JPH11138830A - インクジェットプリント装置 - Google Patents

インクジェットプリント装置

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JPH11138830A
JPH11138830A JP31405597A JP31405597A JPH11138830A JP H11138830 A JPH11138830 A JP H11138830A JP 31405597 A JP31405597 A JP 31405597A JP 31405597 A JP31405597 A JP 31405597A JP H11138830 A JPH11138830 A JP H11138830A
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JP
Japan
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ink
blade
cap
ink jet
print head
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Application number
JP31405597A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Totsugi
俊彦 戸次
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャップを開放した状態でキャップとインク
ジェットヘッドの吐出口面との間でブレードを移動させ
ることで吐出口面のワイピングを行うインクジェットプ
リント装置において、ブレードに付着したインクの好ま
しくない滴下、例えばキャップ内への滴下を防止する。 【解決手段】 キャッピングの動作およびワイピングの
動作を一連のシーケンスにおいてずらせて実行させる構
成において、キャップがキャッピング位置にあってブレ
ードが退避位置にあるときにブレードと接触してこれを
清浄にする吸収体100をキャップ位置設定手段(アー
ム28)に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェットプリ
ント装置に関し、特にインクジェットプリントヘッドの
インク吐出性能を回復ないしは良好に保つための回復装
置の改良を図ったものである。
【0002】
【従来の技術】従来、紙、布、プラスチックシート、O
HP用シートなどのプリント媒体(以下、単に「記録
紙」ともいう)に対してプリントを行うプリント装置
は、種々のプリント方式、例えばワイヤードット方式、
感熱方式、熱転写方式、またはインクジェット方式によ
るプリントヘッドを搭載可能な形態として提案されてい
る。
【0003】そのようなプリント装置の中で、吐出口
(ノズル)からインクを吐出させて記録紙上にプリント
を行うインクジェットプリント方式のプリント装置(以
下、インクジェットプリント装置ともいう)は低騒音な
ノンインパクト型のプリント方式であり、高密度かつ高
速なプリント動作を行うことが可能である。
【0004】一般にインクジェットプリント装置はプリ
ントヘッドを搭載するキャリアを駆動する手段と、記録
紙を搬送する搬送手段と、これらを制御するための制御
手段とを備えている。
【0005】一方、プリントヘッドの吐出口からインク
を吐出するために利用されるエネルギを発生するエネル
ギ発生素子としては、ピエゾ素子などの電気機械変換体
を用いたもの、レーザなどの電磁波を照射して発熱さ
せ、この発熱による作用でインク滴を吐出させるもの、
あるいは発熱抵抗体を有する電気熱変換体素子によって
液体を加熱させるものなどがある。
【0006】その中でも熱エネルギを利用してインクを
滴として吐出させる方式のインクジェットプリント方式
のプリントヘッドは、吐出口を高密度に配列することが
できるため高解像度のプリントをすることが可能であ
る。その中でも電気熱変換体素子をエネルギ発生素子と
して用いたプリントヘッドは、小型化も容易であり、か
つ最近の半導体分野における技術の進歩と信頼性の向上
が著しいIC技術やマイクロ加工技術の長所を十分に活
用して製造でき、高密度実装化が容易で製造コストも廉
価なことから、有利である。
【0007】上述のように、インクジェットプリント方
式は簡単な構成からなる極めて優れたプリント方式であ
るが、一方解決すべき問題も存在する。
【0008】問題の一つは、プリント媒体に対向するプ
リントヘッドの吐出口が設けられた面(以下吐出口面と
いう)の吐出口回りの汚れである。当該汚れの原因とし
ては主に2つほどある。1つは、プリントを行うために
吐出したインクはプリント用紙に当たり、その一部が記
録紙に付着せずに跳ね返ったり、インクを吐出する際に
プリントに関与する主なインクの他に微小なインク滴が
吐出されて雰囲気中に漂ったりすることがあるが、これ
らのインクが吐出口面に付着することで発生する。
【0009】もう1つは、吐出口の目詰まりの防ぐため
に回復動作として吐出口面にキャップを被せてノズル内
のインクを吸引した後にキャップを離す処理に関連して
発生するものであるが、当該処理に伴って吐出口面にイ
ンク滴が残留することである。これは、吸引動作を行う
ことでキャップ内にインクが充填された状態となり、そ
の状態でキャップを吐出口面からキャップを離すと吐出
口面に接触していたインクが吐出口面に残ってしまうか
らである。これを防ぐためには吐出口面に撥液処理を施
せばよいが、それでもインク残留を完全に無くすことは
難しい。
