JPH11105579A - 車間制御装置 - Google Patents

車間制御装置

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JPH11105579A
JPH11105579A JP9274782A JP27478297A JPH11105579A JP H11105579 A JPH11105579 A JP H11105579A JP 9274782 A JP9274782 A JP 9274782A JP 27478297 A JP27478297 A JP 27478297A JP H11105579 A JPH11105579 A JP H11105579A
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JP
Japan
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vehicle
inter
vehicle distance
distance
normal
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Application number
JP9274782A
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English (en)
Inventor
Kazunori Kagawa
和則 香川
Takeshi Goto
武志 後藤
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Controls For Constant Speed Travelling (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Traffic Control Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は先行車との車間距離が目標車間距離
と一致するように車両の車間制御を実行する車間制御装
置に関し、車間制御の実行中に運転者の通常車間距離に
比して短い車間距離が頻繁に生ずるのを防止することを
目的とする。 【解決手段】 ACCスイッチがオン状態である場合
は、先行車との車間距離Xが目標車間距離X* と一致す
るように車両を加減速させるACC制御を実行する。A
CC制御の非実行中に先行車との間に確保される車間距
離Xを運転者の通常車間距離Xdとして記憶する。AC
C制御の実行中は、車両の走行環境に応じた通常車間距
離Xdに所定値Xaを加算することで目標車間距離X*
を演算する(ステップ192〜220)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車間制御装置に係
り、特に、先行車との車間距離が目標車間距離と一致す
るように車両の車間制御を実行する車間制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開昭60−1313
27号に開示される如く、先行車との車間距離が目標車
間距離と一致するように車両を加減速させる車間制御を
実行する装置が知られている。上記従来の装置によれ
ば、例えば、車両が高速道路をほぼ等速で走行するよう
な場合に、車両において何らアクセル操作やブレーキ操
作を行うことなく車両を先行車に追従させることができ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した車
間制御を、運転者の加減速操作を補助する目的で実行す
る場合には、例えば先行車が急減速を行った際に、車間
距離が目標車間距離に比して短くなる余地が残されてい
ることが望ましい。このような余地を残しておくと、定
常走行中に加減速操作を適正な補助効果を得ることがで
きると共に、緊急時における急制動の実行を運転者に委
ねることができる。
【0004】しかし、車間距離が目標車間距離に比して
短くなる余地が残されていると、車間制御によって確保
される先行車との車間距離が、運転者が通常の状況下で
確保する車間距離(以下、通常車間距離と称す)に比し
て短くなることがある。先行車との車間距離が通常車間
距離に比して短くなると、運転者はブレーキ操作を行お
うとする。このため、車間制御の実行中に、先行車との
車間距離が頻繁に通常車間距離に比して短くなると、車
間制御によって減速操作を有効に補助することができな
くなる。
【0005】従って、車間距離が目標車間距離に比して
短くなることを許容するシステムにおいて有効に減速操
作を補助するためには、車間制御の実行中に、先行車と
の車間距離が頻繁に通常車間距離に比して短くならない
ように目標車間距離を決定することが必要である。本発
明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、車間制御
の目標車間距離を通常車間距離に基づいて設定すること
により、有効に減速操作を補助し得る車間制御装置を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、先行車との車間距離が目標車間距離と
一致するように車両を加減速させる車間制御を実行する
車間制御装置において、前記車間制御の非実行中に先行
車との間に確保される車間距離を運転者の通常車間距離
として記憶する通常車間記憶手段と、前記通常車間距離
に所定値を加算することで前記目標車間距離を演算する
目標車間距離演算手段と、を備える車間制御装置により
達成される。
【0007】本発明において、通常車間距離は、運転者
