JPH11137656A - 脱臭触媒素子及びその製造方法 - Google Patents

脱臭触媒素子及びその製造方法

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JPH11137656A
JPH11137656A JP9309121A JP30912197A JPH11137656A JP H11137656 A JPH11137656 A JP H11137656A JP 9309121 A JP9309121 A JP 9309121A JP 30912197 A JP30912197 A JP 30912197A JP H11137656 A JPH11137656 A JP H11137656A
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photocatalyst
catalyst
deodorizing
metal oxide
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JP9309121A
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Kazuo Nishikawa
和男 西川
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の吸着材に光触媒を付加させた脱臭装置
では、吸着材と光触媒の接触面積が小さくなり、吸着材
に吸着された臭気成分を効率よく光触媒の光活性により
分解されず、吸着性能が低い成分である一酸化炭素、窒
素酸化物等は除去できない問題がある。また、ハニカム
活性炭等の吸着材を用いると焼成温度が1000℃と高
温になる問題がある。 【解決手段】 光触媒1と、金属酸化物系の常温触媒2
とを基材4に担持する。また、光触媒1と常温触媒2と
の配合割合は、光触媒1と常温触媒2との合計重量に対
して、常温触媒2の重量割合を22%以下とする。これ
によって、光触媒の光活性性能の劣化が抑えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室内の空気の浄化
を有する脱臭触媒素子に関し、さらに、脱臭触媒素子を
有する空気調和機又は空気清浄機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特許番号第2574840号で
は、臭気成分を吸着する吸着材の表面に光触媒を付加し
たあるいは吸着材に光触媒を練り込んだ部材及び光触媒
を励起させる励起源とを設けた脱臭装置が登録されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の吸着材に光触媒を付加させた脱臭装置では、吸
着材と光触媒の接触面積が小さくなり、吸着材に吸着さ
れた臭気成分を効率よく光触媒の光活性により分解され
ず、吸着性能が低い成分である一酸化炭素、窒素酸化物
等は除去できない問題がある。また、ハニカム活性炭等
の吸着材を用いると焼成温度が1000℃と高温になる
問題がある。
【0004】本発明の目的は上記問題を解決し、光触
媒、金属酸化物系の常温触媒及び吸着剤を高分散させ担
持した、吸着作用と分解作用をもつ脱臭触媒素子と、該
脱臭触媒素子を脱臭フィルターとして配設した空気調和
機又は空気清浄機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の第1の構成では、光触媒と金属酸化物系の常
温触媒を担持した脱臭触媒素子である。このような構成
では、光触媒に紫外線を照射すると、吸着した有機性物
質は光触媒の光活性作用により、水分子や二酸化炭素等
に酸化分解される。一酸化炭素等は金属酸化物系の常温
触媒により吸着され、二酸化炭素に酸化される。
【0006】また、本発明の第2の構成では、光触媒、
金属酸化物系の常温触媒及び吸着剤を担持した脱臭触媒
素子である。このような構成では、吸着剤により多種多
様の臭い成分が多量に吸着され、吸着剤で吸着された臭
い成分は光触媒の光活性作用により、水分子や二酸化炭
素等に酸化分解される。吸着性能の低い一酸化炭素は金
属酸化物系の常温触媒により吸着され、二酸化炭素に酸
化される。
【0007】また、本発明の第3の構成では、光触媒と
