JPH11143564A - 差動増幅回路及びこれを用いた基準電圧発生回路 - Google Patents

差動増幅回路及びこれを用いた基準電圧発生回路

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JPH11143564A
JPH11143564A JP9312936A JP31293697A JPH11143564A JP H11143564 A JPH11143564 A JP H11143564A JP 9312936 A JP9312936 A JP 9312936A JP 31293697 A JP31293697 A JP 31293697A JP H11143564 A JPH11143564 A JP H11143564A
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transistor pair
differential amplifier
amplifier circuit
differential
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Yasuo Ito
寧夫 伊藤
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Toshiba Corp
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  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トランジスタのしきい値のバラツキに拘わら
ず安定な出力電圧を得ることができる差動増幅回路及び
これを用いた基準電圧発生回路を提供する。 【解決手段】 差動増幅回路10は、差動PMOSトラ
ンジスタ対QP1,QP2と、カレントミラー回路を構成す
るNMOSトランジスタ対QN1,QN2を有する。内部入
力ノードG1,G2と信号入力端子20A,20Bの間
には、クロックにより制御されてこれらの間の接続切り
替えを行う第1のアナログスイッチ回路11が設けられ
る。これと同期して、内部出力ノードN1,N2を交互
に信号出力端子21に接続する第2のアナログスイッチ
回路12、負荷のゲートを内部出力ノードN1,N2に
交互に切り替え接続する第3のアナログスイッチ回路1
3が設けられる。信号入力端子20A,20Bに、出力
電圧が帰還されるダイオード回路16,17が設けられ
て基準電圧発生回路が構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体集積回路
に用いられる差動増幅回路及びこれを用いた基準電圧発
生回路に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体メモリに代表される集積回路で
は、外部電源電圧とは異なるチップ内部で発生させた種
々の内部電源電圧が用いられる。内部電源電圧には、外
部電源電圧の変動の影響を受けないこと、及び温度依存
性がないことが要求される。これらの要求を満たすため
に、通常、内部電源電圧の基準となる電圧を発生する基
準電圧発生回路が用いられる。基準電圧発生回路として
は、バンドギャップリファレンス(Band Gap Referenc
e)回路(以下、BGR回路という)がよく用いられ
る。
【0003】図10は、従来のよく知られたBGR回路
を示す。このBGR回路は、差動増幅回路(オペアン
プ)101と、この差動増幅回路101の出力端子と接
地端子の間に抵抗R1とダイオードD1を直列接続して
構成されたダイオード回路102と、同じく差動増幅回
路101の出力端子と接地端子の間に抵抗R2,R3及
びダイオードD2を直列接続して構成されたダイオード
回路103とを有する。ダイオードD2はPN接合がN
(例えば、N=100)個並列に設けられる。一方のダ
イオード回路102のダイオードD1と抵抗R1の接続
ノードVBが差動増幅回路101の非反転入力端子に、
