JPH11105401A - 孔版印刷装置 - Google Patents

孔版印刷装置

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JPH11105401A
JPH11105401A JP9272948A JP27294897A JPH11105401A JP H11105401 A JPH11105401 A JP H11105401A JP 9272948 A JP9272948 A JP 9272948A JP 27294897 A JP27294897 A JP 27294897A JP H11105401 A JPH11105401 A JP H11105401A
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JP
Japan
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belt
electrostatic attraction
cleaning
paper
roller
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Application number
JP9272948A
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English (en)
Inventor
Mitsuru Takahashi
満 高橋
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Tohoku Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Tohoku Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静粛で安定した用紙の搬送性や印刷部への進
入性及び用紙の分離性を得られ、印刷位置ずれやインキ
汚れのない良質な印刷画像を得られる孔版印刷装置を提
供する。 【解決手段】 本発明にかかる孔版印刷装置は、外周面
3aに巻装された製版済みマスタ5にインキ供給装置4
0からインキ供給を受ける版胴3と、インキ供給装置4
0と対向する位置で版胴3に接離可能に設けたプレスロ
ーラ10とが対向する印刷部11を通過させて、用紙1
9を静電吸着して搬送する静電吸着ベルト14を、用紙
搬送方向aの上流側と下流側とに設けた給紙部6と排紙
部12との間に掛け渡して配置し、この静電吸着ベルト
14の近傍に、同ベルトを清掃するクリーニング装置1
8を配置している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、穿孔画像に応じた
画像を印刷する孔版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の孔版印刷装置は、版胴の外周面に
製版済みマスタを巻装し、この製版済みマスタにインキ
供給手段でインキを供給し、インキ供給手段と対向する
位置で版胴に対して押圧手段の一例であるプレスローラ
を圧接させて版胴とプレスローラとが対向する印刷部で
用紙の印刷を行い、印刷を終えた用紙を吸引ファンの吸
引作用が働く吸着搬送ベルトで吸着して排紙部まで搬送
している。吸着搬送ベルトの上方には、版胴にインキの
粘性で付着した用紙を剥離する分離爪や、分離爪の先端
から空気を吹き出して用紙と版胴との分離を促進するエ
アーナイフと称する分離装置が設けられている。
【0003】ところが、用紙の先端にベタ印刷があった
り印刷画像比率が大きいと、用紙と版胴とのインキによ
る付着力が大きくなって用紙が版胴から適切に剥離分離
されず、所謂用紙の巻き上がり現象が発生し、この巻き
上がりにより用紙の印刷面が分離爪に接触して印刷面に
爪跡汚れが生じてしまう。用紙と版胴との分離にエアー
ナイフを用いたり、用紙を吸引ファンの吸引作用が働く
吸着搬送ベルトで搬送すると、空気の吹き出し音や吸引
音が問題となって装置の静粛性が低下する。
【0004】このような問題点を解決するため、本願出
願人は、特開平9−24604号において、プレスロー
ラと版胴との間に形成される印刷部よりも用紙搬送方向
の下流側に帯電された静電吸着ベルトを配置し、この静
電吸着ベルトの静電吸着作用によって用紙を版胴から剥
離分離して搬送したり、あるいは、版胴と対向配置して
設けたローラと版胴よりも用紙搬送方向の下流側に設け
たローラとの間に静電吸着ベルトを巻きかけて静電吸着
ベルトと版胴との対向部を印刷部とした発明を提案して
いる。
【0005】多色印刷可能な孔版印刷装置の一例とし
て、特開平1−290489号公報には、用紙搬送方向
に向かって複数の版胴を並列配置し、それぞれの版胴に
異なる色のインキを供給し、各版胴に対してプレスロー
ラを吸着搬送ベルトに圧接させて版胴と吸着搬送ベルト
との間で用紙を挟持して印刷を行い、上流側の版胴で印
刷を終えた用紙を吸引用ファンによる吸引力により吸着
搬送ベルトに吸着させて下流側の版胴に対して搬送する
発明が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような孔版印刷装
置では、プレスローラは、版胴や給紙タイミングと同期
して接離動作が行われるので、給紙部からの用紙の不送
りや給紙された用紙が印刷部の手前で詰まった場合でも
接離動作してしまう。この結果、静電吸着ベルトが版胴
の外周面に接触してインキが静電吸着ベルトに付着し、
ベルト汚れや次に給紙される用紙の裏汚れの原因とな
る。
【0007】静電吸着ベルトには、装置の使用に伴い用
紙の紙粉や埃、あるいは静電吸着ベルトに付着して乾燥
したインキの塊等の異物が付着または静電的に吸着され
てしまう。このような異物が付着したままの状態である
と、静電吸着ベルトの帯電や除電が上手く行われず、静
電吸着力の不足による用紙の搬送性の低下や除電不足に
よる分離性の低下、あるいは印刷時に、静電吸着ベルト
に付着した異物の形状が用紙の印刷面に浮き出て良好な
印刷画像を得られない場合がある。
【0008】静電吸着ベルトで用紙を版胴から分離して
静電吸着搬送する孔版印刷装置では、静電吸着ベルトが
版胴と対向するローラとそれよりも下流側のローラとに
巻きかけられているので、印刷部よりも用紙搬送方向の
上流側まで静電吸着ベルトによる搬送面が届かず、給紙
された用紙の印刷部への搬送性や進入性にバラツキがあ
り、用紙に対する印刷位置が不安定となる。また、用紙
の種類や用紙に印刷される画像が用紙の先端側にベタ印
刷されたり印刷画像比率の大きい場合、あるいは装置の
環境温度の変化によるインキの粘性変化等により、用紙
が版胴から適切に剥離分離されず用紙の巻き上がり現象
が発生してしまう。このような巻き上がり現象が、複数
の版胴を有する孔版印刷装置の上流側の版胴で発生する
と、下流側の版胴への用紙の搬送タイミングのずれとな
り、下流側の版胴の印刷部から用紙への印刷タイミング
のバラツキとなって、印刷画像ずれや画像ダブリ印刷等
の用紙に対する印刷位置が不安定となる。吸引用ファン
による吸引力を大きくすれば、用紙の巻き上がりをある
程度抑えることは可能であると思われるが、これだと空
気の吸引音が大きくなって静粛性の面で不利となる。
【0009】本発明は、このような問題点を鑑み、静粛
で安定した用紙の搬送性や印刷部への進入性及び用紙と
版胴との分離性が得られて、印刷位置ずれや裏汚れのな
い良質な印刷画像を得られる孔版印刷装置を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1記載の
発明は、外周面に製版済みマスタを巻装する版胴と、版
胴に巻装された製版済みマスタにインキを供給するイン
キ供給手段と、インキ供給手段に対向する位置で上記版
胴に対して接離可能に設けられた押圧手段とを有し、版
胴と上記押圧手段とが対向する印刷部で用紙に印刷を行
う孔版印刷装置において、印刷部よりも用紙搬送方向の
上流側に設けられた給紙部と印刷部よりも用紙搬送方向
の下流側に設けられた排紙部との間に印刷部を通過して
掛け渡し、給紙部から給紙される用紙を静電吸着して搬
送する静電吸着ベルトを有する静電ベルト搬送装置と、
上記静電吸着ベルトの外周面を清掃するクリーニング装
置とを有するので、給紙部から給紙される用紙が、印刷
部よりも用紙搬送方向の上流側から搬送方向下流側まで
静電吸着ベルトに静電吸着されて搬送される。
【0011】これにより、印刷部に到達するまでに用紙
と静電吸着ベルトとの吸着が十分に行われ、印刷部に対
する用紙の搬送性が安定するとともに、印刷部に対する
用紙の位置が安定して進入性が良くなる。印刷部を通過
した用紙は、静電吸着ベルトの静電吸着力により同ベル
トに吸着されて排紙部に向かって搬送される。静電吸着
ベルトの外周面に付着した汚れは、クリーニング装置に
よって静電吸着ベルトから取り除かれる。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載の孔
版印刷装置において、クリーニング装置が、静電吸着ベ
ルトの外周面に付着したインキ汚れを取り除くためのイ
ンキクリーニング装置からなるので、静電吸着ベルトの
外周面のインキ汚れがインキクリーニング装置で取り除
かれ、用紙の裏汚れがなくなる。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1記載の孔
版印刷装置において、クリーニング装置が、静電吸着ベ
ルトの外周面に付着した異物を取り除くためのクリーニ
ング部材を有する異物クリーニング装置からなるので、
静電吸着ベルトの外周面の異物がクリーニング部材で取
れ除かれて、静電吸着ベルトの帯電性や除電性が向上
し、紙粉や埃やインキの塊り等の異物の形状が用紙の印
刷面に浮きでなくなる。
【0014】請求項4記載の発明は、請求項1記載の孔
版印刷装置において、クリーニング装置が、静電吸着ベ
ルトの外周面に付着したインキと異物とをそれぞれ取り
除くためのインキクリーニング装置と異物クリーニング
装置とからなるので、静電吸着ベルトの外周面のインキ
汚れや異物がそれぞれ各クリーニング装置で取り除か
れ、用紙の裏汚れ、紙粉や埃やインキの塊り等の異物の
形状が用紙の印刷面に浮きでなくなると共に、静電吸着
ベルトの帯電性や除電性が良くなる。
【0015】請求項5記載の発明は、請求項2または4
記載の孔版印刷装置において、インキクリーニング装置
が、静電吸着ベルトに接離可能な帯状のクリーニング部
材と、この帯状のクリーニング部材を移動させる移動手
段とを有するので、静電吸着ベルトの外周面に対して常
に同一箇所でない帯状のクリーニング部材が供給される
ことになる。
【0016】請求項6記載の発明は、請求項5記載の孔
版印刷装置において、帯状のクリーニング部材の移動方
向に配置され、このクリーニング部材の状態を検知する
クリーニング部材検知手段を有するので、移動方向に移
動するクリーニング部材の状態がクリーニング部材検知
手段によって検知される。
【0017】請求項7記載の発明は、請求項1乃至6の
何れか1つに記載の孔版印刷装置において、クリーニン
グ指令手段と、このクリーニング指令手段からの指令に
基づきクリーニング装置を動作して静電吸着ベルトに対
してクリーニング動作を実行する制御手段とを有するの
で、クリーニング動作がクリーニング指令手段によって
指令された時だけ行われる。
【0018】請求項8記載の発明は、請求項7記載の孔
版印刷装置において、上記制御手段は、上記クリーニン
グ指令手段からの指令により、上記静電吸着ベルトに対
して少なくとも上記帯状のクリーニング部材を接触させ
てクリーニング動作を実行するように構成されているの
で、帯状のクリーニング部材が、クリーニング指令手段
によって指示された時だけ静電吸着ベルトに接触し、非
クリーニング動作時における静電吸着ベルトにかかる搬
送負荷が軽減される。
【0019】請求項9記載の発明は、請求項1乃至8の
何れか1つに記載の孔版印刷装置において、クリーニン
グ装置の駆動源と静電ベルト搬送装置の駆動源とを共通
とし、この駆動源とクリーニング装置とを断続する駆動
断続手段を有するので、駆動源の設置スペースが小スペ
ースとなり、クリーニング装置の駆動が駆動断続手段に
よって静電ベルト搬送装置と個別に断続可能となる。
【0020】請求項10記載の発明は、請求項1乃至9
の何れか1つに記載の孔版印刷装置において、静電吸着
ベルトが正逆両方向に移動可能に設けられているので、
各クリーニング部材に対する静電吸着ベルトの移動方向
が変換し、クリーニングの偏りやムラが低減される。
【0021】請求項11記載の発明は、請求項1乃至1
0記載の孔版印刷装置において、クリーニング装置によ
るクリーニング動作を少なくとも孔版印刷装置の始動時
に実行する制御手段を有するので、静電吸着ベルトの外
周面の汚れが孔版印刷装置の始動時にクリーニング装置
によって取り除かれる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明にかかる孔版印刷装置は、
外周面に製版済みマスタを巻装され、この巻装された製
版済みマスタにインキを供給するインキ供給手段を備え
た版胴に対して、インキ供給手段に対向する位置で押圧
手段を接離可能に設け、この版胴と押圧手段とが対向す
る印刷部で用紙に印刷を行うものである。この孔版印刷
装置では、印刷部よりも用紙搬送方向の上流側に設けた
給紙部と印刷部よりも用紙搬送方向の下流側に設けた排
紙部との間に印刷部を通過させて掛け渡し、給紙部から
給紙される用紙を静電吸着して搬送する静電ベルト搬送
装置と、この装置の静電吸着ベルトの外周面を清掃する
クリーニング装置とを備えたことを基本構成としてい
る。
【0023】静電吸着ベルトを、印刷部を境に給紙部と
排紙部との間に印刷部を通過させて掛け渡すと、静電吸
着ベルトにより給紙部から印刷部を経て排紙部に到る用
紙の搬送経路が形成される。これは、給紙部から給紙さ
れる用紙を印刷部に到達するまでに静電吸着ベルトへ十
分に静電吸着させることができ、印刷部に対する用紙の
搬送性や進入性が安定するので好ましい。用紙が用紙搬
送方向に向かって搬送されると、静電吸着ベルトと用紙
の吸着面がその搬送に伴い拡大するので、用紙と静電吸
着ベルトとの静電吸着力が大きくなり、印刷部における
用紙と版胴との分離性が良くなるので好ましい。
【0024】静電吸着ベルトとしては、絶縁体と中抵抗
の2種類がある。絶縁体の静電吸着ベルトは、体積抵抗
が1013Ωcm以上、厚さ10〜500μmで、材質は
ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステ
ル、ポリアセタール、ポリプロピレン、塩化ビニル、ス
チロール、ウレタン、ポリエチレン、ポリカーボネイ
ト、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂及び、これら
樹脂の表面にアルミニウム、銅、ニッケル、銀等の導電
性金属を蒸着させるか、もしくは接着材で接着させるこ
とにより形成したもの、または合成された種々のポリマ
ーアロイ等でも良い。絶縁体の静電吸着ベルトでは、電
圧の印加により+または−のどちらか一方の電荷が注入
されることにより誘電分極が起き、用紙と静電吸着ベル
トは、それぞれ+と−に帯電して吸着される。あるい
は、印加電圧の極性を変えて+、−の電荷の注入を交互
に行い、絶縁体の静電吸着ベルト上に+、−電荷の交互
する静電パターンを構成することにより不平等電界を構
成し、この電界中に絶縁体である用紙を近づけること
で、電場のエネルギーを減少させてこの時発生する吸着
する力で絶縁体の用紙を吸着するようにしても良い。
【0025】中抵抗の静電吸着ベルトは、体積抵抗が1
7〜1012Ωcm、厚さ10〜500μmで、材質は
クロロプレンゴムまたはエチレンプロピレンゴム(EP
DM)等の弾性体にフッ素(ポリフッ化ビニリデン)コ
ーティング等を施したものが挙げられる。
【0026】フッ素(ポリフッ化ビニリデン)コーティ
ングを施す理由としては、摩擦係数μが低下するので、
クリーニング装置のクリーニング部材を当接させた場合
の駆動負荷トルクや、クリーニング装置のめくれ等を防
止するのに効果がある。もう1つの理由は、静電吸着ベ
ルトの表面が弾性体よりも高抵抗となるので、高温高湿
時に静電吸着ベルトや用紙の低抵抗化が進んで静電吸着
ベルト上の電荷が用紙へ移動して抵抗値変化の少ない版
胴の外周面上の製版済みマスタと用紙との間での吸着力
の発生を抑え用紙の版胴への巻き付きや版胴からの分離
不良を防止するためである。
【0027】静電吸着ベルトは、継目のあるベルトでも
良いが、これだと印刷中にこの継目が印刷部を通過した
時に、用紙へ印刷される画像に継目の跡が発生すること
があるので、継目のないシームレスベルトを用いる方が
継目の跡のない印刷を行えるので好ましい。
【0028】製版済みマスタを巻装する版胴は、1つで
も良いし複数であっても良い。版胴を複数設ける場合に
は、給紙部と排紙部の間に各版胴を用紙搬送方向に沿っ
て直列に配置し、各版胴に異なる色のインキを供給する
と多色印刷が可能となる。
【0029】静電吸着ベルトを帯電するための帯電装置
の帯電方式としては、コロトロン方式やスコロトロン方
式に代表される放電部材に放電ワイヤを用いてコロナ放
電を行う帯電器を用いる非接触式や、ローラ帯電方式や
導電性ブラシ方式などの放電部材にローラやブラシを用
いた接触式がある。これら各方式の帯電装置は、印刷部
よりも給紙部側に設けて静電吸着ベルトを帯電させる
と、給紙部から給紙された用紙を印刷部に到達する前に
十分に静電吸着ベルトに静電吸着することができるので
好ましい。
【0030】印刷を終えた用紙を静電吸着ベルトから分
離させるには、印刷部よりも排紙部側に、印刷後の用紙
と静電吸着ベルトとの帯電(電荷)を除去する除電分離
装置を設けると良い。除電分離装置としては、帯電装置
で説明した高圧電源から電荷供給を受けてコロナ放電を
起こす非接触式のものや、帯電ローラを用いる接触式を
用いても良いが、非接触式のものの方が用紙の印刷面と
の接触がなく印刷画像の擦れがないので好ましい。除電
分離装置からは、帯電装置で帯電された静電吸着ベルト
上の帯電(電荷)を中和する電荷が放電するように構成
する。
【0031】クリーニング装置には、静電吸着ベルトの
外周面に付着したインキ汚れを取り除くためのインキク
リーニング装置や、同ベルトの外周面に付着した紙粉や
埃や乾燥したインキの塊を取り除くための異物クリーニ
ング装置があり、これらをそれぞれ個別に設けたり、あ
るいは双方のクリーニング装置を併設しても良い。
【0032】クリーニング装置としては、静電吸着ベル
トの外周面に帯状のクリーニング部材を接触させて、そ
の汚れを拭き取るウェブ方式や、細い繊維を植えたブラ
シローラを高速で回転させて静電吸着ベルトの外周面に
接触させ、摩擦帯電する繊維の先端で静電吸着ベルトの
汚れを掻き落としたり静電的に吸着して取り除くファー
ブラシ方式や、弾性を有するブレードを静電吸着ベルト
の外周面に圧接させて同ベルト上の異物を掻き落とすブ