金属酸化物系常温触媒との配合割合を光触媒と金属酸化
物系の常温触媒合計重量に対して、金属酸化物系の常温
触媒の重量割合が22%以下であるように担持した脱臭
触媒素子である。このような構成では、金属酸化物系の
常温触媒による光触媒の光活性性能の劣化を抑えられ
る。
【0008】また、本発明の第4の構成では、第1又は
2の構成での下層の上に光触媒のみの下層を設け、多層
構造とした脱臭触媒素子である。このような構成では、
光触媒のみの層を上層に設けることにより、紫外線が効
率よく光触媒に当たり、光活性性能が向上する。
【0009】また、本発明の第5の構成では、光触媒は
酸化チタン、酸化タングステン、酸化亜鉛などの金属酸
化物、及び、ルテニウム錯体なとの金属錯体の単体、又
はその複合体から成る脱臭触媒素子である。このような
構成でも、本発明の第1の構成で示した同様の光活性作
用が得られる。
【0010】また、本発明の第6の構成では、金属酸化
物系の常温触媒は酸化マンガン、酸化銅、酸化鉄なとの
金属酸化物の単体又はその複合体から成る脱臭触媒素子
である。このような構成でも、本発明の第1の構成で示
した同様の吸着酸化作用が得られる。
【0011】また、本発明の第7の構成では、上記脱臭
触媒素子を脱臭フィルターとして用い、担持されている
光触媒を励起させる励起源とを配設した空気浄化空気調
和機又は空気清浄機である。
【0012】このような構成では、脱臭フィルターに臭
い成分を含んだ空気を通過させると、脱臭フィルターに
より空気中の臭い成分及び有害物質の一酸化炭素、窒素
酸化物等が吸着される。また、脱臭フィルターに紫外線
を照射することにより、光触媒の光活性性能で吸着した
有機性物質及び窒素酸化物は酸化分解される。また、金
属酸化物系の常温触媒により一酸化炭素は吸着酸化され
る。このように脱臭フィルターに吸着された物質は水分
子や二酸化炭素等に分解され脱離するため、脱臭性能の
劣化を抑えることができる。
【0013】また、本発明の第8の構成では、光触媒粒
子、光触媒粒子及び金属酸化物系の常温触媒粒子又は光
触媒粒子、金属酸化物系の常温触媒粒子及び吸着剤粒子
を溶剤に混合分散させ、該溶液にバインダーを加え焼成
担持した脱臭触媒素子の製造方法である。このような構
成では、各粒子を混合分散させることにより表面積が増
し、吸着性能、光活性性能及び分解性能が向上する。
【0014】また、本発明の第9の構成では、光触媒又
は光触媒及び金属酸化物系の常温触媒又は光触媒、金属
酸化物系の常温触媒及び吸着剤を溶剤に混合分散させ、
該溶液を不織布、多孔質体等に含浸焼成した脱臭触媒素
子の製造方法である。このような構成では、本発明の第
8の構成で示した同様の作用が得られる。
【0015】また、本発明の第10の構成では、バイン
ダーをシリカ、アルミナ等の水系無機バインダーとし、
焼成温度を150℃以下とした脱臭触媒素子の製造方法
である。このような構成では、水系無機バインダーを用
いることにより、有機系に比べ、有機物を蒸発させる必
要がなく、これにより焼成温度を低温にすることが可能
になり、基材の制限が緩和され、合成樹脂等も基材に用
いることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施の形態を図
面を参照して説明する。
【0017】<実施の形態1>本発明の実施の形態1
を、図1乃至図4及び図14に示す。図1では光触媒粒
子1と金属酸化物系の常温触媒粒子2を無機系バインダ
ー3で担持した拡大断面図である。図14では光触媒、
金属酸化物系の常温触媒及びバインダー調製方法のフロ
ーチャート図である。
【0018】先ず、光触媒と金属酸化物系の常温触媒を
溶剤に入れ、ボールミル、アトライター等で時間をかけ
凝集している光触媒と金属酸化物系の常温触媒を一次粒
子まで粉砕し、溶剤中に混合分散させる。このとき必要
ならば分散剤等を添加する場合もある。
【0019】さらに、該溶液にバインダーを加え、ボー
ルミル、アトライター等でバインダー成分を粉砕しない
ように時間を短くし、混合させたものを塗液とする。こ
の塗液を塗布、焼成してできた膜では光触媒と金属酸化
物系の常温触媒の粒子が小さいため表面積が増え、吸着
性能及び触媒分解性能が向上し、バインダー成分は粉砕
されていないため、膜強度も向上する。
【0020】光触媒として石原産業株式会社製の酸化チ
