JPH1089157A - エンジンの排気ガス還流量制御装置 - Google Patents

エンジンの排気ガス還流量制御装置

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JPH1089157A
JPH1089157A JP8242239A JP24223996A JPH1089157A JP H1089157 A JPH1089157 A JP H1089157A JP 8242239 A JP8242239 A JP 8242239A JP 24223996 A JP24223996 A JP 24223996A JP H1089157 A JPH1089157 A JP H1089157A
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JP
Japan
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exhaust gas
absolute pressure
engine
egr
gas recirculation
Prior art date
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Application number
JP8242239A
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English (en)
Inventor
Masahiko Kawanabe
昌彦 川鍋
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
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  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】大気圧変化に関わらず新気とEGRガスとの重
量流量割合を適正に制御して同一運転条件下のEGR率
を一定に制御することを可能とし、EGR制御性を向上
する。 【解決手段】EGR実行条件の成立時、エンジン回転数
Neとエンジン負荷を表す基本燃料噴射パルス幅Tpと
に基づいて基本制御量EGRBを設定すると共に、EG
R作動時のスロットル弁5a下流の吸気管内絶対圧力の
目標値となる目標吸気管絶対圧力P0を設定し(S40)、
この目標吸気管絶対圧力P0とスロットル弁5a下流の
実吸気管絶対圧力Pとの比較結果に応じて設定したフィ
ードバック補正量EGRCLにより上記基本制御量EGR
Bを補正してEGRバルブに対する制御量EGRSを設定
する(S41〜S45)。吸気管絶対圧力を用いることで、E
GRガス量を間接的に重量流量で管理でき、大気圧変化
に関わらず新気とEGRガスとの重量流量割合を適正に
制御することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの吸気系
に還流される排気ガス還流量をエンジン運転状態に応じ
て制御するエンジンの排気ガス還流量制御装置に関し、
詳しくは、スロットル弁下流の吸気管絶対圧力に基づい
て排気ガス還流調整弁に対する制御量を設定し、簡単な
制御で制御性を向上し得るエンジンの排気ガス還流量制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、排気ガス還流(以下「EG
R」と称する)通路を介して排気ガスをエンジンの吸気
系に還流し、燃焼抑制効果により排気ガス中の窒素酸化
物(NOx)を低減するEGR装置が採用されている。
【0003】そして、この種のEGR装置では、吸入空
気量全体に対する排気ガスの還流量割合(以下「EGR
率」と称する)が高くなるに従いNOxの発生率が低下
するが、EGR率が高くなるに従い混合気の着火性、エ
ンジン出力が低下するため、上記EGR通路に排気ガス
還流量を調整するEGR弁を介装し、このEGR弁をエ
ンジン運転状態に応じ制御して、EGR量を制御するよ
うにしている。
【0004】例えば、特開平5−99076号公報に
は、EGR弁を瞬時閉弁して排気ガスの還流を停止する
と、供給されなくなった排気ガスの還流量(EGR量)
に応じて吸気管圧力が低下し、このときの吸気管圧力の
変化量は実際のEGR量に略比例して増減することに着
目し、この吸気管圧力の変化量から、EGR通路に炭素
が付着する等してEGR量が目標値より減少した場合
や、EGR弁が摩耗する等してEGR量が目標値より増
加した場合を判断し、これに対応してEGR弁の開度を
増減させて、実際のEGR率をエンジン回転数及び吸気
管圧力に対応した目標値に正確に制御し、実際の排気ガ
ス還流量を正確に制御できるようにした技術が開示され
ている。
【0005】具体的には、EGR弁の開弁におけるEG
R作動時の吸気管圧力PmNMSS及びエンジン回転数
NeNMSを読込み、その後、EGR弁を全閉にしてE
GR停止時の吸気管圧力PmNMSEを読込む。次に、
EGR作動時の吸気管圧力PmNMSSからEGR停止
時の吸気管圧力PmNMSEを減算して吸気管圧力変化
量ΔPmNMSを算出すると共に、EGR作動時の吸気
管圧力PmNMSSとエンジン回転数NeNMSとに基
づいて吸気管圧力変化量目標値ΔPm0を設定する。そ
して、この目標値ΔPm0と実際の吸気管圧力変化量Δ
PmNMSとの比較結果に応じて補正量EGRGを算出
し、この補正量EGRGによりエンジン回転数Ne及び
吸気管圧力Pmに基づいて設定したEGR弁の目標開度
EGRSを補正している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記EGR
率αは、α=Q’/(Q+Q’)、Q;新気体積流量、
Q’;EGRガス体積流量で表されるが、NOxを低減
させるためのEGRによる燃焼抑制効果は、実際には、
新気とEGRガスの体積流量割合でなく、新気重量とE
GRガス重量との関係、すなわち、新気とEGRガスの
重量流量の割合で決まる。
【0007】しかしながら、上記先行例では、EGR作
動時の吸気管圧力とEGR停止時の吸気管圧力との圧力
変化量を算出し、この圧力変化量が目標値に収束するよ
