JPH11115523A - 変速レバーの配線構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明の目的は、変速レバーにハーネスを
固定するクランプ部材を不要にし得て、コストの低減を
果たすことにある。 【構成】 このため、この発明は、レバーハウジングに
軸支されてグリップにより各シフト位置にシフト操作さ
れる変速レバーを設け、レバーハウジングに立設された
ポジションプレートに各シフト位置に対応する各シフト
位置用段部及び各シフト位置用係合孔を設け、変速レバ
ーに各シフト位置用係合孔に係合体を弾圧係合させる位
置決めリテーナを取付ブラケットにより取付けて設け、
この取付ブラケットにグリップのスイッチ機構に接続さ
れるハーネスを固定するハーネス固定部を設けたことを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は変速レバーの配線
構造に係り、特に、変速レバーにハーネスを固定するク
ランプ部材を不要にし得て、コストの低減を果たし得る
変速レバーの配線構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】車両に搭載されるエンジンには、駆動力
を走行条件に応じて自動的に変換して取出す自動変速機
を備えているものがある。自動変速機は、変速レバーに
より前進シフト位置や後進シフト位置等に係合状態を切
換えられる。この変速レバーには、各種の信号を伝達す
るハーネスが配線されている。

【０００３】従来の変速レバーの配線構造としては、図
５・図６に示すものがある。図５・図６において、１０
２は変速レバー装置、１０４はレバーハウジング、１０
６は変速レバーである。変速レバー装置１０２は、レバ
ーハウジング１０４のレバーブラケット１０８に変速レ
バー１０６のレバー軸１１０の一端側を支軸１１２によ
り軸支し、レバー軸１１０の他端側にグリップ１１４を
設けている。変速レバー１０６は、グリップ１１４を把
持して各シフト位置にシフト操作される。

【０００４】前記レバーハウジング１０４には、ポジシ
ョンプレート１１６を立設し、このポジションプレート
１１６に変速レバー１０６の各シフト位置に対応する各
シフト位置用段部１１８を設けるとともに、各シフト位
置用係合孔１２０を設けている。

【０００５】前記変速レバー１０６は、レバー軸１１０
のグリップ１１４にシフトノブ１２２を設け、このシフ
トノブ１２２によりシフトロッド（図示せず）を介して
進退動作されるポジションピン（図示せず）を設けてい
る。ポジションピンは、前記ポジションプレート１１６
の各シフト位置用段部１１８に係合・離脱され、変速レ
バー１０６の各シフト位置からの移動を許容・阻止す
る。

【０００６】また、前記変速レバー１０６は、レバー軸
１１０に位置決めリテーナ１２４を設けている。位置決
めリテーナ１２４は、保持体１２４内に弾性体１２６及
び係合体１２８を内蔵し、取付ブラケット１３０により
レバー軸１１０に取付けている。位置決めリテーナ１２
４は、弾性体１２６によって係合体１２８を前記ポジシ
ョンプレート１１６の各シフト位置用係合孔１２０に弾
圧係合させることにより、変速レバー１０６をシフト操
作した際に各シフト位置において節度感を生じさせる。

【０００７】この変速レバー１０６には、グリップ１１
４のスイッチ機構１３２に接続されるハーネス１３４が
配線されている。ハーネス１３４は、レバー軸１１０と
ポジションプレート１１６との間にはさまれないよう
に、巻付式のクランプ部材１３６によりレバー軸１１０
に固定している。

【０００８】このような変速レバーの配線構造として
は、実公昭６１−４５５３４号公報に開示されるものが
ある。この公報に開示されるものは、基台のブーツ部に
軸支された変速操作レバーのシャフトの先端部にスイッ
チボックスが収納された握持ヘッド部を設け、前記スイ
ッチボックスに接続されるハーネスを前記ブーツ部の少
なくとも２個の透孔に縫うように挿通して緩み部をもた
せ、この緩み部にはさみ込み防止用の弾力性リングを装
着したものである。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の変速
レバーの配線構造においては、前記図５・図６に示す如
く、ハーネス１３４をレバー軸１１０にクランプ部材１
３６により固定し、あるいは、前記公報に開示される如
く、ハーネスをブーツ部の透孔に縫うように挿通して固
定し、緩み部にはさみ込み防止用の弾力性リングを装着
している。