レード方式が挙げられる。
【0033】これらの中で、インキクリーニング装置と
して適当なものにはウェブ方式が挙げられ、異物クリー
ニング装置として適当なものにはファーブラシ方式やブ
レード方式が挙げられる。
【0034】インキクリーニング装置(ウェブ方式)
は、静電吸着ベルトに接離可能な帯状のクリーニング部
材を移動手段で移動させながら静電吸着ベルトに接触さ
せると、常に同一箇所でないクリーニング部材が静電吸
着ベルトに接触するので好ましい。また、このクリーニ
ング部材の破損や有無、あるいは使用頻度等の状態を検
知するクリーニング部材検知手段をクリーニング部材の
移動方向に配置すると、クリーニング部材が切れた場合
や、無くなった場合等のクリーニング部材の状態を検知
することができる。帯状のクリーニング部材は、綿等を
織った布材をロール状に巻いた状態として移動手段の一
例をなす巻取りリールで巻取りながら使用したり、ある
いは無端状として複数のローラに掛け渡して移動させて
も良い。帯状のクリーニング部材としては、綿の他に、
絹、麻、和紙や、ナイロン、ビニロン、レーヨンなどの
化学繊維等のインキの吸水性に優れた材質が好ましい。
【0035】ロール状に巻いたクリーニング部材の交換
は、ロール状に巻いたクリーニング部材側を単独で交換
しても良いし、あるいは、巻取りリールとロール状のク
リーニング部材とを1ユニット化して、双方を一緒に交
換できるようにすると、ロール状のクリーニング部材の
先端を巻取りリールにセットする動作をしなくて済むの
で、作業性が良くなり好ましい。
【0036】ファーブラシ方式に採用されるブラシロー
ラとしては、カーボン繊維やカーボン樹脂繊維やヤシの
実等の天然繊維、ナイロン、ビニロン、レーヨン等の化
学繊維をローラ部材に植設したものが挙げられる。ブラ
シを摩擦帯電させないのであれば天然繊維を植設し、ブ
ラシを摩擦帯電させるのであればカーボン繊維やカーボ
ン樹脂繊維あるいは化学繊維を用いると良い。ローラ部
材を導電性部材で構成して接地して配置すると、静電吸
着ベルトの外周面を除電できるようになり、より一層静
電的に吸着している紙粉や埃等を取り除き易くなる。ブ
ラシローラの固さは、静電吸着ベルトとの接触時に同ベ
ルトにキズをつけない固さが大変好ましい。また、静電
吸着ベルトの外周面には、クリーニング部材との接触抵
抗や傷、及びブレードのめくれ上がりを防止するため
に、低摩擦係数の材料でコーティングを施すと良い。
【0037】ブレード方式に採用されるブレードの材質
としては、ナイロン等の樹脂で弾力を有するものが適当
であり、このような材質からなるブレードを静電吸着ベ
ルトの外周面に単独で接触させて設けたり、あるいは、
静電吸着ベルトを介して対向する部位に対向ローラを設
け、この対向ローラとブレードとで静電吸着ベルトを挟
持するようにして設けても良い。
【0038】ファーブラシ方式やブレード方式を異物ク
リーニング装置に用いる場合、掻き取った異物を収納す
るトレイ等の収容部をその下方に配置すると、取り除い
た異物の飛散を防止できるので好ましい。
【0039】クリーニング部材は、静電吸着ベルトの外
周面に接触させるだけでも良いが、よりクリーニング性
能を向上させるためには、静電吸着ベルトの外周面に圧
接させるのが好ましい。
【0040】クリーニング装置の駆動源と静電ベルト搬
送装置の駆動源とは、個別に設けて双方の装置をそれぞ
れ独立して駆動できるようにしても良いが、部品点数の
削減や配置スペースを小さくすることを考慮すると、両
者の駆動源を共通にするのが好ましい。但し、両者の駆
動源を共通にすると、クリーニング装置と静電ベルト搬
送装置とを個別に駆動することができないので、クリー
ニング装置と共通の駆動源との間に、共通の駆動源から
の駆動力を断続する駆動断続手段を設けると良い。この
駆動断続手段としては、周知の電磁クラッチやトルクリ
ミッタ等が挙げられる。
【0041】静電ベルト搬送装置の駆動源には、一方向
だけに静電吸着ベルトを移動させる電動モータを用いて
も良いが、一方向にだけ静電吸着ベルトを移動させる
と、クリーニング部材と接触する角度や向きが一方向に
限定されてしまい、静電吸着ベルトの継目や傷の角度の
偏りによって十分にクリーニング部材で汚れを取り除く
ことができないことがある。したがって、よりクリーニ
ング性能を向上させるためには、静電吸着ベルトを正逆
両方向に移動可能に設けるべく、その駆動源に正逆両方
向に回転する電動モータを用いると良い。あるいは、電
動モータが一方向にだけ回転するものであれば、その電
動モータと静電吸着ベルトとの間に駆動力反転機構を有
する駆動機構を設けて、適宜静電吸着ベルトの回転方向
を切り替えるようにしても良い。
【0042】静電吸着ベルトには、孔版印刷装置を使用
することにより、また、用紙のジャムや用紙の不給紙等
により版胴からのインキが付着するので、クリーニング
動作をマニュアル操作で実行しようとすると、クリーニ
ング動作を忘れてしまうことがある。したがって、制御
手段を用いて少なくとも孔版印刷装置の始動時にクリー
ニング動作を自動的に実行するようにするとクリーニン
グ忘れが防止され、確実に静電吸着ベルトのクリーニン
グを行える。孔版印刷装置の始動時だけではなく、用紙
のジャム発生時やジャム解除後にクリーニング動作を自
動的に実行させたり、装置の始動時とジャム時あるいは
ジャム解除後に制御手段でクリーニング動作をそれぞれ
自動的に実行させるようにしても良い。
【0043】クリーニング忘れを防止するには、常時ク
リーニング部材を静電吸着ベルトに接触もしくは圧接さ
せた状態で配置しても良いが、これだと静電吸着ベルト
の搬送負荷となるので、クリーニング装置を任意に動作
させるためのクリーニング指令手段の操作によって静電
吸着ベルトに対するクリーニング装置のクリーニング動
作を制御手段を用いて制御するようにしても良い。特に
クリーニング指令手段からの指令があるときだけ静電吸
着ベルトに対して帯状のクリーニング部材を接触させる
ように制御すると搬送負荷を低減できるので好ましい。
【0044】押圧手段としては、例えば、特開平9−1
04158号公報に記載の周知の圧胴や、天然ゴム、ク
ロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴ
ム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、シリコ
ンゴム等からなるプレスローラが挙げられる。プレスロ
ーラの硬度は、ゴム硬度20〜70度(JIS−A硬度
計による)の範囲のものが適当である。プレスローラの
形態としては、上述したゴム材を中実で用いたり、ある
いは発泡したものを用いても良い。
【0045】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して順次
詳細に説明するが、各実施例において、同一の機能およ
び構成を有するものには、同一符号、あるいは同一符号
の末尾に符号AまたはBを付加することで区別すること
とし、重複説明をできるだけ省略する。
【0046】(第1実施例)本発明が適用された製版、
印刷一体型のデジタル孔版印刷装置の基本的動作を説明
し、その後、各部の構成と作用について詳細に説明す
る。孔版印刷装置は、図3に示す操作部となる操作パネ
ル70に設けた製版スタートキー73が押されると、以
前に使用された使用済みマスタを図1に示す版胴3の外
周面3aから剥離する排版工程と、これと並行して製版
給版工程が行われる。
【0047】製版給版工程では、装置上部に設けた原稿
読み取り装置1で読み込まれる原稿画像に対応して製版
給版装置2でマスタを製版かつ版胴3に向かって給版
し、製版済みマスタ5の先端を版胴3の外周面3a上に
設けたクランパ4でクランプし、版胴3を時計回り方向
に回転駆動して版胴3の外周面3a上に巻装する。
【0048】孔版印刷装置は、給紙部6から給紙装置8
で給紙される用紙19を、帯電装置13で帯電される静
電ベルト搬送装置9の静電吸着ベルト14に静電吸着さ
せ、版胴3の外周面3aとこれに対して接離可能に設け
た押圧手段となるプレスローラ10とが対向する印刷部
11を通過させて排紙部12に向かって搬送する。孔版
印刷装置は、印刷部11において、静電吸着ベルト14
で搬送されてくる用紙19をプレスローラ10と版胴3
とで挟み、版胴3の内部からインキを製版済みマスタ5
の開孔からしみ出させて用紙19に転移して画像の印刷
を行う。孔版印刷装置は、この印刷された用紙19を静
電ベルト搬送装置9の静電吸着ベルト14で静電吸着し
たまま排紙部12に向かって搬送し、その途中で除電分
離装置15によって静電吸着を解除して静電吸着ベルト
14から用紙19を分離する。孔版印刷装置は、静電吸
着ベルト14から分離された用紙19を排紙部12を構
成する排紙装置16を用いて排紙トレイ17に排紙す
る。孔版印刷装置は、版胴3の外周面3aから使用済み
のマスタを排版手段29を用いて剥ぎ取る。
【0049】孔版印刷装置の各部の構成と動作について
説明する。原稿読み取り装置1は、図2に示すように、
装置の機体部の上部に配置され、コンタクトレンズ20
上に置かれた原稿21の画像面に形成された画像を読み
取るもので、いわゆる縮小光学系になっている。これ
は、光源22から原稿21へ照射された光を第1ミラー
23、第2ミラー24、第3ミラー25と順に反射させ
てレンズ26を通しCCD(電荷結合素子)27へ入光
して画像信号へと変換するものである。
【0050】製版給版装置2は、原稿読み取り装置1の
下方で機体部の一側部に配置されていて製版給版工程を
行う。すなわち、製版工程では、原稿読み取り装置1で
読まれた画像信号を、図示しない画像処理装置によって
デジタル処理し、その処理された画像信号を基にサーマ
ルヘッド32に直線上に並んだ図示しない複数の発熱素
子を選択的に発熱させる。サーマルヘッド32とこれと
対向配置されたプラテンローラ33との間には、ロール
状に巻回したマスタロール30からマスタ31が供給さ
れる。マスタ31は、和紙及び合成繊維を混抄した多孔
質支持体に非常に薄く、穿孔感度に優れたポリエステル
系の熱可塑性樹脂フィルムとを貼り合わせたラミネート
構造となっている。マスタ31は、ポリエステル系の熱
可塑性樹脂フィルムのみからなるものでも良い。
【0051】マスタ31は、プラテンローラ33でサー
マルヘッド32ヘ押圧され、選択的に熱溶融穿孔されて
画像情報が穿孔画像として書き込まれて製版される。プ
ラテンローラ33は、画像信号と同期して時計回り方向
に回転される。これによりマスタ31は、図の左方向へ
穿孔されながら搬送される。このマスタ31の先端は、
反転ローラ対34によって挟持されている。順次製版さ
れるマスタ31は、たわみボックス35内に設けたファ
ン38の作用によって、たわみボックス35内に一時格
納される。
【0052】反転ローラ対34は、クランパ4が所定の
位置にくると回転駆動され、画像情報が穿孔画像として
書き込まれて製版されたマスタ31の先端をクランパ4
ヘ向かって搬送し、たわみボックス35内に一時収納さ
れたマスタ31を順次送り出す。製版給版装置2は、一
版分の製版が完了すると、回転刃36と固定刃37とか
らなるカッタによってマスタ31を所定の長さに切断
し、一版の製版済みマスタ5とする。
【0053】版胴3は、製版済みマスタ5を外周面3a
に巻装するもので、その内周面3bをステンレスの薄板
により円筒状に形成されインキを通過させるために多数
の開孔を設けた多孔性薄板で構成し、この多孔性薄板の
外周に化学繊維を織ったメッシュスクリーンからなる多
孔質弾性体層を巻装している。版胴3は、インキ供給軸
43回りに回転可能に支持されて機体部の中央部に配置
されている。版胴3は、後述する版胴駆動部により正逆
回転可能となっている。
【0054】版胴3の内部には、版胴3の内周面3bに
インキを供給するインキローラ41と、これに僅かな間
隙を置いて平行に配置されインキローラ41との間にイ
ンキ溜まり44を形成するドクタローラ42とから主に
なるインキ供給手段としてのインキ供給装置40が配置
されている。インキ溜まり44には、印刷用のインキが
供給される。
【0055】具体的には、適宜の位置に配置された図示
しないインキパックからインキポンプにより圧送される
インキが、インキ供給軸43を介して図示しないディス
トリビュータヘ供給され、ディストリビュータによって
図の奥行き方向へ分配されてインキ溜まり44に供給さ
れる。インキ溜まり44のインキは、インキローラ41
の外周面に沿って流れて版胴3の内周面3bに最適量供
給される。インキ溜まり44に供給されるインキは、そ
の量を図示しないインキ量測定手段により測定され、図
示しないインキポンプによってインキ圧送量をコントロ
ールされている。実施例中で使用されるインキには、エ
マルジョンインキが使用される。
【0056】インキローラ41は、アルミ等の金属で形
成され、図示しないギア列によって版胴3と共に時計回
り方向に回転するように構成されている。インキローラ
41は、ゴムローラで構成しても良い。インキローラ4
1と版胴3との周速度の比は、所定の値に設定されてい
る。
【0057】ドクタローラ42は、鉄やステンレス等の
金属で形成され、図示しないギア列により反時計回り方
向に回転するように構成されている。ドクタローラ42
と版胴3との周速度の比は、インキローラ41同様、所
定の値に設定されている。
【0058】版胴3の外周面3aには、製版済みマスタ
5の先端をクランプするクランパ4が設けられている。
クランパ4は、クランパ軸28を中心に図示しない機構
により版胴3の外周面3aに対して開閉自在に設けられ
ている。クランパ4は、版胴3の回転時には、閉位置を
占め、排版時や製版済みマスタ5を巻装するときに開閉
動作する。具体的には、排版工程が終了して版胴3が所
定の位置で停止すると、製版給版装置2から送られてく
る製版済みマスタ5を受け入れるために開位置におか
れ、製版済みマスタ5の先端部がクランパ4に到達する
所定のタイミングでクランパ軸28を中心として閉動作
し、製版済みマスタ5の先端を保持する。製版済みマス
タ5の先端がクランパ4に保持されると、版胴3は時計
回り方向に回転され、製版済みマスタ5を版胴3の外周
面3aに巻装し給版行程が終了する。
【0059】排版手段29は、版胴3の外周面3aから
使用済みのマスタを剥離するもので、分離ローラ45
a,45bと駆動ローラ46a,46bとにそれぞれベ
ルト47a,47bを巻きかけて構成した排版剥離搬送
部と、排版剥離搬送部の下流側の下方に設けた排版部と
なる排版ボックス49と、排版ボックス49の上部に設
けられて上下動する圧縮板48とを備えている。排版手
段29では、図3に示す製版スタートキー73が押下さ
れると、反時計回りに回転する版胴3に巻装された図示
しない使用済みマスタの後端が分離ローラ45aに近づ
いたところで、分離ローラ45bを回転させながら分離
ローラ45aの回転軸を中心として揺動し、版胴3の外
周面3aに当接させて使用済みのマスタの後端部をすく
い上げ分離ローラ45aと共同して取り込む。この時、
版胴3も合わせて反時計回り方向への回転が維持され
る。したがって、版胴3の回転と排版剥離搬送部の動作
により使用済みのマスタが版胴3の外周面3aから徐々
に剥離される。
【0060】排版手段29内に取り込まれた使用済みマ
スタは、排版ボックス49内に収納される。一版分の使
用済みマスタが全て排版ボックス49内に収納されると
圧縮板48が降下してきて、このマスタを圧縮する。圧
縮が終了すると圧縮板48は、定位置まで上昇して停止
する。
【0061】給紙装置8は、図1に示すように、印刷部
11よりも給紙トレイ7側、すなわち、矢印aで示す正
回転時の用紙搬送方向(以下、「用紙搬送方向a」と記
す)の上流側に配置されている。給紙装置8は、給紙ト
レイ7上に積載した用紙19を印刷部11に送出するも
ので、呼び出しコロ50、給紙ローラ対51、サバキ板
52、及びレジストローラ対53を備えている。呼び出
しコロ50と給紙ローラ対51の給紙ローラ上51aと
は、操作パネル70に設けたテンキー71により希望印
刷枚数の数値が入力されて印刷スタートキー72が押下
されると、所定のタイミングで時計回り方向へ回転さ
れ、給紙ローラ上51a、給紙ローラ下51b及びサバ
キ板52との協動により給紙トレイ7上に積載された最
上位の用紙19を一枚分離してレジストローラ対53に
向かって送り込む。レジストローラ対53は、後述する
レジストモータ124で回転駆動されるレジストローラ
上53aと、これに対向配置されて当接するレジストロ
ーラ下53bとから構成されている。レジストローラ対
53は、印刷部11において、製版済みマスタ5に形成
された穿孔画像の領域の先端と用紙19の先端とを一致
させるタイミングで回転駆動される。
【0062】呼び出しコロ50、給紙ローラ対51並び
にレジストローラ対53のレジストローラ下53bは、
ウレタンゴムからなるローラで構成されている。各ロー
ラには、天然ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、
エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ブタジエンゴ
ム、スチレンブタジエンゴム、シリコンゴムからなる中
実あるいは発泡状のローラを、ウレタンゴムからなるロ
ーラに替えて採用しても良い。呼び出しコロ50、給紙
ローラ対51並びにレジストローラ対53のレジストロ
ーラ下53bの硬度は、硬度20〜70度(JIS−A
硬度計による)の範囲で使用すると良い。
【0063】レジストローラ対53のレジストローラ上
53aは、プラスチックローラで構成されている。プラ
スチックローラとしてはポリアセタール、ナイロン、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリフ
ェニレンサルファイト等を材質とするローラを用いると
良い。プラスチックローラでなく、鉄、または鉄にニッ
ケルメッキ、クロムメッキしたもの、あるいはステンレ
スやアルミ合金等からなる金属ローラを採用しても良
い。
【0064】静電ベルト搬送装置9は、レジストローラ
対53から所定のタイミングで給紙される用紙19を静
電気力により静電吸着して搬送するもので、図1に示す
ように、印刷部11よりも排紙部12側に設けた駆動ロ
ーラ59とレジストローラ対53の近傍に設けた従動ロ
ーラ60との間に、静電吸着ベルト14を印刷部11を
通過するようにテンションを掛けて巻きかけて配置して
いる。静電吸着ベルト14は、中抵抗(体積抵抗107
〜1012Ωcm)の材料からなるシームレスベルトであ
り、帯電装置13及び除電分離装置15で容易に帯電、
除電がなされるようになっている。駆動ローラ59と従
動ローラ60は、同一径であって、その外周面の水平方
向に向かう接線が同一線上となるように配置されてい
る。従動ローラ60は、その軸方向に位置する両端にテ
ーパを設けた所謂テーパーローラであって、静電吸着ベ
ルト14が従動ローラ60の略中央に位置するように構
成されている。
