JPH1112410A - 水性分散体組成物の製造方法 - Google Patents

水性分散体組成物の製造方法

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JPH1112410A
JPH1112410A JP16426197A JP16426197A JPH1112410A JP H1112410 A JPH1112410 A JP H1112410A JP 16426197 A JP16426197 A JP 16426197A JP 16426197 A JP16426197 A JP 16426197A JP H1112410 A JPH1112410 A JP H1112410A
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JP
Japan
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aqueous dispersion
containing compound
ionomer resin
dispersion composition
epoxy
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JP16426197A
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English (en)
Inventor
Taku Tokita
卓 時田
Shigenobu Otsubo
重信 大坪
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低温かつ短時間の加熱によって、耐食性に優
れ、かつ上塗り塗料と良好な密着性を示す塗膜を形成す
る水性分散体組成物を得ることができる方法の提供。 【解決手段】アイオノマー樹脂を含有する水性分散体
と、エポキシ基含有化合物とを、100〜200℃で加
熱混合する工程を有する水性分散体組成物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水性分散体組成物の
製造方法に関し、特に、金属用塗料組成物として、耐食
性に優れ、かつ上塗り塗料と良好な密着性を示す塗膜を
形成する水性分散体組成物を得ることができる方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】主として炭化水素から構成される高分子
主鎖からなり、側鎖に有するカルボキシル基の一部が金
属陽イオンで中和されてなる部分中和物であるアイオノ
マー樹脂が、各種の基材、特に金属と良好な密着性を有
することは良く知られている。また、このアイオノマー
樹脂からなる塗膜は、耐水性に優れるため、このアイオ
ノマー樹脂を金属基材の防錆剤として使用することも知
られている。さらに、アイオノマー樹脂は水に容易に分
散することができるため、水分散体として使用すること
が知られている。そのため、アイオノマー樹脂を含む水
分散体を防錆塗料に使用し、金属等の基材、例えば、鋼
板に塗布してアイオノマー樹脂からなる防錆層を形成
し、防錆鋼板を製造することが行われてきた。
【0003】ところで、近年、防錆鋼板の用途の多様化
および高級化に伴い、従来、基材の素地に防錆剤を塗布
しただけで使用に供していた防錆鋼板に、着色を目的と
して、さらに塗料等の硬化性樹脂からなる被膜を形成す
る場合が多くなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、アイオノマー
樹脂からなる防錆層は、塗料等の硬化性樹脂からなる被
膜との密着性が悪く、このアイオノマー樹脂の塗膜の上
に塗料等を上塗り塗装しても、良好な密着性を有する塗
膜を形成することができなかった。
【0005】さらに、製造ラインの効率化のために、低
温かつ短時間で防錆層を形成することが要求されるよう
になってきた。しかし、防錆層の形成が不十分な場合
は、上塗り塗装の前に行われるアルカリ処理により、防
錆層が剥がれることがあり、低温かつ短時間の加熱によ
って防錆層の形成が可能な組成物が要望されていた。
【0006】そこで、本発明の目的は、低温かつ短時間
の加熱によって、耐食性に優れ、かつ上塗り塗料と良好
な密着性を示す塗膜を形成する水性分散体組成物を得る
ことができる方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、アイオノマー樹脂を含有する水性分散体
と、エポキシ基含有化合物とを、100〜200℃で加
熱混合する工程を有する水性分散体組成物の製造方法を
提供するものである。
【0008】以下、本発明の水性分散体組成物の製造方
