JP3640026B2 - 積層ポリエステルフィルム及びその製造方法 - Google Patents

積層ポリエステルフィルム及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は積層ポリエステルフィルム及びその製造方法に関し、詳しくは帯電防止性、更には易接着性に優れた積層ポリエステルフィルム及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
二軸延伸ポリエステルフィルムは、機械的性質、電気的性質、寸法安定性、耐薬品性等に優れた特性を有することから、磁気記録材料、感光材料、製図材料、写真材料、包装材料、電気絶縁材料等多くの分野の基材フィルムとして使用されている。しかし、基材そのものが絶縁体であるため、静電気による帯電が著しいこと、表面が高度に結晶配向されているため、各種塗料、接着剤、インキ等との接着性が乏しい等の欠点を有している。そのため従来からポリエステルフィルム表面に種々の方法で帯電防止性を付与したり、易接着性を与えたりしてきた。
【0003】
帯電防止性を付与する方法としては、基材ポリエステルフィルム中に各種の帯電防止剤、例えばドデシルベンゼンスルホン酸またはその塩等の低分子量界面活性剤、ポリスチレンスルホン酸またはその塩を練り込んだり、あるいは塗剤中に低分子量界面活性剤を配合して塗布したりする方法(特開昭50−30979等)が取られてきた。
【0004】
又、易接着化のための方法としては、フィルム表面のコロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理、火焔処理等による表面活性化法、酸、アルカリ、アミン水溶液、トリクロロ酢酸等の薬剤による表面エッチング法、フィルム表面にポリエステル、アクリル、ポリウレタン等の各種樹脂をプライマ層として設ける方法(特開昭55−15825、特開昭58−78761等)が既に知られている。特に、塗布によって帯電防止性や易接着性を付与する方法として、結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムに塗布し、乾燥後、延伸、熱処理を施して結晶配向を完了させる方法(インラインコート法)が盛んに行われている。この方法は、二軸延伸後のポリエステルフィルムに塗剤を塗布して積層膜を形成する方法と比べて、フィルム製膜と塗布工程を一連の工程中で実施するため、コスト面で有利であるだけでなく、積層膜と基材フィルムとの密着性が良好なものが得られるという特徴がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ドデシルベンゼンスルホン酸又はその塩等の低分子量界面活性剤などを練り込んだり、塗剤中に配合して塗布したものは、帯電防止剤が表面や界面にブリードアウトしたり、経時とともにマイグレーションを起こし弱境界層を形成するため、基材フィルムとの密着性や各種バインダとの接着性を低下させる等の欠点がある。更に、インラインコート法に適用した場合には、結晶配向を完了させるための高温での熱処理よってその帯電防止性を失う等の欠点を有する。
【0006】
また、ポリマタイプでは上記した問題の発生は抑えられるが、導電性高分子であるポリアニリンは一般に水不溶性で、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶媒にのみ可溶である。この時、塗布工程上の問題点として、高価な防爆装置が必要である、有機溶媒の回収設備が必要である等、多くの問題がある。
【0007】
ポリスチレンスルホン酸又はその塩を練り込んだものは、ポリエステルとの親和性が悪いため、延伸により界面が剥離するといった現象が生じポリエステルフィルムの特性が悪化するという欠点が発生し、塗布した場合にも二軸延伸によって塗膜に亀裂が生じ、帯電防止性や密着性を低下させるという欠点を有している。
【0008】
易接着化のための基材表面の活性化処理では、一時的な濡れ性の改良による接着性向上は期待できるが、経時的に失効するものであるし、それによって得られる接着力は必ずしも満足できるものではない。また、エッチング法では、強固な接着性は期待できるものの、処理液自身が有害であったり、大気汚染源となる上、装置面の発錆、腐食の原因となるため、万全の注意を必要とする問題がある。
プライマ層を設ける方法では、プライマ層を別工程で塗布し、その上に所望のバインダ層を設ける方法が一般的であり、処理工程中にゴミ等が混入し、清浄な表面が得られないという欠点を有する。特に磁気材料などの精密な品質を要求される用途には不向きである。
【0009】
本発明の目的は、まず第一に帯電防止性に優れた積層二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにあり、更に易接着性が改良され、基材フィルムとの密着性も良好な積層二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、水溶性高分子プロトン酸及び/又はその塩によるポリアニリン水分散体(A)と、水溶性及び/又は水分散性ポリエステル樹脂(B)を主体とする積層膜を設け、かつ、その固形分重量比(A)/(B)が80/20〜50/50であることをその骨子とするものである。
