置されている電
子線発生部2及びX線ターゲット3とから構成されてい
る。
【0004】電子線発生部2は、熱電子を放出するカソ
ード4と、電子ビーム5の電流量を制御するためにカソ
ード4に対して相対的に負の電位を印加するためのグリ
ッド6とから構成されている。なお、真空容器1は接地
されて接地電位である一方、カソード4及びグリッド6
は硝子7を介して真空容器1に支持されており、接地電
位から電気的に隔絶されている。
【0005】カソード4の両端にはカソード電源8が接
続されている。また、カソード4の一端とグリッド6と
の間にはグリッド電源9が接続されている。このグリッ
ド電源9は正側がカソード4に接続され負側がグリッド
6に接続されて、上記の如くカソード4に対して相対的
に負の電位をグリッド6に印加するようになっている。
なお、アノード−グリッド−カソード間の関係によって
はグリッドに正電位を印加する場合もある。カソード4
の前記一端と接地部との間には加速電源10が接続され
ている。この加速電源10は正側が接地され負側がカソ
ード4に接続されて、カソード4側に負の電位を印加す
るようになっている。
【0006】X線ターゲット3はグリッド6に対峙する
位置に、入射面3aを図中下方に傾斜させた状態で配設
されており、この入射面3aに電子ビーム5が入射する
ようになっている。このX線ターゲット3の入射面3a
の裏側には冷却部13が設けられており、図示しない冷
却水循環系によって冷却水が、内側の配管14から入射
面3aの裏側に供給されると共に外側の配管15から排
出されるようになっている。
【0007】一方、真空容器1の壁面の一部(図中下
部)には、X線ターゲット3の入射面3aに対応するよ
うにX線取出窓12が取り付けられており、X線ターゲ
ット3で発生したX線11を、このX線取出窓12を介
して真空容器1外(大気中)に取り出すようになってい
る。
【0008】上記構成のX線発生装置によれば、次のよ
うにしてX線を発生させる。
【0009】カソード4ではカソード電源8の通電によ
って発生するジュール発熱により加熱されるため、当該
加熱部から当該加熱部の温度に応じた量の熱電子を放出
する。一方、真空容器1に支持されているX線ターゲッ
ト3は真空容器1と共に接地電位であるため、グリッド
6−X線ターゲット3間には加速電源10によって電位
勾配が生じる。従って、カソード4から放出された熱電
子は、グリッド6により引出電流量制御・ビーム形状成
形を受けた後、前記電位勾配による加速を受けて電子ビ
ーム5となり、X線ターゲット3に入射する。なお、従
来のX線発生装置ではカソード4の形状が点状又は円状
であったため、このカソード4から得られる電子ビーム
5は図7に示すようにスポット状であった。
【0010】そして、この電子ビーム5がX線ターゲッ
ト3に入射すると、X線ターゲット3からは制動放射と
いう現象によってX線11が発生する。このX線11は
X線取出窓12を介して真空容器1外(大気中)に取り
出されて、大気中に設置されている図示しない被照射物
に照射される。また、このときX線ターゲット3は電子
ビーム5の入射によって熱負荷を受けるが、冷却水循環
系から冷却部13に供給される冷却水によって除熱され
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のX線発生装置では、以下に詳述するように、X線タ
ーゲット3からの反射電子が未処理であることによる問
題点と、X線ターゲット3への熱流束(単位面積当たり
の入熱量)が大きいことによる問題点とを有している。
なお、反射電子とはX線ターゲット3から放出された電
子のことである。つまり、X線ターゲット3に入射した
電子(電子ビーム5)の一部はX線ターゲット3内でタ
ーゲット材質と複数回の散乱を受けることによってその
進行方向に変化を受けることにより、X線ターゲット3
の表面(入射面3a)から放出される。この放出された
電子を反射電子という。
【0012】<X線ターゲットからの反射電子が未処理
であることによる問題点> 反射電子は真空容器1やX線取出窓12に入射して
当該入射部への熱負荷となっていた。特に、X線取出窓
12は、X線取り出し時におけるX線11の減衰を最小
とするために薄膜を使用していることから、冷却が困難
である。従って、X線取出窓12へ反射電子の一部が入
射して当該入射部に熱負荷が生じると、X線取出窓12
の温度増加に繋がり、ひいては当該入射部の強度が低下
して真空容器1内の真空状態を保持し得なくなる虞があ
った。
【0013】 X線発生効率(=発生X線エネルギ/
電子線発生部からの出射電子エネルギ)に物理的限界を
生じ、発生電子(電子ビーム5)の有効利用が図られて
いない。
【0014】<X線ターゲットへの熱流束が大きいこと
による問題点>X線11の発生量は電子ビーム5の加速
電圧及びビーム電流に依存し、これらの値の増加に伴っ
て増大する。従って、発生X線量を増加させるためには
前記加速電圧又はビーム電流を増加させる必要がある、