【0065】駆動ローラ59の軸59aには、プーリ6
1が固定されている。プーリ61には、正逆回転可能な
ベルト駆動モータ62の出力軸62aに固定された駆動
プーリ63との間に駆動ベルト64が巻きかけられてい
る。静電ベルト搬送装置9は、静電吸着ベルト14を、
版胴3の外周面3aの周速度と静電吸着ベルト14の外
周面14aの周速度とが同一になるように回転駆動して
いる。静電ベルト搬送装置9では、静電吸着ベルト14
の反時計回り方向を正回転とし、時計回り方向を逆回転
としている。
【0066】プレスローラ10は、インキローラ41に
対向する位置で版胴3の外周面3aに対して接離可能に
設けられており、版胴3との間に印刷部11を形成して
いる。プレスローラ10は、印刷部11を通過して給紙
部6と排紙部12との間に配置された静電吸着ベルト1
4を介して用紙19を版胴3の外周面3aへ押圧するも
のである。プレスローラ10は、駆動ローラ59の外周
面と従動ローラ60の外周面との共通接線Gよりも上方
に配設されている。
【0067】プレスローラ10は、図4に示すように軸
55を中心に揺動自在に設けられたプレスローラアーム
56の一方の揺動端56aに、中心軸10aで回転自在
に支持されて版胴3の外周面3aに接離可能に設けられ
ている。プレスローラ10は、プレスローラアーム56
の他方の揺動端側56bに設けた引っ張りバネ58によ
り版胴3の外周面3aに向かって付勢されている。この
他方の揺動端56bには、カムフォロワ57が設けられ
ている。カムフォロワ57は、版胴3と同期して回転す
る扇状のプレスローラカム54の輪郭周面に引っ張りバ
ネ58の作用で圧接されている。
【0068】プレスローラカム54は、レジストローラ
対53からの用紙19の給紙タイミングおよび版胴3の
回転に合せて同期して回転されるようになっている。プ
レスローラカム54は、レジストローラ対53が動作し
ないで用紙19が給紙されないときには、その大径部を
カムフォロワ57に対向させており、プレスローラ10
を版胴3から離間させている。プレスローラカム54
は、レジストローラ対53から用紙19が給紙されると
回転し、その小径部をカムフォロワ57に対向させてプ
レスローラ10を図1において時計回り方向に揺動させ
て版胴3に向かって上昇させるようになっている。
【0069】このような構成により、静電吸着ベルト1
4は、図4に示すように印刷部11において、常時その
内周面14bにプレスローラ10が圧接されて、版胴3
の外周面3aへ向けて凸の形となって駆動ローラ59と
従動ローラ60との間に掛け渡され、印刷部11側に位
置する外周面14aで用紙19の搬送経路を構成してい
る。
【0070】帯電装置13は、図1に示すように帯電器
65と、帯電用の高圧電源66とから主に構成されてい
る。帯電器65は、従動ローラ60の外周面の近傍で、
かつ用紙19が静電吸着ベルト14に吸着される吸着部
Aよりも用紙搬送方向aの上流側に配置されている。帯
電器65には、コロナ放電を行う非接触方式のコロトロ
ン方式のものが採用されている。高圧電源66には、帯
電器65に対して帯電バイアスを供給する直流電源を用
いている。
【0071】除電分離装置15は、除電器67と除電用
の高圧電源68とから主に構成されている。除電器67
は、駆動ローラ59の外周面の近傍であり、かつ用紙1
9が駆動ローラ59の曲率と自身のコシとによって静電
吸着ベルト14から分離する分離部Bよりも用紙搬送方
向aの上流側に配置されている。除電器67には、コロ
ナ放電を行う非接触方式の内のコロトロン方式のものが
採用されている。高圧電源68には、除電器67に対し
て帯電バイアスと逆極性の除電バイアスを供給する直流
電源を用いている。
【0072】排紙装置16は、静電吸着ベルト14に吸
着されて搬送される印刷を終えた用紙19を排紙トレイ
17に排出するもので、排紙トレイ17と分離部Bとの
間に配置されている。排紙装置16は、排紙トレイ17
側に設けた駆動ローラ82と分離部B側に設けた従動ロ
ーラ83との間に掛け渡された多孔性の搬送ベルト84
と、吸引用ファン85とで主に構成されている。搬送ベ
ルト84は、摩擦係数の高いゴムベルト等からなり、版
胴3の外周面3aの周速度よりも早い周速度で図中反時
計回り方向へ回転駆動される。吸引用ファン85は、後
述するファン駆動部によって排紙装置16と同期して回
転駆動され、搬送ベルト84の搬送面(外周面)に吸引
力を与えている。
【0073】駆動ローラ59と従動ローラ83との間に
は、静電吸着ベルト14に近接されて分離爪86が設け
られている。分離爪86は、静電吸着ベルト14の外周
面14aに対して僅かに隙間を持って配置されていて、
分離部Bにおける用紙19の分離を補助すると共に、こ
の用紙19の巻き込みを防止している。
【0074】駆動ローラ82側に位置する搬送ベルト8
4の上方には、ジャンプ台87が搬送ベルト84の搬送
面に近接配置されていて、搬送ベルト84に吸着された
印刷済みの用紙19を搬送ベルト84から剥離して排紙
トレイ17の上方に案内するようになっている。
【0075】駆動ローラ59の下方には、静電吸着ベル
ト14の外周面14aに付着した汚れを取り除くインキ
クリーニング装置18が配置されている。インキクリー
ニング装置18は、図6にも示すように、リール185
にロール状に巻装されたクリーニング部材となる帯状の
綿布180と、この綿布180を巻取る巻取リール18
1と、綿布180を静電吸着ベルト14の外周面14a
に接触させる押圧ローラ182と、移動手段183とク
リーニング部材検知手段としてのクリーニングセンサ1
84とを備えている。
【0076】移動手段183は、図6に示すように、綿
布180の先端180aが係止される巻取リール181
を回転駆動するもので、駆動源となるクリーニングモー
タ186の出力軸186aと、巻取リール181の軸1
81aにそれぞれ固定されたプーリ187,188に駆
動ベルト189を巻きかけている。移動手段183は、
巻取リール181で巻取られる綿布180の外周面18
0cの周速度が、静電吸着ベルト14の外周面14aの
周速度よりも遅くなるように設定されている。移動手段
183は、巻取リール181を反時計回り方向に回転駆
動して、綿布180を駆動ローラ59との対向部におい
て矢印cで示す移動方向(静電吸着ベルト14の移動方
向と逆方向)に移動するようになっている。リール18
5は、支持軸185aに固定されて、図示しない孔版印
刷装置の基部に回転自在に支持されている。
【0077】押圧ローラ182は、リール185と巻取
リール181との間に、駆動ローラ59の近傍に設けた
軸182aに回転自在に支持されて配置されていて、リ
ール185と巻取リール181の間に掛け渡された綿布
180の内周面180b側から綿布180の外周面18
0cを静電吸着ベルト14の外周面14aに常時接触さ
せている。図7に示すように、綿布180の軸方向への
幅Lは、静電吸着ベルト14の軸方向の幅L1よりも長
く形成されている。押圧ローラ182の軸182aは、
駆動ローラ59の軸59aと平行に設けられている。こ
のため、駆動ローラ59近傍において綿布180の外周
面180cは、静電吸着ベルト14を軸方向の全域に均
等に接触している。
【0078】クリーニングセンサ184は、発光、受光
部が一体の反射型の光学センサであって、綿布180の
外周面180cで反射される発光部からの光線を受光部
で受光して綿布180の有無や破損を検知するものであ
る。
【0079】図3に示すように、操作パネル70には、
印刷枚数を設定するためのテンキー71と、印刷工程に
至る各動作の起動を設定するための印刷スタートキー7
2と、原稿の画像の読み取りから製版、給版、試し刷り
としての版付けに至るまでの各動作を起動するための製
版スタートキー73と、印刷工程等に至る各動作を停止
するためのストップキー74と、テンキー71で設定さ
れた印刷枚数等を表示するためのLEDからなる表示装
置75と、孔版印刷装置におけるマスタや用紙19のジ
ャムや故障個所及び故障内容を表示するためのLCDか
らなる表示装置76と、テンキー71で設定された印刷
枚数等を解消するためのクリアキー77と、給紙時期を
変更する時に用いる給紙時期選択キー79と、給紙タイ
ミングを段階的に可変調整する時に用いるダウンキー7
8aとアップキー78bとからなる給紙タイミング調整
キー78と、静電吸着ベルト14の移動方向を切り替え
る正方向回転スイッチ80aと逆方向回転スイッチ80
bとからなる回転方向選択キー80と、クリーニング動
作をオン/オフさせるクリーニングキー190aとクリ
ーニングオフキー190bとからなるクリーニング指令
手段としてのクリーニングキー190と、クリーニング
動作をマニュアルモードに任意に切り替える切替選択手
段としてのクリーニング切替キー191と、孔版印刷装
置を起動させるメインスイッチキー192と、全ての機
構を動作前の状態にするリセットキー97と、クリーニ
ング動作を解除するクリーニング解除キー194とが設
けられている。第1実施例では回転方向選択キー80、
クリーニングキー190、クリーニング切替キー19
1、及びクリーニング解除キー194は使用しない。
【0080】選択手段としてのクリーニング切替キー1
91と、孔版印刷装置を起動させるメインスイッチキー
192と、全ての機構を動作前の状態にするリセットキ
ー97と、クリーニング動作を解除するクリーニング解
除キー194とが設けられている。第1実施例では回転
方向選択キー80、クリーニングキー190、クリーニ
ング切替キー191、及びクリーニング解除キー194
は使用しない。
【0081】図8に示すように、帯電用の高圧電源66
と除電分離用の高圧電源68とは、電源制御部69と電
気的にそれぞれ接続している。電源制御部69は、制御
手段89を構成するCPU(中央演算処理装置)91に
電気的に接続している。
【0082】制御手段89は、電源90と接続するCP
U91、図示しないI/O(入出力)ポート及びROM
(読み出し専用記憶装置)92、RAM(読み書き可能
な記憶装置)93等を備え、それらが図示しない信号バ
スによって接続された構成を有する周知のマイクロコン
ピュータからなる。CPU91には、操作パネル70の
各種キー及び各表示装置75,76が電気的に接続され
ていて、これらとの間で指令信号及び/又はオン/オフ
信号やデータ信号を送受信している。
【0083】CPU91には、版胴3を正逆方向に回転
駆動する版胴駆動部94、製版給版装置2を駆動する製
版給版系駆動部95、排版装置29を駆動する排版系駆
動部96、レジストローラ対を除く給紙装置8を駆動す
る給紙系駆動部98、排紙装置16を駆動する排紙系駆
動部99、吸引用ファン85を駆動するファン駆動部1
00がそれぞれ電気的に接続されていて、これらとの間
で指令信号及び/又はオン/オフ信号やデータ信号を送
受信して、孔版印刷装置の前記各装置や駆動部の起動、
停止及びタイミング等の動作全体のシステムを制御して
いる。
【0084】レジストモータ124とベルト駆動モータ
62は、それぞれ駆動回路101,102を介してCP
U91と接続していて、その駆動状態、すなわち、用紙
19の給紙タイミングや静電吸着ベルト14の回転方向
を制御可能としている。クリーニングモータ186は、
駆動回路193を介してCPU91と接続している。制
御手段89では、CPU91での演算結果をRAM93
に一時的に記憶させたり、適時その情報を読み出すよう
になっている。CPU91では、クリーニングセンサ1
84から検知信号の出力がないと、表示装置76に綿布
180の交換時期や故障内容を表示するようになってい
る。
【0085】ROM92には、前記装置及び各駆動部の
起動、停止及びタイミング等の動作に必要なデータが予
め記憶されている。具体的には、製版スタートキー73
が押下されると、製版、排版工程や、版付けを行うと共
に、テンキー71で印刷枚数が設定され印刷スタートキ
ー72が押下されると、版付けと同様の工程で、給紙、
印刷および用紙19の分離排紙の各工程が、設定された
印刷枚数分繰り返して行われる一連の図示しない印刷動
作プログラムが記憶されている。この印刷動作プログラ
ムでは、製版スタートキー73や印刷スタートキー72
が押下されて版胴3が回転駆動されると、高圧電源66
及び高圧電源68を駆動するようになっている。ROM
92には、図9に示す自動クリーニングと図10に示す
マニュアルクリーニングを実行するプログラムが記憶さ
れている。
【0086】第1実施例の動作を説明するが、製版給
版、及び排版動作については、冒頭で説明しているので
省略し、ここでは、版付けを含めた用紙19の給紙と、
この給紙された用紙19に対する印刷と、印刷を終えた
用紙19の分離、搬送、排紙及び、静電吸着ベルト14
に対するクリーニング動作について説明する。
【0087】メインスイッチキー192が押下される
と、孔版印刷装置の各駆動部が起動されるとともに、図
9に示すプログラムが開始される。ステップJ1におい
て、メインスイッチキー192が押下されてオンする
と、ステップJ2においてベルト駆動モータ62が一定
時間駆動され、静電吸着ベルト14が用紙搬送方向aに
一定時間移動する。静電吸着ベルト14の外周面14a
には、綿布180の外周面180cが押圧ローラ182
で圧接されているので、静電吸着ベルト14が移動を開
始すると、その外周面14aが図6に示すように綿布1
80の外周面180cで擦られてベルトクリーニングが
行われる。
【0088】ステップJ3ではクリーニングモータ18
6が一定時間駆動され、巻取プーリ181が回転駆動し
て綿布180が一定時間矢印c方向、すなわち、静電吸
着ベルト14の移動方向と逆方向に移動する。綿布18
0の外周面180cの周速度は、静電吸着ベルト14の
外周面14aのそれよりも遅く設定されているので、綿
布180の外周面180cが十分な摩擦力をもって静電
吸着ベルト14の外周面14aに圧接しながら相対移動
し、静電吸着ベルト14の外周面14aに付着したイン
キが確実に拭き取られる。また、綿布180は、その外
周面180cを常に静電吸着ベルト14の外周面14a
と接触させているので、用紙19の紙粉や埃、場合によ
ってはインキの塊も綿布180でインキと一緒に取り除
くことができる。
【0089】ベルト駆動モータ62とクリーニングモー
タ186の駆動される一定時間とは、静電吸着ベルト1
4が一方向に2回転する時間に設定されており、静電吸
着ベルト14が2回転すると、ベルト駆動モータ62と
クリーニングモータ186が停止して自動クリーニング
が終了する。クリーニングセンサ184からの検知信号
がないと、CPU91は綿布180が切れたか、全て巻
取リール181に巻取られたものとして、表示装置76
にクリーニング装置18の故障/交換時期を知らせる。
上記一定時間とは、静電吸着ベルト14が一方向に2回
転する時間に限定されるものではなく、装置の仕様や使
用形態に応じて適宜設定するのが良い。
【0090】版胴3の外周面3aへ製版済みマスタ5の
巻装を終えた時点で、給版行程は終了するが、版胴3は
継統して時計回り方向に回転を続け、給紙動作を伴った
版付け行程が開始される。版胴3が回転すると、これに
伴いベルト駆動モータ62が駆動されて、静電吸着ベル
ト14が反時計回り方向に版胴3の周速度と同一速度で
回転する。この時、クリーニングモータ186は駆動さ
れないが、綿布180が静電吸着ベルト14の外周面1
4aに接触した状態にあるので、自動クリーニング動作
よりもクリーニング性能は落ちるが、外周面14aに付
着したインキや、紙粉、埃等の異物のクリーニングが行
われる。
【0091】給紙装置8では、版胴3の回転と同期して
呼び出しコロ50と給紙ローラ上51aとが図の時計回
り方向へ回転され、給紙ローラ対51とサバキ板52と
の協働により給紙トレイ7上に積載された用紙19を一
枚ずつ分離して、回転停止しているレジストローラ対5
3へ送出する。これと共に帯電器65によって静電吸着
ベルト14が帯電される。帯電器65には、対向電極と
なる従動ローラ60が対向配置されているので、帯電器
65からの帯電バイアスが従動ローラ60によって静電
吸着ベルト14側に引き付けられ、安定した帯電が得ら
れる。
【0092】レジストローラ対53では、用紙19の先
端と、版胴3の外周面3aに巻装された製版済みマスタ
5に形成された穿孔画像の先端とが印刷部11において
一致する所定のタイミングで用紙19を印刷部11に向
かって給紙する。
【0093】給紙された用紙19が吸着部A近傍まで搬
送されると、その自重により静電吸着ベルト14の外周
面14aに垂れ下がって同静電吸着ベルト14に到達す
る。この到達した用紙19は、既に帯電器65で帯電さ
れた静電吸着ベルト14上の電荷による静電気力によっ
て外周面14a上に静電吸着される。静電吸着された用
紙19は、静電吸着ベルト14の移動で印刷部11に向
かって搬送されるが、この搬送に伴い静電吸着ベルト1
4上に吸着される吸着面積が次第に拡大していく。この
ため、用紙19の印刷部11への搬送が進む程用紙19
と静電吸着ベルト14の静電吸着力が大きくなり、用紙
19の位置が安定する。
【0094】用紙19の先端が印刷部11近くまで搬送
されると、図4に2点鎖線で示すように、版胴3の外周
面3aから離なれた離間位置のプレスローラ10が、版
胴3と同期して回転するプレスローラカム54とカムフ
ォロワ57との協働により、版胴3の外周面3aに向か
って押し上げられ実線で示す押圧位置をとる。用紙19
は、印刷部11を通過して配置された静電吸着ベルト1
4に十分に静電吸着されているため、印刷部11への進
入がスムーズに行われる。
【0095】プレスローラ10は、版胴3の外周面3a
から離れた離間位置にあっても、常に静電吸着ベルト1
4の内周面14bと圧接しているので、静電吸着ベルト
14が反時計回り方向に回転を開始すると、同方向に同
一の周速度で回転する。このため、プレスローラ10が
上昇しても、プレスローラ10と静電吸着ベルト14と
の周速度に変化がなく、静電吸着ベルト14の弛みや振
動の発生がない。
【0096】プレスローラ10が離間した位置で静電吸
着ベルト14の内周面14bと常に接触していないと、
静止しているプレスローラ10が上昇を開始し、搬送さ
れている静電吸着ベルト14にその時はじめて接触する
ことになるので、プレスローラ10の回転が停止してい
る状態から静電吸着ベルト14の周速度に達するまでの
加速度の発生により慣性モーメントが働き、静電吸着ベ
ルト14の弛みや振動が発生してしまう。これは用紙1
9と静電吸着ベルト14との剥離性や位置ずれが生じ易
くなる。
【0097】印刷部11へ用紙19が進入すると、図5
に示すように、版胴3の内周面3bすなわち円筒状の多
孔性薄板にインキローラ41によって供給されたインキ
が、プレスローラ10の押圧によって図示しない多孔性
薄板の開孔を通りメッシュスクリーンにより拡散し、更
に製版済みマスタ5の多孔質支持体によって均一に拡散
され、製版済みマスタ5のマスタフィルムの開孔から用
紙19へ転移され、製版済みマスタ5の穿孔画像に対応
