JPH11133549A - 写真要素及びその製造方法 - Google Patents

写真要素及びその製造方法

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JPH11133549A
JPH11133549A JP10241666A JP24166698A JPH11133549A JP H11133549 A JPH11133549 A JP H11133549A JP 10241666 A JP10241666 A JP 10241666A JP 24166698 A JP24166698 A JP 24166698A JP H11133549 A JPH11133549 A JP H11133549A
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layer
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magnetic
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JP10241666A
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Mridula Nair
ネアー ムリデュラ
Lloyd A Lobo
アンソニー ロボ ロイド
George L Oltean
レスリー オルティーン ジョージ
Tamara K Osburn
ケイ オスバーン タマラ
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Eastman Kodak Co
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Eastman Kodak Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 層間密着性の良好な帯電防止層を有する写真
要素の提供。 【解決手段】 フィルム支持体、少なくとも一つの感光
層、非薄膜形成性粒状物質を30容量%を超えて含有す
る高充填量層、および前記高充填量層に隣接して上方と
下方に位置する水性コート隣接層を備えてなる写真要素
であって;前記上方の隣接層が前記高充填量層に比べて
前記支持体から遠い位置にありそして前記下方の隣接層
が前記高充填量層に比べて前記支持体に近い位置にあ
り、各隣接層が70容量%を超える含有量の薄膜形成性
結合剤を含有しかつ下方の隣接層は厚みが少なくとも
1.0μmである写真要素。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感光性写真要素に関
し、さらに詳しくは例えば、導電性金属酸化物粒子など
の非薄膜形成性の粒状物質を高充填量で含有してなる帯
電防止層のような高充填量粒状物質含有層を含んでなる
感光性写真要素に関する。
【0002】
【従来の技術】写真要素は、これを製造中、露光中およ
び処理中に望ましくない静電放電が起こるのを防止する
ため一つ以上の導電性の帯電防止層を設けることが望ま
しい。写真要素に使用するように提案されている帯電防
止剤としては、金属酸化物類を含有してなる非薄膜形成
性粒状物質があり、その金属酸化物類としては、例え
ば、酸化スズ、アンチモンをドープされた酸化スズ、五
酸化バナジウムおよびアンチモン酸金属塩類の粒子があ
る。このような粒状物質は、一般に写真の透明性を維持
しながら優れた帯電防止性能を付与するため、薄膜形成
性結合剤に対して比較的高い充填量にて、薄い層でコー
トされる。写真要素支持体に対する優れた接着性を付与
するため、このような高充填量の帯電防止層は一般に、
支持体上の薄い下塗り層の上に直接コートされている。
このような帯電防止層は、従来一般的に、写真要素の感
光層に対して、支持体の反対側面(“裏面”)にコート
される。特定の帯電防止層の配合物は、例えば米国特許
第4,203,769号、同第4,394,441号、
同第4,418,141号、同第4,495,278
号、同第5,368,995号に開示されている。
【0003】各種のイメージング要素に、高分子結合剤
中に分散させた磁性粒子を含有する透明磁気記録層が入
っていることも知られている。このような透明磁気記録
層を、感光性ハロゲン化銀写真要素中に入れて使用する
ことは、例えば、米国特許第3,782,947号、同
第4,279,945号、同第4,302,523号、
同第5,217,804号、同第5,229,259
号、同第5,395,743号、同第5,413,90
0号、同第5,498,512号などに記載されてい
る。このような写真要素は、画像を通常の写真処理によ
って記録することができてしかも情報を、伝統的な磁気
記録技術に利用されている方法に類似の方法によって磁
気記録層に同時に記録できるかまたは磁気記録層から読
み取ることができるので有利である。
【0004】上記の透明磁気記録層は、カメラ、現像器
または焼付け器のような各種の機器によって、要求に応
じて、符号化情報の正確な記録と再生を繰返し実施でき
なければならない。また、前記層は、その写真要素の画
像形成性能に悪影響を与えることなしに、優れた作動特
性、耐久特性(すなわち耐摩耗性と耐引掻性)および磁
気ヘッド洗浄特性も示さねばならない。しかし、この目
標を達成することは極めて困難である。なぜならば、磁
性粒子の性質と濃度は、磁気記憶されるデータを書き込
みおよび読み取るのに十分な信号を提供するよう要求さ
れ、そして写真層の光学濃度と粒状度に対する顕著な
色、ヘイズまたは粒子の作用は磁気層と関連しているか
らである。これらの目標は、磁気記録された情報が写真
画像領域に記憶され、該領域から読み取られる場合、達
成することが特に困難である。さらに、写真要素のカー
リングは主として写真層と支持体のコアセットが原因で
あるから、磁気層は、記録と再生の操作中、ヘッド−媒
体のインタフェースに平面性を維持するため、通常の磁
気記録の場合より磁気ヘッドに対し一層しっかりと保持
されねばならない。したがって、これら各種の特性はす
べて、写真造影性能に悪影響を与えずしかも磁気ヘッド
が繰返し行う多数回の読取り−書込み操作に耐える透明
磁気記録層を有する商業的に生残り可能な写真要素に到
達するため、別個にかつ累積的に考慮されねばならな
い。
【0005】写真フィルムと写真印画紙の製造中と利用
中に起こる静電気の発生と放電に関連する問題は、上記
のように写真産業界に長年にわたって認識されている。
自動カメラに使用するように設計されている透明磁気記
録層を含んでなるフィルムには、写真ロールフィルムが
フィルムカセットを繰返し出入りするので、フィルムが
磁気ヘッドを横切って移動する運動と、繰返し行われる
巻取りと巻戻しの操作によって、特に相対湿度が低い環
境内で、静電気が発生する問題が加わる。フィルム表面
に電荷が蓄積すると、フィルムにダストが引き付けられ
