JPH11116644A - ブロックコポリマー及びその重合方法 - Google Patents

ブロックコポリマー及びその重合方法

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JPH11116644A
JPH11116644A JP10226742A JP22674298A JPH11116644A JP H11116644 A JPH11116644 A JP H11116644A JP 10226742 A JP10226742 A JP 10226742A JP 22674298 A JP22674298 A JP 22674298A JP H11116644 A JPH11116644 A JP H11116644A
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JP
Japan
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polymer
polymer block
block
resin composition
adhesive
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Application number
JP10226742A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Hasegawa
裕彰 長谷川
Yasumasa Tanaka
泰雅 田中
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 凝集力と粘着力とのバランスが優れた粘着剤
を提供できるブロックコポリマー及びその重合方法及び
これを含有する粘着剤組成物及びこれを用いた粘着製品
を提供する。 【解決手段】 (メタ)アクリル酸アルキルエステル系
ポリマーブロックAと、該ポリマーブロックAと相溶性
がないポリマーブロックBとが、一般式 【化1】 (式中、XはC3 〜C10のアルキレン基、R2 はC1
5 のアルキル基を表す。)で示される連結部を介して
結合しているブロックコポリマーで、前記ポリマーブロ
ックAのガラス転移温度(TgA )と前記ポリマーブロ
ックBのガラス転移温度(TgB )との差(TgB −T
A )が15℃以上であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、凝集力と粘着力と
のバランスが改善された粘着剤を提供できるブロックコ
ポリマー及び該ブロックコポリマーの重合方法及び該ブ
ロックコポリマーを含有する粘着剤用樹脂組成物及びこ
れを用いた粘着製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを主成
分とする(メタ)アクリル系感圧接着剤は、ゴム系粘着
剤に比べて耐熱性、耐候性、耐水性、耐油性、透明性等
に優れていることから、近年、粘着剤として広範に使用
されている。
【0003】ここで、粘着剤としての物性を向上させる
ためには、タック性(瞬間的な接触によって生じる粘着
性)、粘着力(ピール接着力)、凝集力(保持力)を向
上させる必要がある。しかし、タック性及び粘着力(以
下、両者を特に区別しないときは「粘着力」と一括して
いう)と凝集力とは相反する性質であるため、双方をバ
ランスよく向上させることは困難であった。例えば、架
橋密度を増大させたり、ガラス転移温度の高いポリマー
をブレンド等することにより凝集力の向上を図った場合
は、その反動として粘着力が低下するという問題があ
る。一方、粘着力を増大しようとして、(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル系ポリマーにおいて、(メタ)ア
クリル酸ブチルや(メタ)アクリル酸2―エチルヘキシ
ル等のガラス転移点の低いモノマーの含有率を高めて、
ポリマーのガラス転移温度を下げるような分子設計をす
ると、圧力に対する変形に耐えられずに凝集破壊を起こ
し易くなり、凝集力が発揮できなくなる。
【0004】近年、粘着力と凝集力とのバランスを確保
しつつ、双方を向上させた粘着剤として、グラフトコポ
リマー、ブロックコポリマー等のポリマーアロイを利用
した粘着剤が提案されている。例えば、グラフトコポリ
マーを利用した粘着剤用樹脂組成物として、特公平5−
32438号公報、特開平8−143847号公報、特
開平8−209099号公報において、マクロモノマー
を用いたラジカル共重合法で製造した粘着剤用樹脂組成
物が提案されている。また、ブロックコポリマーを利用
した粘着剤用樹脂組成物として、特公昭59−3314
8号公報、特開平2―103277号公報、特開平5―
43857号公報において、ガラス転移点が異なるポリ
マーブロックで構成されるブロックコポリマーを有する
粘着剤用組成物などが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に、コポリマーに
おいて粘着剤としての凝集力を高めるためには、粘着性
のあるポリマー部分((メタ)アクリル酸アルキルエス
テル系ポリマー部分)を高分子量化することが有効であ
ると考えられている。
【0006】しかし、グラフトコポリマーの重合におい
て、マクロモノマーは分子量が大きくなるに従いマクロ
モノマーにおける末端の不飽和二重結合の濃度が低くな
るため反応性が低下する。マクロモノマーの反応性の低
下は、グラフトコポリマーの収率の低下を招き、結局、
粘着剤としての特性向上が困難となる。また、マクロモ
ノマーは高価な単量体であるため、粘着剤用組成物原料
としては経済的でない。
【0007】一方、ブロックコポリマーの合成におい
て、末端に官能基を有するポリマーを合成した後、その
官能基を有するポリマーを添加して末端基同士を反応さ
せる方法があるが、高分子量物を得るには末端の官能基
濃度が低くなりすぎて十分に反応させることができない
という問題がある。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、特殊な開始剤
を用いることにより凝集力と粘着力とのバランスが優れ
た粘着剤を提供できるブロックコポリマー及びその重合
方法及びこれを含有する粘着剤用樹脂組成物及びこれを
用いた粘着製品を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明のブロ
ックコポリマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル系ポリマーブロックAと、該ポリマーブロックAと相
溶性がないポリマーブロックBとが、一般式
【0010】
【化4】 (式中、XはC3 〜C10のアルキレン基、R2 はC1
5 のアルキル基を表す。)で示される連結部を介して
結合していることを特徴とする。
【0011】前記ポリマーブロックAのガラス転移温度
(TgA )と前記ポリマーブロックBのガラス転移温度
(TgB )との差(TgB −TgA )が15℃以上であ
ることが好ましい。
【0012】また、本発明のブロックコポリマーは、室
温中でメタノール中に1時間浸漬させたときのヘイズ値
(%)が、初期のヘイズ値(%)より3以上大きくなっ
ていることが好ましい。
【0013】本発明のブロックコポリマーの重合方法
は、末端に一般式
【0014】
【化5】 (式中、XはC3 〜C10のアルキレン基、R1 およびR
2 は夫々同一又は異なるC1 〜C5 のアルキル基を表
す。)で示されるペルオキシエステル基が結合している
ポリマーブロックBに、該ポリマーブロックBと相溶性
がない(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマー
ブロックAを構成するモノマーを添加して重合する。あ
るいは末端が一般式
【0015】
【化6】 (式中、XはC3 〜C10のアルキレン基、R1 およびR
2 は夫々同一又は異なるC1 〜C5 のアルキル基を表
す。)で示されるペルオキシエステル基が結合している
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーブロッ
クAに、該ポリマーブロックAと相溶性がないポリマー
ブロックBを構成するモノマーを添加して重合する方法
である。
【0016】本発明の粘着剤用樹脂組成物は、本発明の
ブロックコポリマーを含有するものである。あるいは、
本発明の重合方法により得られたポリマーを含有するも
のである。
【0017】このような粘着剤用樹脂組成物において、
前記ブロックコポリマーを構成するポリマーブロックA
の屈折率とポリマーブロックBの屈折率との差が0.0
5以下となるように選択することにより透明性の高い粘
着剤用樹脂組成物とすることができ、逆にポリマーブロ
ックAの屈折率とポリマーブロックBの屈折率との差が
0.05超となるように選択することにより隠蔽性の高
い粘着剤用樹脂組成物とすることができる。
【0018】本発明の粘着製品は、基材の片面又は両面
に、本発明の粘着剤用樹脂組成物を含む粘着剤層が構成
されているものである。
【0019】
【発明の実施の態様】以下に、本発明の実施形態につい
て説明する。尚、以下において、アクリル酸とメタクリ
ル酸とを区別しないときは、(メタ)アクリル酸と略記
する。
【0020】まず、本発明のブロックコポリマーを構成
するポリマーブロックA、続いてポリマーブロックBに
ついて説明する。
【0021】ポリマーブロックAは、(メタ)アクリル
酸アルキルエステル系ポリマーブロックで、ブロックコ
ポリマーにおいて主として粘着力を発揮するポリマー部
分で、ホモポリマー、コポリマーの如何を問わない。
【0022】ポリマーブロックAのモノマー組成は、
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(以
下、「モノマーa群」と総称する)を好ましくは70重
量%以上、より好ましくは80重量%以上含有する。
【0023】ここで、モノマーa群としては、アルキル
基の炭素数が1〜12であれば特に制限はなく、例え
ば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸
イソブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル
酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、
(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステ
アリルなどが挙げられる。
【0024】ポリマーブロックAにおいてモノマーa群
の含有割合が99.9重量%を超えると凝集力が不足す
る場合が多いので、以下に示すモノマーb群から選ばれ
る少なくとも1種以上を含有することが好ましい。モノ
マーb群としては、例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、マレイ
ン酸等のカルボキシル基含有不飽和モノマー;(メタ)
アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等のア
ミド基含有不飽和モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプ
