JPH11124590A - 冷凍機用潤滑油 - Google Patents

冷凍機用潤滑油

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JPH11124590A
JPH11124590A JP28942797A JP28942797A JPH11124590A JP H11124590 A JPH11124590 A JP H11124590A JP 28942797 A JP28942797 A JP 28942797A JP 28942797 A JP28942797 A JP 28942797A JP H11124590 A JPH11124590 A JP H11124590A
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JP
Japan
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oil
antioxidant
derivative
deriv
lubricating oil
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JP28942797A
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English (en)
Inventor
Keizo Nakajima
啓造 中島
Tetsuji Kawakami
哲司 川上
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷凍システムの苛酷な運転条件下では、揮発
性の高い酸化防止剤では、酸化劣化反応を充分に抑える
ことができない。 【解決手段】 酸化防止剤が添加されている冷凍機用潤
滑油において、酸化防止剤として、分子量230以上か
らなるフェノール系誘導体を含有したものを用いること
によって、冷凍システム内が高温状態になっても、揮発
しにくいため、安定な性能を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空調機や冷蔵庫な
どの冷凍圧縮機に使用する冷凍機用潤滑油に関する。詳
しくは、水素含有フッ化炭化水素、あるいは低級炭化水
素等の冷媒を圧縮する冷凍機の潤滑油に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、冷凍機、冷蔵庫、空調機などに
は、冷媒としてフッ素と塩素を含むフロン、例えばクロ
ロフルオロカーボン(CFC)であるR11(トリクロ
ロモノフルオロメタン)やR12(ジクロロジフルオロ
メタン)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCF
C)であるR22(モノクロロジフルオロメタン)など
を使用している。また、それらとともに用いられる冷凍
機用潤滑油としてはパラフィン系、ナフテン系などの鉱
油、アルキルベンゼン系、エステル系などの合成油が知
られている。R11、R12などの分子中に含まれる塩
素は、冷凍機システム内では摺動面の金属と反応して摩
耗を防止するという好ましい効果を持っているが、この
種のフロン化合物は、大気中に放出された場合に、その
ほとんどが分解されず、成層圏のオゾン層を破壊し、生
体系に悪影響を及ぼすとして国際的に使用が規制されつ
つある。
【0003】そのため、これら塩素を含まない代替フロ
ン物質の検討が広くなされている。R11、R12に代
わるものとして、R134a(1,1,1,2−テトラ
フルオロエタン)などの水素含有フッ化炭化水素が提案
されている。R134aは、R12とほぼ同じ物性を示
し、オゾン破壊係数もゼロであることから注目されてい
るが、相溶性、熱安定性、電気絶縁性、潤滑性、加水分
解安定性等、あらゆる性能を充分に満たした潤滑油の開
発が重要な課題となってきている。また低級炭化水素を
冷媒として用いたシステムの提案もなされつつあるが、
可燃性ガスの使用に対するシステム構成の最適化の中
で、種々の材料開発を行う必要があり、それらの冷媒に
最適な潤滑油、及び潤滑油組成物の開発がなされてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの新規な代替フ
ロンあるいは低級炭化水素を冷凍システム用冷媒として
用いた場合には、上述のように使用する潤滑油を最適化
しなければならない。例えば、代替フロン冷媒を用いた
冷凍システムでは、エステル油の使用が検討されてい
る。しかし、エステル油はシステム内に残った残留水分
との反応により、アルコール成分と脂肪酸成分に分解さ
れ、これが摺動部などの鉄と反応して冷媒に不溶の鉄塩
を生じさせる。また、エーテル油は加水分解反応を起こ
すことはないが、冷凍システム内で高温状態にさらされ