て付着する。ダストが存在すると、写真要素の物理的欠
陥をもたらしたり写真要素の画質が低下するだけでな
く、ノイズをもたらして、磁気記録性能(例えばS/N
比、“ドロップアウト”など)が劣化することがある。
この磁気記録性能の劣化は各種の原因で起こるが、その
原因としては、ヘッド−媒体の間隔の増大によって生じ
る信号損失、再生中に磁気ヘッドが静電気を放電するこ
とによって起こる電気的雑音、磁気ヘッドを横切るフィ
ルムの不均一な輸送、磁気ヘッドギャップの閉塞および
磁気ヘッドの過大な摩耗などがある。したがって、透明
磁気記録層を含んでなる写真要素に導電性帯電防止層を
使用することが特に重要である。透明磁気記録層を含ん
でなる従来技術の写真要素では、帯電防止層は、一般
に、磁気記録層の下に重なっているバッキング層として
存在している(例えば、米国特許第5,457,013
号参照)。
【0006】コートされた感光層を乾燥する際の要素の
過大なカーリングを防止し、フィルム要素は、焦点条件
を最適にするため、露光および焼付け中、カメラまたは
焼付け器内で十分に平坦であることが保証され、ならび
にカメラおよび処理装置を通じてフィルムを輸送しやす
くするため、感光層を含んでなる写真フィルム要素の支
持体の裏面に一つ以上のカール抑制層をコートすること
が望ましい場合が多い。このような裏面のカール抑制層
は、一般に、水性配合物からコートされる親水性結合剤
からなり、乾燥時の全厚みは、支持体の感光乳剤層の上
の親水性結合剤層によって生成するカーリングが所望の
程度にまで相殺されるよう十分な厚み(一般に1〜25
μm)を有している。透明磁気記録層が、比較的幅の広
い(すなわち35mmより広い)ロールカメラフィルム、
例えば120および220の中判フィルム、ならびにX
線フィルムとグラフィックアーツ用フィルムを含むシー
トフィルム中に含まれている場合、これらのフィルム
は、一般に、カールに対して一層敏感でありかつ磁気記
録性能の劣化が起こるのは変りやすいヘッド−媒体の間
隔に関連しているから、カール抑制層を使用することが
特に重要である。感光層、磁気記録層およびカールを抑
制するため写真要素内に設けられた親水性コロイドから
なるカール抑制層の厚みの最適比率は例えば米国特許第
5,753,426号に記載されている。なおこの特許
の開示内容は本明細書に援用するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】フィルム支持体上の多
量に充填された(すなわち少量の結合剤)比較的薄い帯
電防止層の上にコートされた磁気記録層に加えて実質的
なカール抑制層パッケージを含んでなるバッキング層の
配置構成の接着性は、当業界技術分野で通常実施されて
いるように、帯電防止層が支持体上に又は薄いプライマ
ー層(例えば塩化ビニリデンベースの共重合体の層)の
上に直接コートされる場合、問題が多い。フィルム要素
に、優れた接着性能を示すカール抑制層、磁気記録層お
よび高充填量の帯電防止層を提供できることは有利であ
る。さらに、かような層が、単一のコーティングパス
で、水性コーティング組成物から有効にかつ同時にコー
トできるフィルム要素を提供することが望ましい。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の一実施態様で、
フィルム支持体、少なくとも一つの感光層、非薄膜形成
性粒状物質を30容量%を超えて含有する高充填量層、
ならびにその高充填量層に隣接して上方と下方に位置す
る水性コート隣接層を備えてなる写真要素であって;前
記上方の隣接層が前記高充填量層に比べて支持体から遠
い位置にあり、そして前記下方の隣接層が前記高充填量
層に比べて支持体に近い位置にあり、各隣接層が70容
量%を超える含有量の薄膜形成性結合剤を含有し、そし
て下方隣接層は厚みが少なくとも1.0μmである写真
要素が開示される。層の厚みは、要素を、25℃にて5
5%の相対湿度下で2日間平衡させた後、測定される。
一般に、少なくとも1.076g/m2 (100mg/ft
2 )の親水性結合剤、例えばゼラチンを含有する層の厚
みは、上記の平衡化を行った後、少なくとも約1.0μ
mである。
【0009】本発明の好ましい実施態様によると、本発
明は、非薄膜形成性粒状物質の容量%が、少なくとも3
0%で多くても約90%、より好ましくは少なくとも約
40%で多くとも約80%、そして最も好ましくは少な
くとも約50%で多くとも約70%である高充填量層と
ともに利用する場合、特に適用できる。高充填量層の厚
みは、好ましくは約0.5μm以下であり、より好まし
くは約0.3μm以下でありそして最も好ましくは約
0.2μm以下である。前記上方、隣接層の厚みは好ま
しくは少なくとも約0.5μmである。特に好ましい実
施態様で、高充填量層に隣接する2層各々の厚みは、最
適の接着性能を得るには少なくとも1.0μmである。
【0010】本発明の特定の実施態様によると、高充填
量層中の非薄膜形成性粒状物質が導電性粒子を含み、高
充填量層に隣接して、支持体に近い方の層が、親水性の
カール抑制層を含み、そして支持体から遠い位置にあっ
て、高充填量層に隣接する層又はその上にコートされた
層が水性コートされた透明磁気記録層を含んでなる場
合、その要素の物理的平坦性、低い粒状度および光学濃
度によって、優れた接着特性を有するイメージング要素
を、優れた磁気記録特性と写真透明性を兼ねあわせて得
られる。
【0011】本発明の別の態様は、磁性粒子の水性媒体
中分散液を含有してなる磁気記録層コーティング組成
物、帯電防止層水性コーティング組成物およびカール抑
制層水性コーティング組成物を含む複数のコーティング
組成物を、他の任意の通常のゼラチン含有水性コート層
とともに、支持体上に同時に塗布する方法で構成されて
いる。この発明の追加の利点は、通常のコーティング装
置(ビードコーティング、カーテンコーティング)を用
いて、それぞれの層のコーティング溶液を同時に塗布す
ることによって、要素の支持体の裏面に、各々厚みが実
質的に均一な複数の前記層を得ることができることであ
る。
【0012】ゼラチンのような親水性コロイドを含有す
る水性媒体中に配合された本発明の好ましい実施態様の
磁性分散液は相容性なので、支持体の裏面に、磁気層、
親水性カール抑制層および他の通常のゼラチン含有層を
同時にコートすることができる。本発明の好ましい実施
態様では磁気記録層とカール抑制層または二つのカール
抑制層を含む二つの隣接水性コート層の間に、高充填量
の帯電防止層を配置すると、高充填量の帯電防止層が支
持体に最も近い場合に比べて、支持体へのこれらコート
層の優れた接着性が得られる。このような高充填量層を
含有する写真要素の機械特性は、その高充填量層を、他
の二つの水性コート層の間にサンドイッチするとかなり
強化される。
【0013】多層コーティングパスの底部層にはレオロ
ジーの要件があるので、コーティングパスの底部層とし
