JPH11129471A - インクジェット記録装置及びその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録装置及びその製造方法

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JPH11129471A
JPH11129471A JP29866097A JP29866097A JPH11129471A JP H11129471 A JPH11129471 A JP H11129471A JP 29866097 A JP29866097 A JP 29866097A JP 29866097 A JP29866097 A JP 29866097A JP H11129471 A JPH11129471 A JP H11129471A
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JP
Japan
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ink
mold
tubular portion
supply chamber
jet head
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JP29866097A
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English (en)
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Kosuke Sasai
浩介 笹井
Hideo Yasutomi
英雄 保富
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 一体成形することによって接着による組立工
程を不要にしたインクジェット記録装置を提供する。 【解決手段】 インクを収容するインク供給室12を含
む収容部14と、この収容部14から突出し、内部が上
記インク供給室12と連通して該インク供給室12から
供給されたインクを収容するインク加圧室18になって
いる管状部16とを、焼成により一体成形された圧電材
料の焼成体で構成し、上記管状部16を分極処理してア
クチュエータ部28とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像情報に応じて
インクを飛翔させ、これを記録紙に付着させて画像を記
録するインクジェット記録装置およびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、インク加圧室に収容されたインク
を電圧印加時の圧電部材の変形により加圧してノズルか
らインクを飛翔させるタイプのインクジェットヘッドが
知られている。この種のインクジェットヘッドは、通
常、ノズルを有するノズルプレート、複数のインク加圧
室や各インク加圧室にインクを供給するインク供給室な
どを形成するための部材、各インク加圧室に対応する複
数の圧電部材、インク加圧室と圧電部材とを隔てる隔
壁、および圧電部材を固定する支持部材等を接着して組
み立てることにより構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、構成部
品数および接着工程が多いほど製造コストが高くなると
ともに、組立誤差により歩留まりが低下する。また、接
着剤部分は時間の経過とともに劣化して強度が低下し、
ヘッド寿命に影響を及ぼすことになる。
【0004】そこで、発明の目的は、一体成形すること
によって接着による組立工程を不要にしたインクジェッ
ト記録装置およびその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、インクを収容するインク供給室を含む収容部
と、この収容部から突出し、内部が上記インク供給室と
連通して該インク供給室から供給されたインクを収容す
るインク加圧室になっている管状部とを、焼成により一
体成形された圧電材料の焼成体で構成し、上記管状部を
分極処理してアクチュエータ部としたものである。
【0006】また、本発明のインクジェット記録装置の
製造方法は、芯材とこの芯材からそれぞれ平行に突出し
た複数のピンとからなる型材の周囲に圧電材料を含む塗