ると、油自身の分解反応により、水や二酸化炭素などの
劣化生成物が発生する。
【0005】このような課題に対する取り組みとして、
システム内の残留水分量を可能な限り取り除く方法や、
冷媒流路の途中に水分を吸着するドライヤを設ける方法
が提案されている。しかし、工場出荷以後に配管接続を
伴うような冷凍システム、例えば、室内ユニットと室外
ユニットを接続配管を用いて接続して構成する空調機で
は、初期水分の管理以外に、施工時に混入する空気量に
対しても管理値を設けておく必要がある。この理由は、
冷凍機油を酸素雰囲気下で高温状態に保持しておくと、
以下の反応式(反応1)に示す自動酸化連鎖反応が生じ
るためである。
【0006】これらの連鎖反応を抑制する方法として
は、初期酸素を極力抑える方法以外に、冷凍機油中に酸
化防止剤を添加する方法が考えられる。最も一般的な酸
化防止剤としては、2,6−ジ・ターシャリーブチル・
パラクレゾール(DBPC)が知られている。このDB
PCは油と酸素によって生じたパーオキシラジカルと反
応することによって、ハイドロパーオキサイドを生成
し、ラジカル生成連鎖反応を抑えることができる。さら
に、自分自身は活性の高くないラジカルとなり、共鳴化
することで安定化する(反応2)。
【0007】また、上記のDBPCの様なフェノール系
誘導体をもちいた酸化防止剤以外に、チオエーテル系誘
導体や、リン系誘導体をもちいた酸化防止剤も知られて
いる。これらの酸化防止剤は、パーオキシラジカルが非
ラジカル化したハイドロパーオキサイドを、さらにハイ
ドロオキシに分解する目的で添加されたものである。さ
らに、これらの酸化防止剤は、フェノール系誘導体から
なる酸化防止剤との組み合わせでラジカル連鎖反応を抑
える効果を相乗的に発揮する。
【0008】現在、上記の酸化防止剤が冷凍機油に用い
られている。しかし、このような酸化防止剤を組み合わ
せて添加しても、高温雰囲気になりやすい冷凍システム
では、DBPCが揮発性を有するため、その性能を充分
に発揮できない場合があろ。このような課題により、潤
滑油の劣化やさらには冷凍システムの故障にも繋がる場
合がある。
【0009】本発明の冷凍機用潤滑油は、このような課
題を解決するために開発されたものであり、高温に加熱
されても劣化が早まることのない潤滑油を提供するもの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の問題点に鑑みて、
この発明の発明者らは、優れた性能を有する冷凍機用潤
滑油の開発をすべく鋭意研究を重ねた。その結果、特定
の酸化防止剤が、前記目的を達することを見い出し、本
発明を完成するに至った。
【0011】本発明の冷凍機用潤滑油は、下記の酸化防
止剤が添加されており、酸化防止剤として、分子量230
以上のフェノール系誘導体を含有するものである。この
ようなフェノール系誘導体として、下記構造式(化9)
から(化11)に示したものが特に優れた性能を与える
ものである。
【0012】
【化9】
【0013】
【化10】
【0014】
【化11】
【0015】さらに本発明の冷凍機用潤滑油は、前記酸
化防止剤が、前記フェノール系誘導体以外にチオエーテ
ル系誘導体又は/及びリン系誘導体からなる酸化防止剤
を含有することを特徴とする。
【0016】また、前記チオエーテル系誘導体又は/及
びリン系誘導体からなる酸化防止剤を含有する冷凍機用
潤滑油が、分子量200以上のチオエーテル系酸化防止
剤及び/または380以上のリン酸系酸化防止剤を含有
することを特徴とするものである。このようなチオエー
テル系誘導体として、下記構造式(化12)または(化
13)に示したものが特に優れた性能を与えるものであ
る。
【0017】
【化12】
【0018】
【化13】
【0019】さらに、リン系誘導体として、下記構造式
(化14),(化15)または(化16)に示したもの
が特に優れた性能を与えるものである。
【0020】
【化14】
【0021】
【化15】
【0022】
【化16】
【0023】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。
【0024】従来より冷凍機の運転に使用する油の酸化
防止剤として広く用いられているDBPCは、低分子量
のため、揮発しやすいという性質がある。そのため、冷
凍システムの摺動部などの油の反応性が起こりやすい部
分では酸化防止作用としての役割を充分に果たすことが
できない場合がある。
【0025】このDBPCの温度変化に対する熱重量測
定(TG)を熱天秤にて行ったところ、窒素ガス流入の
雰囲気下で、160度で初期重量の40%が、さらに1
80度で90%の重量減少が生じていることがわかっ
た。そこでより耐熱性の向上したフェノール系酸化防止
剤を種々検討した結果、(化1)から(化3)に示した