が通常の状況下で確保する車間距離である。目標車間距
離は、通常車間距離に所定値を加算することで演算され
る。従って、車間制御の実行中に先行車との車間距離が
目標車間距離に比して短縮されても、その車間距離が頻
繁に通常車間距離に比して短くなることはない。この場
合、車間制御によって有効に減速操作が補助される。
【0008】上記の目的は、請求項2に記載する如く、
上記請求項1記載の車間制御装置において、前記通常車
間記憶手段が、運転環境に応じた複数の通常車間距離を
記憶すると共に、前記目標車間距離演算手段が、前記複
数の通常車間距離のうち、前記車間制御時の運転環境に
応じた通常車間距離に基づいて前記目標車間距離を演算
する車間制御装置により達成される。
【0009】本発明において、運転者が車間制御の非実
行中に通常確保する車間距離は、車両の運転環境に応じ
て変動する。本発明の車間制御装置は、車間制御の非実
行中に車両の運転環境に対応する複数の通常車間距離を
記憶する。また、本発明の車間制御装置は、車間制御の
実行中に、それら複数の記憶値から車両の運転環境に対
応する値を選択し、その選択値に基づいて目標車間距離
を設定する。上記の処理によれば、車両の運転環境の変
化に関わらず、車間制御の実行中に車間距離が通常車間
距離に比して頻繁に短くなるのを有効に防止することが
できる。
【0010】尚、本発明において、車両の運転環境に
は、走行路の種類(一般道、高速道等)、時間帯
(昼、夜等)、天候、車両の挙動(直進中、旋回中
等)、運転者の覚醒状態、車両の積載状態、走行
路の曲率、運転者の視点の高さ(アイポイント高)、
および、車両のタイプ(乗用車、ワンボックス車、ピ
ックアップトラック車等)等が含まれる。
【0011】上記の目的は、請求項3に記載する如く、
上記請求項1記載の車間制御装置において、前記車間制
御時の運転環境に応じて前記所定値を演算する所定値演
算手段を備える車間制御装置により達成される。本発明
において、現実の通常車間距離は車両の運転環境に応じ
て変動する。本発明の車間制御装置は、目標車間距離を
演算する際に通常車間距離の記憶値に加算する所定値を
車両の運転環境に応じて設定する。上記の処理によれ
ば、運転環境の変化に伴って現実の通常車間距離が変動
しても、車間制御の実行中に、先行車との車間距離が現
実の通常車間距離に比して頻繁に短くなることはない。
【0012】尚、本発明において、車両の運転環境に
は、走行路の種類(一般道、高速道等)、時間帯
(昼、夜等)、天候、車両の挙動(直進中、旋回中
等)、運転者の覚醒状態、車両の積載状態、走行
路の曲率、運転者の視点の高さ(アイポイント高)、
および、車両のタイプ(乗用車、ワンボックス車、ピ
ックアップトラック車等)等が含まれる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例の車間
制御装置のシステム構成図を示す。本実施例の車間制御
装置は、電子制御ユニット10(以下、ECU10と称
す)により制御される。車間制御装置は、ブレーキペダ
ル12を備えている。ブレーキペダル12の近傍には、
ブレーキスイッチ14が配設されている。ブレーキスイ
ッチ14は、ブレーキペダル12が踏み込まれることに
よりオン信号を出力する。ブレーキスイッチ14の出力
信号はECU10に供給されている。ECU10は、ブ
レーキスイッチ14の出力信号に基づいてブレーキペダ
ル12が踏み込まれているか否かを判別する。
【0014】ブレーキペダル12は、ブレーキブースタ
16に連結されている。ブレーキブースタ16には、高
圧通路18、低圧通路20および制御液圧通路22が連
通している。低圧通路20はリザーバタンク24に連通
している。一方、高圧通路18には、アキュムレータ2
6と共に、逆止弁28を介してポンプ30が連通してい
る。ポンプ30は、アキュムレータ26内に所定のアキ
ュムレータ圧PACC が蓄えられるように、リザーバタン
ク24内のブレーキフルードを汲み上げて高圧通路18
に圧送する。
【0015】ブレーキブースタ16の内部にはレギュレ
ータ室が形成されている。ブレーキブースタ16は、ブ
レーキペダル12が踏み込まれた際に、レギュレータ室
に、高圧通路18および低圧通路20を選択的に連通さ
せる。レギュレータ室には、制御液圧通路22が常時連
通している。従って、制御液圧通路22には、ブレーキ
踏力に応じたレギュレータ圧PREが導かれる。
【0016】ブレーキブースタ16には、マスタシリン
ダ32が固定されている。マスタシリンダ32には、ブ
レーキペダル12に入力されるブレーキ踏力Fpと、レ
ギュレータ圧PREに応じたアシスト力Faとが伝達され
る。従って、マスタシリンダ32には、ブレーキペダル
12が踏み込まれた際に、ブレーキ踏力Fpに対して所
定の倍力比を有する合力Fp+Faが伝達される。
【0017】マスタシリンダ32の内部には、第1液圧
室34および第2液圧室36が形成されている。第1液
圧室34および第2液圧室36には、合力Fp+Faに
応じたマスタシリンダ圧PM/C が発生する。第1液圧室
34および第2液圧室36は、それぞれ液圧通路38,
40を介してPバルブ42に連通している。液圧通路4
0にはマスタ圧センサ43が連通している。マスタ圧セ
ンサ43は、マスタシリンダ圧PM/C に応じた電気信号
pMCを出力する。ECU10は、その出力信号pMC
に基づいてマスタシリンダ圧PM/C を検出する。
【0018】Pバルブ42には、第1液圧室34に通じ
る第1液圧通路44と、第2液圧室36に通じる第2液
圧通路46とが連通している。Pバルブ42は、第1液
圧通路44にマスタシリンダ圧PM/C をそのまま供給す
