JPH1114370A - Pzt薄膜を備えた振動ジャイロ及びその製造方法 - Google Patents

Pzt薄膜を備えた振動ジャイロ及びその製造方法

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JPH1114370A
JPH1114370A JP9167313A JP16731397A JPH1114370A JP H1114370 A JPH1114370 A JP H1114370A JP 9167313 A JP9167313 A JP 9167313A JP 16731397 A JP16731397 A JP 16731397A JP H1114370 A JPH1114370 A JP H1114370A
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Japan
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thin film
plate portion
pzt thin
parallel plate
pzt
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Application number
JP9167313A
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English (en)
Inventor
Toshio Fukuda
敏男 福田
Fumito Arai
史人 新井
Koichi Itoigawa
貢一 糸魚川
Hitoshi Iwata
仁 岩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai Rika Co Ltd
Original Assignee
Tokai Rika Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】容易に振動ジャイロを得ることができるととも
に、小型にすることができ、かつ、捩じれに強く、検出
感度を上げることができるPZT薄膜を備えた振動ジャ
イロを提供する。 【解決手段】振動ジャイロ1の基材4は、四角柱をなす
弾性金属体としてのステンレスから構成されている。基
材4の上下両部には、互いに直交する貫通孔10,7が
穿設され、平行平板部3,2が構成されている。平行平
板部2,3の外側面には、スパッタリング等によって、
チタン膜13が形成され、チタン膜13の外面全体には
PZT薄膜14が水熱法によって形成され、そのPZT
薄膜14上にはアルミニウムからなる厚さ数μmを有す
る互いに同面積の電極膜15が上下一対形成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はPZT薄膜を備えた振動
ジャイロ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の振動ジャイロとしては、図7に示
す音叉型、図8に示す音片型が知られている。
【0003】音叉型の振動ジャイロ21は、図7に示す
ように連結部22の両端に一対の駆動用圧電セラミック
ス板23が、互いに平行に立設され、その平面が図にお
いてX方向に向くように配置されている。又、駆動用圧
電セラミック板23の上端の中心上において、検出用圧
電セラミックス板24が一体に立設され、その平面が図
において、Y方向に向くように配置されている。なお、
X方向とY方向とは互いに直交している。そして、下方
の駆動用圧電セラミックス板23に交番電圧を印加する
ことにより、同圧電セラミックス板23をX,反X方向
へ振動させる。この振動状態で、振動ジャイロ21にZ
軸回りの回転が加わったときに、検出用圧電セラミック
ス24が歪み、そのときに生ずる電圧を検出することに
より、検出用圧電セラミックス24に働いた力を検知す
ることが可能となる。この力は、コリオリの力Fcとい
い、一般に、次式で表される。
【0004】Fc=2mV×Ω …(1) なお、mは振動ジャイロ21の質量、Vは振動ジャイロ
21の振動速度、Ωは振動ジャイロ25のZ軸回りの角
速度である。そして、前記質量m、振動速度Vが既知で
あれば、角速度Ωを導出することが可能となる。
【0005】又、音片型の振動ジャイロ25は、図8に
示すように恒弾性金属からなる四角柱状の音片型振動子
26を備え、同音片型振動子26の互いに180度反対