ロピル等の水酸基含有不飽和モノマー;(メタ)アクリ
ル酸2−ヒドロキシエチルのポリカプロラクトン変性物
(商品名:プラクセルFシリーズ(ダイセル化学工業
(株)製))などの反応性官能基含有不飽和モノマーが
挙げられる。モノマーb群(反応性官能基含有不飽和モ
ノマー)はポリマーブロックAに架橋点を付与すること
から、後述の架橋剤が併存する場合ポリマーブロックの
高分子量化を図ることができ、凝集力を向上させること
ができる。従って、ポリマーブロックA中のモノマーb
群の含有割合は、0.01重量%以上が好ましく、より
好ましくは0.1重量%以上である。一方、含有割合の
上限は、10重量%以下が好ましく、より好ましくは8
重量%以下である。モノマーb群の含有割合が10重量
%を超えると凝集力が高くなり過ぎ、粘着力および耐反
発性が低下する傾向にあるからである。
【0025】また、ポリマーブロックAにおいて、上記
要件を満たす範囲内で、上記以外のビニル基含有モノマ
ー(以下「モノマーc群」と総称する)から選ばれる1
種又は2種以上を必要に応じて含有してもよい。モノマ
ーc群としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン等の芳香族不飽和モノマー;酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル等のビニルエステル;N−ビニルピロリドン、
アクリロイルモルホリン等の窒素含有不飽和モノマー等
のモノマーが挙げられる。
【0026】以上のようなモノマーを所定範囲内で含有
するものであれば、その組み合わせは粘着剤の特性、用
途に応じて適宜選択できるが、十分な粘着力を発揮する
ためには、ポリマーブロックAのガラス転移点(Tg
A )が−80℃以上、好ましくは−70℃以上で、50
℃以下、好ましくは20℃以下となるように組み合わせ
ることが好ましい。尚、ガラス転移温度が−20℃以上
のもの、すなわち常温ではタックのないようなものであ
っても、遠赤外線ランプで粘着剤層を照射することによ
り粘着性を発現させることができる。また、ポリマーブ
ロックAの重量平均分子量は10×104 以上、好まし
くは20×104 以上であることが好ましい。ポリマー
ブロックAの重量平均分子量が10×104 未満では凝
集力が不足するからである。
【0027】ポリマーブロックBは、ブロックコポリマ
ーにおいて主として凝集力を発揮するポリマー部分で、
ポリマーブロックAと相溶性のないものであればホモポ
リマー、ランダムコポリマーの如何を問わない。
【0028】ポリマーブロックBの構成モノマー組成
は、上記モノマーa群((メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル系モノマー)、架橋点を付与するためのモノマー
b群(反応性官能基含有モノマー)、及びモノマーc群
(その他の重合可能なビニル基含有モノマー)から、ポ
リマーブロックAと相溶性がないことを要件に、1種又
は2種以上選択されたものである。要するに、ポリマー
ブロックBは、ポリマーブロックAと相溶性がないポリ
マーブロックBを得ることができれば、適宜上記モノマ
ーを組み合わせて構成することができるが、粘着力と凝
集力とのバランスを向上させるためには、ポリマーブロ
ックBのガラス転移温度(TgB )とポリマーブロック
Aのガラス転移温度(TgA )との差(TgB −Tg
A )が15℃以上、好ましくは30℃以上、さらに好ま
しくは60℃以上であるように選択することが好まし
い。
【0029】また、透明性の高い粘着剤用樹脂組成物を
得たい場合には、ポリマーブロックAの屈折率とポリマ
ーブロックBの屈折率との差が0.05以下、好ましく
は0.04以下、より好ましくは0.03以下となるよ
うに選択すればよい。一方、隠蔽性の高い粘着剤用樹脂
組成物を得たい場合には、屈折率の差が0.05超、好
ましくは0.1以上となるように選択すればよい。さら
に、ポリマーブロックBの重量平均分子量は2×104
以上、好ましくは5×104 以上であることが好まし
い。ポリマーブロックBの重量平均分子量が2×104
未満では凝集力が不足するからである。
【0030】さらに、ポリマーブロックA又はポリマー
ブロックBにおいて、上記所定要件を満たす範囲内で、
ポリマーブロックを構成するモノマー組成を適宜選択す
ることにより粘着剤としての特性、用途に応じたブロッ
クコポリマーを提供することができる。例えば、ポリマ
ーブロックA又はBにおいて、N―ビニルピロリドンを
含有するとフタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル等の
フタル酸エステル類、リン酸エステル類等の可塑剤に対
する極性が高くなり、可塑剤移行による粘着力の低下を
防止できる。よって、可塑剤を多量に含有する軟質ポリ
塩化ビニル基材に用いる粘着剤用のブロックコポリマー
を構成する場合には、N―ビニルピロリドンを含有する
ことが好ましい。
【0031】尚、ポリマーブロックA又はポリマーブロ
ックBのガラス転移温度は実測してもよいし、コポリマ
ーの場合には下記式を用いて算出することもできる。 (1/Tg)=(W1 /Tg1 )+(W2 /Tg2 )+・・・+(WN /TgN ) 式中、Tgはコポリマーのガラス転移温度(K)を示
し、W1 ,W2 ,・・・・・・W N はモノマー組成物中の重量
分率を示し、Tg1 ,Tg2 ,・・・・・・・・TgN は対応す
るモノマー単独のポリマー(ホモポリマーの場合)のガ
ラス転移温度(K)を示す。ここで、ホモポリマーのガ
ラス転移温度は、便覧等の刊行物に記載されている数値
を採用すればよい。例えば、ポリアクリル酸は379
K、ポリアクリル酸メチルは281K、ポリアクリル酸
エチルは251K、ポリアクリル酸n−ブチルは219
K、ポリアクリル酸2−エチルヘキシルは203K、ポ
リメタクリル酸は501K、ポリメタクリル酸メチルは
378K、ポリメタクリル酸エチルは338K、ポリメ
タクリル酸n−ブチルは293K、ポリ酢酸ビニルは3
05K、ポリアクリロニトリルは398K、ポリスチレ
ンは373K、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)は
448Kである。
【0032】ポリマーブロックA又はポリマーブロック
Bの屈折率は、実測してもよいし、常法によって計算し
てもよい。計算の場合下記式により算出できる。
【0033】nDxy=Cx nDx +Cy nDy 式中、nDxyは、モノマーXとモノマーYを重合してな
るコポリマーの屈折率を示し、Cx 、Cy は夫々組成物
中の各モノマーX、Yの重量分率を示し、nDx、nDy
は対応するモノマーのホモポリマーの屈折率を示す。
ホモポリマーの屈折率を具体的に幾つか示すと、例え
ば、ポリアクリル酸は1.527、ポリアクリル酸メチ
ルは1.472、ポリアクリル酸エチルは1.468
5、ポリアクリル酸ブチルは1.466、ポリメタクリ
ル酸メチルは1.490、ポリメタクリル酸エチルは
1.485、ポリメタクリル酸イソブチルは1.47
7、ポリ(N―ビニルーピロリドン)は1.530、ポ
リスチレンは1.590である。詳しくは、例えば、
「POLYMER HANDBOOK,second e
dtion,J.Bradrup and E.H Im
mergut,Ed.,JOHNWILEY & SON
S,NEW YORK 1975.」を参照すればよい。
【0034】「相溶性がない」とは、動的粘弾性測定に
おいて正接損失(貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”との
比(G”/G’)であって、tanδで表す)の曲線ピ
ークの数が2つになることを意味する。すなわち、ポリ
マーブロックAに起因するピークと、ポリマーブロック
Bに起因するピークとが別々に現れることを示す。一
方、「相溶する」とは、この正接損失のピークが2つに
分離しないで、1つのピークになることを意味する。
「相溶性がない」ことは、動的粘弾性測定の他に、透過
型電子顕微鏡観察したときに海島構造を確認することに
よってしてもよいし、初期のヘイズ値に比べて室温中で
メタノール中に1時間浸漬させたときのヘイズ値(%)
が元のヘイズ値(%)より3以上大きいことによって確
認してもよい。
【0035】ここで、透過型電子顕微鏡による観察と
は、常温で粘着性のあるポリマーをエポキシ樹脂で固
め、液体窒素で冷却しながら、ミクロトームで非常に薄
くスライスしたものを透過型電子顕微鏡観察用の金属メ
ッシュ上に乗せ、しかるべき処理を行った後に観察する
ことである。
【0036】海島構造は、ガラス転移温度が低い方のポ
リマー(ポリマーブロックA)が海となって、ガラス転
移温度が高い方のポリマー(ポリマーブロックB)が島
となるように観察される。尚、海島構造をとっているポ
リマーブロックAとポリマーブロックBとの共存系であ
っても、海部分のポリマーブロックAの屈折率と島部分
のポリマーブロックBの屈折率とが接近している場合に
はコントラストがはっきりしない場合があるが、均一の
ポリマーとの差は通常観察可能である。必要に応じて官
能基を染色して観察することも可能である。
【0037】ヘイズ値(H)とは、ポリマーブロックA
とポリマーブロックBとの共存系に可視光線を当て、拡
散光線(D)の全光線透過率(T)に対する割合を示し
たものであり、H=D/Tで表される。詳しくは日本工
業規格(JIS K 7105)を参照すればよい。一般
には、市販の濁度計で簡単に測定できる。例えば、日本
電色工業株式会社製の濁度計(モデルNDH−300
A)を用いればよい。
【0038】ここで、初期のヘイズ値(%)は、基材又
は支持体(以下、まとめて「基材」という)が透明な場
合、基材のみのヘイズ値(%)を測定して、これを対照
即ち0点補正し、次にこの基材に測定しようとするポリ
マーを塗布したもの(乾燥後の厚み25μm)をそのま
ま測定すればよい。メタノール処理後のヘイズ値(%)
は、石英ガラスセルに入れたメタノール中に基材だけを
測定光線が当たるセルの透明な面に平行に浸漬させてか
ら同様に測定すればよい。尚、基材が透明でない場合、
転写させる透明基材(PETフィルムが耐溶剤性である
ので良好)を対照としてゼロ点補正し、次に試料をメタ
ノール中に浸漬させて膨潤させ、基材から剥がしやすく
して透明基材に転写し、転写後溶剤を揮発させてから測
定したものを初期のヘイズ値(%)とする。透明基材に
転写したポリマーは、上記透明基材から剥がれ落ちない
ように透明基材を2枚使用してポリマーをサンドイッチ
してもよい。但し、ゼロ点補正は転写する基材を2枚重
ねて測定する必要がある。
【0039】ポリマーブロックAとポリマーブロックB
とが相溶性がない場合、メタノール中に浸漬したときの
ヘイズ値が元のヘイズ値よりも大きくなることは、次の
理由による。すなわち、メタノールの屈折率(20℃)
は1.326であり、(メタ)アクリル酸アルキルエス
テル系ポリマーの屈折率(例えば、ポリメタクリル酸エ
チル(1.4685)、ポリアクリル酸メチル(1.4
72)、ポリアクリル酸エチル(1.4685)、ポリ
アクリル酸ブチル(1.466)、ポリメタリル酸メチ
ル(1.490)等)よりもかなり低い。また、メタノ
ールの溶解性パラメーター(δ:(MPa)1/2 )は2
9.7であり、(メタ)アクリル系ポリマーの溶解性パ
ラメーター(例えば、ポリアクリル酸メチル(19.