ると共に、マスタシリンダ圧PM/C が所定値を超える領
域において、第2液圧通路46に、マスタシリンダ圧P
M/C を所定の比率で減圧した液圧を供給する。
【0019】本実施例の車間制御装置は、レギュレータ
切り換えソレノイド48(以下、STR48と称す)を
備えている。STR48には、上述した高圧通路18お
よび制御液圧通路22が連通していると共に、第3液圧
通路50が連通している。STR48は、常態で制御液
圧通路22と第3液圧通路50とを導通させる状態(オ
フ状態)を実現し、ECU10から駆動信号が供給され
ることにより、高圧通路18と第3液圧通路50とを導
通させる状態(オン状態)を実現する2位置の電磁弁で
ある。
【0020】第1液圧通路44には、第1アシストソレ
ノイド52(以下、SA-152と称す)、および、第2
アシストソレノイド54(以下、SA-254と称す)が
連通している。また、SA-152およびSA-254に
は、それぞれ、連通路56,58および配管60,62
が連通している。配管60,62は、右前輪FRのホイ
ルシリンダ64、および、左前輪FLのホイルシリンダ
66に連通している。SA-152およびSA-254は、
常態で第1液圧通路44とホイルシリンダ64,66と
を導通させる状態(オフ状態)を実現し、ECU10か
ら駆動信号が供給されることにより連通路56,58と
ホイルシリンダ64,66とを導通させる状態(オン状
態)を実現する2位置の電磁弁である。
【0021】連通路56は、保持弁68および逆止弁7
0を介して第3液圧通路50に連通していると共に、減
圧弁72を介してリザーバ通路74に連通している。同
様に、連通路58は、保持弁76および逆止弁78を介
して第3液圧通路50に連通していると共に、減圧弁8
0を介してリザーバ通路74に連通している。リザーバ
通路74は、上述したリザーバタンク24に連通してい
る。
【0022】保持弁68,76は、常態で開弁状態を維
持し、ECU10から駆動信号が供給されることにより
閉弁状態となる2位置の電磁弁である。逆止弁70,7
8は、連通路56,58側から第3液圧通路50側へ向
かう流体の流れのみを許容する一方向弁である。また、
減圧弁72,80は、常態で閉弁状態を維持し、ECU
10から駆動信号が供給されることにより開弁状態とな
る2位置の電磁弁である。
【0023】第2液圧通路46には、第3アシストソレ
ノイド82(以下、SA-382と称す)が連通してい
る。SA-382には、更に、第3液圧通路50および後
輪通路84が連通している。SA-382は、常態で第2
液圧通路46と後輪通路84とを導通させる状態(オフ
状態)を実現し、ECU10から駆動信号が供給される
ことにより第3液圧通路50と後輪通路84とを導通さ
せる状態(オン状態)を実現する2位置の電磁弁であ
る。
【0024】後輪通路84には保持弁86および逆止弁
88を介して連通路90が連通していると共に、保持弁
92および逆止弁94を介して連通路96が連通してい
る。保持弁86,92は常態で開弁状態を維持し、EC
U10から駆動信号が供給されることにより閉弁状態と
なる2位置の電磁弁である。逆止弁88,94は、連通
路90,96側から後輪通路84側へ向かう流体の流れ
のみを許容する一方向弁である。
【0025】連通路90には、減圧弁98を介してリザ
ーバ通路74が連通していると共に配管100を介して
右後輪RRのホイルシリンダ102が連通している。同
様に、連通路96には、減圧弁104を介してリザーバ
通路74が連通していると共に配管106を介して左後
輪RLのホイルシリンダ108が連通している。車間制
御装置は、各輪に対応する車輪速センサ110〜116
を備えている。車輪速センサ110〜116は、それぞ
れ、各輪の車輪速Vwに応じた周期でパルス信号を発生
する。ECU10は、それらのパルス信号に基づいて各
輪の車輪速Vwを検出すると共に、その車輪速Vwに基
づいて車速SPDを演算する。
【0026】ECU10には、レーダ118の出力信号
が供給されている。レーダ118は、車両の前方を走行
する車両、すなわち、自車線を走行中の先行車、およ
び、隣接車線を走行中の車両(以下、隣接車両と称す)
との相対距離および相対速度に応じた出力信号を発生す
る。ECU10は、その出力信号に基づいて先行車およ
び隣接車両との相対距離および相対速度を検出する。
【0027】ECU10には、前後Gセンサ120の出
力信号が供給されている。前後Gセンサ120は、車両
に発生する前後方向の加速度G(以下、前後Gと称す)
に応じた電気信号を出力する。ECU10は、その出力
信号に基づいて前後Gを検出する。ECU10には、A
CCスイッチ122およびACC表示パネル124が接
続されている。ACCスイッチ122は、運転者がAC
C(Adaptive Cruise Control)制御の実行を要求する際
にオン状態とするスイッチである。一方、ACC表示パ
ネル124は、ACC制御が実行中であるか否かを運転
者に報知するためのパネルである。ECU10は、AC
Cスイッチ122がオン状態とされたことを検知する
と、後述するACC制御を実行すると共に、その実行を
運転者に表示すべくACCパネル124を駆動する。
【0028】ECU10には、時計126、気温センサ
128、および、覚醒度センサ130が接続されてい
る。ECU10は、時計126の出力信号に基づいて時
刻を認識し、また、気温センサ128の出力信号に基づ
いて、車両を取り巻く環境の気温を認識する。更に、E
CU10は、覚醒度センサ130の出力信号に基づいて
運転者の覚醒状態を検知する。尚、覚醒度センサ130
は、例えば、運転者の眼球の動き、修正操舵の頻度、お
