JP3473241B2 - 振動ジャイロおよび振動ジャイロの製造方法 - Google Patents

振動ジャイロおよび振動ジャイロの製造方法

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JP3473241B2
JP3473241B2 JP00486296A JP486296A JP3473241B2 JP 3473241 B2 JP3473241 B2 JP 3473241B2 JP 00486296 A JP00486296 A JP 00486296A JP 486296 A JP486296 A JP 486296A JP 3473241 B2 JP3473241 B2 JP 3473241B2
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克己 藤本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転角速度を検知
することによって移動体の位置を検出し、適切な誘導を
行うナビゲーションシステム、または手ぶれ等の外的振
動による回転角速度を検知し、適切な制振を行う手ぶれ
防止装置等の除振システム等に応用できる振動ジャイロ
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の振動ジャイロの構成を図10、図
11を用いて説明する。図10において61は振動ジャ
イロであり、振動子62を含む。振動子62は、エリン
バ等の恒弾性金属材料や、石英、ガラス、水晶、セラミ
ック等の、一般に機械的振動を生ずる材料を三角柱状に
成形してなり、三つの側面のそれぞれのほぼ中央に駆動
用および検出用の圧電素子63、64、ならびに帰還用
の圧電素子65を備える。また、圧電素子63、64に
駆動信号を印加する駆動手段として発振回路66が用い
られ、発振回路66の入力端は、圧電素子65に接続さ
れ、発振回路66の出力端は、抵抗67、67を介して
圧電素子63、64に接続される。さらに、圧電素子6
3、64に発生する信号を検出する検出手段として差動
増幅回路68が用いられ、差動増幅回路68の非反転入
力端(+)および反転入力端(−)が、圧電素子63、
64に接続される。また、差動増幅回路68の出力端と
反転入力端(−)との間には、負帰還抵抗としての抵抗
69が接続される。
【0003】ここで、発振回路66によって、振動子6
2の圧電素子63、64に駆動信号が印加されると、振
動子62は圧電素子65の主面に直交する方向に屈曲振
動し、無回転時には、圧電素子63、64からは同様の
検出信号が得られる。一方、振動ジャイロ61が、振動
子62の中心軸70を中心として回転すると、コリオリ
力によって振動子62が、圧電素子63または64の主
面に直交する方向に屈曲振動し、圧電素子63、64か
ら回転角速度に応じた検出信号が得られる。このとき、
回転角速度に応じて、例えば、一方の圧電素子63から
の検出信号が大きくなり、他方の圧電素子64からの検
出信号が小さくなる。そして、差動増幅回路68から
は、圧電素子63、64間の出力信号の差が出力され、
それをもとに、回転角速度を検知することができる。
【0004】また、振動ジャイロ61を実装する際に
は、図11に示すように、支持ピン71、71を用い
て、振動子62を基板72上に支持固定し、ケース(図
示せず)に収納する。ここで、支持ピン71、71は、
振動阻害や振動吸収を回避するために、線材から構成さ
れ、振動子62のノード点付近に取り付けられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、振動ジャイ
ロ61においては、駆動と検出を単一の振動子62が司
るため、振動子62を構成する材料としては、駆動力お
よび検出感度の双方において一定の特性を有するものを
選定する必要があり、振動子62に関して設計上の制約
があった。
【0006】さらに、振動ジャイロ61においては、振
動子62を支持固定する支持ピン71、71が線材から