側の側面に対して、一対の駆動用圧電セラミックス板2
7が貼着されている(図面上は、片方のみ図示)。又、
残りの両側面には、一対の検出用圧電セラミックス板2
8が貼着されている(図面上は、片方のみ図示)。そし
て、この振動ジャイロ25は、駆動用圧電セラミックス
板27に交番電圧を印加することにより、同圧電セラミ
ックス板27にて音片型振動子26をX,反X方向へ振
動させる。この状態で、振動ジャイロ26にZ軸回りの
回転が加わったときに、検出用圧電セラミックス28が
歪み、そのときに生ずる電圧を検出することにより、検
出用圧電セラミックス28に働いたコリオリの力を検出
することが可能となる。
【0006】ところで、上記の駆動用圧電セラミックス
板23,27、検出用圧電セラミックス板24,28に
は、バルクのPZT(ジルコン・チタン酸鉛:チタン酸
鉛,ジルコン酸鉛の固溶体からなるセラミックス)が使
用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
なバルクのPZTは、バルクそのものの薄形化が難し
く、振動ジャイロ全体の小型化が難しい問題があった。
【0008】又、音片型の振動ジャイロのように、圧電
セラミックス板を貼着して振動ジャイロを構成する場
合、貼着工程が多くなるとともに、接着精度、すなわ
ち、位置精度が悪い問題があり、従って、検出感度等に
影響を及ぼし、均質なものを精度よく製造することは難
しい問題があった。
【0009】さらに、振動子が三次元構造体の場合は、
任意の場所にバルクのPZTを取付けることが困難な場
合があり、取付け場所が限られる問題がある。又、コリ
オリの力Fcは、上記(1)式に示すように、振動ジャ
イロの質量mを大きくすれば、コリオリの力が大きくな
り、この結果、検出用圧電セラミックスの歪み量が増大
して、検出電圧も大きくなる。すなわち検出感度が上が
ることになる。このため、振動ジャイロの質量は大きい
方が検出感度を得るためには好ましい。ところが、バル
クのPZTを用いた振動ジャイロの場合、バルクのPZ
Tを構成する基材を大きくしないと、質量が大きくでき
ない問題があり、検出感度を上げるには限界がある。
【0010】又、コリオリの力Fcは、上記(1)式に
示すように、振動速度Vを大きくすれば、コリオリの力
が大きくなり、この結果、検出用圧電セラミックの歪み
量が増大して、検出電圧も大きくなって検出感度も上が
る。しかし、振動速度を大きくするために、例えば、音
叉型の振動ジャイロの場合、バルクのPZTの基材を薄
くすると、剛性が低くなるため、捩じれ易くなり、正確
に振動しなかったり、検出用圧電素子の検出のための歪
みもねじれが加わった状態となって正確な検出ができな
い問題が生ずる。
【0011】本発明は上記の課題を解消するためになさ
れたものであり、第1の目的は、容易に振動ジャイロを
得ることができるとともに、小型にすることができ、か
つ、捩じれに強く、検出感度を上げることができるPZ
T薄膜を備えた振動ジャイロを提供することにある。
【0012】第2の目的は、小型にすることができ、捩
じれに強く、検出感度を上げることができるPZT薄膜
を備えた振動ジャイロを容易に得ることができる製造方
法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、周方向に亘って第1乃
至第4側面を有し、第1側面と第3側面、第2側面と第
4側面とは、互いに180度反対位置に位置する四角柱
状の弾性金属を備え、その弾性金属の下部には、第1側
面から第3側面まで貫通する貫通孔が形成されて、第2
側面と第4側面を含むそれぞれの平板部にて第1の平行
平板部が形成され、前記弾性金属の上部には、第2側面
から第4側面まで貫通する貫通孔が形成されて、第1側
面と第3側面を含むそれぞれの平板部にて第2の平行平
板部が形成され、第1の平行平板部の第2側面と第4側
面、及び第2の平行平板部の第1側面と第3側面とには
チタン膜が形成され、同チタン膜上には、PZT薄膜が
形成され、同PZT薄膜上には、電極が設けられている
ことを特徴とするPZT薄膜を備えた振動ジャイロをそ
の要旨としている。
【0014】請求項2の発明は、周方向に亘って第1乃
至第4側面を有し、第1側面と第3側面、第2側面と第
4側面とは、互いに180度反対位置に位置する4角柱
状の弾性金属の下部に対しては、第1側面から第3側面
まで貫通する貫通孔を形成して、第1の平行平板部を形