て高充填量層をコートすることも一般に困難である。し
たがって、高充填量層を、二つの隣接する水性コート層
の間にコートする本発明の方法は、支持体の同じ面上に
帯電防止層と磁気記録層を組み込むのに必要なコーティ
ングパスの数を有利に減らして、製造工程の費用効率が
一層高くなる。
【0014】磁気層および関連する層の水性コーティン
グは、溶媒コーティングに現在用いられている溶媒回収
操作が不要であることを意味している。資金節減に加え
て、火炎と爆発の危険が大きく減少する。また水性コー
ティングには、同時に多層コーティングを行うことがで
きる高速でかつ高生産能力のコーティング機械を使用で
きる。
【0015】磁気層およびカール抑制層用に、ゼラチン
などのコロイドを含有する水性配合物を使用することに
よって、カブリや有害な増感の危険が、光活性架橋剤を
含有していることがある溶媒ベースのコーティング系に
比べて最少限になる。水性配合物の追加の利点は、ハレ
ーション防止色素が、処理中に、カール抑制層から容易
に除去できることと、カール抑制特性が湿度の変化に対
し感度が低いことである。
【0016】本発明は、30容量%を超える量の非薄膜
形成性粒状物質を含有する高充填量層を含んでなる写真
要素に関する。好ましい実施態様で、高充填量層は帯電
防止層であり、そしてその粒状物質は導電性微細粒子で
構成され、その微細粒子は、水溶性または水分散性の高
分子結合剤によって分散されている。適切な導電性粒子
としては、各種造影用途の帯電防止層に使用するよう従
来提案されている粒子であって、例えば光学的に透明
で、湿度に非感受性の帯電防止層を製造するのに使用さ
れている結晶金属酸化物類、アンチモン酸金属塩類およ
びセラミック粒子類などがある。多種類の金属酸化物、
例えばZnO,TiO2 ,ZrO2 ,SnO2 ,Al2
3 ,In2 3 ,SiO2 ,MgO,BaO,MoO
3 およびV 2 5 が、米国特許第4,275,103
号、同第4,394,441号、同第4,416,96
3号、同第4,418,141号、同第4,431,7
64号、同第4,495,276号、同第4,571,
361号、同第4,999,276号および同第5,1
22,445号などの特許に、写真要素の帯電防止剤と
してまたは静電写真要素の導電剤として使用することが
提案されている。電子的に導電性のアンチモン酸金属塩
が米国特許第5,457,013号に開示されている。
水溶性ポリマーまたは溶媒溶解性樹脂などの結合剤中に
分散されたTiN,NbB2 ,TiC,LaB6 または
MoBの粒子のような導電性セラミック粒子を含有して
なる帯電防止層が、1992年2月24日付けで公開さ
れた特開平4−55492号に記載されている。好まし
い導電性粒子としては、アンチモンをドープした酸化ス
ズ、アルミニウムをドープされた酸化亜鉛およびニオブ
をドープされた酸化チタンなどのような金属酸化物類;
ならびに式M+2Sb+5 2 6またはM+3Sb+54 (式
中M+2はZn+2,Ni+2,Mg+2,Fe+2,Cu+2,M
+2,Co+2であり、M+3はIn+3,Al+3,Sc+3
Cr+3,Fe+3,Ga +3である)で表されるルチル型ま
たはルチル類縁型結晶構造のアンチモン酸金属塩類があ
る。
【0017】表面抵抗率は、導電性粒子を含有する高充
填量帯電防止層の場合、106 〜109オーム/スクエアの
範囲内が好ましい。このような高い導電性を得るため
に、帯電防止層には一般に金属酸化物が0.1〜10g
/m2 含有されている。しかしコーティングレベルが高
いと、帯電防止コーティングが厚いため、光学的透明性
が低下する恐れがある。好ましい金属酸化物の屈折率が
高いので(>2.0)、帯電防止層によって散乱される
光(ヘイズ)を最少限にするため、これら金属酸化物
は、超微粒子の形態で分散させることが好ましい。イメ
ージング要素に使用する場合、導電性粒子の平均粒径
は、好ましくは約1μm未満であり、一層好ましくは約
0.5μm未満であり、そして最も好ましくは0.1μ
m未満である。高度の透明性が重要なイメージング要素
で使用する場合、平均粒径が0.01〜0.05μmの
範囲内にあるコロイド粒子を使用することが好ましい。
【0018】コロイドの導電性アンチモン酸金属塩がい
くつか、水または有機溶媒による分散液の形態で日産化
学工業(株)から市販されている(特開平6−2197
43号参照)。あるいは、米国特許第4,169,10
4号と同第4,110,247号が特定のアンチモン酸
金属塩の製造方法を教示している。すなわちアンチモン
酸カリウム〔すなわちKSb(OH)6 〕の水溶液を、
適当な可溶性金属塩(例えば塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩な
ど)の水溶液で処理して、対応する不溶性水和物のゼラ
チン状沈澱物を製造する方法である。次に、その単離さ
れた水和ゲルを水で洗浄して、過剰のカリウムイオンと
塩のアニオンを除去する。上記洗浄したゲルを、コロイ
ドの五酸化アンチモンゾルの製造に関する米国特許第
4,589,997号に教示されているように、有機塩
基(例えば、トリエタノールアミン、トリプロパノール
アミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、
水酸化第四級アンモニウム類など)の水溶液で、25〜
150℃の温度にて処理することによって解膠する。
【0019】厳しい写真用途向けの帯電防止コーティン
グに使用するのに適切であるためには、導電性粒子は平
均粒径が小さくなくてはならない。粒径が小さいと、コ
ーティングの光学的透明性の低下をもたらす光の散乱が
最少限になる。粒子の大きさ、粒子の屈折率:粒子が混
合されている媒体の屈折率の比率、入射光の波長および
粒子の光散乱効率の間の関係は、ミーの散乱理論で説明
されている(G.Mie,Ann,Physik.,2
5巻377頁1908年)。この問題が写真の用途に関
連しているとしてT.H.Jamesが考案している
(“The Theory ot the Photo
graphic Process”第4版、Roche
ster:EKC,1977年)。一般的な写真のゼラ
チン結合剤系を使用する薄層中にコートされた導電性粒
子の場合、波長が550nmの光の散乱を20%未満に制
限するには、平均粒径が約0.2μm未満の粉末を使用
する必要がある。ある種の日光に感光しないグラフィッ
クアーツフィルムを露光するのに用いる紫外線のような
波長の短い光の場合、平均粒径が約0.1μmより著し
く小さい導電性粒子が好ましい。
【0020】光学的な要件に加えて、非常に小さい粒径
は、薄いコーティング内でさえも、層を通じて多数の導
電経路を提供して電気的に連続させる導電性粒子の複数
の相互に接続された連鎖またはネットワークが存在する
ことを保証する必要がある。平均粒径が非常に小さい、
導電性のコロイドアンチモン酸金属塩粒子(一般に0.