タン粉体STS−01(商品名)、金属酸化物系の常温
触媒として日産化学株式会社製の酸化銅と酸化マンガン
からなるガス精製用触媒N−140(商品名)、溶剤と
してイオン交換水、そしてバインダーとしてテルニック
工業株式会社製の水系シリカ無機バインダーベタック9
70(商品名)を用いた。
【0021】サンプルの作製方法は、光触媒と金属酸化
物系の常温触媒との合計重量に対して、金属酸化物系の
常温触媒の重量割合が0%、12%、22%、50%と
なるように、上記の調製方法に従い調製した4種類の塗
液を60×150mmのアルミシートに刷毛で酸化チタ
ン重量が0.2gになるように塗布し、150℃で1時
間焼成したサンプルをそれぞれの塗液に対し2枚ずつ作
製した。
【0022】これらの同種サンプル2枚と日本電気株式
会社製の6Wブラックライト(型番FL6BL)を27
Lのボックス内に設置し、クリーンエアをパージ、マイ
クロシリンダーによりアセトアルデヒド25μL注入、
ヒーターでアセトアルデヒドを蒸発させ、攪拌ファンで
ボックス内に攪拌した後、ブラックライトで紫外線をサ
ンプルに照射しながら、吸引ファンで空気を循環させ、
光明理化学工業株式会社製の検知管によりアセトアルデ
ヒドの濃度を測定した。
【0023】図3では金属酸化物系の常温触媒の重量割
合の違いでの光触媒の光活性分解によるアセトアルデヒ
ドの濃度変化図、図4では光触媒の光活性でアセトアル
デヒド90ppmが分解するまでの時間と金属酸化物系
の常温触媒の重量割合の関係図である。
【0024】このように光触媒の担持量を固定して、金
属酸化物系の常温触媒の重量割合を変えた場合、金属酸
化物系の常温触媒の重量割合が大きくなると光触媒の光
活性性能が低下することがわかる。特に金属酸化物系の
常温触媒の重量割合が22%より大きくなると、光触媒
の光活性が急激に低下するため、光触媒の光活性性能を
確保するためには、金属酸化物系の常温触媒の重量割合
を22%以下にする必要がある。
【0025】なお、光触媒として用いる金属酸化物は、
酸化チタンだけでなく、酸化タングステン、酸化亜鉛の
何れか一つ、若しくは、これらの複合体からなるものを
用いることができる。また、光触媒としてルテニウム錯
体等の金属錯体を用いることもできる。
【0026】さらに、金属酸化物系の常温触媒として
は、酸化マンガン、酸化銅、酸化鉄の何れか一つ、若し
くは、これらの複合体からなるものを用いることができ
る。
【0027】<実施の形態2>本発明の実施の形態2を
図2、図5乃至図10、図15に示す。図2では光触媒
1、金属酸化物系の常温触媒2と吸着剤5を無機系バイ
ンダー3で担持した拡大断面図である。図15では光触
媒、金属酸化物系の常温触媒2、吸着剤5、バインダー
3の調製方法のフローチャート図である。
【0028】先ず、光触媒と金属酸化物系の常温触媒を
溶剤に入れ、ボールミル、アトライター等で時間をかけ
て、凝集している光触媒と金属酸化物系の常温触媒とを
一次粒子まで粉砕し、溶剤中に混合分散させる。このと
き必要ならば分散剤等を添加する。該溶液に吸着剤を加
え、ボールミル、アトライター等で吸着剤を混合・分散
させる。
【0029】その後、該溶液にバインダーを加え、ボー
ルミル、アトライター等でバインダー成分を粉砕しない
ように時間を短くし、混合させたものを塗液とする。こ
の塗液を塗布、焼成してできた膜では光触媒と金属酸化
物系の常温触媒との粒子が小さいため表面積が増え、吸
着性能及び触媒分解性能が向上する。さらに、吸着剤も
分散しているため光触媒と吸着剤との接触面積が増し、
吸着剤で吸着した臭い成分を光触媒の光活性で分解する
効率が上がる。また、バインダー成分は粉砕されていな
いため、膜強度も向上する。
【0030】光触媒として石原産業株式会社製の酸化チ
タン粉体STS−01(商品名)、金属酸化物系の常温
触媒として日産化学株式会社製の酸化銅と酸化マンガン
からなるガス精製用触媒N−140(商品名)、溶剤と
してイオン交換水、吸着剤として日産ガードラー株式会
社製の銅をイオン交換したゼオライト銅交換ペンタジル
(商品名)そしてバインダーとしてテルニック工業株式
会社製の水系シリカ無機バインダーベタック970(商
品名)を用いた。
【0031】サンプルの作製方法は、光触媒と、金属酸
化物系の常温触媒と、吸着剤との合計重量に対して、金