即ち、電子ビーム5の出力(加速電圧×ビーム電流)を
増加させる必要がある。ところが、従来のX線発生装置
において得られる電子ビーム5はスポット状であるた
め、もともとX線ターゲット3への熱流束が大きい(局
部に熱負荷が集中する)。このため、スポット状電子ビ
ーム5のままその出力を増加させれば、X線ターゲット
3への熱流束が大きくなり過ぎてしまい、ひいてはX線
ターゲット3に対して有効な冷却を行うことができなく
なってしまう(冷却水循環系の冷却能力を超えてしま
う)。つまり、前記熱流束の値と冷却水循環系の冷却能
力とで定まる当該入射部の冷却性能の面から、X線発生
量の増大に係わる制限を受ける。
【0015】この問題点に対してはスポット状電子ビー
ムの直径を大きくすればよいように思われるが、スポッ
ト状電子ビーム使用時には半径方向のプロファイルはガ
ウス分布を示すため、たとえスポット電子ビームの直径
を大きくしても前記熱流束の影響が大きく緩和されるこ
とは期待できない。そこで、従来、この問題点の対策と
しては、X線ターゲット部を回転させて相対的に熱流束
を低減させるという方策がとられてきた(実開昭63−
18756号公報参照)。しかし、この対策ではX線タ
ーゲット部を回転させるように構成しなければならない
ため、機械的構成が複雑となる。
【0016】従って本発明は上記従来技術に鑑み、電子
ビームによる装置各部(X線ターゲットやX線取出窓
等)の熱負荷の低減を図り、また、電子ビームの有効利
用を図ることができるX線発生装置を提供することを課
題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する第1
発明のX線発生装置は、電子ビーム発生手段によって発
生した電子ビームをX線ターゲットに入射してX線を発
生するX線発生装置であって、X線ターゲットから放出
された反射電子をローレンツ力により偏向させてX線タ
ーゲットに再入射させる電子ビーム再入射手段を備えた
ことを特徴とする。
【0018】また、第2発明のX線発生装置は、第1発
明のX線発生装置において、前記電子ビーム再入射手段
は、入射面を略凹型に形成したX線ターゲットと、電子
ビーム発生手段によって発生した電子ビームをローレン
ツ力により前記X線ターゲットに近づく方向に偏向して
前記X線ターゲットに入射させると共に前記X線ターゲ
ットから放出された反射電子をローレンツ力により前記
X線ターゲットに近づく方向に偏向して前記X線ターゲ
ットに再入射させる電子ビーム偏向手段とを備えてなる
ものであることを特徴とする。
【0019】また、第3発明のX線発生装置は、第1発
明のX線発生装置において、前記電子ビーム再入射手段
は、透過型の第1X線ターゲットとこの第1X線ターゲ
ットに所定の角度で対向させた反射型の第2X線ターゲ
ットとを有してなるX線ターゲット部と、電子ビーム発
生手段によって発生した電子ビームをローレンツ力によ
り前記第1X線ターゲットに近づく方向に偏向させて前
記第1X線ターゲットに入射させると共に前記第1X線
ターゲットから放出された反射電子をローレンツ力によ
り前記第2X線ターゲットに近づく方向に偏向して前記
第2X線ターゲットに再入射させる電子ビーム偏向手段
とを備えてなるものであることを特徴とする。
【0020】また、第4発明のX線発生装置は、電子ビ
ーム発生手段によって発生した電子ビームをX線ターゲ
ットに入射してX線を発生するX線発生装置であって、
前記電子ビーム発生手段は幅方向に細長いリニア状の電
子ビームを発生することを特徴とする。
【0021】また、第5発明のX線発生装置は、電子ビ
ーム発生手段によって発生した電子ビームをX線ターゲ
ットに入射してX線を発生するX線発生装置であって、
前記電子ビーム発生手段はスポット状の電子ビームを発
生するものであると共に、このスポット状の電子ビーム
を幅方向に走査する電子ビーム走査手段を備えたことを
特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。
【0023】[実施の形態1]図1は本発明の実施の形
態1に係る反射型X線発生装置の構成を示す縦断面図、
図2は図1の反射型X線発生装置に備えたX線ターゲッ
ト部及び電子線発生部のII方向矢視図である。
【0024】<構成>図1に示すように、本実施の形態
1に係る反射型X線発生装置は、主に、内部が真空排気
装置36によって真空排気されている又は真空排気済
(封じきり管の場合)の真空容器21と、この真空容器
21内に設置されている電子線発生部22及びX線ター
ゲット23と、磁場発生装置(図示せず)とから構成さ
れている。
【0025】電子線発生部22は、熱電子を放出するカ
ソード28と、電子ビーム24の電流量を制御するため
にカソード28に対して相対的に負の電位を印加するた
めのグリッド26と、このグリッド26との間に電位勾
配を生成するためにグリッド26の近傍に配設されたア
ノード27とから構成されている。なお、真空容器21
は接地されて接地電位である一方、カソード28及びグ