他方のダイオード回路103の抵抗R2とR3の接続ノ
ードVAが差動増幅回路101の反転入力端子にそれぞ
れ接続される。
【0004】差動増幅回路101が高利得、高入力イン
ピーダンスであると、出力電圧Vout のフィードバック
により、二つのノードVA,VBの電位は等しくなる。
従って、抵抗R1,R2の値とこれらに流れる電流I
1,I2の関係は、I1/I2=R2/R1となる。ダ
イオードD1の順方向電圧降下VF1と、PN接合をN
個並列接続したダイオードD2の順方向電圧降下VF2
とは、両者の電流容量比(従って面積比)により異な
り、その差電圧ΔVF(即ち、抵抗R3の端子間電圧)
は、抵抗R1,R2の電流をそれぞれI1,I2とし
て、下記数1で表される。
【0005】
【数1】 ΔVF=VF1−VF2= (kT/q)ln(N・I1/I2) =(kT/q)ln(N・R2/R1) 数1を用いて、出力電圧Vout は、次の数2で表され
る。
【0006】
【数2】 Vout =VF1+(R2/R3)ΔVF =VF1+(R2/R3)(kT/q)ln(N・R2/R1) 数2において、右辺第1項のVF1は、負の温度係数β
( −1.5〜−2.5mV/℃)を持ち、右辺第2項
は正の温度係数を持つ。従って、各抵抗R1〜R3を最
適設定すれば、出力電圧Vout の温度依存性をゼロとす
ることができる。詳細説明は省略するが、例えば、VF
1=0.74V、β=−1.7mV/℃と仮定し、N=
100、R2/R3=4.285、R1=R2と設定し
て、出力電圧がVout =1.25Vなる温度依存性のな
い基準電圧となる。
【0007】図10の差動増幅回路101には、例えば
図11に示すような回路が用いられる。これは、差動P
MOSトランジスタ対QP1,QP2と、能動負荷としての
NMOSトランジスタQN1,QN2を用いた、よく知られ
たカレントミラー型差動増幅回路である。図10の基準
電圧発生回路の動作説明では、この差動増幅回路が理想
的なものと仮定したが、実際には、負荷NMOSトラン
ジスタ対QN1,QN2、及び差動PMOSトランジスタ対
QP1,QP2の間でしきい値がばらつくと、出力電圧Vou
t の変動が生じる。このしきい値のバラツキによる出力
電圧の変動(オフセット)は、そのまま基準電圧の変動
となる。
【0008】図12は、NMOSトランジスタ対QN1,
QN2のしきい値のバラツキΔVNと、PMOSトランジ
スタQP1,QP2のしきい値のバラツキΔVPをそれぞれ
横軸と縦軸に取って、出力電圧Vout を回路シミュレー
ションにより求めた結果である。図を見ると、ΔVNと
ΔVPが共に正になると、出力電圧Vout は下がる。例
えば、ΔVN=+6mVで且つ、ΔVP=+5mVのと
き(図11のA点)、出力電圧は、Vout=1.15Vと
なる。ΔVNとΔVPが共に負になると、出力電圧Vou
t は上がる。例えば、ΔVN=−6mVで且つ、ΔVP
=−5mVのとき(図11のB点)、出力電圧は、Vout
=1.35Vとなる。また、ΔVNとΔVPが、ΔVN
=±10mVから、ΔVP=±10mVの領域でばらつ
いたときの出力電圧Vout の最大値と最小値の差は、
0.39Vにも達する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
差動増幅回路は、ドライバ側、負荷側に用いられるトラ
ンジスタ対のしきい値がばらつくと、出力電圧にオフセ
ットが生じ、従ってこの様な差動増幅回路を用いた基準
電圧発生回路により得られる基準電圧も変動を生じると
いう問題がある。
【0010】この発明は、上記事情を考慮してなされた
もので、トランジスタのしきい値のバラツキに拘わらず
安定な出力電圧を得ることができる差動増幅回路を提供
することを目的としている。この発明はまた、そのよう
な差動増幅回路を用いて安定な基準電圧を発生すること
ができる基準電圧発生回路を提供することを目的として
いる。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明に係る差動増幅