8)、ポリアクリル酸エチル(19.2)、ポリアクリ
ル酸ブチル(18.0)、ポリアクリル酸イソブチル
(18.4)、ポリメタクリル酸メチル(18.6)、
ポリメタクリル酸エチル(18.3)、ポリメタクリル
酸ブチル(17.8)、ポリメタリル酸イソブチル(1
6.8)等)よりかなり高く、これはメタノールは(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを溶解しに
くいことを表している。つまり、(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル系ポリマーはメタノールに浸漬しても少
し膨潤するだけである。ポリマーが海島構造をとってい
る場合、メタノール中に浸漬すると海島構造の海部分の
メタノールに対する膨潤率と島部分のそれとが異なるた
め海部分と島の部分に僅かに存在するメタノール量が変
化し、海と島の屈折率の差が大きくなって白濁が増す、
つまりヘイズ値が上昇すると考えられる。尚、メタノー
ル以外の溶剤としてはメタノール以外のアルコール(イ
ソプロパノール等)、脂肪族炭化水素(nーヘキサン
等)、脂環族炭化水素(シクロヘキサン等)が挙げられ
る。メタノール以外の溶剤を用いた場合のヘイズ値
(%)の測定は、メタノールを用いた時と同様に行なう
ことができ、イソプロパノールの場合はヘイズ値(%)
が3以上、シクロヘキサンの場合はヘイズ値(%)が1
以上元のヘイズ値(%)より上昇することによっても海
島構造を確認できる。
【0040】次に、本発明のブロックコポリマー及び当
該ブロックコポリマーを含む粘着剤用樹脂組成物につい
て、その重合方法に従って説明する。
【0041】まず、本発明の粘着剤用樹脂組成物の一実
施態様である、末端に一般式
【0042】
【化7】 (式中、XはC3 〜C10のアルキレン基、R1 およびR
2 は夫々同一又は異なるC1 〜C5 のアルキル基を表
す。)で示されるペルオキシエステル基が結合している
ポリマーブロックBに、該ポリマーブロックBと相溶性
がない(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマー
ブロックAを構成するモノマーを添加して重合させるこ
とにより得られる粘着剤用樹脂組成物について、図1に
基づいて説明する。尚、図1は、Xが炭素数4のアルキ
レン基の場合を示している。
【0043】原材料となるペルオキシエステル基が結合
しているポリマーブロックB(以下、「ペルオキシエス
テル−ポリマーB」という)は、図1中、一般式(5)
で示されていて、一般式(1)で示される有機過酸化物
を重合開始剤として、ポリマーブロックBを構成するモ
ノマーを重合させること(1段目重合)により得られ
る。尚、一般式(1)中、R1 ,R2 は、夫々同一又は
異なるC1 〜C5 のアルキル基を示す。
【0044】尚、一般式(5)では、ポリマーブロック
Bの片側にだけペルオキシエステル基が結合しているだ
けであるが、1段目重合がカップリングにより停止する
場合には、ポリマーブロックBの両側にペルオキシエス
テル基が結合しているポリマーが生成され得る。
【0045】ここで、一般式(1)で示される有機過酸
化物としては、具体的には、1,1−ジ−t−ブチルペ
ルオキシ−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t
−アミルペルオキシ−2−メチルシクロヘキサン、1,
1−ジ−t−ヘキシルペルオキシ−2−メチルシクロヘ
キサン、1,1−ジ−t−オクチルペルオキシ−2−メ
チルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルペルオキ
シ−2−メチルシクロペンタン、1,1−ジ−t−ブチ
ルペルオキシ−2−プロピルシクロヘキサン、1,1−
ジ−t−ブチルペルオキシ−2−イソプロピルシクロヘ
キサン、1,1−ジ−t−アミルペルオキシ−2−イソ
プロピルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ヘキシルペ
ルオキシ−2−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−
ジ−t−オクチルペルオキシ−2−イソプロピルシクロ
ヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−2−プ
ロピルシクロペンタン等が挙げられる。
【0046】このような有機過酸化物は開裂して、ペル
オキシエステルラジカル(3)とアルコキシラジカル
(2)を生じ、ペルオキシエステルラジカル(3)がポ
リマーブロックB構成モノマーと反応し、続いて重合反
応することによりペルオキシエステル−ポリマーB(一
般式(5))を生成する。このとき、アルコキシラジカ
ル(2)も、開始剤となって同様にポリマーブロックB
構成モノマーが重合反応するので、末端にアルコキシ基
が結合したポリマーブロックB(図1中、一般式(4)
で示す)が生成される。
【0047】上記有機過酸化物(1)の添加量は、重合
しようとするモノマーの種類により異なるが、通常モノ
マー仕込み量の0.002重量%以上、好ましくは0.
01重量%以上で、2重量%以下、好ましくは1重量%
以下である。0.002重量%未満では、末端にペルオ
キシエステル結合を有するポリマーが少なくなり、また
2重量%を超えると、得られるポリマーの分子量が低く
なるために、粘着剤として使用するには凝集力不足とな
るからである。
【0048】重合方法としては、溶液重合法、バルク重
合法、乳化重合法など従来公知のラジカル重合方法を採
用できるが、そのなかでも、工業的には溶液重合法が好
ましく用いられる。溶液重合法は、重合時の重合熱の除
去が容易であり、作業性が良いからである。
【0049】溶液重合で用いられる溶媒としては、具体
的には、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の脂肪族エステル類;
シクロヘキサン等の脂環族炭化水素類;ヘキサン、ペン
タン等の脂肪族炭化水素類等が挙げられるが、上記重合
反応を阻害するものでなければ、特に限定されるもので
はない。これらの溶媒は、単独又は2種類以上を適宜混
合して用いてもよい。なお、溶媒の使用量は限定されな
い。
【0050】反応温度、反応時間、反応圧力等の重合条
件は、使用するモノマーの種類、重合方法、合成しよう
とするポリマーに望まれる物性、粘着剤用樹脂組成物の
用途等に応じて適宜設定すればよい。尚、重合反応は、
窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気下で行うことが望まし
い。
【0051】次に、ポリマーブロックA構成モノマーを
添加して重合させる(2段目重合)。ポリマーブロック
A構成モノマーを添加して行なう重合は、ペルオキシエ
ステル−ポリマーB(5)が開裂して生じたラジカル
(6)(7)が開始剤となって開始される。
【0052】ここで、ペルオキシエステル−ポリマーB
の開裂は、開始剤として用いた有機過酸化物を開裂させ
た温度よりも10℃程度昇温することにより行なわせる
ことができる。
【0053】ポリマーブロックA構成モノマー存在下
で、ペルオキシエステル−ポリマーBの上記開裂が生じ
るような条件にすると、2種類のラジカル(6)(7)
が開始剤となって夫々重合反応が進行した結果、一般式
(8)に示すようにエステル結合を連結部としてポリマ
ーブロックBとポリマーブロックAとが連結したブロッ
クコポリマー(以下、「ポリB−エステル−ポリAブロ
ックコポリマー」と略記する)、及び一般式(9)に示
すように末端にアルコキシ基が結合しているポリマーブ
ロックAが生成される。尚、1段目重合において、ポリ
マーブロックBの両側にペルオキシエステル基が結合し
ているポリマーが生成されていた場合には、一般式
(8)に示すようなポリB−エステル−ポリAブロック
コポリマーの他に、ポリA−エステル−ポリB−エステ
ル−ポリAブロックコポリマーが生成され得る。
【0054】従って、本発明のブロックコポリマーの1
実施態様はポリB−エステル−ポリAブロックコポリマ
ー(ポリA−エステル−ポリB−エステル−ポリAブロ
ックコポリマーを含む)であり、本発明の1実施形態の
粘着剤用樹脂組成物には、ポリB−エステル−ポリAブ
ロックコポリマー、及び末端にアルコキシ基が結合して
いるポリマーブロックB、及び末端にアルコキシ基が結
合しているポリマーブロックA、その他溶剤、オリゴマ
ーが含まれている。
【0055】次に、他の実施態様として、末端が一般式
【0056】
【化8】 (式中、XはC3 〜C10のアルキレン基、R1 およびR
2 は夫々同一又は異なるC1 〜C5 のアルキル基を表
す。)で示されるペルオキシエステル基が結合している
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーブロッ
クA(以下、「ペルオキシエステル−ポリマーA」と略
記する)に、ポリマーブロックB構成モノマーを添加し
て重合させることにより得られるブロックコポリマー及
びその重合方法、並びに当該ブロックコポリマーを含有
する粘着剤用樹脂組物について、図2に基づいて説明す
る。尚、図2は、Xが炭素数4のアルキレン基の場合を
示している。
【0057】このブロックコポリマーは、1段目重合で
重合するペルオキシエステルポリマーをペルオキシエス
テル−ポリマーAとし、2段目重合で添加するモノマー
をポリマーブロックB構成モノマーに代えた以外は、上
記実施態様のブロックコポリマーと同様にして重合され
る。すなわち、原材料となるペルオキシエステル−ポリ
マーA(図2中、一般式(11)で示す)は、一般式
(1)で示される有機化酸化物を重合開始剤としてポリ
マーA構成モノマーを重合させることにより得られる。
このとき、末端にアルコキシ基が結合しているポリマー
ブロックA(10)も生成される。続いてポリマーブロ
ックB構成モノマーを添加するとともにペルオキシエス
テル−ポリマーAが開裂するような条件にすると、ラジ
カル(12)(13)が生じて重合を開始する。重合の
結果、一般式(14)で示される、エステル結合を連結
部としてポリマーブロックBとポリマーブロックAとが
連結したブロックコポリマー(以下、「ポリA−エステ
ル−ポリBブロックコポリマー」と略記する)、及び末
端にアルコキシ基が結合しているポリマーブロックB
(一般式(15))が得られる。
【0058】従って、本発明のブロックコポリマーの他
の実施態様はポリA−エステル−ポリBブロックコポリ
マーであり、本発明の他の実施形態の粘着剤用樹脂組成
物には、ポリA−エステル−ポリBブロックコポリマ
ー、及び末端にアルコキシ基が結合しているポリマーブ
ロックB、及び末端にアルコキシ基が結合しているポリ
マーブロックA、その他溶剤、オリゴマーが含まれてい
る。
【0059】本発明のポリB−エステル−ポリAブロッ
クコポリマー又はポリA−エステル−ポリBブロックコ
ポリマー、さらに当該ブロックコポリマーを含有する粘
着剤用樹脂組成物、具体的には上記本発明の重合方法に
より得られたポリマーを含有する粘着剤組成物は、ポリ
