JPH11125528A - 屈曲振動アームおよび振動型ジャイロスコープ - Google Patents

屈曲振動アームおよび振動型ジャイロスコープ

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JPH11125528A
JPH11125528A JP10181788A JP18178898A JPH11125528A JP H11125528 A JPH11125528 A JP H11125528A JP 10181788 A JP10181788 A JP 10181788A JP 18178898 A JP18178898 A JP 18178898A JP H11125528 A JPH11125528 A JP H11125528A
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JP
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arm
bending vibration
vibration
electrodes
vibration arm
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Application number
JP10181788A
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English (en)
Inventor
Takayuki Kikuchi
菊池  尊行
Shiyousaku Gouji
庄作 郷治
Yukihisa Osugi
幸久 大杉
Takao Soma
隆雄 相馬
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NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】圧電体からなる屈曲振動アームにおけるノイズ
発生を無くし、高精度の角速度検出が可能な振動型ジャ
イロスコープを提供する。 【解決手段】圧電体からなる屈曲振動アーム、およびこ
の屈曲振動アームを備える振動型ジャイロスコープにお
いて、屈曲振動アーム本体2a、2b、6に中空部11
a、11b、12を設け、かつこの屈曲振動アームに電
極7−1、7−2、7−3、7−4を設ける。そのた
め、電極間に漏れ電界が発生しても、中空部により漏れ
電界の影響をなくし、屈曲振動アームの不要な変位をな
くすことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電体アームから
構成される振動子を有する振動型ジャイロスコープに関
するものであり、特に振動型ジャイロスコープの振動子
を構成するアーム構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、回転系内の回転角速度を検出
するための角速度センサとして、圧電体を用いた振動型
ジャイロスコープが、航空機や船舶、宇宙衛星などの位
置の確認用として利用されてきた。最近では、民生用の
分野としてカーナビゲーションや、VTRやスチルカメ
ラの手振れの検出などに使用されている。
【0003】このような圧電振動型ジャイロスコープ
は、振動している物体に角速度が加わると、その振動と
直角方向にコリオリ力が生じることを利用している。そ
して、その原理は力学的モデルで解析される(例えば、
「弾性波素子技術ハンドブック」、オーム社、第491
〜497頁)。圧電型振動ジャイロスコープとしては、
これまでに種々のものが提案されている。例えば、スペ
リー音叉型ジャイロスコープ、ワトソン音叉型ジャイロ
スコープ、正三角柱型音片ジャイロスコープ、円筒型音
片ジャイロスコープ等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】最近は、所定平面内で
屈曲振動する屈曲振動アームを備えた振動型ジャイロス
コープが提案されている。こうした振動型ジャイロスコ
ープでは、通常の角速度測定では問題なく動作する。し
かしながら、近年求められているように高精度の角速度
検出を行おうとすると、微量な漏れ電界が存在してお
り、このために屈曲振動アームに不要な変位を生じさせ
るため、ノイズの原因となるという問題があった。ま
た、屈曲振動アームそれ自体の感度を一層向上させるこ
とが求められている。
【0005】本発明の課題は、圧電体からなる屈曲振動
アームにおけるノイズを減少させる得るようにし、かつ
屈曲振動の感度を向上させることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、所定平面内で