【0010】また、吐出口からの吸引動作後にキャップ
を吐出口面から離した際にキャップ内に残留しているイ
ンクを抜き取るために、多孔質の樹脂や不織布でできた
薄板状の吸収体をキャップ内に装着するという工夫がな
されている。吸収体がないと、キャップ内インクを排除
するためにキャップを開けた状態で吸引動作を行った場
合、キャップ内の排出口の直近のインクのみが吸引され
て回りのインクが残るからである。すなわち、吸収体を
設けておけば負圧が緩やかに作用するためにキャップ内
のインクが均等に吸い出されていくからである。
【0011】さて、吐出口近傍に不要なインク滴が付着
すると、インク吐出方向が正規の方向からずれる所謂
「ヨレ」や、吐出できなくなる「不吐出」などの不都合
が生じ、プリント品位を劣化させる原因ともなる。
【0012】かかる問題の解決手段として、吐出口面を
ゴム等の弾性部材で構成された払拭部材としてのブレー
ド(もしくはワイパーともいう)で拭う方式(以下、
「ワイピング」ともいう)が採用されることが多い。ワ
イピングの手法としては、静止させたブレードに対して
プリントヘッドを走査することにより吐出口面を接触さ
せるものや、プリントヘッドを静止させた状態でブレー
ドに並進もしくは回動を行わせて吐出口面に接触させる
ものなどがある。
【0013】ここで、必要以上にブレードとプリントヘ
ッドとが接触することを防ぐ目的で、前者の場合には例
えばブレードをプリントヘッドに向けて突出可能に支持
し、プリントヘッドの一方向の走査時にのみ突出位置に
設定し、他方向の走査時には後退位置に設定するように
構成することが可能である。また、後者の場合には、主
走査方向と直交する方向に延在するブレードを並進往復
動もしくは回動往復動可能にするとともに、プリントヘ
ッドをブレード走査位置に対して適切に出し入れするよ
うになし、例えば往復動の往動作時にのみワイピングを
行う場合には当該位置にプリントヘッドを設定し、復動
作の際にはプリントヘッドを当該位置から離隔させるよ
うにすることができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ブレードで吐出口面を拭うことによって吐出口面に付着
したインクを除去した場合、ブレードに付着したインク
等が好ましくない部位に滴下する等して思わぬ不都合を
生じることがある。例えば、下向きに配された吐出口面
からキャップを開放して両者の間の空間でワイピングを
行った場合、ブレードに付着した不要インクの溶剤や水
分が蒸発して増粘し、この増粘インクがキャップ内に滴
下するとキャッピング時にこれが吐出口面に接触して却
ってこれを汚染し、プリント性能の低下を引き起こす恐
れがある。
【0015】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であって、その目的とするところはブレードに付着した
インクを適切に処理し、好ましくない滴下等、例えばキ
ャップ内への滴下等を防止することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】そこで、上記目的を達成
するために、本発明インクジェットプリント装置は、イ
ンクジェットプリントヘッドのインク吐出口が配置され
る面のキャッピングを行うためのキャップと、前記面の
キャッピングが行われる位置と開放される位置とに前記
キャップを相対的に前記インクジェットプリントヘッド
に対して設定する手段と、前記面のワイピングを行うた
めの払拭部材と、前記キャップが前記開放位置にあると
きに前記ワイピングを行うべく前記払拭部材を前記イン
クジェットプリントヘッドに対して相対的に移動させる
とともに、前記キャッピング位置にあるときに前記払拭
部材を退避位置に設定する手段と、前記キャップ位置設
定手段に設けられ、前記キャッピング位置に前記キャッ
プを設定しているときに前記払拭部材に接触する吸収体
と、を具えたことを特徴とする。
【0017】ここで、前記キャップ位置設定手段は一端
において前記キャップを保持し他端が回動可能に支持さ
れたアーム部材を有し、前記吸収体は前記払拭部材が前
記退避位置にあるときにこれと接触する前記アーム上の
位置に設けたものとすることができる。
【0018】また、前記キャップ位置設定手段および前
記払拭部材移動手段に対し単一の駆動源からの駆動力を
伝達する伝動機構であって、前記キャッピングの動作お
よび前記払拭の動作を一連のシーケンスにおいて位相を
ずらせて実行させる伝動機構を具えることができる。
【0019】また、前記キャップにより前記インクジェ
ットプリントヘッドにキャッピングを施した状態で前記
プリントヘッドの吐出口からインクを排出させる手段を
具えることができる。
【0020】前記キャップの本体を前記面に接合してキ
ャップ内空間を密閉するべく弾性部材で形成し、前記イ
ンクを排出させる手段として、前記キャップを介して吸
引力を作用させることにより前記吐出口からインクを排
出させる手段を有するものとすることができる。
【0021】また、前記インクジェットプリントヘッド
は、インクを吐出するために利用されるエネルギとし
て、通電に応じ熱エネルギを発生する電気熱変換体を有
するものとすることができる。
【0022】ここで、前記インクジェットプリントヘッ
ドは、前記電気熱変換体より印加される熱エネルギによ
ってインクに生じる膜沸騰を利用して、前記吐出口から
インクをプリント媒体に向けて吐出させるものとするこ
とができる。
【0023】なお、本明細書において、「プリント」お
よび「記録」とは、文字,図形等有意の情報を形成する
場合のみならず、広く画像,模様,パターン等を媒体上