なるため、例えば外部からの衝撃によって支持ピン7
1、71が変形し、正確な回転角速度を検知することが
できなくなる恐れがあった。
【0007】そこで、本発明においては、振動子に関し
て設計の自由度に富み、しかも振動子を強固に支持固定
できる振動ジャイロを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の振動ジャイロの製造方法においては、分極
処理された2枚の圧電シートを、断面矩形の棒状のスペ
ーサ部材を複数本挟んで積層してマザー基板を形成する
工程と、該マザー基板を、前記スペーサ部材の長手方向
および幅方向に沿ってそれぞれ切断することによって、
2つの棒状の圧電体ブロックの両端部をスペーサを介し
て接続した構造の複数の振動子を形成する工程と、を有
することを特徴とする。
【0009】
【0010】また、本発明にかかる振動ジャイロにおい
ては、振動子と、該振動子に駆動信号を印加する駆動手
段と、前記振動子に発生する信号を検出する検出手段と
を備えてなる振動ジャイロにおいて、前記振動子を、圧
電体を厚み方向に分極してなる第一および第二のブロッ
クの両端をそれぞれスペーサを介して前記圧電体の厚み
方向に接続して、前記第一および第二のブロックの間に
中空部を有するように構成するとともに、前記第一のブ
ロックに、その一方面側から前記第一のブロックの長手
方向に沿った互いに幅方向に平行な凸部と凹部とを交互
に設けるとともに、該凸部の上面に前記第一のブロック
の幅方向に対向する一対の対向電極をそれぞれ備えた
とを特徴とする。
【0011】本発明にかかる振動ジャイロによれば、振
動子において駆動を司る第二のブロックと、検出を司る
第一のブロックとが、互いに別体であるため、第一、第
二のブロックを構成する材料をそれぞれ別個に選定する
ことができ、振動子に関して設計の自由度が増す。
【0012】また、本発明にかかる振動ジャイロによれ
ば、振動子を構成する第一のブロック上の複数の凸部の
上面にそれぞれ対向電極を設け、これらの対向電極に発
生する信号を合成して回転角速度を検出するように構成
することで、出力信号の振幅が大きくなり、感度が向上
する。
【0013】さらに、本発明にかかる振動ジャイロによ
れば、振動子が屈曲振動する際、振動子の両側面におけ
るスペーサの厚み方向の中央の無振動部は振動しない。
したがって、振動子を支持固定するための支持部材は、
各スペーサの無振動部上に取り付ければよく、支持部材
を取り付ける部位が容易に決まる。
【0014】また、無振動部は、振動子の側面における
スペーサの幅方向全域に存在するので、各スペーサの無
振動部上の任意の位置に、複数の支持部材を取り付けた
り、支持部材として板材を用いたりすることができる。
これらのことから、支持部材に関して設計の自由度が増
すとともに、振動子を強固に支持固定することができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施例にかかる振
動ジャイロの構成を、図1乃至図5を用いて説明する。
図1において、1は振動ジャイロであり、振動子6を備
える。振動子6は、第一のブロック2、および第一のブ
ロック2とは別体の第二のブロック3を、互いの両端部
近傍において略立方体状のスペーサ4、4を介して接合
し、第一、第二のブロック2、3間に中空部5を形成し
てなる。
【0016】ここで、第一のブロック2は、圧電セラミ
ック等からなる二つの圧電体26、26が接合され、棒
状をなして形成されるものであり、圧電体26、26
は、厚み方向に沿って、例えば矢印P、Pで示すように
同じ向きに分極される。また、第一のブロック2の図面
上の上面には、一対の導体7、7からなる対向電極8が
設けられ、下面には平面電極9が設けられる。一方、第
二のブロック3は、二つの圧電体27、27が接合さ
れ、棒状をなして形成されるものであり、圧電体27、
27は、厚み方向に沿って、例えば矢印P、Qで示すよ
うに互いに逆向きに分極される。なお、第二のブロック
3を構成する圧電体27、27の分極方向は、互いに逆