リッド26は硝子38を介して真空容器21に支持され
ており、接地電位から電気的に隔絶されている。
【0026】カソード28の両端にはカソード電源33
が接続されている。また、カソード28の一端とグリッ
ド26との間にはグリッド電源34が接続されている。
このグリッド電源34は正側がカソード28に接続され
負側がグリッド26に接続されて、上記の如くカソード
28に対して相対的に負の電位をグリッド26に印加す
るようになっている。なお、アノード−グリッド−カソ
ード間の関係によってはグリッドに正電位を印加する場
合もある。カソード28の前記一端と接地部との間には
加速電源35が接続されている。この加速電源35は正
側が接地され負側がカソード28に接続されて、カソー
ド28側に負の電位を印加するようになっている。
【0027】そして、X線ターゲット23は反射型のも
のであり、グリッド26に対峙する位置に配置されると
共に、その入射面23aが略凹型に形成されている。具
体的には、図示例の入射面23aは、相互に所定の角度
を有する第1面23a−1、第2面23a−2、第3面
23a−3及び第4面23a−4からなっており、全体
的な形状が略凹型となっている。
【0028】また、このX線ターゲット23の入射面2
3aの裏側には冷却部37が設けられており、図示しな
い冷却水循環系によって冷却水が、図中上部の配管31
から入射面23aの裏側に供給されると共に図中下部の
配管32から排出されるようになっている。更に、アノ
ード27に対しても、冷却水循環系によって冷却水が、
外側の配管40から供給されると共に内側の配管41か
ら排出されるようになっている。アノード27への電子
の入射は0となることが理想であるが、アノード27は
電子よりも正の電位にあるため現実には前記入射は0に
はならない可能性が高い。しかも、アノード27は真空
容器21内(即ち真空中)にあるため、このままでは除
熱されずに徐々に蓄熱されてしまう。そこで、上記によ
うに、水冷などの直接冷却によって除熱する必要があ
る。
【0029】一方、真空容器21の壁面の一部(図中下
部)には、X線ターゲット23の入射面23aに対応す
るようにX線取出窓29が取り付けられており、X線タ
ーゲット23で発生したX線を、このX線取出窓29を
介して真空容器21外(大気中)へ取り出すようになっ
ている。なお、X線取出窓29には、X線取り出し時に
おけるX線の減衰を最小限とするために、薄膜が使用さ
れている。
【0030】また、真空容器21内のグリッド26とX
線ターゲット23との間の空間には、磁場発生装置によ
って磁場25を発生させるようになっている。磁場25
の磁力線の向きは、図1中及び図2中に記号で示すよう
に、図1の紙面の表側から裏側へ向かう方向(図2中の
上から下へ向かう方向)である。
【0031】このような磁場25を発生させると、電子
ビーム24はローレンツ力によりX線ターゲット23に
近づく方向に偏向されてX線ターゲット24に入射する
共に、X線ターゲット23から放出された反射電子24
a等はローレンツ力によりX線ターゲット23に近づく
方向に偏向されてX線ターゲット23に再入射する(詳
細後述)。つまり、略凹型のX線ターゲット23と、電
子ビーム偏向手段である磁場発生装置とによって電子ビ
ーム再入射手段が構成されている。
【0032】また、図2に示すように、カソード28は
図2中上下方向に細長い形状のものとなっており、この
ことによって、電子線発生部22で発生する電子ビーム
24の形状を幅方向(図2中上下方向)に細長いリニア
状にしている。
【0033】<作用・効果>上記構成のX線発生装置に
よれば、次のようにしてX線を発生させる。
【0034】カソード28ではカソード電源33の通電
によって発生するジュール発熱により加熱されるため、
当該加熱部から当該加熱部の温度に応じた量の熱電子を
放出する。一方、アノード27は真空容器21と同じ接
地電位であるため、グリッド26−アノード27間には
加速電源35によって電位勾配が生じる。従って、カソ
ード28から放出された熱電子は、グリッド26により
引出電流量制御・ビーム形状成形を受けた後、前記電位
勾配による加速を受けて電子ビーム24となる。この電
子ビーム24は幅方向に細長いリニア状のものである。
【0035】その後、磁場25中において、電子ビーム
24はローレンツ力によりX線ターゲット23に近づく
方向に偏向されてX線ターゲット24に入射する共に、
X線ターゲット23から放出された反射電子24a等は
ローレンツ力によりX線ターゲット23に近づく方向に
偏向されてX線ターゲット23に再入射する。
【0036】具体的には、図示例の場合、電子ビーム2
4ははじめ右から左に向かって直進するため、磁場25
により上方へ、即ちX線ターゲット23の入射面23a
の第1面23a−1に近づく方向へ偏向されて、この第
1面23a−1へ入射する。その結果、この第1面23
a−1からは制動放射によりX線30aが発生すると共
に、入射した電子の一部がX線ターゲット23内でター