に形成(プリント)する場合も言うものとする。また、
「プリント媒体」とは、一般的な記録装置で用いられて
いる紙のみならず、広く布,プラスチックフィルム,金
属板等、ヘッドによって吐出されるインクや加工剤その
他のプリント剤を受容可能なものも言うものとする。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を詳
細に説明する。
【0025】(装置の概要)図1は本発明の一実施形態
に係るインクジェットプリント装置(符号1で参照され
る)の全体構成例を示す概略斜視図である。キャリア2
には、プリント手段を構成するプリントヘッド3(後述
するインクタンク4の裏側にあり、図1には示されてい
ない)とインクタンク4とを有するヘッドカートリッジ
5が着脱自在に搭載されている。このキャリア2はフレ
ーム6に両端部が固定され互いに平行に配置されたガイ
ドシャフト7とガイドレール8とによってその軸方向に
摺動可能に支持されている。キャリア2は不図示のベル
ト駆動装置とステッピングモータ等の回転駆動源により
往復駆動される。
【0026】プリント用紙Pは搬送ローラ9とこれに当
接するピンチローラ(不図示)とによって挟持搬送され
る。なお、プリント機構に対しての給紙はオートシート
フィーダ(ASF)10、上段カセット11または下段
カセット12から行われる。
【0027】14は回復装置であり、プリント指令の待
機中や、プリント動作の前後もしくはプリント動作中の
適宜のタイミングで、インクジェットプリントヘッドの
性能回復ないしは良好な状態に保持するための動作(キ
ャッピング、吸引、ワイピングなど)を行う。
【0028】なお、本例では、インク吐出を行わせるた
めに利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する電
気熱変換体を備え、通電に応じた熱エネルギの発生によ
り膜沸騰を伴うインクの状態変化を生起させてインク吐
出を行わせる形態のものを用いている。また、プリント
ヘッドは、色や濃度(以下色調という)を異にするイン
クに対応した個数を設けることができ、あるいはプリン
トヘッドとしては複数の色調について一体のものであっ
ても色調毎に各別の吐出部を持つものでもよい。さら
に、吐出部としては、複数の吐出口を適宜の方向に配列
したものとすることができる。
【0029】(回復装置の構成および動作)次に図2〜
図9を用いて回復装置14についてさらに詳しく説明す
る。ここで図2および図3は本例の回復装置に設けられ
たキャップ、ブレードおよびポンプ等各部の構成例およ
び動作を示す概略断面図、図4はブレードおよびブレー
ドクリーナの関係を示す概略斜視図、図5〜図9はブレ
ード駆動機構を表す概略断面図である。
【0030】まず、図2において、インクジェットプリ
ントヘッド3は紙面に直交する方向(主走査方向)に走
査される。3aは吐出口面であり、プリント媒体に対向
して複数の吐出口が開口している。15は回復装置を構
成する各部を支持するベースの一部であり、説明に必要
なところのみを図示している。
【0031】キャップカム16と、このキャップカム1
6と同軸上に設けられて一体に回転するよう構成されキ
ャップカムの適正な回転状態を担保するために制動力を
作用させるブレーキカム17とは、図3のステッピング
モータ18から減速ギア19、および遊星歯車20を含
む振り子伝達機構21を介して、カムギア22に駆動力
を伝達することによって駆動される。カムギアフラグ2
3は不図示の光学センサの遮光板として機能し、カムの
位相を知るために用いられる。
【0032】ステッピングモータ18が図3において反
時計方向に回転(逆転)駆動されると、遊星歯車20は
図中左に振れ、ポンプコロホルダ24のギア部と噛合し
てポンプコロホルダ24を回転させる。このポンプコロ
ホルダ24は、図2に示すように、ポンプコロ25を回
転可能に支持している。そしてポンプコロホルダ24の
回転に伴って、ポンプコロ25は吸引チューブ26を押
しつぶしながら自転しつつ移動する。この動作をキャッ
ピング状態で行うことでプリントヘッド3の吐出口から
インクを吸引することができる。
【0033】一方、ステッピングモータ18が図3にお
いて時計方向に回転(正転)駆動されると、遊星歯車2
0は図中右に振れ、カムギア22と噛合してこれを図中
時計回りに回転させることでキャップカム16が回転す
るが、このときキャップアームばね27で付勢されキャ
ップカム16のカムフォロアを兼ねたキャップアーム2
8が揺動することで、キャップ29がプリントヘッド3
に対して開閉する。
【0034】100はキャップアーム28上に貼着され
たアーム吸収体であり、ブレード32の下部に溜まった
インクを吸い取るために用いられる。アーム吸収体10
0は吸液性のあるものであれば、樹脂やフェルト、不織
布などの繊維体やスポンジ等の多孔質体など適宜のもの
を用いることができるが、親水処理されたメラミン樹脂
のスポンジを用いると、インクの吸い取り性能がよく、
また圧縮性に富んでいるので好適である。詳しい動作に
ついては後述する。
【0035】次にブレード32の構成および動作につい
て説明する。
【0036】図2および図3において、吐出口面3aを
拭うブレード32はブレードホルダ33に取り付けられ
ており、このブレードホルダ33は、各部を支持するベ
ース15に設けられたガイド部35に沿って、図2中の
左右方向に往復移動可能に案内される。図示の例では、
ブレード32は断面略U字形状であり、ほぼ平らな矩形
状の2枚のブレード部の各先端部がインクジェットプリ
ントヘッド3の吐出口面3aを拭ってクリーニングする