向きであれば、矢印P、Qと異なるものでもよい。ま
た、第二のブロック3の、図面上の上面および下面に
は、それぞれ全面に平面電極10、11が設けられる。
【0017】そして、第二のブロック3の平面電極1
0、11に、駆動信号を印加する駆動手段として、発振
回路12が用いられ、発振回路12の一方の出力端は第
二のブロック3の平面電極10に接続される。また、発
振回路12の他方の出力端は、第二のブロック3の平面
電極11に接続される。また、対向電極8(導体7、
7)は抵抗13、13を介してグランドに接続される。
さらに、振動子6の対向電極8(導体7、7)に発生す
る信号を検出する手段として、差動増幅回路15が用い
られ、差動増幅回路15の非反転入力端(+)および反
転入力端(−)は、抵抗14、14を介して対向電極8
に接続される。また、差動増幅回路15の出力端と反転
入力端(−)との間には、負帰還抵抗としての抵抗16
が接続される。
【0018】このように構成される振動ジャイロ1にお
いて、発振回路12によって、平面電極10、11に正
弦波信号等の駆動信号が印加されると、印加される直流
電圧の極性が分極時の電圧の極性と同じ場合は、第二の
ブロック3において、分極の方向に沿って伸び歪みが発
生し、印加される直流電圧の極性が分極時の電圧の極性
と逆の場合は、第二のブロック3において、分極の方向
に沿って縮み歪みが発生する。こうして、第二のブロッ
ク3は、主面に直交する方向に沿って、すなわち、振動
子6の外側および内側に向かって屈曲振動する。ここ
で、例えば、第一、第二のブロック2、3が、それぞれ
底面が1mm四方、長さが10mmの正四角柱である場
合、各ブロック2、3の共振周波数は、ともに22kH
z程度となる。このように、第一、第二のブロック2、
3の共振周波数が比較的低い値である場合、第二のブロ
ック3の屈曲振動に連動して、第一のブロック2は、振
動子6の外側および内側に向かって、第二のブロック3
と同様に屈曲振動する。こうして、第一、第二のブロッ
ク2、3が屈曲振動することによって、振動子6全体と
しては、図2(a)(b)に示すように、膨らんだり凹
んだりする。ここで、第一、第二のブロック2、3間に
は中空部5が設けられているため、第一、第二のブロッ
ク2、3の屈曲振動、とくに内側への振動が妨げられる
ことはなく、大きな振幅が実現できる。
【0019】そして、振動ジャイロ1が、第一、第二の
ブロック2、3の長手方向に平行な回転軸18(図1)
を中心に回転すると、回転角速度に応じたコリオリ力
が、第一、第二のブロック2、3の各電極が設けられた
側面に平行し、かつ回転軸18に直交する方向に働き、
対向電極8を構成する導体7、7から、回転角速度に応
じた信号が出力される。この場合、例えば、一方の導体
7からの出力信号が大きくなり、他方の導体7からの出
力信号が小さくなる。このような出力信号の差が、差動
増幅回路15から出力され、回転角速度が検知される。
【0020】ここで、振動子6が屈曲振動する際、振動
子6の側面6a、6aにおけるスペーサ4、4の厚み方
向の中央の無振動部17、17は振動しない。そして、
無振動部17、17は、図1に鎖線Aで示すように、振
動子6の側面6a、6aの幅方向における全域にわたっ
て延びていることから、振動子6においては、スペーサ
4、4に、それぞれ複数のノード点が連続して存在する
といえる。
【0021】したがって、振動ジャイロ1を実装する際
には、振動子6を支持固定する支持部材を、無振動部1
7、17に取り付ければ、振動阻害や振動吸収の恐れは
ない。しかも、支持部材は、無振動部17、17上の任
意の位置に取り付けることができる。例えば、図3に示
すように、金属等からなり、直角状に屈曲した板材1
9、19を支持部材として振動子6に取り付けること
で、振動子6をプリント配線基板20上に支持固定する
ことができる。板材19、19は、幅寸法が振動子6の
側面6a、6aの幅寸法と等しく、スペーサ4、4の無
振動部17、17の全域を覆うものである。また、図4
に示すように、金属等からなり、幅寸法が振動子6の側