ゲット材質と複数回の散乱を受けることによってその進
行方向に変化を受けることにより反射電子24aとなっ
て放出される。続いて、この第1面23a−1から放出
された反射電子24aは磁場25により入射面23aの
第2面23a−2に近づく方向に偏向されて、この第2
面23a−2に入射する。その結果、上記と同様の理由
により、この第2面23a−2からはX線30bが発生
すると共に、入射した電子の一部が反射電子24bとな
って放出される。
【0037】以下、同様にして、第2面23a−2から
放出された反射電子24bは磁場25により偏向されて
入射面23aの第3面23a−3に入射し、この第3面
23a−3から放出された反射電子24cは磁場25に
より偏向されて入射面23aの第4面23a−4に入射
する。なお、電子ビーム24や反射電子24a等は磁場
25によって円弧状に偏向されているが、その理由は後
述する。
【0038】各入射部において発生したX線30a,3
0b,30cは、何れもX線取出窓29を介して真空容
器21外(大気中)に取り出され、大気中に設置されて
いる図示しない被照射物に照射される。また、このとき
X線ターゲット23は電子ビーム24等が繰り返し入射
することによって熱負荷を受けるが、冷却水循環系から
冷却部37に供給される冷却水によって除熱される。
【0039】以上のことから、本実施の形態1に係るX
線発生装置によれば、次のような効果が得られる。
【0040】 略凹型のX線ターゲット23と、電子
ビーム偏向手段である磁場発生装置とを備えてなる電子
ビーム再入射手段によって、電子ビーム(反射電子24
a等)をX線ターゲット23に再入射させるようにした
ことにより、反射電子24a等がX線ターゲット23以
外の装置各部に入射するのを防止して、反射電子24a
等による熱負荷が前記装置各部(特にX線取出窓29)
へ及ぶのを防止することができる。
【0041】 しかも、反射電子24a等の再入射時
にもX線30b等が発生することから、電子ビーム24
を有効に利用することができ、X線発生効率を従来より
も向上させることができる。即ち、電子ビーム24の出
力を増加させることなく、被照射物の単位面積当たりの
X線入射量を大きくすることができ、ひいてはX線発生
装置の大出力化を図ることができる。
【0042】 また、幅方向に細長いリニア状の電子
ビーム24を発生させてX線ターゲット23に入射する
ようにしたことにより、従来のスポット状の電子ビーム
に比べて、X線ターゲット23への熱流束を大幅に低減
させることができる。即ち、熱負荷分散によってX線タ
ーゲット23の熱負荷を低減することができる。このた
め、X線発生装置の大出力化を図ることができ、ひいて
は大容量の被照射物の照射処理を従来よりも短時間で行
うことができるようになる。しかも、従来のようにX線
ターゲット部を回転させる場合に比べて機械的構成が簡
易である。
【0043】なお、上記、の効果は、電子ビーム2
4が仮に従来のようなスポット状の電子ビームであって
も得られる。
【0044】また、上記では、磁場25によって電子ビ
ーム24や反射電子24a等を円弧状の軌道となるよう
に偏向しているが、勿論これに限定するものではなく、
反射電子24a等を再度X線ターゲット23に入射させ
て再利用することができれば、磁場によって偏向する反
射電子24a等の軌跡は円弧状でなくてもよい。なお、
図示のように軌跡が円弧状となるのは磁場25の影響に
よる。つまり、磁場25内で運動している電子はローレ
ンツ力を受けることによって、下式から求まる半径(ラ
ーモア半径)を持つ円軌道を描く。
【0045】R=P/(3B) ここで、R:ラーモア半径[cm] P:電子の運動量[MeV/c](電子のエネルギに依
存する) B:磁束密度 [T]
【0046】電磁界のない場では電子は何らかの物質
(真空容器内の構造物や残留ガス等)に衝突しない限り
直進する。このため、反射電子に対して何らの処理も施
さなければ反射電子がX線取出窓等に衝突して熱負荷に
なるとういう問題を招来することになるが、磁場で反射
電子を偏向してX線ターゲットに再入射させれば、この
ような問題を解決することができる。従って、円弧状の
軌跡にすることが反射電子の再利用に必須なのではな
く、反射電子を再度X線ターゲットに入射させる手段を
講じることが反射電子の再利用に必須なのであり、この
ことが本発明の特徴である。つまり、円弧状としなくて
も反射電子をX線ターゲットに再入射させることができ
ればよいのであるが、本実施の形態1の場合のように、
最も簡易且つ低廉な磁場発生装置によって発生し得る磁
場で反射電子を偏向させてX線ターゲットに再入射させ
ようとした場合には円弧状の軌跡となるということであ
る。
【0047】また、磁場発生装置としては、電子ビーム
24を偏向可能な強度の磁場を発生することができるも
のであれば特に制限はなく、電磁石(磁束密度可変)、
永久磁石(磁束密度固定)の何れであってもよい。ま
た、磁場の分布や磁場強度絶対値を具体的にどのように