ものである。もっともこれはインクジェットプリントヘ
ッド3の形態や性能等によって1枚のブレード部のみを
有したものでもよく、さらに3枚以上のブレード部を有
したものでもよい。また、その形態についても、断面U
字形状のもののほか、他の形態、例えば複数枚のブレー
ド部を適切な間隔をおいて平行に配置したものでも良い
ことは勿論である。またブレード32は、例えば合成ゴ
ムやシリコンゴムなどのようなゴムもしくはエラストマ
ー、あるいは所要の弾性を有する適宜なプラスチック材
料など、適宜の材料を用いて製造することができる。
【0037】ブレードホルダ33は、図4に示すよう
に、キャリッジに搭載されたインクジェットプリントヘ
ッド3の数(もしくはインク色や濃度毎に設けられた所
定の吐出口群の数)に対応した個数(図示の実施例では
6個)のブレード32が装着されており、ベース15の
ガイド部35に沿って作動機構36によって矢印II方向
に往復駆動される。
【0038】図5に示すように、ブレードホルダ33を
往復動する作動機構36は、枢軸37によりベース15
に回動可能に軸支されていて一端がブレードホルダ33
に連結されたブレードアーム38と、ステッピングモー
タ18によって駆動される駆動ギア39からブレードア
ーム38に駆動力を伝達するギア機構40とから構成さ
れている。ブレードホルダ33に対するブレードアーム
38の連結は、ブレードホルダ33の長溝41と、ブレ
ードアーム33の先端部に設けられたピン42の係合に
よって行われている。
【0039】ステッピングモータ18の駆動力をブレー
ドアーム36に伝達するためのギア機構40は、概し
て、カムギア22の支持軸22Aと同軸上に配されかつ
一体に回転する駆動ギア39と、ブレードアーム36を
駆動するアイドルギア43と、ブレードアーム36の枢
軸37側の端部付近に一体的に取り付けられたギア部4
4とからなっている。ブレードアームを往動つまり図中
矢印B方向に移動させる場合は、駆動ギア39の往動用
ギア部45とギア部44の往動用ギア部46とを噛合さ
せ、これに対し復動つまり図中矢印Bと反対方向に動か
す場合は駆動ギア39の復動用ギア部47を、アイドル
ギア43を介してギア部44の復動用ギア部48と連結
させる。
【0040】さらに、ブレードアーム36側のギア部4
6および48と駆動ギア39側のギア部45および47
とは、それぞれ必要な時にのみブレードアーム36に駆
動力が伝達されるように、必要な箇所にだけギアの歯が
形成されており、駆動ギア39を矢印A方向に回転する
ことによってブレードアーム36は往復回動され、この
運動が長溝41とピン42との係合部分を介して伝達さ
れることにより、ブレード32とブレードホルダ33と
が往復平行移動する。
【0041】また、ブレード32に付着したインクを拭
ってクリーニングするためのブレードクリーナ49がほ
ぼブレード配列範囲に対応した範囲にわたって延在して
設けられており、ベース15に回動可能に支持されてい
る。すなわち図4および図5に示すように、ブレードク
リーナ49は断面が略「へ」の字形状となっており、そ
の延在範囲の両端部に軸部50が設けられていて、これ
ら軸部50がベース15の軸受部51にそれぞれ嵌合さ
れることにより、ブレードクリーナ49が回動自在に支
持される。
【0042】このようなブレードクリーナ49の回動を
制限して、ブレードクリーナ49が一方向には回動する
が、他方向には回動できないようにする目的でベース1
5にはストッパ52が設けられている。このストッパ5
2はブレードクリーナ49の突き当て部53を係止し、
矢印C′方向へのブレードクリーナ49のそれ以上の回
動を阻止する。
【0043】またブレードクリーナ49の中央部には切
り欠き部54が設けられていて、この切り欠き部54を
通してベース15からの支柱55が延在している。この
支柱55の先端部はブレードクリーナ49にそ回転中心
軸近傍において上方から当接して、細長いブレードクリ
ーナ49の中央部を回転負荷が少なくなるように支持し
ている。このために、ブレードクリーナ49の中央部の
支柱55の当接部56はリブのように先端が細くなる形
状に作られている。
【0044】また、ブレードクリーナ49がストッパ5
2に突き当たる方向に付勢するためのばね57が設けら
れている。本例ではこのばね57は螺旋が緊密なコイル
ばね(密着コイルばね)で作成されたもので、一般的な
密着コイル引張ばねの両端のばね掛け部分を除去した形
状をしている。このようなばね57はブレードクリーナ
49の中央部の支柱55の上側に載置されている。ま
た、両端部はブレードクリーナ49の壁58に設けられ
た取り付け部59に差し込まれていて、軸方向と径方向
には所定のがた以上にはばね57は動かないが、回転は
規制されていない。また、ばね57をブレードクリーナ
49の回転中心より上方に位置させることで、ブレード
クリーナを矢印C方向に回動させると取り付け部58が
支柱55のばね掛け部にほぼ対向する部位から離れて下
方に変位し、すると当初緩やかな山形の形状となってい
るばね57の山が高くなり、ばね57の変形量が増大す
るので、反力が増し、付勢力が得られる。
【0045】またブレードクリーナ49には上方へのイ
ンクの飛散を防ぐためのひさし形状の衝立部60が設け
られている。すなわちこの衝立部60によって、ブレー
ドクリーナ49は断面が略「へ」の字形状となっている
のである。
【0046】このように構成された本例のインクジェッ
トプリント装置1における回復装置のブレード関連機構
の動作について図4〜図9を用いて説明する。
【0047】吐出口面3aをブレード32で拭い、その
ブレード32を清掃するのは一連の動作で行われる。ブ