回路は、ソースが共通に第1の電源端子に接続され、ド
レインがそれぞれ負荷を介して第2の電源端子に接続さ
れた差動トランジスタ対と、この差動トランジスタ対の
ゲートに差動入力信号を供給するための二つの信号入力
端子と、前記差動トランジスタ対のドレインの少なくと
も一方の信号電圧を取り出すための信号出力端子と、所
定周波数のクロックにより制御されて前記信号入力端子
を交互に切り替えて前記差動トランジスタ対のゲートに
接続する第1のスイッチ回路と、前記クロックにより制
御されて前記差動トランジスタ対のドレインを交互に切
り替えて前記信号出力端子に接続する第2のスイッチ回
路とを備えたことを特徴としている。
【0012】前記負荷は例えば、ドレインがそれぞれ差
動トランジスタ対のドレインに接続され、ゲートが共通
に差動トランジスタ対のドレインの一方に接続された負
荷トランジスタ対を用いて構成されたカレントミラー回
路である。この発明において、この様なカレントミラー
回路を負荷に用いた場合には、第1及び第2のスイッチ
回路に加えて、同じクロックにより制御されて負荷トラ
ンジスタ対のゲートを差動トランジスタ対のドレインに
交互に切り替えて接続する第3のスイッチ回路を備え
る。
【0013】第1〜第3のスイッチ回路は例えば、CM
OSトランスファゲートにより構成されたアナログスイ
ッチ回路である。この発明に係る基準電圧発生回路は、
上述のような差動増幅回路を用い、更に、信号出力端子
と基準電位端子の間に第1の抵抗と第1のダイオードを
直列接続して構成されて前記第1の抵抗と第1のダイオ
ードの接続ノードが前記差動増幅回路の非反転入力端子
に接続された第1のダイオード回路と、前記信号出力端
子と基準電位端子の間に第2及び第3の抵抗と前記第1
のダイオードより順方向電圧降下の小さい第2のダイオ
ードを直列接続して構成されて前記第2の抵抗と第3の
抵抗の接続ノードが前記差動増幅回路の他方の反転入力
端子に接続された第2のダイオード回路とを備えて構成
される。
【0014】具体的に第2のダイオード回路は、複数の
PN接合が並列接続されて構成される。この発明による
差動増幅回路では、第1のスイッチ回路により差動入力
信号が差動増幅回路の内部入力ノードである差動トラン
ジスタ対のゲートに対して交互に切り替えて供給され、
これと同期して第2のスイッチ回路により内部出力ノー
ドである差動トランジスタ対のドレインの信号電圧が交
互に切り替えられて信号出力端子に取り出される。この
様な入出力信号の同期的スイッチングを行うことによっ
て、差動トランジスタ対のしきい値のバラツキの影響、
即ち出力電圧のしきい値のバラツキによる正負の変動が
平均化され、安定した出力電圧を得ることができる。
【0015】差動増幅回路の負荷が能動負荷である場
合、即ちカレントミラー回路である場合には、上述した
入出力のスイッチングと同期して負荷トランジスタ対の
ゲートを二つの内部出力ノードに交互に切り替えて接続
するために第3のスイッチ回路が設けられる。これによ
り、カレントミラー型差動増幅回路においては、差動ト
ランジスタ対及び負荷トランジスタ対のしきい値のバラ
ツキに起因する出力電圧変動を抑えることができる。
【0016】この発明による基準電圧発生回路は、上述
のような差動増幅回路を用いて、基準電圧源となるダイ
オードと温度係数をゼロにするための抵抗を組み合わせ
たダイオード回路を組み込んだBGR回路を構成するこ
とにより、温度係数がゼロでしかも差動増幅回路に用い
るトランジスタのしきい値のバラツキの影響を受けない
安定した基準電圧を発生させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施例を説明する。図1は、この発明の一実施例に係
る差動増幅回路10の構成を示す。差動増幅回路10の
主要部は、差動PMOSトランジスタ対QP1,QP2と、
負荷NMOSトランジスタ対QN1,QN2により構成され
る。差動PMOSトランジスタ対QP1,QP2のソースは
共通に第1の電源端子であるVCC端子に接続され、それ