屈曲振動する屈曲振動アームであって、圧電材料製の細
長いアーム本体と、この本体に設けられている電極とを
備えており、前記アーム本体中に中空部が設けられてい
ることを特徴とする、屈曲振動アームに係るものであ
る。また、本発明は、こうした屈曲振動アームを備えて
いる振動型ジャイロスコープに係るものである。
【0007】本発明では、屈曲振動アームに中空部を設
けることで、屈曲振動アームに駆動電極または検出電極
を設けた場合に、いわゆる漏れ電界やループ電界による
ノイズの発生を防止できることを想到した。しかも、屈
曲振動アームに中空部を設けることでアームの駆動また
は検出時の感度を一層向上させることが可能であった。
【0008】圧電材料は、好ましくは圧電性単結晶であ
る。中空部は、必ずしもアーム本体を貫通している必要
はないが、アーム本体の厚さの1/5以上の深さを有す
ることが好ましい。また、屈曲振動アームの本体は、屈
曲振動を可能とするほどには細長いものであれば、具体
的な形態が限定されるものではない。しかし、一般的に
は、アーム本体の長さが幅の3倍以上であることが好ま
しい。
【0009】本発明の好適な態様においては、アーム本
体が、屈曲振動の行われている所定平面と平行な主面を
有する平板であり、主面のうち貫通孔の両側に電極が設
けられている。これは、圧電材料が、ニオブ酸リチウ
ム、タンタル酸リチウムまたはニオブ酸リチウム−タン
タル酸リチウム固溶体単結晶からなる場合、特にその1
30°Y板である場合に、特に好適である。以下、この
態様について説明する。
【0010】図1は、本出願人が先に提案している圧電
体を用いた振動型ジャイロスコープの一例の構成を示す
図である。図1に示す例において、振動型ジャイロスコ
ープ59の振動子は、一対の駆動振動アームの本体52
a、52bをXY平面内で基部3により結合してなる音
叉型振動子54と、この音叉型振動子54を外部の固定
部材55にXY平面内において固定するためのアーム本
体56とを備えている。アーム本体52a、52bは、
駆動電極57−1〜57−4と、検出電極58−1〜5
8−4とを備えている。アーム本体52a、52b、基
部3、固定部材55、アーム本体56は、一体の圧電体
であり、具体的には、PZTなどの圧電セラミックス
や、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムなどの圧電
性単結晶で構成されている。
【0011】図1に示す構成の従来の振動型ジャイロス
コープ59では、Z軸を中心軸とする回転系において、
駆動電極57−1〜57−4によりアーム本体52a、
52bをXY平面内において位相が完全に逆になるよう
振動させる。この状態で、Z軸まわりに回転角速度ωが
作用すると、コリオリの力により、各アーム本体52
a、52bには、Y軸に沿って互いに逆向きの力F1、
F2が作用する。その結果、音叉型振動子54の基部3
に同じ向きのモーメントM1、M2が働く。このモーメ
ントM1、M2により、アーム本体56の変形として電
極58−1〜58−4により検出することで、回転角速
度ωを測定することができる。
【0012】この様に動作する図1に示す構成の振動型
ジャイロスコープ59において、例えば一例としてタン
タル酸リチウム(LiTaO3 )単結晶を圧電体として
使用し、130°Yの結晶面で切断して使用した場合を
考えると、以下のように駆動および検出を行う。すなわ
ち、図2に一例として駆動振動用のアーム本体52aの
電極57−1〜57−4が存在する部分の断面を示すよ
うに、アーム本体52a、52bの各別に、両主面の端
部にそれぞれ対になるよう電極57−1〜57−4を設
ける。そして、57−1と57−2の対および57−3
と57−4の対に互いに逆相となる電圧を印加すること
で、各振動アーム52a、52bの図1中右側を収縮さ
せ、左側を伸張させることができる。そのため、電極5
7−1と57−2の対および電極57−3と57−4の
対に逆相の交流電圧を印加することで、アーム本体52
a、52bに左右の駆動振動を与えることができる。ま
た、以上の動作を逆に行うことで、検出用のアーム本体
56の検出振動から電極58−1〜58−4により角速
度ωを求めることができる。
【0013】上述した構成の従来の振動型ジャイロスコ
ープ59では、通常の角速度測定では問題なく動作す
る。しかしながら、近年求められているように高精度の
角速度検出を行おうとすると、図3に示すように、各ア
ーム本体52a、52bおよび56において、電極57
−1(58−1)と57−2(58−2)の対および電
極57−3(58−3)と57−4(58−4)の対の