うにEGR弁の開度をフィードバック制御することで、
EGR率を定める上記EGRガス体積流量Q’を制御し
ている。従って、同一エンジン運転条件下でも、例え
ば、高地走行等で大気圧が変化すると、エンジンに吸入
される新気体積流量Q’が変化してEGR率も変化し、
EGR率を一定に制御することができず、制御性および
排気エミッションが悪化する不都合がある。
【0008】これに対処するに、大気圧によって変化す
る上記新気体積流量Qに応じたEGRガス体積流量Q’
の補正、すなわち、EGR作動時の吸気管圧力とEGR
停止時の吸気管圧力との圧力変化量に対する補正を行う
ことも考えられるが、この場合には、EGR制御が著し
く複雑化する不都合がある。
【0009】本発明は、上記事情に鑑み、大気圧変化に
関わらず新気とEGRガスとの重量流量割合を適正に制
御することにより同一運転条件下のEGR率を一定に制
御してEGR制御性を向上することができ、且つ、簡単
な制御でもって実現することが可能なエンジンの排気ガ
ス還流量制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、エンジンの排気ガスを吸気
系に還流する排気ガス還流通路に介装された排気ガス還
流量調整弁をエンジン運転状態に応じ制御して、排気ガ
ス還流量を制御するエンジンの排気ガス還流量制御装置
において、図1(a)の基本構成図に示すように、エン
ジン回転数とエンジン負荷とに基づき排気ガス還流時の
スロットル弁下流の吸気管内絶対圧力の目標値となる目
標吸気管絶対圧力を設定する目標吸気管絶対圧力設定手
段と、上記目標吸気管絶対圧力とスロットル弁下流の実
吸気管絶対圧力との比較結果に応じ上記排気ガス還流量
調整弁に対する制御量を設定する制御量設定手段とを備
えたことを特徴とする。
【0011】請求項2記載の発明は、エンジンの排気ガ
スを吸気系に還流する排気ガス還流通路に介装された排
気ガス還流量調整弁をエンジン運転状態に応じ制御し
て、排気ガス還流量を制御するエンジンの排気ガス還流
量制御装置において、図1(b)の基本構成図に示すよ
うに、エンジン回転数とエンジン負荷とに基づいて上記
排気ガス還流量調整弁に対する基本制御量を設定する基
本制御量設定手段と、エンジン回転数とエンジン負荷と
に基づき排気ガス還流時のスロットル弁下流の吸気管内
絶対圧力の目標値となる目標吸気管絶対圧力を設定する
目標吸気管絶対圧力設定手段と、上記目標吸気管絶対圧
力とスロットル弁下流の実吸気管絶対圧力との比較結果
に応じてフィードバック補正量を設定するフィードバッ
ク補正量設定手段と、上記基本制御量を上記フィードバ
ック補正量により補正して排気ガス還流量調整弁に対す
る制御量を設定する制御量設定手段とを備えたことを特
徴とする。
【0012】請求項3記載の発明は、エンジンの排気ガ
スを吸気系に還流する排気ガス還流通路に介装された排
気ガス還流量調整弁をエンジン運転状態に応じ制御し
て、排気ガス還流量を制御するエンジンの排気ガス還流
量制御装置において、図1(c)の基本構成図に示すよ
うに、運転状態に基づいて排気ガス還流を行う排気ガス
還流の実行条件が成立するか否かを判断する排気ガス還
流実行条件判別手段と、排気ガス還流の実行条件成立時
に、エンジン回転数とエンジン負荷とに基づき排気ガス
還流時のスロットル弁下流の吸気管内絶対圧力の目標値
となる目標吸気管絶対圧力を設定する目標吸気管絶対圧
力設定手段と、排気ガス還流の実行条件成立時には、上
記目標吸気管絶対圧力とスロットル弁下流の実吸気管絶
対圧力との比較結果に応じ上記排気ガス還流量調整弁に
対する制御量を設定し、排気ガス還流実行条件の非成立
時には、上記排気ガス還流調整弁を全閉とする制御量を
設定する制御量設定手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】すなわち、請求項1記載の発明では、エン
ジン回転数とエンジン負荷とに基づいて排気ガス還流時
のスロットル弁下流の吸気管内絶対圧力の目標値となる
目標吸気管絶対圧力を設定し、この目標吸気管絶対圧力
とスロットル弁下流の実吸気管絶対圧力との比較結果に
応じて、排気ガス還流通路に介装された排気ガス還流量
調整弁に対する制御量を設定する。
【0014】請求項2記載の発明では、エンジン回転数
とエンジン負荷とに基づいて基本制御量を設定すると共
に、エンジン回転数とエンジン負荷とに基づき排気ガス
還流時のスロットル弁下流の吸気管内絶対圧力の目標値
となる目標吸気管絶対圧力を設定し、この目標吸気管絶
対圧力とスロットル弁下流の実吸気管絶対圧力との比較
結果に応じて設定したフィードバック補正量により上記
基本制御量を補正して排気ガス還流量調整弁に対する制
御量を設定する。
【0015】請求項3記載の発明では、運転状態に基づ
いて排気ガス還流を行う排気ガス還流の実行条件が成立
するか否かを判断し、排気ガス還流の実行条件成立時に
は、エンジン回転数とエンジン負荷とに基づいて排気ガ
ス還流時のスロットル弁下流の吸気管内絶対圧力の目標
値となる目標吸気管絶対圧力を設定し、この目標吸気管
絶対圧力とスロットル弁下流の実吸気管絶対圧力との比
較結果に応じ排気ガス還流量調整弁に対する制御量を設
定し、また、排気ガス還流実行条件の非成立時には、上
記排気ガス還流調整弁を全閉とする制御量を設定し、排
気ガス還流を停止する。
【0016】
【本発明の実施の形態】以下、図2〜図11に基づいて
本発明の実施の一形態を説明する。
【0017】先ず、図10に基づきエンジンの概略構成
について説明する。同図において、符号1はエンジンで
あり、図においては、水平対向型4気筒エンジンを示
す。このエンジン1のシリンダブロック1aの左右両バ
ンクには、シリンダヘッド2がそれぞれ設けられ、各シ
リンダヘッド2に吸気ポート2aと排気ポート2bが形
成されている。
【0018】このエンジン1の吸気系は、各吸気ポート
2aにインテークマニホルド3が連通され、このインテ
ークマニホルド3に各気筒の吸気通路が集合するエアチ
ャンバ4を介してスロットルチャンバ5が連通され、更
に、このスロットルチャンバ5の上流側に吸気管6を介
してエアクリーナ7が取り付けられ、このエアクリーナ
7がエアインテークチャンバ8に連通されている。