レードホルダ33が図5の状態からベース15のガイド
部35に沿って矢印B方向に往動されると図6の状態に
なり、ブレード32の先端が吐出口面3aを拭うので、
このまま吐出口面3aの左端まで動作することで、吐出
口面3aに付着していたインクや汚れが除去される。ブ
レード32が、さらに図中左方向に移動することで、今
度はブレードクリーナ49とオーバーラップしてブレー
ド32に付着したインクや汚れがブレードクリーナ49
によって拭われる。
【0048】ブレード駆動機構の動作を図5〜図7を用
いて詳しく説明する。
【0049】図5の状態から駆動ギア39を矢印A方向
に回転させると、ギア部材45とギア部材46が噛み合
ってブレードアーム38が矢印B方向に回動されるの
で、ブレード32は図中左方向へ移動し、図6の状態と
なる。ブレード32の先端の移動空間は吐出口面3aと
オーバーラップしているので、ブレード32が吐出口面
3aを拭い始める。
【0050】次に、さらに駆動ギア39を回転させる
と、図7の状態になり、ブレード32は吐出口面3a全
体を拭って通り抜け、ブレードクリーナ49のクリーニ
ング部61に当接する。ブレードクリーナ49は突き当
て部53に係止されてそれ以上の回動をしないので、ブ
レード32が図7に示すようにたわみながらクリーニン
グ部60を潜りぬけて通過する。このときに、ブレード
32先端に付着したインクがブレードクリーナ49によ
って拭われて清浄にされることになる。この場合に、清
浄化動作はブレード32先端部分しか行われないので、
ブレード全体からみればまだ多くのインクが付着してい
るが、吐出口面3aを清浄にするためにはブレード32
の先端部が清浄であれば足りるので、吐出口面3aを拭
うという機能を果たす上ではこれで十分である。
【0051】しかし、ブレード32がブレードクリーナ
49を潜りぬけて通過すると、ブレード32をたわませ
ていた外力が消えてブレード32が復元するので、その
際にブレード32にインクが付着残留していればこれが
図8のように図中左方向に飛び散る。このような飛散に
伴って不都合が生じるのであれば、当該飛散インクを受
けるための壁62をブレードクリーナ49の図中左方の
できるだけ近くに設けるとよい。また、ブレードクリー
ナ49からひさし状の衝立部59を延ばすことも大いに
有効である。しかしブレードクリーナ49で拭われず、
飛散もしなかったインクがブレード32に残っている
と、やがてこれがブレードホルダ33先端部に溜まるよ
うになる。
【0052】さらに、駆動ギア39を回転すると、図9
に示すように駆動ギア39の往動用ギア部45とブレー
ドアーム38のギア部46との噛み合いが離れ、今度は
駆動ギア39の復動用ギア部47がアイドルギア43を
介してブレードアーム38のギア部48と噛み合って駆
動力が伝達される。したがってブレードアーム38は今
までとは逆方向に回転して矢印D方向に回動し始め、ブ
レード32はE方向に移動する。この場合に、ブレード
32がブレードクリーナ49の下を潜りぬける際には、
ブレードクリーナ49が矢印C方向に回動してブレード
32と重なり合う空間から退避し、ブレード32はブレ
ードクリーナ49を押しのけつつ通過することになる。
そこで復動時にはインクの飛散は大幅に軽減されるが、
厳密にはばね57がブレードクリーナ49を付勢してい
る力に対応した量だけブレード32がたわむので、イン
クの飛散は完全にはなくならない。
【0053】このまま駆動ギア39の回転を続けると、
ブレード32は図5の状態まで戻り1回のワイピング動
作が終了したことになる。このときに、ブレードアーム
38の弾性を有した腕部38aがベース15のカム15
aの谷部に位置するので、駆動ギア39のギア部材45
がブレードアーム38のギア部材46から離れて駆動力
が作用しない状態になっても、ブレードアーム38は図
5の位置から不用意に動くことはない。
【0054】このように、ステッピングモータ18の一
方向の回転によりブレード32の往復動作が行われて、
吐出口面3aのクリーニングとブレード自体のクリーニ
ングとが一工程で行われる。また駆動ギア39はキャッ
プを駆動するキャップカム16と同軸に配されかつ同期
して回転しているために、この一工程はキャップ29開
閉の一工程でもある。本例では同軸上で同期して回転す
るカムおよびギアを適切な形状および姿勢を定めて用
い、その1回転内で適切に位相がずれるようにしてキャ
ップ29の開閉とブレードの往復動とを行っているので
キャップとブレードとが相互に干渉することなく確実に
それぞれの動作を行うことができる。
【0055】すなわち、キャップを支持するアームとブ
レードホルダの動きは交互に行われる。つまり、キャッ
プが吐出口面に接触した状態ではブレードホルダは図3
に示すように図中右方向の退避位置にあり、このときア
ーム吸収体100はブレード32とブレードホルダ33
に接触して押しつぶされた状態にある。そこでブレード
32やブレードホルダ33にたまったインクはアーム吸
収体100に吸われる。アーム吸収体100がインクで
飽和状態になるとブレード32に押しつぶされる行為で
搾られることになりアーム下に滴下する。このように本
例ではブレード32やブレードホルダ33にインクを大
量にためないのでブレードにたまったインクがシーケン
ス中にキャップ内に落ちることがない。また、上記滴下
で不都合が生じうるのであれば、当該滴下位置に適宜の
受けを設けておけばよい。
【0056】さらに、キャップが開いて十分な空間がで
きるとブレードホルダ33が図中左方向に動いて吐出口
面のクリーニングおよびブレードのクリーニングを行
う。