する画像印刷が行われる。この時、静電吸着ベルト14
の弛みや振動が低減されているため、用紙19は静電吸
着ベルト14に十分に静電吸着されて搬送される。ま
た、印刷部11を通過した静電吸着ベルト14は、プレ
スローラ10と駆動ローラ59との位置関係から印刷部
11から離れるように傾斜している。このため、印刷部
11で印刷を終えた用紙19は、版胴3近傍に分離爪が
なくとも版胴3の外周面3aの製版済みマスタ5に巻き
付くことなく、静電吸着ベルト14にしっかりと静電吸
着されて用紙搬送方向aの下流側に搬送される。このた
め、分離爪による爪跡等のない良好な印刷を行える。
【0098】印刷を終えた用紙19の先端が、静電吸着
ベルト14の移動に伴い図1に示す除電器67の直下に
到達すると、これの除電作用により静電吸着ベルト14
と用紙19との帯電が除去されて静電吸着力が解消され
る。このため、用紙19や静電吸着ベルト14が除電器
67の下を順次通過することで、用紙19の全面及び静
電吸着ベルト14の全面に除電作用が働く。
【0099】除電器67によって除電された用紙19が
分離部Bに達すると、静電吸着ベルト14が駆動ローラ
59の直径による曲率に沿って屈曲しているので、静電
吸着ベルト14の外周面14aにある用紙19は自身の
腰の強さ(印刷用紙弾性)により静電吸着ベルト14の
屈曲に反して同ベルトから剥離する。この剥離された用
紙19の先端は、分離爪86によってその分離が補助さ
れつつ下流側にある排紙装置16の搬送ベルト84上に
案内される。
【0100】搬送ベルト84上に案内された用紙19
は、反時計回り方向に回転している搬送ベルト84の搬
送面へ、吸引用ファン85の吸引力と、用紙19と搬送
ベルト84との摩擦力によって吸着されて搬送される。
搬送ベルト84は、版胴3の外周面3aの周速度、すな
わち静電吸着ベルト14の周速度より速い周速度に設定
されているので、用紙19は、その後端部が印刷部11
を抜けると搬送ベルト84の周速度に増速されて搬送さ
れる。このため、印刷を終えて静電吸着ベルト14から
剥離分離された用紙19は、吸引用ファン85による吸
引力によって搬送ベルト84に吸着されて搬送されてジ
ャンプ台87へ案内され、これによって搬送ベルト84
から分離されて排紙トレイ17に排紙される。排紙され
た用紙19は、排紙トレイ17のエンドプレートに衝突
し、その進行が止められて自由落下し排紙トレイ17上
に積載される。
【0101】以上の動作が、静電吸着ベルト14の自動
クリーニング後の、用紙19の給紙から印刷、分離、搬
送、排紙までの動作であるが、版付けの場合は、給版後
にこれら一連の動作が行われ、正規の印刷の場合には、
テンキー71で印刷枚数が設定されて印刷スタートキー
72が押下されると、給紙から排紙までの一連の動作が
順次繰り返され、入力された印刷枚数の印刷が行われる
と版胴3が所定の位置で停止し、印刷行程の終了とな
る。
【0102】クリーニング切替キー191を押下する
と、図10のマニュアルクリーニング動作が実行され
る。ステップK1でクリーニング切替キー191が押下
されてオンすると、ステップK2に進んでクリーニング
オンキー190aの押下が待たれる。ステップK2にお
いてクリーニングオンキー190aが押下されると、ス
テップK3,K4と進む。ステップK3では、ベルト駆
動モータ62が駆動されて静電吸着ベルト14が用紙搬
送方向aに移動し、ステップK4ではクリーニングモー
タ186が駆動され巻取リール181が回転して綿布1
80が矢印c方向に移動する。これら各モータの駆動
は、ステップK5においてクリーニングオフキー190
bが押下されるまで行われる。つまり、マニュアルクリ
ーニング動作は、クリーニングオフキー190bが押下
されるまで継続して行われる。
【0103】ステップK5においてクリーニングオフキ
ー190bが押下されると、ステップK6でベルト駆動
モータ62とクリーニングモータ186の駆動が停止さ
れ、マニュアルクリーニング動作が終了する。
【0104】このようにクリーニング動作をマニュアル
で行えるようにすると、自動クリーニングの故障や、印
刷枚数が多く印刷に伴い静電吸着ベルト14の汚れがひ
どくなってきた場合でも、この汚れを確実に取り除くこ
とができる。
【0105】(第2実施例)第2実施例は、図11に示
すように、分離部Bから帯電器65までの間に位置する
用紙19の搬送経路とならない静電吸着ベルト14の内
周面14bに圧接する対向ローラ39と、対向ローラ3
9と対向して設けられた異物クリーニング装置103
と、静電吸着ベルト14に対して綿布180を接離させ
る接離装置104と、接離装置104の制御部となるク
リーニング解除プログラムを第1実施例に追加したもの
である。
【0106】異物クリーニング装置103は、クリーニ
ング部材となるブラシローラ200と、その駆動手段2
02と、ブラシローラ200の下方に設けられた回収部
となるトレイ201とを備えている。ブラシローラ20
0は、対向ローラ39と対向配置され、静電吸着ベルト
14の外周面14aに摺接されている。ブラシローラ2
00は、ローラの全周面に天然繊維を植設したもので、
その軸方向の長さを静電吸着ベルト14の幅よりも幾分
長めに設けられている。ブラシローラ200のプーリ2
00aには、ダブルプーリ203の一方の溝との間にベ
ルト204が巻きかけられている。ダブルプーリ203
の他方の溝には、ベルト駆動モータ62で回転駆動され
るダブルプーリ63Aの片方の溝との間にベルト205
が巻きかけられている。ダブルプーリ63Aの今一つの
溝には、プーリ61との間で駆動ベルト64が巻きかけ
られている。つまり、ベルト駆動モータ62は、静電ベ
ルト搬送装置9と異物クリーニング装置103の共通の
駆動源となっている。
【0107】接離装置104は、図12にも示すよう
に、電磁ソレノイド206、アーム207、押しバネ2
08から主に構成されている。アーム207は、軸21
0回りに揺動自在に支持されており、その上端207a
には長孔209が形成されている。長孔209には、押
圧ローラ182の軸182aが係止されている。アーム
207の下端207bには、電磁ソレノイド206の可
動片206aがピン結合されている。電磁ソレノイド2
06には、通電されると可動片206aを本体側に引き
込むプルタイプのものを用いている。押しバネ208
は、軸182aと図示しない基部とに係止されている。
接離装置104は、平素、この押しバネ208のバネ力
によって、綿布180の外周面180cを静電吸着ベル
ト14の外周面14aに圧接させる位置に押圧ローラ1
82を位置させ、電磁ソレノイド206に通電される
と、レバー207を軸210回りに反時計回り方向に揺
動させて綿布180の外周面180cを静電吸着ベルト
14の外周面14aから離間させる位置に押圧ローラ1
82を位置させる。
【0108】電磁ソレノイド206は、図13に示すよ
うに、第2実施例の制御手段89Aの要部を構成するC
PU91Aに電気的に接続されている。制御手段89A
は、電源90と接続されるCPU91A、図示しないI
/O(入出力)ポート及びROM(読み出し専用記憶装
置)92A、RAM(読み書き可能な記憶装置)93A
等を備え、それらが図示しない信号バスによって接続さ
れた構成を有する周知のマイクロコンピュータからな
る。
【0109】CPU91Aには、テンキー71、印刷ス
タートキー72、製版スタートキー73、ストップキー
74、表示装置75,76、クリアキー77、給紙時期
選択キー79、給紙タイミング調整キー78、回転方向
選択キー80、クリーニングキー190、クリーニング
切替キー191、メインスイッチキー192、リセット
キー97及びクリーニング解除キー194が電気的に接
続されている。CPU91Aには、電源制御部69を介
して帯電用の高圧電源66と除電分離用の高圧電源68
とが接続している。
【0110】CPU91Aには、第1実施例同様、版胴
駆動部94、製版給版系駆動部95、排版系駆動部9
6、給紙系駆動部98、排紙系駆動部99、ファン駆動
部100がそれぞれ電気的に接続されていて、これらと
の間で指令信号及び/又はオン/オフ信号やデータ信号
を送受信して、孔版印刷装置の前記各部の装置や駆動部
の起動、停止及びタイミング等の動作全体のシステムを
制御している。
【0111】レジストモータ124とベルト駆動モータ
62とクリーニングモータ186は、それぞれ駆動回路
101,102,193を介してCPU91Aと接続し
ており、その駆動状態、すなわち用紙19の給紙タイミ
ングや静電吸着ベルト14の回転方向、及びクリーニン
グ動作を制御可能としている。
【0112】制御手段89Aでは、CPU91Aでの演
算結果をRAM93Aに一時的に記憶させたり、適時そ
の情報を読み出すようになっている。CPU91Aで
は、クリーニングセンサ184からの検知信号の出力が
ないと、表示装置76に綿布180の交換や故障を表示
するようになっている。
【0113】ROM92Aには、第1実施例同様の一連
の印刷動作プログラム、図9に示す自動クリーニングと
図10に示すマニュアルクリーニング、及び図15に示
すクリーニング解除の各動作を実行するプログラムが記
憶されている。
【0114】第2実施例の動作を説明するが、クリーニ
ングに関係する動作以外は第1実施例と同様であるの
で、クリーニングに関係する動作についてだけ説明す
る。メインスイッチキー192が押下されると、孔版印
刷装置の各駆動部が起動されるとともに、図9に示す自
動クリーニングが開始される。ステップJ1において、
メインスイッチキー192が押下されてオンすると、ス
テップJ2においてベルト駆動モータ62が一定時間駆
動される。すると、図11に示すように静電吸着ベルト
14が用紙搬送方向aに一定時間移動すると共に、ブラ
シローラ200が反時計回りに回転駆動する。これによ
り、静電吸着ベルト14の外周面14aに付着した埃や
紙粉やインキの塊等の異物が、トレイ201上に掻き落
とされる。ステップJ3ではクリーニングモータ186
が一定時間駆動され、これにより巻取プーリ181が図
12に示すように、反時計回りに回転して綿布180が
一定時間矢印c方向に移動する。
【0115】これら静電吸着ベルト14と綿布180と
は、その移動方向が逆方向になっているので、静電吸着
ベルト14の外周面14aが、綿布180の外周面18
0cによって擦られる。綿布180の外周面180cの
周速度は、静電吸着ベルト14の外周面14aのそれよ
りも遅く設定されているので、綿布180の外周面18
0cが十分な摩擦力をもって静電吸着ベルト14の外周
面14aに圧接しながら相対移動し、静電吸着ベルト1
4の外周面14aに付着したインキ汚れが確実に拭き取
られる。綿布180は、その外周面180cを常に静電
吸着ベルト14の外周面14aに接触させているので、
綿布180によって異物もインキと一緒に取り除くこと
ができる。ベルト駆動モータ62とクリーニングモータ
186とが一定時間駆動し終えると、各モータが停止し
て自動クリーニングが終了する。
【0116】クリーニング切替キー191を押下すると
図10のマニュアルクリーニング動作が実行される。ス
テップK1でクリーニング切替キー191が押下されて
オンすると、ステップK2に進んでクリーニングオンキ
ー190aの押下が待たれる。ステップK2においてク
リーニングオンキー190aが押下されると、ステップ
K3,K4と進む。ステップK3では、ベルト駆動モー
タ62が駆動されて図11に示す静電吸着ベルト14が
用紙搬送方向aに移動すると共に、ブラシローラ200
が反時計回りに回転駆動する。これにより、静電吸着ベ
ルト14の外周面14aに付着した埃や紙粉やインキの
塊等の異物がトレイ201上に掻き落とされる。ステッ
プK4ではクリーニングモータ186が駆動され、図1
2に示す巻取リール181が回転して綿布180が矢印
c方向に移動する。これら各モータの駆動は、ステップ
K5において、クリーニングオフキー190bが押下さ
れるまで行われる。つまり、ブラシローラ200と綿布
180によるマニュアルクリーニング動作は、クリーニ
ングオフキー190bが押下されるまで継続して行われ
る。ステップK5においてクリーニングオフキー190
bが押下されると、ステップK6でベルト駆動モータ6
2とクリーニングモータ186の駆動が停止され、マニ
ュアルクリーニング動作が終了する。
【0117】このように、ブラシローラ200と静電吸
着ベルト14の双方をベルト駆動モータ62で駆動可能
とすることにより、モータの共通化を図れると共に、紙
粉や埃、インキの塊等の異物を、インキ汚れと個別に静
電吸着ベルト14から取り除くことができる。また、ク
リーニング動作をマニュアルで行えるようにすること
で、自動クリーニングの故障や、印刷枚数が多く静電吸
着ベルト14の汚れがひどくなってきた場合でも静電吸
着ベルト14に付着したインキ汚れや異物を確実に取り
除くことができる。
【0118】クリーニングセンサ184からの検知信号
の出力がないと、CPU91Aは、綿布180が切れた
か、全て巻取リール181に巻取られたものとして、表
示装置76にクリーニング装置18の故障/交換時期を
知らせる。操作作業者は、クリーニング装置18の故障
/交換時期となると、綿布180が巻かれた新たなリー
ル185を軸185aに装着したり、あるいは、綿布1
80の状態を確認するが、この時、綿布180と静電吸
着ベルト14との圧接を解除すべくクリーニング解除キ
ー194を押下して、図15に示すクリーニング解除動
作を実行する。
【0119】図15のステップM1において、クリーニ
ング解除キー194が押下されてオンすると、ステップ
M2に進んで電磁ソレノイド206に通電して駆動す
る。電磁ソレノイド206が駆動すると、図14に示す
ように、図12においてとび出ている可動片206a
が、図中下方に向かって引き込まれ、アーム207が軸
210回りに反時計回りに揺動する。これにより、長孔
209に係合している軸182aが押しバネ208のバ
ネ力に抗して長孔209によって移動されて押圧ローラ
182が下降し、綿布180の外周面180cが静電吸
着ベルト14の外周面14aから離間する。これにより
綿布180の外周面180cと静電吸着ベルト14の外
周面14aとの間に隙間Sが形成され、かつ押圧ローラ
182にかかるバネ力も低減される。よって、軸185
aに装着する新たなリール185に巻かれた綿布180
の先端180aを、軸181aに装着した新たな巻取リ
ール181に係止させる綿布180のセット作業が容易
に行える。また、リール185と巻取リール181との
間に掛け渡された綿布180の破損を確認する際の作業
性も良くなる。
【0120】図15のステップM3においてクリーニン
グ解除キー194が再度押下されてオンすると、ステッ
プM4において電磁ソレノイド206に対する通電が断
たれて非駆動状態となる。これによりレバー207の揺
動に対する規制が解除されるので、押しバネ208のバ
ネ力が押圧ローラ182に作用して図14に示すレバー
207が軸210を中心に時計回りに揺動し、図12に
示すように綿布180の外周面180cが静電吸着ベル
ト14の外周面14aに接触したクリーニング可能状態
となる。
【0121】(第3実施例)この実施例は、図16に示
すように、静電ベルト搬送装置105と帯電装置106
の構成が第1及び第2実施例のそれとは異なり、用紙1
9が分離された静電吸着ベルト14を除電するベルト除
電装置107と、用紙19の搬送状態を検知する用紙検
知手段をなす用紙センサS1と、インキクリーニング装
置124と異物クリーニング装置125とを備えてい
る。
【0122】静電ベルト搬送装置105は、レジストロ
ーラ対53から所定のタイミングで給紙される用紙19
を静電気力により静電吸着し搬送するもので、印刷部1
1よりも排紙部12側に設けた駆動ローラ59とレジス
トローラ対53の近傍に配設された従動ローラ60A
と、テンションローラ39Aと従動ローラ108との間
に静電吸着ベルト14を印刷部11を通過するようにテ
ンションを掛けて巻きかけている。
【0123】テンションローラ39A、従動ローラ10
8は、同一直径の太鼓状のローラ部材からなり、静電吸
着ベルト14の位置ずれを防止している。テンションロ
ーラ39Aは、駆動ローラ59の下方に配置され、従動
ローラ108は従動ローラ60Aの下方に配置されてい
る。駆動ローラ59と従動ローラ108及び、テンショ
ンローラ39Aと従動ローラ60Aとは、それぞれ対角
線上に配置され、静電吸着ベルト14を四角形状に巻き
かけている。
【0124】特に、駆動ローラ59と従動ローラ60A
とは、その外周面の水平方向に向かう接線が共通接線G
上に位置するように配置されている。従動ローラ60A
は、アルミと導電性フィラーを天然ゴムに分散させた中
抵抗ローラで構成されていて、帯電装置106の対向電
極を構成している。
【0125】静電ベルト搬送装置105は、静電吸着ベ
ルト14の周速度を、版胴3の外周面3aの周速度と同
一になるように、ベルト駆動モータ62とプーリ61と
ダブルプーリ63A及び駆動ベルト64によって回転駆
動される。静電ベルト搬送装置105では、静電吸着ベ
ルト14の反時計回り方向を正回転とし、時計回り方向
を逆回転とする。
【0126】帯電装置106は、放電部材となる中抵抗
体の帯電ローラ109と、高圧電源110とから主に構
成されている。帯電ローラ109は、用紙19が静電吸
着ベルト14に吸着する吸着部Aにおいて回転自在に設
けられ、図17に示すように、静電吸着ベルト14の外
周面14aに接触して配置されている。この帯電ローラ
109は、用紙19を静電吸着ベルト14の外周面14
aに押圧する用紙密着部材の機能も兼ね備えている。高
圧電源110には、帯電ローラ109に対して帯電バイ
アスを供給する直流電源を用いている。この例では、帯
電ローラ109を静電吸着ベルト14の外周面14aに
接触させているが、帯電ローラ109を図示しない引っ
張りバネや板バネ等の付勢手段を用いて静電吸着ベルト
14の外周面14aに対して付勢して圧接した状態に設
けても良い。
【0127】ベルト除電装置107は、分離部Bと帯電
ローラ109との間、すなわち、吸着部Aよりも用紙搬
送方向aの上流側に配置されており、除電ローラ111
と除電電源112及び対向電極を構成する電極ローラ1
13とから主に構成されている。除電ローラ111は図
示しない機体部に回転自在に支持されて静電吸着ベルト
14の内周面14bに当接している。電極ローラ113
は、図示しない機体部に回転自在に支持されて、除電ロ
ーラ111と対向する静電吸着ベルト14の外周面14
aに接触するように配置されている。高圧電源112
は、除電ローラ111に対してベルト除電バイアスを供
給するもので、ここでは、高圧電源110と逆極性の直
流電源を用いている。高圧電源112は除電分離用の高
圧電源68と同時に駆動制御される。
【0128】図16に示す用紙センサS1は、光学反射
式の通過センサであって、印刷部11と除電器67との
間に位置する静電吸着ベルト14の上方に配置されてい