【0019】また、上記スロットルチャンバ5には、ア
クセルペダルに連動するスロットル弁5aが設けられ、
上記吸気管6にスロットル弁5aをバイパスするバイパ
ス通路9が接続され、このバイパス通路9に、アイドル
時にその弁開度によって該バイパス通路9を流れるバイ
パス空気量を調整することでアイドル回転数を制御する
アイドル回転数制御弁(ISC弁)10が介装されてい
る。
【0020】また、エンジン1の排気系としては、上記
シリンダヘッド2の各排気ポート2bに連通するエキゾ
ーストマニホルド11の集合部に排気管12が連通さ
れ、この排気管12に触媒コンバータ13が介装されて
マフラ14に連通されている。
【0021】一方、シリンダヘッド2の少なくとも1つ
の上記排気ポート2bからスロットル弁5a下流のエア
チャンバ4に排気ガスを還流させる排気ガス還流通路
(以下「EGR通路」と称する)15が接続され、この
EGR通路15に、排気ガス還流量調整弁の一例とし
て、内蔵したステッピングモータによって駆動されるス
テッピングモータ駆動式のEGR弁16が介装されてい
る。このEGR弁16の制御量は、後述する電子制御装
置40(図11参照)によって演算される。そして、こ
の制御量に対応して該電子制御装置40から出力される
駆動信号に応じてステッピングモータが作動し、ステッ
ピングモータの作動によってEGR弁16の弁開度が調
整される。
【0022】なお、本形態においては、上記制御量が0
0Hのとき、EGRバルブ16が全閉となり排気ガスの
還流、すなわちEGRが停止され、制御量がFFHのと
き、EGRバルブ16は全開となる。そして、制御量が
00H〜FFHの間で設定され、この制御量に対応した
駆動信号に応じてEGR弁16の弁開度が調整されて、
排気ガス還流量が制御される。
【0023】一方、上記インテークマニホルド3の各気
筒の吸気ポート2aの直上流にはインジェクタ17が臨
まされている。さらに、上記シリンダヘッド2の各気筒
毎に、先端の放電電極を燃焼室に露呈する点火プラグ1
8が取付けられ、この点火プラグ18に、各気筒毎に配
設された点火コイル19を介してイグナイタ20が接続
されている。
【0024】次に、エンジン運転状態を検出するための
センサ類について説明する。符号21は、絶対圧センサ
であり、スロットル弁5a下流の実吸気管絶対圧力とし
てインテークマニホルド3内の吸気圧を絶対圧で検出す
る。また、上記吸気管6の上記エアクリーナ7の直下流
に、ホットワイヤ或いはホットフィルム等を用いた熱式
の吸入空気量センサ22が介装され、上記スロットル弁
5aに、スロットル開度センサ23aとスロットル弁5
aの全閉でONするアイドルスイッチ23bとを内蔵し
たスロットルセンサ23が連設されている。
【0025】また、上記エンジン1のシリンダブロック
1aにノックセンサ24が取り付けられていると共に、
シリンダブロック1aの左右バンクを連通する冷却水通
路25に冷却水温センサ26が臨まされ、更に、上記触
媒コンバータ13の上流にO2 センサ27が配設されて
いる。
【0026】また、エンジン1のクランクシャフト28
に軸着するクランクロータ29の外周に、クランク角セ
ンサ30が対設され、更に、クランクシャフト29に対
して1/2回転するカムシャフト31に連設するカムロ
ータ32に、気筒判別用のカム角センサ33が対設され
ている。
【0027】上記クランクロータ29は、その外周に所
定クランク角毎に突起が形成されており、また、上記カ
ムロータ32の外周には、気筒判別用の突起が形成され
ている。そして、エンジン運転に伴いクランクシャフト
28及びカムシャフト31が回転し、これに伴い上記ク
ランクロータ29、カムロータ32が回転して上記クラ
ンクロータ29の各突起が上記クランク角センサ30に
よって検出され、クランク角センサ30から所定クラン
ク角に対応するクランクパルスが電子制御装置40(図
11参照)に出力され、また、上記カムロータ32の気
筒判別用突起が上記カム角センサ33によって検出さ
れ、カム角センサ33から電子制御装置40にカムパル
スが出力される。
【0028】後述するように、電子制御装置40では、
上記クランク角センサ30から出力されるクランクパル
スの入力間隔時間に基づいてエンジン回転数NEを算出
し、また、上記カム角センサ33からのカムパルスと、
各気筒の燃焼行程順(例えば、#1気筒→#3気筒→#
2気筒→#4気筒)とのパターンに基づいて、燃料噴射
対象気筒や点火対象気筒の気筒判別を行う。
【0029】上記EGR弁16、インジェクタ17、点
火プラグ18、ISC弁10等のアクチュエータ類に対
する制御量の演算、この制御量に対応する駆動信号の出
力、すなわちEGR制御、燃料噴射制御、点火時期制
御、アイドル回転数制御等のエンジン制御は、図11に
示す電子制御装置(ECU)40によって行われる。
【0030】上記ECU40は、CPU41、ROM4
2、RAM43、バックアップRAM44、及びI/O
インターフェイス45がバスライン46を介して互いに
接続されるマイクロコンピュータを中心として構成さ
れ、各部に安定化電源を供給する定電圧回路47、上記
I/Oインターフェイス45に接続される駆動回路48
及びA/D変換器49等の周辺回路が内蔵されている。
【0031】上記定電圧回路47は、2回路のリレー接
点を有する電源リレー50の第1のリレー接点を介して
上記バッテリ51に接続され、バッテリ51に、上記電
源リレー50のリレーコイルがイグニッションスイッチ
52を介して接続されている。また、上記定電圧回路4
7は、直接、上記バッテリ51に接続されており、イグ
ニッションスイッチ52がONされて電源リレー50の
接点が閉となるとECU40内の各部へ電源を供給する
一方、上記イグニッションスイッチ52のON,OFF
に拘らず、常時、上記バックアップRAM44にバック
アップ用の電源を供給する。更に、上記電源リレー50
の第2のリレー接点を介して各アクチュエータに電源を
供給するための電源線が接続されている。
【0032】上記I/Oインターフェイス45の入力ポ
ートには、アイドルスイッチ23b、ノックセンサ2
4、クランク角センサ30、カム角センサ33、車速セ
ンサ34、及び、始動状態を検出するためにスタータス