属酸化物系の常温触媒と吸着剤との重量割合の組み合せ
が、それぞれ(0%、50%)、(22%、28%)、
(50%、0%)となるように、上記の調製方法に従い
調製した3種類の塗液を、275×90×t20mmで
200セル/in.2のアルミコルゲートハニカムに、浸
積法で酸化チタン重量が35gになるように塗布、15
0℃で1時間焼成し、サンプルを作製した。
【0032】これらのサンプルを図13に示す空気清浄
機の脱臭フィルター6として配設したものを1000L
のボックス内に設置し、クリーンエアをパージ、タバコ
5本燃焼させた後、サンプルに紫外線を照射しながら空
気清浄機を運転させ、運転時間が0min.、30min.、9
0min.、240min.後、ガス検知管を用いアンモニア、
アセトアルデヒド、酢酸、スチレン、一酸化炭素、窒素
酸化物の濃度を測定し、各成分の残存率を求めた。
【0033】臭い成分に関しては、吸着剤の重量割合を
減らすと中性の臭い成分であるアセトアルデヒド(図
6)、スチレン(図8)の吸着性能が低下するが、アル
カリ性の臭い成分であるアンモニア(図5)と酸性の臭
い成分である酢酸(図7)の吸着性能はほとんど低下が
見られなかった。
【0034】また、金属酸化物系の常温触媒と吸着剤の
重量割合の組み合せが(22%、28%)ではアセトア
ルデヒドの吸着性能が運転時間30分で残存率3%程度
になり、スチレンに関しても運転時間90分後では残存
率5%程度になった。
【0035】有害物質に関しては、一酸化炭素(図
9)、窒素酸化物(図10)とも金属酸化物系の常温触
媒の重量割合を増やすと吸着性能、分解性能とも向上し
た。これは金属酸化物系の常温触媒が一酸化炭素及び窒
素酸化物に対して吸着性能があり、同時に分解性能があ
るため、光触媒の光活性による分解性能と相乗効果を起
こし吸着及び分解性能が向上したと考えられる。
【0036】<実施の形態3>本発明の実施の形態3を
図11及び図12に示す。図11では光触媒粒子1、金
属酸化物系の常温触媒粒子2と吸着剤5を無機系バイン
ダー3で担持した下層の上に光触媒のみを担持した上層
を設けた拡大断面図である。
【0037】光触媒として石原産業株式会社製の酸化チ
タン粉体STS−01(商品名)、金属酸化物系の常温
触媒として日産化学株式会社製の酸化銅と酸化マンガン
からなるガス精製用触媒N−140(商品名)、溶剤と
してイオン交換水、吸着剤として日産ガードラー株式会
社製の銅をイオン交換したゼオライト銅交換ペンタジル
(商品名)そしてバインダーとしてテルニック工業株式
会社製の水系シリカ無機バインダーベタック970(商
品名)を用いた。
【0038】サンプルの作製方法は、光触媒、金属酸化
物系の常温触媒、吸着剤の合計重量に対して、金属酸化
物系の常温触媒と吸着剤との重量割合の組み合せが、
(0%、0%)、(22%、28%)、となるように、
図15の調製方法に従い調製した塗液を、275×90
×t20mmで200セル/in.2のアルミコルゲート
ハニカムに浸積法で、下層は重量割合の組み合せが(2
2%、28%)の塗液を、酸化チタン重量が35gにな
るように塗布、150℃で1時間焼成し下層を形成し、
該下層の上に酸化チタンのみの重量割合の組み合せが
(0%、0%)の塗液を酸化チタン重量が12.5gに
なるように塗布、150℃で1時間焼成して上層を形成
して、サンプルを作製した。
【0039】これらのサンプルを図13に示す空気清浄
機の脱臭フィルター6として配設したものを1000L
のボックス内に設置し、クリーンエアをパージし、タバ
コを5本燃焼させた後、サンプルに紫外線を照射しなが
ら空気清浄機を30分間運転させ、ガス検知管を用いア
ンモニア、アセトアルデヒド、酢酸の濃度を測定し、各
成分の除去率を加重平均して臭い成分除去率を求めた。
上記のようにタバコ5本を、脱臭フィルター毎に配設さ
れた紫外線ランプで、サンプルに紫外線を15時間照射
した場合としない場合で、タバコ本数50本まで繰り返
し臭い成分の除去率を測定した。
【0040】図12では、サンプルに紫外線照射あり、
なしでタバコの臭い成分除去率の変化を示す。紫外線照
射ありの場合では臭い成分除去率の低下が少なく、除去
率92%程度で安定する傾向がみられるが、紫外線照射
なしの場合は除去率が急激に低下している。このように
吸着された臭い成分は光触媒の光活性性能により水分子