ぞれのゲートが内部入力ノードG1,G2となる。差動
PMOSトランジスタ対QP1,QP2のドレインはそれぞ
れ負荷NMOSトランジスタ対QN1,QN2のドレインに
接続され、これらのドレインが内部出力ノードN1,N
2となる。負荷NMOSトランジスタ対QN1,QN2のソ
ースは共通に第2の電源端子であるVSS端子に接続さ
れ、ゲートは共通接続されて内部出力ノードN1,N2
のいずれか一方に接続されて、この負荷NMOSトラン
ジスタ対QN1,QN2はカレントミラー回路を構成する。
【0018】二つの内部入力ノードG1,G2はそれぞ
れ、差動入力信号VA,VBが入る二つの信号入力端子
20A,20Bに接続されるが、この実施例では信号入
力端子20A,20Bを交互に切り替えて内部入力ノー
ドG1,G2に接続するように、第1のアナログスイッ
チ回路11が設けられている。第1のアナログスイッチ
回路11は、所定周波数のクロックφにより、20A−
G2,20B−G1の接続状態と、20A−G1,20
B−G2の接続状態との切り替えを制御する。
【0019】差動入力信号VA,VBをこの様に交互に
切り替えて内部入力ノードG1,G2に与えても、内部
出力ノードの切り替えを行わなければ、差動入力信号が
平均化されて増幅出力は得られない。そこで、入力端子
の切り替えと同期して、二つの内部出力ノードN1,N
2も交互に切り替えて外部信号出力端子21に接続する
ために、クロックφにより制御される第2のアナログス
イッチ回路12が設けられている。
【0020】更に、これらの入出力端子の切り替えと同
期して、カレントミラー回路を構成する負荷NMOSト
ランジスタ対QN1,QN2の共通ゲートを二つの内部出力
ノードN1,N2の一方に交互に接続するために、第3
のアナログスイッチ回路13が設けられている。
【0021】図2は、図1の構成をより具体的に示した
ものである。第1のアナログスイッチ回路11は、クロ
ックφとその相補クロック/φにより制御される4個の
CMOSトランスファゲートT1〜T4により構成され
ている。トランスファゲートT1は、信号入力端子20
Bと内部入力ノードG1の間に、トランスファゲートT
2は、信号入力端子20Aと内部入力ノードG1の間
に、トランスファゲートT3は、信号入力端子20Bと
内部入力ノードG2の間に、トランスファゲートT4
は、信号入力端子20Aと内部入力ノードG2の間にそ
れぞれ設けられている。
【0022】クロックφが“H”のとき、トランスファ
ゲートT1とT4がオン、T2とT3がオフとなり、こ
のとき信号入力端子20Bが内部入力ノードG1に、信
号入力端子20Aが内部入力ノードG2にそれぞれ接続
される。クロックφが“L”になると、トランスファゲ
ートT2とT3がオン、トランスファゲートT1とT4
がオフとなり、このとき信号入力端子20Bが内部入力
ノードG2に、信号入力端子20Aが内部入力ノードG
1にそれぞれ接続される。
【0023】出力端子切り替えを行う第2のアナログス
イッチ回路12は、やはりクロックφとその相補クロッ
ク/φにより制御される二つのCMOSトランスファゲ
ートT7,T8により構成されている。クロックφが
“H”の時、トランスファゲートT7がオンになって、
内部出力ノードN2が信号出力端子21に接続され、ク
ロックφが“L”の時、トランスファゲートT8がオン
になって、内部出力ノードN1が信号出力端子21に接
続される。
【0024】カレントミラー回路のゲート接続を切り替
える第3のアナログスイッチ回路13は、共通ゲートと
内部出力ノードN1の間に設けられたCMOSトランス
ファゲートT5と、共通ゲートと内部出力ノードN2の
間に設けられたCMOSトランスファゲートT6により
構成されている。クロックφが“H”の時、トランスフ
ァゲートT5がオンになって、共通ゲートは内部出力ノ
ードN1に接続され、クロックφが“L”の時、トラン
スファゲートT6がオンになって、共通ゲートは内部出
力ノードN2に接続される。
【0025】図2の実施例では、アナログスイッチ回路