イッチ35が接続されており、更に、上記A/D変換器
49を介して、絶対圧センサ21、吸入空気量センサ2
2、スロットル開度センサ23a、冷却水温センサ2
6、及びO2センサ27が接続されると共に、バッテリ
電圧VBが入力されてモニタされる。
【0033】一方、上記I/Oインターフェイス45の
出力ポートには、ISC弁10、EGR弁16、インジ
ェクタ17が上記駆動回路48を介して接続されると共
に、イグナイタ20が接続されている。
【0034】上記CPU41では、ROM42に記憶さ
れている制御プログラムに従って、I/Oインターフェ
イス45を介して入力されるセンサ・スイッチ類からの
検出信号、及びバッテリ電圧等を処理し、RAM43に
格納される各種データ、及びバックアップRAM44に
格納されている各種学習値データ,ROM42に記憶さ
れている固定データ等に基づき、EGRバルブ16に対
する制御量、燃料噴射量、点火時期、ISC弁10に対
する駆動信号のデューティ比等を演算し、EGR制御、
燃料噴射制御、点火時期制御、アイドル回転数制御等の
エンジン制御を行う。
【0035】この場合、EGR制御においては、EGR
を行うEGR実行条件が成立するか否かを運転状態に基
づいて判断し、EGR実行条件の成立時には、エンジン
回転数とエンジン負荷とに基づいて基本制御量を設定す
る。そして、エンジン回転数とエンジン負荷とに基づい
てEGR作動時のスロットル弁5a下流の吸気管内絶対
圧力の目標値となる目標吸気管絶対圧力を設定し、この
目標吸気管絶対圧力とスロットル弁5a下流の実吸気管
絶対圧力との比較結果に応じて設定したフィードバック
補正量により上記基本制御量を補正してEGR弁16に
対する制御量を設定し、この制御量に対応する駆動信号
をEGR弁16に出力して該EGR弁16の弁開度を制
御し、実吸気管絶対圧力が目標吸気管絶対圧力に収束す
るようフィードバック制御する。また、EGR実行条件
の非成立時には、EGR弁16を全閉とする制御量を設
定して、EGR弁16を全閉としEGRを停止する。
【0036】すなわち、ECU40によって本発明に係
る排気ガス還流実行条件判別手段、基本制御量設定手
段、目標吸気管絶対圧力設定手段、フィードバック補正
量設定手段、制御量設定手段の各機能が実現される。
【0037】ここで、前述のように、EGR率αは、α
=Q’/(Q+Q’)、Q;新気体積流量、Q’;EG
Rガス体積流量で表される。しかし、NOxを低減させ
るためのEGRによるエンジン燃焼抑制効果は、実際に
は、新気とEGRガスとの体積流量割合でなく、新気重
量とEGRガス重量との関係、すなわち、新気とEGR
ガスの重量流量の割合で決定される。
【0038】EGRの停止時において、例えば、アイド
ル時のスロットル弁下流の吸気管内の絶対圧力(吸気管
絶対圧力)は、低地でも高地でも同じであり、大気圧変
化に関わらず同一値となる。
【0039】従って、EGRを行うEGR作動時におい
ても、吸気管絶対圧力が同じならば、高地と低地との相
違等による大気圧変化に関わらず、新気とEGRガスの
重量流量の割合は同一であり、EGRガスの重量流量は
吸気管絶対圧力と一義的な関係にある。なお、吸気管圧
力として、大気圧を基準としたゲージ圧力(大気圧を0
としたときの値)を用いた場合には、大気圧の相違から
高地の方が圧力が低下するため、ゲージ圧は採用できな
い。
【0040】そこで、吸気管絶対圧力を用い、エンジン
回転数とエンジン負荷とによるエンジン運転領域毎に適
正EGR量を得るEGR作動時のスロットル弁5a下流
の吸気管内絶対圧力の目標値となる目標吸気管絶対圧力
を予め実験等により求め、この目標吸気管絶対圧力をエ
ンジン回転数とエンジン負荷とをパラメータとするマッ
プとして設定し、このマップをROM42の一連のアド
レスに固定データとしてメモリしておく。そして、EG
Rの実行時、マップ参照による目標吸気管絶対圧力とス
ロットル弁5a下流の実吸気管絶対圧力との比較結果に
応じてEGR弁16に対する制御量を設定し、この制御
量に対応する駆動信号をEGR弁16に出力してEGR
弁16の弁開度を制御し、実吸気管絶対圧力が目標吸気
管絶対圧力に収束するようフィードバック制御する。こ
れにより、EGRガス量を間接的に重量流量で管理する
ことが可能となり、大気圧変化に関わらず新気とEGR
ガスとの重量流量割合を適正に制御して同一運転条件下
のEGR率を一定に制御することができ、EGR制御性
の向上を図ると共に、EGRによるエンジン燃焼抑制効
果の精度を向上し、NOxの発生を適切に抑制して排気
エミッションを改善することができる。
【0041】以下、上記ECU40によって実行される
本発明に係る具体的な制御処理について、図2〜図5に
示すフローチャートに従って説明する。
【0042】イグニッションスイッチ52がONされ、
ECU40に電源が投入されると、システムがイニシャ
ライズされ、バックアップRAM44に格納されている
各種学習値等のデータを除く、各フラグ、各カウンタ類
が初期化される。そして、スタータスイッチ35がON
されてエンジンが起動すると、クランク角センサ30か
らのクランクパルス入力毎に、クランクパルスの入力間
隔時間に基づきエンジン回転数Neを算出し、カム角セ
ンサ33からのカムパルス入力に基づいて気筒判別を行
う。なお、この気筒判別結果は、ここでは詳述しない
が、燃料噴射制御、点火時期制御等に反映される。
【0043】図2〜図5に示すフローチャートは、シス
テムイニシャライズ後、設定時間(例えば、16ms)毎
に実行されるEGR制御ルーチンであり、先ず、ステッ
プS1〜S6で、EGR実行条件を定める冷却水温条件を判
断する。
【0044】ステップS1では、冷却水温度Twが水温判
定値TWEGR以上のエンジン暖機完了状態を水温条件判別
フラグFTWを参照して判断する。すなわち、FTW=0の
EGR制御ルーチンの初回実行時、或いは前回のルーチ
ン実行時において冷却水温度Twが水温判定値TWEGR未
満のエンジン冷態時には、ステップS2へ進み、第1の水
温設定値TWEGRH(例えば、50°C)により水温判定
値TWEGRを設定する。また、FTW=1で前回のルーチン
実行時に冷却水温度Twが水温判定値TWEGR以上のエン