成するとともに、前記弾性金属の上部には、第2側面か
ら第4側面まで貫通する貫通孔を形成して、第2の平行
平板部を形成する工程と、第1の平行平板部の第2側面
と第4側面、及び第2平行平板部の第1側面と第3側面
とに対してチタン膜を形成する工程と、水熱法により、
前記チタン膜上にPZT薄膜を形成する工程と、前記P
ZT薄膜上に対して、それぞれ電極を形成する工程と、
を含むPZT薄膜を備えた振動ジャイロの製造方法をそ
の要旨としている。
【0015】請求項3の発明は、請求項2において、前
記水熱法は、硝酸鉛溶液、オキシ塩化ジルコニウムを鉱
化剤とともに攪拌し、加圧及び加熱して、チタン膜上に
種子結晶を得る工程と、前記種子結晶を得た基材に対し
て、硝酸鉛溶液、オキシ塩化ジルコニウム、四塩化チタ
ンの溶液を鉱化剤とともに攪拌し、加熱及び加圧して、
チタン膜上に対してPZTの結晶成長を行い、チタン膜
上にPZT薄膜を形成する工程とを含むPZT薄膜を備
えた振動ジャイロの製造方法をその要旨としている。 (作用)請求項1に記載の発明によると、振動ジャイロ
は、第1及び第2の平行平板部を備えているため、剛性
が高まり、捩じれに強くなる。又、第1及び第2の平行
平板部は、貫通孔の形成の仕方によって、振動ジャイロ
の質量を調整することができ、検出感度の向上が可能と
なる。
【0016】請求項2に記載の発明によると、弾性金属
の下部に対して、第1側面から第3側面まで貫通する貫
通孔が形成されると、第1の平行平板部が形成される。
弾性金属の上部に、第2側面から第4側面まで貫通する
貫通孔が形成されて、第2の平行平板部が形成される。
続いて、第1の平行平板部の第2側面と第4側面、及び
第2平行平板部の第1側面と第3側面とに対してチタン
膜が形成される。
【0017】水熱法により、チタン膜上にPZT薄膜が
形成され、その後、前記PZT薄膜に対して、それぞれ
電極が形成されることにより、振動ジャイロが形成され
る。ここで、水熱法とは、加熱・加圧下の水溶液から結
晶を析出、成長させる方法をいう。又、加圧とは、積極
的に圧力を加える場合の他、圧力容器内において、加熱
により蒸気圧の圧力上昇を含む趣旨である。なお、水熱
法は、一般的には水熱合成法ともいうが、この明細書で
は、水熱法という。
【0018】請求項3に記載の発明によると、硝酸鉛溶
液、オキシ塩化ジルコニウムを鉱化剤とともに攪拌し、
加圧及び加熱して、チタン膜上に種子結晶を得る。その
後、前記種子結晶を得た弾性金属に対して、硝酸鉛溶
液、オキシ塩化ジルコニウム、四塩化チタンの溶液を鉱
化剤とともに攪拌し、加熱及び加圧して、チタン膜上の
それぞれに対してPZTの結晶成長を行うと、チタン膜
にPZT薄膜を得る。
【0019】
【実施の形態】以下、本発明の実施形態を図1乃至図6
を参照して説明する。図1は振動ジャイロの斜視図を示
している。なお、上記図面を含む各図面に図示されてい
る、チタン膜、電極膜、側板の厚みは、説明の便宜上、
実際のものより適宜拡大して図示されている。
【0020】図1に示すように振動ジャイロ1は、四角
柱状をなし、平行平板部2,3を上下に備えている。前
記平行平板部2,3は、本発明の第1及び第2の平行平
板部に相当する。
【0021】同図1に示すように、振動ジャイロ1の基
材4は、四角柱をなす弾性金属体としてのステンレスか
ら構成されている。なお、本実施形態では、基材4の断
面は、正方形をなしている。基材4の断面は、正方形で
有るのが好ましいが、必ずしも正方形に限定されるもの
ではない。基材4は、X方向側に向く面を第1側面5と
し、時計回り方向(周方向)にわたって第2側面6、第
3側面及び第4側面の順に配置されている。そして、第
1側面5と、第3側面とは、Z軸を中心として、180
度反対側に位置し、又、第2側面6と、第4側面とは同
じくZ軸を中心として、180度反対側に位置している
(なお、図は第1側面と、第2側面のみ図示されてい
る。)。
【0022】基材4の下部の第1側面5と、第3側面
は、X軸方向に向かう断面四角形状をなす貫通孔7が穿
設されている。この貫通孔7により、基材4の下部は、
第2側面6、及び第4側面をそれぞれ外側面とした一対
の側板8,9が形成されている。前記側板8,9は本発
明の平板部に相当する。前記側板8,9の板厚は、数十
〜数百μmとされている。そして、前記両側板8,9、
及び貫通孔7とにより、基材4の下部は互いに平行に配
置された平行平板構造となっており、平行平板部2が構
成されている。