設定するかは、X線ターゲット部の形状設計に関わる問
題であり、電子エネルギ等に応じて適宜決定すればよ
い。
【0048】また、X線ターゲット23の形状は図1に
示すものに限定するものではなく、反射電子を再入射可
能な略凹型の形状であればよい。つまり、電子ビーム2
4の有効利用等のために反射電子24a等をX線ターゲ
ット23に再入射させることが本発明の特徴であり、具
体的に入射回数を何回に設定して、それを実現するため
にX線ターゲット23の入射面23aを具体的にどのよ
うな形状の略凹型とするか(即ち何角形の凹面にするか
或いは球面にするか)は、具体的な要求性能に応じて適
宜設定すればよい。
【0049】また、上記の効果は、X線ターゲット上
での電子ビームの形状がリニア状であれば得られる。つ
まり、上記の効果を得るためには、電子ビーム24の
ように電子ビーム形状を実際に幅方向に細長いリニア状
にするのではなく、スポット状の電子ビームを走査磁石
等で走査してX線ターゲット上での電子ビーム形状が見
かけ上幅方向に細長いリニア状になるようにしてもよ
い。
【0050】図3は電子ビーム形状を実際に幅方向に細
長いリニア状にする場合(リニア型)と見かけ上幅方向
に細長いリニア状にする場合(スポット走査型)との要
部構成を比較して示す説明図であり、(a)には前者の
場合の要部構成とこれによって得られる電子ビーム形状
とを示し、(b)には後者の場合の要部構成とこれによ
って得られる電子ビーム形状とを示す。
【0051】図1、図2に基づいて上述したように、図
3(a)に示すリニア型では、細長い形状のカソード2
8を用いることによって、図3(a)及び(b)に示す
ように、幅方向に細長いリニア状の電子ビーム24を得
る。一方、図3(b)に示すスポット走査型では、グリ
ッド48とX線ターゲット49との間に走査磁石46を
配設し、点状又は円状のカソード45から得られるスポ
ット状の電子ビーム47を走査磁石46によって幅方向
(図中左右方向)に走査するようになっている。
【0052】詳述すると、走査磁石46は交播磁場を用
いて電子の軌道を偏向させる電磁石である。電磁石では
通常通電量と発生磁場強度は比例する。このため、例え
ば走査磁石(電磁石)46へ図示しない電源から図4
(a)に示すような正弦波の交流電流を通電すると、こ
の走査磁石46によって発生する磁場の強度の時間依存
特性は、図4(b)に示すように、通電電流波形と同様
な正弦波状分布となる。また、電子のエネルギーが一定
の場合には、磁場内で電子が受ける偏向の大きさは磁場
強度(磁束密度)に比例する。
【0053】これらのことから、一定エネルギを持つ電
子ビーム47が正弦波の交流電流を通電している走査磁
石46内に入射した場合、この走査磁石46を通過後の
電子ビーム47は、図4(c)に示すように、入射方向
に対して図中左右対称に偏向されて進行する。その結
果、電子ビーム47は、図3(c)及び(d)に示すよ
うに、X線ターゲット49上では、見かけ上リニア型の
場合と同様な幅方向に細長いリニア状の電子ビームとな
る。従って、このスポット走査型の場合にも、リニア型
の場合と同様に、上記の効果が得られる。
【0054】[実施の形態2]図5は本発明の実施の形
態2に係る透過型X線発生装置の構成を示す縦断面図で
ある。なお、図5中、上記実施の形態1と同様の部分に
は同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
【0055】<構成>図3に示すように、本実施の形態
2に係る透過型X線発生装置は、主に、内部が真空排気
装置36によって真空排気されている又は真空排気済
(封じきり管の場合)の真空容器21と、この真空容器
21内に設置されている電子線発生部22及びX線ター
ゲット(反射電子受熱部)51と、X線ターゲット53
と、磁場発生装置(図示せず)とから構成されている。
即ち、本実施の形態2に係る透過型X線発生装置は、上
記実施の形態1のX線発生装置におけるX線ターゲット
23及びX線取出窓29に代えて(図1参照)、X線タ
ーゲット51,53を備えている。
【0056】X線ターゲット53は透過型のものであっ
て、真空容器21の壁面の一部(図中下部)に取り付け
られており、X線取出窓も兼ねている。このX線ターゲ
ット53では、入射面(真空容器内側の面)53a側に
電子ビーム24が入射すると、この入射面53aの裏面
(真空容器外側の面)53b側からX線30aが発生す
る。
【0057】一方、X線ターゲット51は反射型のもの
であり、反射電子受熱部として、上記X線ターゲット5
3に所定の角度(反射電子が再入射可能な角度)で対向
するように配設されている。また、このX線ターゲット
51の入射面51aの裏側には冷却部52が設けられて
おり、図示しない冷却水循環系によって冷却水が、図中
下部の配管54から入射面51aの裏側に供給されると
共に図中上部の配管55から排出されるようになってい
る。
【0058】なお、本実施の形態2では、磁場発生装置
によって発生する磁場25の磁力線の方向は、図5中に