よび、運転者の心拍数等に基づいて運転者の覚醒状態を
検出する。
【0029】ECU10には、ナビゲーション装置13
2が接続されている。ナビゲーション装置132は、車
両の存在位置を地図情報と共にECU10に供給する。
ECU10は、それらのデータに基づいて車両が走行し
ている道路の種類(一般道、高速道等)や道路の曲率等
を検出する。ECU10には電子制御式自動変速機12
4(以下、AT124と称す)が接続されている。AT
124は、手動操作によりシフトダウンすることができ
ると共に、ECU10の指令に従ってシフトダウンする
ことができる。
【0030】ECU10には、スロットルアクチュエー
タ136およびスロットル位置センサ138が接続され
ている。ECU10は、スロットル位置センサ138の
出力信号に基づいてスロットルアクチュエータ136を
フィードバック制御することで、スロットル開度を任意
の目標開度に一致させることができる。ECU10に
は、ワイパスイッチ140が接続されている。ECU1
0は、ワイパスイッチ140がオン状態であるか否かに
応じて、降雪または降雨が生じているか否かを判断す
る。
【0031】ECU10には、また、車高センサ142
が接続されている。車高センサ142は、車両の車高に
応じた出力信号を発する。本実施例において、車両の車
高は、車両の積載量に応じた変化を示す。従って、車高
センサ142の出力信号は車両の積載量に対応してい
る。ECU10は、車高センサ142の出力信号に基づ
いて車両の積載量を検出する。
【0032】次に、本実施例の車間制御装置の動作につ
いて説明する。本実施例の車間制御装置は、車両の運転
者によってACC制御が要求される場合は、すなわち、
ACCスイッチ122がオン状態とされる場合はACC
制御を実行する。ACC制御は、先行車との車間距離X
を目標車間距離X* の近傍に維持すべく車両を加減速す
る制御である。ACC制御によれば、先行車との車間距
離Xが目標車間距離X* に比して短い場合は車両を減速
させるための制御(以下、制動制御と称す)が実行さ
れ、また、その車間距離Xが目標車間距離X* に比して
長い場合には車両を加速させるための制御(以下、加速
制御と称す)が実行される。
【0033】図1に示すシステム構成によれば、ACC
制御の実行中に液圧回路に内蔵される全ての電磁弁をオ
フ状態とし、かつ、スロットル開度が増加するようにス
ロットルアクチュエータ136をフィードバック制御す
ることで加速制御を実現することができる。すなわち、
図1に示すシステム構成において、液圧回路に内蔵され
る全ての電磁弁がオフ状態とされると、車間制御装置に
おいて図1に示す状態(以下、通常状態と称す)が実現
される。通常状態によれば、左右前輪のホイルシリンダ
64,66は、SA-152,SA-254を介してマスタ
シリンダ32の第1液圧室34に連通する。一方、左右
後輪のホイルシリンダ102,108は、保持弁86,
92およびSA-382を介してマスタシリンダ32の第
2液圧室36に連通する。
【0034】ACC制御は、ブレーキペダル12の踏み
込みが解除されている状況下で実行される。従って、A
CC制御の実行中は、マスタシリンダ圧PM/C が大気圧
に開放されている。このため、ACC制御の実行中に通
常状態が実現されると、全ての車輪のホイルシリンダ圧
W/C は、ほぼ大気圧に調圧される。ホイルシリンダ圧
W/C が大気圧に調圧される状況下では、各車輪に制動
力が発生しない。かかる状況下でスロットル開度が増大
されると、車両はスムーズに加速する。従って、本実施
例の車間制御装置によれば、上述の如く、全ての電磁弁
をオフ状態とし、かつ、スロットル開度が増大するよう
にスロットクアクチュエータ136を駆動することによ
り加速制御を実現することができる。
【0035】図1に示すシステム構成によれば、STR
48、SA-152、SA-254およびSA-382をオン
状態とし、かつ、ACC制御の実行中にスロットルバル
ブを全閉状態とすることで減速制御を実現することがで
きる。以下、図1に示すシステム構成において、STR
48、SA-152、SA-254およびSA-382をオン
状態とすることにより実現される状態を自動制動状態と
称す。
【0036】自動制動状態によれば、第3液圧通路50
にアキュムレータ圧PACC を導くことができる。この場
合、ブレーキペダル12が踏み込まれていなくても、第
3液圧通路50に高圧の制動液圧が発生する。また、自
動制動状態によれば、左右前輪のホイルシリンダ64,
66を、第1液圧通路44から遮断して連通路56,5
8に導通させることができる。従って、自動制動状態に
よれば、左右前輪のホイルシリンダ圧PW/C をアキュム
レータ圧PACC を液圧源として増圧することができる。
【0037】かかる状況下でスロットルバルブが全閉状
態とされると、車両はスムーズに減速する。従って、本
実施例の車間制御装置によれば、上述の如く、STR4
8、SA-152、SA-254およびSA-382をオン状
態とし、かつ、スロットルバルブを全閉状態とすること
で減速制御を実現することができる。図2は、上述した
減速制御を実現すべくECU10が実行する制御ルーチ
ンの一例のフローチャートを示す。図2に示すルーチン
は、所定時間毎に起動される定時割り込みルーチンであ
る。図2に示すルーチンが起動されると、先ずステップ
150の処理が実行される。
【0038】ステップ150では、ACCスイッチ12
2がオン状態であるか否かが判別される。その結果、A
CCスイッチ122がオン状態でないと判別される場合
は、以後、何ら処理が進められることなく今回のルーチ