【0023】又、基材4の上部の第2側面6と、第4側
面は、Y軸方向に向かう断面四角形状をなす貫通孔10
が穿設されている。この貫通孔10により、基材4の上
部は、第1側面5、及び第3側面をそれぞれ外側面とし
た一対の側板11,12が形成されている。前記側板1
1,12は本発明の平板部に相当する。前記側板11,
12の板厚は、前記平行平板部2の側板8,9と同一厚
みとされている。そして、前記両側板11,12、及び
貫通孔10とにより、基材4の上部は互いに平行に配置
された平行平板構造となっており、平行平板部3が構成
されている。そして、前記平行平板部2,3は互いに直
交するように配置されている。
【0024】前記平行平板部2,3の第2側面6と第4
側面、及び第1側面5と第6側面とには、スパッタリン
グ等によって、形成された長方形状のチタン膜13が形
成されている(図4参照)。
【0025】同チタン膜13の表面全体には厚さ数十μ
mのPZT薄膜14(図5参照)が形成され、そのPZ
T薄膜14上にはアルミニウムからなる厚さ数μmを有
する互いに同面積の電極膜15が上下一対形成されてい
る。前記電極膜15は本発明の電極に相当する。
【0026】上記のように構成された振動ジャイロ1を
使用する場合、基材4の下端を固定した状態で、基材4
の下部の平行平板部2の側板8,9の電極膜15に対し
て、それぞれ反対電位の交番電圧を同期して印加する。
【0027】すると、PZT薄膜の分極方向が電極膜1
5から基材4方向に向いている場合、プラス電位側に印
加された方のPZT薄膜14は圧縮され、マイナス電位
に印加された側のPZT薄膜14は引き伸ばされる。そ
して、交番電圧による極性の変化によって、PZT薄膜
14は、圧縮、引き伸ばしが交互に繰り返され、この結
果、平行平板部2は、X、反X方向に駆動され、上部に
位置する平行平板部3は同方向に振動する。
【0028】そして、この振動状態で、振動ジャイロ1
にZ軸回りの回転が加わったときに、平行平板部3にお
いて一方の側面側のPZT薄膜14は、圧縮(歪み)さ
れ、他方の側面側(一方の側面とは180度反対側の側
面)が引き伸ばされる(歪み)。この結果、そのときに
生ずる電圧を検出することにより、振動ジャイロ1に働
いたコリオリの力を検知することが可能となる。又、上
記(1)に示すように、振動ジャイロ1の質量m、及び
振動速度Vが既知であれば、角速度Ωが導出できる。
【0029】次に、上記振動ジャイロ1の製造方法を図
2乃至図6を参照して説明する。図2は、基材4を示し
ている。ステンレスからなる基材4は、断面正方形をな
した四角柱状に形成されている。この基材4の上下両部
に対して、それぞれ互いに直交するように貫通孔7,1
0を形成する。この貫通孔7,10の形成は、切削でも
よく、エッチングで行ってもよい。この貫通孔7を形成
することにより、図3に示すように基材4の下部は、第
2側面6、及び第4側面がそれぞれ外側面とされ、数十
〜数百μmの板厚を有する一対の側板8,9が形成され
る。又、前記両側板8,9、及び貫通孔7とにより、基
材4の下部は側板8,9が互いに平行に配置された平行
平板構造を有する平行平板部2が形成される。
【0030】又、貫通孔10を形成することにより、図
3に示すように基材4の上部は、第1側面5、及び第3
側面がそれぞれ外側面とされ、数十〜数百μmの板厚を
有する一対の側板11,12が形成される。又、前記両
側板11,12、及び貫通孔10とにより、基材4の上
部は互いに側板11,12とが互いに平行に配置された
平行平板構造を有する平行平板部3が形成される。
【0031】次に、この基材4を酸等で、クリーニング
し、予め、PZT薄膜14を形成したい側面を除いた面
を合成樹脂、又は、スパッタリングや真空蒸着等の物理
的成膜法にてチタン以外の金属等にて、被覆してマスク
(図示しない)を形成する。
【0032】そして、基材4の上部の第1側面5、第3
側面、基材4の下部の第2側面6及び第4側面にスパッ
タリングや真空蒸着等の物理的成膜法にてチタン膜13
を成膜する(図4参照)。
【0033】次に水熱法で、チタン膜13上にPZT薄
膜14を形成する。この水熱法は2つの段階からなって
いる。 (第1段階)基材4、原材料としてのオキシ塩化ジルコ
ニウム(ZrOC2 ・8H2 O)と硝酸塩(Pb(NO
3 2 )の水溶液、及びKOH(8N)溶液をテフロン
瓶(図示しない)に投入し、攪拌する。なお、PZT薄
膜14の圧電性は、PZT薄膜14におけるチタン酸