記号で示すように、図5の紙面の裏側から表側に向かう
方向となっている。また、アノード27はX線ターゲッ
ト51に一体的に結合されている。
【0059】<作用・効果>上記構成のX線発生装置に
よれば、次のようにしてX線を発生させる。
【0060】カソード28から放出された熱電子は、グ
リッド26により引出電流制御・ビーム形状成形を受け
た後、グリッド26とアノード27との間の電位勾配に
よる加速を受けて電子ビーム24となる。この電子ビー
ム24は幅方向に細長いリニア状のものである。
【0061】その後、磁場25中において、電子ビーム
24はローレンツ力によりX線ターゲット53に近づく
方向に偏向されてX線ターゲット53に入射すると共
に、X線ターゲット53から放出された反射電子24a
等はローレンツ力によりX線ターゲット51に近づく方
向に偏向されてX線ターゲット51に再入射する。
【0062】具体的には、図示例の場合、電子ビーム2
4ははじめ右から左に向かって直進するため、磁場25
により下方へ、即ちX線ターゲット53の入射面53a
に近づく方向へ偏向されて、この入射面53aに入射す
る。その結果、X線ターゲット53の裏面53bからは
X線30aが発生すると共に、入射した電子の一部は反
射電子24aとなって入射面53aから放出される。続
いて、この入射面53aから放出された反射電子24a
は磁場25によりX線ターゲット51の入射面51aに
近づく方向に偏向されて、この入射面51aに入射す
る。その結果、当該入射部からはX線30bが発生する
と共に、入射した電子の一部が反射電子24bとなって
放出される。この放出された反射電子24bは磁場25
により再びX線ターゲット51の入射面51aに近づく
方向に偏向されて、この入射面51a(前回の入射位置
よりも上の位置)に再び入射する。以下、同様にして、
入射面51aから放出された反射電子24cは再び入射
面51aに入射する。
【0063】X線ターゲット51の各入射部において発
生したX線30b,30cは、透過型のX線ターゲット
53を介して真空容器21外(大気中)に取り出され、
大気中に設置されている図示しない被照射物に、X線タ
ーゲット53の裏面53aから発生したX線30aと共
に照射される。
【0064】なお、このときX線ターゲット(反射電子
受熱部)51は反射電子24a等が繰り返し入射するこ
とによって熱負荷を受けるが、冷却水循環系から冷却部
52に供給される冷却水によって除熱される。また、透
過型のX線ターゲット53にも電子ビーム24の入射に
よって熱負荷を受けるが、このX線ターゲット53は真
空容器21の壁面に設けられて大気に接しているため、
当該部熱負荷は冷却風吹きつけといった図示しない空冷
手段により除去することができる。
【0065】以上のことから、本実施の形態2に係るX
線発生装置によれば、上記実施の形態1に係るX線発生
装置と同様に、次のような効果が得られる。
【0066】 透過型のX線ターゲット53と反射型
のX線ターゲット(反射電子受熱部)51とを有してな
るX線ターゲット部と、電子ビーム偏向手段である磁場
発生装置とを備えてなる電子ビーム再入射手段によっ
て、電子ビーム(反射電子24a等)を反射電子受熱部
であるX線ターゲット51に再入射させるようにしたこ
とにより、反射電子24等がX線ターゲット51以外の
装置各部に入射するのを防止して、反射電子24等によ
る熱負荷が前記装置各部へ及ぶのを防止することができ
る。
【0067】 しかも、反射電子24a等の再入射時
にもX線30b等が発生することから、電子ビーム24
を有効に利用することができ、X線発生効率を従来より
も向上させることができる。即ち、電子ビーム24の出
力を増加させることなく、被照射物の単位面積当たりの
X線入射量を大きくすることができ、ひいてはX線発生
装置の大出力化を図ることができる。
【0068】 また、軸方向に長いリニア状の電子ビ
ーム24を発生させてX線ターゲット23に入射するよ
うにしたことにより、従来のスポット状の電子ビームに
比べて、X線ターゲット53等への熱流束を大幅に低減
することができる。即ち、熱負荷分散によってX線ター
ゲット23の熱負荷を低減することができる。このた
め、X線発生装置の大出力化を図ることができ、ひいて
は大容量の被照射物の照射処理を従来よりも短時間で行
うことができるようになる。しかも、従来のようにX線
ターゲット部を回転させる場合に比べて機械的構成が簡
易である。
【0069】なお、上記実施の形態1の場合と同様に、
上記、の効果は、電子ビーム24が仮に従来のよう
なスポット状の電子ビームであっても得られる。また、
上記の効果は、スポット状の電子ビームを走査磁石等
で走査してX線ターゲット53上での電子ビーム形状が
見かけ上幅方向に細長いリニア状になるようにしても得
られる。
【0070】また、磁場によって偏向する反射電子24
a等の軌跡は円弧状でなくてもよいことや、磁場発生装
置としては電子ビーム24の偏向が可能な強度の磁場を