マーブロックAとポリマーブロックBとが相溶性がない
ことに起因して、初期のヘイズ値(%)に比べて室温中
でメタノール中に1時間浸漬させたときのヘイズ値
(%)が元のヘイズ値(%)より3以上大きいこと、及
び透過型電子顕微鏡観察したときに海島構造を確認する
ことができる。このようなブロックコポリマーは、凝集
力を付与するポリマーブロックBと粘着力を付与するア
クリル酸アルキルエステル系ポリマーブロックAとが連
結されているので、ミクロドメイン構造により、粘着力
と凝集力という相反する特性を同時に向上することがで
きる。
【0060】海島構造において、島(ポリマーブロック
Bのドメイン)は小さい程好ましく、具体的には1μm
以下であることが好ましく、0.5μm以下であること
がより好ましい。島部分が小さい程、粘着力及び凝集力
がバランスよく発揮されるからである。
【0061】本発明の粘着剤用樹脂組成物(すなわち本
発明のブロックコポリマーだけでなく、ポリマーブロッ
クA単独及びポリマーブロックB単独も含まれる)にお
けるポリマーブロックBの含有率(ブロックコポリマー
中のポリマーブロックB及びポリマーブロックB単独の
総量)は2重量%以上、好ましくは5重量%以上で、4
5重量%以下、好ましくは30重量%以下であることが
好ましい。ポリマーブロックBの含有率が2重量%未満
(ポリマーブロックAの含有割合が98重量%を超える
場合)では、得られる粘着剤の凝集力が不十分となる場
合が多い。一方、ポリマーブロックBの含有率が45重
量%を超えると(ポリマーブロックAの含有割合が55
重量%未満の場合)には、粘着剤としての物性が大きく
低下する場合が多いからである。
【0062】また、本発明の粘着剤用樹脂組成物に含ま
れるポリマー(本発明のブロックコポリマー及びポリマ
ーブロックA単独及びポリマーブロックB単独)の重量
平均分子量は、12×104 以上が好ましく、より好ま
しくは25×104 以上である。
【0063】本発明の粘着剤用樹脂組成物は、必要に応
じて、ポリマーブロックA及び/又はポリマーブロック
B中に含まれ得る架橋点たる官能基、具体的には前記モ
ノマーb群と反応し得る架橋剤を含んでもよい。架橋剤
を用いることにより、粘着剤用樹脂組成物中のポリマー
ブロックの更なる高分子化を図ることができ、また、単
独で存在しているポリマーブロックA、ポリマーブロッ
クBを架橋により結び付けることもできる。その結果、
凝集力をより一層向上させることができる。上記架橋剤
としては、モノマーbが有する反応性官能基と反応し得
る官能基を1分子当たり2個以上有する化合物であれば
よく、例えば、多官能エポキシ化合物、多官能メラミン
化合物、多官能イソシアネート化合物、金属架橋剤、ア
ジリジン化合物等が挙げられる。
【0064】上記多官能エポキシ化合物としては、1分
子当たりエポキシ基を2個以上有する化合物であれば特
に限定されるものではなく、具体的には、エチレングリ
コールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール
ジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグ
リシジルエーテル、ビスフェノールA・エピクロルヒド
リン型エポキシ樹脂、N,N,N' ,N' −テトラグリ
シジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N
−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N
−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイ
ジン等が挙げられる。
【0065】上記多官能メラミン化合物としては、メチ
ロール基、アルコキシメチル基、イミノ基等の官能基を
1分子当たり2個以上有する化合物であればよく、例え
ば、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメ
チルメラミン、ヘキサプロポキシメチルメラミン、ヘキ
サブトキシメチルメラミン、ヘキサペンチルオキシメチ
ルメラミン等が挙げられる。
【0066】上記多官能イソシアネート化合物として
は、1分子当たりイソシアネート基を2個以上有する化
合物であればよく、例えば、トリレンジイソシアネート
(TDI)、4,4' −ジフェニルメタンジイソシアネ
ート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシア
ネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、水素化
ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化トリレンジ
イソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート等のイソシアネート化合
物;スミジュールN(住友バイエルウレタン社製)の如
きビュレットポリイソシアネート化合物;デスモジュー
ルIL、HL(バイエルA.G.社製)、コロネートE
H(日本ポリウレタン工業(株)製)の如きイソシアヌ
レート環を有するポリイソシアネート化合物;スミジュ
ールL(住友バイエルウレタン(株)社製)の如きアダ
クトポリイソシアネート化合物、コロネートL(日本ポ
リウレタン社製)の如きアダクトポリイソシアネート化
合物等を挙げることができる。これらは、単独で使用し
得るほか、2種以上を併用することもできる。また、こ
れら多価イソシアネート化合物のイソシアネート基が活
性水素を有するマスク剤と反応して不活性化したブロッ
クイソシアネートを使用することもできる。
【0067】上記金属架橋剤としては、特に限定される
ものではないが、例えば、アルミニウム、亜鉛、カドミ
ウム、ニッケル、コバルト、銅、カルシウム、バリウ
ム、チタン、マンガン、鉄、鉛、ジルコニウム、クロ
ム、錫等の金属に、アセチルアセトン、アセト酢酸メチ
ル、アセト酢酸エチル、乳酸エチル、サリチル酸メチル
等が配位した金属キレート化合物等が挙げられる。
【0068】上記アジリジン化合物としては、N,N'
−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカル
ボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−
アジリジニルプロピオネート、ビスイソフタロイル−1
−(2−メチルアジリジン)、トリ−1−アジリジニル
ホスフォンオキサイド、N,N' −ジフェニルエタン−
4,4' −ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)等
が挙げられる。
【0069】上記架橋剤が含まれる場合、その含有量
は、組成物に含まれるポリマー(ブロックコポリマー及
びポリマーブロックA単独及びポリマーブロックB単
独)100重量部に対して0.1〜10重量部が好まし
く、さらに0.5〜5重量部が好ましい。架橋剤の使用
量が0.1重量部未満では十分な架橋密度が得られず凝
集力が不足する傾向にあり、一方、10重量部を越える
と架橋密度が高くなり過ぎて粘着力が低下する傾向にあ
るからである。
【0070】本発明の粘着剤用樹脂組成物には、さら
に、粘着付与剤を含有してもよい。粘着付与剤として
は、(重合)ロジン系、(重合)ロジンエステル系、テ
ルペン系、テルペンフェノール系、クマロン系、クマロ
ンインデン系、スチレン樹脂系、キシレン樹脂系、フェ
ノール樹脂系、石油樹脂系等が挙げられる。これらは1
種または2種以上組み合わせて使用できる。
【0071】粘着付与剤が配合される場合、その配合量
は限定しないが、組成物に含まれるポリマー(ブロック
コポリマー及びポリマーブロックA単独及びポリマーブ
ロックB単独)100重量部に対して、5重量部〜10
0重量部となる量が好ましく、さらには10重量部〜5
0重量部となる量が好ましい。5重量部未満では粘着付
与剤添加の効果は認められず、一方、100重量部を超
えるとタック性が減少して粘着力が低下するおそれがあ
るからである。
【0072】本発明の粘着剤用樹脂組成物には、さらに
必要に応じて、粘着剤に通常使用される添加剤、具体的
には充填剤、顔料、希釈剤、老化防止剤、紫外線吸収
剤、紫外線安定剤等の従来公知の種々の添加剤を配合す
ることができる。これらの添加剤は、1種類又は2種以
上を適宜添加することができ、その添加量は、所望の物
性に応じて適宜選択すればよい。
【0073】上記のような組成を有する本発明の粘着剤
用樹脂組成物は、従来より公知の粘着剤用樹脂組成物の
用途に適用することができる。例えば、基材表面に粘着
剤用樹脂組成物を塗布して、粘着シート、粘着ラベル、
粘着テープ、両面テープ等の各種粘着製品を製造でき
る。
【0074】粘着ラベル、テープの用途としては、食品
用、粗面に貼付される床面表示用、各種グラフィックア
ート用(ボトル用粘着ラベル、プライスラベル、計量ラ
ベル、銘板用ラベル、バーコード用ラベル、電気配線用
ラベル、コピー紙用ラベル、宅配用粘着ラベル、ビジネ
スフォーム用粘着ラベル、ショーウインドウ用粘着フィ
ルム、看板用粘着フィルム、2輪・4輪用マーク・スト
ライプテープ、マーキングフィルム、標識用粘着シー
ト、印刷物のラミネートフィルム、表面保護用、いたず
ら防止ラベル、クーポンラベル、ウェットティッシュ用
ラベル、ライナーレスラベル、タイヤ用表示ラベル・ス
テッカー(ウィンドー用、車両用、店頭用)等)が挙げ
られる。粘着シートの用途としては、粘着壁紙、ガラス
飛散防止シート、遮光シート等が挙げられる。
【0075】上記粘着製品の基材としては、透明性基
材、それ以外の基材いずれも使用することができる。具
体的には、上質紙、クラフト紙、クレープ紙、グラシン
紙等の従来公知の紙;ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、セロフ
ァン等のプラスチック;EPDM等のゴム;及びこれら
の発泡体;織布、不織布等が利用できる。基材の形状
は、例えば、フィルム状、シート状、テープ状、板状等
の種々の形状を適用できる。
【0076】粘着製品は、これらの基材の種類に応じて
粘着剤用樹脂組成物の種類、すなわちブロックコポリマ
ーの種類を適宜選択することが好ましい。例えば、透明
性基材の場合には、海島構造において島の大きさを小さ
くしたり、島の占有割合を小さくしたり、又はポリマー
ブロックAとポリマーブロックBとの屈折率の差が小さ
い組み合せを選択することにより、透明なブロックコポ
リマーを用いればよい。逆に隠蔽性を必要とする場合に
は、海島構造において島の大きさを大きくしたり、島の
占有割合を大きくしたり、又はポリマーブロックAとポ
リマーブロックBとの屈折率の差が大きい組み合せを選
択することにより、不透明なブロックコポリマーを用い
ればよい。また、軟質ポリ塩化ビニル基材のように、基
材に含まれる可塑剤(フタル酸ジオクチル等のフタル酸
エステル類やアジピン酸ジオクチル等の直鎖二塩基酸エ
ステル類、リン酸エステル類など)が粘着剤層に移行す
ることによる粘着剤の凝集力低下が問題となるような場
合には、ポリマーブロックA又はポリマーブロックB中