又は二酸化炭素等に分解され、脱離するため、90%以
上の除去率が維持される。
【0041】
【発明の効果】請求項1によれば、光触媒と金属酸化物
系の常温触媒を担持することにより、一酸化炭素、窒素
酸化物等の有害物質が吸着、酸化分解される。これによ
り光触媒のみが担持されている場合に比べて、有害物質
の除去能力が向上する。
【0042】請求項2によれば、光触媒、金属酸化物系
の常温触媒及び吸着剤を担持することにより、臭い成分
及び一酸化炭素、窒素酸化物等の有害物質が吸着、酸化
分解される。これにより光触媒のみが担持されている場
合に比べて、短時間で有害物質が吸着されると共に、臭
い成分および有害物質の除去能力が向上する。
【0043】請求項3によれば、光触媒と常温触媒との
配合割合を光触媒と常温触媒との合計重量に対して、常
温触媒の重量割合が22%以下であるように担持するこ
とにより、光触媒の光活性性能の劣化が抑えられる。
【0044】請求項4によれば、光触媒と常温触媒とか
らなる下層の上に光触媒からなる上層を設けることによ
り、光触媒への紫外線の照射効率が上がり、光活性性能
が向上する。
【0045】請求項5乃至7によれば、光触媒は、酸化
チタン,酸化タングステン,酸化亜鉛などの金属酸化
物、若しくは、ルテニウム錯体などの金属錯体の単体又
はその複合体にすることにより、紫外線を光触媒に照射
することにより、吸着した有機性物質及び有害物質を酸
化分解することができる。
【0046】請求項8によれば、常温触媒は、酸化マン
ガン,酸化銅,酸化鉄などの金属酸化物の単体又はその
複合体にすることにより、有害物質を常温で吸着酸化す
る。
【0047】請求項9又は10によれば、空気浄化空気
調和機又は空気清浄機に脱臭触媒素子を脱臭フィルター
として用い、担持されている光触媒を励起させる励起光
源を搭載することにより、脱臭フィルターを通る空気中
に含まれた臭い成分、有害物質を除去し、金属酸化物系
の常温触媒と光触媒とに紫外線を照射することにより、
付着した臭い成分と有害物質は酸化分解される。これに
より脱臭フィルターの性能劣化が抑えられる。
【0048】請求項11によれば、光触媒、又は、光触
媒及び常温触媒、又は、光触媒及び常温触媒及び吸着剤
を、溶剤に混合分散させ、バインダーを加えて焼成担持
すると粒子が小さく高分散されているため表面積が増
し、これにより吸着性能、分解性能が向上する。
【0049】請求項12によれば、光触媒、又は、光触
媒及び常温触媒、又は、光触媒及び常温触媒及び吸着剤
を、溶剤に混合分散させ、不織布、多孔質体等に含浸焼
成すると粒子が小さく分散されているため表面積が増
え、これにより吸着性能、分解性能が向上する。
【0050】請求項13によれば、バインダーをシリ
カ、又は、アルミナからなる水系無機バインダーとし、
焼成湿度を150℃以下とすることにより、有機系に比
べ、有機物を蒸発させる必要がなく、焼成温度が低温に
なり基材の制限が緩和され、耐熱温度が低い合成樹脂等
を基材として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の脱臭触媒素子を示す拡
大断面図である。
【図2】本発明の実施の形態2の脱臭触媒素子を示す拡
大断面図である。
【図3】常温触媒の配合割合の違いによるアセトアルデ
ヒドの分解性能図である。
【図4】常温触媒の配合割合の違いによるアセトアルデ
ヒド90ppmの分解時間図である。
【図5】常温触媒と吸着剤の配合割合の違いによるアン
モニア残存率を示す図である。
【図6】常温触媒と吸着剤の配合割合の違いによるアセ
トアルデヒド残存率を示す図である。
【図7】常温触媒と吸着剤の配合割合の違いによる酢酸
残存率を示す図である。
【図8】常温触媒と吸着剤の配合割合の違いによるスチ
レン残存率を示す図である。
【図9】常温触媒と吸着剤の配合割合の違いによる一酸
化炭素残存率を示す図である。
【図10】常温触媒と吸着剤の配合割合の違いによる窒
素酸化物残存率を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態4の脱臭触媒素子を示す
拡大断面図である。
【図12】実施の形態4の脱臭フィルターによるタバコ
臭い成分の脱臭性能を示す図である。
【図13】本発明の脱臭触媒素子を備えた空気調和機の