発生することができるものであれば特に制限はないこと
や、磁場の分布や磁場強度絶対値を具体的にどのように
設定するかは電子エネルギ等に応じて適宜決定すればよ
いことも、上記実施の形態1の場合と同様である。
【0071】また、X線ターゲット51をどれくらいの
長さにするか(即ち反射電子の入射回数を何回にする
か)等は、具体的な要求性能に応じて適宜設定すればよ
い。
【0072】また、上記実施の形態1、2ではアノード
を設けているが、勿論、アノードを設けずに、グリッド
とX線ターゲットとの間に電位勾配を発生させて電子ビ
ームを加速するようにしても本発明は成立する。なお、
アノードを設けている理由は次の通りである。
【0073】即ち、電子ビームの偏向はアノードを通過
して電子ビームの加速を完了した後にした方が、装置諸
元を設定するための解析が容易になるという利点がある
ためである。電子ビームの加速中にその偏向を行う体系
では解析が多少複雑となり、時として解析誤差過大とい
う問題も生じる可能性が高くなることから、アノードを
設ける方が望ましい。また、カソードから引き出し得る
電流量は、カソード温度をいかに増加させても、以下の
式より制限される(なお、ここでは議論を単純化するた
めにグリッド電位=カソード電位とした際の式を記述し
ているが、グリッド電位≠カソード電位でも議論の本質
は変わらない)。
【0074】I=2.335 ×10-6(V3/2/d2) A ここで、I:引出し可能なビーム電流量 V:加速電圧 d:カソード−アノード距離 A:カソード面積
【0075】このため、本発明のように従来例よりもカ
ソード−アノード(Xターゲット)間距離が長い場合に
はカソードの近くに別個にアノードを設ける方が大電流
ビームを引き出すことができることになる(磁場での偏
向空間が存在するため、前記距離が通常の電子線発生装
置や従来のX線発生装置よりも長くなることを想定して
いる)。なお、当該距離の最小値は真空中で放電が発生
しない値により制限される。即ち、上式によれば単純に
アノード−カソード間距離が近いほど大電流が引出し得
るとの結論には至らない。
【0076】
【発明の効果】以上、発明の実施の形態と共に具体的に
説明したように、第1発明のX線発生装置は、電子ビー
ム発生手段によって発生した電子ビームをX線ターゲッ
トに入射してX線を発生するX線発生装置であって、X
線ターゲットから放出された反射電子をローレンツ力に
より偏向させてX線ターゲットに再入射させる電子ビー
ム再入射手段を備えたことを特徴とする。
【0077】また、第2発明のX線発生装置は、第1発
明のX線発生装置において、前記電子ビーム再入射手段
は、入射面を略凹型に形成したX線ターゲットと、電子
ビーム発生手段によって発生した電子ビームをローレン
ツ力により前記X線ターゲットに近づく方向に偏向して
前記X線ターゲットに入射させると共に前記X線ターゲ
ットから放出された反射電子をローレンツ力により前記
X線ターゲットに近づく方向に偏向して前記X線ターゲ
ットに再入射させる電子ビーム偏向手段とを備えてなる
ものであることを特徴とする。
【0078】また、第3発明のX線発生装置は、第1発
明のX線発生装置において、前記電子ビーム再入射手段
は、透過型の第1X線ターゲットとこの第1X線ターゲ
ットに所定の角度で対向させた反射型の第2X線ターゲ
ットとを有してなるX線ターゲット部と、電子ビーム発
生手段によって発生した電子ビームをローレンツ力によ
り前記第1X線ターゲットに近づく方向に偏向させて前
記第1X線ターゲットに入射させると共に前記第1X線
ターゲットから放出された反射電子をローレンツ力によ
り前記第2X線ターゲットに近づく方向に偏向して前記
第2X線ターゲットに再入射させる電子ビーム偏向手段
とを備えてなるものであることを特徴とする。
【0079】従って、この第1、第2又は第3発明のX
線発生装置によれば、電子ビーム再入射手段によって電
子ビーム(反射電子)をX線ターゲットに再入射させる
ことにより、反射電子がX線ターゲット以外の装置各部
に入射するのを防止して、反射電子による熱負荷が前記
装置各部へ及ぶのを防止することができる。
【0080】しかも、反射電子の再入射時にもX線が発
生することから、電子ビームを有効に利用することがで
き、X線発生効率を従来よりも向上させることができ
る。即ち、電子ビームの出力を増加させることなく、被
照射物の単位面積当たりのX線入射量を大きくすること
ができ、ひいてはX線発生装置の大出力化を図ることが
できる。
【0081】また、第4発明のX線発生装置は、電子ビ
ーム発生手段によって発生した電子ビームをX線ターゲ
ットに入射してX線を発生するX線発生装置であって、
前記電子ビーム発生手段は幅方向に細長いリニア状の電
子ビームを発生することを特徴とする。
【0082】また、第5発明のX線発生装置は、電子ビ
ーム発生手段によって発生した電子ビームをX線ターゲ
ットに入射してX線を発生するX線発生装置であって、
前記電子ビーム発生手段はスポット状の電子ビームを発