構造のものがより最適であることがわかった。
【0026】一例として(化4)で示された酸化防止剤
に関して、先と同様にTG測定を行ったところ、250
度までその重量減少は認められなかった。つまり構造式
として、DBPCより高分子量を有する酸化防止剤を用
いた場合には、揮発性を抑えることが可能であり、より
有効なラジカル連鎖反応抑止剤として用いることができ
ることを見出した。
【0027】さらに、これらフェノール系誘導体からな
るラジカル連鎖反応抑止剤に、過酸化物分解剤として、
チオエーテル系誘導体またはリン系誘導体を添加するこ
とによって、連鎖反応を抑えることが可能であることを
見出した。上述の酸化反応により発生したパーオキシラ
ジカルは、フェノール系誘導体からなるラジカル連鎖反
応抑制剤と反応して、過酸化物であるハイドロパーオキ
サイドになり、一時的に連鎖反応が停止するが、熱分解
などによって再びラジカル化する。チオエーテル系誘導
体またはリン系誘導体を添加すると、ハイドロパーオキ
サイドと反応することによって、ハイドロオキシ体を形
成し、ラジカル生成を抑制するためである。
【0028】またさらにこれら過酸化物分解剤として用
いる、チオエーテル系誘導体、リン系誘導体からなる酸
化防止剤の分子量を、チオエーテル系誘導体に関しては
分子量200以上のものを、リン系誘導体に関しては380以
上のものを用いることによって、揮発性をより抑えるこ
とが可能であることを見出した。
【0029】なお、本発明の冷凍機用潤滑油には、上記
の酸化防止剤以外に、一般に用いられる各種添加剤(例
えば水分捕捉剤、酸捕捉剤、極圧剤、油性剤、消泡剤)
を0.1−5.0wt%の割合で添加しても、性能が低
下することは無かった。
【0030】以下実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。但し、本発明は実施例に限定されるものではな
い。
【0031】(実施例1)この実施例に係る冷凍機油組
成物のうち、基油として分岐酸の混合酸とペンタエリス
リトールとの縮合物で、40度における動粘度が65セ
ンチストークスのポリオールエステルを用いた。この基
油に酸化防止剤として化学式(17)で示された分子量
306のフェノール系誘導体を0.5wt%添加した。
【0032】
【化17】
【0033】評価用冷凍システムとして次のようなもの
を用意した。冷凍用圧縮機、熱交換器、キャピラリーチ
ューブを有する室外ユニットと冷凍空調が行われる部位
に設置される熱交換器を有する室内ユニットをそれぞれ
の据え付け位置に固定した。次にこれらの間の冷媒用配
管を銅管を用いて接続し、冷凍システムを構成した。こ
こで、室外ユニット内コンプレッサには上記、酸化防止
剤が添加されたエステル系冷凍機油が1.5リットル封
入されており、室外ユニットのシステム内容量は20リ
ットルで、窒素があらかじめ充填されている。また、室
内ユニットは空気で満たされており、室外機を除いた部
分の配管容量も加えた全容量は30リットルであった。
【0034】真空排気処理後、冷媒を充填し、その後、
冷媒流路から真空ポンプ、冷媒充填装置を取り外した。
1時間運転を行った後、運転を停止し、サンプリングポ
ートより1mlの冷媒混入ガスを抜き取り、システム中
の初期状態として混入していた酸素量をガスクロにて分
析したところ、全システム内に0.15リットル含まれ
いることがわかった。この酸素量は油中の酸化防止剤の
約20wtmol%に相当する量である。
【0035】その後5000時間連続加速運転を行った
のち冷凍機油を取り出したが冷凍機油の酸化劣化は観測
されず、冷凍機油の全酸価の値も0.02mgKOH/
gと運転開始時における値(0.01mgKOH/g)
とほとんど変わらない値であった。また油中の酸化防止
剤について解析したところ、約70%が残存しており、
かつシステム中の酸素がゼロになっていることがわかっ
た。つまり、初期に混入していた酸素は冷凍機油と反応
し、ラジカル発生を起こしたが、油中に添加された酸化
防止剤によって直ちにトラップされ、そのラジカル連鎖
反応が抑止され、冷凍機油及び冷凍システムには悪影響
を及ぼさなかったと考えられる。
【0036】(実施例2)基油として実施例1で用いた
ものと同じものに、酸化防止剤として、フェノール系誘
導体酸化防止剤、(化17:分子量306)を0.5w
t%と、チオエーテル系誘導体酸化防止剤、フェニルサ
ルファイド((C6H5)2S:分子量186)を0.
3wt%添加し冷凍機油組成物を用意した。
【0037】実施例1と同様の冷凍システムを用意し、
その酸化安定性を評価した。この時初期混入量は0.1
8リットルであった。
【0038】その後4500時間連続加速運転を行った
のち冷凍機油を取り出したが冷凍機油の酸化劣化は観測
されず、冷凍機油の全酸価の値は運転開始時と同様0.