12の出力部に出力バッファ段14が設けられている。
出力バッファ段14は、NMOSトランジスタQN3と抵
抗R4からなるインバータ段とその出力により制御され
る、ソースが電源VCCに接続された出力PMOSトラン
ジスタQP3とから構成されている。
【0026】また図2の実施例では、クロック動作に伴
う高周波ノイズ低減のための回路要素が付加されてい
る。即ち、負荷NMOSトランジスタ対QN1,QN2の共
通ゲートと基準電位端子としての接地端子VSSの間に、
高周波成分をパスさせるキャパシタCが設けられ、出力
端子21にはロウパスフィルタ15が設けられている。
【0027】図2の差動増幅回路10は、クロック動作
を考えない場合、入力端子20A−入力ノードG2を反
転入力端子、入力端子20B−入力ノードG1を非反転
入力端子とし、出力ノードN2−出力端子21にひとつ
の出力信号を出すシングルエンド型として構成されてい
る。
【0028】図3は、図2に示す差動増幅回路10を用
いて構成された基準電圧発生回路としてのBGR回路を
示している。信号出力端子21と接地端子VSSの間に、
抵抗R1とダイオードD1を直列接続して、その接続ノ
ードを非反転入力端子である入力端子20Bに接続した
第1のダイオード回路16と、同じく信号出力端子21
と接地端子VSSの間に、抵抗R2,R3とダイオードD
2を直列接続して、抵抗R2,R3の接続ノードを反転
入力端子としての入力端子20Aに接続した第2のダイ
オード回路17とを有する。この構成は、図10で説明
した従来例と同様であり、第2のダイオードD2は例え
ばPN接合が100個並列に設けられて、その順方向電
圧降下が第1のダイオードD1のそれに比べて小さく設
定される。そして、従来と同様に抵抗R1〜R3の値を
最適設定することにより、温度依存性のない、例えばV
out =1.25Vの基準電圧を発生させる。
【0029】図2に示す差動増幅回路10、従って図3
に示すBGR回路においては、第1,第2のアナログス
イッチ回路11,12による入出力端子の交互切り替
え、及び第3のアナログスイッチ回路13によるカレン
トミラー回路の共通ゲートの接続先の交互切り替えによ
り、トランジスタ対のしきい値のバラツキの影響が低減
される。その理由を具体的に、差動増幅回路の主要部を
取り出して示した図4(a)〜(d)を参照して説明す
る。
【0030】図4(a)は、差動PMOSトランジスタ
対QP1,QP2の間で、QP2のしきい値がQP1のそれに対
して、+ΔVP高く、負荷NMOSトランジスタ対QN
1,QN2の間でQN2のしきい値がQN1のそれに対して、
+ΔVN高い場合を示している。このとき、BGR回路
の出力電圧Vout は、図12のシミュレーション結果か
ら、下記数3で表される。
【0031】
【数3】Vout =1.25+αΔVN+βΔVP 図4(b)は、図4(a)とはしきい値の大小関係が逆
の場合を示している。即ち、QP2のしきい値がQP1のそ
れに対して、−ΔVPであり、QN2のしきい値がQN1の
それに対して、−ΔVNの場合である。このとき、BG
R回路の出力電圧Vout は、数3に対して、下記数4と
なる。
【0032】
【数4】Vout =1.25−αΔVN−βΔVP 図4(c)は、図4(b)の状態に対して、PMOSト
ランジスタ対QP1,QP2にそれぞれ、ΔVPなるしきい
値を加算する操作を行い、同様にNMOSトランジスタ
対QN1,QN2に対してΔVNなるしきい値を加算する操
作を行った状態を示している。この操作を行うと、それ
ぞれのしきい値の絶対値は変化するが、しきい値の差は
図4(b)の状態と変わらない。出力電圧の変動の要因
は、前述のようにトランジスタ対のしきい値の差にあ
り、しきい値の絶対値が多少平行移動しても、その影響
は無視できる。従ってこのとき、図4(b)と同じ出力
電圧、即ち数4に示す出力電圧が得られる。
【0033】図4(d)は、図4(c)の回路を左右反
転したものである。従って出力電圧は、図4(c)と変
わらず、数4で表される。図4(a)と図4(d)を比