法(以下、「本発明の方法」という)について詳細に説
明する。
【0009】本発明の方法において用いられる水性分散
体の主成分であるアイオノマー樹脂は、主として炭化水
素から構成される高分子主鎖から成り、側鎖にカルボキ
シル基を有し、該カルボキシル基の少なくとも1部が金
属陽イオンで中和された重合体である。このアイオノマ
ー樹脂の具体例として、エチレン−不飽和カルボン酸共
重合体であって、含有するカルボキシル基の少なくとも
1部が2価の金属陽イオンで中和されてなる部分中和物
からなるアイオノマー樹脂(A−1)を挙げることがで
きる。
【0010】このアイオノマー樹脂(A−1)の主骨格
を構成するエチレン−不飽和カルボン酸共重合体は、ラ
ンダム共重合体でもよいし、ポリエチレンへの不飽和カ
ルボン酸のグラフト共重合体でもよい。特に、透明性の
点で、エチレン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体が
好ましい。また、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体
は、1種の不飽和カルボン酸のみを含むものでもよい
し、2種以上の不飽和カルボン酸を含むものでもよい。
【0011】エチレン−不飽和カルボン酸共重合体の成
分である不飽和カルボン酸としては、炭素数3〜8の不
飽和カルボン酸等を挙げることができる。炭素数3〜8
の不飽和カルボン酸の具体例としては、アクリル酸、メ
タクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、ク
ロトン酸、イソクロトン酸、シトラコン酸、アリルコハ
ク酸、メサコン酸、グルタコン酸、ナジック酸、メチル
ナジック酸、テトラヒドロフタール酸、メチルヘキサヒ
ドロフタル酸等を挙げることができる。これらの中で
は、特に、アクリル酸およびメタクリル酸が好ましい。
【0012】また、このアイオノマー樹脂(A−1)の
主骨格を構成するエチレン−不飽和カルボン酸共重合体
は、エチレンと不飽和カルボン酸に加えて第3成分を含
んでいても良い。この第3成分としては、(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸イソブチル等の不飽和カルボン酸エステル、酢
酸ビニル等のビニルエステルを挙げることができる。
【0013】このエチレン−不飽和カルボン酸共重合体
におけるエチレンと不飽和カルボン酸の含有割合は、通
常、エチレン95〜60重量部に対して、不飽和カルボ
ン酸5〜40重量部の割合であり、好ましくはエチレン
92〜75重量部に対して、不飽和カルボン酸8〜25
重量部の割合である。また、エチレン−不飽和カルボン
酸共重合体が第3成分を含む場合は、第3成分は40重
量%以下の量で存在することが好ましい。
【0014】アイオノマー樹脂において、エチレン−不
飽和カルボン酸が側鎖に有するカルボキシル基の少なく
とも一部を中和している金属陽イオンとしては、例え
ば、1〜3価の金属陽イオンが挙げられる。これらの中
でも、良好な乳化性を有するアイオノマー樹脂が得られ
る点で、1〜2価の金属陽イオンが好ましい。この金属
陽イオンとして、例えば、Na、K、Li等の1価の金
属イオン、Mg、Zn、Cu、Ca、Ba等の2価の金
属イオンなどが挙げられる。これらの中でも、Na、
K、Li、MgおよびZnが好ましい。
【0015】アイオノマー樹脂(A−1)において、エ
チレン−不飽和カルボン酸共重合体が側鎖に有するカル
ボキシル基の全部に対する、2価の金属陽イオンで中和
されたカルボキシル基の割合、すなわち、中和度は、耐
食性と塗膜強度に優れる塗膜を形成する防錆塗料が得ら
れる点で、通常、20〜100%程度であり、好ましく
は30〜80%である。また、このアイオノマー樹脂
は、ASTM D 1238によるMFR(190℃)
が、0.05〜100g/10minであるものが好ま
しく、特に1〜50g/10minであるものが好まし
い。
【0016】このアイオノマー樹脂の製造は、例えば、
エチレンと不飽和カルボン酸、および必要に応じて第3
成分を、高圧ラジカル重合法により共重合させ、得られ
るエチレン−不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル
基を、前記金属陽イオンを有する化合物で中和処理する
方法、ポリエチレンに不飽和カルボン酸を共重合し、得
られる共重合体のカルボキシル基を前記金属陽イオンを
有する化合物で中和処理する方法等の方法に従って行う
ことができる。また、この製造は、押し出し機に所定の
成分を供給して溶融混練して反応させても良いし、水、
あるいは適当な有機溶剤中で行わせてもよい。
【0017】前記の金属陽イオンを有する化合物として