にN―ビニルピロリドンを含有するようなブロックコポ
リマーを用いればよい。N―ビニルピロリドンは、可塑
剤による粘着力の低下を防止する働きがあるからであ
る。
【0077】粘着剤用樹脂組成物を基材に塗布する塗布
方法、即ち、粘着製品の製造方法は公知の種々の方法を
採用することができる。例えば、粘着剤用樹脂組成物を
基材に直接塗布する方法;離型紙に粘着剤用樹脂組成物
を塗布した後、この塗布物を基材に転写する方法等が挙
げられる。粘着剤用樹脂組成物を基材に塗布する際に用
いる塗布機器は、粘着剤用樹脂組成物の組成に応じて適
宜選択される。粘着剤用樹脂組成物を基材の片面または
両面に塗布した後、乾燥させることにより、基材と粘着
剤用樹脂組成物とが一体化し、基材表面に粘着剤層(以
下、「粘着剤面」と記す)が形成される。乾燥温度は、
粘着剤用樹脂組成物の組成に応じて適宜選択される。粘
着剤用樹脂組成物に架橋剤が含まれている場合には、一
般に、乾燥時に、粘着剤用樹脂組成物を構成するポリマ
ーに含まれている官能基と架橋剤の官能基とが反応して
架橋構造が形成される。
【0078】基材表面に形成された粘着剤面には、例え
ば、公知の離型剤を塗布してなる剥離シート(離型紙)
を貼着することができる。これにより、この粘着剤面を
好適に保護、保存することができる。尚、シート状やテ
ープ状等の基材の片面に粘着剤面が形成されている場合
は、この基材の背面(つまり、粘着剤面の裏面)に、公
知の離型剤を塗布して離型剤層(以下、「離型剤面」と
記す)を形成してもよい。この場合には、粘着剤面を内
側にして基材をロール状に巻くことにより、粘着剤面に
離型剤面が当接して粘着剤面を保護した状態で保存でき
る。
【0079】尚、用途によっては、粘着剤用樹脂組成物
を被着体に直接塗布してもよい。また、離型紙に粘着剤
用樹脂組成物を塗布した後、この塗布物を離型紙から剥
離することにより、粘着剤用樹脂組成物自体がフィルム
状やシート状、テープ状、板状に形成されてなる粘着製
品を製造することできる。
【0080】
【実施例】以下に、本発明の具体的な実施例を比較例と
併せて説明するが、本発明は、下記実施例に限定されな
い。また、特に断りの無い限り、下記実施例および比較
例中、「部」は「重量部」を表す。 [試験片の作成方法] (1)PETフィルム試験片 基材としてポリエチレンテレフタレート(東レ株式会社
製、厚さ50μm;以下「PETフィルム」と略記す
る)を用いた粘着剤用樹脂組成物の試験片である。
【0081】まず、PETフィルムの片面に粘着剤用樹
脂組成物を、乾燥後の厚さが25μmとなるように塗布
した後、粘着剤用樹脂組成物を100℃で5分間乾燥さ
せることにより、粘着剤面を形成した。次いで、この粘
着剤面に離型紙(化研工業株式会社製のK−80HS
(商品名)、以下「K−80HS」と略記する)を貼着
して保護した後、粘着剤―離型紙付PETフィルムを温
度23℃、相対湿度65%の雰囲気下で7日間養生し
て、粘着フィルム(粘着製品)を得た。そして、この粘
着フィルムを所定の大きさに切断することにより、PE
Tフィルム試験片を作製した。尚、離型紙は、各種測定
を実施する際に粘着面から引き剥がした。
【0082】(2)PVCフィルム試験片 基材として軟質ポリ塩化ビニルフィルム(三菱化成ビニ
ル株式会社製の#380で厚みが0.1mm;以下「P
VCフィルム」と略記する)を用いた粘着剤用樹脂組成
物の試験片である。
【0083】まず、離型紙K−80HS上に粘着剤用樹
脂組成物を、乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布
した。乾燥により形成された粘着剤面に、PVCフィル
ムを転写した。その後、PETフィルムと同様の条件
(温度23℃、相対湿度65%の雰囲気下で7日間)で
養生して、PVCフィルム試験片を作製した。[粘着剤
用樹脂組成物及びポリマーの特性の測定方法] (1)ヘイズ値 JIS K7105に準じて日本電色工業株式会社製の
濁度計(モデルNDH―300A)を用いて初期値及び
メタノール処理後のヘイズ値(%)を測定した。
【0084】初期のヘイズ値は、基材のみのヘイズ値を
測定して、これを対照即ち0点補正し、次にこの基材に
測定しようとする粘着剤用樹脂組成物を塗布したものを
そのまま測定し、これを初期のヘイズ値とした。メタノ
ール処理後のヘイズ値は、石英ガラスセルに入れたメタ
ノール中に基材だけに測定光線が当たるセルの透明な面
に平行に浸漬させてから同様に測定した。 (2)粘度 B型粘度計を用いて、25℃で測定した。回転数は毎分
12回転とした。 (3)重量平均分子量、数平均分子量 いずれもゲルパーミュエーションクロマトグラフ(以下
「GPC」と略記する)で測定し、標準ポリスチレン換
算により求めた。 [評価方法]粘着剤用樹脂組成物の粘着特性に関する評
価試験は、JIS Z 0237に準じ、以下に示す方
法に従って行った。 (1)粘着力 初期粘着力及び加熱処理後の粘着力により評価した。
尚、初期粘着力については、PETフィルム試験片及び
PVCフィルム試験について測定し、加熱処理後の粘着
力についてはPVCフィルム試験片についてのみ測定し
た。
【0085】(i)初期粘着力 温度23℃、相対湿度65%の雰囲気下で行なった。被
着体であるステンレス鋼板(SUS304:以下「SU
S板」と略記する)上に、幅25mmのテープ状の試験
片を載せ、この試験片上を、重さ2kgのゴムローラー
で3往復させることによって貼着した。貼着してから2
5分後に、試験片の一端を180°方向に速度300m
m/分で剥離させた時の強度を測定し、これを粘着力
(N/m)とした。
【0086】(ii)加熱処理後の粘着力 PVCフィルム試験片を、80℃で3日間加熱処理した
後、23℃、相対湿度65%の雰囲気下で、1時間放置
した。次に、被着体であるSUS板に、幅25mのテー
プ状の試験片を乗せ、この試験片上を重さ2kgのゴム
ローラで3往復することによって貼着した。貼着してか
ら25分後に、試験片の一端を180°方向に速度30
0m/分で剥離させた時の強度を測定し、これを加熱処
理後の粘着力とした。 (2)保持力 PETフィルム試験片について測定した。
【0087】温度23℃、相対湿度65%の雰囲気下
で、被着体であるSUS板に貼り付け面積が25mm×
25mmとなるように粘着フィルムを貼り付けた後、2
5分後に80℃に昇温して放置した。放置20分後に1
kgの荷重をかけて粘着フィルムが落下するまでの時間
(時間)又は24時間後の粘着フィルムのズレ(mm)
を測定した。落下しない場合は測定値が小さい程(ズレ
幅が小さい程)、落下した場合は測定値(時間)が大き
い程、保持力が優れていることを示す。 (3)ボールタック PETフィルム試験片について測定した。
【0088】温度23℃、相対湿度65%の雰囲気下
で、傾斜式ボールタック装置を用いて測定した。助走路
及び粘着面測定部は夫々100m mとし、傾斜角は30
°とした。測定値が小さい程(ボールが小さい程)、タ
ック性が劣っていることを示す。 (4)粘着剤用樹脂組成物の貯蔵安定性 粘着剤用樹脂組成物の入ったサンプル瓶を40℃雰囲気
下で1週間放置する間の溶液としての安定性を目視によ
り観察した。その結果、溶液状態に変化が認められない
場合を「○」、一部分離が認められた場合を「△」、溶
液が2層に分離していた場合を「×」の3段階で評価し
た。 (5)打抜き加工性 温度23℃、相対湿度65%の雰囲気下で、作製した試
験片を1辺が25mmの正方形に切断し、10枚重ね合
せ、一辺が50mmのガラス板の中央に貼り付け、上か
らもう1枚のガラス板を乗せた。次に、このガラス板に
5kgの荷重をかけて1日放置した。荷重を取り除い
て、顕微鏡で粘着層の状態を観察した。その結果、粘着
剤層のはみ出しがない場合を「○」、粘着剤層が少しは
み出している場合を「△」、粘着剤層のはみ出しが大き
い場合を「×」の3段階で評価した。 [粘着剤用樹脂組成物の製造及び評価] 実施例1:1段目重合でポリマーブロックAを重合した
後、2段目重合でポリマーブロックBを重合することに
よって、本発明にかかるブロックコポリマーを含有する
粘着剤用樹脂組成物を製造した。
【0089】温度計、撹拌機、不活性ガス導入管、還流
冷却器及び滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、ポリ
マーブロック構成モノマーとしてアクリル酸ブチル(B
A)395.2部、アクリル酸(AA)4部、及びメタ
クリル酸2―ヒドロキシエチル(HEMA)0.8部
と、溶剤として酢酸ブチル220部を仕込んだ。1段目
の重合は、重合開始剤として1、1―ジーt―ブチルペ
ルオキシー2―メチルシクロヘキサン(日本油脂株式会
社製の有機過酸化物でパーヘキサMC(商品名)として
市販、以下「パーヘキサMC」と略記する)0.04部
を加えて開始し、窒素気流下に撹拌しながら95±2℃
に保って行なった。1段目の重合開始から8時間後に、
ポリマーブロックB構成モノマーとしてメタクリル酸メ
チル(メタクリル酸メチル)95部及びアクリル酸5部
と、溶剤として酢酸ブチル80部を加えた。2段目の重
合は115±2℃で8時間行なった。2段目の重合終了
時に酢酸エチル880部加えて希釈した。希釈後の溶液
は、固形分27.5重量%、粘度4960mPa・s、
重量平均分子量63.2×104 であった。ここで、測
定した重量平均分子量は、粘着剤用樹脂組成物の溶剤の
みを除いた分についての平均分子量であるから、ブロッ
クコポリマーの他、ポリマーブロックA、ポリマーブロ
ックB単独を含んだ値である。
【0090】その後、上記アクリル系重合体溶液100
部(固形分27.5重量%)に対して、架橋剤としてコ
ロネートL55E(日本ポリウレタン社製のポリイソシ
アネート化合物:固形分55重量%、以下同様である)
を0.5部混合して実施例1の粘着剤用樹脂組成物を製
造した。
【0091】得られた粘着剤用樹脂組成物の貯蔵安定性
を測定し、さらにこの粘着剤用樹脂組成物を用いて作成
した試験片について、ヘイズ値(初期及びメタノール処
理後)、粘着力、保持力、ボールタック、打抜き加工性
を測定した。結果を表1に示す。ポリマーブロックA及
びポリマーブロックBの夫々について、各モノマー組成
から計算されるガラス転移温度(℃)、及び屈折率の値
も併せて表1に示す。
【0092】比較例1:実施例1のポリマーブロックA
だけを重合させたもので、粘着剤用樹脂組成物に含まれ
るポリマーは、ポリマーブロックA単独に相当する。
【0093】すなわち、実施例1で用いたフラスコに、
アクリル酸ブチル494部、アクリル酸5部、及びメタ
クリル酸2−ヒドロキシエチル1.0部からなる重合性
不飽和単量体500部のうち250部と、溶剤として酢
酸ブチル150部とを仕込んだ。重合開始剤としてパー
ヘキサMCを0.05部加えて重合を開始し、窒素気流
下に撹拌しながら115±2℃に保って重合した。重合
開始から10分後に、残りの重合性不飽和単量体250
部と溶剤(酢酸ブチル)150部とを1時間かけて滴下
し、さらに8時間反応させ、重合終了時に酢酸エチル8
80部を加えて希釈した。その結果、固形分28.9重
量%、粘度3290mPa・s、重量平均分子量68.