01〜0.05μm)は、本発明の好ましい実施態様の
薄い帯電防止層中に多数の導電経路をもたらす。他の市
販されている導電性金属酸化物の顔料の場合、顔料分散
液およびペイント製造の当業界で周知の各種機械的ミリ
ング法によって、平均粒径を小さくすることができる
(一般に0.5〜0.9μm)。しかしこれら金属酸化
物の顔料の多くは、薄いコーティングの光学的透明性と
多数の導電経路の両者を保証し、しかも帯電防止層内で
有効であるよう十分な粒子間導電性を保持するのに必要
なコロイドの大きさまで摩減によって粒子を小さくでき
るほど十分に化学的に均質ではない。
【0021】アンチモン酸金属塩の粒子などの導電性粒
子を含有する帯電防止層のような本発明の高充填量薄層
に有用な結合剤としては、ゼラチン、ゼラチン誘導体、
無水マレイン酸共重合体などのような水溶性重合体;カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、酢酪酸セルロース、ジアセチルセルロースまたはト
リアセチルセルロースのようなセルロース化合物;ポリ
ビニルアルコール、ポリ−N−ビニルピロリドン、アク
リル酸共重合体、ポリアクリルアミドおよびその誘導体
と部分加水分解生成物、ポリ酢酸ビニルおよびポリアク
リル酸エステルのようなビニル重合体とビニル共重合体
などの合成親水性重合体;上記重合体類の誘導体;なら
びに他の合成樹脂がある。他の適切な結合剤としては、
アクリル酸を含むアリレート類、メタクリル酸を含むメ
タクリレート類、アクリルアミド類とメタクリルアミド
類、イタコン酸とその半エステル類とジエステル類、置
換スチレン類を含むスチレン類、アクリロニトリルとメ
タアクリロニトリル、酢酸ビニル類、ビニルエーテル
類、ハロゲン化ビニル類とハロゲン化ビニリデン類、オ
レフィン類のようなエチレン系不飽和モノマーで製造さ
れる付加型重合体とインターポリマーの水性乳濁液、な
らびにポリウレタン類またはポリエステルイオノマー類
(polyesterionomer)の水性分散液が
ある。導電性粒子のコーティングを製造するのに有用な
溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノ
ール、イソプロパノールのようなアルコール類;アセト
ン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン
のようなケトン類;酢酸メチルおよび酢酸エチルのよう
なエステル類;2−メトキシエタノール、2−エトキシ
エタノール、1−メトキシ−2−プロパノールのような
グリコールエーテル類;ならびにこれらの混合物があ
る。本発明の好ましい実施態様では、水溶性または水に
分散可能な結合剤が使用され、そして高充填量層は水ベ
ースのコーティング組成物でコートされる。
【0022】結合剤と溶媒に加えて、写真技術界で周知
の他の成分も、電気伝導性層中に入れてもよい。これら
の追加の成分としては、界面活性剤(フッ素化界面活性
剤を含む)、分散助剤、コーティング助剤、増粘剤、架
橋剤もしくは硬膜剤、可溶性および/または固体粒子の
色素、カブリ防止剤、艶消粒子、潤滑剤などがある。例
えばアニオン重合体の増粘剤は、結合剤としてゼラチン
を含有する帯電防止コーティング溶液に添加して、周知
のコーティング法にしたがって、隣接コート層の粘度に
関連して前記層の粘度を制御する。
【0023】本発明の好ましい実施態様による高充填量
帯電防止層における薄膜形成性結合剤に対する非薄膜形
成性粒子の量の比率は、そのコート層によって達成され
る最終導電性に影響する重大な要因の一つである。この
比率が小さすぎると、帯電防止特性をほとんどまたは全
く示さない。この比率が非常に大きいと、導電性層と支
持体の間の接着性が低下する。結合剤に対する導電性粒
子の最適比率は、粒径、結合剤のタイプおよび導電性要
件によって変化する。しかし、導電性粒子の好ましい容
積分率は、一般に、コート層の容積の約30〜90%の
範囲内であり、より好ましくは40〜80%でありそし
て最も好ましくは50〜70%である。本発明によって
乾燥し平衡させた後、得られるコート層の厚みは好まし
くは0.5μm未満であり、より好ましくは約0.3μ
m以下であり、そして最も好ましくは約0.2μm以下
である。コート層中に存在する導電性粒子の濃度は、使
用される特定化合物の重量密度によって変化する。
【0024】支持体およびその上にコートされる層に対
する接着性が優れている本発明の上記のような比較的薄
い高充填量層を提供するため、その高充填量層を、厚み
が少なくとも1.0μmで粒状物質の充填量が高くない
比較的厚い隣接層の上にコートし、そしてより好ましく
は各々が、高充填量層より厚みが比較的大きくて粒状物
質の充填量が少ない二つの隣接層の間にコートする。前
記の上方隣接層の厚みは、好ましくは少なくとも約0.
5μmである。好ましい実施態様で、高充填量層に隣接
する前記二つの層各々の厚みは、最適の接着性能を得る
には少なくとも1.0μmである。本発明の特定の実施
態様では、隣接する層が、透明の磁気記録層と単一もし
くは二つのカール抑制層で構成され、各々水ベースのコ
ーティング組成物でコートされる。
【0025】好ましい実施態様のこの発明は、磁性粒子
を含有する透明層であって、符号化された情報を書き込
むことができかつ読み取ることができる層を備えてなる
写真要素に関する。磁性粒子を含有するこれら透明層
は、特に写真要素と組み合わせて使用することができ、
感光性写真要素の質と性能に影響することなしに情報を
その磁気層に書き込むことができる。
【0026】本発明の好ましい実施態様の透明磁気記録
層は、磁気粒子の分散液、好ましくは、HLB数が8よ
り大きくかつ両親媒性の水に分散可能かまたは水溶性の
化合物ら選択される分散剤、ゼラチンその他の親水性コ
ロイドのような薄膜形成性結合剤、および任意に、米国
特許第5,457,012号、同第5,531,913
号および同第5,520,954号に記載されているよ
うな合成もしくは天然の物質の粘度調整剤を含む。なお
これら特許文献は本明細書に援用するものである。
【0027】本発明の好ましい実施態様の特徴は、その
写真要素が、支持体とその支持体の第一面上の親水性結
合剤を含有する少なくとも一つの感光層、ならびにその
支持体の反対側の面上に、少なくとも一つの親水性コロ
イドのカール抑制層、高充填量の粒子を含有する帯電防
止層および親水性コロイド中に強磁性粒子を含有してい
る透明磁気記録層を有し、さらに任意に上記磁気記録層
上に潤滑層を有していて、これらの層の厚みが上記関係
にしたがっていることである。
【0028】本発明の写真要素の構造は、最適の性能を
達成するのに必要な写真処理の前後におけるフィルム面
の平坦性を保証する厳密なカール防止特性を必要とす
る、X線(放射線)フィルムとグラフィックアーツフィ
ルムのみならずカラー反転フィルム、カラーネガフィル
ムおよび黒白中判フィルムに特に適している。磁気層
は、例えば、強磁性のγ酸化鉄類、コバルトで表面処理
を行った強磁性酸化鉄類、コバルトをドープした強磁性
酸化鉄類、コバルト含有Fe2 3 、強磁性磁鉄鉱類、
コバルト含有強磁性磁鉄鉱類、強磁性二酸化クロム類、
強磁性金属粉末類、強磁性鉄粉末類、強磁性合金粉末類
およびバリウムフェライトを含む強磁性フェライト粉末
類のクラスのような強磁性微粉末を含むことができる。
さらに、上記粉末粒子は、磁化することができる層をつ
くるのに使用される透明重合体の材料より屈折率が小さ