面6a、6aの幅寸法より小さい板材21を、側面6
a、6aに複数個ずつ取り付けても、振動子6をプリン
ト配線基板20上に支持固定することができる。さらに
また、とくに図示しないが、振動子6の側面6a、6a
に、線材からなる支持部材を複数本ずつ取り付けてもよ
い。
【0022】振動ジャイロ1を実装する際には、さら
に、振動子6の各電極とプリント配線基板上の配線と
が、ワイヤボンディング等によって接続される。この
際、とくに図示しないが、引出し線の一部を支持部材上
に形成することが可能である。
【0023】また、振動子6を製造するためには、図5
に示すマザー基板25が用いられる。マザー基板25
は、ともに圧電体からなり、平面電極(図示せず)が設
けられ、分極処理された圧電シート22、23が、断面
矩形の棒状のスペーサ24を複数本挟んで積層され、例
えばエポキシ樹脂で接着されてなる。そして、マザー基
板25が、切断線B、Cに沿って切断、分割されること
により、複数の振動子6が得られ、こうして得られた各
振動子6に、図1に示す発振回路12、抵抗13、1
4、16および差動増幅回路15が接続され、振動ジャ
イロ1が量産される。
【0024】以上のように、第一の実施例にかかる振動
ジャイロによれば、振動子において駆動を司る第二のブ
ロックと、検出を司る第一のブロックとが、互いに別体
であるため、第一、第二のブロックを構成する材料をそ
れぞれ別個に選定することができ、振動子に関して設計
の自由度が増す。
【0025】また、第一の実施例にかかる振動ジャイロ
によれば、実装の際、振動子を支持固定するための支持
部材は、スペーサの無振動部に取り付ければよく、支持
部材を取り付ける部位が容易に決まる。
【0026】さらに、支持部材は、無振動部上の任意の
位置に取り付けることができ、しかも線材に限らず、板
材からなる支持部材を用いてもよく、各スペーサにそれ
ぞれ複数の支持部材を取り付けることができる。これら
のことから、支持部材に関して設計の自由度が増すとと
もに、振動子を強固に支持固定することができる。
【0027】また、第一の実施例にかかる振動ジャイロ
によれば、振動子とプリント配線基板とを接続する引出
し線の一部を、振動子の支持部材上に形成することがで
きるため、ワイヤボンディング等の配線作業が容易とな
る。
【0028】さらに、第一の実施例にかかる振動ジャイ
ロによれば、マザー基板を切断、分割することにより、
複数個の振動子が容易に得られ、効率よく量産が行え
る。
【0029】次に、本発明の第二の実施例を、図6乃至
図10を用いて説明する。図6において、31は振動ジ
ャイロであり、振動子32を含む。振動子32は、第一
のブロック33、および第一のブロック33とは別体の
第二のブロック34を、棒状のスペーサ35、35を挟
み込んで接合し、第一、第二のブロック33、34間に
中空部36を形成してなる。
【0030】ここで、第一のブロック33は、圧電セラ
ミック等を成形してなる二つの圧電体37、38からな
る。圧電体37は略ブロック状をなし、一方の主面に、
凸部39と凹部40とが交互に設けられる。凸部39お
よび凹部40は、ともに第一のブロック33の一辺に対
して平行に設けられ、各凸部39の上面には、互いに対
向する一対の導体41、41からなる対向電極42が設
けられる。このように構成される圧電体37の一方の主
面が、振動子32の一方の主面となる。また、圧電体3
8は平板状をなす。そして、圧電体37、38は、例え
ば矢印P、Pで示すように、ともに厚み方向における同
じ向きに分極される。
【0031】一方、第二のブロック34は、圧電セラミ
ック等を平板状に成形してなる二つの圧電体43、43
からなる。また、圧電体43、43は、例えば矢印P、
Qで示すように、厚み方向において、互いに逆向きに分
極される。なお、圧電体43、43の分極方向は、互い
に逆向きであれば、それぞれ矢印P、Qと逆の向きでも
よい。
【0032】そして、圧電体37、38、43、43お
よびスペーサ35、35の、それぞれの接合面、ならび
に振動子32の他方の主面には、全面に平面電極44が