【0057】ブレードホルダ33が図中右方向に戻ると
キャップアーム28が上がってきてキャップを行う。以
上一連の動作がカム部の1回転で行われる。
【0058】以上のように、本例においてはキャップを
保持するアームに吸収体100を設け、キャップ開閉と
ワイピングを含む一連の動作内においてブレード下部に
溜まったインクを吸収するようにしたので、ブレード下
部に溜まったインクがキャップ内に滴下するような不都
合を防止できる。
【0059】(キャップ内吸収体)図10〜図13を用
いてキャップ29およびキャップ内吸収体について説明
する。図10において、101がキャップ29内に配置
される吸収体であり、ベルイータ(鐘紡社製商品名)や
サンファイン(旭化成社製商品名)など、親水処理を施
した多孔質の樹脂で形成されている。前者の場合はシー
ト状の母材を切断した後に、熱を加えてプレス加工を施
すことで適切な窪み(キャップ29側の吸収体押さえ2
9Aに係合する窪み101Aなど)を形成することがで
き、後者の場合は所要の形状の型を用いた成形加工が可
能である。
【0060】本例に係るキャップ内吸収体101は、図
11に示す如きキャップ内吸収体103のように吸収体
押さえ29Aの内側より突出しない均一な平面を持つ平
板状ではなく、吸収体押さえ29Aによって保持される
部位を除いて吐出口面3a側に盛り上がった形状を有し
ている。すなわち、キャッピング時には吸収体101が
吐出口面3aに対して近接対向することになるので、吸
引回復処理後にキャップ29を吐出口面3aから離す際
に吐出口面3aに付着するインクを効果的にキャップ内
吸収体101に捕集でき、回復処理後の吐出口面に付着
するインク残留量を低減することができる。また吸収体
の容積が大きい分、より多くのインクを取り込むことが
できることになる。
【0061】つまり、図11に示すように吸収体103
と吐出口面3aとの間隔が広いと(1mm程度以上)、
吸引の際にインクがこの吸収体103と吐出口面3aと
の間の空間に充填され、キャップ29を吐出口面3aか
ら離す際にこの空間内のインクの一部が吐出口面3aに
付着することになる。これに対し図10に示したよう
に、吸収体押さえ29Aを避けた形状として吸収体上面
が吐出口面3aに近くなる(概略0.5mm以下)よう
に吸収体101を構成し、吸収体101と吐出口面3a
と間の空間を小さくすることで、吸収体101に捕集さ
れず結果的に吐出口面3aに付着するおそれのあるイン
ク量を減らすことができる。
【0062】なお、本例によるキャップ内吸収体101
の厚みもしくは形状(盛り上がりの程度など)は、吐出
口面3aに密着してキャップ内空間を密閉するゴムなど
の弾性部材29Bのキャップ時における弾性変形量にも
よるが、当該キャップ時においてキャップ内吸収体10
1と吐出口面3aとの間の距離が両者の密着が生じない
程度に極力小(本例では0.3mm)となるように選択
されている。しかし吸引回復処理後にキャップ29を吐
出口面3aから離す際に吐出口面3aに付着するインク
を効果的に捕集できるのであれば、その上記厚みは適切
に定めうるのは勿論である。この場合、吐出口面3aに
付着しうる液体(インク、水など)の表面張力や吐出口
面の表面の状態等と加味して上記厚みを適切に設定する
こともできる。
【0063】ただし、吐出口端部が吐出口面3aと同一
平面上もしくは若干突き出した位置にある場合には、キ
ャップ内吸収体が吐出口に接触することも考えられるの
で、その場合には図10に示すように吐出口に対応する
部位を例えば0.2〜0.5mm程度窪ませたキャップ
内吸収体102用いればよい。
【0064】また、図12に示すように、吐出口3bが
吐出口面3aより若干引っ込んで開口している場合に
は、キャップ内吸収体が吐出口3bに接触する虞がない
ので、吐出口対向部位近傍のみを盛り上げて吐出口面3
aとの間隙を0.5mm以下とし、吐出口面3aに近接
対向する凸部104Aを有し、凸部でない面については
1mm程度の間隙をとったキャップ内吸収体104を用
いることができる。このように構成すると、吐出口3b
から吸い出されたインクは、その表面張力によってキャ
ップ内吸収体の凸部104aの上部の幅より広がらない
ので、吐出口と吐出口面との間に空間があってもそこに
はインクが充填されない。従って、吐出口面3aにイン
クが接触する面積が減ることにより、吸引後にキャップ
を離した際に吐出口面3aに残るインク量を減らすこと
ができる。
【0065】さらに、図13に示すように、吐出口3b
が吐出口面3aと同一平面上にある場合には、吐出口対
向部位の側方に畝状に凸部105Aを設けた、換言すれ
ば吐出口対向部位において凹状となった吸収体105を
用いることもできる。この場合もキャップ内吸収体10
5は吐出口面3aに近接するので、キャップ内吸収体1
05に保持されないインク体積が減るとともに、吐出口
面3aに接近している凸部105aの端部の表面張力で
それ以上外側にはインクが広がらないので、インク残留
量が少なくなる。
【0066】また、以上のように長手方向(吐出口配列
方向に平行な方向)の断面をほぼ均一な形状とすること
で、上記サンファイン(旭化成)など型を用いた成形加
工が可能な樹脂材料で吸収体を製造する場合には、型構
造が簡単なものとなるので、成形前の樹脂粉の充填が容
易になるという効果もある。
【0067】なお、図12および図13の例のように凸
部(ないしは溝)を設ける場合、その形状や配設位置、
配設個数等は、吐出口面上の吐出口の形状や位置、配列
範囲、配列の状態等に応じて適宜定めうるのは勿論であ
る。
【0068】例えば、図14は複数の吐出口列が1つの