較すると、PMOSトランジスタ対QP1,QP2の間及び
NMOSトランジスタ対QN1,QN2の間のしきい値のず
れは変わりないが、次の4点で異なる。〓出力電圧Vou
t の間に、数3と数4で示される差がある。〓入力信号
電圧VA,VBが入れ替わっている。〓外部出力端子2
1につながる出力ノードN1,N2が入れ替わってい
る。〓負荷NMOSトランジスタ対QN1,QN2の共通ゲ
ートの接続先が入れ替わっている。
【0034】上記実施例の回路は、第1〜第3のアナロ
グスイッチ回路11〜13によって、図4(a)の状態
と図4(d)の状態を時間的に交互に切り替える操作を
行っていることになる。これにより、出力電圧Vout
は、数3と数4を時間的に加算平均したことになり、出
力電圧Vout =1.25[V]が得られる。即ち、差動
PMOSトランジスタ対QP1,QP2の間、及び負荷NM
OSトランジスタ対QN1,QN2の間にしきい値のずれが
あっても、その影響は出力電圧に現れることなく、しき
い値のバラツキに起因するオフセットのない出力電圧が
得られることになる。
【0035】図5は、NMOSトランジスタ対QN1,Q
N2のしきい値の差ΔVNを横軸に、PMOSトランジス
タ対QP1,QP2のしきい値の差ΔVPを縦軸にとった時
の、図3の実施例の回路の出力電圧Vout をシミュレー
ションした結果を、図12に対応させて示している。こ
の結果から、ΔVP,ΔVNが相当大きくばらついて
も、例えば、ΔVP=±10mV、ΔVN=±10mV
の範囲でも、出力電圧Vout は殆ど変動せず、最大で
1.265V、最小で1.225Vである。即ち、最大
値と最小値の差は僅か0.04Vである。これは、従来
例と比較して、約10分の1まで出力電圧変動を抑制し
たことになる。
【0036】なお上述の回路シミュレーションは、ノイ
ズ低減のための負荷NMOSトランジスタ対QN1,QN2
の共通ゲートに設けるキャパシタC、及び出力段のロウ
パスフィルタ15を考慮しない場合のものである。実際
にはキャパシタC及びロウパスフィルタ15を設けるこ
とによって、上述の最大値と最小値の差0.04Vは更
に小さくすることが可能である。
【0037】更に、しきい値のずれがここで想定した範
囲より大きくなったとしても、この発明による回路方式
は原理的にそのしきい値の差の影響を相殺するものであ
るため、出力電圧の変動が増大することはない。
【0038】図6(a)(b)は、出力バッファ段14
の他の構成例を示す。図6(a)の出力バッファ段14
aは、ソースを接地したオープン・ドレイン形式のNM
OSトランジスタQN3のみにより構成されている。図6
(b)の出力バッファ段14bは、ソースを電源VCCに
接続したオープン・ドレイン形式のPMOSトランジス
タQP3のみにより構成されている。
【0039】図2及び図3に示した出力バッファ段14
は、内部出力ノードN1又はN2の電圧を反転させずに
出力端子21に出すのに対して、図6(a)(b)の出
力バッファ段14a,14bは、内部出力ノードN1又
はN2の反転出力となる。従って、二つの信号入力端子
20A,20Bの反転,非反転の関係は、図2及び図3
の場合とは逆になる。
【0040】図2及び図3の実施例では、第1〜第3の
アナログスイッチ回路11〜13をCMOSトランスフ
ァゲートT1〜T8により構成したが、これらのトラン
スファゲートT1〜T8をNMOSトランジスタのみ、
あるいはPMOSトランジスタのみにより構成すること
もできる。図7は、各アナログスイッチ回路11〜13
のトランスファゲートT1〜T8をNMOSトランジス
タのみにより構成した例を示す。これにより、アナログ
スイッチ回路11〜13の構成を簡単にすることができ
る。
【0041】図8は、この発明の別の実施例による差動
増幅回路30を示す。図1と対応する部分には図1と同
一符号を付して詳細な説明は省く。先の実施例は、NM
OSカレントミラー回路を用いたのに対し、この実施例
ではPMOSカレントミラー回路を用いている。即ち、