8×104 のアクリル系共重合体溶液を得た。このアク
リル系重合体溶液100重量部(固形分28.9重量
%)に対して、架橋剤としてコロネートL55Eを0.
7部混合して比較例1の粘着剤用樹脂組成物を作製し
た。
【0094】得られた粘着剤用樹脂組成物の貯蔵安定性
を測定し、さらにこの粘着剤用樹脂組成物を用いて作成
した試験片について、ヘイズ値(初期及びメタノール処
理後)、粘着力、保持力、ボールタック、打抜き加工性
を測定した。結果を表1に示す。ポリマーブロックAの
モノマー組成から計算されるガラス転移温度(℃)、及
び屈折率の値も併せて表1に示す。
【0095】比較例2:実施例1のポリマーブロックA
の構成モノマーとポリマーブロックBの構成モノマーと
を、1段階で均一に重合したものである。ポリマーを構
成するモノマーの組成は、アクリル酸ブチル395.2
部、アクリル酸9部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル0.8部、及びメタクリル酸メチル95部及びアクリ
ル酸5部からなる重合性不飽和単量体500部である。
【0096】重合条件、操作方法は、比較例1と同様に
して行なった。得られた溶液の固形分、粘度、重量平均
分子量は、表1に示す通りであった。この溶液100重
量部(固形分28.5重量%)に対して、架橋剤として
コロネートL55Eを0.5部混合して比較例2の粘着
剤用樹脂組成物を作製した。
【0097】得られた粘着剤用樹脂組成物の貯蔵安定性
を測定し、さらにこの粘着剤用樹脂組成物を用いて作成
した試験片について、ヘイズ値(初期及びメタノール処
理後)、粘着力、保持力、ボールタック、打抜き加工性
を測定した。結果を表1に示す。モノマー組成から計算
されるポリマーのガラス転移温度(℃)、及び屈折率の
値も併せて表1に示す。
【0098】比較例3:実施例1のポリマーブロックA
とポリマーブロックBとを混合したものに相当する。
【0099】すなわち、実施例1で用いたフラスコに、
メタクリル酸メチル118.75部、アクリル酸6.2
5部からなる重合性不飽和単量体125部を用いて、比
較例1と同様の条件及び操作により、ポリマーブロック
B単独の溶液を合成した。この溶液は固形分27.3重
量%、粘度8990mPa・s、重量平均分子量39.
8×104 であった。このポリマーB単独溶液と、比較
例1で合成した溶液(ポリマーA単独溶液)500部と
をブレンドし(ポリマーB/ポリマーAの固形分比が2
0/80)、比較例3のポリマー溶液とした。このポリ
マー溶液100部(固形分28.6重量%)に対して、
架橋剤としてコロネートL55Eを0.6部添加して比
較例3の粘着剤用樹脂組成物とした。
【0100】得られた粘着剤用樹脂組成物の貯蔵安定性
を測定し、さらにこの粘着剤用樹脂組成物を用いて作成
した試験片について、ヘイズ値(初期及びメタノール処
理後)、粘着力、保持力、ボールタック、打抜き加工性
を測定した。結果を表1に示す。モノマー組成から計算
されるポリマーのガラス転移温度(℃)、及び屈折率の
値も併せて表1に示す。
【0101】
【表1】 表1からわかるように、比較例1ではハードドメインを
形成するポリマーブロックBが存在しないために凝集力
が不足し、その結果保持力が劣っていた。また初期粘着
力を有していても加熱後の粘着力の低下が大きく、さら
に打抜き加工性も悪かった。
【0102】また、比較例2では、粘着力を発揮できる
ポリマーブロックAと比べてガラス転移点が高くなって
いるため、粘着力が低下していた。
【0103】比較例3では、相溶性のないポリマーのブ
レンドであるため、ポリマー溶液の安定性が劣ってい
た。また、ブロックコポリマーと比べて、保持力、加熱
後の粘着力も低く、打抜き加工性も劣っていた。
【0104】実施例2〜4;ポリマーブロックA及びポ
リマーブロックB組成が実施例1と同じで、ポリマーブ
ロックAとポリマーブロックBとの含有量比率を表2に
示すように変更した粘着剤用樹脂組成物を製造した。
尚、溶剤の量は仕込むモノマー総量に応じて変更し、架
橋剤の量も架橋点付与モノマー(メタクリル酸2−ヒド
ロキシエチル)量の応じて変更した以外は、実施例1と
同様の条件及び操作により行なった。
【0105】得られた粘着剤用樹脂組成物の貯蔵安定性
を測定し、さらにこの粘着剤用樹脂組成物を用いて作成
した試験片について、ヘイズ値(初期及びメタノール処
理後)、粘着力、保持力、ボールタック、打抜き加工性
を測定した。結果を表2に示す。モノマー組成から計算
されるポリマーのガラス転移温度(℃)、及び屈折率の
値、並びに実施例1のこれらの結果も併せて表2に示
す。
【0106】
【表2】 表2から、粘着力については、ポリマーブロックBの含
有比率が大きい程、換言すると粘着力を発揮するポリマ
ーブロックAの含有比率が小さい程、粘着特性(特に初
期粘着力、PVCに対する粘着力)が低下することがわ
かる。一方、ボールタックについては、粘着力を発揮で
きるポリマーブロックAの含有比率が大きい程優れてい
ることがわかる。
【0107】さらに、ポリマーブロックBの含有比率が
大きい程、ヘイズ値が大きくなっており、透明性は低下
することがわかる。
【0108】実施例5、実施例6:実施例5について
は、ポリマーブロックAを構成するモノマー組成におい
て、アクリル酸ブチルの一部をN―ビニルピロリドン
(NVP)に変更した以外は、実施例1と同様にして、
粘着剤用樹脂組成物を製造した。
【0109】実施例6については、実施例1のポリマー
ブロックAを構成するモノマー組成において、アクリル
酸ブチルの一部をアクリル酸に変更し、ポリマーブロッ
クB構成モノマー組成においてメタクリル酸メチルをス
チレン(ST)に変更した。また2段目の重合(ポリマ
ーブロックBの重合)における溶剤(酢酸ブチル)の量
を90部に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着
剤用樹脂組成物を製造した。
【0110】実施例5及び6の粘着剤用樹脂組成物の貯
蔵安定性を測定し、さらにこの粘着剤用樹脂組成物を用
いて作成した試験片について、ヘイズ値(初期及びメタ
ノール処理後)、粘着力、保持力、ボールタック、打抜
き加工性を測定した。結果を表3に示す。モノマー組成
から計算されるポリマーのガラス転移温度(℃)、及び
屈折率の値、並びに実施例1のこれらの結果も併せて表
3に示す。
【0111】
【表3】 実施例5と実施例1との比較から、ポリマーブロックA
にN―ビニルピロリドンが含まれることによりポリマー
ブロックAの屈折率が大きくなり、その結果ポリマーブ
ロックAとポリマーブロックBとの屈折率の差が小さく
なる。すなわち、粘着剤用樹脂組成物としての透明度が
上がることがわかる。一方、N―ビニルピロリドンを含
むことにより粘着力を発揮するポリマーブロックAのガ
ラス転移温度が高くなるために、粘着特性(粘着力、保
持力、ボールタック)が全体的に低下することがわか
る。但し、PVCフィルム基材に対しては、初期粘着力
が低くても加熱後の粘着力はそれ程低下せず、長期的に
見ればPVCフィルム基材に対しては粘着特性が良好で
あると言える。
【0112】実施例6と実施例1との比較から、ポリマ
ーブロックBにおいてメタクリル酸メチルに代えてスチ
レンを含有することにより屈折率が大きくなるため、結
果として、ポリマーブロックAとポリマーブロックBと
の屈折率の差が大きくなった。つまり、実施例6の粘着
剤組成物の透明性は低下したことになるが、換言すると
隠蔽性が向上したと言える。また、実施例6の粘着剤用
樹脂組成物は、ポリマーブロックBがポリスチレン系で
あることに起因して、PVCフィルム基材に対しては粘
着力低下の度合いが若干大きくなった。
【0113】実施例7〜9;実施例1におけるポリマー
ブロックAのモノマー組成を表4に示すように変更した
こと、及び架橋剤の含有量を0.6部に変更した以外
は、実施例1と同様にして粘着剤用樹脂組成物を製造し
た。
【0114】実施例7〜9の粘着剤用樹脂組成物の貯蔵
安定性を測定し、さらにこの粘着剤用樹脂組成物を用い
て作成した試験片について、ヘイズ値(初期及びメタノ
ール処理後)、粘着力、保持力、ボールタック、打抜き
加工性を測定した。結果を表4に示す。モノマー組成か
ら計算されるポリマーのガラス転移温度(℃)、及び屈
折率の値、並びに実施例1のこれらの結果も併せて表4
に示す。
【0115】
【表4】 実施例7、実施例9は、ポリマーブロックAとポリマー
ブロックBとのガラス転移温度差が小さくなるため、打
抜き加工性が低下することがわかる。
【0116】一方、実施例1及び実施例8とから、ポリ
マーブロックAとポリマーブロックBとのガラス転移温
度の差が60℃以上では、粘着特性、打ち抜き加工性が
それほど変わらないことがわかる。
【0117】実施例10;実施例1と重合の順序を変え
て製造したものである。すなわち、1段目の重合でポリ
マーブロックBを重合し、2段目の重合でポリマーブロ
ックAを重合した。
【0118】具体的には、実施例1で用いたものと同じ
フラスコに、ポリマーブロックB構成モノマーとして、
メタクリル酸メチル95部及びアクリル酸5部と、溶剤
として酢酸ブチル80部を仕込んだ後、重合開始剤とし
てパーヘキサMCを0.04部加えて重合を開始し、窒
素気流下に撹拌しながら95±2℃に保って重合させ
た。重合開始から8時間後に、ポリマーブロックAの構
成モノマーとして、アクリル酸ブチル395.2部、ア