生するものであると共に、このスポット状の電子ビーム
を幅方向に走査する電子ビーム走査手段を備えたことを
特徴とする。
【0083】従って、この第4又は第5発明のX線発生
装置によれば、電子ビームを実際に又は見かけ上幅方向
に細長いリニア状とすることにより、従来のスポット状
の電子ビームに比べて、X線ターゲットへの熱流束を大
幅に低減することができる。即ち、熱負荷分散によって
X線ターゲットの熱負荷を低減することができる。この
ため、X線発生装置の大出力化を図ることができ、ひい
ては大容量の被照射物の照射処理を従来よりも短時間で
行うことができるようになる。しかも、従来のようにX
線ターゲット部を回転させる場合に比べて機械的構成が
簡易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る反射型X線発生装
置の構成を示す縦断面図である。
【図2】図1の反射型X線発生装置に備えたX線ターゲ
ット部及び電子線発生部のII方向矢視図である。
【図3】電子ビーム形状を実際に幅方向に細長いリニア
状にする場合(リニア型)と見かけ上幅方向に細長いリ
ニア状にする場合(スポット走査型)との要部構成を比
較して示す説明図である。
【図4】走査磁石の特性を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る透過型X線発生装
置の構成を示す縦断面図である。
【図6】従来のX線発生装置の構成を示す縦断面図であ
る。
【図7】図6のX線発生装置に備えたX線ターゲット部
のVII 方向矢視図である。
【符号の説明】
21 真空容器 22 電子線発生部 23 略凹型のX線ターゲット(反射型) 23a 入射面 24 電子ビーム 24a,24b,24c 反射電子 25 磁場 26 グリッド 27 アノード 28 カソード 29 X線取出窓 30,30a,30b,30c X線 33 カソード電源 34 グリッド電源 35 加速電源 37 冷却部 38 硝子 51 X線ターゲット(反射電子受熱部、反射型) 51a 入射面 52 冷却部 53 X線ターゲット(透過型) 53a 入射面 53b 裏面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビーム発生手段によって発生した電
    子ビームをX線ターゲットに入射してX線を発生するX
    線発生装置であって、 X線ターゲットから放出された反射電子をローレンツ力
    により偏向させてX線ターゲットに再入射させる電子ビ
    ーム再入射手段を備えたことを特徴とするX線発生装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載するX線発生装置におい
    て、 前記電子ビーム再入射手段は、 入射面を略凹型に形成したX線ターゲットと、 電子ビーム発生手段によって発生した電子ビームをロー
    レンツ力により前記X線ターゲットに近づく方向に偏向
    して前記X線ターゲットに入射させると共に前記X線タ
    ーゲットから放出された反射電子をローレンツ力により
    前記X線ターゲットに近づく方向に偏向して前記X線タ
    ーゲットに再入射させる電子ビーム偏向手段とを備えて
    なるものであることを特徴とするX線発生装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載するX線発生装置におい
    て、 前記電子ビーム再入射手段は、 透過型の第1X線ターゲットとこの第1X線ターゲット
    に所定の角度で対向させた反射型の第2X線ターゲット
    とを有してなるX線ターゲット部と、 電子ビーム発生手段によって発生した電子ビームをロー
    レンツ力により前記第1X線ターゲットに近づく方向に
    偏向させて前記第1X線ターゲットに入射させると共に
    前記第1X線ターゲットから放出された反射電子をロー
    レンツ力により前記第2X線ターゲットに近づく方向に
    偏向して前記第2X線ターゲットに再入射させる電子ビ
    ーム偏向手段とを備えてなるものであることを特徴とす
    るX線発生装置。
  4. 【請求項4】 電子ビーム発生手段によって発生した電
    子ビームをX線ターゲットに入射してX線を発生するX
    線発生装置であって、 前記電子ビーム発生手段は幅方向に細長いリニア状の電
    子ビームを発生することを特徴とするX線発生装置。
  5. 【請求項5】 電子ビーム発生手段によって発生した電
    子ビームをX線ターゲットに入射してX線を発生するX
    線発生装置であって、 前記電子ビーム発生手段はスポット状の電子ビームを発
    生するものであると共に、このスポット状の電子ビーム
    を幅方向に走査する電子ビーム走査手段を備えたことを
    特徴とするX線発生装置。
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