各対に電界E1が加わるが、その他に微量ではあるが横
に漏れる電界E2が存在し、これにより各アーム52
a、52bおよび56に不要な変位を生じさせるため、
ノイズの原因となる問題があった。そのため、高精度の
角速度検出を行うことができなかった。
【0014】図4は本発明の圧電体を用いた振動型ジャ
イロスコープの一例の構成を示す図である。図4に示す
例において、振動型ジャイロスコープ1は、一対の駆動
振動アームの本体2a、2bをXY平面内で基部3によ
り結合してなる音叉型振動子4と、この音叉型振動子4
を外部の固定部材5にXY平面内において固定するため
の支持アーム6と、アーム本体2a、2bに設けたアー
ム本体2a、2bを駆動するために使用される駆動電極
7−1〜7−4と、アーム本体6の振動から角速度を求
めるために使用される電極8−1〜8−4とから構成さ
れている。そして、振動型ジャイロスコープ1を構成す
るアーム本体2a、2b、基部3、固定部材5、検出振
動用のアーム本体6は、一体の圧電体であり、具体的に
は、PZTなどの圧電セラミックスや水晶、タンタル酸
リチウムなどの圧電性単結晶で構成されている。
【0015】上述した本発明の振動型ジャイロスコープ
1の動作は、図1を使用して説明した従来の振動型ジャ
イロスコープの動作と同じである。図4に示す本発明の
振動型ジャイロスコープで重要な点は、図4、図5に示
すように、アーム本体2a、2bおよび6において、電
極7−1(8−1)と7−2(8−2)との対および電
極7−3(8−3)と7−4(8−4)との対の間に、
両主面を貫通する貫通孔11a、11bおよび12を設
けた点である。
【0016】図1に示す本発明の振動型ジャイロスコー
プ1の動作は、上述したとおり、Z軸を中心軸とする回
転系において、電極7−1〜7−4によりアーム本体2
a、2bをXY平面内において位相が完全に逆になるよ
う振動させる。この状態で、Z軸まわりに回転角速度ω
が作用すると、コリオリの力により、各アーム本体2
a、2bにはY軸に沿って互いに逆向きの力F1、F2
が作用する。その結果、音叉型振動子4の基部3の両端
に同じ向きのモーメントM1、M2が働く。このモーメ
ントM1、M2により、アーム本体6の変形として電極
8−1〜8−4により検出することで、回転角速度ωを
測定することができる。
【0017】本発明では、図5にその一例として振動ア
ーム2aの中空部11aの部分の断面を示すが、電極7
−1と7−2の対および電極7−3と7−4の対にそれ
ぞれ逆相の交流電圧を印加してアーム本体2aを駆動振
動させる場合、一方の電極対から他方の電極対へ横に流
れる電界成分があっても、貫通孔11aによりその部分
に圧電体は存在しないため、アーム本体2aに不要な変
位は生じない。
【0018】また、図5からも明らかなように、本発明
の中空部を有するアームからなる振動型ジャイロスコー
プでは、アームに中空部を設けることでアームの剛性を
低下させることができるため、駆動振動および検出振動
を高効率で得ることができる。
【0019】中空部の寸法は特に限定されないが、中空
部によって漏れ電界を防止する場合には、アーム本体の
長手方向に見たときに、電極が存在する領域には中空部
が設けられているようにすることが好ましく、これによ
って漏れ電界の影響を最小限にできる。具体的な構成例
においては、中空部を、電極の長手方向の長さ以上の大
きさを有するよう構成することが好ましい。また、中空
部をアーム本体の基部に近いところに設けるほど、アー
ム本体の屈曲が大きくなるので、電極をアームの基部か
ら1/3〜2/3の位置に設けることが好ましく、中空
部をアームの基部から1/3〜2/3の位置に設けるこ
とが好ましい。
【0020】図4、図5においては、好ましくは、紙面
と平行な方向に圧電単結晶のa軸を配向させ、c軸が紙
面に対して50°の角度をなすようにすることが、温度
特性の観点からもっとも有利である。
【0021】図6は本発明の圧電体を用いた振動型ジャ
イロスコープ1Aの他の例の構成を示す図である。図6
に示す例において、図4に示す例と同一の部材には同一
の符号を付し、その説明を省略する。図6に示す例で
は、図4の例とは異なり、圧電体として所定平面内に三
回対称軸のa軸を有する水晶を使用している。そのた
め、図6に示す例では、図7にその一例としてアーム本
体2aの貫通孔11aの部分の断面を示すように、電極
17−1と17−2の対および電極17−3と17−4
の対のそれぞれを、アーム本体2aの外側側面と貫通孔
11aの内壁面とに設けて構成している。本例でも、貫
通孔11aの部分には圧電体としての水晶が存在しない
ため、不要な変位を無くすことができる。