【００１０】このため、従来の変速レバーの配線構造に
おいては、ハーネス１３４を固定するクランプ部材１３
６を必要とし、また、ハーネスのはさみ込み防止用の弾
力性リングを必要とすることにより部品点数や組付作業
数が増加し、さらには、ハーネスをブーツ部の透孔に縫
うように挿通して固定していることにより組付作業が煩
雑化し、コストの上昇を招く不都合があった。

【００１１】

【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上
述の不都合を除去するために、レバーハウジングに軸支
されてグリップにより各シフト位置にシフト操作される
変速レバーを設け、前記レバーハウジングに立設された
ポジションプレートに前記変速レバーの各シフト位置に
対応する各シフト位置用段部及び各シフト位置用係合孔
を設け、前記変速レバーに前記ポジションプレートの各
シフト位置用係合孔に係合体を弾圧係合させる位置決め
リテーナを取付ブラケットにより取付けて設け、この取
付ブラケットに前記グリップのスイッチ機構に接続され
るハーネスを固定するハーネス固定部を設けたことを特
徴とする。

【００１２】また、この発明は、レバーハウジングに軸
支されてグリップにより各シフト位置にシフト操作され
る変速レバーを設け、前記レバーハウジングに立設され
たポジションプレートに前記変速レバーの各シフト位置
に対応する各シフト位置用段部及び各シフト位置用係合
凹部を設け、前記変速レバーに前記ポジションプレート
の各シフト位置用係合凹部に係合部を弾圧係合させる位
置決め弾性体を取付けて設け、この位置決め弾性体に前
記グリップのスイッチ機構に接続されるハーネスを固定
するハーネス固定部を設けたことを特徴とする。

【００１３】

【発明の実施の形態】この発明の変速レバーの配線構造
は、ポジションプレートの各シフト位置用係合孔に係合
体を弾圧係合させる位置決めリテーナの取付ブラケット
に、グリップのスイッチ機構に接続されるハーネスを固
定するハーネス固定部を設けたことにより、変速レバー
に既設の部材である位置決めリテーナの取付ブラケット
を利用してハーネスを固定することができる。

【００１４】また、この発明の変速レバーの配線構造
は、ポジションプレートの各シフト位置用係合凹部に係
合部を弾圧係合させる位置決め弾性体に、グリップのス
イッチ機構に接続されるハーネスを固定するハーネス固
定部を設けたことにより、変速レバーに既設の部材であ
る位置決め弾性体を利用してハーネスを固定することが
できる。

【００１５】

【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を説明
する。図１〜図３は、この発明の実施例を示すものであ
る。図１〜図３において、２は図示しない自動変速機の
変速レバー装置、４はレバーハウジング、６は変速レバ
ーである。変速レバー装置２は、レバーハウジング４の
レバーブラケット８に変速レバー６のレバー軸１０の一
端側を支軸１２により回動可能に軸支し、レバー軸１０
の他端側にグリップ１４を設けている。変速レバー６
は、グリップ１４を把持して支軸１２を中心に回動する
ことにより各シフト位置（である例えば駐車シフト位置
Ｐ・後退シフト位置Ｒ・中立シフト位置Ｎ・走行シフト
位置Ｄ・２速シフト位置２・１速シフト位置Ｌである駐
車シフト位置）にシフト操作される。

【００１６】前記レバーハウジング４には、変速レバー
６の回動方向と平行にポジションプレート１６を立設し
ている。ポジションプレート１６には、変速レバー６の
各シフト位置Ｐ・Ｒ・Ｎ・Ｄ・２・Ｌに対応する各シフ
ト位置用段部１８を設けるとともに、各シフト位置Ｐ・
Ｒ・Ｎ・Ｄ・２・Ｌに対応する各シフト位置用係合孔２
０を設けている。

【００１７】前記変速レバー６は、レバー軸１０のグリ
ップ１４にシフトノブ２２を設けている。シフトノブ２
２は、レバー軸１０内のシフトロッド２４の一端側に当
接され、押し込み操作・放し操作によりシフトロッド２
４を軸方向移動させる。このシフトロッド２４の他端側
には、ポジションプレート１６の各シフト位置用段部１
８に係合離脱されるポジションピン２６を設けている。
ポジションピン２６は、シフトノブ２２によりシフトロ
ッド２４を介して進退動作され、各シフト位置用段部１
８に係合離脱され、変速レバー６の各シフト位置Ｐ・Ｒ
・Ｎ・Ｄ・２・Ｌからの移動を許容・阻止する。