ソースを共通に接地したNMOSトランジスタ対QN1,
QN2により差動トランジスタ対を構成して、それらのゲ
ートを内部入力ノードG1,G2とし、ドレインを内部
出力ノードN1,N2としている。これらの内部出力ノ
ードN1,N2にドレインを接続し、ソースを共通に電
源VCCに接続した負荷PMOSトランジスタ対QP1,Q
P2がカレントミラー回路を構成している。
【0042】この様なPMOSトランジスタによるカレ
ントミラー回路を構成した差動増幅回路30の場合に
も、先の実施例と同様に、信号入出力端子及びカレント
ミラー回路のゲートの接続先をクロックにより切り替え
る第1〜第3のアナログスイッチ回路11〜13が設け
られる。これにより、先の実施例と同様に、トランジス
タ対のしきい値のバラツキの出力電圧に対する影響を低
減することができる。
【0043】図9は、更に差動出力型とした実施例の差
動増幅回路40を示している。ソースが共通に接地され
た差動NMOSトランジスタ対QN1,QN2のドレイン
は、負荷R11,R12を介して電源VCCに接続され、二つ
の内部出力ノードN1,N2がそれぞれ信号出力端子2
1A,21Bに取り出される。差動出力型であるため、
出力端子切り替えのために、二つのアナログスイッチ回
路12A,12Bが必要となる。負荷はカレントミラー
回路でないから、これまでの実施例で用いた第3のアナ
ログスイッチ回路13は必要がない。負荷R11,R12に
は抵抗の他、種々のタイプのMOSトランジスタを用い
得る。
【0044】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、差
動増幅回路の二つの内部入力ノードへの差動入力信号を
クロックにより交互に切り替えると同時に、これと同期
して二つの内部出力ノードを交互に切り替えて信号出力
端子に取り出すというクロック制御を行うことにより、
差動トランジスタ対のしきい値のバラツキの影響を受け
ない安定な出力電圧を得ることができる。カレントミラ
ー型差動増幅回路の場合には、能動負荷の共通ゲートの
接続先を、入出力端子の切り替えと同期してクロックに
より切り替え制御することにより、負荷トランジスタ対
のしきい値のバラツキの影響もなくなる。この様な安定
な差動増幅回路を組み込んで基準電圧発生回路を構成す
ることにより、安定な基準電圧を発生させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例による差動増幅回路の構
成を示す。
【図2】 同実施例の差動増幅回路の具体的な構成を示
す。
【図3】 同実施例の差動増幅回路を用いた基準電圧発
生回路の構成を示す。
【図4】 同実施例の回路による出力電圧安定化の原理
を説明するための図である。
【図5】 同実施例の基準電圧発生回路のしきい値変動
と出力電圧の関係をシミュレーションした結果を示す。
【図6】 出力バッファ段の他の構成例を示す。
【図7】 他の実施例による差動増幅回路の構成を示
す。
【図8】 他の実施例による差動増幅回路の構成を示
す。
【図9】 他の実施例による差動増幅回路の構成を示
す。
【図10】 従来の基準電圧発生回路の構成を示す。
【図11】 図10の基準電圧発生回路に用いられる差
動増幅回路の構成を示す。
【図12】 図10の基準電圧発生回路のしきい値変動
と出力電圧の関係をシミュレーションした結果を示す。
【符号の説明】
10,30,40…差動増幅回路、QP1,QP2…差動P
MOSトランジスタ対、QN1,QN2…負荷NMOSトラ
ンジスタ対、G1,G2…内部入力ノード、N1,N2
…内部出力ノード、20A,20B…信号入力端子、2
1…信号出力端子、11…第1のアナログスイッチ回
路、12…第2のアナログスイッチ回路、13…第3の
アナログスイッチ回路、T1〜T8…トランスファゲー
ト、C…キャパシタ、14…出力バッファ段、15…ロ
ウパスフィルタ、16…第1のダイオード回路、17…
第2のダイオード回路。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソースが共通に第1の電源端子に接続さ