設けられ、振動子32が形成される。
【0033】さらに、第二のブロック34に駆動信号を
印加する駆動手段として、発振回路45が用いられ、発
振回路45の出力端はスペーサ35、35と第二のブロ
ック34との間に配置される平面電極44に接続され
る。また、発振回路45の他方の出力端は、振動子32
の他方の主面上の平面電極44に接続される。また、複
数の対向電極42(導体41、41)はそれぞれ抵抗4
6を介してグランドに接続される。さらにまた、振動子
32の各対向電極42(導体41、41)に発生する信
号を検出する検出手段として、差動増幅回路48が用い
られ、差動増幅回路48の非反転入力端(+)および反
転入力端(−)は、抵抗47、47を介して各対向電極
42に接続される。そして、各差動増幅回路48の出力
端と反転入力端(−)との間には、負帰還抵抗としての
抵抗49が接続される。
【0034】このように構成される振動ジャイロ31に
おいては、発振回路45によって、スペーサ35、35
と第二のブロック34との間に配置される平面電極4
4、および振動子32の他方の主面上の平面電極44
に、正弦波信号等の駆動信号が印加されると、圧電体4
3、43において、印加される直流電圧の極性に応じ
て、分極の方向に沿って伸び歪み、および縮み歪みが発
生する。これにより、第二のブロック34が、振動子3
2の外側および内側に向かって屈曲振動する。そして、
第一、第二のブロック33、34の共振周波数が、とも
に比較的低い場合、第二のブロック34に連動して第一
のブロック33が、振動子32の外側および内側に向か
って、第二のブロック34と同様に屈曲振動し、振動子
32全体としては、図7(a)(b)に示すように、膨
らんだり凹んだりする。また、中空部36が設けられて
いるため、第一、第二のブロック33、34の屈曲振
動、とくに内側への振動が妨げられることはなく、大き
な振幅が望める。
【0035】そして、振動ジャイロ31が、第一のブロ
ック33の凸部39の長手方向に平行な回転軸46を中
心に回転すると、振動子32の主面に平行し、かつ回転
軸46に直交する方向にコリオリ力が働く。このコリオ
リ力に応じて、各対向電極42を構成する導体41間で
異なる信号が出力され、これら出力信号の差が、各差動
増幅回路48から出力され、さらに、直列に合成されて
回転角速度が検知される。
【0036】このように、振動子32が屈曲振動する
際、振動子32の側面32a、32aにおけるスペーサ
35、35の厚み方向の中央の無振動部50、50は振
動しない。そして、無振動部50、50は、図6に鎖線
Dで示すように、振動子32の側面32a、32aの幅
方向における全域にわたって延びていることから、振動
子32においては、側面32aに、複数のノード点が連
続して存在するといえる。
【0037】したがって、振動ジャイロ31を実装する
際には、振動子32を支持固定する支持部材を、無振動
部50、50に取り付ければ、振動阻害や振動吸収の恐
れがない。しかも、支持部材は、無振動部50上の任意
の位置に取り付けることができる。例えば、図8に示す
ように、金属等からなり、直角状に屈曲した板材51、
51を、支持部材として振動子32に取り付けること
で、振動子32をプリント配線基板52上に支持固定す
ることができる。板材51、51は、幅寸法が振動子3
2の側面32a、32aの幅寸法と等しく、無振動部5
0、50の全域を覆うものである。また、図9に示すよ
うに、金属等からなり、幅寸法が振動子32の側面32
a、32aの幅寸法より小さい板材53、53を、側面
32a、32aに複数個ずつ取り付けることで、振動子
32をプリント配線基板52上に支持固定することがで
きる。さらにまた、とくに図示しないが、振動子32の
側面32a、32aに、線材からなる支持部材を複数本
ずつ取り付けてもよい。
【0038】振動ジャイロ31を実装する際には、さら
に、振動子32の各電極とプリント配線基板上の配線と
が、ワイヤボンディング等によって接続される。この
際、とくに図示しないが、引出し線の一部を支持部材上
に形成することが可能である。また、振動子32を製造