い低屈折率材料製で、磁心と少なくとも同じ容積の殻
を、これら粉末粒子に設けることによって、これら粉末
粒子を改質して吸光係数と光散乱係数を小さくすること
ができる。一般的な殻の材料としては、無定形シリカ、
石英ガラス、ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネ
シウム、フッ化リチウム、ポリテトラフルオロエチレン
およびフッ素化樹脂類がある。強磁性合金粉末の例とし
ては、少なくとも80重量%の少なくとも1種の強磁性
合金(例えば、Fe,Co,Ni,Fe−Co,Fe−
Ni,Co−Ni,Co−Ni−Fe)と、20%以下
の他の成分(例えばAl,Si,S,Sc,Ti,V,
Cr,Mn,Cu,Zn,Y,Mo,Rh,Re,P
d,Ag,Sn,B,Ba,Ta,W,Au,Hg,P
b,La,Ce,Pr,Nd,TeおよびBi)とを含
む金属を75重量%以上含んでなるものがある。その強
磁性金属は、少量の水、水酸化物または酸化物を含有し
ていてもよい。さらに、米国特許第5,252,444
号に教示されているような、光散乱断面積が小さい低屈
折率の酸化物その他の物質の厚い層を有する磁性酸化物
類も使用できる。
【0029】本発明の好ましい実施態様による磁性粒子
は好ましくは針状の磁性粒子である。これら粒子の主軸
線にそった平均の長さは、好ましくは約0.3μm未満
であり、より好ましくは約0.2μm未満である。これ
らの粒子は、好ましくは、軸比すなわち長さ:直径の厚
みの比率が最大約5ないし6:1である。好ましい粒子
は比表面積が少なくとも30m2 /gであり、より好ま
しくは少なくとも40m2 /gである。この種の典型的
な針状粒子としては、例えば、γ酸化第二鉄のような第
二鉄および第一鉄の酸化物、鉄とコバルトの複合酸化物
類、各種のフェライトおよび金属鉄の顔料類がある。あ
るいは、バリウムフェライト類などの小さい平板状粒子
を使用できる。これら粒子は、当業界で知られているよ
うに、チタン、スズ、コバルト、ニッケル、亜鉛、マン
ガン、クロムなどの多価金属の1種以上のイオンでドー
プしてもよい。
【0030】好ましい粒子は、Coで表面を処理され
た、比表面積が40m2 /gより大きいγ−Fe2 3
で構成されている。この種の粒子は市販されており、商
品名CSF4085V2,CSF4565V,CSF4
585VおよびCND865VでToda Kogyo
Corporation社から入手することができ、
そして商品名RPX−4392,RPX−5003,R
PX−5026およびRPX−5012で、Pfize
r Pigments Inc.社から量産規模で入手
できる。優れた磁気記録を行うため、磁気粒子は好まし
くは約500Oeを超える保磁力と70 emu/gを超え
る飽和磁化を示す。
【0031】本発明の好ましい実施態様によって、透明
磁気層は、最初、前記の諸米国特許に記載されているよ
うな分散剤、好ましくはHLB数が少なくとも8の分散
剤、より好ましくは両親媒性の水分散性または水溶性の
高分子分散剤とともに水中に磁性粒子の濃分散液を製造
し、そして、得られた混合物を、米国特許第5,45
7,012号に記載されているように、ボールミル、ロ
ールミル、高速インペラミル、メディアミル、アトリタ
ーなどの装置で粉砕することによって製造する。この粉
砕は、磁性粒子の凝集体が実質的に残っていないことを
保証するのに十分な時間続ける。
【0032】前記分散液中の磁性粒子の濃度は、好まし
くは約5〜約75%であり、より好ましくは約10〜約
50%であり、そして最も好ましくは約15〜約35%
である。なお上記百分率は分散液の重量に対する重量%
である。所要時間は、使用される特定の粉砕装置によっ
て決まる。一般に、粉砕は約30分間〜約8時間、好ま
しくは約1〜約4時間続けねばならない。
【0033】透明磁気記録層は、好ましくは、写真フィ
ルムの感光層の反対側の面上の少なくとも一つのカール
抑制層上にコートされる。その結果、符号化と読出しが
容易になり同時にカーリングが抑制される。したがっ
て、情報は、写真製品製造の全ステップ中、磁気層内に
符号化しておくことができる。この情報としては、フィ
ルム製造中に利用される各種の層に関する製造データ、
基板上に構築される各種の層の特性に関する情報などが
ある。さらに、そのフィルムが完成されて消費者が使用
した後、多数の各種用途が予想され、磁気層には、この
活動分野に従事している写真家、現像所などに役立つ情
報が入っている。例えば、カメラに記録ヘッドを内蔵さ
せることによって、カメラが磁気層にデータを与えるこ
とができる場合、フィルムの各フレームに関する情報、
例えば光の条件、フレームが露光されるスピード、Fス
トップ数などを記録することができる。
【0034】透明磁気記録層、高充填量帯電防止層およ
びカール抑制層を同時に支持体に塗布するため、コーテ
ィング組成物を、例えば親水性結合剤を含有する水性媒
体中に適当な物質を分散させることによって製造する。
使用可能な親水性結合剤の例は、Research D
isclosure No.308119,Decem
ber 1989、およびNo.18716(page
651)November 1979に記載されている
結合剤である。例示されている親水性結合剤は、水溶性
重合体類、ゼラチン、ゼラチン誘導体類、セルロースエ
ステル類、ラテックス誘導体類、カゼイン、寒天、アル
ギン酸ナトリウム、澱粉、ポリビニルアルコール、ポリ
アクリル酸共重合体類、無水マレイン酸共重合体類およ
びこれらの混合物である。そのセルロースエステル類と
しては、ヒドロキシルプロピルセルロース、カルボキシ
メチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロースが
ある。ラテックス重合体類としては、塩化ビニル共重合
体類、塩化ビニリデン共重合体類、アクリル酸エステル
共重合体類、酢酸ビニル共重合体類およびブタジエン共
重合体類がある。これらのなかで、ゼラチンが最も好ま
しい。
【0035】ゼラチンは、アルカリ浴に浸漬したのち抽
出されるいわゆるアルカリ処理(石灰処理)ゼラチン;
アルカリ浴に浸漬したのち抽出される酸処理ゼラチン;
両方の浴に浸漬される酸処理ゼラチン;および酸素処理
ゼラチンのどれであってもよい。必要に応じて、ゼラチ
ンは、コロイドアルブミン、カゼイン、セルロース誘導
体(例えばカルボキシメチルセルロースもしくはヒドロ
キシエチルセルロース)、寒天、アルギン酸ナトリウ
ム、糖質誘導体(例えば澱粉誘導体もしくはデキストリ
ン)、合成親水性コロイド(例えばポリビニルアルコー
ル、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリル酸共重
合体、ポリアクリルアミドもしくはその誘導体もしくは
その部分加水分解物)またはゼラチン誘導体と組み合わ
せて使用してもよい。必要な場合に層を乾燥する際ヘイ
ズを最少限にするため、磁気記録層に、米国特許第5,
531,913号に開示されているように高分子電解質
の粘度調整剤を使用することが特に望ましい。
【0036】感光乳剤層とは反対側にコートされている
カール抑制層のパッケージは、上記親水性コロイド類の
いずれかを含有していてもよく、また光が前部乳剤層と
支持体を通過して、その乳剤層に対して後方散乱されお
よび/または反射されるハレーション作用を防止するた
め吸収色素を含有していてもよい。このような作用によ