01mgKOH/gであった。また油中の酸化防止剤に
ついて解析したところ、約70%が残存しており、かつ
システム中の酸素がゼロになっていることがわかった。
つまり、初期に混入していた酸素は冷凍機油と反応し、
ラジカル発生を起こしたが、油中に添加された酸化防止
剤によって直ちにトラップされ、そのラジカル連鎖反応
が抑止されるとともに、酸化劣化反応の途中で発生した
ハイドロパーオキサイドもフェニルサルファイドにより
ハイドロオキシ体に変換されたため、冷凍機油及び冷凍
システムには悪影響を及ぼさなかったと考えられる。
【0039】(実施例3)基油として実施例1で用いた
ものと同じものに、酸化防止剤として、フェノール系誘
導体酸化防止剤、(化17:分子量306)を0.5w
t%と、リン系誘導体酸化防止剤、トリクレジルホスフ
ェート((CH3(C6H4)O)3P=O:分子量3
67)を0.3wt%添加し冷凍機油組成物を用意し
た。
【0040】実施例1と同様の冷凍システムを用意し、
その酸化安定性を評価した。この時初期混入量は0.1
3リットルであった。
【0041】その後4800時間連続加速運転を行った
のち冷凍機油を取り出したが冷凍機油の酸化劣化は観測
されず、冷凍機油の全酸価の値は運転開始時と同様0.
01mgKOH/gであった。また油中の酸化防止剤に
ついて解析したところ、約70%が残存しており、かつ
システム中の酸素がゼロになっていることがわかった。
つまり、初期に混入していた酸素は冷凍機油と反応し、
ラジカル発生を起こしたが、油中に添加された酸化防止
剤によって直ちにトラップされ、そのラジカル連鎖反応
が抑止されるとともに、酸化劣化反応の途中で発生した
ハイドロパーオキサイドもトリクレジルホスフェートに
よりハイドロオキシ体に変換されたため、冷凍機油及び
冷凍システムには悪影響を及ぼさなかったと考えられ
る。
【0042】(実施例4)基油として実施例1で用いた
ものと同じものに、酸化防止剤として、フェノール系誘
導体酸化防止剤、(化17:分子量306)を0.5w
t%と、(化6)で表されるリン系誘導体酸化防止剤
(分子量645)を0.2wt%添加し冷凍機油組成物
を用意した。
【0043】
【化18】
【0044】実施例1と同様の冷凍システムを用意し、
その酸化安定性を評価した。この時初期混入量は0.1
6リットルであった。
【0045】その後5000時間連続加速運転を行った
のち冷凍機油を取り出したが冷凍機油の酸化劣化は観測
されず、冷凍機油の全酸価の値は運転開始時と同様0.
01mgKOH/gであった。また油中の酸化防止剤に
ついて解析したところ、約70%が残存しており、かつ
システム中の酸素がゼロになっていることがわかった。
つまり、初期に混入していた酸素は冷凍機油と反応し、
ラジカル発生を起こしたが、油中に添加された酸化防止
剤によって直ちにトラップされ、そのラジカル連鎖反応
が抑止されるとともに、酸化劣化反応の途中で発生した
ハイドロパーオキサイドもリン系誘導体酸化防止剤によ
りハイドロオキシ体に変換されたため、冷凍機油及び冷
凍システムには悪影響を及ぼさなかったと考えられる。
【0046】(実施例5)基油として実施例1で用いた
ものと同じものに、酸化防止剤として、フェノール系誘
導体酸化防止剤、(化17:分子量306)を0.5w
t%と、(化19)で示されるチオエーテル系誘導体酸
化防止剤(分子量286)を0.15wt%添加し冷凍
機油組成物を用意した。
【0047】
【化19】
【0048】実施例1と同様の冷凍システムを用意し、
その酸化安定性を評価した。この時初期混入量は0.1
3リットルであった。
【0049】その後5000時間連続加速運転を行った
のち冷凍機油を取り出したが冷凍機油の酸化劣化は観測
されず、冷凍機油の全酸価の値は運転開始時と同様0.
01mgKOH/gであった。また油中の酸化防止剤に
ついて解析したところ、約70%が残存しており、かつ
システム中の酸素がゼロになっていることがわかった。
つまり、初期に混入していた酸素は冷凍機油と反応し、
ラジカル発生を起こしたが、油中に添加された酸化防止
剤によって直ちにトラップされ、そのラジカル連鎖反応
が抑止されるとともに、酸化劣化反応の途中で発生した
ハイドロパーオキサイドもチオエーテル系誘導体酸化防
止剤によりハイドロオキシ体に変換されたため、冷凍機
油及び冷凍システムには悪影響を及ぼさなかったと考え
られる。
【0050】(実施例6)基油として実施例1で用いた
ものと同じものに、酸化防止剤として、下記化学式
(2)で表されたフェノール系誘導体酸化防止剤(分子
量522)を0.5wt%添加し冷凍機油組成物を用意
した。
【0051】
【化20】
【0052】実施例1と同様の冷凍システムを用意し、
その酸化安定性を評価した。この時初期混入量は0.1
3リットルであった。
【0053】その後5000時間連続加速運転を行った
のち冷凍機油を取り出したが冷凍機油の酸化劣化は観測
されず、冷凍機油の全酸価の値は運転開始時と同様0.