は、例えば、KOH、NaOH、LiOH、K2
3 、ZnO、Zn(OH)2 、MgO、Mg(OH)
2 、CuO、Ca(OH)2 、Ba(OH)2 等が挙げ
られる。
【0018】本発明の方法において、このアイオノマー
樹脂の水性分散体は、容易に調製することができ、通
常、水に対して1〜60重量%の固形分量のアイオノマ
ー樹脂を混合して、必要に応じて金属陽イオンを加え
て、100〜270℃の温度で加熱溶融し、分散させる
方法によって調製することができる。
【0019】また、本発明の方法において用いられるエ
ポキシ基含有化合物としては、例えば、カルボン酸と
2,3−エポキシプロパノール等の反応によって得られ
るグリシジルエステル類、およびエピクロルヒドリンと
1価または多価の金属アルコキシドとの反応によって得
られるグリシジルエーテル類などを挙げることができ
る。
【0020】グリシジルエステル類を得るためのカルボ
ン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉
草酸等の飽和モノカルボン酸、マロン酸、コハク酸、グ
ルタル酸、アジピン酸等の飽和ジカルボン酸、安息香
酸、フタル酸等の芳香族カルボン酸、アクリル酸、メタ
クリル酸等の不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、フマ
ール酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、シ
トラコン酸、アリルコハク酸、メサコン酸、グルタコン
酸、ナジック酸、メチルナジック酸、テトラヒドロフタ
ル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸等の不飽和ジカルボ
ン酸などが挙げられる。これらのカルボン酸は、1種単
独または2種以上の組み合わせが、グリシジルエステル
類中に含まれていてもよい。
【0021】エポキシ基含有化合物として用いられるグ
リシジルエステル類の具体例としては、アジピン酸ジグ
リシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、テ
レフタル酸ジグリシジルエステル等が挙げられる。
【0022】また、エポキシ基含有化合物として用いら
れるグリシジルエーテル類を得るための1価または多価
の金属アルコキシドは、1価または多価のアルコールと
金属との反応によって得られる化合物である。1価のア
ルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、フェノール
等が挙げられ、多価アルコールとしては、例えば、エチ
レングリコール、レゾルシン、グリセリン、ビスフェノ
ールA等の多価アルコールを挙げることができる。金属
としては、例えば、リチウム、ナトリウム、マグネシウ
ム、カルシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金
属を挙げることができる。
【0023】この1価または多価の金属アルコキシドの
具体例として、ナトリウムアルコキシド等が挙げられ
る。これらの金属アルコキシドの1種単独または2種以
上の組み合わせが、グリシジルエーテル中に含まれてい
てもよい。
【0024】エポキシ基含有化合物として用いられるグ
リシジルエーテル類の具体例としては、ソルビトールポ
リグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエー
テル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペン
タエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロ
ールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシ
ジルエーテル、トリメチルプロパンポリグリシジルエー
テル、ネオペンチルグリコールグリシジルエーテル、エ
チレングリコールグリシジルエーテル、ポリエチレング
リコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコール
ジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグ
リシジルエーテル、2,2−ビスー(4’−グリシジル
オキシフェニル)プロパン等を挙げることができる。
【0025】本発明の方法において、エポキシ基含有化
合物として前記グリシジルエステル類およびグリシジル
エーテル類を1種単独または2種以上を組み合わせて用
いてもよい。
【0026】また、エポキシ基含有化合物は、例えば、
ビスフェノールA型エポキシ化合物に代表される芳香族