するためには、とくに図示しないが、凸部および凹部が
設けられ、分極処理された圧電シートと、平板状をな
し、分極処理された圧電シートとが、平面電極およびス
ペーサを挟み込んで積層されてなるマザー基板が用いら
れる。そして、マザー基板が切断、分割されることによ
り、複数の振動子が得られ、こうして得られた各振動子
に、発振回路、抵抗および差動増幅回路が接続され、振
動ジャイロが量産される。
【0039】以上のように、第二の実施例にかかる振動
ジャイロによれば、複数の対向電極の出力を合成して回
転角速度を検出するので、出力信号の振幅が大きくな
り、感度が向上する。
【0040】また、第二の実施例にかかる振動ジャイロ
によれば、振動子において駆動を司る第二のブロック
と、検出を司る第一のブロックとが、互いに別体である
ため、第一、第二のブロックを構成する材料をそれぞれ
別個に選定することができ、振動子に関して設計の自由
度が増す。
【0041】さらに、第二の実施例にかかる振動ジャイ
ロによれば、実装の際、振動子を支持固定するための支
持部材は、スペーサの無振動部に取り付ければよく、支
持部材を取り付ける部位が容易に決まる。
【0042】また、支持部材は、無振動部上の任意の位
置に取り付けることができ、しかも線材に限らず、板材
からなる支持部材を用いてもよく、各スペーサにそれぞ
れ複数の支持部材を取り付けることができる。これらの
ことから、支持部材に関して設計の自由度が増すととも
に、振動子を強固に支持固定することができる。
【0043】さらに、第二の実施例にかかる振動ジャイ
ロによれば、振動子とプリント配線基板とを接続する引
出し線の一部を、支持部材上に形成することができ、ワ
イヤボンディング等の配線作業が容易となる。
【0044】また、第二の実施例にかかる振動ジャイロ
によれば、マザー基板を切断、分割することにより、複
数個の振動子が容易に得られ、効率よく量産が行える。
【0045】なお、上述した第一、第二の実施例におい
ては、振動子を構成する第一のブロックが二つの圧電体
からなる場合について説明したが、第一のブロックを構
成する圧電体の数は二つに限定されるものではなく、単
一または三以上の数でもよい。
【0046】また、第一、第二の実施例においては、第
二のブロックが二つの圧電体からなる場合について説明
したが、第二のブロックを構成する圧電体の数は二つに
限定されるものではなく、三以上の数でもよい。
【0047】また、第一、第二の実施例においては、そ
れぞれ立方体状または棒状のスペーサを用いる場合につ
いて説明したが、第一、第二のブロックの屈曲振動を妨
げるものでなければ、他の形状のスペーサを用いてもよ
い。
【0048】さらに、第一、第二のブロックの分極方向
は、第一、第二の実施例において例示したものに限定さ
れるものではない。
【0049】
【発明の効果】本発明にかかる振動ジャイロによれば、
振動子において駆動を司る第二のブロックと、検出を司
る第一のブロックとが、互いに別体であるため、第一、
第二のブロックを構成する材料をそれぞれ別個に選定す
ることができ、振動子に関して設計の自由度が増す。
【0050】また、本発明にかかる振動ジャイロによれ
ば、振動子を構成する第一のブロック上の複数の凸部に
それぞれ対向電極を設け、これらの対向電極に発生する
信号を合成して回転角速度を検出するように構成すれ
ば、出力信号の振幅が大きくなり、感度が向上する。
【0051】さらに、本発明にかかる振動ジャイロによ
れば、振動子が屈曲振動する際、振動子の両側面におけ
るスペーサの厚み方向の中央の無振動部は振動しない。
したがって、振動子を支持固定するための支持部材は、
各スペーサの無振動部上に取り付ければよく、支持部材
を取り付ける部位が容易に決まる。
【0052】また、支持部材は、無振動部上の任意の位
置に取り付けることができ、しかも線材に限らず、板材
からなる支持部材を用いてもよく、各スペーサにそれぞ
れ複数の支持部材を取り付けることができる。これらの
ことから、支持部材に関して設計の自由度が増すととも