【0022】そして、本実施形態においては、各屈曲振
動アーム本体の各貫通孔において、各貫通孔の両側で、
内壁面と外壁面とに一対の駆動電極を設け、矢印E3の
ような電界を印加することで、1本の屈曲振動片または
共振アームを屈曲させることができる。検出側において
も同様である。これによって、水晶のようなa軸の3回
回転軸を有する圧電単結晶において、その最も感度の大
きい結晶方向を利用できるようになった。
【0023】なお、上述した例では、振動型ジャイロス
コープとして、一対のアーム本体2a、2bをXY平面
内で基部3により結合してなる音叉型振動子4と、この
音叉型振動子4を外部の固定部材5にXY平面内におい
て固定するための支持アーム6と、アーム本体2a、2
bに設けたアーム本体2a、2bを駆動するために使用
される駆動電極と、支持アーム6の振動から角速度を求
めるために使用される検出電極とから構成した振動型ジ
ャイロスコープを例にとって説明したが、他の構成の振
動型ジャイロスコープでも、圧電体からなるアームを振
動子として使用している例であれば、いずれの例でも本
発明の効果を得ることができることはいうまでもない。
【0024】また、本発明の他の態様においては、屈曲
振動アームのアーム本体の一対の主面にそれぞれ電極を
設け、貫通孔の内壁面に導体膜を形成し、この導体膜に
よって相対向する各主面上の各電極を導通させることが
できる。この態様について説明する。
【0025】図8(a)は、従来の屈曲振動アーム20
を示す斜視図であり、(b)は、このVIIIb−VI
IIb線断面図であり、(c)は、VIIIc−VII
Ic線断面図である。このアーム本体21を形成する圧
電単結晶は、図6と同様に、所定平面内に3回対称のa
軸を備えている。この圧電単結晶を屈曲させるために、
主面21a、21b上に、駆動電極23A、23Bが設
けられており、側面21c、21dにも、駆動電極22
A、22Bが設けられている。電極23Aと23Bの電
位を同じにし、電極22Aと22Bとの電位も同じにす
ることによって、電極23A、23Bと電極22A、2
2Bとの間に、E4で示す電界を印加する。この結果、
電界E4のうち、主面と平行な方向に加わる電界成分に
よって、その領域が膨張または収縮する。図8(b)に
おいて、アーム本体21の右側と左側との間では、この
電界成分の方向が逆であるので、アーム本体21は、所
定面内で屈曲振動する。
【0026】この電圧印加方法では、主面上の相対向す
る駆動電極23Aと23Bとの電位を等しくする必要が
ある。しかし、一つの振動子には通常複数の屈曲振動ア
ームが設けられているので、駆動電極23A、23Bの
個数も増加する。そして、多数の対向電極23A、23
Bにそれぞれワイヤーボンディングを行うことは非現実
的であり、コストを増加させる。これを避けるために
は、アーム本体上で対向電極23Aと23Bとを接続す
る必要がある。このため、各電極23A、23B上にリ
ード部24を設け、かつ主面21a、21b、側面21
c、21d上に導体膜25、26を設けることによっ
て、電極23Aと23Bとの接続を図っている。
【0027】しかし、このようにアーム本体の表面に導
体膜を形成すると、この導体膜がループを形成している
ことから、電磁波に対するアンテナとして作用し、外部
電極のノイズを受けやすくなった。
【0028】これに対して本発明においては、例えば図
9に示すように、アーム本体の貫通孔の内壁面に導体膜
を形成することによって、一対の対向電極を導通させる
ことができ、これによって、外部電極のノイズの影響を
遮断できる。
【0029】図9(a)は、本発明例の屈曲振動アーム
30を示す斜視図であり、(b)は、このIXb−IX
b線断面図である。このアーム本体を形成する圧電単結
晶は、図6と同様に、所定平面内に3回対称のa軸を備
えている。アーム本体31の主面31a、31b上に、
駆動電極23A、23Bが設けられており、側面31
c、31dにも、駆動電極22A、22Bが設けられて
いる。駆動電極23A、23Bの先端側の、電極22
A、22Bが存在しない領域には、リード部32A、3
2Bが形成されている。アーム本体31の主面31aと
31bとの間に貫通孔34が設けられている。貫通孔3
4の内壁面には導体膜33が設けられており、導体膜3
3によって、対向するリード部32Aと32Bとが接続
している。これによって、電極23Aと23Bの電位を
同じにできる。
【0030】また、図9(c)に示すように、貫通孔4
4の主面32A側および/または主面32B側に、テー
パー面44aを設けることができる。この場合には、導
体膜36は、テーパー面上の部分36a、36cと、平