系エポキシ化合物とカルボキシル基含有アクリル樹脂、
芳香族ポリオール樹脂等との反応物、変性エポキシ化合
物であってもよい。
【0027】さらに、本発明の方法において、エポキシ
基含有含有化合物は、水性分散体の調製が容易となる点
で、水溶性またはディスパージョンを形成するものが好
ましく、特に水溶率が25%以上のものが好ましい。本
発明において、水溶率とは、25℃で水にエポキシ基含
有化合物を混合した時に、水に実際に溶解したエポキシ
基含有化合物の量の割合をいう。すなわち、ある温度T
でエポキシ基含有化合物Xgを水に溶解した時、エポキ
シ基含有化合物の不溶分がYg残った時は、温度Tにお
ける該エポキシ基含有化合物の水溶率は〔(X−Y)/
X〕×100(%)となる。
【0028】さらにまた、このエポキシ基含有化合物
は、粘度が、25℃で1〜30000mPa・s、特
に、5〜20000mPa・sの範囲にあるものが好ま
しい。
【0029】本発明の方法で用いられるエポキシ基含有
化合物は、通常、エポキシ当量が80〜2500g、特
には、120〜2000gの範囲にあるものが好まし
い。本発明において、エポキシ当量とは、エポキシ基1
グラム当量当たりのエポキシ基含有化合物のグラム数を
いう。例えば、分子量100のエポキシ基含有化合物が
1分子内に1つのエポキシ基を有する場合には、このエ
ポキシ基含有化合物のエポキシ当量は100となる。ま
た、分子量100のエポキシ基含有化合物が1分子中に
2つのエポキシ基を有する場合には、このエポキシ基含
有化合物のエポキシ当量は50となる。
【0030】本発明の方法は、アイオノマー樹脂の水性
分散体にエポキシ基含有化合物を加熱混合して、アイオ
ノマー樹脂とエポキシ基含有化合物を含む水性分散体組
成物を製造する方法である。加熱混合は、アイオノマー
樹脂の水性分散体にエポキシ基含有化合物を溶解、加熱
して行ってもよいし、アイオノマー樹脂の水性分散体と
エポキシ基含有化合物の水溶液ないし水性分散体とを加
熱混合してもよい。
【0031】加熱混合時の温度は、100〜200℃、
好ましくは100〜160℃の範囲である。100℃未
満の温度では、十分な耐アルカリ密着性を有する塗膜を
形成する水性分散体組成物を得ることができず、また、
200℃を超える温度では、高圧下での反応となり、製
造作業上好ましくない。また、加熱混合時間は、特に制
限されず、通常、0.5〜8時間の範囲が好ましく、特
に1〜4時間の範囲が好ましい。
【0032】本発明の方法において、アイオノマー樹脂
とエポキシ基含有化合物の使用量は、特に制限されず、
塗装方法、塗装に使用する装置等に従って適宜調整され
る。通常、得られる水性分散体組成物中のアイオノマー
樹脂とエポキシ基含有化合物の合計量が、5〜50重量
%、好ましくは10〜40重量%となる量を使用するこ
とができる。
【0033】さらに、本発明の方法において、アイオノ
マー樹脂とエポキシ基含有化合物の使用割合は、特に制
限されず、使用するエポキシ基含有化合物の分子量、エ
ポキシ当量に応じて適宜決定される。 特に、金属基材
に塗布して、耐食性と共に、上塗り塗料との密着性に優
れる防錆層を形成することができる水性分散体組成物を
得ることができる点で、アイオノマー樹脂100重量部
に対して、エポキシ化合物0.1〜100重量部の割合
が好ましく、さらに好ましくは、1〜50重量部の割合
が好ましい。
【0034】本発明の方法において、水性分散体組成物
には、前記アイオノマー樹脂の水性分散体およびエポキ
シ基含有化合物以外に、必要に応じて各種の樹脂、配合
剤等の他の成分を、本発明の目的を損なわない範囲で配
合してもよい。他の成分としては、水溶性アミノ樹脂、
硬化剤、有機増粘剤、無機増粘剤、界面活性剤、水溶性
多価金属塩類、その他の防錆剤、防かび剤、紫外線吸収
剤、耐熱安定剤、発泡剤、顔料、充填剤等が挙げられ
る。
【0035】水溶性アミノ樹脂は、水性分散体組成物か
ら形成される塗膜の強度を向上させるために用いられ、
例えば、水溶性メラミン樹脂、ヘキサメトキシメラミ
ン、メチロール化ベンゾグアナミン樹脂、メチロール化
尿素樹脂等が挙げられる。硬化剤としては、フェノール
樹脂等が挙げられる。また、有機増粘剤または無機増粘
剤は、水性分散体組成物の安定性を向上させ、粘度を調
整するために配合されるものであり、有機増粘剤として
は、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキサ
イド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、カルボキ
シメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース等が挙げられる。無機増粘剤としては、