【００１８】また、前記変速レバー６は、レバー軸１０
に位置決めリテーナ２８を設けている。位置決めリテー
ナ２８は、保持体３０内に弾性体３２及び係合体３４を
内蔵している。位置決めリテーナ２８は、係合体３４を
弾性体３２により各シフト位置用係合孔２０に向かって
弾性付勢している。位置決めリテーナ２８は、保持体３
０を取付ブラケット３６によりレバー軸１０に取付けて
いる。位置決めリテーナ２８は、弾性体３２によって係
合体３４をポジションプレート１６の各シフト位置用係
合孔２０に弾圧係合させることにより、変速レバー６を
シフト操作した際に各シフト位置Ｐ・Ｒ・Ｎ・Ｄ・２・
Ｌにおいて節度感を生じさせる。

【００１９】この変速レバー６には、グリップ１４にス
イッチ機構３８を設けている。スイッチ機構３８は、例
えばオーバドライブを設定する信号等を自動変速機の制
御部（図示せず）に出力するものであり、接点部４０と
この接点部４０を開閉動作させるスイッチノブ４２とか
らなる。スイッチ機構３８の接点部４０には、図示しな
い制御部に一端側を接続されるハーネス４４の他端側を
接続して設けている。

【００２０】ハーネス４４は、レバー軸１０の一端側の
支軸１２近傍からレバー軸１０内に配線されている。こ
のハーネス４４は、レバー軸１０とポジションプレート
１６との間にはさまれないように、レバー軸１０に固定
している。

【００２１】この実施例においては、位置決めリテーナ
２８をレバー軸１０に取付ける取付ブラケット３４に、
ハーネス４４を固定するハーネス固定部４６を一体的に
設けている。ハーネス固定部４６は、取付ブラケット３
６に固定板部４８を一体的に設け、この固定板部４８に
ハーネス４４を嵌装して固定する固定孔５０を設けてい
る。固定孔５０は、固定板部４８の側縁５２の開口５４
により略Ω字形状に形成して設けている。開口５４は、
固定孔５０よりもわずかに小さく形成している。

【００２２】次に、この実施例の作用を説明する。

【００２３】変速レバー６は、シフト操作の際に、シフ
トノブ２２の押し込み操作・放し操作によりレバー軸１
０内のシフトロッド２４を介してシフトピン２６を進退
動作させ、シフトピン２６を各シフト位置用段部１８に
係合・離脱させることにより、各シフト位置Ｐ・Ｒ・Ｎ
・Ｄ・２・Ｌからの移動を許容・阻止される。

【００２４】また、変速レバー６は、シフト操作した際
に、各シフト位置Ｐ・Ｒ・Ｎ・Ｄ・２・Ｌにおいて位置
決めリテーナ２８の弾性体３２によって係合体３４がポ
ジションプレート１６の各シフト位置用係合孔２０に弾
圧係合され、節度感を生じさせる。

【００２５】この変速レバー６は、ポジションプレート
１６の各シフト位置用係合孔２０に係合体３２を弾圧係
合させる位置決めリテーナ２８の取付ブラケット３６
に、グリップ１４のスイッチ機構３８に接続されるハー
ネス４４を固定するハーネス固定部４６を設けている。
ハーネス４４は、固定板部４８の側縁５２の開口５４か
ら固定孔５０に嵌装することにより、ハーネス固定部４
６に固定される。

【００２６】このように、この変速レバー６の配線構造
は、位置決めリテーナ２８の取付ブラケット３６にハー
ネス４４を固定するハーネス固定部４６を一体的に設け
たことにより、変速レバー６に既設の部材である位置決
めリテーナ２８の取付ブラケット３６を利用してハーネ
ス４４を固定することができる。

【００２７】このため、この変速レバー６の配線構造
は、変速レバー６にハーネス４４を固定する巻付式のク
ランプ部材やはさみ込み防止用の弾力性リング等の別部
品を必要とせず、これにより部品点数や組付作業数を削
減することができ、コストの低減を果たすことができ
る。また、この変速レバー６の配線構造は、略Ω字形状
の固定孔５０に固定板部４８の側縁５２の開口５４から
ハーネス４４を嵌装することにより容易に固定できるの
で、組付性を向上することができる。

【００２８】図４は、この発明の別の実施例を示すもの
である。この実施例の変速レバー６は、ポジションプレ
ート１６の下部を上方に折り返して位置決めプレート部
５６を形成し、この位置決めプレート部５６の上縁に各
シフト位置用係合凹部５８を設け、レバー軸１０の取付
部６０に略長四角板形状の位置決め弾性体６２の一端側
を取付けて設け、この位置決め弾性体６２の他端側に位
置決めプレート部５６の各シフト位置用係合凹部５８に
弾圧係合される係合部６４を設けている。位置決め弾性
体６２には、ハーネス４４を固定するハーネス固定部６
６を設けている。