って画像の鮮鋭度が失われる。単一のカール抑制層また
は複数のカール抑制層をコートすることができる。これ
らカール抑制層の全厚みは、大体1〜25μmである。
【0037】本発明の好ましい実施態様において、12
0および220の中判フィルムのような比較的広幅のロ
ールカメラならびにX線フィルムおよびグラフィックア
ーツフィルムを含むシートフィルムで使用する場合、支
持体の感光層のある面と反対側の面の親水性結合剤含有
層の全厚みは、好ましくは約2〜25μmであり、より
好ましくは約5〜25μmであり、そして最も好ましく
は約8〜25μmである。
【0038】分散された磁性粒子、分散剤、薄膜形成性
親水性結合剤および任意に高分子電解質を含有するコー
ティング組成物が、高充填量帯電防止層コーティング溶
液とカール抑制コーティング溶液とともに、適切な支持
体に同時にコートされ、その高充填量層は、二つの水性
コート層、例えば磁気層コーティング組成物とカール抑
制層コーティング組成物との間または二つのカール抑制
層コーティング組成物の間にサンドイッチされる。磁気
層は、好ましくは帯電防止層とカール抑制層の上部に、
そのまま、または架橋剤もしくは硬膜剤、コーティング
助剤、研磨粒子、潤滑剤、艶消し剤、帯電防止剤、充填
剤などの追加の成分または任意の成分を含有して位置し
ている。任意に、潤滑層を、磁気層上に同時にコートし
てもよい。
【0039】磁気コーティング組成物、帯電防止層組成
物およびカール抑制組成物は、接着性を高めるための通
常の下塗り層などの追加の層を有していてもよい支持体
に、スロットダイホッパー、スライドホッパーなどを初
めとする適切なコーティング装置によって同時に塗布す
ることができる。磁気層の厚みは、好ましくは約0.5
〜約10μmとし、より好ましくは少なくとも約0.7
5μmで大きくしても約5μmとし、そして最も好まし
くは少なくとも約1.0μmで大きくても約3μmとし
なければならない。
【0040】また磁気層には、保護オーバーコート、帯
電防止剤、潤滑剤などを含有する通常の層を、別個のコ
ーティングステップまたは上記のように同時にオーバー
コートしてもよい。本発明を実施するのに下記のような
適切な支持体が利用される。すなわち、二酢酸セルロー
ス、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸
セルロース、酢酸プロピオン酸セルロースなどを含むセ
ルロース誘導体;ポリアミド類;ポリカーボネート類;
ポリエステル類、特にポリエチレンテレフタレート、ポ
リ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン1,2−ジフェノキシエタン−4,
4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレー
トおよびポリエチレンナフタレート;ポリスチレン、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、ポリメチル−ペンテン、
ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリーレー
ト類、ポリエーテルイミド類などの支持体である。写真
要素用支持体は、イングランド、ハンプシャー州P01
07DQ、エムズワース、12aノースストリート、ダ
ドリー・アネックス所在のKenneth Mason
Publications,Ltd.社が発行したRe
seach Disclosure,December
1989,Item 308,119, Secti
on XVII に記載されている。なおその内容は本願に
援用するものである。特に好ましい支持体は、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートおよび
セルロースエステル類の特に三酢酸セルロースである。
本発明に用いられる支持体の厚みは、好ましくは50μ
m〜300μmであり、より好ましくは75〜200μ
mである。その上に、各種の色素を支持体または磁気層
に配合して中性のまたは所望の濃度にしてもよい。
【0041】支持体の種類によっては、適切な透明の連
結層またはアンダーコート層を設けることが望ましい。
例えば、ポリエステル支持体は、一般に、その支持体と
その上にコートされる層の間に、接着性を高めるためア
ンダーコート層またはプライマー層を使用する。このよ
うなアンダーコート層は当業界で周知であり、例えば、
米国特許第2,627,088号、同第2,698,2
35号、同第2,698,240号、同第2,943,
937号、同第3,143,421号、同第3,20
1,249号、同第3,271,178号および同第
3,501,301号に記載されているように塩化ビニ
リデン/アクリル酸メチル/イタコン酸のターポリマー
または塩化ビニリデン/アクリロニトリル/アクリル酸
のターポリマーで構成されている。その上にコートされ
る厚いカール抑制層または感光性ゼラチンベースの層の
接着性を高めるため、約0.05〜0.3g/m2 のゼ
ラチンで構成されている別の薄い下塗り層を上記アンダ
ーコート層の上に通常コートする。
【0042】ゼラチンまたは他の親水性コロイドを含有
する本発明の好ましい実施態様の磁気記録層、カール抑
制層および例えばゼラチンを含有する同じ側の他の層は
硬膜させることが好ましい。支持体の裏面の複数の層は
すべて、支持体に最も近い層に硬膜剤を導入して上方の
層に拡散させることによって同時に硬膜させることがで
きる。これらの層を硬膜するのに使用できる硬膜剤とし
ては、例えば、ホルムアルデヒドおよびグルタルアルデ
ヒドなどのアルデヒド化合物;ジアセチルおよびシクロ
ペンタンジオンなどのケトン化合物;ビス(2−クロロ
エチル尿素)、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−
1,3,5−トリジンおよび米国特許第3,288,7
75号と同第2,732,303号および英国特許第9
74,723号と同第1,167,207号に記載され
ている化合物のような反応性ハロゲンを有する化合物;
ジビニルスルホン、5−アセチル−1,3−ジアクリロ
イルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジンおよびジビ
ニルスルホンのような反応性オレフィン含有化合物類、
5−アセチル−1,2−ジアクリロイル−ヘキサヒドロ
−1,3,5−トリアジン、およびジビニルスルホンの
ような化合物、5−アセチル−1,3−ジアクリロイル
−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、ならびに米
国特許第3,635,718号と同第3,232,76
3号および英国特許第994,869号に開示の化合
物;N−ヒドロキシメチロタルイミド;N−ヒドロキシ
メチルフタルイミドおよび米国特許第2,732,31
6号と同第2,586,168号に記載の化合物のよう
なN−ナチロール化合物;米国特許第3,103,43
7号に記載のイソシアネート類;米国特許第3,01
7,280号と同第2,983,611号に開示されて
いるアジリジン類;米国特許第2,725,294号と
同第2,725,295号に記載の酸誘導体類;米国特
許第3,091,537号に記載のエポキシ化合物;お
よびムコ塩素酸のようなハロゲン化カルボキシアルデヒ
ド類がある。無機硬膜剤の例としては、クロムミョウバ
ン、硫酸ジルコニウム、ならびに異議申立のための公開