【0011】
本発明のポリエステルとは、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称であって、好ましいポリエステルとしては、エチレンテレフタレート、エチレンナフタレート、ブチレンテレフタレート等から選ばれた少なくとも1種の構成単位を主要構成成分とするものが挙げられる。これら構成単位は1種のみ用いても、2種以上併用してもいずれでもよいが、中でも品質、経済性を総合的に判断するとエチレンテレフタレートを主要構成成分とするポリエステルが特に好ましい。また、電子写真、感熱記録、各種印刷などの情報記録用受像シートなど、基材に熱が作用する用途においては耐熱性や剛性に優れたポリエチレンナフタレートが好ましい。
【0012】
また、これらポリエステルには、更に他のジカルボン酸成分やジオール成分が一部、好ましくは20モル%以下共重合されていてもよい。
【0013】
更に、このポリエステル中には、公知の各種添加剤、例えば酸化防止剤、耐熱安定剤、対候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、帯電防止剤、核剤等がその特性を悪化させない程度に添加されていてもよい。
【0014】
上述したポリエステルの極限粘度(25℃、o-クロロフェノール中で測定)は、0.40〜1.20dl/gが好ましく、更に好ましくは0.50〜0.80dl/gの範囲にあるものが本発明の内容に好適である。
【0015】
上記ポリエステルを使用したポリエステルフィルムは積層膜が設けられた状態においては二軸配向されたものが好ましい。二軸配向ポリエステルフィルムとは、未延伸状態のポリエステルシートまたはフィルムを長手方向および幅方向に通常各々2.5〜5.0倍程度延伸され、その後熱処理を施し、結晶配向を完了させたものであり、広角X線解析で二軸配向パターンを示すものをいう。
【0016】
ポリエステルフィルムの厚みは特に限定されず、用途に応じて適宜選択される。
【0017】
水溶性高分子プロトン酸及び/又はその塩によるポリアニリン水分散体は、以下の方法により得ることができる。塩酸等の酸性水溶液中で、モノマとしてアニリンもしくはその誘導体を溶解し重合原液とする。また、これとは別に上記モノマを化学酸化重合させる酸化剤として過硫酸アンモニウム等を上記アニリンもしくはその誘導体1モルに対して0.1〜10モル程度溶解した酸化剤水溶液を調製し、これを上記重合原液中に徐々に滴下しよく撹拌する。重合系の真空度は常圧でも減圧下でもよく、雰囲気についても不活性ガス下でも空気中でも良い。反応温度は、−10℃〜系の沸点以下、好ましくは室温以下で反応させることが望ましい。また、重合は速やかに進行するが、数分から数十時間、好ましくは数十分から数時間かけて撹拌させることが好ましい。この時、水溶性高分子プロトン酸及び/又はその塩、例えばポリスチレンスルホン酸及び/又はその塩等を反応系中に等モル以上存在させておくと、重合生成物であるポリアニリン及びその誘導体が上記プロトン酸等によってドーピングされ、更にポリスチレンスルホン酸及び/又はその塩との相互作用によって水分散体として得られる。反応後は、不純物を含んだ溶液状態になっているため、水混和性有機溶媒中に投入し、ポリアニリンを沈殿させ、濾取、洗浄、乾燥後、水に再溶解させ目的とするポリアニリン水分散体を得る。
【0018】
本発明で用いる水溶性高分子プロトン酸とは、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等を挙げることができ、水溶性高分子プロトン酸塩としては、それらのリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩あるいはアミン塩等を挙げることができる。
【0019】
これら水溶性高分子の分子量は、ポリアニリンを水に分散できる範囲のものであれば良いが、通常は1万から100万のものが好ましく、更に3万から30万のものが分散後の液の状態からみてより好ましい。
【0020】
本発明においては、上記した水溶性高分子プロトン酸及び/又はその塩によるポリアニリン水分散体(A)に、水溶性及び/又は水分散性ポリエステル樹脂(B)を加えることによって、密着性と帯電防止性を向上させることができる
【0021】
該ポリエステル樹脂としては、従来公知のもので特に限定されないが、全ジカルボン酸成分のうち、少なくとも60モル%以上が芳香族ジカルボン酸、7〜40モル%(好ましくは10〜20モル%)がエステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化合物であり、全グリコール成分のうち60モル%以上が脂肪族または脂環族グリコール、0〜40モル%(好ましくは1〜18モル%)がジエチレングリコールからなる共重合ポリエステル樹脂が好ましい。更に分子量400〜10000のポリエチレングリコールを5〜30重量%含有したポリエーテルエステルを用いてもよい。