クリル酸4部及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチル
0.8部と、溶剤として酢酸ブチル220部を加えてか
ら昇温し、115±2℃で8時間反応させた。重合終了
時に酢酸エチル880部を加えてポリマー溶液を希釈し
た。希釈後のポリマー溶液は、固形分27.9重量%、
粘度4440mPa・s、重量平均分子量5.12×1
4 であった。このポリマー溶液100重量部(固形分
27.9重量%)に対して、架橋剤としてコロネートL
55Eを0.5部混合して実施例10の粘着剤用樹脂組
成物を製造した。
【0119】実施例11:重合開始剤を1、1―ビス
(t―ヘキシルペルオキシ)2―メチルシクロヘキサン
(日本油脂株式会社製の有機過酸化物でパーヘキサHM
C(商品名)として市販、以下「パーヘキサHMC」と
略記する)を用い、また2段階目(ポリマーブロックB
の重合)の重合温度を110±2℃に変更した以外は実
施例1と同様にして、実施例11の粘着剤用樹脂組成物
を作製した。尚、ここで用いた開始剤(パーヘキサHM
C)は、実施例1で用いた開始剤(パーヘキサMC)よ
りも分解温度がやや低いものである。
【0120】実施例10及び実施例11の粘着剤用樹脂
組成物の貯蔵安定性を測定し、さらにこの粘着剤用樹脂
組成物を用いて作成した試験片について、ヘイズ値(初
期及びメタノール処理後)、粘着力、保持力、ボールタ
ック、打抜き加工性を測定した。結果を表5に示す。モ
ノマー組成から計算されるポリマーのガラス転移温度
(℃)、及び屈折率の値、並びに実施例1のこれらの結
果も併せて表5に示す。
【0121】
【表5】 実施例1と実施例10との比較から、重合の順序を逆に
することによって得られる粘着剤用樹脂組成物は粘度が
低くなっていた。ポリマーブロックAを重合するときの
モノマー濃度が実施例1のそれと比較して低いので、分
子量が低下したためと考えられる。また、粘着特性につ
いても若干相違していた。
【0122】実施例1と実施例11との比較から、開始
剤の種類を変えても粘着特性はそれ程変わらないことが
わかる。一方、実施例10のヘイズ値は実施例1よりも
小さくなり、透明性が向上したことがわかる。 [重合方法と得られるポリマーの同定] 実施例12:実施例12は、請求項3に記載の方法に従
って、1段目の重合で末端にペルオキシエステル基が結
合しているポリスチレンを得た後、これにアクリル酸メ
チルを重合して目的とするブロックコポリマーを得よう
とするもので、その重合反応のプロセスの概要は、図3
に示す通りである。尚、図3中、m,m′,n,n′
は、正の整数を示す。
【0123】〈1段目重合(ペルオキシエステル基含有
ポリスチレンの製造)〉温度計、撹拌機、不活性ガス導
入管、還流冷却器および滴下ロートを備えた4つ口フラ
スコにスチレン100部、及び溶剤として酢酸ブチル1
00部を仕込んだ。窒素気流下に撹拌し、100±2℃
に保って重合開始剤としてパーヘキサMC(図3中
(1)′)15部を加えて重合を開始させた。反応開始
から2時間後に冷却した。冷却後、ポリマー溶液をメタ
ノール中で再沈殿させることにより、ポリマーの精製を
2回行った後、真空乾燥機で乾燥した。
【0124】得られたポリマー(図3中のポリマー
(5)′(ペルオキシエステル基含有ポリスチレン)と
ポリマー(4)′の混合物に該当)の重量平均分子量が
7.8×103 、数平均分子量は4.6×103 であっ
た。このポリマーの赤外線吸収スペクトル(FT−IR
スペクトル)を図4に示す。図4において、1772.
5cm-1にペルオキシエステル基に起因するピークが見
られる。
【0125】次に、このポリマーの13C−NMR分析を
行った。溶媒は重水素化クロロホルムを用い、ポリマー
濃度を約30重量%とした。得られた13C−NMRスペ
クトルを図5に示す。溶媒のピーク(重水素化クロロホ
ルム中に存在する非重水素化クロロホルムのケミカルシ
フトδ=77.0ppm)を内部標準とした。170.
870ppmにペルオキシエステル基のカルボニル炭素
のピークが見られる。δ=82.91ppmにはt−ブ
チル基の四級炭素のピークが見られる。尚、ケミカルシ
フトの計算値は、Grant とPaulの文献(D. M. Grant an
d E. G. Paul,J. Am. Chem. Soc., 86, 2984(196
4))等を参照すればよい。
【0126】また、得られたポリマーの活性酸素量をヨ
ードメトリー法で滴定したところ、1.31重量%であ
った。これは数平均分子量から算出すると1分子当たり
1.88個のパーオキサイド結合を有していることにな
る。このことは、ポリスチレンラジカルはほとんどカッ
プリングで重合反応が停止する(例えば、"Handbookof
Polymer Synthesis", ed. Hans R. Kricheldorf, p.8
0, MARCEL DEKKER, INC. New York(1992) 参照)ためで
あると考えられる。つまり、同定に用いたポリマーは、
ペルオキシエステル基含有ポリスチレンラジカル
(5)′がカップリングして、両末端にパーオキサイド
結合を有するようになっていると考えられる。
【0127】〈2段目重合(ブロックコポリマーの製
造)〉次に、温度計、撹拌機、不活性ガス導入管、還流
冷却器および滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、1
段目重合で得られたポリマー(ペルオキシエステルポリ
スチレン)10部、アクリル酸メチル10部、および溶
剤として酢酸ブチル50部を仕込んだ。窒素気流下に撹
拌し、フラスコ内を120±2℃に保って4時間反応さ
せた。重合率は99.5%であった。冷却後に、ポリマ
ー溶液をメタノール中で再沈殿させることによるポリマ
ーの精製を2回行った後、真空乾燥機で乾燥させた。
【0128】この段階で得られたポリマーは、ポリマー
の精製前の固形分から計算すると、メタノール不溶物が
73.3%、メタノール可溶物が24.8%であった。
メタノール不溶物は、図3に示すポリマー(4)′,
(8)′の混合と考えられ、その重量平均分子量は1
1.1×103 、数平均分子量は4.9×103 であっ
た。つまり、2段目重合により得られるポリマーは、1
段目重合で得られたポリマーの分子量より増大してお
り、1段目から得られた末端ペルオキシエステル基含有
ポリスチレンから更に重合が進んで、ポリアクリル酸メ
チルブロックを有するブロックコポリマー(8)′が得
られていることがわかる。尚、ポリマー(8)′は、ポ
リアクリル酸メチルブロックが片側にしか結合されてい
ないが、本実施例で得られるポリマーは、ポリスチレン
ブロックの両側に結合したものも含まれ得る。
【0129】メタノール不溶物のFT−IRスペクトル
を、図6に示す。図6では、図4で認められたようなペ
ルオキシエステル基に起因するピークは見られず、ポリ
スチレンとポリアクリル酸メチルに起因するピークが認
められる。つまり、メタノール不溶物中には、ポリスチ
レンブロックとポリアクリル酸メチルブロックとからな
るブロックコポリマー(8)′が存在することがわか
る。
【0130】一方、メタノール可溶物は、図3に示すポ
リマー(8)′の一部及びポリマー(9)′であると考
えられる。メタノール可溶物のFT−IRスペクトル
を、図7に示す。図7において、ポリアクリル酸メチル
およびポリスチレンに起因するピークが現れているが、
ポリアクリル酸メチルのピークの方が大きい。すなわ
ち、ブロックコポリマー(8)のうち、ポリスチレンブ
ロックよりもポリアクリル酸メチルブロックの方が大き
くなっているものがメタノールに溶解したと考えられ
る。
【0131】次に、メタノール不溶ポリマーのポリマー
13C−NMR分析を行った。得られた13C−NMRス
ペクトルを図8に示す。さらに、この13C−NMRスペ
クトルの積分結果の168〜174ppm付近の拡大ス
ペクトルを、図9に示す。図8において、図5で見られ
たようなペルオキシエステル基のカルボニル炭素のピー
クやt−ブチル基の四級炭素のピークは見られない。図
9において、δ=173〜175ppmにかけてポリア
クリル酸メチルブロックのエステル基のカルボニル炭素
のピークが観察された。また、171.0ppm付近に
連結部にペルオキシエステルの開裂により生じた連結部
のカルボニル炭素であると思われるピークが観察され
る。
【0132】比較例4: 〈1段目重合〉温度計、撹拌機、不活性ガス導入管、還
流冷却器および滴下ロートを備えた4つ口フラスコにス
チレン20部、及び溶剤としてトルエン180部を仕込
んだ。窒素気流下に撹拌し、90±2℃に保って重合開
始剤としてアゾビスイソブチロニトリル2.0部を加え
て重合を開始させた。反応開始から2時間後に冷却した
後、ポリマー溶液をメタノール中で再沈殿させることに
よりポリマーの精製を2回行い、真空乾燥機で乾燥させ
た。得られたポリマー(末端にイソブチロニトリルが結
合したポリスチレンに該当する)の重量平均分子量は
2.6×103 、数平均分子量は2.0×103 であっ
た。
【0133】得られたポリマー(イソブチロニトリル基
含有ポリスチレン)のFT−IRスペクトルを図10に
示す。このポリマーには、開始剤パーヘキサMCの開裂
により生じるペルオキシエステル基を有していないの
で、これに起因するピーク(1772.5cm-1)は見
られない。図11に、このポリマーの13C−NMRスペ
クトルを示し、さらにその積分結果の168〜174p
pm付近の拡大スペクトルを図12に示す。図11及び