である特公昭56−12853号と同昭58−3269
9号、ベルギー特許第825,726号、特開昭60−
225148号と同昭51−126125号、特公昭5
8−50699号、特開昭52−54427号および米
国特許第3,321,313号に記載されているカルボ
キシル基活性化硬膜剤がある。硬膜剤は、乾燥ゼラチン
の量に対して、一般に0.01〜30重量%の量で用い
られ、好ましくは0.05〜20重量%の量で用いられ
る。
【0043】追加の成分を、本発明の要素の各種の層の
コーティング組成物に任意に含有させてもよい。本発明
の特定の実施態様では、例えば磁気層コーティング組成
物(したがって磁気層)は、研磨粒子、強化充填剤また
は酸化スズを含有していてもよい。研磨粒子および/ま
たは強化充填剤粒子としては、モーススケールの硬さが
6以上の非磁性無機粉末がある。具体例は、金属酸化物
類、例えばα−アルミナ、γ−アルミナ、酸化クロム
(例えばCr2 3 )、α酸化鉄(例えばFe
23 )、二酸化ケイ素、アルミノケイ酸塩および炭化
チタン;炭化物類、例えば炭化ケイ素および炭化チタ
ン;窒化物類、例えば窒化ケイ素、窒化チタン;ならび
に微細粉末のダイヤモンドである。αアルミナと二酸化
ケイ素が本発明の好ましい研磨粒子である。これらの粒
子は、本発明に記載しているのと同じ分散剤を用いて水
中に予め分散させておいて次にコーティング組成物に混
合することができる。どんな形態の酸化スズ粒子でも、
例えば酸化スズ自体、またはドープされた酸化スズ例え
ばアンチモンまたはインジウムでドープされた酸化スズ
でも使用できる。酸化スズは、導電性または非導電性の
形態で使用できるが、導電性の形態の場合、その層が帯
電防止層として作動するという点で追加の利点が得られ
る。適切な導電性粒子は、米国特許第4,495,27
6号、同第4,394,441号、同第4,431,7
64号、同第4,418,141号および同第4,99
9,276号に開示されている。なおこれらの文献は本
明細書に援用するものである。有用な酸化スズ粒子は、
商品名Stanostat CPM375でKeeli
ng and Walker Ltd.社から、商品名
ZelecECP 3005XCおよび3010SCで
Dupont Co.社から、ならびに商品名T−1で
Mitsubishi Metals Corp.社か
ら市販されている。好ましいアンチモン酸金属塩として
は、米国特許第5,368,995号に開示されている
ようなルチル型またはルチル類縁型の結晶構造を有する
ものがある。なおこの特許の開示内容は本明細書に援用
するものである。また、これらの粒子も、磁気記録層粒
子の分散液について記載したのと同じ分散剤を用いて水
に予め分散させておいてコーティング組成物に混合する
ことができる。
【0044】すでに述べたように、本発明の写真要素は
少なくとも一つの感光層を備えている。このような感光
層は、塩化銀、臭化銀、臭ヨウ化銀、塩臭化銀などの写
真用ハロゲン化銀を含有する画像形成層でよい。X線
(放射線)フィルムおよびグラフィックアーツフィルム
のみならずカラー反転フィルム、カラーネガフィルムお
よび黒白中判フィルムが具体的に考えられる。Rese
arch Disclosure,Vol.176,D
ecember 1978 Item 17643およ
びResearch Disclosure Vol.
225,January 1983 Item 225
34に記載されているような公知のハロゲン化銀乳剤層
はいずれも、本発明の写真要素を製造するのに有用であ
る。なおこれら文献の開示内容はすべて本明細書に援用
するものである。一般に、本発明の写真要素は、支持フ
ィルムの、磁気記録層、帯電防止層およびカール抑制層
の面と反対側の面に、ゼラチン水溶液によるハロゲン化
銀結晶の分散液からなる一つ以上の層、および任意に一
つ以上の例えばゼラチンなどの下塗り層をコートするこ
とによって製造することができる。そのコーティングプ
ロセスは、単一層または複数の層を支持体に塗布する連
続作動機械で実施することができる。これらの層は、米
国特許第2,761,791号および同第3,508,
947号に記載されているように複合体の支持フィルム
に同時にコートできる。その外の有用なコーティングと
乾燥の手順は、Research Disclosur
e Vol.176,December 1978,I
tem 17643に記載されている。適切な感光画像
形成層はカラーまたは黒白の画像を提供する層である。
【0045】米国特許第3,782,947号に教示さ
れているように、ある要素が、写真要素および磁気記録
要素の両者として有用であるかどうかは、磁性粒子の粒
径分布と濃度、および磁性コーティングと写真コーティ
ングの粒状度間の関係によって決まる。一般に、もちろ
ん、磁気記録層を有する写真要素中の乳剤の粒子があら
ければあらいほど、容認できる磁性粒子の平均粒径は大
きくなる。磁性粒子が写真要素の所望の領域に均一に分
布している場合、最大粒径が約1μm未満であれば、約
10〜1000mg/m2 の磁性粒子の濃度で、写真術
上、十分に透明である。約10mg/m2 未満の粒子濃度
は磁気記録の目的に対して不十分な傾向があり、そして
約1000mg/m2 より大きい粒子濃度は写真の目的に
対して濃度が高すぎる傾向がある。特に有用な粒子濃度
は20〜70mg/m2 の範囲内である。約20mg/m2
の濃度が反転フィルムに特に有用であることが見出され
ており、そして約40mg/m2 の濃度がネガフィルムに
特に有用である。
【0046】本発明の写真要素は、透明磁気記録層の中
または上に、ワックス層のような保護層もしくは潤滑層
を設けてもよい。適切な潤滑剤としてはシリコーン油、
極性基を有するシリコーン類、脂肪酸で修飾したシリコ
ーン類、フッ素含有シリコーン類、フッ素含有アルコー
ル類、フッ素含有のエステル類とポリオレフィン類、ポ
リオレフィン類、ポリグリコール類、リン酸アルキル類
とそのアルカリ金属塩類、硫酸アルキル類とそのアルカ
リ金属塩類、ポリフェニルエーテル類、フッ素含有硫酸
アルキル類とそのアルカリ金属塩類、10〜40個の炭
素原子を有する一塩基脂肪酸類(不飽和結合を含有して
いてもよくまたは分枝していてもよい)とその金属塩類
(例えばLi,Na,KおよびCuなどの金属塩)、1
2〜40個の炭素原子を含有する一価、二価、三価、四
価、五価および六価のアルコール類(不飽和結合を含有
していてもよくまたは分枝していてもよい)、12〜4
0個の炭素原子を有するアルコキシアルコール類、10
〜40個の炭素原子を有する一塩基脂肪酸のモノ−、ジ
−およびトリ−エステル類(不飽和結合を含有していて
もよくまたは分枝していてもよい)、ならびに2〜12
個の炭素原子を有する一価、二価、三価、四価、五価お
よび六価のアルコール類(不飽和結合を含有していても
よくまたは分枝していてもよい)アルキレンオキシドの
モノアルキルエーテル類の脂肪酸エステル類のポリマー
類、8〜40個の炭素原子を有する脂肪酸アミド類およ
び8〜40個の炭素原子を有する脂肪族アミン類のうち
の一つがある。これらの化合物(すなわちアルコール
類、酸類またはエステル類)の具体例としては、カルナ
ウバろう、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、ベヘン酸、ステアリン酸ブチル、オレイ
ン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、ステア