ンが終了される。一方、ACCスイッチ122がオン状
態であると判別された場合は、次にステップ152の処
理が実行される。
【0039】ステップ152では、レーダ118の出力
信号に基づいて先行車との車間距離Xが計測される。ス
テップ154では、目標車間距離X* が読み込まれる。
ACC制御の実行中に車間距離Xの目標値とされる値で
ある。目標車間距離X* は、運転者が通常確保する車間
距離Xd(以下、通常車間距離Xdと称す)に所定値X
aを加えることにより演算される。尚、目標車間距離X
* の演算手法については、後に詳細に説明する。
【0040】ステップ156では、車間距離Xが目標車
間距離Xdに比して小さいか否かが判別される。その結
果、Xt0<X* が成立しないと判別される場合は、先行
車との間に適正な車間距離が確保されていると判断でき
る。この場合、以後、何ら処理が進められることなく今
回のルーチンが終了される。一方、Xt0<X* が成立す
ると判別される場合は、先行車との間に適正な車間距離
が確保されていないと判断できる。この場合、次にステ
ップ158の処理が実行される。
【0041】ステップ158では、上述した減圧制御が
実行される。本ステップ158の処理が実行されると、
各車輪に制動力が発生し、車両において適当な減速度を
発生させることができう。本ステップ158の処理が終
了すると、今回のルーチンが終了される。上記の処理に
よれば、先行車との車間距離Xが目標車間距離Xdに比
して短くなった後、速やかに車両を減速させることがで
きる。ACC制御は、通常先行車と自車とに大きな相対
速度が生じていない状況下で行われる。このため、上記
の処理により車両が減速されると、その後、車間距離X
は目標車間距離X* に向かって伸長し始める。従って、
上記の処理によれば、ACC制御の実行中に、車間距離
Xを目標車間距離X* の近傍に維持することができる。
【0042】図3は、先行車160から目標車間距離X
* だけ離間した位置を車両162が走行している状態を
示す。図3中に示すXdは、車両162の運転者の通常
車間距離Xdである。車両162の運転者は、先行車1
60との車間距離Xが通常車間距離Xdに比して短くな
ると制動操作を行おうとする。従って、ACC制御によ
って運転者の減速操作を有効に代行させて、ACC制御
の利便性を高めるためには、ACC制御の実行中に、通
常車間距離Xdに比して短い車間距離Xを頻繁に発生さ
せないことが必要である。
【0043】本実施例において、目標車間距離X* は、
上述の如く、通常車間距離Xdに所定値Xaを加算する
ことで演算される。所定値Xaは、先行車160が定常
走行中であり、かつ、車両162がACC制御中である
場合に、先行車160と車両162との間に発生する相
対速度RVの最大値を、上述した減速制御によって消滅
させるのに必要な距離である。本実施例の車間制御装置
は、目標車間距離X*を、通常車間距離Xdに上記の所
定値Xaを加算した値に設定する点に第1の特徴を有し
ている。
【0044】ところで、運転者の通常車間距離Xdは、
例えば走行中の道路が一般道であるか、或いは、高速道
であるかに応じて変化する。また、先行車160との相
対速度RVを消滅させるために必要な距離Xaは、例え
ば車両162の積載状態が変化することにより伸縮す
る。従って、車両の走行環境に関わらず、常に優れた利
便性を確保するためには、通常車間距離Xdおよび所定
値Xaが、車両の走行環境に応じて適宜設定されること
が望ましい。
【0045】本実施例の車間制御装置は、通常車間距離
Xdを走行環境に応じて複数記憶し、ACC制御の実行
中にそれら複数の記憶値から最適な通常車間距離Xdを
選択して用いる点に第2の特徴を有している。また、本
実施例の車間制御装置は、ACC制御の実行中に、走行
環境に応じて適正な所定値Xaを演算する点に第3の特
徴を有している。以下、図4乃至図7を参照して、上述
した第1乃至第3の特徴部について詳細に説明する。
【0046】図4は、走行環境に応じた複数の通常車間
距離Xdを学習するためにECU10が実行する制御ル
ーチンのフローチャートを示す。図4に示すルーチン
は、その処理が終了する毎に繰り返し起動されるルーチ
ンである。図4に示すルーチンが起動されると、先ずス
テップ170の処理が実行される。ステップ170で
は、ACCスイッチ122がオフ状態であるか否かが判
別される。その結果、ACCスイッチ122がオフ状態
でないと判別される場合は、以後、何ら処理が進められ
ることなく今回のルーチンが終了される。一方、ACC
スイッチ122がオフ状態であると判別される場合は、
次にステップ172の処理が実行される。上記の処理に
よれば、ACC制御の非実行中に限りステップ172以
降の実行が許容される。
【0047】ステップ172では、初期設定が行われ
る。本ステップ172では、具体的には、繰り返し番号
nを“0”にリセットする処理が実行される。ステップ
174では、車速SPD、時刻、ワイパスイッチ
140の状態、気温、および、ナビゲーション情報
が読み込まれる。ECU10は、時刻に基づいて、現
在の時間帯が昼間であるか夜間であるかを判別し、ワ
イパースイッチ140の状態に基づいて降雨または降雪
中であるか否かを判別する。そして、ECU10は、
気温に基づいて降雨と降雪とを区別し、更に、ナビゲ
ーション情報に基づいて、走行路の種類(一般道または
高速道)や曲率を検出する。ECU10は、上記の処理
を実行することで車両の走行環境を認識する。
【0048】ステップ176では、先行車との車間距離
Xが計測されると共に、その計測値が繰り返し番号
“0”に対応する車間距離Xt0として記憶される。ステ