液を塗布し、乾燥後焼成して上記型材を気化させること
により、インク供給室となる上記芯材に対応した内部空
間を有する収容部と、それぞれインク加圧室となる上記
ピンに対応した各内部が上記内部空間に連通する複数の
管状部とを上記圧電材料により一体成形し、上記管状部
の内面と外面にそれぞれ設けた電極を介して分極処理し
て上記管状部にアクチュエータ部を形成するものであ
る。
【0007】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録装置および
その製造方法によれば、インク供給室とこれに連通する
インク加圧室とが圧電材料により一体成形された焼成体
で構成され、しかもインク加圧室を形成する管状部がア
クチュエータ部となっているので、製造過程においてア
クチュエータとなる圧電部材の機械加工や接着による組
立工程が不要となり、製造コストの低減と歩留まりの向
上を図れる。また、接着部分が存在しないので、装置の
寿命に悪影響を及ぼすこともなく信頼性が向上する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態について説明する。図1は本発明の第1実
施形態のインクジェットヘッド(インクジェット記録装
置)10の部分斜視図であり、図2はインクジェットヘ
ッド10の断面図である。インクジェットヘッド10
は、インクを収容するインク供給室12となる内部空間
を有する収容部14と、この収容部14からそれぞれ平
行に突出する複数の管状部16とからなっている。これ
ら収容部14と管状部16とは圧電材料(例えばPZ
T)により一体成形された焼成体からなる。各管状部1
6の内部は収容部14内のインク供給室12に連通した
インク加圧室となっており、そこから供給されたインク
がインク加圧室18の先端まで収容されている。なお、
管状部16の寸法は、例えば、長さ800μm、外径9
0μm、内径40μmに形成してある。
【0009】管状部16の内面、すなわちインク加圧室
18の壁面には例えばNiめっきからなる共通電極層2
0が形成されており、この共通電極層20は収容部14
の内面まで連続して形成されている。また、共通電極層
20は、管状部16の先端に設けた補助電極22を介し
てアースに接続されている。さらに、共通電極層20の
厚みを3μm以上に形成することで管状部16の内部へ
のインク浸透を防止する保護膜としても機能する。一
方、管状部16の中央領域の外周面には、例えばNiめ
っきからなる個別電極層24が環状に形成されている。
各管状部16の個別電極層24はそれぞれ個別に駆動電
源26に接続されている。
【0010】高温下で個別電極層24と共通電極層20
間に高電圧を印加することにより、上記各電極24、2
0が対向する管状部16の部分28(図2中、点線で挟
まれた部分)が分極処理されてアクチュエータ部となっ
ている。
【0011】上記構成からなるインクジェットヘッド1
0では、駆動電源26から個別電極層24に画像情報に
応じてパルス電圧が印加されると、図3に一点鎖線で示
すように、アクチュエータ部28が内側に膨らむよう瞬
時に変形し、この変形によりインク加圧室18内のイン
クが加圧されて管状部16の先端の開口部からインク滴
30が飛翔する。このインク滴が図示しない記録紙上に
付着してドットを形成し、このドットの集合により画像
が記録される。
【0012】以上に説明したように、本実施形態のイン
クジェットヘッド10では、インク供給室12とこれに
連通する複数のインク加圧室18とが圧電材料により一
体成形された焼成体で構成され、かつ、インク加圧室を
形成する管状部16がアクチュエータ部28となってい
るので、ヘッドの製造過程においてアクチュエータとな
る圧電部材の機械加工や接着による組立工程が不要とな
り、製造コストの低減と歩留まりの向上を図れる。ま
た、接着剤部分が存在しないので、ヘッドの寿命に悪影
響を及ぼすことがなく信頼性が向上する。
【0013】図4は上記インクジェットヘッド10の変
形例を示したもので、個別電極層24およびアクチュエ
ータ部28をそれぞれ第1および第2の個別電極層24
a、24bと第1および第2のアクチュエータ部28
a、28bとに分離して形成してある。また、管状部1
6の先端にはノズルプレート32が設けてある。これに
よれば、第1および第2の個別電極層24a、24bに
同時また個別にパルス電圧を印加して第1および第2の