る。用紙センサS1は、その下方を用紙19が通過する
と用紙検知信号を出力するようになっている。
【0129】異物クリーニング装置125は、図16に
示すように、ブラシローラ200と、その下方に設けら
れた回収部となるトレイ201と、駆動手段207とを
備えている。ブラシローラ200は、従動ローラ108
と対向配置され、静電吸着ベルト14の外周面14aに
摺接されている。駆動手段207は、ブラシローラ20
0のプーリ200aと、クリーニングモータ208で駆
動される駆動プーリ209との間にベルト210を巻き
かけたもので、ブラシローラ200を通常反時計回り方
向に回転させている。
【0130】インキクリーニング装置124は、リール
185に巻装した帯状の綿布180と、この綿布180
を巻取る巻取リール181、綿布180を静電吸着ベル
ト14の外周面14aに接離する接離機構210、移動
手段211及びクリーニングセンサ184を備えてい
る。
【0131】移動手段211は、図18,図19に示す
ように、綿布180の先端180aが係止される巻取リ
ール181の軸181aに電磁クラッチ212を介して
設けられたプーリ213と、ベルト駆動モータ62で駆
動されるダブルプーリ63Aとの間に駆動ベルト214
を巻きかけて巻取リール181を回転駆動するようにな
っている。ベルト駆動モータ62は、この例では静電ベ
ルト搬送装置105とインキクリーニング装置124と
の共通の駆動源となっている。移動手段211は、巻取
リール181で巻取られる綿布180の外周面180c
の周速度が静電吸着ベルト14の外周面14aの周速度
よりも遅くなるように設定されている。移動手段211
は、巻取リール181を通常反時計回り方向に回転駆動
して、綿布180を矢印cで示す移動方向に移動するよ
うになっている。
【0132】共通の駆動源とクリーニング装置124と
を断続する駆動断続手段として機能する電磁クラッチ2
12は、通常、プーリ213の回転が巻取リール181
に伝達されないようにオフ状態に置かれていて、駆動信
号が入力されるとプーリ213と巻取リール181とを
一体回転させるオン状態に置かれるように構成されてい
る。
【0133】接離機構210は、図18に示すように、
軸219を中心に揺動自在に支持されたアーム215、
押圧ローラ216、アーム215を揺動させる電磁ソレ
ノイド217、引っ張りバネ218から主に構成されて
いる。押圧ローラ216は、アーム215の一端215
aに回転自在に支持されてテンションローラ39Aと対
向配置されている。電磁ソレノイド217は、その可動
片217aをアーム215の他端215bにピン結合し
ている。電磁ソレノイド217には、その駆動時に可動
片217aを本体側に引き込むプルタイプのものが採用
されている。
【0134】押圧ローラ216は、通常、リール185
と巻取リール181との間に掛け渡された綿布180の
内周面180bに接触し、綿布180の外周面180c
と静電吸着ベルト14の外周面14aとを離間させる初
期位置に置かれていて、電磁ソレノイド217が駆動さ
れると綿布180の外周面180cを静電吸着ベルト1
4の外周面14aに圧接させる押圧位置に置かれる。ア
ーム215は、押圧ローラ216を静電吸着ベルト14
から離間する方向に、引っ張りバネ218で付勢されて
いる。
【0135】帯電用の高圧電源110と除電分離用の高
圧電源68とベルト除電用の高圧電源112とは、図2
0に示すように電源制御部119と電気的に接続してい
る。この電源制御部119は、制御手段115を構成す
るCPU(中央演算処理装置)116に電気的に接続さ
れている。高圧電源112は、図16に示す除電ローラ
111に対してベルト除電バイアスを供給するもので、
高圧電源110と逆極性の直流電源を用いられている。
高圧電源112は、除電分離用の高圧電源68と同時に
駆動制御される。
【0136】制御手段115は、図20に示すように、
電源90と接続されるCPU116、図示しないI/O
(入出力)ポート及びROM(読み出し専用記憶装置)
117、RAM(読み書き可能な記憶装置)118等を
備え、それらが図示しない信号バスによって接続された
構成を有する周知のマイクロコンピュータからなる。C
PU116には、操作パネル70の各種キー及び表示装
置75,76が電気的に接続されていて、これらとの間
で指令信号及び/又はオン/オフ信号やデータ信号を送
受信している。
【0137】CPU116には、版胴駆動部94、製版
給版系駆動部95、排版系駆動部96、給紙系駆動部9
8、排紙系駆動部99、ファン駆動部100がそれぞれ
電気的に接続されていて、これらとの間で指令信号及び
/又はオン/オフ信号やデータ信号を送受信して、孔版
印刷装置の各装置や駆動部の起動、停止及びタイミング
等の動作全体のシステムを制御している。
【0138】CPU116には、駆動回路101,10
2を介してレジストモータ124とベルト駆動モータ6
2とがそれぞれ接続していて、用紙19の給紙タイミン
グや静電吸着ベルト14の回転方向を制御可能としてい
る。制御手段115では、CPU116での演算結果を
RAM118に一時的に記憶させたり、適時その情報を
読み出すようになっている。クリーニングモータ208
は、駆動回路195を介してCPU116と接続してい
る。電磁ソレノイド217と電磁クラッチ212は、C
PU116と電気的に接続しており、適時その駆動を制
御される。
【0139】ROM117には、前記装置及び各駆動部
の起動、停止及びタイミング等の動作に必要なデータが
予め記憶されている。具体的には、製版スタートキー7
3が押下されると、製版、排版工程や、版付けを行うと
共に、テンキー71で印刷枚数が設定され印刷スタート
キー72が押下されると、版付けと同様の工程で、給
紙、印刷および分離排紙の各工程が設定された印刷枚数
分繰り返して行われる一連の印刷動作プログラムが記憶
されている。この印刷動作プログラムには、製版スター
トキー73や印刷スタートキー72が押下されて用紙1
9が給紙トレイ7から給紙されると、帯電ローラ109
から帯電バイアスを静電吸着ベルト14に供給すべく、
高圧電源110を駆動し、除電器67から除電バイアス
を用紙19及び静電吸着ベルト14に供給すべく高圧電
源68を駆動し、かつ除電ローラ111からベルト除電
バイアスを静電吸着ベルト14に供給すべく高圧電源1
12を駆動する。
【0140】CPU116は、回転方向選択キー80か
らの入力信号を優先させるようになっている。具体的に
は、正回転キー80a(図3参照)が押下されると、静
電吸着ベルト14を反時計回り方向に回転移動するよう
にベルト駆動モータ62の回転を制御し、これに伴い版
胴駆動部94を制御して版胴3を時計回り方向に回転駆
動させる。逆回転キー80bが押下されると、静電吸着
ベルト14を時計回り方向に回転移動するようにベルト
駆動モータ62の回転を制御し、これに伴い版胴駆動部
94を制御して版胴3を反時計回り方向に回転駆動させ
る。回転方向選択キー80によるベルト駆動モータ62
と版胴駆動部94の制御は、回転方向選択キー80が押
さている間だけ機能するように構成されている。ROM
117には、図22に示す自動クリーニング動作と、図
23に示すジャムクリーニング動作を実行するプログラ
ムが記憶されている。なお、プレスローラ10の接離機
構を版胴3と独立して設け、用紙ジャム時には、プレス
ローラ10の押圧を解除して静電吸着ベルト14を搬送
するようにしても良い。
【0141】第3実施例の動作を説明するが、製版、給
版、及び排版の動作については、第1実施例の冒頭で説
明しているので省略し、ここでは、版付けを含めた用紙
19の給紙と、搬送される用紙19に対する印刷及び、
印刷を終えた用紙19の分離、搬送、排紙、ベルト除
電、及びベルトクリーニング動作について説明する。
【0142】メインスイッチキー192が押下される
と、孔版印刷装置の各駆動部が起動されるとともに、図
22に示すプログラムが開始される。ステップN1にお
いて、メインスイッチキー192が押下されてオンする
と、ステップN2で電磁ソレノイド217と電磁クラッ
チ212に一定時間通電される。これにより電磁クラッ
チ212はオン状態とされて駆動プーリ213と一体的
となり、巻取リール181がベルト駆動モータ62によ
って回転可能とされる。電磁ソレノイド217に通電さ
れると、図21に示すように可動片217aが引き込ま
れてアーム215が軸219を中心に時計回りに揺動す
る。これにより押圧ローラ216が、図18に示す初期
位置から図21に示す押圧位置に向かって移動し、綿布
180の外周面180cが静電吸着ベルト14の外周面
14aに圧接した状態となる。
【0143】ステップN3においてベルト駆動モータ6
2が一定時間駆動されると、静電吸着ベルト14が用紙
搬送方向aに一定時間移動すると共に、巻取リール18
1が反時計回りに回転して綿布180が一定時間矢印c
で示す移動方向に移動する。これら静電吸着ベルト14
と綿布180とは、その移動方向がテンションローラ3
9Aとの対向部において逆方向になっているので、静電
吸着ベルト14の外周面14aが、綿布180の外周面
180cによって強く擦られる。綿布180の外周面1
80cの周速度は、静電吸着ベルト14の外周面14a
のそれよりも遅く設定されているので、綿布180の外
周面180cが十分な摩擦力をもって静電吸着ベルト1
4の外周面14a上を相対移動し、静電吸着ベルト14
の外周面14aに付着したインキが確実に拭き取られ
る。
【0144】ステップN4においてクリーニングモータ
208が一定時間駆動されると、図16に示すブラシロ
ーラ200が反時計回りに回転駆動する。これにより、
静電吸着ベルト14の外周面14aに付着した埃や紙粉
やインキの塊等の異物がトレイ201上に掻き落とされ
る。
【0145】ベルト駆動モータ62とクリーニングモー
タ208と電磁クラッチ212と電磁ソレノイド217
とが駆動される一定時間とは、静電吸着ベルト14が2
回転する時間に設定されており、静電吸着ベルト14が
2回転すると、ベルト駆動モータ62とクリーニングモ
ータ208が停止し、電磁クラッチ212や電磁ソレノ
イド217に対する通電がカットされ、自動クリーニン
グが終了する。ここでの一定時間とは、静電吸着ベルト
14が一方向に2回転する時間に限定されるものではな
く、装置の仕様や使用形態に応じて適宜設定するのが望
ましい。
【0146】給版行程が終了しても版胴3は継統して時
計回り方向に回転を続け、ベルト駆動モータ62が駆動
されて静電吸着ベルト14が反時計回り方向に版胴3の
周速度と同一な速度で回転する。そして、給紙装置8に
よって上記各実施例同様、停止中のレジストローラ対5
3へ用紙19が送出され、これと共に帯電ローラ109
によって静電吸着ベルト14が帯電される。帯電ローラ
109からの帯電バイは、対向電極となる従動ローラ6
0Aの作用によって静電吸着ベルト14側に引き付けら
れ安定したベルト帯電が行われる。
【0147】レジストローラ対53から所定のタイミン
グで印刷部11に向かって給紙された用紙19が、図1
7に示すように、給紙された用紙19が吸着部A近傍ま
で搬送されると、帯電された静電吸着ベルト14上の電
荷による静電気力で吸い寄せられつつ帯電ローラ109
と静電吸着ベルト14の外周面14aとの間に挟持され
る。これにより用紙19は、静電吸着ベルト14の外周
面14aに押圧されつつ帯電ローラ109からの電荷バ
イアスを受け、静電吸着ベルト14の外周面14a上に
確実に静電吸着される。
【0148】静電吸着された用紙19は、静電吸着ベル
ト14の移動で印刷部11に向かって搬送されて、静電
吸着ベルト14の外周面14a上に吸着される吸着面積
が次第に拡大していく。このため、用紙19の印刷部1
1への搬送が進む程に用紙19と静電吸着ベルト14の
静電吸着力が大きくなり、用紙19の吸着状態が安定す
る。
【0149】用紙19の先端が印刷部11近くまで搬送
されると、第1実施例同様、印刷部11へスムーズに進
入しながら、プレスローラ10の押圧力によって、版胴
3の内周面3bに供給されたインキが、版胴3から製版
済みマスタ5の開孔を経て用紙19へ転移されて製版済
みマスタ5の穿孔画像に対応する画像の印刷が行われる
(図4,図5参照)。印刷された用紙19は、用紙搬送
方向aの下流側に向かって搬送され、この用紙19や静
電吸着ベルト14が図16に示す除電器67の下を順次
通過することで、用紙19の全面及び静電吸着ベルト1
4の全面に除電作用が働く。除電された用紙19が分離
部Bに達すると、静電吸着ベルト14が駆動ローラ59
の直径による曲率に沿って屈曲しているので、静電吸着
ベルト14の外周面14a上の用紙19は自身の腰の強
さ(印刷用紙弾性)により静電吸着ベルト14の屈曲に
反して同ベルトから剥離し、分離爪86によってその分
離が補助されつつ下流側にある排紙装置16の搬送ベル
ト84上に受け渡される。
【0150】搬送ベルト84は、静電吸着ベルト14の
周速度より速い周速度で回転移動され、かつ吸引用ファ
ン85による吸引力が作用しているので、受け渡された
用紙19は、その後端部が印刷部11を抜けると搬送ベ
ルト84の周速度に増速されて搬送されてジャンプ台8
7へ案内され、これによって搬送ベルト84から分離さ
れて排紙トレイ17に排紙される。
【0151】分離部Bを通過した静電吸着ベルト14
は、その移動を続けベルト除電装置107に向かって搬
送される。ベルト除電装置107では、高圧電源112
からの帯電バイアスと逆極性のベルト除電バイアスが除
電ローラ111によって静電吸着ベルト14に供給さ
れ、静電吸着ベルト14に残留している帯電バイアスが
除電される。除電ローラ111には、対向電極となる電
極ローラ113が静電吸着ベルト14を介して対向配置
されているので、ベルト除電バイアスが安定して静電吸
着ベルト14に供給され、安定した静電吸着ベルト14
の除電が行われる。
【0152】したがって、用紙19の厚さや静電吸着ベ
ルト14の厚さのバラツキ等によって除電器67の下方
を通過し、用紙19の分離が行われた静電吸着ベルト1
4上に除電ムラがある場合でも、その除電ムラを解消す
ることができる。このため、静電吸着ベルト14に帯電
ローラ109で次の帯電が行われた場合でも、その時の
帯電を良好に行うことができ、帯電不足による用紙19
と静電吸着ベルト14との吸着力の低下が抑えられ、良
好な用紙19の搬送性や印刷部11への進入性、及び版
胴3との分離性を確保することができる。
【0153】次に図23のフローチャートを用いて用紙
19のジャム検知とジャムクリーニングについて説明す
る。CPU116では、用紙センサS1から出力される
用紙検知信号の出力をチェックしている。まずステップ
P1において、用紙検知信号が1枚の用紙19の給紙時
から一定時間内に出力されたかを判断し、出力されてい
れば、正常に給紙が行われたものとしてステップP2に
進み、設定時間内に用紙検知信号が出力されない時は、
不給紙か用紙センサS1よりも用紙搬送方向aの上流側
で用紙ジャムが発生したものとして、一旦孔版印刷装置
の動作を停止し、ステップP3で表示装置76にジャム
表示を行いステップP4に進む。
【0154】ステップP2では、用紙検知信号の出力時
間を予めROM117に記憶した設定時間と比較し、こ
の設定時間内であれば正常に用紙19が用紙センサS1
の下方を通過したものとしてジャムクリーニングは行わ
ない。
【0155】ステップP4では、電磁クラッチ212と
電磁ソレノイド217に通電して駆動し、巻取リール1
81をベルト駆動モータ62と同期して回転可能な状態
に置くと共に、押圧ローラ216を押圧位置まで移動さ
せて綿布180の外周面180cを静電吸着ベルト14
の外周面14aに圧接させる。そして、ステップP5,
P6において、ベルト駆動モータ62とクリーニングモ
ータ208をそれぞれ駆動する。ベルト駆動モータ62
が駆動されると、静電吸着ベルト14が用紙搬送方向a
に移動すると共に巻取リール181が反時計回りに回転
し綿布180が静電吸着ベルト14に圧接した状態で矢
印cで示す移動方向に移動する。これにより、用紙19
の不給紙や用紙ジャムによって静電吸着ベルト14の外
周面14aに付着したインキが、静電吸着ベルト14の
移動に伴い綿布180によって順次擦り取られ、インキ
汚れが解消される。また、巻取リール181が、静電吸
着ベルト14と同期して回転するので、インキを擦り取
った綿布180は巻取リール181に巻取れ、常に同一
箇所でない綿布180の外周面180cが静電吸着ベル
ト14の外周面14aに供給される。これによりインキ
の拭き取り効率が良く、綿布180に付着したインキの
静電吸着ベルト14に対する再付着もなく、良好なイン
キクリーニング性能を得られる。また、静電吸着ベルト
14がクリーニング中移動するので、ジャムした用紙1
9を強制的に用紙搬送方向aに搬送して装置外に排出す
ることができる。
【0156】クリーニングモータ208が駆動すると、
ブラシローラ200が反時計回りに回転し、静電吸着ベ
ルト14の外周面14aに付着した紙粉や埃やインキの
塊等の異物が掻き取られてトレイ201上に落とされ
る。これにより静電吸着ベルト14の外周面14aの異
物が取り除かれ、この異物による印刷不良が極めて少な
くなる。
【0157】このようなジャムクリーニング動作は、ス
テップP7においてクリーニング解除キー194が押下
されるまで継続して実行される。そしてクリーニング解
除キー194が押下されると、ステップP8においてク
リーニングモータ208、ベルト駆動モータ62、電磁
ソレノイド217及び電磁クラッチ212に対する通電
がカットされて各々の駆動が停止され、ステップP9に
おいて表示装置76に表示されたジャム表示がオフされ
てジャムクリーニング動作が終了する。
【0158】このように、用紙19の不給紙や用紙ジャ
ムが発生すると自動的に静電吸着ベルト14のクリーニ
ング動作を行うことで、ジャム解除後の印刷を良好に行
うことができる。
【0159】一方、静電吸着ベルト14の外周面14a
には、製造時やベルト使用に伴い方向性のある傷が形成
されることがあり、通常のクリーニング動作ではインキ
汚れが残ってしまうことがある。このような場合には、
クリーニング切替キー191を押下して、マニュアルク
リーニングモードにする。このモードになると、電磁ソ
レノイド217に通電されて図21に示すように、綿布
180の外周面180cが静電吸着ベルト14の外周面
14aに圧接すると共に、回転方向選択キー80で選択
された回転方向にベルト駆動モータ62とクリーニング
モータ208が回転可能な状態となる。
【0160】すなわち、逆回転キー80bを押下する
と、静電吸着ベルト14が通常のクリーニング時と反対
の時計回りに回転移動されて、通常のクリーニング動作
時とは静電吸着ベルト14の外周面14aと綿布180
の外周面180cとの接触方向が変わる。これにより、
通常のクリーニングで取り除くことのできないインキ汚
れを解消することができ、クリーニング性能が良くな
る。
【0161】第3実施例では非クリーニング動作時に、