【0022】
本発明における共重合ポリエステル樹脂の芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p−ジカルボン酸及びそれらのエステル形成性誘導体を用いるのが好ましい。また、エステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化合物としては、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、スルホ−p−キシリレングリコール、2−スルホ−1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等のアルカリ金属塩(スルホン酸のアルカリ金属塩を示す)及びこれらのエステル形成性誘導体を用いるのが好ましく、5−スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸のナトリウム塩及びこれらのエステル形成性誘導体を用いるのが好ましい。また、他の共重合成分として脂肪族、脂環族等のジカルボン酸を用いてもよい。
【0023】
本発明における共重合ポリエステル樹脂のグリコール成分の脂肪族または脂環族グリコールとしては、例えばエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等を用いるのが好ましい。
【0024】
本発明のポリエステルフィルムに積層する共重合ポリエステル樹脂の製造方法としては、例えば酸成分としてテレフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、グリコール成分としてエチレングリコール、ジエチレングリコールからなる水溶性共重合ポリエステルについて説明すると、テレフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸とエチレングリコール、ジエチレングリコールとを直接エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメチル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル及びエチレングリコール、ジエチレングリコールとをエステル交換反応させる第一段階と、この第一段階の反応生成物を重縮合反応させる第二段階とによって製造する方法等を挙げることができる。
【0025】
この際、反応触媒として、従来公知のアルカリ金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタン化合物等が用いられ、更に着色防止剤としてリン酸化合物等を用いてもよい。
【0026】
また、本発明のポリエステルフィルムに積層する共重合ポリエステル樹脂の極限粘度は特に限定されないが、接着性の点で0.3dl/g以上、好ましくは0.35dl/g以上、更に好ましくは0.4dl/g以上が望ましい。
【0027】
また、該共重合ポリエステル樹脂には必要に応じて、難燃剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、脂肪酸エステル、ワックス等の有機滑剤あるいはシリコーン等の消泡剤を配合してもよく、更には滑り性等を付与する目的でクレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、湿式及び乾式法シリカ、コロイド状シリカ、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ等の無機粒子、更にはアクリル系、スチレン系のモノマを構成成分とする有機粒子や架橋高分子粒子などを配合してもよい。
【0028】
本発明のポリエステルフィルムに積層する共重合ポリエステル樹脂は、水に溶解し、水溶液として使用することができる。この水溶液とは、物理的、化学的な意味で厳密性を有するものではないが、80℃以上の熱水で0.5〜10時間撹拌溶解させたとき、その50重量%以上が溶解あるいは消散するものをいう。
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
積層膜は、本発明の水系塗剤をポリエステルフィルムに塗布することによって形成される。塗布手段としては、大別してインラインコーティング法とオフラインコーティング法とがあるが、中でも基材ポリエステルフィルムの結晶配向が完了する前に塗布し、乾燥後、少なくとも1方向に延伸された後、ポリエステルフィルムの結晶配向を完了させる、インラインコーティング法が本発明の効果をより顕著に発現させることができるので好ましい方法である。即ち、未延伸あるいは長手方向に延伸された基材ポリエステルフィルムの片面あるいは両面にコロナ放電処理を施し、その処理面に本発明の水系塗剤を塗布する。その後、連続的にクリップで把持しながら約80〜130℃の熱風ゾーンに導き、水分を除去し、乾燥した後、連続的に幅方向に2.5〜5.0倍程度に延伸する。その後連続的に160〜240℃の熱処理ゾーンに導き約1〜30秒の熱処理を行い、結晶配向を完了させる方法である。また、幅方向の延伸後であっても熱処理前の段階において更に長手方向に1.1〜1.8倍の延伸を施してもよい。