アクチュエータ部28a、28bを駆動することによ
り、印加パルスの電圧値を変えることなく大きさの異な
る3種類のインク滴を吐出させることができ、インク付
着なしの場合も含めて4段階の階調表現が可能となる。
【0014】図5は、フルライン型インクジェットヘッ
ド38の斜視図である。フルライン型とは記録紙Pの搬
送方向と直交する方向の記録紙Pの全幅をカバーする程
度にインク吐出部が配列されたもので、本実施形態のイ
ンクジェットヘッド10は構成が簡単であるためフルラ
イン型にするのに有利である。図5のインクジェットヘ
ッド38は、上記インクジェットヘッド10をヘッドケ
ース34に収容したもので、記録紙対向部に開口するス
リット36に臨んで上記管状部16の先端が配列されて
いる。この場合、複数の管状部16の周囲に例えばフル
オロシリコーン樹脂等の撥インク性の充填材を充填して
管状部16を補強するのが好ましい。これにより、管状
部16の先端をゴムブレードでワイピングしてクリーニ
ングする場合にも管状部16が破損することがない。ま
た、撥インク性の充填材を使用することで管状部16の
先端近傍にインクが残ることなくインク滓の蓄積を防止
できる。
【0015】フルライン型インクジェットヘッド38の
メンテナンス方法にはコムブレードでワイピングするほ
かに、図6に示すように、ラインゴムキャップ36を装
着して図示しないポンプによりキャップ吸引すること
で、各管状部16の先端開口部からインクを吸引してそ
の先端に付着したインク滓や埃などを除去してもよい。
【0016】次に、上記インクジェットヘッド10の製
造方法について説明する。この製造方法は図7に示す一
連の工程からなり、まず、図8に示す形状の型材40を
例えばベクトラA950(ポリプラスチック社製、充填
剤なし、融点Tm約250℃)を用いて公知の樹脂一体
成型により製造する(♯1)。この型材40は直方体状
の芯材42と、この芯材42からそれぞれ平行に突出し
た複数のピン44からなる。
【0017】次に、型材40の表面に例えばNiめっき
を施す(♯2)。このめっき層は後に共通電極層20と
なる。続いて、図9に示すように、めっきを施した型材
40を圧電材料を含む塗液(スラリ)46に浸漬し(♯
3)、図10に示すように型材40の周囲に塗液を塗布
する。そして、これを乾燥させた後(♯4)、焼成炉で
焼成する(♯5)。この焼成により型材40は気化して
完全に消失し、図11に示すように、管状部16の先端
部を切断して開口させることにより(♯6)、内面にN
iめっきが付着した収容部14および複数の管状部16
を備えた圧電材料からなる焼成体48が得られる。イン
ク供給室12となる収容部14の内部空間は上記芯材4
2に対応して形成され、インク加圧室18となる管状部
16の内部は上記ピン44に対応して形成される。その
後、管状部16の外周面を部分的にマスクをした状態で
例えばNiめっきを施して個別電極層24および補助電
極22を形成する(♯7)。この際、管状部16内にめ
っき溶液が入らないように収容部14の開口部を蓋して
おく。そして、最後に、個別電極層24および共通電極
層20を介して管状部16を分極処理してアクチュエー
タ部28を形成し(♯8)、これによりインクジェット
ヘッド10ができあがる。
【0018】本実施形態では、2種類の塗液を用いてイ
ンクジェットヘッドを作製した。第1の塗液は次のよう
に製造した。まず、チタニウム酸ジルコニウム酸鉛、す
なわちPZTの粒子を800℃で12時間仮焼処理し、
その後ボールミルで再度粉砕して粒子化し、このPZT
粒子をポリビニルブチラール(PVB)(商品名「エレ
ックスB」積水化学工業社製)と分散混合し、これにM
IBKとトルエンを1:1の割合で混合した溶剤を加え
て、ボールミルで20時間混練する。これらの混合比率
は、PZT粉末26重量%、PVB10重量%、混合溶
剤64重量%とした。この第1の塗液を型材40に塗布
し、乾燥後焼成炉にて1200℃で18時間焼成して製
造したものを第1実施例のインクジェットヘッドとす
る。
【0019】他方、第2の塗液は、上記第1の塗液の場
合と同様に仮焼、粉砕したPZT粉末22重量%、ポリ
ビニルアルコール(PVA)(商品名「PVA−21
7」クラレ社製)8重量%、水70重量%をボールミル
で混練して作製した。この第2の塗液を型材40に塗布
し、乾燥後焼成炉にて1250℃で20時間焼成して製