綿布180の外周面180cが常に静電吸着ベルト14
の外周面14aから離間した初期位置を占め、かつクリ
ーニングモータ208、ベルト駆動モータ62、電磁ソ
レノイド217及び電磁クラッチ212も停止状態にあ
るので、綿布180による静電吸着ベルト14への搬送
負荷や綿布180の無駄な使用がなく、クリーニング期
間の延長を図れる。
【0162】上述した各実施例では、除電分離用の高圧
電源68とベルト除電用の高圧電源112とを個別に設
けたが、双方とも帯電用の高圧電源66,110と逆極
性の直流電源となっているので、共通電源として構成し
ても良い。このように共通電源に構成すると、コストダ
ウン、設置スペースを縮小でき装置の小型化となる。
【0163】上述した各実施例では、インキクリーニン
グ装置18のみ、あるいはインキクリーニング装置1
8,124と異物クリーニング装置103,125とを
それぞれ併設した例を用いてクリーニング動作を説明し
たが、異物クリーニング装置103,125だけを単独
に設けたものであっても良い。
【0164】第1実施例から第3実施例では、クリーニ
ング動作として自動クリーニングとマニュアルクリーニ
ングあるいは、自動クリーニングとジャムクリーニング
の両方を行なっているが、何れか一方のクリーニング動
作だけでも十分な静電吸着ベルト14のクリーニング性
は得られるので、必ずしも2つのクリーニング動作を行
わなくても良い。
【0165】上記実施例においては、静電ベルト搬送装
置9,105により、用紙19を静電吸着ベルト14の
外周面14a上に確実に静電吸着して用紙搬送が行われ
るため、用紙巻き上がり等による用紙ジャムでオペレー
タがそのジャムした用紙19を取り除くような用紙ジャ
ムは殆ど発生しないことから、ジャム発生時に、自動的
に静電吸着ベルト14のクリーニング動作を行うジャム
クリーニングを設けたものである。したがって、この自
動的にジャムクリーニングを行うことによる使い勝手等
の効果を望まなければ、オペレータが一旦孔版印刷装置
の内部を確認して、そのジャムの状況を判断してからジ
ャムクリーニングを続行するか、別にマニュアルクリー
ニングを指定するかを選択できるようにしても良い。
【0166】(第4実施例)第4実施例は、図24に示
すように、複胴式の孔版印刷装置に静電ベルト搬送装置
120を設けて用紙19を搬送すると共に、異物クリー
ニング装置220とインキクリーニング装置230とで
静電吸着ベルト130の外周面130aをクリーニング
するものである。この複胴式の孔版印刷装置は、用紙搬
送方向aの上流側から下流側に向かって並設された2つ
の版胴(以下、「版胴3A」、「版胴3B」と記す)、
原稿読み取り装置1A、製版給版装置2A,2Bと排版
装置29A,29B、給紙装置8と排紙装置16、プレ
スローラ10A,10B、静電ベルト搬送装置120、
帯電装置121、除電分離装置122、ベルト除電装置
123、及び異物クリーニング装置220とインキクリ
ーニング装置230を備えており、同時多色印刷(実施
例では同時2色印刷である)をすることが可能なように
構成されている。複胴式の孔版印刷装置としては、原稿
読み取り装置1A、製版給版装置2A,2B、排版装置
29A,29Bのないものであっても良い。
【0167】原稿読み取り装置1Aは、図2に示す構成
に加えて、図示しない多色重ね刷り印刷に必要な色分解
のための諸機能を有する構成、複数の色フィルターを切
換可能に制御できるフィルターユニットを備えている。
色フィルターを備えない場合には、予め各色の原稿を作
成しておいて、この原稿を原稿読み取り装置1Aで読み
取らせることで多色印刷が可能になる。製版給版装置2
A,2Bと排版装置29A,29Bは、版胴3A、版胴
3Bの外周部近傍に配置されている。排版装置29A,
29Bは、使用済みマスタを版胴3A,3Bの外周面3
Aa,3Baから剥離して廃棄する。製版給版装置2
A,2Bでは、原稿読み取り装置1Aで読み取られた原
稿の画像信号に応じて上述した実施例同様、製版給版す
ると共に版胴3A,3Bの外周面3Aa,3Baに製版
済みマスタ5A,5Bを各々巻装する。製版給版装置2
A,2Bでは、色毎に形成される画像信号に応じて、各
色に応じた穿孔画像を形成された製版済みマスタ5A,
5Bを製版して給版する。
【0168】版胴3Aには、その内部に設けたインキ供
給装置40Aによって1色目のインキとしてマゼンタ色
のインキが、版胴3Bには、その内部に設けたインキ供
給装置40Bによって2色目のインキとしてブラック色
のインキがそれぞれ供給されるようになっている。
【0169】静電ベルト搬送装置120は、レジストロ
ーラ対53から所定のタイミングで給紙される用紙19
を静電気力により静電吸着し搬送するもので、版胴3B
とプレスローラ10Bとの間に形成される印刷部11B
よりも排紙部12側に設けた駆動ローラ126と、版胴
3Aとプレスローラ10Aとの間に形成される印刷部1
1Aよりも給紙部6側に位置するレジストローラ対53
の近傍に配設された従動ローラ127と、テンションロ
ーラ128及び従動ローラ129との間に静電吸着ベル
ト130を印刷部11A,11Bを通過するようにテン
ションを掛けて巻きかけている。
【0170】テンションローラ128、従動ローラ12
9は、同一直径の太鼓状のローラ部材からなる。テンシ
ョンローラ128は、駆動ローラ126の下方に配置さ
れ、従動ローラ129は従動ローラ127の下方にそれ
ぞれ配置されている。駆動ローラ126と従動ローラ1
29及びテンションローラ128と従動ローラ127と
は、それぞれ対角線上に配置され静電吸着ベルト130
を四角形状に巻きかけて配置している。
【0171】特に、駆動ローラ126と従動ローラ12
7とは、その外周面の水平方向に向かう接線が同一線上
の共通接線Gとなるように配置されている。従動ローラ
127は、アルミと導電性フィラーを天然ゴムに分散さ
せた中抵抗ローラで構成されていて、帯電装置121の
対向電極を構成している。
【0172】静電吸着ベルト130は、その周速度が、
版胴3A,3Bの外周面3Aa,3Baの周速度と同一
となるように、ベルト駆動モータ131とプーリ13
2,133及びこれらプーリに巻きかけたベルト134
によって回転駆動される。ベルト駆動モータ131に
は、正逆回転可能なモータが用いられている。静電ベル
ト搬送装置120では、静電吸着ベルト130の反時計
回り方向を正回転とし、静電吸着ベルト130の時計回
り方向を逆回転としている。静電吸着ベルト130は、
絶縁体の材質からなるシームレスベルトであり、帯電装
置121及び除電分離装置122で容易に帯電、除電が
なされるようになっている。
【0173】プレスローラ10A,10Bは、インキロ
ーラ41A,41Bに対向する位置で版胴3A,3Bの
外周面3Aa,3Baに対して接離可能に設けられてい
る。プレスローラ10A,10Bは、印刷部11A,1
1Bを通過するように給紙部6と排紙部12との間に設
けられた静電吸着ベルト130を介して用紙19を版胴
3A,3Bの外周面3Aa,3Baへ押圧するものであ
る。プレスローラ10A,10Bは、駆動ローラ126
の外周面と従動ローラ127の外周面の共通接線Gより
上方に配設されている。
【0174】プレスローラ10A,10Bは、図25に
示すように、軸135A,135Bを中心に揺動自在に
設けられたプレスローラアーム136,137の一方の
揺動端136a,137aに、回転軸138A,138
Bで回転自在に支持されて版胴3A,3Bの外周面3A
a,3Baに接離可能に設けられている。プレスローラ
10A,10Bは、プレスローラアーム136,137
の他方の揺動端側136b,137bに設けた引っ張り
バネ139,140により版胴3A,3Bの外周面3A
a,3Baから離間する方向にそれぞれ付勢されてい
る。
【0175】プレスローラアーム136,137の他方
の揺動端136b,137bには、電磁ソレノイド14
1,142の可動ロッド141a,142aがピン14
3,144でそれぞれ結合されている。電磁ソレノイド
141,142には、平素、引っ張りバネ139,14
0のバネ力によりソレノイド本体から引っ張り出されて
いる可動ロッド141a,142aを、駆動信号が入力
されるとソレノイド本体内に吸引するプルタイプのもの
が用いられている。
【0176】電磁ソレノイド141,142は、レジス
トローラ対53からの用紙19の給紙タイミングおよび
版胴3A,3Bの回転と同期して駆動されるようになっ
ており、レジストローラ対53から用紙19が給紙され
ないときには、非駆動状態に置かれてプレスローラ10
A,10Bを版胴3A,3Bの外周面3Aa,3Baか
ら離間させている。
【0177】このような構成により、静電吸着ベルト1
30は印刷部11A,11Bにおいて、常時その内周面
130bにプレスローラ10A,10Bが圧接されて、
版胴3A,3Bの外周面3Aa,3Baへ向けて凸の形
となって駆動ローラ126と従動ローラ127との間に
掛け渡され、印刷部11A,11B側に位置する外周面
130aで用紙19の搬送経路を構成している。
【0178】図24に示すように、帯電装置121は、
中抵抗体の帯電ローラ145と、高圧電源146とから
主に構成されている。帯電ローラ145は、用紙19が
静電吸着ベルト130に吸着される吸着部Aにおいて回
転自在に設けられ、図26に示すように、静電吸着ベル
ト130の外周面130aに接触して配置されている。
この帯電ローラ145は、用紙密着部材の機能も兼ねて
いる。高圧電源146は、帯電ローラ145に対して帯
電バイアスを供給するもので、ここでは直流電源を用い
ている。この例では、帯電ローラ145を静電吸着ベル
ト130の外周面130aに接触させているが、引っ張
りバネや板バネ等の付勢手段を用いて静電吸着ベルト1
30の外周面130aに対して付勢して圧接させて設け
ても良い。あるいは、静電吸着ベルト130の外周面1
30aに対して僅かな隙間を設けて配置しても良い。
【0179】除電分離装置122は、図24に示すよう
に、除電器147と高圧電源148とから主に構成され
ている。除電器147は、駆動ローラ126の外周面の
近傍であり、かつ用紙19が駆動ローラ126の曲率に
よって静電吸着ベルト130から分離する分離部Bより
も用紙搬送方向aの上流側に配置されている。除電器1
47には、コロナ放電を行う非接触方式のコロトロン方
式が採用されている。高圧電源148は、除電器147
に対して除電バイアスを供給するもので、ここでは交流
電源を用いている。
【0180】ベルト除電装置123は、除電ローラ14
9と高圧電源150と対向電極をなす電極ローラ151
とから主に構成されており、除電器147と帯電ローラ
145の間、すなわち、吸着部Aよりも用紙搬送方向a
の上流側に配置されている。除電ローラ149は図示し
ない機体部に回転自在に支持されて静電吸着ベルト13
0の内周面130bに接触されている。電極ローラ15
1は図示しない機体部に回転自在に支持されて除電ロー
ラ149と対向配置されて静電吸着ベルト130の外周
面130aに接触している。高圧電源150は、除電ロ
ーラ149に対してベルト除電バイアスを供給するもの
で、ここでは、帯電用の高圧電源146と逆極性の直流
電源が用いられている。
【0181】版胴3A,3Bの版胴駆動部167につい
て図27を用いて説明する。版胴3A,3Bは、1つの
版胴駆動モータ152で回転駆動される。版胴3A,3
Bの一側面には、駆動歯車153,154がそれぞれ固
定されている。この駆動歯車153,154には、軸1
55,156の一端に固定された歯車157,158が
それぞれ噛合している。軸155,156の他端側に
は、連結ベルト161を掛け渡されたプーリ159,1
60が固定されている。プーリ159,160は、同一
径であって版胴3A,3Bを同一の周速度で回転駆動す
るように構成されている。
【0182】軸155,156は、その中央で分割され
ていて、この分割部には電磁クラッチ165,166が
介装されている。電磁クラッチ165,166は、平
素、軸155,156を分割した状態とし、駆動信号が
入力されると軸155,156をそれぞれ連結状態と
し、版胴3A,3Bに対する駆動力の伝達が行えるよう
に構成されている。
【0183】図24に示すように、帯電ローラ145と
印刷部11Aとの間、版胴3A,3Bの間、及び印刷部
11Bと除電器147との間には、用紙19の通過を検
知する用紙センサS2,S3,S4がそれぞれ配置され
ている。用紙センサS2,S3,S4は、光学反射式の
通過センサであって、静電吸着ベルト130の上方に配
置されており、用紙19がその下方を通過すると用紙検
知信号を出力するようになっている。
【0184】異物クリーニング装置220は、クリーニ
ング部材となる樹脂製のブレード221とその下方に設
けられた回収部となるトレイ222とから主に構成され
ている。ブレード221は、用紙搬送方向aと直交する
方向における静電吸着ベルト130の幅よりも幾分長く
形成されている。このブレード221は、図示しない装
置の基部に固定されたホルダー223に保持されて、用
紙19が静電吸着されて搬送されてこない非搬送経路側
に位置する静電吸着ベルト130の外周面130aに接
触されている。
【0185】インキクリーニング装置230は、クリー
ニング部材となる帯状の綿布231とその移動手段23
2と接離機構233とクリーニングセンサ234とから
主に構成されている。
【0186】移動手段232は、図28に示すように、
収納容器241に折り畳んで収納された無端状の綿布2
31を、テンションローラ128と対向する位置で駆動
ローラ235と従動ローラ236とに掛け渡している。
駆動ローラ235と従動ローラ236には、テンション
ローラ237,238がそれぞれ対向配置されている。
テンションローラ237,238は、押しバネ239,
240で駆動ローラ235と従動ローラ236に向かっ
てそれぞれ付勢されていて、駆動ローラ235と従動ロ
ーラ236に巻き掛けられた綿布231の外周面231
aに圧接して、綿布231の弛みを防止している。駆動
ローラ235には、プーリ242が一体的に設けられて
いる。このプーリ242には、クリーニングモータ24
3の出力軸243aに固定された駆動プーリ244との
間に駆動ベルト245が巻き掛けられている。
【0187】移動手段232では、駆動ローラ235で
送られる綿布231の外周面231aの周速度が、静電
吸着ベルト130の外周面130aの周速度よりも遅く
するように設定されている。移動手段232は、駆動ロ
ーラ235を平素、反時計方向に回転駆動して、綿布2
31を矢印cで示す移動方向に移動させ、収納容器24
1の送出口241aから綿布231を引き出し、収納容
器241の回収口241bから綿布231を収容容器2
41内に戻している。
【0188】接離機構233は、軸246を中心に揺動
自在に支持されたアーム247、押圧ローラ248、ア
ーム247を揺動させる電磁ソレノイド249、引っ張
りバネ250から主に構成されている。押圧ローラ24
8は、アーム247の一端247aに回転自在に支持さ
れてテンションローラ128と対向配置されている。電
磁ソレノイド249は、その可動片249aをアーム2
47の他端247bにピン結合されている。電磁ソレノ
イド249には、可動片249aを駆動時に引き込むプ
ルタイプのものが採用されている。
【0189】押圧ローラ248は、平素、2点鎖線で示
す駆動ローラ235と従動ローラ236との間に掛け渡
された綿布231の内周面231bに接触し、綿布23
1の外周面231aと静電吸着ベルト130の外周面1
30aとを離間させる初期位置に置かれていて、電磁ソ
レノイド249が駆動されると実線で示す綿布231の
外周面231aを静電吸着ベルト130の外周面130
aに圧接させる押圧位置まで移動する。アーム247
は、押圧ローラ248を静電吸着ベルト130から離間
する方向に引っ張りバネ250によって付勢されてい
る。
【0190】クリーニングセンサ234は、発光、受光
部が一体の反射型の光学センサであって、綿布231の
外周面231aに設けた検知部251を検知して、その
検知信号を出力する。
【0191】帯電用の高圧電源146と除電分離用の高
圧電源148、ベルト除電用の高圧電源150は、図2
9示すように電源制御部169と電気的に接続してい
る。この電源制御部169は、制御手段170を構成す
るCPU(中央演算処理装置)171に電気的に接続し
ている。電磁ソレノイド141,142、電磁クラッチ
165,166、用紙センサS2,S3,S4、クリー
ニングセンサ234、電磁ソレノイド249は、CPU
171にそれぞれ電気的に接続している。
【0192】制御手段170は、電源90と接続される
CPU171、図示しないI/O(入出力)ポート及び
ROM(読み出し専用記憶装置)172、RAM(読み
書き可能な記憶装置)173等を備え、それらが図示し
ない信号バスによって接続された構成を有する周知のマ
イクロコンピュータからなる。制御手段170では、C
PU171での演算結果をRAM173に一時的に記憶
させたり、適時その情報を読み出すようになっている。
【0193】CPU171には、図3に示す操作パネル
70の各キー及び表示装置が電気的に接続されていて、
これらとの間で指令信号及び/又はオン/オフ信号やデ
ータ信号を送受信している。CPU171には、図29
に示すように、版胴3A,3Bを正逆方向に回転駆動さ
せる版胴駆動部167、製版給版系駆動部95、排版系
駆動部96、給紙系駆動部98、排紙系駆動部99、フ
ァン駆動部100がそれぞれ電気的に接続されていて、
これらとの間で指令信号及び/又はオン/オフ信号やデ
ータ信号を送受信して孔版印刷装置の各部の装置や駆動
部の起動、停止及びタイミング等の動作全体のシステム
を制御している。CPU171には、クリーニングセン
サ234と電磁ソレノイド249と、駆動回路252を
介してクリーニングモータ243とがそれぞれ接続され
ている。
【0194】レジストモータ124及びベルト駆動モー
タ131は、それぞれ駆動回路101,102を介して
CPU171と接続していて、その駆動状態、すなわ
ち、用紙19の給紙タイミングや静電吸着ベルト130
の回転方向を制御可能としている。ROM172には、
前記装置及び各駆動部の起動、停止及びタイミング等の
動作に必要なデータが予め記憶されている。具体的に
は、製版スタートキー73が押下されると、製版、排版
工程や、版付けを行うと共に、テンキー71で印刷枚数
が設定され印刷スタートキー72が押下されると、版付
けと同様の工程で、給紙、印刷および分離排紙の各工程
が設定された印刷枚数分繰り返して行われる一連の自動
印刷モードが記憶されている。
【0195】自動印刷モードでは、製版スタートキー7
3や印刷スタートキー72が押下されて用紙19が給紙
トレイ7から給紙されると、帯電ローラ145から帯電
バイアスを静電吸着ベルト130に供給すべく高圧電源
146と、除電器147から除電バイアスを用紙19及
び静電吸着ベルト130に供給すべく高圧電源148と