ップ178では、上記の如く記憶された車間距離Xt0
が、XMIN ≦Xt0≦XMAX を満たすか否かが判別され
る。車両の運転者は、先行車に追従して走行する際に
は、車間距離Xを通常車間距離Xdに一致させるべく、
車間距離Xが適当な範囲に収まるように加減速操作を行
う。本ステップ178で用いられるXMINおよびXMAX
は、それぞれ、その適当な範囲の下限値および上限値を
定める既定の定数である。
【0049】従って、上記ステップ178でXMIN ≦X
t0≦XMAX が成立しないと判別される場合は、車両が先
行車に追従して走行していないと判断できる。この場
合、上記ステップ178に次いで再び上記ステップ17
2の処理が実行される。一方、上記ステップ178でX
MIN ≦Xt0≦XMAX が成立すると判別される場合は、車
両が先行車に追従して走行している、すなわち、運転者
が車間距離Xを通常車間距離Xdに一致させるべく加減
速操作を行っていると判断できる。この場合、上記ステ
ップ178に次いでステップ180の処理が実行され
る。
【0050】ステップ180では、繰り返し番号nがイ
ンクリメントされる。ステップ182では、先行車との
車間距離Xが計測されると共に、その計測値が繰り返し
番号nに対応する車間距離Xtnとして記憶される。ステ
ップ184では、繰り返し番号“0”に対応する車間距
離Xt0と、繰り返し番号nに対応する車間距離Xtnとの
偏差ΔX=|Xtn−Xt0|が演算される。
【0051】ステップ186では、上記ステップ184
で演算された偏差ΔXが所定値X0に比して小さいか否
かが判別される。その結果、ΔX<X0 が成立しないと
判別される場合は、繰り返し番号nに対する車間距離X
tnと、繰り返し番号“0”に対する車間距離Xt0とに大
きな変動が認められると判断できる。車間距離Xが大き
く変動する場合、車間距離Xは通常車間距離Xdから大
きく外れた値となり易い。従って、かかる状況下で計測
される車間距離Xは、通常車間距離Xdを更新するため
の基礎データとして用いるべきでない。このため、上記
ステップ186でΔX<X0 が成立しないと判別された
場合は、以後、再び上記ステップ172以降の処理が実
行される。一方、上記ステップ186でΔX<X0 が成
立すると判別された場合は、車間距離Xが安定して通常
車間距離Xdの近傍に維持されていると判断できる。こ
の場合、上記ステップ186に次いでステップ188の
処理が実行される。
【0052】ステップ188では、繰り返し番号nが所
定値n0 に達しているか否かが判別される。その結果、
n≧n0 が成立しないと判別される場合は、再び上記ス
テップ180以降の処理が実行される。本ステップ18
8の条件は、上記ステップ184の条件が連続してn0
回成立することにより成立する。従って、本ステップ1
88でn≧n0 が成立すると判別される場合は、繰り返
し番号nが“0”からn0 までインクリメントされる間
に、車間距離Xが極小さな範囲に安定していたと判断で
きる。
【0053】車間距離Xが上記の如く安定している場合
は、その車間距離Xが通常車間距離Xdに近似した値で
あると判断できる。このため、上記ステップ188でn
≧n 0 が成立すると判別される場合は、繰り返し番号
“0”〜n0 に対応する車間距離Xti(i=1〜n0
が、通常車間距離Xdに近似していると判断できる。上
記ステップ188でかかる判別がなされると、次にステ
ップ190の処理が実行される。
【0054】ステップ190では、繰り返し番号“0”
に対する車間距離Xt0を用いて、現在の走行環境に対応
する通常車間距離Xd*** が更新される。図5は、EC
U10に記憶される通常車間距離Xdのマップを示す。
ECU10は、上記ステップ174で読み込んだデータ
に基づいて現在の走行環境を以下に示す5つの項目で特
定する。
【0055】 (i) 道路の種類(一般道または高速道) (ii) 時間帯(昼間または夜間) (iii) 天候(晴れ、雨、または、雪) (iv) 車両の挙動(直進中または旋回中) (V) 車速SPD ECU10は、上記ステップ190の処理に先立って現
在の走行環境を特定し、その走行環境に対応する通常車
間距離Xdを図5に示すマップ中で特定する。例えば、
走行路が一般道であり、時間帯が昼間であり、天候が晴
れであり、車両が直進中であり、かつ、車速SPDが8
5km/hである場合は、Xd851 が通常車間距離Xd***
として特定される。
【0056】そして、ECU10は、上記ステップ19
0で、その通常車間距離Xd*** と繰り返し番号“0”
に対する車間距離Xt0との平均値(Xd*** +Xt0)/
2を、新たな通常車間距離Xd*** とする処理が実行さ
れる。車間距離Xt0は、上述の如く、その時点における
通常車間距離Xdと近似する値である。従って、上記ス
テップ190の処理によれば、現在の走行環境に対する
通常車間距離Xd***を適正に更新することができる。
上記ステップ190の処理が終了すると、今回のルーチ
ンが終了される。
【0057】図6は、目標車間距離X* を演算すべくE
CU10が実行する制御ルーチンの一例のフローチャー
トを示す。図6に示すルーチンは、所定時間毎に起動さ
れる定時割り込みルーチンである。図6に示すルーチン
が起動されると、先ずステップ192の処理が実行され
る。ステップ192では、ACCスイッチ122がオン
状態であるか否かが判別される。その結果、ACCスイ
ッチ122がオン状態でないと判別される場合は、以
後、何ら処理が進められることなく今回のルーチンが終
了される。一方、ACCスイッチ122がオン状態であ
ると判別される場合は、次にステップ194の処理が実
