JPH11143366A

JPH11143366A - 商品情報記録媒体

Info

Publication number: JPH11143366A
Application number: JP30472497A
Authority: JP
Inventors: Masayuki Ueda; 正幸上田; Yutaka Ogawa; 豊小川
Original assignee: ISHIDA AITESU KK
Current assignee: ISHIDA AITESU KK
Priority date: 1997-11-06
Filing date: 1997-11-06
Publication date: 1999-05-28

Abstract

(57)【要約】【課題】商品を提供する側及び商品を購入する側に対
して、環境問題への取組みを具体的に評価できる商品情
報を提供できるようにする。【解決手段】原材料の採取から廃棄に至る全ライフサ
イクルにわたるライフサイクルアセスメント（ＬＣＡ）
を数値化した環境負荷値（ＬＣＡ値）も商品情報として
商品情報記録媒体に記録する。例えば、ラベル１におい
て商品名欄２といった種々の項目欄に続けてＬＣＡ値欄
８を配する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、商品購入者に商
品名、価格等の販売商品に関する情報を提供するラベル
や、購入した商品名や購入金額、購入日時等を記録して
購入商品に関する情報を提供するレシートといった商品
情報記録媒体に関する。

【０００２】

【従来の技術】流通業界においては、店頭で販売される
商品の商品名や価格、原材料名等の内容を表示するとと
もに、消費者の購買意欲を喚起するような販促メッセー
ジ、更にはＰＯＳシステムに対応するバーコード等が印
字された商品ラベルを貼付して商品の情報化を進めてい
る。

【０００３】消費者ニーズの多様化、個性化による商品
アイテムの増加や販促意識の高まりに伴ってかかるラベ
ルの役割が益々高まっており、昨今の健康ブームや自然
食嗜好の高まりから、食品については、商品内容のみな
らず、カロリー表示や食品衛生法による食品添加物、製
造年月日、賞味期限等の情報もラベルに表示されるよう
になっている。

【０００４】また、商品を購入した際には、スーパーマ
ーケットや小売店などのレジに設置されたレシート発行
装置によってレシートが発行されている。レシートに
は、商品を購入した店名や購入日時、購入品目や購入
額、預り金額や釣銭といった情報が記載されている。

【０００５】このようなレシートには、販売促進の経営
戦略から、会員顧客に対して購入額に合わせて発行した
ポイントを記録し、累計ポイントに応じて会員割引や特
別のサービスを受けることが出来るようにして固定客の
拡大を図っているものが多い。また、会員に対するメッ
セージを表示するなどして他店との差別化を図れるよう
に様々な運営が行われている。

【０００６】このように、商品の品質表示など商品に関
する情報を提供したり、販売店にとっては販売促進を図
りつつ顧客との結びつきを強固にしたり、顧客にとって
は購入の記録となる情報を提供しうる商品情報記録媒体
には、上記したラベルやレシートの紙媒体以外にも、磁
気カードやＩＣカードを使用するなどして、一層提供す
る情報を多様化させ豊富にするとともに、情報伝達をス
ムースに行えるようにしている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上記したように、ラベ
ル、レシート等の商品情報記録媒体は、商品の生産、流
通、消費という商品サイクルにあって、生産業者並びに
流通業者と消費者を商品販売と購入の場面で結び付ける
重要な役割を果たしてきた。しかしながら、近年の大量
生産、大量消費の経済社会システムとライフスタイル
は、大量廃棄という環境問題を招来しており、廃棄物等
による都市・生活型環境問題を顕在化させている。

【０００８】このため、従来のような商品の生産、流
通、消費という商品サイクルに商品の廃棄という段階を
含め、廃棄から再生産に結び付けていくリサイクルの流
れを法的に設けることにより、かかる問題の解決に行政
も取り組むようになってきている。また、消費者におい
ても、かかる環境問題を考慮した消費行動が求められて
いるが、加工度の高い昨今の商品について環境に配慮し
たものかどうかの判断は極めて困難なものといわざるを
得ない。エコラベルといったものが商品に貼付され、そ
の判断の目安とされつつあるが、未だ充分に機能してい
ないのが現状である。

【０００９】他方、製品製造側の企業においても、いわ
ゆる国際標準化機構（ＩＳＯ）で正式に規格された環境
管理規格ＩＳＯ-14000シリーズへの取組みが行われつつ
あるが、具体的な運営についてはその端緒についたばか
りである。また、環境対応商品の評価についても基礎的
な議論が国際的な場で進められているのが現況である。

【００１０】そこでこの発明は、かかる現況を考慮し
て、従来の商品サイクルにおいて一定の役割を果たして
きた商品情報記録媒体を更に見直し、商品を提供する側
および商品を購入する側に対して、環境問題への取組み
を具体的に評価できる商品情報を提供できるようにする
ことを課題とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの第１の商品情報記録媒体は、商品名、価格、製造年
月日、内容量等の販売商品に関する情報若しくは商品
名、購入金額、預り金額、釣銭、購入日時等の購入商品
に関する情報を記録した商品情報記録媒体であって、各
商品について数値化された環境負荷値も商品情報として
記録したことを特徴としている。