造したものを第2実施例のインクジェットヘッドとす
る。
【0020】上記第1および第2実施例のインクジェッ
トヘッドに図12(a)に示す波形のパルス電圧を印加
したところ、アクチュエータ部28の内面が第1実施例
では0.6μm、第2実施例では0.9μm、内側に変
位した。また、市販の黒インクを充填してパルス印字周
期8kHzで連続印字したところ、第1および第2実施
例のインクジェットヘッドで共に良好なインク飛翔が得
られた。さらに、図12(b)に示す波形のパルス電圧
を印加した場合にもインク飛翔状態は良好であった。こ
のパルスの場合、アクチュエータ部28が最初に外方に
膨らんで、もとの形状に戻る際に内部のインクを加圧し
てインクを飛翔させるものである。なお、図12および
後述する図17に示す台形波のパルス電圧は図13〜1
6に具体的構成を示す回路で発生させることができる。
【0021】続いて、上記インクジェットヘッド10を
用いてインク飛翔実験を行った。この実験では、図17
(a)、(b)に示す2種類のパルス電圧を印加した。
その結果を図18のグラフに示す。なお、このグラフに
おいて、○は図17(a)のパルスを印加した場合、●
は図17(b)のパルスを印加した場合のドット径を示
す。このグラフから明らかなように、いずれのパルスの
場合もドット径がほぼ直線的に増加しており、滑らかな
階調表現が可能であることが確認できた。ここで、図1
7(b)のパルスの方が図17(a)のパルスよりもド
ット径が総じて大きいのは、メインパルスの直前にプレ
パルスを印加してインク加圧室18内のインクを予圧し
ておくことで、直後のメインパルスによる加圧と相俟っ
て大きなインク飛翔力が得られるためである。
【0022】次に、別の実施形態のインクジェットヘッ
ドについて図19〜24を参照して説明する。図19に
示す型材40aは、ピン44aの先端が絞り込んであ
る。この型材40aを用いて上述した製造方法によりイ
ンクジェットヘッドを製造すれば、図20に示すよう
に、インク加圧室18の先端部がテーパ状に狭くなるよ
うに形成される。これにより、同じ加圧力が作用した場
合でも上記インクジェットヘッド10に比べてインク飛
翔速度が速くなり、インク飛翔状態が安定する。
【0023】また、図21に示す型材40bは、インク
ジェットヘッドの外形に一致する内部空間50を有して
いる。この型材40bを用いてインクジェットヘッドを
製造する場合、まず、内部空間50の壁面52に外部電
極となるNiめっきを施してから、低粘度の圧電材料の
スラリを内部空間50に流し込んで、壁面52にほぼ一
定厚みの塗液層を形成する。その後、焼成により型材4
0bを気化させることにより、図22に示す断面形状の
インクジェットヘッド54が得られる。
【0024】図23、24に示すインクジェットヘッド
は、上述した第1実施形態のインクジェットヘッド10
とは構成および製造方法が異なる。このインクジェット
ヘッドを製造する場合、まず、複数のノズル56を有す
るノズルプレート58を用意する。そして、ノズルプレ
ート58の各ノズル56上にフォトレジストにより直方
体状の型材60をそれぞれパターン形成する。次に、型
材60の表面に内部電極となるNiめっきを施したの
ち、これら型材60を覆うようにノズルプレート58の
全面に圧電材料のスラリを塗布し、スタンパ成型により
型材60の周囲にだけスラリが残るように整形する。そ
して、乾燥後焼成してフォトレジスト製型材60を気化
させてノズル56から逃がすことにより、図24に示す
ようにインク加圧室となる内部空間を有する圧電部材6
2が形成される。この圧電部材62に外部電極を形成し
て分極処理したのちパルス電圧を印加すると、圧電部材
60の壁面が内部に収容されたインクを三方向から加圧
するように変形するため、大きなインク飛翔力が得ら
れ、インク飛翔状態が安定する。また、フォトレジスト
でインク加圧室用の型材を形成するため、インク加圧室
を高密度に配置するのが容易になる。
【0025】上記各実施形態で用いた型材および塗液中
の樹脂には、次の材料が使用できる。プラスチック類と
して飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル
樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、
エチレン−酢酸ビニル樹脂、イオン架橋オレフィン共重