【0037】
本発明の積層膜中には、本発明の効果を阻害しない範囲において公知の添加剤、例えば酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、帯電防止剤、核剤などを添加してもよい。特に架橋剤の添加は易接着性をより向上させる点で好ましい。架橋剤の具体例を挙げれば、メチロール化あるいはアルキロール化された尿素系、メラミン系、アクリルアミド系、ポリアミド系、エポキシ系、ブロック化されたイソシアネート化合物、オキサゾリン化合物、チタンキレート化合物等の有機金属化合物等がある。
【0038】
塗布の方法は、公知の塗布方法、例えばリバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、ダイコート法等任意の方法を用いることができる。
【0039】
次に、本発明の積層ポリエステルフィルムの製造方法について、ポリエチレンテレフタレート(以下PETと略称する)を例にして説明するが、当然これに限定されるものではない。実質的に粒子を含有しないPETのペレットを十分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し、約280℃でシート状に溶融押し出しし、冷却固化せしめて未延伸PETシートを作成する。このシートを80〜120℃に加熱したロールで長手方向に2.5〜5.0倍延伸して一軸配向PETフィルムを得る。このフィルムの片面にコロナ放電処理を施し、その処理面に所定の濃度に希釈した本発明の水溶性高分子プロトン酸及びその塩によるポリアニリン水分散体と、水溶性あるいは水分散性ポリエステル樹脂とを主体とする混合物の水系塗剤を塗布する。塗布後、フィルムの端部をクリップで把持して80〜130℃に加熱された熱風ゾーンに導き、乾燥後幅方向に2.5〜5.0倍に延伸する。引き続き160〜240℃の熱処理ゾーンに導き、1〜30秒間の熱処理を行い、結晶配向を完了させる。この熱処理工程中で必要に応じて幅方向あるいは長手方向に3〜12%の弛緩処理を施してもよい。かくして得られた積層ポリエステルフィルムは帯電防止性、更には易接着性に優れたものであり、磁気記録材料、印刷用、その他一般工業材料用ベースフィルム等に好適に使用できる。
【0040】
【特性の測定方法及び効果の評価方法】
本発明における特性の測定方法及び効果の評価方法は次のとうりである。
【0041】
(1)塗布層の厚み
日立製作所(株)製透過型電子顕微鏡HU−12型を用い、積層フィルムの塗布面の断面を観察した写真から求めた。厚みは測定視野内の30個の平均値とした。
【0042】
(2)表面比抵抗
23℃、65%RHの雰囲気中でデジタル超高抵抗/微小電流計R8340A(アドバンテスト(株)製)を用いて測定した。
【0043】
(3)接着性−1(基材フィルムと積層膜との密着性)
積層膜に1mm2のクロスカットを100個入れ、ニチバン(株)製“セロハンテープ”をその上に貼り付け指で強く押し付けた後、90゜方向に急速に剥離し、残存した積層膜の個数により4段階評価(◎:100、○:80〜99、△:50〜79、×:0〜49)した。(◎)、(○)を接着性良好とした。
【0044】
(4)接着性−2(磁性塗料接着性)
“ダイフェラコート”CAD−4301(大日精化工業(株)製)100重量部に“スミジュール”N−75(住友バイエル(株)製)1重量部を加え、固形分濃度20重量%の塗料を作成し、バーコーターを用いて塗布し、100℃で5分間乾燥した。接着性評価は上記(3)と同様の方法で行った。
【0045】
(5)平面性
上記(4)で塗布、硬化させた磁性塗料積層体の平面性を塗布面を上にしてガラス板上に置き、カールの程度を目視で測定し、以下の基準で評価した。
【0046】
◎:全くカールがなく、極めて平面性が良好
○:端部が僅かにカールしているが、良好
△:中央部付近までカールが及んでいる
×:カールが著しい
【0047】
【実施例】
次に、実施例に基づいて本発明を説明するが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0048】
比較例1
実質的に粒子を含まないPET(極限粘度0.65dl/g)ペレットを十分に真空乾燥した後、280℃の加熱された押し出し機に供給しT字型口金よりシート状に押し出した。このシートを表面温度50℃の鏡面ドラムに巻き付けて冷却固化せしめて未延伸PETフィルムを作成した。このPETフィルムを95℃の加熱ロール郡を通過させながら長手方向に3.5倍延伸し、一軸配向フィルムとした。このフィルムの片面にコロナ放電処理を施し、その処理面に水系塗剤としてポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩(分子量12万)によるポリアニリン水分散体を結晶配向完了後において積層厚みが0.1μmになるように塗布した。塗布後、連続的に端部をクリップで把持しながら110℃の加熱ゾーンに導き、予熱、乾燥を経て幅方向に4.0倍延伸し、更に230℃の加熱ゾーンで30秒間熱処理を施し、基材PETフィルム厚みが75μm、積層厚みが0.1μmの積層二軸配向PETフィルムを得た。得られたフィルムは表面比抵抗が1×10 8 (Ω/□)であり、帯電防止性に優れていた。