側断面図を示す図である。
【図14】光触媒、常温触媒及びバインダーの塗液調製
方法のフローチャートである。
【図15】光触媒、常温触媒、吸着剤、バインダーの塗
液調製方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 光触媒 2 常温触媒 3 無機系バインダー 4 基材 5 吸着剤 6 脱臭フィルター 7 風入口 8 ファン 9 除塵フィルター 10 送風口 11 紫外線ランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01J 35/02 B01D 53/36 ZABH

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光触媒と金属酸化物系の常温触媒とを基
    材に担持することを特徴とする脱臭触媒素子。
  2. 【請求項2】 光触媒と、金属酸化物系の常温触媒と、
    吸着剤とを基材に担持することを特徴とする脱臭触媒素
    子。
  3. 【請求項3】 上記光触媒と上記常温触媒との配合割合
    は、該光触媒と該常温触媒との合計重量に対して、該常
    温触媒の重量割合を22%以下とすることを特徴とする
    請求項1又は2に記載の脱臭触媒素子。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の脱臭触媒素子に
    おいて、上記光触媒と上記常温触媒とからなる下層と、
    該下層の表面に光触媒からなる上層とを設けて多層構造
    とすることを特徴とする脱臭触媒素子。
  5. 【請求項5】 上記光触媒は、金属酸化物、又は、金属
    錯体、又は、該金属酸化物と該金属錯体との複合体から
    なることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一つに記
    載の脱臭触媒素子。
  6. 【請求項6】 上記金属酸化物は、酸化チタン、酸化タ
    ングステン、酸化亜鉛の何れか一つ、若しくは、これら
    の複合体からなることを特徴とする請求項5記載の脱臭
    触媒素子。
  7. 【請求項7】 上記金属錯体は、ルテニウム錯体からな
    ることを特徴とする請求項5記載の脱臭触媒素子。
  8. 【請求項8】 上記常温触媒は、酸化マンガン、酸化
    銅、酸化鉄の何れか一つ、若しくは、これらの複合体か
    らなることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一つに
    記載の脱臭触媒素子。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至4の何れか一つに記載の脱
    臭触媒素子からなる脱臭フィルターと、該脱臭フィルタ
    ーに担持される光触媒を励起させる励起光源とを備える
    ことを特徴とする空気浄化空気調和機。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至4の何れか一つに記載の
    脱臭触媒素子からなる脱臭フィルターと、該脱臭フィル
    ターに担持される光触媒を励起させる励起光源とを備え
    ることを特徴とする空気清浄機。
  11. 【請求項11】 光触媒、又は、光触媒及び常温触媒、
    又は、光触媒及び常温触媒及び吸着剤を溶剤に混合分散
    させ、該溶液にバインダーを加えて焼成して基材に担持
    することを特徴とする脱臭触媒素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 上記基材として不織布又は多孔質体を
    用い、上記溶液を該不織布又は該多孔質体に含浸して焼
    成することを特徴とする請求項11記載の脱臭触媒素子
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 上記バインダーを、シリカ、又は、ア
    ルミナからなる水系無機バインダーとし、焼成温度を1
    50℃以下とすることを特徴とする請求項11又は12
    記載の脱臭触媒素子の製造方法。
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