JPH11139107A - 空気入りタイヤ - Google Patents
空気入りタイヤInfo
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- JPH11139107A JPH11139107A JP9271066A JP27106697A JPH11139107A JP H11139107 A JPH11139107 A JP H11139107A JP 9271066 A JP9271066 A JP 9271066A JP 27106697 A JP27106697 A JP 27106697A JP H11139107 A JPH11139107 A JP H11139107A
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Abstract
リカリッチのトレッドゴムを具備する空気入りタイヤ、
特には乗用車用空気入りタイヤにおいて、トレッド踏面
の応力歪みを生ずることなく押出し生産性を高める。 【解決手段】 シリカ多量配合系ゴム層を少なくとも表
面部に有するトレッドを備える空気入りタイヤにおい
て、トレッドの外表面から底部へ連なり周方向に連続す
る少なくとも1本の導電性ゴム層3が配設され、タイヤ
横断面における該導電性ゴム層の断面積Aと上記シリカ
多量配合系ゴム層の断面積Bとの比(A/B)が0.0
2〜0.10の範囲内である。
Description
導電性ゴム層を配置したシリカ多量配合系(以下「シリ
カリッチ」と略記する)トレッドゴムを具備する空気入
りタイヤ、特には乗用車用空気入りタイヤの押出し生産
性の改良に関する。
ッドゴムにカーボンブラックが適量含まれており、タイ
ヤの電気抵抗に関する問題や帯電量の蓄積に関する問題
は存在し得なかった。しかしながら、近年環境問題が大
きく取り上げられ、低燃費化への動きが加速されてい
る。低燃費化、即ち転がり抵抗の低減をトレッドゴムの
改良により達成するためには、ヒステリシスロスを発生
させる原因となるカーボンブラックを減らす必要があ
り、今日では低燃費性能に優れたトレッドゴムとして、
カーボンブラックの配合量を減らしてシリカを含有した
トレッドゴムが注目され、タイヤの運動性能と低燃費性
能とを高い水準で両立させるために、特にキャップ/ベ
ース構造を有する空気入りラジアルタイヤにおいて、シ
リカ多量配合ゴムをキャップ層のゴムに使用するケース
が増加する傾向にある。その結果、電気抵抗に関する問
題および帯電量の蓄積に関する問題が新たに浮上してき
ている。
ば、欧州特許第658 452号明細書に開示されてい
るように、導電性ゴム層をトレッドの幅方向中央部にト
レッド表面からトレッド下層ゴムまで挟み込む手法が知
られている。
トレッドを押出す場合、トレッド踏面の応力歪みを避け
る必要性があることから該導電性ゴム層は極力薄ゲージ
で配置することが必要である。しかしながら、かかる導
電性ゴム層は、同時に押出される他のゴムとの容積比が
極めて小さくなることから押出し速度が大幅に低下し、
生産性の低下は避けられなかった。即ち、従来、導電性
ゴム層を有するトレッドを押出す場合、該導電性ゴム層
のトレッド幅方向の厚さは0.1〜3mm程度としてい
るが、この場合、該導電性ゴム層を配置せずに押出す場
合に比し押出し速度が約半減する。ここで、導電性ゴム
層の厚みを増せば、即ち3mmを超えれば押出し速度は
高まるが、走行時の応力歪みで導電性ゴム層とトレッド
ゴムとの間に剥離が発生してしまう。
導電性ゴム層を配置したシリカリッチのトレッドゴムを
具備する空気入りタイヤ、特には乗用車用空気入りタイ
ヤにおいて、トレッド踏面の応力歪みを生ずることなく
押出し生産性を高めることにある。
解決すべく、トレッド踏面における導電性ゴムのトレッ
ド幅方向の厚みを一定範囲に維持しながら該導電性ゴム
層の容積を増す方法として、その配置、形状につき鋭意
検討したところ、同時に押出される他のゴムとの容積比
を適正化することにより上記目的を達成し得ることを見
出し、本発明を完成するに至った。
トレッドを備える空気入りタイヤにおいて、トレッドの
外表面から底部へ連なり周方向に連続する少なくとも1
本の導電性ゴム層が配設され、タイヤ横断面における該
導電性ゴム層の断面積Aと上記シリカリッチゴム層の断
面積Bとの比(A/B)が0.02〜0.10の範囲内
であることを特徴とする空気入りタイヤである。
導電性ゴム層のトレッド外表面における幅方向の厚みが
0.1mm〜3mmである空気入りタイヤである。
導電性ゴム層の厚みが半径方向下方部で上方部より厚く
形成されている空気入りタイヤである。
導電性ゴム層がタイヤ横断面において千鳥状に屈折した
通電路を形成してなる空気入りタイヤである。
導電性ゴム層がタイヤ横断面においてタイヤ赤道面に対
して傾斜している空気入りタイヤである。
トレッドが導電性ゴム層により幅方向に少なくとも2分
割された空気入りタイヤである。
トレッドが、表面部に上記シリカ多量配合系ゴム層のキ
ャップゴム層と、その半径方向下方にベースゴム層とを
備える2層構造である空気入りタイヤである。
トレッド部の両ウイングにミニサイドゴム層を備える空