    れ、ドレインがそれぞれ負荷を介して第2の電源端子に
    接続された差動トランジスタ対と、 この差動トランジスタ対のゲートに差動入力信号を供給
    するための二つの信号入力端子と、 前記差動トランジスタ対のドレインの少なくとも一方の
    信号電圧を取り出すための信号出力端子と、 所定周波数のクロックにより制御されて前記信号入力端
    子を交互に切り替えて前記差動トランジスタ対のゲート
    に接続する第1のスイッチ回路と、 前記クロックにより制御されて前記差動トランジスタ対
    のドレインを交互に切り替えて前記信号出力端子に接続
    する第2のスイッチ回路とを備えたことを特徴とする差
    動増幅回路。
  2. 【請求項2】 前記負荷は、ドレインがそれぞれ前記差
    動トランジスタ対のドレインに接続され、ゲートが共通
    に前記差動トランジスタ対のドレインの一方に接続され
    る負荷トランジスタ対を用いて構成されたカレントミラ
    ー回路であり、 前記クロックにより制御されて前記負荷トランジスタ対
    の共通ゲートを前記差動トランジスタ対のドレインに交
    互に切り替えて接続する接続する第3のスイッチ回路を
    有することを特徴とする請求項1記載の差動増幅回路。
  3. 【請求項3】 前記第1〜第3のスイッチ回路は、CM
    OSトランスファゲートにより構成されたアナログスイ
    ッチ回路であることを特徴とする請求項2記載の差動増
    幅回路。
  4. 【請求項4】 前記負荷トランジスタ対の共通ゲートと
    基準電位端子の間に設けられたキャパシタと、前記信号
    出力端子に設けられたロウパスフィルタとを更に備えた
    ことを特徴とする請求項2記載の差動増幅回路。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の差動
    増幅回路と、 前記信号出力端子と基準電位端子の間に第1の抵抗と第
    1のダイオードを直列接続して構成されて前記第1の抵
    抗と第1のダイオードの接続ノードが前記差動増幅回路
    の二つの信号入力端子のうち非反転入力端子に接続され
    た第1のダイオード回路と、 前記信号出力端子と基準電位端子の間に第2及び第3の
    抵抗と前記第1のダイオードより順方向電圧降下の小さ
    い第2のダイオードを直列接続して構成されて前記第2
    の抵抗と第3の抵抗の接続ノードが前記差動増幅回路の
    二つの信号入力端子のうち反転入力端子に接続された第
    2のダイオード回路とを備えたことを特徴とする基準電
    圧発生回路。
  6. 【請求項6】 前記第2のダイオード回路は、複数のP
    N接合が並列接続されてなるものであることを特徴とす
    る請求項5記載の基準電圧発生回路。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003066904A (ja) * 2001-08-22 2003-03-05 Asahi Kasei Microsystems Kk ディスプレイパネル駆動回路
JP2003066906A (ja) * 2001-08-24 2003-03-05 Asahi Kasei Microsystems Kk ディスプレイパネル駆動回路
US7342390B2 (en) 2006-05-01 2008-03-11 Fujitsu Limited Reference voltage generation circuit
JP2011081517A (ja) * 2009-10-05 2011-04-21 Toppan Printing Co Ltd バンドギャップリファレンス回路及びこれを備えるadコンバータ、並びに、バンドギャップリファレンス回路の調整方法

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