面部分36bとからなる。このようにテーパー面を設け
ることによって、電極23Aと23Bとの導通が一層良
好になる。
【0031】また、本発明は、下記のタイプの横置き型
の振動型ジャイロスコープに対して、特に好適に適用で
きる。この振動子は、所定の回転軸を中心として回転さ
せるための振動子であって、この振動子が少なくとも複
数の振動系を備えており、これら複数の振動系が回転軸
に対して交差する所定面内に延びるように形成されてお
り、振動系が、振動系の振動の重心が振動子の重心から
見て所定面内で径方向に振動する径方向振動成分を含む
第一の振動系と、振動系の振動の重心が振動子の重心か
ら見て所定面内で周方向に振動する周方向振動成分を含
む第二の振動系とを備えている。
【0032】なお、周方向に振動する振動成分とは、重
心GOから見て所定面内で円周方向に振動する振動成分
のことを指している。径方向に振動する成分とは、重心
GOからみて所定面内で円の直径方向に振動する振動成
分のことを指しており、つまり、重心GOに対して遠ざ
かる方向と近づく方向とに対して交互に振動する成分の
ことを言う。
【0033】前記した第一の振動系と第二の振動系と
は、すべて何らかの形で連結され、所定面内に延びる振
動子を形成している。こうした振動子を、回転軸Zを中
心として矢印ωのように回転させることで、回転角速度
の検出を行える。
【0034】図10は、この態様に係る圧電単結晶製の
振動子38を備えた振動型ジャイロスコープ37を、概
略的に示す平面図である。振動子の基部39は、振動子
の重心GOを中心として、4回対称の正方形をしてい
る。基部39の周縁部39aから、四方に向かって放射
状に、二つの駆動振動系41A、41B(本例では第一
の振動系)と検出振動系42A、42B(本例では第二
の振動系)とが突出しており、各振動系は互いに分離さ
れている。駆動振動系41Aと41Bとは、重心GOを
中心として2回対称であり、検出振動系42Aと42B
とは、重心GOを中心として2回対称である。
【0035】駆動振動系41A、41Bは、基部39の
周縁部39aから突出する支持部40A、40Bと、支
持部40A、40Bの先端側から支持部に直交する方向
に延びる屈曲振動片43A、43B、43C、43Dを
備えている。各屈曲振動片には、それぞれ駆動電極23
A、23B、22A、22Bが設けられている。検出振
動系42A、42Bは、細長い周方向屈曲振動片55
A、55Bからなり、各屈曲振動片には検出電極45
A、45B、46A、46Bが設けられている。
【0036】各駆動振動アームおよび各検出振動アーム
は、図9に示すような構成を有している。即ち、各アー
ムの各主面上の駆動電極23A、23B、検出電極46
A、46B(図示せず)の先端側には、それぞれリード
部32A、32B、47A、47Bが形成されており、
かつ各アーム本体内には貫通孔34または44が設けら
れている。各貫通孔の内壁面には、図10には図示しな
い導体膜34または36が形成されており、これらの導
体膜によって、各リード部および各駆動電極23Aと2
3B、検出電極46Aと46Bとの接続が行われてい
る。
【0037】なお、振動子の表面上での実際の配線パタ
ーンやワイヤーボンディングのパターンは限定されな
い。図10の好適例においては、こうしたパターンの好
適例を示す。なお、図10では、振動子38の一方の主
面側の配線パターンのみを示しているが、この振動子3
8の他方の主面側にも、一方の主面側と同じ配線パター
ンか設けられている。一方の主面側の配線パターンと、
他方の主面側の配線パターンとは、振動子の重心GOに
対して点対称である。
【0038】接続領域48A、48B、48Cの位置に
ワイヤーボンディングを行う。領域48Aは、各検出ア
ームの側面上の各検出電極45A、45Bに接続されて
いる。各領域48Bは、リード部47Fを介して、各検
出アームの一方の主面上の検出電極46Aに接続されて
いる。前述のように、各検出電極46Aは、リード部4
7A、47Bおよび貫通孔内の導体膜を介して、図示し
ない他方の主面上の検出電極46Bに接続されている。
【0039】一方の主面上の領域48Cは、リード部4
7B、47A、47Eを介して、駆動振動系41A側の
各駆動電極23Aに接続されている。前述のように、各
駆動電極23Aは、リード部32A、32Bおよび貫通
孔内の導体膜を介して、他方の主面上の駆動電極23B
に接続されている。また、一方の主面上の領域48C
は、リード部47B、47A、47C、47Dを介し
て、駆動振動系41B側の各側面上の駆動電極22A、
22Bに接続されている。他方の主面側については図示
しないが、前述と同様にして接続が行われている。