図12において、ペルオキシエステル基のカルボニル炭
素のピークやt−ブチル基の四級炭素のピークは見られ
ない。
【0134】〈2段目重合〉次に、温度計、撹拌機、不
活性ガス導入管、還流冷却器および滴下ロートを備えた
4つ口フラスコに、1段目重合で得たポリマー10部、
アクリル酸メチル10部、および溶剤として酢酸ブチル
50部を仕込んだ。窒素気流下に撹拌し、フラスコ内を
120±2℃に保ち、4時間攪拌を継続した。固形分は
変化せず、GPCによる分子量変化も見られなかった。
つまり、1段目重合で得られたポリマー末端のイソブチ
ロニトリル基には開始剤としての機能はなく、2段目で
重合によるポリマー生長は起らないためと考えられる。
【0135】比較例5:温度計、撹拌機、不活性ガス導
入管、還流冷却器および滴下ロートを備えた4つ口フラ
スコにアクリル酸メチル30部、及び溶剤としてトルエ
ン270部を仕込んだ。窒素気流下に撹拌し、120±
2℃に保って重合開始剤としてジ−t−ブチルパーオキ
サイド(商品名:パーブチルD、日本油脂株式会社製の
有機過酸化物)6部を加えて重合を開始させた。反応開
始から5時間後に冷却した。ポリマー溶液をn−ヘキサ
ン中で再沈殿させることにより、ポリマーの精製を2回
行い、真空乾燥機で乾燥させた。得られたポリマー(末
端にt−ブトキシ基を有するポリアクリル酸メチルに該
当)の重量平均分子量は9.5×103 、数平均分子量
は3.9×103 であった。
【0136】得られたポリマーのFT−IRスペクトル
を図13に示し、13 C−NMRスペクトルを図14に示
す。図13及び図14のいずれにおいても、ペルオキシ
エステル基に起因するピークは見られない。
【0137】比較例6:温度計、撹拌機、不活性ガス導
入管、還流冷却器および滴下ロートを備えた4つ口フラ
スコに、実施例12の1段目重合で得られたポリマー
(ペルオキシエステル基含有ポリスチレンを含む)10
部、及びスチレン10部、及び溶剤として酢酸ブチル5
0部を仕込んだ。窒素気流下に撹拌し、フラスコ内を1
20±2℃に保って4時間反応させた。重合率は99.
5%であった。冷却後に、ポリマー溶液をメタノール中
で再沈殿させることによりポリマーの精製を2回行い、
真空乾燥機で乾燥させた。得られたポリマーは、ポリス
チレンブロックがペルオキシエステル基の開裂により得
られる下式の連結部を介して結合されたポリマーである
と考えられ、その重量平均分子量は12.0×103
数平均分子量は5.7×103 であった。
【0138】
【化9】 次に、このポリマーの13C−NMR分析を行った。図1
5にその13C−NMRスペクトルを示す。更に、このス
ペクトルの積分結果の168〜174ppm付近の拡大
スペクトルを図16に示す。図16において、連結部に
起因するカルボニル炭素であると考えられるピークがδ
=170.939ppmに観察された。従って、 実施例
12では若干不明瞭であったが、ポリマーブロック連結
部のカルボニル炭素は、171ppm付近のピークによ
り確認できると考えられる。
【0139】
【発明の効果】本発明のブロックコポリマーは粘着力を
発揮できるポリマーブロックAと凝集力を発揮できるポ
リマーブロックBとが特殊な連結部を介して結合されて
いるので、凝集力及び粘着性のバランスに優れている。
よって、本発明のブロックコポリマーを含有する本発明
の粘着剤用樹脂組成物は優れた粘着特性を有する。ま
た、相溶性のない2種類のポリマーブロックがブロック
コポリマーとして含有されているので、粘着剤用樹脂組
成物としての貯蔵安定性にも優れている。
【0140】さらに、本発明のブロックコポリマーにお
ける各ポリマーブロックのモノマー組成、ポリマーブロ
ックAとポリマーブロックBとの含有量比を変えること
により、優れた粘着特性を維持しつつ、透明なものから
隠蔽性の高いものまで、用途に応じた粘着剤用樹脂組成
物を提供することができる。
【0141】本発明の粘着製品は、本発明の粘着剤用樹
脂組成物を用いているので、粘着力と凝集力とのバラン
ス、及び貯蔵安定性に優れ、しかも用途に応じて透明な
ものから隠蔽性の高いものまで、種々の製品を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項4に記載のブロックコポリマーの重合
方法を説明するための図である。
【図2】 請求項5に記載のブロックコポリマーの重合
方法を説明するための図である。
【図3】 実施例12の重合反応プロセスを説明するた
めの図である。
【図4】 実施例12の1段目重合で得られたポリマー
(ペルオキシエステル含有ポリスチレン)のIRスペク
トルである。
【図5】 実施例12の1段目重合で得られたポリマー
(ペルオキシエステル含有ポリスチレン)の13C−NM
Rスペクトルである。
【図6】 実施例12で得られるメタノール不溶物のI
Rスペクトルである。
【図7】 実施例12で得られるメタノール可溶物のI
Rスペクトルである。
【図8】 実施例12で得られるメタノール不溶物の13
C−NMRスペクトルである。
【図9】 図8に示すスペクトルの積分による部分拡大
スペクトルである。
【図10】 比較例4の1段目重合で得られたポリマー
(イソブチロニトリル基含有ポリスチレン)のIRスペ
クトルである。
【図11】 比較例4の1段目重合で得られたポリマー
13C−NMRスペクトルである。
【図12】 図11に示すスペクトルの積分による部分
拡大スペクトルである。
【図13】 比較例5の1段目重合で得られたポリマー
(t−ブトキシポリアクリル酸メチル)のIRスペクト
ルである。
【図14】 比較例5の1段目重合で得られたポリマー
13C−NMRスペクトルである。
【図15】 比較例6で得られたポリマーの13C−NM
Rスペクトルである。
【図16】 図15に示すスペクトルの積分による部分
拡大スペクトルである。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (メタ)アクリル酸アルキルエステル系
    ポリマーブロックAと、該ポリマーブロックAと相溶性
    がないポリマーブロックBとが、一般式 【化1】 (式中、XはC3 〜C10のアルキレン基、R2 はC1
    5 のアルキル基を表す。)で示される連結部を介して
    結合しているブロックコポリマー。
  2. 【請求項2】 前記ポリマーブロックAのガラス転移温
    度(TgA )と前記ポリマーブロックBのガラス転移温
    度(TgB )との差(TgB −TgA )が15℃以上で
    ある請求項1に記載のブロックコポリマー。
  3. 【請求項3】 室温中でメタノール中に1時間浸漬させ
    たときのヘイズ値(%)が、初期のヘイズ値(%)より
    3以上大きくなる請求項1又は2に記載のブロックコポ
    リマー。
  4. 【請求項4】 末端に一般式 【化2】 (式中、XはC3 〜C10のアルキレン基、R1 及びR2
    は夫々同一又は異なるC 1 〜C5 のアルキル基を表
    す。)で示されるペルオキシエステル基が結合している
    ポリマーブロックBに、該ポリマーブロックBと相溶性
    がない(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマー
    ブロックAを構成するモノマーを添加して重合すること
    を特徴とするブロックコポリマーの重合方法。
  5. 【請求項5】 末端が一般式 【化3】 (式中、XはC3 〜C10のアルキレン基、R1 及びR2
    は夫々同一又は異なるC 1 〜C5 のアルキル基を表
    す。)で示されるペルオキシエステル基が結合している
    (メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーブロッ
    クAに、該ポリマーブロックAと相溶性がないポリマー
    ブロックBを構成するモノマーを添加して重合すること
    を特徴とするブロックコポリマーの重合方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のいずれかに記載のブロッ
    クコポリマーを含有する粘着剤用樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の粘着剤用樹脂組成物で
    あって、前記ブロックコポリマーを構成するポリマーブ
    ロックAの屈折率とポリマーブロックBの屈折率との差
    が0.05以下である透明性の高い粘着剤用樹脂組成
    物。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の粘着剤用樹脂組成物で
    あって、前記ブロックコポリマーを構成するポリマーブ
    ロックAの屈折率とポリマーブロックBの屈折率との差
    が0.05超である隠蔽性の高い粘着剤用樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 請求項4又は5に記載の重合方法により
    得られたポリマーを含有する粘着剤用樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 基材の片面又は両面に、請求項6〜9
    のいずれかに記載の粘着剤用樹脂組成物を含む粘着剤層
    が構成されている粘着製品。
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