を駆動し、かつ除電ローラ149から除電バイアスを静
電吸着ベルト130に供給すべく高圧電源150を駆動
する。
【0196】ROM172には、図30に示す自動クリ
ーニング動作と図31に示すジャムクリーニング動作と
図32に示すマニュアルクリーニング動作を実行するプ
ログラムが記憶されている。ROM172には、所定の
クリーニング回数が設定されている。CPU171は、
クリーニングセンサ234からの検知信号が、設定した
クリーニング回数入力されると、綿布231の交換を表
示装置76に表示するようになっている。
【0197】第4実施例の動作を説明するが、製版給
版、及び排版動作については、第1実施例の冒頭で説明
しているので省略し、版付けを含めた用紙19に対する
印刷と、印刷を終えた用紙19の分離、搬送、排紙、ベ
ルト除電、及び静電吸着ベルト130のクリーニング動
作について説明する。
【0198】メインスイッチキー192が押下される
と、孔版印刷装置の各駆動部が起動されるとともに、図
30に示すプログラムが開始される。ステップQ1で
は、メインスイッチキー192が押下されてオンする
と、ステップQ2に進んで電磁ソレノイド249を一定
時間通電駆動する。すると、図28に示すように可動片
249aが引き込まれて、アーム247が軸246を中
心に時計回りに揺動する。これにより押圧ローラ248
が、図28に2点鎖線で示す初期位置から実線で示す圧
接位置に向かって移動し、綿布231の外周面231a
が静電吸着ベルト130の外周面130aに圧接した状
態となる。
【0199】ステップQ3においてベルト駆動モータ1
31が一定時間駆動されると、静電吸着ベルト130が
用紙搬送方向aに一定時間移動しクリーニングが開始さ
れ、ステップQ4においてクリーニングモータ243が
一定時間駆動されると、綿布231が矢印c方向(反時
計回り方向)に移動する。テンションローラ128近傍
では、綿布231が静電吸着ベルト130の移動方向と
逆方向になるので、静電吸着ベルト130の外周面13
0aが、綿布231の外周面231aによって強く擦ら
れる。綿布231の外周面231aの周速度は、静電吸
着ベルト130の外周面130aのそれよりも遅く設定
されているので、綿布231の外周面231aが十分な
摩擦力をもって静電吸着ベルト130の外周面130a
に対して圧接しながら相対移動し、静電吸着ベルト13
0の外周面130aに付着したインキ汚れが確実に拭き
取られる。
【0200】ベルト駆動モータ131とクリーニングモ
ータ243及び電磁ソレノイド249の駆動される一定
時間とは、静電吸着ベルト130が2回転する時間に設
定されており、静電吸着ベルト130が2回転すると、
ベルト駆動モータ131とクリーニングモータ243が
停止すると共に、電磁ソレノイド249に対する通電が
カットされ、綿布231と静電吸着ベルト130とが離
間して自動クリーニングが終了する。また、静電吸着ベ
ルト130の外周面130aには、図24に示すように
常にブレード221が接触しているので、外周面130
aに付着した紙粉や埃やインキの塊等の異物は、ブレー
ド221によって掻き取れられて回収トレイ222内に
回収される。ここでの一定時間とは、静電吸着ベルト1
4が一方向に2回転する時間に限定されるものではな
く、装置の仕様や使用形態に応じて適当に選択するのが
望ましい。
【0201】このように装置の起動時に自動的に静電吸
着ベルト130のクリーニング動作を行うことで、操作
性が良いと共に、クリーニング動作の忘れを防止でき、
装置起動時から良好な印刷を行うことができる。
【0202】孔版印刷装置は通常自動印刷モードとなっ
ているので、給版行程によって製版済みマスタ5A,5
Bがその外周面3Aa,3Baに巻装された版胴3A,
3Bは、給版終了後も継統して時計回り方向に回転を続
け、これに伴いベルト駆動モータ131が駆動されて、
静電吸着ベルト130が反時計回り方向に版胴3A,3
Bの周速度と同一な速度で回転する。
【0203】給紙装置8では、版胴3A,3Bの回転と
同期して呼び出しコロ50と給紙ローラ上51aとが図
の時計回り方向へ回転され、給紙ローラ対51とサバキ
板52との協働により給紙トレイ7上に積載された用紙
19を一枚ずつ分離して、回転停止しているレジストロ
ーラ対53へ送出する。これと共に帯電ローラ145に
よって静電吸着ベルト130が帯電される。帯電ローラ
145には、対向電極となる従動ローラ127が対向配
置されているので、帯電ローラ145からの帯電バイア
スが、この対向電極の作用によって静電吸着ベルト13
0側に引き付けられ安定したベルト帯電が行われる。
【0204】レジストローラ対53では、用紙19の先
端と版胴3Aの外周面3Aaに巻装された製版済みマス
タ5Aに形成された穿孔画像の先端とが印刷部11Aに
おいて一致する所定のタイミングで用紙19を印刷部1
1Aに向かって給紙する。
【0205】図26に示すように、給紙された用紙19
が吸着部A近傍まで搬送されると、既に帯電ローラ14
5で帯電された静電吸着ベルト130上の電荷による静
電気力により吸い寄せられつつ帯電ローラ145と静電
吸着ベルト130の外周面130aとの間に挟持され
る。これにより、用紙19は、静電吸着ベルト130の
外周面130aに押圧されつつ帯電ローラ145からの
電荷バイアスを受け、静電吸着ベルト130の外周面1
30a上に確実に静電吸着されることになる。
【0206】静電吸着された用紙19は、静電吸着ベル
ト130の回転移動によって印刷部11Aに向かって搬
送されるが、この搬送に伴い静電吸着ベルト130の外
周面130a上に吸着される吸着面積が次第に拡大して
いく。このため、用紙19の印刷部11Aへの搬送が進
む程に用紙19と静電吸着ベルト130の静電吸着力が
大きくなって用紙19の吸着状態が安定する。
【0207】用紙19の先端が印刷部11Aの近くまで
搬送されると、図25に2点鎖線で示すように、版胴3
A,3Bの外周面3Aa,3Baから離れた離間位置に
あるプレスローラ10A,10Bが、電磁ソレノイド1
41,142の吸引により版胴3A,3Bの外周面3A
a,3Baに向かって押し上げられ実線で示す押圧位置
をとる。このプレスローラ10A,10Bの動作によ
り、吸着部Aから印刷部11Aまでの間に位置する静電
吸着ベルト130は、用紙搬送方向aに対して昇り傾斜
となる。用紙19は、印刷部11Aを通過するように配
置した静電吸着ベルト130に十分に静電吸着されてい
るので、静電吸着ベルト130の傾斜と相まって印刷部
11Aへの進入がスムーズに行われる。
【0208】プレスローラ10A,10Bが上昇する
と、印刷部11Bから分離部Bの間に位置する静電吸着
ベルト130は、用紙搬送方向aに対して下り傾斜とさ
れ、印刷部11A,11B間に位置する静電吸着ベルト
130は、水平状態となる。
【0209】プレスローラ10A,10Bは、版胴3
A,3Bの外周面3Aa,3Baから離れた離間位置に
あっても常に、静電吸着ベルト130の内周面130b
に圧接するように設けられているため、静電吸着ベルト
130が回転移動を開始すると、同方向に同一の周速度
で回転する。このため、プレスローラ10A,10Bの
接離動作が行われても、プレスローラ10A,10Bと
静電吸着ベルト130との周速度に変化がなく、静電吸
着ベルト130の弛みや振動の発生がない。
【0210】印刷部11Aへ用紙19が進入すると、図
26に示すように、版胴3Aの内周面3Ab、すなわち
円筒状の多孔性薄板にインキローラ41Aによって供給
されたインキが、プレスローラ10Aの押圧によって図
示しない多孔性薄板の開孔を通りメッシュスクリーンに
より拡散し、更に製版済みマスタ5Aの多孔質支持体に
よって均一に拡散し、製版済みマスタ5Aのマスタフィ
ルムの開孔から用紙19へ転移され、製版済みマスタ5
Aの穿孔画像に対応する印刷、すなわち1色目のインキ
による印刷が行われ、版胴3Bに向かって搬送される。
用紙19は、静電吸着ベルト130に十分に静電吸着さ
れ、かつ静電吸着ベルト130の弛みや振動も抑えられ
ているので、印刷部11Aで印刷を終えた用紙19は、
版胴3A近傍に分離爪がなくとも版胴3Aの外周面3A
aから良好に分離され、静電吸着ベルト130に静電吸
着されて印刷部11Bに向かって搬送される。このた
め、分離爪による爪跡等のない良好な印刷を行えると共
に、版胴3Bに対する搬送遅れがなくなる。
【0211】印刷部11Aを通過した用紙19は、静電
吸着ベルト130との吸着面積が更に増大されて印刷部
11Bに向かって搬送されることで、静電吸着ベルト1
30に一層強く静電吸着されるため、静電吸着力不足に
よる搬送遅れがなく、また印刷部11Bへの進入がスム
ーズに行われる。これにより、版胴3Bでの印刷位置の
ずれやダブリ画像の発生が極めて少なくなる。
【0212】印刷部11Bへ用紙19が進入すると、版
胴3Bの内周面3Bb、すなわち円筒状の多孔性薄板に
インキローラ41Bによって供給されたインキが、プレ
スローラ10Bの押圧によって図示しない多孔性薄板の
開孔を通りメッシュスクリーンにより拡散し、さらに製
版済みマスタ5Bの多孔質支持体によって均一に拡散
し、製版済みマスタ5Bのマスタフィルムの開孔から用
紙19へ転移され、製版済みマスタ5Bの穿孔画像に対
応する印刷、すなわち2色目のインキによる印刷が行わ
れる。この2色目のインキにより印刷、すなわち印刷部
11Bでの印刷では、印刷部11Aから搬送される用紙
19の搬送遅れが極めて少なくされているので、画像ダ
ブリや位置ずれのない良好な印刷画像を得られる。
【0213】印刷部11Bでの印刷を終えた用紙19
は、静電吸着ベルト130の移動に伴いさらに用紙搬送
方向aの下流側に向かって搬送されるが、この搬送に伴
い用紙19と静電吸着ベルト130吸着面積はより一層
増大する。加えて、印刷部11Bを通過する静電吸着ベ
ルト130が印刷部11Bから離れるように傾斜(下り
傾斜)しているので、印刷部11Bで印刷を終えた用紙
19は、版胴3B近傍に分離爪がなくとも版胴3Bの外
周面3Baから良好に分離され、静電吸着ベルト130
に静電吸着されて用紙搬送方向aの下流側に搬送され
る。このため、分離爪による爪跡等のない良好な印刷を
行える。
【0214】印刷を終えた用紙19の先端が、静電吸着
ベルト130の回転に伴い除電器147の直下に到達す
ると、これの除電作用により静電吸着ベルト130と用
紙19との静電吸着力が解消される。このため、用紙1
9や静電吸着ベルト130が除電器147の下を順次通
過することで、用紙19の全面及び静電吸着ベルト13
0の全面に除電作用が働くことになる。
【0215】除電器147によって除電された用紙19
が分離部Bに達すると、静電吸着ベルト130が駆動ロ
ーラ126の曲率に沿って屈曲しているので、静電吸着
力を取り除かれて静電吸着ベルト130の外周面130
aにある用紙19は、自身の腰の強さ(印刷用紙弾性)
により静電吸着ベルト130の屈曲に反して同ベルトか
ら剥離される。この剥離された用紙19の先端は、図2
4に示す分離爪86によって分離を補助されつつ下流側
にある排紙装置16の搬送ベルト84上に受け渡され
る。
【0216】搬送ベルト84上に受け渡された用紙19
は、反時計回り方向に回転している搬送ベルト84の搬
送面へ、吸引用ファン85の吸引力と、用紙19と搬送
ベルト84との摩擦力によって吸着されて搬送される。
搬送ベルト84は、版胴3A,3Bの外周面3Aa,3
Baの周速度、すなわち静電吸着ベルト130の周速度
より速い周速度で回転移動するので、用紙19は、その
後端部が印刷部11Bを抜けると搬送ベルト84の周速
度に増速されて搬送される。このため、印刷を終えて静
電吸着ベルト130から剥離分離された用紙19は、吸
引用ファン85による吸引力によって搬送ベルト84に
吸着搬送されてジャンプ台87へ案内され、ジャンプ台
87によって搬送ベルト84から分離されて排紙トレイ
17に排紙される。排紙された用紙19は、排紙トレイ
17のエンドプレートに衝突し、その進行が止められて
自由落下し排紙トレイ17上に積載される。
【0217】分離部Bを通過した静電吸着ベルト130
は、その移動を続けベルト除電装置123に向かって搬
送される。ベルト除電装置123では、高圧電源150
から供給される帯電バイアスと逆極性のベルト除電バイ
アスが除電ローラ149によって静電吸着ベルト130
に供給され、静電吸着ベルト130に残留している帯電
バイアスが除電される。除電ローラ149には、対向電
極となる電極ローラ151が静電吸着ベルト130を介
して対向配置されているので、ベルト除電バイアスが安
定して静電吸着ベルト130に供給され、静電吸着ベル
ト130の除電が確実に行われる。
【0218】このように、用紙19の厚さや静電吸着ベ
ルト130の厚さのバラツキにより除電器147の下方
を通過し静電吸着ベルト130上に除電ムラがある場合
でも、その除電ムラを解消することができる。このた
め、帯電ローラ145による帯電を良好に行うことがで
き、帯電不足による用紙19と静電吸着ベルト130と
の吸着力の低下が抑えられ、良好な用紙19の搬送性や
印刷部11A,11Bへの進入性が得られる。
【0219】次に図31を用いて用紙19のジャム検知
とジャムクリーニング動作について説明する。ステップ
R1では、用紙センサS2から出力される用紙検知信号
の出力を1枚の用紙19の給紙時から一定時間内に出力
されたかを判断し、時間内に出力されていれば、正常に
給紙が行われたものとしてステップR2に進み、ステッ
プR1で一定時間内に用紙検知信号が出力されない時
は、不給紙か用紙センサS2よりも用紙搬送方向aの上
流側で用紙ジャムが発生したものとして、一旦孔版印刷
装置の動作を停止し、ステップR3で表示装置76にジ
ャム表示を行いステップR7に進む。
【0220】ステップR2では、用紙センサS2からの
用紙検知信号の出力時間を予めROM172に記憶した
設定時間と比較し、この設定時間内であれば正常に用紙
19が用紙センサS2の下方を通過したものとしてステ
ップR4に進む。ステップR4では、用紙センサS3か
らの用紙検知信号の出力時間を予めROM172に記憶
した設定時間と比較し、この設定時間内であれば正常に
用紙19が用紙センサS3の下方を通過したものとして
ステップR5に進む。ステップR5では、用紙センサS
4からの用紙検知信号の出力時間を予めROM172に
記憶した設定時間と比較し、この設定時間内であれば正
常に用紙19が用紙センサS4の下方を通過したものと
して、ジャムクリーニングを実行しない。
【0221】ステップR2において、用紙センサS2か
らの用紙検知信号の出力時間が設定時間以上であると、
用紙センサS2付近で用紙ジャムが発生したものとして
一旦孔版印刷装置の動作を停止し、ステップR3を経て
ステップR7に進む。ステップR7では、電磁ソレノイ
ド249に通電して駆動し、図28に示す押圧ローラ2
48を実線で示す押圧位置まで移動させて綿布231の
外周面231aを静電吸着ベルト130の外周面130
aに圧接する。そして、ステップR8,R9において、
クリーニングモータ243とベルト駆動モータ131と
をそれぞれ逆回転駆動する。クリーニングモータ243
が逆回転駆動すると、綿布231が図28において静電
吸着ベルト130に圧接した状態で矢印bで示す時計回
り方向に移動する。ベルト駆動モータ131が逆回転駆
動すると、静電吸着ベルト130が用紙搬送方向aと逆
方向となる時計回り方向に移動する。このため、テンシ
ョンローラ128付近では、綿布231と静電吸着ベル
ト130との移動方向が逆方向となり、用紙19の不給
紙や用紙ジャムによって静電吸着ベルト130の外周面
130aに付着したインキが、静電吸着ベルト130の
移動に伴い綿布231により順次擦り取られ、インキ汚
れが解消され、かつ、ジャムした用紙19が給紙部6側
に搬送排出される。
【0222】一方、ステップR4,R5において用紙セ
ンサS3,S4からの用紙検知信号の出力時間が設定時
間以上であると、用紙センサS3あるいは用紙センサS
4付近で用紙ジャムが発生したものとして一旦孔版印刷
装置の動作を停止し、ステップR6に進み表示装置76
にジャム表示を行いステップR10に進む。
【0223】ステップR10では、電磁ソレノイド24
9に通電して駆動し、押圧ローラ248を図28に実線
で示す押圧位置まで移動させて綿布231の外周面23
1aを静電吸着ベルト130の外周面130aに圧接す
る。そして、ステップR11,R12において、クリー
ニングモータ243とベルト駆動モータ131とをそれ
ぞれ正回転駆動する。クリーニングモータ243が正回
転駆動すると、綿布231の外周面231aが静電吸着
ベルト130の外周面130aに接触した状態で反時計
回り方向(矢印c方向)に移動し、ベルト駆動モータ1
31が正回転駆動すると静電吸着ベルト130が用紙搬
送方向aに移動する。
【0224】このため、テンションローラ128付近で
は、綿布231と静電吸着ベルト130の移動方向が逆
方向となり、版胴3A,3B間あるいは、版胴3Bより
も用紙搬送方向aの下流側での用紙ジャムによって静電
吸着ベルト130の外周面130aに付着したインキ汚
れが、静電吸着ベルト130の移動に伴い綿布231に
より順次擦り取られ、インキ汚れが解消され、かつ、ジ
ャムした用紙19が排紙部12側に搬送排出される。
【0225】静電吸着ベルト130が移動すると、ブラ
シ221によって紙粉や埃やインキの塊などの異物が掻
き取られトレイ222内に落とされる。これにより静電
吸着ベルト130の外周面130aの異物が取り除かれ
るので、異物による印刷不良が極めて少なくなる。
【0226】このような用紙ジャム時のクリーニング動
作は、ステップR13においてクリーニング解除キー1
94が押下されるまで継続して実行され、クリーニング
解除キー194が押下されると、ステップR14におい
てクリーニングモータ243、ベルト駆動モータ13
1、電磁ソレノイド249に対する通電がカットされて
各々の駆動が停止する。これにより綿布231の外周面
231aは、静電吸着ベルト130の外周面130aか
ら離間した状態に置かれ、ステップR15において表示
装置76に表示されたジャム表示がオフされてジャムク
リーニング動作が終了する。
【0227】このように、用紙19の不給紙や用紙ジャ
ムが発生すると自動的に静電吸着ベルト130のクリー
ニング動作を行うことで、ジャム解除後の印刷を良好に
行うことができる。静電吸着ベルト130の移動方向が
用紙19のジャムした位置によって自動的に切り替えら
れるので、ジャムした用紙19の回収を素早く行え、装
置の操作性が良く、装置の停止時間が少なくなって印刷
時間を短縮することができる。詰まった用紙19の回収
後は、リセットキー97を押下すると、印刷を再度やり
直すべく各部が印刷開始前の状態となり、印刷スタート
キー72の入力待ちの状態となる。
【0228】静電吸着ベルト130の外周面130aに
は、製造時やベルト使用に伴い方向性のある傷が形成さ
れることがあり、通常のクリーニング動作では、インキ