例えば、二酸化珪素、活性白土、ベントナイト等が挙げ
られる。
【0036】界面活性剤は、水性分散体組成物の安定性
を向上させるために用いられるものであり、例えば、ノ
ニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤等が挙げら
れる。また、防錆剤は、水性分散体組成物から形成され
る塗膜の防錆能力を向上させるために用いられるもので
あり、例えば、ストロンチウムクロメート等の水溶性多
価金属塩類等が挙げられる。さらに、顔料としては、例
えば、チタン白、ベンガラ、フタロシアニン、カーボン
ブラック、パーマネントイエロー等が挙げられ、充填剤
としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、炭酸バリウム、タルク、水酸化アルミニウム、硫酸
カルシウム、カオリン、雲母、アスベスト、マイカ、珪
酸カルシウム等が挙げられる。
【0037】本発明の方法によって得られる水性分散体
組成物は、基材上に塗布し、乾燥、硬化して耐食性を有
する塗膜を形成することができる。この水性分散体組成
物の塗布は、スプレー、カーテン、フローコーター、ロ
ールコーター、刷毛塗り、浸漬等のいずれの方法によっ
ても行うことができる。水性分散体組成物を塗布した
後、自然乾燥させても良いが、焼き付けを行うことが好
ましい。焼き付け温度は、60〜250℃で、1〜12
0秒加熱することにより、良好な耐食性を有する塗膜を
形成することができる。
【0038】本発明の方法によって得られる水性分散体
組成物は、いずれの基材に塗布しても耐食性に優れる塗
膜を形成することができ、その基材は、特に限定されな
い。特に、この水性分散体組成物を適用する基材とし
て、未処理鋼板、亜鉛ニッケル鋼板、ブリキ板、亜鉛鉄
板、ノンクロメート鋼板等の鋼板を挙げることができ
る。
【0039】また、本発明の方法によって得られる水性
分散体組成物により形成される塗膜の上に塗装される塗
料としては、特に限定されないが、例えば、メラミンア
ルキッド樹脂、ウレタン塗料等が挙げられる。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例で説明す
るが、本発明はこれらの実施例により限定されるもので
はない。また、以下の実施例および比較例で得られた水
性分散体組成物についての塗膜密着性、耐アルカリ密着
性、および耐食性(塩水噴霧試験による発錆率)の評価
または測定は下記の方法にしたがって行った。
【0041】評価方法 (塗装鋼板試料の調製)厚さ0.8mmの塗布型クロメ
ート亜鉛メッキ鋼板に、バーコーターを用いて、アイオ
ノマー樹脂の水性分散体組成物を、乾燥膜厚3μmにな
るように塗工し、150℃(板到達温度80℃)、10
秒の条件で焼き付け、耐アルカリ密着性評価試験用の塗
装鋼板試料を作成した。次いで、この塗装鋼板試料に、
バーコーターを用いて、メラミンアルキッド塗料(関西
ペイント製;アミラック)を、乾燥膜厚で35〜40μ
mとなるように塗布し、130℃で20分間焼き付けて
硬化させ、上塗り塗膜の塗膜密着性試験用の試料とし
た。
【0042】(塗膜密着性)JIS K 5400に記
載されている碁盤目試験の方法に準じて、前記に作成し
た上塗り塗膜の密着性試験用の試料に碁盤目を付けた試
験片を作成し、粘着テープ(ニチバン(株)、商品名セ
ロテープ)を試験片の碁盤目上に張り付けた後、粘着テ
ープを速やかに90°の方向に引っ張って剥離させ、碁
盤目100の内で剥離されなかった碁盤目の数を数え、
(剥離されなかった碁盤目の数)/100の値を塗膜密
着性の評価の指標とした。
【0043】(耐アルカリ密着性)前記に作成した耐ア
ルカリ密着性評価試験用の試料を、pH10以上の2%
ケイ酸ソーダ水に60℃で2分間浸漬した後、直ちに3
0秒間水洗し、窒素ガスにより乾燥した後、前記の塗膜
密着性の評価を行った。
【0044】(耐食試験−塩水噴霧試験による発錆率)
雰囲気温度35℃で、5%のNaCl水溶液を、耐アル
カリ密着性評価試験用の試料に吹き付け、240時間後
の白錆発生率を測定した。
【0045】(合成例1)内容積1.5lの加圧オート
クレーブに、エチレン−メタクリル酸共重合樹脂(MF
R(190℃):60g/10min,メタクリル酸含
量:20wt%)275g、水725gおよび水酸化ナ
トリウム12.8gを入れ、150℃に昇温した後、2
時間攪拌して水性分散体を得た。得られた水性分散体
は、固形分濃度27.3%、粘度155mPa・s、p
H9.8のものであった。
【0046】(実施例1)合成例1で得たアイオノマー
樹脂の水性分散体に、エポキシ基含有化合物(ナガセ化
成品;デナキャストEM−101:ビスフェノール型エ