鉛,ジルコン酸鉛の構成組成比によって決まるため、後
にできあがるPZT薄膜14の圧電性に応じてオキシ塩
化ジルコニウムと硝酸塩とのモル比を決めればよい。
【0034】次に、図示しない圧力容器内において、基
材4を上方に配置し、オキシ塩化ジルコニウム(ZrO
2 ・8H2 O)、硝酸塩(Pb(NO3 2 )の水溶
液、及びKOH(8N)溶液を攪拌しながら、加熱・加
圧する。なお、ここでいう加圧とは、加熱された溶液の
蒸気圧よる加圧のことである。温度条件は150℃で、
48時間この状態を継続する。なお、攪拌は、300r
pmで行う。
【0035】この結果、過飽和状態で、基材4の両平行
平板部2,3のチタン膜13表面にPZTの種子結晶
(核)が形成される。上記時間の経過後、基材4を圧力
容器から取り出し、水洗・乾燥する。
【0036】(第2段階)次に、種子結晶が核付けされ
た基材4、原材料としてのオキシ塩化ジルコニウム(Z
rOC2 ・8H2 O)と硝酸塩(Pb(NO3 2 )の
水溶液、四塩化チタン(TiCl4 )及びKOH(4
N)溶液をテフロン瓶(図示しない)に投入し、攪拌す
る。なお、PZT薄膜14の圧電性は、PZTにおける
チタン酸鉛,ジルコン酸鉛の構成組成比によって決まる
ため、後にできあがるPZTの圧電性に応じてオキシ塩
化ジルコニウムと硝酸塩とのモル比を決めればよい。
【0037】次に、図示しない圧力容器内において、基
材4を上方に配置し、オキシ塩化ジルコニウム(ZrO
2 ・8H2 O)、硝酸塩(Pb(NO3 2 )の水溶
液、四塩化チタン(TiCl4 )及びKOH(4N)溶
液を攪拌しながら、加熱・加圧する。なお、ここでいう
加圧とは、加熱された溶液の蒸気圧よる加圧のことであ
る。温度条件は120℃で、48時間この状態を継続す
る。なお、攪拌は、300rpmで行う。
【0038】この結果、過飽和状態で、基材4の両平行
平板部2,3の両外側面にPZT薄膜14が所定厚み
(この実施形態では数十μm)で形成される(図5参
照)。上記時間の経過後、基材4を圧力容器から取り出
し、水洗・乾燥する。この後、マスクを除去する。
【0039】そして、図6に示すように、PZT薄膜1
4面に電極膜15をスパッタリングや真空蒸着等の物理
的成膜法により形成した後、パターニングし、不必要な
電極膜15の部分を除去して、上下一対の電極膜15を
形成し、振動ジャイロ1を形成する。
【0040】さて、本実施形態によると、次のような作
用効果を奏する。 (1) 本実施形態では、基材4の両平行平板部2,3
のチタン膜13表面に形成されたPZT薄膜14は、数
十μmとして薄く形成しているため、振動ジャイロ1
を、小型化することができる。
【0041】(2) 本実施形態では、基材4の上下両
部を、平行平板構造としているため、捩じれに対して強
くすることができる。従って、振動駆動用の平行平板部
2は、正確に振動することができ、検出用の平行平板部
3は、正確に変位できるため、ノイズに強いものとな
る。
【0042】(3) 本実施形態では、水熱法により、
基材4の両平行平板部2,3の両外側面にチタン膜13
を形成した後、水熱法により、及びPZT薄膜14を形
成し、その後、前記PZT薄膜14を形成した基材4の
両側面に対して、それぞれ電極膜15を形成した。その
結果、同一工程(水熱法による工程)で得られた振動駆
動用の平行平板部2、検出用の平行平板部3との組合せ
で構成される振動ジャイロ1は、検出感度等の品質を一
定に、すなわち、均質なものとすることができる。又、
水熱法により、駆動用のPZT薄膜14と、検出用のP
ZT薄膜14とが一度に形成できるため、別々に駆動
用、検出用のPZT薄膜を形成する場合と異なり、作成
工数を低減できる。
【0043】(4) 検出用の平行平板部3の側板11
と側板12の上部間を連結している連結部、或いは、平
行平板部2と平行平板部3との間の部分の連結部は、上
記(1)式のコリオリの力Fcの質量mとして使用でき
る。従って、同部分の質量を適宜変更することにより振
動ジャイロ1のmを調整することが可能である。そのこ
とによって、振動ジャイロ1の検出感度を上げることも
可能である。
【0044】本発明の実施形態は、上記実施形態以外に
次のように変更することも可能である。 (1) 前記実施形態では、電極膜15をアルミニウム
で形成したが、Au(金)にて形成してもよく、又、他
の導電性金属にて形成してもよい。
【0045】(2) 前記実施形態では、電極膜15、