ジン暖機完了のときには、ステップS3へ進み、第2の水
温設定値TWEGRL(例えば、46°C)により水温判定
値TWEGRを設定する。
【0045】そして、ステップS4で、冷却水温センサ2
6による冷却水温度Twを水温判定値TWEGRと比較し、
Tw≧TWEGRのエンジン暖機完了状態と判断されると
き、ステップS5へ進み、水温条件判別フラグFTWをセッ
トし(FTW←1)、Tw<TWEGRのエンジン冷態状態と
判断されるときには、ステップS6へ進み、水温条件判別
フラグFTWをクリアする(FTW←0)。これにより、図
6に示すように、冷却水温判定に基づくEGRの作動
(Tw≧TWEGR)と停止(Tw<TWEGR)との切換えに
ヒステリシスを設け、制御ハンチングを防止する。
【0046】次いで、ステップS7〜S12で、エンジン負
荷によるEGR実行の下限側を判断する。ステップS7で
は、エンジン負荷を表し基本燃料噴射量を定める基本燃
料噴射パルス幅Tp(図示しない燃料噴射量設定ルーチ
ンにおいて算出される。Tp←K×Q/Ne;Kはイン
ジェクタ特性補正定数、Qは吸入空気量)が下限値LE
GRL以上の状態であるか否かをエンジン負荷下限判別
フラグFTPLを参照して判断する。すなわち、、FTPL=
0のルーチン初回実行時、或いは前回のルーチン実行時
において基本燃料噴射パルス幅Tpが下限値LGERL
未満のEGR停止領域のときには、ステップS8へ進み、
第1の下限設定値LEGRLH(例えば、2.0ms)に
より下限値LEGRLを設定する。また、FTPL=1で
前回のルーチン実行時に基本燃料噴射パルス幅Tpが下
限値LEGRL以上のときには、ステップS9へ進み、第
2の下限設定値LEGRLL(例えば、1.5ms)によ
り下限値LEGRLを設定する。
【0047】そして、ステップS10で、現在設定されて
いる基本燃料噴射パルス幅Tpを読み出して下限値LE
GRLと比較し、Tp≧LEGRLのとき、ステップS1
1へ進み、エンジン負荷下限判別フラグFTPLをセットし
(FTPL←1)、Tp<LEGRLのEGR停止領域と
判断されるときには、ステップS12へ進み、エンジン負
荷下限判別フラグFTPLをクリアする(FTPL←0)。
【0048】そして、更に、ステップS13〜S18で、エン
ジン負荷によるEGR実行の上限側を判断する。ステッ
プS13では、基本燃料噴射パルス幅Tpが上限値LEG
RHを越えている状態であるか否かをエンジン負荷上限
判別フラグFTPHを参照して判断する。すなわち、FTPH
=0のルーチン初回実行時、或いは前回のルーチン実行
時において基本燃料噴射パルス幅Tpが上限値LGER
L以下のときには、ステップS14へ進み、第1の上限設
定値LEGRHH(例えば、5.0ms)により上限値L
EGRHを設定する。また、FTPH=1で前回のルーチ
ン実行時に基本燃料噴射パルス幅Tpが上限値LEGR
H超過のEGR停止領域のときには、ステップS15へ進
み、第2の上限設定値LEGRHL(例えば、4.5m
s)により上限値LEGRHを設定する。
【0049】そして、ステップS16で、現在の基本燃料
噴射パルス幅Tpを上限値LEGRHと比較し、Tp≦
LEGRHのとき、ステップS17へ進み、エンジン負荷
上限判別フラグFTPHをクリアし(FTPH←0)、Tp>
LEGRHのEGR停止領域と判断されるときには、ス
テップS18へ進み、エンジン負荷上限判別フラグFTPHを
セットする(FTPH←1)。
【0050】すなわち、エンジン負荷条件においては、
LEGRL≦Tp≦LEGRHのときEGR条件成立と
する。また、以上の処理により、図7に示すように、エ
ンジン負荷判定に基づくEGRの作動と停止との切換え
にヒステリシスが設けられ、制御ハンチングが防止され
る。
【0051】続くステップS19〜S24で、エンジン回転数
条件を判断する。ステップS19では、エンジン回転数N
eが高回転判定値NEGRを越えているエンジン高回転状
態であるか否かをエンジン回転数条件判別フラグFNEを
参照して判断する。すなわち、FNE=0のルーチン初回
実行時、或いは前回のルーチン実行時においてエンジン
回転数NEが高回転数判定値NEGR以下のときには、ステ
ップS20へ進み、第1の回転数設定値NEGRH(例えば、
4000rpm)により高回転判定値NEGRを設定する。ま
た、FNE=1で前回のルーチン実行時にエンジン回転数
Neが高回転判定値NEGR超過のエンジン高回転状態で
EGR停止領域のときには、ステップS21へ進み、第2
の回転数設定値NEGRL(例えば、3600rpm)により
高回転判定値NEGRを設定する。
【0052】そして、ステップS22で、現在のエンジン
回転数Neを読み出して高回転判定値NEGRと比較し、
Ne≦NEGRのとき、ステップS23へ進み、エンジン回転
数条件判別フラグFNEをクリアし(FNE←0)、Ne>
NEGRのエンジン高回転状態と判断されるときには、ス
テップS24へ進み、エンジン回転数条件判別フラグFNE
をセットする(FNE←1)。これにより、図8に示すよ
うに、エンジン回転数判定に基づくEGRの作動(Ne
≦NEGR)と停止(Ne>NEGR)との切換えにヒステリ
シスを設け、制御ハンチングを防止する。
【0053】次いで、ステップS25〜S30で、車速条件を
判断する。すなわち、ステップS25で、車速VSPが高
車速判定値VEGRを越えている高速走行状態を車速条件
判別フラグFVSPを参照して判断する。すなわち、FVSP
=0のルーチン初回実行時、或いは前回のルーチン実行
時において車速VSPが高車速判定値VEGR以下のとき
には、ステップS26へ進んで、第1の車速設定値VEGRH
(例えば、120km/h)により高車速判定値VEGRを設
定してステップS28へ進む。また、FVSP=1で前回のル
ーチン実行時に車速VSPが高車速判定値VEGR超過の
高速走行状態でEGR停止領域のときには、ステップS2
7へ進んで、第2の車速設定値VEGRL(例えば、116k
m/h)により高車速判定値VEGRを設定して、ステップS2
8へ進む。
【0054】ステップS28では、車速センサ34による
車速VSPを高車速判定値VEGRと比較し、VSP≦VE