【００１２】上記の第１の商品情報記録媒体によれば、
商品に関して数値化された環境負荷値、いわゆる二酸化
炭素に換算したライフサイクルアセスメント値（以下Ｌ
ＣＡ値という）が記録されているので、販売者側にとっ
ては環境へ配慮した商品を提供していることを積極的に
アピールすることができ、購入者側にとっては商品を購
入する際に環境への負荷を考慮した購買動機を発揮する
ことができる。

【００１３】上記の課題を解決するための第２の商品情
報記録媒体は、上記の第１の商品情報記録媒体であっ
て、記録媒体がラベルであり、品質表示等の他の記録項
目とは異なる色で環境負荷値が印字記録されることを特
徴としている。

【００１４】上記の第２の商品情報記録媒体によれば、
記録媒体がラベルであって、品質表示等の他の記録項目
とは異なる色で環境負荷値が印字記録されているため、
商品購入者にとっては、購入商品が環境に配慮されたも
のかを客観的に判断しやすくなり、購買動機を環境価値
に基づいて決定することができる。

【００１５】上記の課題を解決するための第３の商品情
報記録媒体は、上記の第１の商品情報記録媒体であっ
て、記録媒体がレシートであり、購入された各商品の購
入金額とともに環境負荷値も累計して印字記録されるこ
とを特徴としている。

【００１６】上記の第３の商品情報記録媒体によれば、
購入された各商品の購入金額とともに環境負荷値も累計
して印字記録されるので、かかる記録を通算するなどの
処理を行えば、消費者としての環境問題を意識した購入
実績が残せているかといった判断を客観的に行うことが
出来るようになる。

【００１７】

【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を図面を参
照しながら説明する。図１は、この発明に係る商品情報
記録媒体がラベルとして構成された場合の一例を示す図
で、この実施例のラベル１は、対象商品がプリンタとし
て構成されており、そのラベル上には、同図に示すよう
に種々の項目欄が配され、各項目欄に所定事項が記載さ
れている。

【００１８】一番上の欄には、商品名欄２が配されてい
る。商品名欄には当該商品の名前が記載されている。本
実施例では「プリンタ」と記載されている。

【００１９】商品名欄２の下には、価格欄３が配されて
おり、当該商品の価格が記載されている。本実施例では
「１２０，０００円」と記載されている。

【００２０】以下順次、品番欄４、重量欄５、寸法欄
６、機能欄７が配されており、品番欄４には「ＹＴ−１
２」と記載され、重量欄５には「１２．５ｋｇ」と記載
され、寸法欄６には「５３０（幅）×３２５（奥行）×
２４０(高さ)」と記載され、機能欄７には「文字デー
タ、数字データ、日付データ、バーコードデータ、記号
データ」と記載されている。

【００２１】機能欄７の下にはＬＣＡ値欄８が配されて
いる。ＬＣＡ値は、原料の採取、製品の製造、消費、廃
棄に至るまでの製品全ライフサイクルにわたるアセスメ
ントを行い、使用資源及びエネルギー、水及び大気への
汚染物、廃棄物並びにその他の化学物質を含め、いわゆ
る環境負荷をＣＯ₂換算して数値化したものである。Ｌ
ＣＡ値欄８には、かかるＬＣＡ値が上記した他の項目欄
に印字記載された色とは異なる色で記載されている。

【００２２】従って、消費者はこのラベル１によって当
該商品の品質等の情報を得るとともに、表示されたＬＣ
Ａ値に基づいて当該商品の環境への影響度合いを具体的
に把握することができ、自らの購買動機の指標とするこ
とが出来る。販売者にとっては、ラベル１にかかる表示
を行うことにより、商品の環境価値としてのアピールを
積極的に訴えることができ、また消費者への啓蒙活動を
実践できる。

【００２３】図２は、この発明に係る商品情報記録媒体
がレシートとして構成された場合の一例を示す図で、こ
の実施例のレシート1０は、同図に示すような種々の記
載欄が配され、各記載欄に所定事項が記載されている。

【００２４】一番上には発行店名欄１１が配されてい
る。発行店名欄１１にはレシート１０を発行した店の名
前が記載されている。本実施例では「△△ストアー」と
記載されている。発行店名欄１１の下にはレシート発行
番号欄１２及び発行時点欄１３が配されている。レシー
ト発行番号欄１２にはレシート１０を特定するための番
号が記載されており、発行時点欄１３にはレシート１０
が発行された時点が記載されている。