【００２９】ハーネス固定部６６は、位置決め弾性体６
２にハーネス４４を嵌装して固定する固定孔６８を設け
ている。固定孔６８は、位置決め弾性体６２の側縁７０
の開口７２により略Ω字形状に形成して設けている。開
口７２は、固定孔６８よりもわずかに小さく形成してい
る。

【００３０】この別の実施例の変速レバー６の配線構造
は、位置決め弾性体６２にハーネス４４を固定するハー
ネス固定部６６を設けたことにより、変速レバー６に既
設の部材である位置決め弾性体６２をそのまま利用して
ハーネス４４を固定することができる。

【００３１】このため、この変速レバー６の配線構造
は、変速レバー６にハーネス４４を固定する巻付式のク
ランプ部材やはさみ込み防止用の弾力性リング等の別部
品を必要とせず、これにより部品点数や組付作業数を削
減することができ、コストの低減を果たすことができ
る。また、この変速レバー６の配線構造は、略Ω字形状
の固定孔６８に位置決め弾性体６２の側縁７０の開口７
２からハーネス４４を嵌装することにより容易に固定で
きるので、組付性を向上することができる。さらに、こ
の変速レバー６の配線構造は、位置決め弾性体６２にハ
ーネス４４を固定するハーネス固定部６６として固定孔
６８を形成するだけなので、既存の位置決め弾性体６２
にも容易に実施することができる。

【００３２】

【発明の効果】このように、この発明の変速レバーの配
線構造は、変速レバーに既設の部材である位置決めリテ
ーナの取付ブラケットや位置決め弾性体を利用してハー
ネスを固定することができる。

【００３３】このため、この変速レバーの配線構造は、
変速レバーにハーネスを固定するクランプ部材やはさみ
込み防止用の弾力性リング等の別部品を不要にし得て、
これにより部品点数や組付作業数を削減することがで
き、コストの低減を果たすことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例を示す変速レバーの位置決め
リテーナ部分の斜視図である。

【図２】変速レバーの位置決めリテーナ部分の平面図で
ある。

【図３】変速レバーの側面図である。

【図４】この発明の別の実施例を示す変速レバーの位置
決めリテーナ部分の斜視図である。

【図５】従来例を示す変速レバーの側面図である。

【図６】図５の変速レバーの位置決めリテーナ部分の斜
視図である。

【符号の説明】

２ 変速レバー装置 ４ レバーハウジング ６ 変速レバー １０ レバー軸 １４ グリップ １６ ポジションプレート １８ 各シフト位置用段部 ２０ 各シフト位置用係合孔 ２２ シフトノブ ２４ シフトロッド ２６ ポジションピン ２８ 位置決めリテーナ ３６ 取付ブラケット ３８ スイッチ機構 ４４ ハーネス ４２ ハーネス固定部 ４４ 固定板部 ４６ 固定孔 ５０ 開口

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 レバーハウジングに軸支されてグリップ
   により各シフト位置にシフト操作される変速レバーを設
   け、前記レバーハウジングに立設されたポジションプレ
   ートに前記変速レバーの各シフト位置に対応する各シフ
   ト位置用段部及び各シフト位置用係合孔を設け、前記変
   速レバーに前記ポジションプレートの各シフト位置用係
   合孔に係合体を弾圧係合させる位置決めリテーナを取付
   ブラケットにより取付けて設け、この取付ブラケットに
   前記グリップのスイッチ機構に接続されるハーネスを固
   定するハーネス固定部を設けたことを特徴とする変速レ
   バーの配線構造。
2. 【請求項２】 レバーハウジングに軸支されてグリップ
   により各シフト位置にシフト操作される変速レバーを設
   け、前記レバーハウジングに立設されたポジションプレ
   ートに前記変速レバーの各シフト位置に対応する各シフ
   ト位置用段部及び各シフト位置用係合凹部を設け、前記
   変速レバーに前記ポジションプレートの各シフト位置用
   係合凹部に係合部を弾圧係合させる位置決め弾性体を取
   付けて設け、この位置決め弾性体に前記グリップのスイ
   ッチ機構に接続されるハーネスを固定するハーネス固定
   部を設けたことを特徴とする変速レバーの配線構造。