合体(アイモノマー)、スチレン−ブタジェンブロック
共重合体、ポリアセタール、ポリカーボネード、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、セルロースエステル、ポリ
イミド、スチロール樹脂等の熱可塑性樹脂と、エポキシ
樹脂、ウレタン樹脂、ナイロン樹脂、シリコーン樹脂、
フェノール樹脂、メラニン樹脂、キシレン樹脂、アルキ
ッド樹脂、熱硬化アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂と、ポ
リビニルカルパゾール、ポリビニルピレン、ポリビニル
アントラセン、ポリビニロール等の光導電性樹脂とがあ
り、これらは単独または組み合わせて使用することがで
きる。
【0026】その他、液晶ポリマー等のエンジアプラス
チック類でもよいし、プラスチック類と粉末、ウィスカ
ーとの混合物でもよい。また、感光性樹脂、厚膜用フォ
トレジスト樹脂等も使用でき、ベークライト・フッ素系
樹脂、ガラス・エポキシ樹脂(エポキシ中にガラスフィ
ラー混入)も使用できる。
【0027】これら型材に用いられる材料は、その融点
Tmが約500℃以下であることが好ましい。この条件
は、次に述べる2つの実験に基づくものである。まず、
融点Tmが約515℃の感光性ガラス材料(HOYA感
光性ガラス PEG3)を型材用金型に加圧射出して、
紫外線を照射しながら金型から型材40を取り外して照
射を継続して硬化させる。そして、この型材40をオー
ブンにて300℃で1時間加熱して結晶化処理を行って
安定化させる。その後、型材40により上記第1実施例
と同様の塗液および製造方法でインクジェットヘッドを
焼結形成した。このインクジェットヘッドを調べたとこ
ろ、型材40の融点Tmが高いために焼結温度ではその
素材が完全に昇華しておらず、インク加圧室やインク供
給室の内面に付着して残っていた。そのため、インクの
詰まりや流路抵抗にばらつきが生じてインク飛翔状態が
不安定であった。これに対し、融点Tmが約460℃の
ポリイミド系樹脂(感光性ポリイミド樹脂:プロビミド
7020、富士フィルムオーリン社製)を用いて型材4
0を形成し、同様の塗液および製造方法でインクジェッ
トヘッドを製造して調べたところ、型材は完全に昇華し
てなくなっており、良好なインク飛翔が得られた。これ
ら2つの実験結果から、型材に用いる材料の融点は約5
00℃以下であることが好ましいことが確認できた。
【0028】次に、上記各実施形態のインクジェットヘ
ッドの製造に用いられる圧電材料としては、次のものが
使用できる。圧電結晶としては、水晶SiO2、ロッシ
ェル塩(NaKC446・4H2O)、酒石酸エチレン
ディアミン(EDT.C61 426)、酒石酸カリウ
ム(DKT.K2446・1/2H2O)、第2リン酸ア
ンモニウム(ADP:NH42PO4)、ペロブスカイ
ト系結晶としてCaTiO3、BaTiO3、PLZT、
タングステンブロンズ系結晶としてNaxWO3、ニオ
ブ酸バリウムナトリウム(Ba2NaNb515)、ニオ
ブ酸カリウム鉛(Pb2KNb515)、ニオブ酸リチウ
ム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTa
3)がある。また、塩素酸ソーダ(NaCll3)、電
気石、閃亜鉛鉱(ZnS)、硫酸リチウム(LiSO4
2O)、メタガリウム酸リチウム(LiGaO2)、ヨ
ウ素酸リチウム(LilO3)、硫酸グルシン(TG
S)、ゲルマニウム酸ビスマス(Bi12GeO20)、ゲ
ルマニウム酸リチウム(LiGeO3)、チタニウム酸
バリウム・ゲルマニウム(Ba2Ge2TiO8)等の結
晶が使用できる。圧電半導体としては、ウルツ鉱Be
O、ZnO、CdS、CdSe、AlNがある。圧電セ
ラミックスとしては、チタニウム酸バリウム(BaTi
3)、チタニウム酸ジルコニウム酸鉛(PbTiO3
PbZrO3)、チタニウム酸鉛(PbTiO3)、ニオ
ブ酸バリウム酸鉛((Ba−Pb)Nb26)がある。
なお、上述したように上記圧電結晶、圧電性半導体、圧
電セラミックス材料の粉をプラスチック類に分散して塗
布用スラリー(泥しょう)として用いる。
【0029】最後に、上記各実施形態のインクジェット
ヘッドで用いた水性インクおよび非水系インクの具体的