気入りタイヤである。
ける該導電性ゴム層の断面積Aと上記シリカリッチゴム
層の断面積Bとの比(A/B)は、上記キャップ/ベー
ス構造の場合やトレッド部の両ウイングにミニサイドゴ
ム層を備える場合においても、ベースゴム層やミニサイ
ドを断面積Bには含めないものとする。
ゴム組成物に使用するジエン系ゴムは、スチレンブタジ
エンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)または天
然ゴム(NR)の少なくとも1種を含むことが耐久性の
観点より好ましい。
は、窒素吸着比表面積(N2SA)が130m2/g以
上でかつジブチルフタレート吸油量(DBP)が110
ml/100g以上のカーボンブラックを使用すること
が好ましい。このゴム組成物では、かかる小粒径でかつ
高ストラクチャーのカーボンブラックを使用すること
で、通電経路を形成するゴム層の耐久性を向上させ、タ
イヤの走行末期まで帯電防止効果を発揮し得るようにす
る。ここでN2SAはASTM D3037−89に、
またDBPはASTM D2414−90に夫々準拠し
て求められる値である。
系ゴム100重量部に対して40重量部未満では補強性
が十分ではなく、一方100重量部を超えると軟化剤が
少ない場合には加硫後に硬くなり過ぎ、割れ等が発生
し、また軟化剤が多い場合には耐摩耗性が低下する。な
お、カーボンブラック以外の配合剤としては、ゴム製品
において通常用いられる配合剤、例えば加硫剤、加硫促
進剤、加硫促進助剤、軟化剤、老化防止剤等が通常用い
られる配合量にて適宜配合されている。
黄硬化後の固有抵抗値が106Ω・cm以下のゴムセメ
ント層または導電性シートからなることが好ましい。こ
こでゴムセメント層は、水を溶媒として用いることも可
能であるが、有機溶媒をベースに得るのが品質安定上好
ましい。有機溶媒としては、ヘキサン、石油エーテル、
ヘプタン、テトラヒドロフラン(THF)、シクロヘキ
サン等を挙げることができ、好ましくはヘキサンを挙げ
ることができる。
いて具体的に説明する。図1に示す本発明の空気入りタ
イヤの好適例では、トレッド部が、接地部にシリカリッ
チのキャップゴム層1と、その半径方向下方にシリカ配
合系のゴムからなるベースゴム層2とからなり、トレッ
ド部の両ウイングにミニサイドゴム層4を備える。この
キャップゴム層1は、シリカリッチとすることにより固
有抵抗値は108Ω・cm以上となる。また、ベースゴ
ム層3は、湿潤路面での運動性能と低燃費性能とを高い
水準で両立させるため、やはり同様にシリカ配合系のゴ
ムが用いられている。かかるトレッド部は、キャップゴ
ム層1からベースゴム層2に至るまでタイヤ幅方向に2
分割され、この分割部に導電性ゴム層3が周方向に屈折
して配置され、これによりタイヤ横断面における導電性
ゴム層の断面積Aとシリカリッチゴム層の断面積Bとの
比(A/B)が0.02〜0.10の範囲内に納まるよ
うにしてある。この比が0.02未満であると押出し生
産性の改善効果が期待できず、一方0.10を超える
と、シリカ配合系のトレッドの特徴であるタイヤの運動
性能と低燃費性能とを高い水準で両立させることが困難
となる。
ゴム層1と、その半径方向下方のベースゴム層2ともに
電気抵抗が高く帯電し易いため、電気抵抗の低い導電性
ゴム層3がトレッド下部のベルト層から接地面まで存在
することで、放電を生じさせ、帯電防止を図っている。
また、トレッド踏面における導電性ゴム層のトレッド幅
方向の厚みを増すことなく導電性ゴム層3の断面積を増
大させたことにより、該導電性ゴム層3の押出し速度を
高めることができ、製造上有利である。さらに、トレッ
ドとの接着面積が増大することにより剥離を防止するこ
とができる。
レッド外表面における幅方向の厚みが0.1〜3mmで
あることが好ましい。この幅が0.1mm以上であれば
通電路形成として十分であり、また、3mm以下であれ
ばトレッド踏面の応力歪みを生じてトレッドゴムと導電
性ゴム層との境界面から剥離を生ずることもなく、また
タイヤの転がり抵抗が悪化することもない。
を図2〜7に示す。図2においては、前記と同様のキャ
ップ/ベース構造のトレッドのタイヤ幅方向断面におい
て、導電性ゴム層3がタイヤ赤道面に対して傾斜して配
置されている。図3においては、同トレッドのタイヤ幅
方向断面において、導電性ゴム層3がV字状に配置され
て放電路を形成している。図4においては、同トレッド
のタイヤ幅方向断面において、導電性ゴム層3によりト
レッドがタイヤ幅方向に4分割されている。この場合、
3本の導電性ゴム層3のトレッド幅方向の厚みt1、t
2およびt3は、互いに異なっても、全て同一でも、あ
るいは1本だけ異なっていてもよい。図5においては、
同トレッドのタイヤ幅方向断面において、導電性ゴム層
3がS字状に配置されて放電路を形成している。図6お
よび図7においてはともに、導電性ゴム層3が周方向に
一本配設され、その厚みが半径方向下方部で上方部より
厚く形成されている。
好適例では、キャップ/ベース構造を有する空気入りタ
イヤのベースゴム層2が導電性ゴム層3と同様にシリカ
系ではない導電性ゴムであり、この場合は導電性ゴム層