01mgKOH/gであった。また油中の酸化防止剤に
ついて解析したところ、約70%が残存しており、かつ
システム中の酸素がゼロになっていることがわかった。
つまり、初期に混入していた酸素は冷凍機油と反応し、
ラジカル発生を起こしたが、油中に添加された酸化防止
剤によって直ちにトラップされ、そのラジカル連鎖反応
が抑止されるとともに、酸化劣化反応の途中で発生した
ハイドロパーオキサイドもチオエーテル系誘導体酸化防
止剤によりハイドロオキシ体に変換されたため、冷凍機
油及び冷凍システムには悪影響を及ぼさなかったと考え
られる。
【0054】(実施例7)基油として実施例1で用いた
ものと同じものに、酸化防止剤として、下記化学式
(3)で表されたフェノール系誘導体酸化防止剤(分子
量774)を0.5wt%添加し冷凍機油組成物を用意
した。
【0055】
【化21】
【0056】実施例1と同様の冷凍システムを用意し、
その酸化安定性を評価した。この時初期混入量は0.1
3リットルであった。
【0057】その後5000時間連続加速運転を行った
のち冷凍機油を取り出したが冷凍機油の酸化劣化は観測
されず、冷凍機油の全酸価の値は運転開始時と同様0.
01mgKOH/gであった。また油中の酸化防止剤に
ついて解析したところ、約70%が残存しており、かつ
システム中の酸素がゼロになっていることがわかった。
つまり、初期に混入していた酸素は冷凍機油と反応し、
ラジカル発生を起こしたが、油中に添加された酸化防止
剤によって直ちにトラップされ、そのラジカル連鎖反応
が抑止されるとともに、酸化劣化反応の途中で発生した
ハイドロパーオキサイドもチオエーテル系誘導体酸化防
止剤によりハイドロオキシ体に変換されたため、冷凍機
油及び冷凍システムには悪影響を及ぼさなかったと考え
られる。
【0058】
【発明の効果】以上のように本実施例によれば、冷凍機
用潤滑油における酸化防止剤として、分子量230以上
からなるフェノール系誘導体を用いることによって酸化
安定性の良好な冷凍機用潤滑油を得ることができ、かつ
安定な冷凍システムを供給することができる。
【0059】さらに、フェノール系誘導体の酸化防止剤
に加えて、チオエーテル系誘導体、リン系誘導体の酸化
防止剤を併用することによって、さらに安定な冷凍機用
潤滑油を提供できる。
【0060】またさらにそれらチオエーテル系誘導体、
リン系誘導体の酸化防止剤の分子量を制限することによ
って、さらに安定な冷凍機用潤滑油を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】油の酸化反応、酸化防止剤の酸化機構を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10N 20:04 30:08 30:10 40:30

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子量230以上のフェノール系誘導体
    を酸化防止剤として含有することを特徴とする冷凍機用
    潤滑油。
  2. 【請求項2】 前記フェノール系誘導体の構造式は(化
    1),(化2)または(化3)であることを特徴とする
    請求項1記載の冷凍機用潤滑油。 【化1】 【化2】 【化3】
  3. 【請求項3】 前記酸化防止剤が、前記フェノール系誘
    導体とチオエーテル系誘導体又は/及びリン系誘導体を
    含有することを特徴とする請求項1または2冷凍機用潤
    滑油。
  4. 【請求項4】 前記チオエーテル系誘導体の分子量は2
    00以上であることを特徴とする請求項3記載の冷凍機
    用潤滑油。
  5. 【請求項5】 前記リン系誘導体の分子量は380以上
    であることを特徴とする請求項3記載の冷凍機用潤滑
    油。
  6. 【請求項6】 前記チオエーテル系誘導体の構造式は
    (化4)または(化5)であることを特徴とする請求項
    5記載の冷凍機用潤滑油。 【化4】 【化5】
  7. 【請求項7】 前記リン系誘導体の構造式は(化6),
    (化7)または(化8)であることを特徴とする請求項
    5記載の冷凍機用潤滑油。 【化6】 【化7】 【化8】
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