汚れが残ってしまうことがある。このような場合には、
図32のマニュアルクリーニングを実行するべくクリー
ニング切替キー191を押下する。ステップT1でクリ
ーニング切替キー191が押下されてオンすると、ステ
ップT2に進んで正回転キー80aのオンか否かが判断
され、オンでなければステップT7に進んで逆回転キー
80bのオンか否かが判断される。つまり、ここでは回
転方向選択キー80による回転方向の選択が待たれ、何
れか一方のキーが選択されるとステップT3,ステップ
T8においてクリーニングオンキー190aの押下が待
たれる。
【0229】ステップT2で正回転キー80aがオン、
ステップT3でクリーニングオンキー190aが押下さ
れると、ステップT4,T5,T6と進む。ステップT
4では、ベルト駆動モータ131が駆動されて静電吸着
ベルト130が用紙搬送方向aに移動する。ステップT
5では、電磁ソレノイド249が駆動され、図28の初
期位置に置かれた押圧ローラ248が実線で示す押圧位
置まで移動し、用紙搬送方向aに移動している静電吸着
ベルト130の外周面130aに綿布231の外周面2
31aが圧接する。これにより外周面130aに付着し
たインキが拭き取られ、すなわちクリーニングが開始さ
れる。ステップT6ではクリーニングモータ243が駆
動されて綿布231が矢印c方向に移動する。これによ
り同一箇所でない綿布231の外周面231aが静電吸
着ベルト130の外周面130aに供給されるので、イ
ンキ汚れの拭き取りが良好に行われる。
【0230】ステップT7で逆回転キー80bがオン、
ステップT8でクリーニングオンキー190aが押下さ
れると、ステップT9,T10,T11と進む。ステッ
プT9では、ベルト駆動モータ131が駆動されて静電
吸着ベルト130が用紙搬送方向aと反対方向(時計回
り方向)に移動する。ステップT10では、電磁ソレノ
イド249が駆動され、図28の初期位置に置かれた押
圧ローラ248が実線で示す押圧位置まで移動し、時計
回り方向に回転移動している静電吸着ベルト130の外
周面130aに綿布231の外周面231aが圧接して
インキが拭き取られる。ステップT11ではクリーニン
グモータ243が駆動され綿布231が矢印b方向に移
動する。これにより同一箇所でない綿布231の外周面
231aが静電吸着ベルト130の外周面130aに供
給されるので、インキの拭き取りが効率よく行われる。
また、静電吸着ベルト130の外周面130aに付着し
た紙粉や埃やインキの塊等の異物は、外周面130aに
接触するブレード221によって掻き取られる。
【0231】これらベルト駆動モータ131とクリーニ
ングモータ243及び電磁ソレノイド249の駆動は、
ステップT12において、クリーニングオフキー190
bが押下されるまで行われる。つまり、綿布231とブ
レード221によるマニュアルクリーニング動作は、ク
リーニングオフキー190bが押下されるまで継続して
行われる。ステップT12においてクリーニングオフキ
ー190bが押下されると、ステップT13でベルト駆
動モータ131とクリーニングモータ243と電磁ソレ
ノイド249の駆動が停止される。これによって、綿布
231の外周面231aは、静電吸着ベルト130の外
周面130aから離間した状態に置かれてマニュアルク
リーニング動作が終了する。
【0232】このようにクリーニング動作をマニュアル
で行えるようにすると、自動クリーニングの故障時や、
印刷枚数が多く静電吸着ベルト130の汚れがひどくな
ってきた場合、あるいは通常のクリーニング動作でもイ
ンキ汚れが取れない場合でも、静電吸着ベルト130の
外周面130aのクリーニングを最適に行え、良好な印
刷画像を得られる。
【0233】図28に示すクリーニングセンサ234の
下方を、綿布231の移動に伴い検知部251が通過す
ると、検知信号が出力され、この検知信号をCPU17
1が2回検知すると、綿布231の交換時期として表示
装置76にその内容が表示される。
【0234】第4実施例で説明した非クリーニング動作
時には、綿布231の外周面231aが常に静電吸着ベ
ルト130の外周面130aから離間した位置を占め、
かつクリーニングモータ243も停止状態にあるので、
綿布231による静電吸着ベルト130の搬送負荷や、
綿布231の無駄な使用が低減してクリーニング期間の
延長を図れる。
【0235】第4実施例では、クリーニングセンサ23
4からの検知信号を所定回数検出すると綿布の交換時期
を表示するように制御しているが、第1、第2、第3の
各実施例で用いたクリーニングセンサ184と同様に、
綿布231の有無や破損を検知して、それを表示する機
能を制御手段171に持たせても良い。また、検知回数
は2回に限定されるものではなく適宜設定変更するのが
良い。
【0236】各実施例において、帯電器65や帯電ロー
ラ109,145、並びに除電ローラ111,149に
対向電極を設けているが、対向電極を除いた構成であっ
ても無論構わない。また、除電器67,147は、静電
吸着ベルト14,130の外周面14a,130a側だ
けに設けているが、静電吸着ベルト14,130の内周
面14b,130b側に対向電極を設けたり、あるいは
今一つ除電器を設けて静電吸着ベルト14,130の両
面から除電を行うようにしても良い。各実施例におい
て、静電吸着ベルト14,130には、シームレスベル
トが採用されているので、印刷時に継目跡が無く良好な
印刷画像が得られる。
【0237】第3、第4実施例では、ベルト除電装置1
07,123に帯電ローラ111,149を用いた接触
方式を採用しているが、コロナ放電を行う非接触式のも
の、あるいはブラシ状の放電部材を用いて摩擦帯電させ
るものを用いても良い。
【0238】第4実施例では、静電吸着ベルト130が
絶縁材であり、除電分離用の高圧電源148に交流電源
を用いているので、除電器147による用紙19と静電
吸着ベルト130に対する除電作用が直流電源による除
電作用よりも極性変化の分だけ低下してしまうので、除
電装置123を設けて静電吸着ベルト130上に残留し
た帯電を除電するのは、静電吸着ベルト130の除電が
より確実なものとなり、帯電不足による上述の不具合の
発生を極めて少なくできる。また、第1から第3実施例
では、高圧電源68,112に直流電源を用いている
が、第4実施例のように交流電源を用いても良い。
【0239】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、給紙部か
ら給紙される用紙と静電吸着ベルトとの静電吸着が印刷
部に到達するまでに十分に行われるので、空気吸引、エ
アーナイフ、分離爪等を用いなくとも良く、静粛性を保
ちながら印刷部に対する用紙の搬送性や進入性及び版胴
と用紙の剥離分離性を向上して良好な印刷画像を得られ
る。静電吸着ベルトの外周面に付着したインキや異物が
クリーニング装置によって取り除かれるので、良好な印
刷画像を得られる。
【0240】請求項2記載の発明によれば、静電吸着ベ
ルトの外周面に付着したインキ汚れがインキクリーニン
グ装置で擦り落とされ、請求項1記載の発明の効果に加
えて特に用紙の裏汚れのない印刷画像を得られる。
【0241】請求項3記載の発明によれば、静電吸着ベ
ルトの外周面に付着した紙粉や埃や乾燥したインキの塊
等の異物が異物クリーニング装置のクリーニング部材で
掻き取られるので、静電吸着ベルトの帯電性や除電性の
低下が極めて少なくなると共に異物の形状が用紙の印刷
面に浮きでなくなる。このため、請求項1記載の発明の
効果に加えて、用紙の搬送性や分離性がより向上し、印
刷位置ずれが極めて少なくなって良好な印刷画像を得ら
れる。
【0242】請求項4記載の発明によれば、静電吸着ベ
ルトの外周面に付着した異物やインキの汚れが一緒に取
り除かれるので、請求項1記載の発明の効果に加えて、
用紙の裏汚れのない印刷画像や、用紙の搬送性や分離性
がより向上して印刷位置ずれのない良好な印刷画像を得
られる。
【0243】請求項5記載の発明によれば、静電吸着ベ
ルトに接離可能な帯状のクリーニング部材が移動手段で
移動されるので、静電吸着ベルトの外周面に対して常に
新しいクリーニング部材が供給されてインキの拭き取り
が効率良く行われ、請求項2または4記載の発明の効果
に加えて、よりインキによる用紙の裏汚れのない印刷画
像を得られる。
【0244】請求項6記載の発明によれば、帯状のクリ
ーニング部材の移動方向に、このクリーニング部材の状
態を検知するクリーニング部材検知手段を配置すること
で、請求項5記載の発明の効果に加えて、移動方向に移
動する帯状のクリーニング部材の状態が検知手段によっ
て検知することができるので、クリーニング部材の交換
時期や故障を速やかに報知することができる。
【0245】請求項7記載の発明によれば、クリーニン
グ動作がクリーニング指令手段によって指令された時だ
け行われるので、上記請求項記載の発明の効果に加え
て、不要なクリーニング動作が低減されてクリーニング
装置の使用期間の延長を図ることができる。
【0246】請求項8記載の発明によれば、帯状のクリ
ーニング部材がクリーニング指令手段によって指令され
た時だけ静電吸着ベルトの外周面に接触するので、上記
請求項記載の発明の効果に加えて、非クリーニング動作
時における静電吸着ベルトにかかる搬送負荷を軽減する
ことができる。
【0247】請求項9記載の発明によれば、クリーニン
グ装置の駆動源とベルト搬送装置の駆動源とを共通とす
ることで、上記請求項記載の発明の効果に加えて、駆動
源の設置スペースが小スペースとなり孔版印刷装置の小
型化となる。また、共通の駆動源とクリーニング装置と
を断続する駆動断続手段を有するので、クリーニング装
置の駆動が駆動断続手段によってベルト搬送装置と個別
に駆動でき、クリーニング装置の無駄な使用を防止でき
ると共に、非クリーニング時におけるベルト搬送装置に
かかる負荷を低減でき、クリーニング装置の使用期間の
延長を図れる。
【0248】請求項10記載の発明によれば、静電吸着
ベルトが正逆両方向に移動可能に設けられることで、ク
リーニング部材に対する静電吸着ベルトの移動方向が変
化してクリーニングの偏りやムラが低減され、上記請求
項記載の発明の効果に加えてより一層インキによる裏汚
れのない印刷画像や、用紙の搬送性や分離性が向上して
印刷位置ずれのない良好な印刷画像を得られる。また、
用紙ジャム時のジャムした用紙の処理を円滑に行える。
【0249】請求項11記載の発明によれば、クリーニ
ング装置によるクリーニング動作が少なくとも孔版印刷
装置の始動時に実行されるので、静電吸着ベルトの汚れ
が孔版印刷装置の始動時に取り除かれ、クリーニング忘
れを防止できる。このため上記請求項記載の発明の効果
に加えて、静電吸着ベルトのより確実なクリーニングを
行え、一層インキによる裏汚れのない印刷画像や、用紙
の搬送性や分離性が向上して印刷位置ずれのない良好な
印刷画像を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す孔版印刷装置の概略
構成図である。
【図2】原稿読み取り装置、製版給版装置、排版装置、
及び版胴内部の構成を示す拡大図である。
【図3】各実施例で用いる操作部の構成を示す一部破断
平面図である。
【図4】第1実施例と第2実施例と第3実施例とで用い
るプレスローラの接離機構とその動作、及び印刷部への
進入前の用紙の状態を示す拡大図である。
【図5】印刷部通過時の用紙の状態を示す拡大図であ
る。
【図6】第1実施例で用いるインキクリーニング装置の
構成を示す拡大図である。
【図7】クリーニング部材とその近傍の構成を示す平面
図である。
【図8】第1実施例で用いる制御手段の構成を示すブロ
ック図である。
【図9】第1実施例と第2実施例とで用いる自動クリー
ニング動作に関するフローチャートである。
【図10】第1実施例と第2実施例とで用いるマニュア
ルクリーニング動作に関するフローチャートである。
【図11】本発明の第2実施例を示す孔版印刷装置の概
略構成図である。
【図12】第2実施例で用いるインキクリーニング装置
の構成とクリーニング動作状態を示す拡大図である。
【図13】第2実施例で用いる制御手段の構成を示すブ
ロック図である。
【図14】第2実施例で用いるインキクリーニング装置
のクリーニング解除状態を示す拡大図である。
【図15】第2実施例で用いるクリーニング解除動作に
関するフローチャートである。
【図16】本発明の第3実施例を示す孔版印刷装置の概
略構成図である。
【図17】第3実施例で用いる帯電装置とベルト除電装
置の構成を示す拡大図である。
【図18】第3実施例で用いるインキクリーニング装置
の構成とクリーニング解除状態を示す拡大図である。
【図19】第3実施例で用いるインキクリーニング装置
の移動手段の構成を示す一部破断拡大平面図である。
【図20】第3実施例で用いる制御手段の構成を示すブ
ロック図である。
【図21】第3実施例で用いるインキクリーニング装置
のクリーニング動作状態を示す拡大図である。
【図22】第3実施例における自動クリーニング動作に
関するフローチャートである。
【図23】第3実施例で用いるジャムクリーニング動作
に関するフローチャートである。
【図24】本発明の第4実施例を示す孔版印刷装置の概
略構成図である。
【図25】第4実施例で用いるプレスローラの接離機構
とその動作、及び印刷部への進入前の用紙の状態を示す
拡大図である。
【図26】第4実施例で用いる静電吸着ベルトの移動に
伴う用紙の移動状態を示す拡大図である。
【図27】第4実施例で用いる版胴駆動部の構成を示す
一部破断拡大平面図である。
【図28】第4実施例で用いるインキクリーニング装置
の構成とその動作を示す拡大図である。
【図29】第4実施例で用いる制御手段の構成を示すブ
ロック図である。
【図30】第4実施例で用いる自動クリーニング動作に
関するフローチャートである。
【図31】第4実施例で用いるジャムクリーニング動作
に関するフローチャートである。
【図32】第4実施例で用いるマニュアルクリーニング
動作に関するフローチャートである。
【符号の説明】
3,3A,3B 版胴 3a,3Aa,3Ba 外周面 5,5A,5B 製版済みマスタ 6 給紙部 9,105,120 静電ベルト搬送装置 10,10A,10B 押圧手段 11,11A,11B 印刷部 12 排紙部 13,106,121 帯電装置 14,130 静電吸着ベルト 14a,130a 静電吸着ベルトの外周面 18,124,230 インキクリーニング装置 19 用紙 40,40A,40B インキ供給手段 62,131 ベルト搬送装置の駆動源 89,89A,115,170制御手段 103,125,220 異物クリーニング装置 180,231 帯状のクリーニング部材 183,211,232 移動手段 184,234 クリーニング部材検知手
段 186,208,243 クリーニング装置の駆動
源 190 クリーニング指令手段 200,221 クリーニング部材 212 駆動断続手段 a 用紙搬送方向

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周面に製版済みマスタを巻装する版胴
    と、上記版胴に巻装された製版済みマスタにインキを供
    給するインキ供給手段と、上記インキ供給手段に対向す
    る位置で上記版胴に対して接離可能に設けられた押圧手
    段とを有し、上記版胴と上記押圧手段とが対向する印刷
    部で用紙に印刷を行う孔版印刷装置において、 上記印刷部よりも用紙搬送方向の上流側に設けられた給
    紙部と上記印刷部よりも用紙搬送方向の下流側に設けら
    れた排紙部との間に上記印刷部を通過して掛け渡され、
    上記給紙部から給紙される用紙を静電吸着して搬送する
    静電吸着ベルトを有する静電ベルト搬送装置と、上記静
    電吸着ベルトの外周面を清掃するクリーニング装置とを
    有する孔版印刷装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の孔版印刷装置において、 上記クリーニング装置が、上記静電吸着ベルトの外周面
    に付着したインキ汚れを取り除くためのインキクリーニ
    ング装置からなる孔版印刷装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の孔版印刷装置において、 上記クリーニング装置が、上記静電吸着ベルトの外周面
    に付着した異物を取り除くためのクリーニング部材を有
    する異物クリーニング装置からなる孔版印刷装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載の孔版印刷装置において、 上記クリーニング装置が、静電吸着ベルトの外周面に付
    着したインキと異物とをそれぞれ取り除くためのインキ
    クリーニング装置と異物クリーニング装置とからなる孔
    版印刷装置。
  5. 【請求項5】請求項2または4記載の孔版印刷装置にお
    いて、 上記インキクリーニング装置は、上記静電吸着ベルトに
    接離可能に設けられた帯状のクリーニング部材と、この
    帯状のクリーニング部材を移動させる移動手段とを有す
    る孔版印刷装置。
  6. 【請求項6】請求項5記載の孔版印刷装置において上記
    帯状のクリーニング部材の移動方向に配置され該クリー
    ニング部材の状態を検知するクリーニング部材検知手段
    を有する孔版印刷装置。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6記載の孔版印刷装置におい
    て、 クリーニング指令手段と、このクリーニング指令手段か
    らの指令に基づき上記クリーニング装置を動作して上記
    静電吸着ベルトに対してクリーニング動作を実行する制
    御手段とを有する孔版印刷装置。
  8. 【請求項8】請求項7記載の孔版印刷装置において、 上記制御手段が、上記クリーニング指令手段からの指令
    により、上記静電吸着ベルトに対して少なくとも上記帯
    状のクリーニング部材を接触させてクリーニング動作を
    実行するように構成された孔版印刷装置。
  9. 【請求項9】請求項1乃至8の何れか1つに記載の孔版
    印刷装置において、 上記クリーニング装置の駆動源と上記静電ベルト搬送装
    置の駆動源とを共通とし、かつ上記共通の駆動源と上記
    クリーニング装置とを断続する駆動断続手段を有する孔
    版印刷装置。
  10. 【請求項10】請求項1乃至9の何れか1つに記載の孔
    版印刷装置において、 上記静電吸着ベルトが正逆両方向に移動可能に設けられ
    た孔版印刷装置。
  11. 【請求項11】請求項1乃至10記載の孔版印刷装置に
    おいて、 上記クリーニング装置のクリーニング動作を少なくとも
    孔版印刷装置の始動時に実行する制御手段を有する孔版
    印刷装置。
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