組成例を図25、26にそれぞれ示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態のインクジェットヘッドの部分
斜視図。
【図2】 図1に示すインクジェットヘッドの断面図。
【図3】 インク飛翔時のインクジェットヘッドの断面
図。
【図4】 アクチュエータ部を分割したインクジェット
ヘッドの変形例を示す断面図。
【図5】 フルライン型インクジェットヘッドの斜視
図。
【図6】 フルライン型インクジェットヘッドをキャッ
プ吸引するときの状態を示す斜視図。
【図7】 インクジェットヘッドの製造工程図。
【図8】 型材の斜視図。
【図9】 型材を塗液槽に浸漬する工程を示す図。
【図10】 型材に塗液を塗布した状態を示す側面図。
【図11】 焼成により型材を気化させた後に残った圧
電材料からなるヘッド部材の側面図。
【図12】 (a)、(b)は共に、インクジェットヘ
ッドの個別電極に印加するパスル電圧を示す波形図。
【図13】 個別電極に印加するパスル電圧を発生させ
る回路図。
【図14】 図13の回路の一部の具体的構成を示す回
路図。
【図15】 図13の回路の一部の具体的構成を示す回
路図。
【図16】 図13の回路の一部の具体的構成を示す回
路図。
【図17】 (a)、(b)は共に、インク飛翔実験に
用いたパスル電圧の波形図。
【図18】 インク飛翔実験における印加電圧と付着ド
ット径の関係を示すグラフ。
【図19】 型材の変形例を示す側面図。
【図20】 図19の型材を用いて製造したインクジェ
ットヘッドの部分断面図。
【図21】 型材の別の変形例を示す断面図。
【図22】 図21の型材を用いて製造したインクジェ
ットヘッドの断面図。
【図23】 別の実施形態のインクジェットヘッドの製
造過程を示す平面図および断面図。
【図24】 別の実施形態のインクジェットヘッドの平
面図および断面図。
【図25】 水性インクの具体的組成例を示す図表。
【図26】 非水系インクの具体的組成例を示す図表。
【符号の説明】 10…インクジェットヘッド(インクジェット記録装
置)、12…インク供給室、14…収容部、16…管状
部、18…インク加圧室、20…共通電極、24…個別
電極、28…アクチュエータ部、48…焼成体。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを収容するインク供給室を含む収
    容部と、この収容部から突出し、内部が上記インク供給
    室と連通して該インク供給室から供給されたインクを収
    容するインク加圧室になっている管状部とを、焼成によ
    り一体成形された圧電材料の焼成体で構成し、上記管状
    部を分極処理してアクチュエータ部としたインクジェッ
    ト記録装置。
  2. 【請求項2】 芯材とこの芯材からそれぞれ平行に突出
    した複数のピンとからなる型材の周囲に圧電材料を含む
    塗液を塗布し、乾燥後焼成して上記型材を気化させるこ
    とにより、インク供給室となる上記芯材に対応した内部
    空間を有する収容部と、それぞれインク加圧室となる上
    記ピンに対応した各内部が上記内部空間に連通する複数
    の管状部とを上記圧電材料により一体成形し、上記管状
    部の内面と外面にそれぞれ設けた電極を介して分極処理
    して上記管状部にアクチュエータ部を形成するインクジ
    ェット記録装置の製造方法。
JP29866097A 1997-10-30 1997-10-30 インクジェット記録装置及びその製造方法 Pending JPH11129471A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005238347A (ja) * 2004-02-24 2005-09-08 Kyocera Corp 流路部材及び流路装置
CN105984216A (zh) * 2015-02-13 2016-10-05 北京派和科技股份有限公司 压电喷头及其加工方法以及包括该喷头的喷涂设备
CN106827813A (zh) * 2015-12-07 2017-06-13 清华大学 指状悬臂式压电喷头及其加工方法以及喷涂设备
CN106915161A (zh) * 2015-12-28 2017-07-04 清华大学 叠层式压电喷头和包括该喷头的喷涂设备

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