リン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸イ
ソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ステアリン酸ブト
キシエチル、アンヒドロソルビタンモノステアレート、
アンヒドロソルビタンジステアレート、アンヒドロソル
ビタントリステアレート、ペンタエリスリチルテトラス
テアレート、オレイルアルコールおよびラウリルアルコ
ールがある。好ましくは、潤滑層は、磁気層、帯電防止
層およびカール抑制層と同時に塗布され、潤滑層の組成
物は、ゼラチン、粘度調整剤、潤滑剤および水を含有し
ている。
【0047】本発明を、以下の諸実施例によってさらに
説明する。 実施例1(比較) 平均粒径が約0.01〜0.05μmの導電性アンチモ
ン酸亜鉛粒子のコロイド(日産化学工業(株))0.3
77g/m2 、ゼラチン0.067g/m2 およびジヒ
ドロキシジオキサン硬膜剤0.0013g/m2 を含有
してなる帯電防止コーティング配合物を、アクリロニト
リル、塩化ビニリデンおよびアクリル酸のターポリマー
で下塗りをした厚さ101.6μm(4ミル)のポリエ
チレンテレフタレートフィルムの支持体にコートした。
次に、上記の電気伝導性の帯電防止層に、三つのカール
抑制親水性コロイド層と一つの透明磁気記録層を含んで
なる多層パックを、同時コーティング操作でオーバーコ
ートして、以下に示すコート構造を得た。その水性の磁
性コーティング組成物は、米国特許第5,457,01
2号および同第5,531,913号にしたがって調製
した。 磁気記録層 ゼラチン 1.024g/m2 γ−酸化鉄 0.0592g/m2 α−アルミナ 0.0592g/m2 Syn Fac 8337高分子分散剤 0.0296
g/m2 カルナウバろう 0.204g/m2 硬膜剤 0.159g/m2 カール抑制層3(CCL3) ゼラチン 2.493g/m3 カール抑制層2(CCL2) ゼラチン 3.07g/m2 カール抑制層1(CCL1) ゼラチン 3.65g/m2 帯電防止層 アンチモン酸亜鉛のコロイド粒子 0.377g/m2 ゼラチン 0.067g/m2 ジヒドロキシジオキサン硬膜剤 0.0013g/m2 下塗りを施した厚さ101.6μm(4ミル)のポリエ
チレンテレフタレートフィルムの支持体 実施例2〜4(発明) 厚さ101.6μm(4ミル)のポリエチレンテレフタ
レート支持体に、実施例1に記載のターポリマーを下塗
りし、次いでその上にゼラチンプライマー層を塗布し
た。その下塗りを施した支持体に、実施例1に示す三つ
のカール抑制層と一つの磁気記録層をオーバーコートし
たが、一つの帯電防止層を、前記磁気記録層とカール抑
制層CCL3の間に配置するか(実施例2)、カール抑
制層CCL3とCCL2の間に配置するか(実施例
3)、またはカール抑制層CCL2とCCL1の間に配
置した(実施例4)。その帯電防止層の位置を表1に示
す。その帯電防止層は、ゼラチン0.0732g/
2 、アンチモン酸亜鉛の導電性粒子0.538g/m
2 およびポリスチレンスルホネート0.0022g/m
2 を含有している。各実施例2〜4で、カール抑制層、
磁気記録層および帯電防止層は、同時コーティング操作
でコートした。
【0048】これらコーティングを乾燥後、これらコー
ティングの支持体に対する湿潤接着性を、実施例1〜4
について次のようにして評価した。すなわちかみそりの
刃を使用してコーティングに切込みをつくり、続いてそ
の切込みをつくった領域の上のコーティングを、50℃
の水中でこすって、コート層の支持体からのはがれ状態
を肉眼で検査することによって評価した。コート層が、
試験表面積のレイティングの10%より大きくはがれた
場合、接着破壊を示している。結果を下記表1に示す。
【0049】 表 1 実施例 帯電防止層の位置 接着破壊(湿潤)50℃ 1(比較) 支持体に対し直接配置 あり 2(発明) 磁気層とCCL3の間 なし 3(発明) CCL3とCCL2の間 なし 4(発明) CCL2とCCL1の間 なし 表1に示す結果から分かるように、帯電防止層のような
高充填量層を、比較実施例1のように、下塗りを施した
支持体上に直接コートし、その帯電防止層の上に比較的
厚いカール抑制層と磁気記録層をコートしたときに起こ
る目視可能な接着破壊は、本発明の実施例2〜4にした
がって、高充填量の層を、比較的厚くて充填量の少ない
層の上に配置するとなくなっている。
【0050】本発明を、その好ましい実施態様を特に参
照して詳細に説明してきた。本発明の精神と範囲を逸脱
することなく変更と修正を行うことができるはずであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョージ レスリー オルティーン アメリカ合衆国,ニューヨーク 14612, ロチェスター,ラーキンス クロッシング 229 (72)発明者 タマラ ケイ オスバーン アメリカ合衆国,ニューヨーク 14616, ロチェスター,モロー ドライブ 204

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルム支持体、少なくとも一つの感光
    層、非薄膜形成性粒状物質を30容量%を超えて含有す
    る高充填量層、および前記高充填量層に隣接して上方と
    下方に位置する水性コート隣接層を備えてなる写真要素
    であって;前記上方の隣接層が前記高充填量層に比べて
    前記支持体から遠い位置にありそして前記下方の隣接層
    が前記高充填量層に比べて前記支持体に近い位置にあ
    り、各隣接層が70容量%を超える含有量の薄膜形成性
    結合剤を含有しかつ下方の隣接層は厚みが少なくとも
    1.0μmである写真要素。
  2. 【請求項2】 高充填量層中の非薄膜形成性粒状物質が
    導電性粒子で構成されている請求項1に記載の要素。
  3. 【請求項3】 カラー反転フィルム、カラーネガフィル
    ムまたは黒白中判フィルムである請求項1又は2に記載
    の要素。
  4. 【請求項4】 上方の隣接層が透明磁気記録層を含んで
    なる請求項1〜3のいずれか一項に記載の要素。
  5. 【請求項5】 下方の隣接層が親水性カール抑制層を含
    んでなる請求項1〜4のいずれか一項に記載の要素。
  6. 【請求項6】 支持体の一方の面に少なくとも一つの感
    光層を有しかつ支持体の反対側の面にバッキング層を有
    する写真要素の製造方法であって; a)第一面と第二面を有する写真フィルム支持体を提供
    する工程、 b)(i)少なくとも一つのカール抑制層を形成するた
    めの親水性コロイドの水溶液、(ii)帯電防止層を形成
    するための導電性粒子の水性分散液、および(iii )磁
    気記録層を形成するための、親水性コロイド中に磁性粒
    子を含む水性磁性分散液の順に、前記支持体の第一面に
    同時に塗布するに際し、その帯電防止層が30容量%を
    超える非薄膜形成性粒状物質を含有する高充填量層を含
    み、且つカール抑制層の厚みが1μmより大となるよう
    にする工程、並びに c)前記支持体の第二面に少なくとも一つの感光層を塗
    布する工程、を含んでなる方法。
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