ポキシエマルジョン)を固形分比で10:1となるよう
に混合し、130℃で2時間加熱攪拌して水性分散体組
成物を製造した。得られた水性分散体組成物は、固形分
濃度26.9%、粘度50mPa・s、pH10のもの
であった。この水性分散体組成物を、塗膜密着性、耐ア
ルカリ密着性および耐食性(塩水噴霧試験による発錆
率)の評価に供した。結果を表1に示す。
【0047】(比較例1)アイオノマー樹脂の水性分散
体と、エポキシ基含有化合物とを、常温で2時間混合す
る以外は、実施例1と同様にして、水性分散体組成物を
製造した。得られた水性分散体組成物は、固形分濃度2
8.4%、粘度150mPa・s、pH9.7のもので
あった。この水性分散体組成物を、塗膜密着性、耐アル
カリ密着性および耐食性(塩水噴霧試験による発錆率)
の評価に供した。結果を表1に示す。
【0048】(実施例2)エポキシ基含有化合物として
フェノール(EO)5 グリシジルエーテル(ナガセ化
成;デナコールEX−145)の30%水溶液を使用す
る以外は、実施例1と同様にして、水性分散体組成物を
製造した。得られた水性分散体組成物は、固形分濃度2
7.3%、粘度103mPa・s、pH9.8のもので
あった。この水性分散体組成物を、塗膜密着性、耐アル
カリ密着性および耐食性(塩水噴霧試験による発錆率)
の評価に供した。結果を表1に示す。
【0049】(比較例2)アイオノマー樹脂の水性分散
体とエポキシ基含有化合物を常温で2時間混合する以外
は、実施例2と同様にして水性分散体組成物を製造し
た。得られた水性分散体組成物は、固形分濃度27.4
%、粘度120mPa・s、pH9.8のものであっ
た。この水性分散体組成物を、塗膜密着性、耐アルカリ
密着性および耐食性(塩水噴霧試験による発錆率)の評
価に供した。結果を表1に示す。
【0050】(実施例3)エポキシ基含有化合物として
ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセ
化成;デナコールEX−861)の30%水溶液を使用
した以外は、実施例1と同様にして水性分散体組成物を
製造した。得られた水性分散体組成物は、固形分濃度2
7.4%、粘度165mPa・s、pH9.7のもので
あった。この水性分散体組成物を、塗膜密着性、耐アル
カリ密着性および耐食性(塩水噴霧試験による発錆率)
の評価に供した。結果を表1に示す。
【0051】(比較例3)アイオノマー樹脂の水性分散
体とエポキシ基含有化合物を常温で2時間混合する以外
は、実施例3と同様にして水性分散体組成物を製造し
た。得られた水性分散体組成物は、固形分濃度27.3
%、粘度180mPa・s、pH9.7のものであっ
た。この水性分散体組成物を、塗膜密着性、耐アルカリ
密着性および耐食性(塩水噴霧試験による発錆率)の評
価に供した。結果を表1に示す。
【0052】(比較例4)比較例1で製造した水性分散
体組成物を、厚さ0.8mmの塗布型クロメート亜鉛メ
ッキ鋼板に、バーコーターを用いて塗布した後、200
℃(板到達温度130℃)、10秒の条件で焼き付けて
塗膜を形成し、耐アルカリ密着性の評価用の塗装鋼板試
料を作成し、これを塗膜密着性、耐アルカリ密着性およ
び耐食性(塩水噴霧試験による発錆率)の評価に供し
た。結果を表1に示す。
【0053】
【0054】
【発明の効果】本発明の方法によれば、低温、短時間加
熱の成膜条件下であっても、耐食性に優れ、かつ基材お
よび上塗り塗料との良好な密着性を示す塗膜を形成する
ことができる水性分散体組成物を得ることができる。し
たがって、本発明の方法によって得られる水性分散体組
成物は、特に金属基材の防錆塗料として有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アイオノマー樹脂を含有する水性分散体
    と、エポキシ基含有化合物とを、100〜200℃で加
    熱混合する工程を有する水性分散体組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】アイオノマー樹脂とエポキシ基含有化合物
    の混合割合が、アイオノマー樹脂100重量部に対して
    エポキシ基含有化合物0.1〜100重量部である請求
    項1に記載の水性分散体組成物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10421862B2 (en) 2014-12-24 2019-09-24 Kao Corporation Process for producing pigment-containing modified polymer particles

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