PZT薄膜14、基材4の厚みをそれぞれ所定数値とし
たが、上記数値に限定されるものではなく、必要に応じ
て、上記以外の数値としてもよい。
【0046】(3) 前記実施形態では、音片型の振動
ジャイロ1に具体化したが、この振動ジャイロ1を連結
板の両端に固設した音叉型の振動ジャイロに具体化して
もよい。この場合、前記実施形態での振動ジャイロ1を
一対、連結部としての連結板の両端に立設固定するだけ
で、音叉型の振動ジャイロが形成できる。
【0047】(4) 前記実施形態では、電極膜15を
各PZT薄膜14に対し分離して上下一対設けたが、分
離しないでPZT薄膜14上の表面全体に設けてもよ
い。ここで、特許請求の範囲に記載された技術的思想の
ほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思
想をその効果とともに以下に挙げる。
【0048】(1) 請求項2において、貫通孔は断面
四角形状に形成されたものであるPZT薄膜を備えた振
動ジャイロ。断面四角形状の貫通孔により、第1及び第
2の平行平板部の側壁が板状に形成され、平行平板構造
を得ることができる。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の発明に
よれば、容易に振動ジャイロを得ることができるととも
に、小型にすることができ、かつ、捩じれに強く、検出
感度を上げることができる。
【0050】請求項2及び請求項3の発明によれば、小
型にすることができ、捩じれに強く、検出感度を上げる
ことができる振動ジャイロを容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】振動ジャイロの斜視図。
【図2】基材の斜視図。
【図3】貫通孔を形成した基材の斜視図。
【図4】チタン膜をパターンニングして形成した基材の
斜視図。
【図5】PZT薄膜を形成した基材の斜視図。
【図6】電極膜を形成した振動ジャイロの斜視図。
【図7】従来の振動ジャイロの斜視図。
【図8】従来の振動ジャイロの斜視図。
【符号の説明】
1…振動ジャイロ、2,3…平行平板部(第1、第2の
平行平板部を構成する)、4…基材、5…第1側面、6
…第2側面、7,10…貫通孔、8,9,11,12…
側板(平板部を構成する)、13…チタン膜、14…P
ZT薄膜、15…電極膜。
【手続補正書】
【提出日】平成9年7月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】次に水熱法で、チタン膜13上にPZT薄
膜14を形成する。この水熱法は2つの段階からなって
いる。 (第1段階)基材4、原材料としてのオキシ塩化ジルコ
ニウム(ZrOC 2 ・8H2 O)と硝酸塩(Pb(N
3 2 )の水溶液、及びKOH(8N)溶液をテフロ
ン瓶(図示しない)に投入し、攪拌する。なお、PZT
薄膜14の圧電性は、PZT薄膜14におけるチタン酸
鉛,ジルコン酸鉛の構成組成比によって決まるため、後
にできあがるPZT薄膜14の圧電性に応じてオキシ塩
化ジルコニウムと硝酸塩とのモル比を決めればよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】次に、図示しない圧力容器内において、基
材4を上方に配置し、オキシ塩化ジルコニウム(ZrO
2 ・8H2 O)、硝酸塩(Pb(NO3 2 )の水
溶液、及びKOH(8N)溶液を攪拌しながら、加熱・
加圧する。なお、ここでいう加圧とは、加熱された溶液
の蒸気圧よる加圧のことである。温度条件は150℃
で、48時間この状態を継続する。なお、攪拌は、30
0rpmで行う。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】(第2段階)次に、種子結晶が核付けされ
た基材4、原材料としてのオキシ塩化ジルコニウム(Z
rOC 2 ・8H2 O)と硝酸塩(Pb(NO3 2
の水溶液、四塩化チタン(TiCl4 )及びKOH(4
N)溶液をテフロン瓶(図示しない)に投入し、攪拌す
る。なお、PZT薄膜14の圧電性は、PZTにおける
チタン酸鉛,ジルコン酸鉛の構成組成比によって決まる
ため、後にできあがるPZTの圧電性に応じてオキシ塩
化ジルコニウムと硝酸塩とのモル比を決めればよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】次に、図示しない圧力容器内において、基
材4を上方に配置し、オキシ塩化ジルコニウム(ZrO