に、振動子を強固に支持固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例にかかる振動ジャイロを
示す図解図である。
【図2】(a)(b)とも、図1の振動ジャイロを構成
する振動子の屈曲振動を示す図解図である。
【図3】図2の振動子を支持部材で支持固定した状態を
示す斜視図である。
【図4】図2の振動子を他の支持部材で支持固定した状
態を示す斜視図である。
【図5】図2の振動子の製造に用いるマザー基板を示す
斜視図である。
【図6】本発明の第二の実施例にかかる振動ジャイロを
示す図解図である。
【図7】(a)(b)とも、図6の振動ジャイロを構成
する振動子の屈曲振動を示す図解図である。
【図8】図7の振動子を支持部材で支持固定した状態を
示す斜視図である。
【図9】図7の振動子を他の支持部材で支持固定した状
態を示す斜視図である。
【図10】従来の振動ジャイロを示す図解図である。
【図11】図10の振動ジャイロを構成する振動子を支
持部材で支持固定した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1、31 振動ジャイロ 2、33 第一のブロック 3、34 第二のブロック 4、35 スペーサ 5、36 中空部 6、32 振動子 8、42 対向電極 9、10、11、44 平面電極 12、45 発振回路(駆動手
段) 15、48 差動増幅回路(検出
手段) 26、27、37、38、43 圧電体 39 凸部 40 凹部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−122518(JP,A) 特開 平5−333038(JP,A) 特開 平6−160099(JP,A) 特開 平4−55714(JP,A) 特開 平7−260489(JP,A) 実開 平4−38513(JP,U) 近野正,圧電形の振動ジャイロ・方向 センサー,昭和61年度文部省科学研究費 補助金(一般研究(B))研究成果報告 書(課題番号No.60460142),日本, 1987年 3月,71〜72、80 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 19/56 G01P 9/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分極処理された2枚の圧電シートを、断
    面矩形の棒状のスペーサ部材を複数本挟んで積層してマ
    ザー基板を形成する工程と、 該マザー基板を、前記スペーサ部材の長手方向および幅
    方向に沿ってそれぞれ切断することによって、2つの棒
    状の圧電体ブロックの両端部をスペーサを介して接続し
    た構造の複数の振動子を形成する工程と、 を有することを特徴とする振動ジャイロの製造方法。
  2. 【請求項2】 振動子と、該振動子に駆動信号を印加す
    る駆動手段と、前記振動子に発生する信号を検出する検
    出手段とを備えてなる振動ジャイロにおいて、 前記振動子を、圧電体を厚み方向に分極してなる第一お
    よび第二のブロックの長手方向両端をそれぞれスペーサ
    を介して前記圧電体の厚み方向に接続して、前記第一お
    よび第二のブロックの間に中空部を有するように構成す
    るとともに、 前記第一のブロックに、その一方面側から前記第一のブ
    ロックの長手方向に沿った互いに幅方向に平行な凸部と
    凹部とを交互に設けるとともに、該凸部の上面に前記第
    一のブロックの幅方向に対向する一対の対向電極をそれ
    ぞれ備えたことを特徴とする振動ジャイロ。
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近野正,圧電形の振動ジャイロ・方向センサー,昭和61年度文部省科学研究費補助金(一般研究(B))研究成果報告書(課題番号No.60460142),日本,1987年 3月,71〜72、80

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