3はトレッド外表面からベースゴム層3まで連なり周方
向に連続する。なお、ベースゴム層2が導電性ゴム層3
と同じゴムであってもよい。
き具体的に説明する。下記の表1〜3に示す配合処方に
従い、空気入りラジアルタイヤのキャップゴム層、ベー
スゴム層および導電性ゴム層に用いるゴム組成物を夫々
調製した。
ゴム組成物および導電性ゴム層用ゴム組成物を用いて、
図1に示す構造の空気入りラジアルタイヤ(サイズ20
5/60R15)を試作した。このタイヤは、タイヤ横
断面における導電性ゴム層3の断面積Aとキャップゴム
層1の断面積Bとの比(A/B)が0.10である。ま
た、導電性ゴム層のトレッド外表面における幅方向の厚
みは1.0mmである。
ップゴム層Bの断面積Bとの比(A/B)を0.02と
した以外は実施例1と同様にして空気入りラジアルタイ
ヤを試作した。
物および導電性ゴム層用ゴム組成物を用いて、図9に示
す構造の空気入りラジアルタイヤ(サイズ205/60
R15)を試作した。このタイヤは、タイヤ横断面にお
ける導電性ゴム層3の断面積Aとキャップゴム層1の断
面積Bとの比(A/B)が0.01である。また、導電
性ゴム層のトレッド外表面における幅方向の厚みは0.
5mmである。
の押出し速度を従来例を100として指数表示し、数値
が大きい程生産性が良好であることを示す。得られた結
果を下記の表4に示す(表4)
および実施例1、2ともに同程度の走行耐久性が得られ
た。
めに導電性ゴム層を配置したシリカリッチのトレッドゴ
ムを具備する本発明の空気入りタイヤにおいては、導電
性ゴム層と同時に押出される該シリカリッチのゴムとの
容積比を適正化したことにより、トレッド踏面の応力歪
みを生ずることなく押出し生産性を高めることができ
る。
式的に示す断面図である。
を模式的に示す断面図である。
ド部を模式的に示す断面図である。
ド部を模式的に示す断面図である。
ド部を模式的に示す断面図である。
ド部を模式的に示す断面図である。
ド部を模式的に示す断面図である。
ド部を模式的に示す断面図である。
ッド部を模式的に示す断面図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 シリカ多量配合系ゴム層を少なくとも表
面部に有するトレッドを備える空気入りタイヤにおい
て、トレッドの外表面から底部へ連なり周方向に連続す
る少なくとも1本の導電性ゴム層が配設され、タイヤ横
断面における該導電性ゴム層の断面積Aと上記シリカ多
量配合系ゴム層の断面積Bとの比(A/B)が0.02
〜0.10の範囲内であることを特徴とする空気入りタ
イヤ。 - 【請求項2】 上記導電性ゴム層のトレッド外表面にお
ける幅方向の厚みが0.1mm〜3mmである請求項1
記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項3】 上記導電性ゴム層の厚みが半径方向下方
部で上方部より厚く形成されている請求項1記載の空気
入りタイヤ。 - 【請求項4】 上記導電性ゴム層がタイヤ横断面におい
て千鳥状に屈折した通電路を形成してなる請求項1記載
の空気入りタイヤ。 - 【請求項5】 上記導電性ゴム層がタイヤ横断面におい
てタイヤ赤道面に対して傾斜している請求項1記載の空
気入りタイヤ。 - 【請求項6】 上記トレッドが導電性ゴム層により幅方
向に少なくとも2分割されている請求項1記載の空気入
りタイヤ。 - 【請求項7】 上記トレッドが、表面部に上記シリカ多
量配合系ゴム層のキャップゴム層と、その半径方向下方
にベースゴム層とを備える2層構造を有する請求項1記
載の空気入りタイヤ。 - 【請求項8】 上記トレッド部の両ウイングにミニサイ
ドゴム層を備える請求項1〜7のうちいずれか一項記載
の空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP9271066A JPH11139107A (ja) | 1997-09-02 | 1997-10-03 | 空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP23690297 | 1997-09-02 | ||
JP9271066A JPH11139107A (ja) | 1997-09-02 | 1997-10-03 | 空気入りタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11139107A true JPH11139107A (ja) | 1999-05-25 |
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ID=26532937
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9271066A Pending JPH11139107A (ja) | 1997-09-02 | 1997-10-03 | 空気入りタイヤ |
Country Status (1)
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