2 ・8H2 O)、硝酸塩(Pb(NO3 2 )の水
溶液、四塩化チタン(TiCl4 )及びKOH(4N)
溶液を攪拌しながら、加熱・加圧する。なお、ここでい
う加圧とは、加熱された溶液の蒸気圧よる加圧のこと
である。温度条件は120℃で、48時間この状態を継
続する。なお、攪拌は、300rpmで行う。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新井 史人 名古屋市千種区青柳町6丁目5番地の1 メイツ千種青柳501 (72)発明者 糸魚川 貢一 愛知県丹羽郡大口町大字豊田字野田1番地 株式会社東海理化電機製作所内 (72)発明者 岩田 仁 愛知県丹羽郡大口町大字豊田字野田1番地 株式会社東海理化電機製作所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周方向に亘って第1乃至第4側面を有
    し、第1側面と第3側面、第2側面と第4側面とは、互
    いに180度反対位置に位置する四角柱状の弾性金属を
    備え、 その弾性金属の下部には、第1側面から第3側面まで貫
    通する貫通孔が形成されて、第2側面と第4側面を含む
    それぞれの平板部にて第1の平行平板部が形成され、 前記弾性金属の上部には、第2側面から第4側面まで貫
    通する貫通孔が形成されて、第1側面と第3側面を含む
    それぞれの平板部にて第2の平行平板部が形成され、 第1の平行平板部の第2側面と第4側面、及び第2の平
    行平板部の第1側面と第3側面とにはチタン膜が形成さ
    れ、 同チタン膜上には、PZT薄膜が形成され、同PZT薄
    膜上には、電極が設けられていることを特徴とするPZ
    T薄膜を備えた振動ジャイロ。
  2. 【請求項2】 周方向に亘って第1乃至第4側面を有
    し、第1側面と第3側面、第2側面と第4側面とは、互
    いに180度反対位置に位置する4角柱状の弾性金属の
    下部に対しては、第1側面から第3側面まで貫通する貫
    通孔を形成して、第1の平行平板部を形成するととも
    に、前記弾性金属の上部には、第2側面から第4側面ま
    で貫通する貫通孔を形成して、第2の平行平板部を形成
    する工程と、 第1の平行平板部の第2側面と第4側面、及び第2平行
    平板部の第1側面と第3側面とに対してチタン膜を形成
    する工程と、 水熱法により、前記チタン膜上にPZT薄膜を形成する
    工程と、 前記PZT薄膜上に対して、それぞれ電極を形成する工
    程と、を含むことを特徴とするPZT薄膜を備えた振動
    ジャイロの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記水熱法は、 硝酸鉛溶液、オキシ塩化ジルコニウムを鉱化剤とともに
    攪拌し、加圧及び加熱して、チタン膜上に種子結晶を得
    る工程と、 前記種子結晶を得た基材に対して、硝酸鉛溶液、オキシ
    塩化ジルコニウム、四塩化チタンの溶液を鉱化剤ととも
    に攪拌し、加熱及び加圧して、チタン膜上に対してPZ
    Tの結晶成長を行い、チタン膜上にPZT薄膜を形成す
    る工程とを含むことを特徴とする請求項3に記載のPZ
    T薄膜を備えた振動ジャイロの製造方法。
JP9167313A 1997-06-24 1997-06-24 Pzt薄膜を備えた振動ジャイロ及びその製造方法 Pending JPH1114370A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6378368B1 (en) 1997-10-09 2002-04-30 Kabushiki Kaisha Tokai Rika Denki Seisakusho Oscillation gyro equipped with thin PZT film

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6378368B1 (en) 1997-10-09 2002-04-30 Kabushiki Kaisha Tokai Rika Denki Seisakusho Oscillation gyro equipped with thin PZT film

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