【0049】
比較例
水系塗剤を塗布せずに、比較例1と同様にして積層ポリエステルフィルムを作成した。得られたフィルムは表面比抵抗が2×10 14 (Ω/□)であり、帯電防止性に劣っていた。
【0050】
比較例
比較例1の水系塗剤として水系アクリル樹脂塗剤を用いた以外は、比較例1と同様にして積層ポリエステルフィルムを作成した。結果を表1に示す。
【0051】
比較例4
比較例1の水系塗剤に水系アクリル樹脂塗剤を添加し水系塗剤1とした以外は、比較例1と同様にして積層ポリエステルフィルムを作成した。結果を表1に示す。
【0052】
「水系塗剤1」:下記成分を(A)/(B)=80/20(重量比)で混合した2重量%液。
【0053】
(A):ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩(分子量12万)によるポリアニリン水分散体
(B):メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸/Nメチロールアクリルアミドを50/45/3/2(重量%)の比率で乳化重合させた分子量約30万の水系アクリル樹脂
実施例1
比較例4の水系塗剤で、成分(B)アクリル樹脂の代わりに下記した共重合ポリエステル樹脂とした水系塗剤2を用いた以外は比較例1と同様にして積層ポリエステルフィルムを作成した。結果を表1に示す。
【0054】
「水系塗剤」:下記成分を(A)/(B)=80/20(重量比)で混合した2重量%液。
【0055】
(A):ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩(分子量12万)によるポリアニリン水分散体
(B):共重合ポリエステル樹脂
TPA/SSIA//EG/DEG
87.5 /12.5 // 95/ 5(モル%)
TPA :テレフタル酸
SSIA:5−ナトリウムスルホイソフタル酸
EG :エチレングリコール
DEG :ジエチレングリコール
上記共重合ポリエステル樹脂を90℃の熱水中で、2重量%となるように1時間撹拌溶解し、室温に冷却後濾過して使用した。
【0056】
比較例5
実施例1の水系塗剤2で、成分(A)ポリアニリン水分散体と(B)共重合ポリエステル樹脂との混合比を変えた以外は、比較例1と同様にして積層ポリエステルフィルムを作成した。結果を表1に示す。
実施例2
実施例1の水系塗剤2で、成分(A)ポリアニリン水分散体と(B)共重合ポリエステル樹脂との混合比を変えた以外は、比較例1と同様にして積層ポリエステルフィルムを作成した。結果を表1に示す。
比較例6
実施例1の水系塗剤2で、成分(A)ポリアニリン水分散体と(B)共重合ポリエステル樹脂との混合比を変えた以外は、比較例1と同様にして積層ポリエステルフィルムを作成した。結果を表1に示す。
【0057】
実施例3
ポリエステルフィルムとしてポリエチレンナフタレートフィルムを用いる以外は、実施例1と同様にして積層ポリエステルフィルムを作成した。結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
Figure 0003640026
【0059】
【発明の効果】
本発明によって得られる積層ポリエステルフィルムは、帯電防止性、更には易接着性に優れた積層膜を有する。

Claims (4)

  1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、水溶性高分子プロトン酸及び/又はその塩によるポリアニリン水分散体(A)と、水溶性及び/又は水分散性ポリエステル樹脂(B)を主体とする積層膜を設け、かつ、その固形分重量比(A)/(B)が80/20〜50/50であることを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
  2. 水溶性及び/又は水分散性ポリエステル樹脂が、水溶性及び/又は水分散性共重合ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1記載の積層ポリエステルフィルム。
  3. ポリエステルフィルムがエチレンテレフタレート又はエチレンナフタレートを主要構成成分とするポリエステルからなることを特徴とする請求項1又は2記載の積層ポリエステルフィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルムの積層膜を設けるに際し、結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムの少なくとも片面に、該積層膜成分を主体とする水系塗剤を塗布し、次いで乾燥、延伸、熱処理を施して結晶配向を完了させたことを特徴とする積層ポリエステルフィルムの製造方法。
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