行される。
【0058】ステップ194では、車速SPD、時刻、
ワイパスイッチ140の状態、気温、および、ナビゲー
ション情報の読み込みが行われる。ECU10は、本ス
テップ194で読み込んだデータに基づいて、上述した
(i) 〜 (V)の項目により車両の走行環境を特定する。ス
テップ196では、通常車間距離Xdの演算が行われ
る。本ステップ196では、具体的には、上記図5に示
すマップ中に、上記ステップ194で特定された走行環
境に対応する通常車間距離Xd*** として記憶されてい
る値が、通常車間距離Xdとして設定される。
【0059】ステップ198では、所定値Xaの演算が
行われる。図7は、所定値Xaを演算するためにECU
10が実行するサブルーチンのフローチャートを示す。
図7に示すルーチンは、上記ステップ198の実行が要
求される毎に起動される。図7に示すルーチンが起動さ
れると、先ずステップ200の処理が実行される。
【0060】ステップ200では、運転者の覚醒状態が
検出される。本実施例の車間制御装置は、急制動の実行
を運転者に委ねる装置である。運転者が非覚醒状態であ
る場合は、急制動を要求する状況が生じた後、現実に急
制動操作が実行されるまでに長い遅延が生じ易い。従っ
て、ACC制御の実行中に運転者が非覚醒状態であると
認識された場合は、目標車間距離X* を長めに確保する
ことが好ましい。
【0061】ステップ202では、第1補正係数αが演
算される。第1補正係数αは、運転者の覚醒状態を目標
車間距離X* に反映させるための補正係数である。本ス
テップ202において、第1補正係数αは、運転者の覚
醒度が高低いほど大きな値に設定される。ステップ20
4では、車両の積載量が検出される。車両が先行車に接
近している場合に、両者間の相対速度RVを消滅させる
ためには、車両の積載量が多量であるほど長時間にわた
って減速制御を実行する必要がある。従って、本実施例
においては、車両の積載量が多量であるほど所定値Xa
を長く確保することが適切である。
【0062】ステップ206では、走行中の道路のコー
ナRが検出される。車両の運転者は、走行中のコーナR
が小さいほど先行車を見失い易い。運転者が先行車を見
失い易い状況下では長い車間距離Xを確保しておくこと
が適切である。従って、本実施例においては、コーナR
が長いほど所定値Xaを長く確保することが適切であ
る。
【0063】ところで、レーダ118の能力によって
は、コーナRが小さいほど、レーダ118が先行車を見
逃し易くなる場合がある。このような状況下で、レーダ
118が先行車を見失う頻度を下げるためには、コーナ
Rが小さいほど車間距離Xを狭めることが適切である。
従って、本実施例の車間制御装置において、レーダ11
8の捕獲性を優先する場合は、コーナRが小さいほど車
間距離Xを短縮することも有効である。
【0064】ステップ208では、隣接車線を走行中の
車両の数が検出される。隣接車線に多数の車両が存在す
る場合は、それらの車両の一部が自車線内にレーン変更
してくる可能性を考慮する必要がある。隣接車線を走行
中の車両が自車と先行車との間にレーン変更してくる
と、先行車(レーン変更車両)と自車との車間距離Xが
急激に短くなることがある。従って、本実施例の車間制
御装置においては、隣接車線を多数の車両が走行してい
るほど、車間距離Xを長く確保することが適切である。
【0065】ステップ210では、運転者のアイポイン
ト高(視線高)が読み込まれる。ECU10は、車両に
対応するアイポイント高が記憶されている。本ステップ
210では、具体的には、その記憶値を読みだす処理が
実行される。車両の運転者は、アイポイントが高いほど
車間距離Xの変化を敏感に感知する。従って、ACC制
御の実行中に確保すべき目標車間距離X* は、アイポイ
ントが高いほど短く設定されることが適切である。
【0066】ステップ212では、車両のタイプが読み
込まれる。ECU10には、本実施例の車間制御装置を
搭載する車両のタイプ(ワンボックス、乗用車、ピック
アップトラック等)が記憶されている。ワンボックス車
のように運転者が車両の前端近傍に着座する車両におい
ては、ボンネットの存在する車両に比して車間距離Xの
変化を敏感に感知し易い。このように、車間距離Xの変
化の認識し易さは、車両の形式に応じて変化する。従っ
て、ACC制御の実行中に確保すべき目標車間距離X*
は、車間距離Xの変化を敏感に感知し易い車両ほど、短
く設定することが適切である。
【0067】ステップ214では、第2補正係数βが演
算される。第2補正係数βは、上述した種々の因子の影
響を所定値Xaに反映させるための補正係数である。本
実施例において、第2補正係数βは、車両の積載量が
多量であるほど大きく、走行路のコーナRが小さいほ
ど大きく、隣接車線上に多量の車両が存在するほど大
きく、アイポイント高が低いほど大きく、かつ、車
両のタイプが車間距離Xの変化を検知し難いタイプであ
るほど大きく設定される。
【0068】ステップ216では、上記ステップ196
で演算された通常車間距離Xd、すなわち、現在の走行
環境に対応した通常車間距離Xdが読み込まれる。ステ
ップ218では、次式に従って所定値Xaが演算され
る。尚、次式に示す“k”は定数である。 Xa=k+α・Xd+β ・・・(1) 上記ステップ218の処理が終了すると、今回のルーチ
ンが終了される。上記(1)式によれば、通常車間距離
Xdが長いほど所定値Xaを大きな値とすることができ
ると共に、種々の状況に応じて適切に所定値Xaを伸縮
させることができる。尚、定数k、第1補正係数αおよ
び第2補正係数βは、所定値Xaが、定常走行中の先行