吐出口面に設けられた形態のプリントヘッドに用いるこ
とのできるキャップ内吸収体の構成例を示す。すなわち
このように吐出口3bの列(例えば図面に直交する方向
に配列される)が1つの吐出口面上に複数ある場合に
は、各列に応じて凸部を適切に形成したキャップ内吸収
体106を設ければよい。
【0069】また、キャップ内吸収体としては他の多孔
質体やその他繊維体など、適宜のものを用いることがで
きるが、加工の容易性や寸法精度、型くずれのしにくさ
などの条件を考慮すれば、上述したようなものが好まし
く利用できる。
【0070】(その他)なお、本発明は、プリント剤と
してインクを用いるものであれば種々のインクジェット
プリント装置に適用できるのは勿論であるが、その中で
もインク吐出を行わせるために利用されるエネルギとし
て熱エネルギを発生する手段(例えば電気熱変換体やレ
ーザ光等)を備え、前記熱エネルギによりインクの状態
変化を生起させる方式のプリント(記録)ヘッド、記録
装置において優れた効果をもたらすものである。かかる
方式によれば記録の高密度化,高精細化が達成できるか
らである。
【0071】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0072】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0073】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0074】加えて、上例のようなシルアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0075】また、本発明を適用できる記録装置の構成
として、記録ヘッドの吐出回復手段(予備的な補助手段
等も含む)の形態は種々のものであってもよい。具体的
に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、
ブレードなどのクリーニング手段、インク供給系の加圧
あるいは上例のような吸引によってインクを吐出口から
排除する手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子
或はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を含むもの
であればよい。それらのような回復処理後に吐出口面に
インク付着ないし残留が生じうる場合には本例のような
キャップ内吸収体の配設が有効であるし、またブレード
を清浄に保つ吸収体の配設によって好ましくない部位へ
のインク滴下を防止できるからである。
【0076】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、上述のように記録色や濃度を
異にする複数のインクに対応して複数個数設けられるも
のであってもよい。すなわち、例えば記録装置の記録モ
ードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけでは
なく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合
わせによるかいずれでもよいが、異なる色の複色カラ
ー、または混色によるフルカラーの各記録モードの少な
くとも一つを備えた装置にも本発明は極めて有効であ
る。
【0077】さらに加えて、以上説明した本発明実施形
態においては、インクを液体として説明しているが、室
温やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化も
しくは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジ
ェット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範
囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲に
あるように温度制御するものが一般的であるから、使用
記録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0078】さらに加えて、本発明に適用できるインク
ジェット記録装置の形態としては、コンピュータ等の情
報処理機器の画像出力端末として用いられるものの他、
リーダ等と組合せた複写装置、さらには送受信機能を有
するファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよ
い。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ブレードに付着したインクを適切に処するようにしたの
で、好ましくない滴下等、例えばキャップ内への滴下等
を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るインクジェットプリ
ント装置の概略構成例を示す斜視図である。
【図2】図1の装置に適用可能な回復装置の構成例を示
す概略断面図である。
【図3】図2の回復装置各部への駆動力伝達系の構成例
を示す概略断面図である。
【図4】本発明の実施形態で用いたブレードおよびブレ
ードクリーナの構成例を示す概略斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に関するブレードの動作を説
明するための概略断面図である。
【図6】本発明の実施形態に関するブレードの動作を説
明するための概略断面図である。
【図7】本発明の実施形態に関するブレードの動作を説
明するための概略断面図である。