GRのとき、ステップS29へ進み、車速条件判別フラグFV
SPをクリアし(FVSP←0)、VSP>VEGRの高速走行
状態と判断されるときには、ステップS30へ進み、車速
条件判別フラグFVSPをセットする(FVSP←1)。その
結果、図9に示すように、車速判定に基づくEGRの作
動(VSP≦VEGR)と停止(VSP>VEGR)との切換
えにヒステリシスが設けられ、この場合においてもEG
R作動とEGR停止との制御ハンチングが防止される。
【0055】そして、ステップS31〜S37で、上記各フラ
グFTW,FTPL,FTPH,FNE,FVSP、スタータスイッ
チ35の操作状態、及びアイドルスイッチ23bの作動
状態に基づいてEGRを実行するEGR条件が成立する
かを判断する。
【0056】ステップS31では、スタータスイッチ35
の操作状態を判断する。すなわち、スタータスイッチ3
5がONでエンジン始動中の時には、エンジンが不安定
状態にあり、このとき、EGRを行うとエンストを生じ
る虞がある。従って、スタータスイッチ35がONのと
きには、EGR条件不成立と判断し、ステップS38へジ
ャンプしてEGRを停止し、スタータスイッチ35がO
FFのとき、ステップS32へ進み、ステップS32〜S36で
上記各フラグを参照してEGR条件を判断する。
【0057】すなわち、ステップS33で、水温条件判別
フラグFTWを参照し、FTW=1のエンジン暖機完了状態
であり、且つ、ステップS33,S34で、それぞれエンジン
負荷下限判別フラグFTPL、エンジン負荷上限判別フラ
グFTPHを参照し、エンジン負荷を表す基本燃料噴射パ
ルス幅Tpが下限値LEGRLと上限値LEGRHとの
間、いわゆるエンジン中負荷状態であり、且つ、ステッ
プS35で、エンジン回転数条件判別フラグFNEを参照
し、FNE=0でエンジン回転数Neが高回転数域外であ
り、且つ、ステップS36で、車速条件判別フラグFVSPを
参照し、FVSP=0で車速VSPが高速走行領域外のと
きのみ、ステップS37へ進み、アイドルスイッチ23b
の作動状態を判断する。そして、アイドルスイッチ23
bがOFFの非アイドル時のみ、EGR条件成立と判断
し、ステップS39へ進み、ステップS39以降の処理により
EGRを実行する。
【0058】ここで、FTW=0のエンジン冷態時には、
エンジンの燃焼状態が不安定であり、このときEGRを
行うと燃焼性が悪化してエンジン運転性が著しく悪化す
る。また、FTPL=0のエンジン低負荷運転時には新気
の吸入量が少なく、EGRを行うとエンジンの燃焼性が
悪化する。また、FTPH=1のエンジン高負荷運転時
は、エンジン出力要求時であり、このときEGRを行う
と、出力要求時であるにも関わらず、エンジン出力が低
下してしまう。更に、FNE=1のエンジン高回転時、或
いは、FVSP=1の高速走行時も出力要求時であり、こ
のときEGRを行うと、出力要求に相反してエンジン出
力が低下してしまう。
【0059】従って、上記ステップS32〜S37において何
れかの条件が満足しないときには、EGR実行条件の不
成立と判断して、該当するステップからステップS38へ
進み、EGRバルブ16に対する制御量EGRSを、全
閉を指示する“00H”に設定し、この制御量EGRS
をステップS45でRAM43の所定アドレスにセットし
て、ルーチンを抜ける。
【0060】そして、このルーチンで制御量EGRSが
セットされると、ECU40は図示しない他のルーチン
により、この制御量EGRSに対応する駆動信号をEG
R弁16に出力し、EGR弁16のステッピングモータ
を駆動して、EGR弁16の開度を全閉に制御し、EG
Rを停止する。
【0061】一方、上記ステップS31〜S37の条件が全て
満足されたEGR実行条件の成立時には、ステップS39
へ進み、EGRを実行する。ステップS39では、このと
きのエンジン回転数Neとエンジン負荷を表す基本燃料
噴射パルス幅Tpに基づいて基本制御量マップを参照
し、EGRバルブ16に対する基本制御量EGRBを設
定する。
【0062】上記基本制御量マップは、所定環境のもと
でエンジン回転数Neとエンジン負荷を表す基本燃料噴
射パルス幅Tpとによるエンジン運転領域毎に適正EG
R量を得るEGRバルブ16に対する制御量を予め実験
等により求め、この制御量を基本制御量EGRBとして
エンジン回転数Neと基本燃料噴射パルス幅Tpとをパ
ラメータとするマップとして設定し、ROM42の一連
のアドレスに固定データとしてメモリされているもので
ある。この基本制御量マップの一例をステップS39中に
示す。
【0063】本形態では、ステップS39中に示すよう
に、エンジン回転数Neと基本燃料噴射パルス幅Tpと
が、それぞれ2000〜4000rpm、3.0〜4.0m
sの所定領域において最も大きな値の基本制御量EGRB
がメモリされている。これはこの領域におけるNOxの
発生量が高く、EGR率を高めることによってNOxの
発生を抑制するためである。そして、エンジン回転数N
e或いは基本燃料噴射パルス幅Tpが上記範囲からずれ
るに従って、NOxの発生量が低下するため、これに対
応してEGR率を低下させるべく小さい値の基本制御量
EGRBがメモリされている。
【0064】次いで、ステップS40で、エンジン回転数
Neと基本燃料噴射パルス幅Tpとに基づいて目標吸気
管絶対圧力マップを参照し、EGR作動時のスロットル
弁5a下流の吸気管内絶対圧力の目標値となる目標吸気
管絶対圧力P0を設定する。
【0065】ここで、上記目標吸気管絶対圧力マップ
は、エンジン回転数Neとエンジン負荷を表す基本燃料
噴射パルス幅Tpとによるエンジン運転領域毎に、適正
EGRガス重量流量を得るEGR作動時のスロットル弁
5a下流の吸気管内絶対圧力の目標値となる目標吸気管
絶対圧力を予め実験等により求め、この目標吸気管絶対
圧力P0をエンジン回転数Neと基本燃料噴射パルス幅
Tpとをパラメータとするマップとして設定し、ROM
42の一連のアドレスにメモリされているものである。
このマップの一例をステップS40中に示す。上述のよう
に中回転数、中負荷領域においてNOxの発生を抑制す
るためにEGR率を高めEGRガス重量流量を最大に増
加させるため、その領域におけるEGR中と停止時との