【００２５】レシート発行番号欄１２及び発行時点欄１
３の下には、購入商品明細欄１４が配されている。購入
商品明細欄１４には、購入された商品名を記載した商品
名欄１５、各商品の購入額を記載した購入額欄１６が配
されており、購入商品明細欄１４の下には、合計購入額
を記載した合計欄１７、預り金額を記載した預り金額欄
１８、釣銭額を記載した釣銭額欄１９が順次配されてい
るとともに、上記した各購入額欄１６の下には、各商品
について数値化されたＬＣＡ値を記載するＬＣＡ値欄２
０が配されている。

【００２６】また、レシート１０の最下部には、購入さ
れた商品のＬＣＡ値の合計が、他の欄の印字記載された
色とは異なる色で記載される合計ＬＣＡ値欄２１が配さ
れている。この合計ＬＣＡ値欄２１は、今回購入商品に
ついての合計ＬＣＡ値と、今回ＬＣＡ値を含み今回購入
までの購入商品についてのＬＣＡ値を累計する累計欄を
設ける場合もある。

【００２７】このように、本実施例のレシート１０によ
れば、消費者は購入額の明細に併せて購入商品のＬＣＡ
値も記載され、しかもその合計金額と合計ＬＣＡ値を一
見して把握することできるように記載されている。ＬＣ
Ａ値を商品の購入に応じて累計して記載する場合には、
所定期間を通じて、環境価値との関係から消費者が自ら
の消費動向を客観的に把握することができるようにな
る。

【００２８】例えば、今後の行政側の措置により、ＬＣ
Ａ値がこの値に基づいて商品を廃棄回収する際のコスト
計算の指標となる場合には、単に購入時の商品金額だけ
でなく、廃棄処理も含めた購入コストの判断材料となる
ので、より消費者に対して環境問題を考慮した購入動機
の促進を図ることができるようになる。また、ＣＯ₂の
削減を数値目標化する場合に、併せていわゆる環境税の
導入が実施されるとすると、年間を通じての環境に配慮
した消費動向に応じてかかる累計ＬＣＡ値に基づいて課
税額の算出を行うことも可能となる。

【００２９】上記した実施例では、従来型の商品情報記
録媒体であるラベル及びレシートについて説明したが、
消費者の購入と支払を例えばキャッシュレスに対応でき
るようにしたＩＣカード等の記録媒体についても適用す
ることができ、累計値に基づいたサービスや一定の措置
を受ける場合には、計算機システムと連動させて使用す
ることにより、よりスムースな対応が図れることにな
る。

【００３０】また、かかるＬＣＡ値を商品情報として提
供することにより、商品を製造する側若しくは流通させ
る側にとっても環境影響評価を具体的かつ客観的に実施
でき、法的規制が及ぶ場合でも環境管理を確実に行える
ので、ＩＳＯ-14000シリーズの取得も容易になる。

【００３１】このように、本発明に係る商品情報記録媒
体によれば、ＬＣＡ値の社会における認知度を高めて、
消費者の環境問題に対する意識の向上を図ることがで
き、消費者への啓蒙として機能することにより、消費者
はＬＣＡ値の優れた商品を選択するようになる。また、
ＬＣＡ値を商品に関する情報として提供することによ
り、ＬＣＡ値が品質の一つとして商品選択の基準として
も機能するようになる。

【００３２】

【発明の効果】上記説明から明らかなように、この発明
の商品情報記録媒体によれば、数値化された環境負荷値
を商品情報として消費者に認知させ、消費動機の選択基
準にすることができ、消費者に対して環境問題を啓発す
ることができるとともに、資源を保護し、循環型社会を
築くことによる持続可能な経済発展に寄与することがで
きる。

【００３３】また、数値化された環境負荷値を消費動向
に合わせて累計処理することもできるので、ＣＯ₂の削
減を数値目標化して、いわゆる環境税等の導入を実施し
た場合に、累計された環境負荷値に基づき、年間を通じ
て環境に配慮した消費に応じうる課税額の算出が可能と
なる。

【００３４】さらに、環境負荷値を商品情報として提供
することにより、商品を製造する側若しくは流通させる
側にとっても環境影響評価を具体的かつ客観的に実施で
き、環境管理を確実に行うことができるので、ＩＳＯ14
000シリーズの取得も容易になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第1の実施例であるラベルの構成を
示す図である。

【図２】この発明の第2の実施例であるレシートの構成
を示す図である。

【符号の説明】

１ラベル１０レシート

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】商品名、価格、製造年月日、内容量等の
販売商品に関する情報若しくは商品名、購入金額、預り
金額、釣銭、購入日時等の購入商品に関する情報を記録
した商品情報記録媒体であって、各商品について数値化された環境負荷値も商品情報とし
て記録したことを特徴とする商品情報記録媒体。
【請求項２】記録媒体がラベルであって、品質表示等
の他の記録項目とは異なる色で環境負荷値を印字記録し
たことを特徴とする請求項１記載の商品情報記録媒体。
【請求項３】記録媒体がレシートであって、購入され
た各商品の購入金額とともに環境負荷値も累計して印字
記録したことを特徴とする請求項１記載の商品情報記録
媒体。