【図8】本発明の実施形態に関するブレードの動作を説
明するための概略断面図である。
【図9】本発明の実施形態に関するブレードの動作を説
明するための概略断面図である。
【図10】本発明の一実施形態で用いたキャップないし
キャップ内吸収体の構成例を示す概略斜視図である。
【図11】(A)および(B)は、それぞれ、プリント
ヘッドの吐出口面に近接しない形状のキャップ内吸収体
を説明するための概略斜視図および断面図である。
【図12】(A)および(B)は、それぞれ、本発明の
実施形態に適用可能なキャップ内吸収体の他の例を説明
するための概略斜視図および断面図である。
【図13】(A)および(B)は、それぞれ、本発明の
実施形態に適用可能なキャップ内吸収体のさらに他の例
を説明するための概略斜視図および断面図である。
【図14】本発明の実施形態に適用可能なキャップ内吸
収体のさらなる例を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリント装置 2 キャリア 3 プリントヘッド 3a 吐出口面 3b 吐出口 4 インクタンク 5 ヘッドカートリッジ 14 回復装置 15 ベース 16 キャップカム 18 ステッピングモータ 19 減速ギア 20 振り子歯車 21 振り子伝達ギア 22 カムギア 23 カムギアフラグ 24 ポンプコロホルダ 25 コロ 26 吸引チューブ 27 キャップバネ 28 キャップアーム 29 キャップ 32 ブレード 33 ブレードホルダ 34 ブレードクリーナ 35 ガイド部 36 ブレードアーム 37 軸部 38 ブレードアーム 39 駆動ギア 40 ギア機構 41 長溝 42 連結ピン 43 アイドルギア 44 ギア部 45,46,47,48 ギア部材 49 ブレードクリーナ 50 軸部 51 軸受部52 ストッパ 53 突き当て部 54 切り欠き部 55 支柱 56 当接部 57 ばね 58 壁 59 取り付け部 60 ひさし部 61 クリーニング部 100 アーム吸収体 101,102,103,104,105,106 キ
ャップ内吸収体

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェットプリントヘッドのインク
    吐出口が配置される面のキャッピングを行うためのキャ
    ップと、 前記面のキャッピングが行われる位置と開放される位置
    とに前記キャップを相対的に前記インクジェットプリン
    トヘッドに対して設定する手段と、 前記面のワイピングを行うための払拭部材と、 前記キャップが前記開放位置にあるときに前記ワイピン
    グを行うべく前記払拭部材を前記インクジェットプリン
    トヘッドに対して相対的に移動させるとともに、前記キ
    ャッピング位置にあるときに前記払拭部材を退避位置に
    設定する手段と、 前記キャップ位置設定手段に設けられ、前記キャッピン
    グ位置に前記キャップを設定しているときに前記払拭部
    材に接触する吸収体と、を具えたことを特徴とするイン
    クジェットプリント装置。
  2. 【請求項2】 前記キャップ位置設定手段は一端におい
    て前記キャップを保持し他端が回動可能に支持されたア
    ーム部材を有し、前記吸収体は前記払拭部材が前記退避
    位置にあるときにこれと接触する前記アーム上の位置に
    設けられていることを特徴とする請求項1に記載のイン
    クジェットプリント装置。
  3. 【請求項3】 前記キャップ位置設定手段および前記払
    拭部材移動手段に対し単一の駆動源からの駆動力を伝達
    する伝動機構であって、前記キャッピングの動作および
    前記払拭の動作を一連のシーケンスにおいて位相をずら
    せて実行させる伝動機構を具えたことを特徴とする請求
    項1または2に記載のインクジェットプリント装置。
  4. 【請求項4】 前記キャップにより前記インクジェット
    プリントヘッドにキャッピングを施した状態で前記プリ
    ントヘッドの吐出口からインクを排出させる手段を具え
    たことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載
    のインクジェットプリント装置。
  5. 【請求項5】 前記キャップの本体は前記面に接合して
    キャップ内空間を密閉するべく弾性部材で形成されてい
    ることを特徴とする請求項4に記載のインクジェットプ
    リント装置。
  6. 【請求項6】 前記インクを排出させる手段は、前記キ
    ャップを介して吸引力を作用させることにより前記吐出
    口からインクを排出させる手段を有することを特徴とす
    る請求項5に記載のインクジェットプリント装置。
  7. 【請求項7】 前記インクジェットプリントヘッドは、
    インクを吐出するために利用されるエネルギとして、通
    電に応じ熱エネルギを発生する電気熱変換体を有するこ
    とを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のイ
    ンクジェットプリント装置。
  8. 【請求項8】 前記インクジェットプリントヘッドは、
    前記電気熱変換体より印加される熱エネルギによってイ
    ンクに生じる膜沸騰を利用して、前記吐出口からインク
    をプリント媒体に向けて吐出させることを特徴とする請
    求項7に記載のインクジェットプリント装置。
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