【0040】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、圧電体からなる屈曲振動アームにおけるノイ
ズを減少させる得るようにし、かつ屈曲振動の感度を向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例の振動型ジャイロスコープ59の一例の
構成を示す図である。
【図2】図1に示す振動アームの一例の構成を示す模式
図である。
【図3】図2における電界の発生パターンを説明するた
めの模式図である。
【図4】本発明例に係る振動型ジャイロスコープ1を示
す斜視図である。
【図5】図4の振動型ジャイロスコープの各屈曲振動ア
ームにおける電界のパターンを説明するための模式図で
ある。
【図6】本発明例に係る振動型ジャイロスコープ1Aを
示す斜視図である。
【図7】図6の振動型ジャイロスコープ1Aの各屈曲振
動アームにおける電界のパターンを説明するための模式
図である。
【図8】(a)は、従来例の屈曲振動アーム20を示す
斜視図であり、(b)は、図8(a)のVIIIb−V
IIIb線断面図であり、(c)は、図8(a)のVI
IIc−VIIIc線断面図である。
【図9】(a)は、本発明例の屈曲振動アーム30を示
す斜視図であり、(b)は、(a)のIXb−IXb線
断面図であり、(c)は、貫通孔にテーパー面を設けた
状態を示す断面図である。
【図10】本発明を好適に適用できる振動型ジャイロス
コープ37を概略的に示す平面図である。
【符号の説明】
1、1A、37 振動型ジャイロスコープ 2a、2
b、43A、43B、43C、43D 駆動振動アーム
本体(屈曲振動アーム本体) 3基部 4 音叉型振動
子 5 固定部材 6 支持アーム本体(検出振動アー
ム本体、屈曲振動アーム本体) 7−1〜7−4、17
−1〜17−4 駆動電極 8−1〜8−4、18−1〜18−4 検出電極 11
a、11b、12 中空部(貫通孔) 30 屈曲振動
アーム 31 アーム本体 31a、31b主面 31
c、31d 側面 32A、32B リード部 33、
36 導体膜34、44 貫通孔 55A、55B 検
出振動アーム本体(アーム本体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相馬 隆雄 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定平面内で屈曲振動する屈曲振動アーム
    であって、 圧電材料製の細長いアーム本体と、このアーム本体に設
    けられている電極とを備えており、前記アーム本体中に
    中空部が形成されていることを特徴とする、屈曲振動ア
    ーム。
  2. 【請求項2】前記中空部が貫通孔であることを特徴とす
    る、請求項1記載の屈曲振動アーム。
  3. 【請求項3】前記貫通孔が前記アーム本体を前記所定平
    面に対して垂直な方向に貫通していることを特徴とす
    る、請求項2記載の屈曲振動アーム。
  4. 【請求項4】前記アーム本体が前記所定平面と平行な一
    対の主面を有する平板であり、前記各主面のうち前記貫
    通孔の両側に前記電極が設けられていることを特徴とす
    る、請求項2または3記載の屈曲振動アーム。
  5. 【請求項5】前記アーム本体が前記所定平面と平行な一
    対の主面を有する平板であり、前記貫通孔の内壁面に前
    記電極が設けられていることを特徴とする、請求項2ま
    たは3記載の屈曲振動アーム。
  6. 【請求項6】前記アーム本体の長手方向に見たときに、
    前記電極が存在する領域には前記中空部が設けられてい
    ることを特徴とする、請求項1−5のいずれか一つの請
    求項に記載の屈曲振動アーム。
  7. 【請求項7】前記アーム本体が前記所定平面と平行な一
    対の主面を有する平板であり、一対の前記主面にそれぞ
    れ前記電極が設けられており、前記貫通孔の内壁面に導
    体膜が形成されており、この導体膜によって相対向する
    各主面上の前記各電極が導通していることを特徴とす
    る、請求項2または3記載の屈曲振動アーム。
  8. 【請求項8】前記圧電材料が圧電性単結晶であることを
    特徴とする、請求項1−7のいずれか一つの請求項に記
    載の屈曲振動アーム。
  9. 【請求項9】請求項1−8のいずれか一つの請求項に記
    載の屈曲振動アームを備えていることを特徴とする、振
    動型ジャイロスコープ。
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