吸気管絶対圧力の差が最大となる。従って、目標吸気管
絶対圧力P0もその領域を中心として部分的に上昇して
いる。
【0066】そして、ステップS41で、目標吸気管絶対
圧力P0と絶対圧センサ21により検出されるスロット
ル弁5a下流の現在の実吸気管絶対圧力Pとを比較す
る。その結果、P>P0で目標吸気管絶対圧力P0に対し
実吸気管絶対圧力Pが高くEGRガス重量流量が規定値
よりも多いと判断されるときには、ステップS42へ進ん
で、EGR弁16のステッピングモータにより該EGR
弁16の弁開度を所定量減少してEGRガス重量流量を
減少させるためにフィードバック制御量EGRCLを所定
量、本形態においては1ビット減少して(EGRCL←E
GRCL−1)、ステップS44へ進む。また、P<P0で目
標吸気管絶対圧力P0に対し実吸気管絶対圧力Pが低
く、EGRガス重量流量が規定値よりも少ないと判断さ
れるときには、ステップS43へ進んで、EGR弁16の
弁開度を所定量増加してEGRガス重量流量を増加させ
るためにフィードバック制御量EGRCLを所定量増加し
て(EGRCL←EGRCL+1)、ステップS44へ進む。
【0067】更に、P=P0であり、実吸気管絶対圧力
Pが目標吸気管絶対圧力P0に等しくEGRガス重量流
量が規定値と等しいと判断されるときには、ステップS4
1からそのままステップS44へジャンプする。
【0068】そして、ステップS44で、上記基本制御量
EGRBをフィードバック補正量EGRCLにより補正し
てEGR弁16に対する最終的な制御量EGRSを設定
し(EGRS←EGRB+EGRCL)、続くステップS45
で、この制御量EGRSをRAM43の所定アドレスに
セットして、ルーチンを抜ける。
【0069】そして、この制御量EGRSのセットによ
り、ECU40は図示しない他のルーチンによって、こ
の制御量EGRSに対応する駆動信号をEGR弁16に
出力し、EGR弁16のステッピングモータを駆動し
て、EGR弁16の弁開度を、実吸気管絶対圧力Pが目
標吸気管絶対圧力P0に収束するようフィードバック制
御する。その結果、EGRガス重量流量が適正EGR率
を得る規定値に適正に制御される。
【0070】ここで、NOxを低減させるためのEGR
によるエンジン燃焼抑制効果は、新気とEGRガスの重
量流量の割合で決定され、また、EGR作動時におい
て、吸気管絶対圧力が同じならば、高地と低地との相違
等による大気圧変化に関わらず、新気とEGRガスの重
量流量の割合は同一であり、EGRガスの重量流量は吸
気管絶対圧力と一義的な関係にある。従って、上述のよ
うな吸気管絶対圧力を用いたEGR弁16の弁開度のフ
ィードバック制御により、EGRガス量を間接的に重量
流量で管理することが可能となり、新気とEGRガスと
の重量流量割合を適正に制御して、大気圧変化に関わら
ず同一運転条件下のEGR率を一定に制御することがで
きるため、EGR制御性の向上を図ると共に、EGRに
よるエンジン燃焼抑制効果の精度を向上し、NOxの発
生を適切に抑制して排気エミッションを改善することが
でき、且つ非常に簡単な制御でもって実現することが可
能となる。
【0071】なお、本実施の形態においては、エンジン
負荷として基本燃料噴射パルス幅Tpを用いているが、
エンジン負荷を表すものであればよく、本発明は、これ
に限定されない。また、EGRバルブは本実施の形態の
ステッピングモータ式のEGRバルブに限定されず、例
えば、ダイヤフラムアクチュエータ式のEGRバルブを
採用し、このダイアフラムアクチュエータ式EGRバル
ブを作動させるための制御圧を調圧するためのデューテ
ィソレノイド弁に対する制御量を、目標吸気管絶対圧力
とスロットル弁下流の実吸気管絶対圧力との比較結果に
応じて設定し、スロットル弁下流の実吸気管絶対圧力が
目標吸気管絶対圧力に収束するようフィードバック制御
するようにしても良い。
【0072】更に、本実施の形態では、フィードバック
補正量を目標吸気管絶対圧力と実吸気管絶対圧力との比
較結果に応じ積分制御により設定しているが、比例積分
制御(PI制御)、或いは比例積分微分制御(PID制
御)によりフィードバック補正量を設定するようにして
も良い。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、EGRガス重量流量と一義的な関係にあるス
ロットル弁下流の吸気管絶対圧力を用い、エンジン回転
数とエンジン負荷とに基づいて排気ガス還流時のスロッ
トル弁下流の吸気管内絶対圧力の目標値となる目標吸気
管絶対圧力を設定し、この目標吸気管絶対圧力とスロッ
トル弁下流の実吸気管絶対圧力との比較結果に応じて、
排気ガス還流通路に介装された排気ガス還流量調整弁に
対する制御量を設定して排気ガス還流制御弁の弁開度を
制御し、実吸気管絶対圧力が目標吸気管絶対圧力に収束
するようフィードバック制御するので、EGRガス量を
間接的に重量流量で管理することが可能となり、EGR
ガス重量流量を適正EGR率を得る規定値に適正に制御
することができる。従って、NOxを低減させるための
EGRによるエンジン燃焼抑制効果を決定する新気とE
GRガスとの重量流量割合を適正に制御することが可能
となって、大気圧変化に関わらず同一運転条件下のEG
R率を一定に制御することができ、EGR制御性の向上
を図れると共に、EGRによるエンジン燃焼抑制効果の
精度を向上し、NOxの発生を適切に抑制して排気エミ
ッションを改善することができる。また、適正EGR率
に制御可能となるため、燃費改善効果も得ることができ
る。
【0074】また、エンジン回転数とエンジン負荷とに
基づいて設定した排気ガス還流時のスロットル弁下流の
吸気管内絶対圧力の目標値となる目標吸気管絶対圧力
と、スロットル弁下流の吸気管絶対圧力との比較結果に
応じ排気ガス還流量調整弁に対する制御量を設定するの
で、非常に簡単な制御でもって実現することができる。
【0075】請求項2記載の発明では、エンジン回転数
とエンジン負荷とに基づいて基本制御量を設定すると共
に、エンジン回転数とエンジン負荷とに基づき排気ガス
還流時のスロットル弁下流の吸気管内絶対圧力の目標値
となる目標吸気管絶対圧力を設定し、この目標吸気管絶
対圧力とスロットル弁下流の実吸気管絶対圧力との比較