車とACC制御中の車両との間に発生する最大の相対速
度RVを消滅させるのに必要な距離となるように設定さ
れている。
【0069】上記図7に示すルーチンが終了すると、次
に、図6に示すステップ220の処理が実行される。ス
テップ220では、上記ステップ196で演算された通
常車間距離Xd、および、上記ステップ198で演算さ
れた所定値Xaを次式に代入することにより目標車間距
離X* が演算される。
【0070】 X* =Xd+Xa ・・・(2) 上記ステップ220の処理が終了すると、今回のルーチ
ンが終了される。上記(2)式によれば、現在の走行環
境に応じた通常車間距離Xdに、現在の走行環境下で先
行車との相対速度RVを消滅させるのに必要な距離Xa
を加算した値を目標車間距離X* とすることができる。
上記の目標車間距離X* によれば、先行車が定常走行を
継続する限り、ACC制御の実行中に先行車と自車との
車間距離Xが目標車間距離X* に比して短くなることが
ない。このため、本実施例の車間制御装置によれば、運
転者の減速操作を有効に代行し、優れた利便性を実現す
ることができる。
【0071】尚、上記の実施例においては、ACC制御
が前記請求項1記載の「車間制御」に相当していると共
に、ECU10が、上記ステップ170〜190の処理
を実行することにより前記請求項1および前記請求項2
記載の「通常車間記憶手段」が、上記ステップ192〜
198および200の処理を実行することで前記請求項
1および前記請求項2記載の「目標車間距離演算手段」
が、それぞれ実現されている。更に、上記の実施例にお
いては、ECU10が、上記ステップ200〜218の
処理を実行することにより前記請求項3記載の「所定値
演算手段」が実現されている。
【0072】ところで、上記の実施例においては、図5
に示すマップに記憶される通常車間距離Xd*** をAC
C制御の非実行中に学習することとしているが、本発明
はこれに限定されるものではなく、図5に示すマップに
予め基準の通常車間距離Xd *** を記憶させ、その記憶
値を更新することなく用いることとしてもよい。
【0073】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、車間制御の実行中に先行車との車間距離が頻繁に通
常車間距離に比して短くなるのを防止することができ
る。このため、本発明によれば、車間制御によって有効
に減速操作をアシストすることができる。
【0074】請求項2記載の発明および請求項3記載の
発明によれば、車両の運転環境が変化した場合に、目標
車間距離を、その運転環境に対する現実の通常車間距離
に比して適当に長い値に設定することができる。このた
め、本発明によれば、車両の運転環境の変化に関わら
ず、車間制御によって常に有効に減速操作をアシストす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である車間制御装置のシステ
ム構成図である。
【図2】本実施例の車間制御装置において減速制御を実
現すべく実行される制御ルーチンのフローチャートであ
る。
【図3】先行車から目標車間距離X* だけ離間した位置
を車両が走行している状態を示す図である。
【図4】本実施例の車間制御装置において走行環境に対
応する通常車間距離Xd*** を学習すべく実行される制
御ルーチンのフローチャートである。
【図5】本実施例の車間制御装置において走行環境に対
応する通常車間距離Xd*** が記憶されるマップの一例
である。
【図6】本実施例の車間制御装置において目標車間距離
* を演算すべく実行される制御ルーチンのフローチャ
ートである。
【図7】本実施例の車間制御装置において所定値Xaを
演算すべく実行される制御ルーチンのフローチャートで
ある。
【符号の説明】
10 電子制御ユニット(ECU) 16 ブレーキブースタ 32 マスタシリンダ 118 レーダ 122 ACCスイッチ 126 時計 128 気温センサ 130 覚醒度センサ 132 ナビゲーション装置 140 ワイパスイッチ 142 車高センサ 160 先行車 162 車両 X 車間距離 X* 目標車間距離 Xd 通常車間距離 Xd*** 走行環境に対応する通常車間距離 Xa 所定値

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先行車との車間距離が目標車間距離と一
    致するように車両を加減速させる車間制御を実行する車
    間制御装置において、 前記車間制御の非実行中に先行車との間に確保される車
    間距離を運転者の通常車間距離として記憶する通常車間
    記憶手段と、 前記通常車間距離に所定値を加算することで前記目標車
    間距離を演算する目標車間距離演算手段と、 を備えることを特徴とする車間制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車間制御装置において、 前記通常車間記憶手段が、運転環境に応じた複数の通常
    車間距離を記憶すると共に、 前記目標車間距離演算手段が、前記複数の通常車間距離
    のうち、前記車間制御時の運転環境に応じた通常車間距
    離に基づいて前記目標車間距離を演算することを特徴と
    する車間制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の車間制御装置において、 前記車間制御時の運転環境に応じて前記所定値を演算す
    る所定値演算手段を備えることを特徴とする車間制御装
    置。
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