結果に応じて設定したフィードバック補正量により上記
基本制御量を補正して排気ガス還流量調整弁に対する制
御量を設定するので、上記請求項1記載の発明の効果に
加え、エンジン運転状態に対応したEGR率を得る基本
制御量に対しフィードバック補正量によりフィードバッ
ク補正するため、相対的にフィードバック補正量を減少
させることができ、早期にスロットル弁下流の実吸気管
絶対圧力を目標吸気管絶対圧力に収束させることがで
き、よりEGR制御性を向上させることができる効果を
有する。
【0076】請求項3記載の発明では、運転状態に基づ
いて排気ガス還流を行う排気ガス還流の実行条件が成立
するか否かを判断し、排気ガス還流の実行条件成立時に
は、エンジン回転数とエンジン負荷とに基づいて排気ガ
ス還流時のスロットル弁下流の吸気管内絶対圧力の目標
値となる目標吸気管絶対圧力を設定し、この目標吸気管
絶対圧力とスロットル弁下流の実吸気管絶対圧力との比
較結果に応じ排気ガス還流量調整弁に対する制御量を設
定し、また、排気ガス還流実行条件の非成立時には、上
記排気ガス還流調整弁を全閉とする制御量を設定し、排
気ガス還流を停止するので、上記請求項1記載の発明の
効果に加え、必要とする運転領域でのみEGRを行い、
エンジン出力要求時、或いはEGRを行うとエンジンが
不安定化する領域ではEGRを停止することが可能とな
り、EGRによるNOxの発生抑制効果と、エンジン出
力要求時のEGRによるエンジン出力の低下防止、EG
Rによる混合気の着火性悪化によるエンジン不安定化の
防止とを確実に両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成図
【図2】EGR制御ルーチンのフローチャート
【図3】EGR制御ルーチンのフローチャート(続き)
【図4】EGR制御ルーチンのフローチャート(続き)
【図5】EGR制御ルーチンのフローチャート(続き)
【図6】冷却水温判定に基づくEGR作動切換えの制御
ハンチングを防止するためのヒステリシスを示す説明図
【図7】エンジン負荷判定に基づくEGR作動切換えの
制御ハンチングを防止するためのヒステリシスを示す説
明図
【図8】エンジン回転数判定に基づくEGR作動切換え
の制御ハンチングを防止するためのヒステリシスを示す
説明図
【図9】車速判定に基づくEGR作動切換えの制御ハン
チングを防止するためのヒステリシスを示す説明図
【図10】エンジンの全体概略図
【図11】電子制御系の回路構成図
【符号の説明】
1 エンジン 3 インテークマニホルド(吸気系) 5a スロットル弁 15 EGR通路(排気ガス還流通路) 16 EGR弁(排気ガス還流量調整弁) 21 絶対圧センサ 40 電子制御装置(目標吸気管絶対圧力設定手段、制
御量設定手段、基本制御量設定手段、フィードバック補
正量設定手段、排気ガス還流実行条件判別手段) Ne エンジン回転数 Tp 基本燃料噴射パルス幅(エンジン負荷) P0 目標吸気管絶対圧力 P 実吸気管絶対圧力 EGRS 制御量 EGRB 基本制御量 EGRCL フィードバック補正量

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの排気ガスを吸気系に還流する排
    気ガス還流通路に介装された排気ガス還流量調整弁をエ
    ンジン運転状態に応じ制御して、排気ガス還流量を制御
    するエンジンの排気ガス還流量制御装置において、 エンジン回転数とエンジン負荷とに基づき排気ガス還流
    時のスロットル弁下流の吸気管内絶対圧力の目標値とな
    る目標吸気管絶対圧力を設定する目標吸気管絶対圧力設
    定手段と、 上記目標吸気管絶対圧力とスロットル弁下流の実吸気管
    絶対圧力との比較結果に応じ上記排気ガス還流量調整弁
    に対する制御量を設定する制御量設定手段とを備えたこ
    とを特徴とするエンジンの排気ガス還流量制御装置。
  2. 【請求項2】エンジンの排気ガスを吸気系に還流する排
    気ガス還流通路に介装された排気ガス還流量調整弁をエ
    ンジン運転状態に応じ制御して、排気ガス還流量を制御
    するエンジンの排気ガス還流量制御装置において、 エンジン回転数とエンジン負荷とに基づいて上記排気ガ
    ス還流量調整弁に対する基本制御量を設定する基本制御
    量設定手段と、 エンジン回転数とエンジン負荷とに基づき排気ガス還流
    時のスロットル弁下流の吸気管内絶対圧力の目標値とな
    る目標吸気管絶対圧力を設定する目標吸気管絶対圧力設
    定手段と、 上記目標吸気管絶対圧力とスロットル弁下流の実吸気管
    絶対圧力との比較結果に応じてフィードバック補正量を
    設定するフィードバック補正量設定手段と、 上記基本制御量を上記フィードバック補正量により補正
    して排気ガス還流量調整弁に対する制御量を設定する制
    御量設定手段とを備えたことを特徴とするエンジンの排
    気ガス還流量制御装置。
  3. 【請求項3】エンジンの排気ガスを吸気系に還流する排
    気ガス還流通路に介装された排気ガス還流量調整弁をエ
    ンジン運転状態に応じ制御して、排気ガス還流量を制御
    するエンジンの排気ガス還流量制御装置において、 運転状態に基づいて排気ガス還流を行う排気ガス還流実
    行条件が成立するか否かを判断する排気ガス還流実行条
    件判別手段と、 排気ガス還流の実行条件成立時に、エンジン回転数とエ
    ンジン負荷とに基づき排気ガス還流時のスロットル弁下
    流の吸気管内絶対圧力の目標値となる目標吸気管絶対圧
    力を設定する目標吸気管絶対圧力設定手段と、 排気ガス還流の実行条件成立時には、上記目標吸気管絶
    対圧力とスロットル弁下流の実吸気管絶対圧力との比較
    結果に応じ上記排気ガス還流量調整弁に対する制御量を
    設定し、排気ガス還流実行条件の非成立時には、上記排
    気ガス還流調整弁を全閉とする制御量を設定する制御量
    設定手段とを備えたことを特徴とするエンジンの排気ガ
    ス還流量制御装置。
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