JPH1087723A - アクリル系重合体凝固物およびその成形物 - Google Patents

アクリル系重合体凝固物およびその成形物

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JPH1087723A
JPH1087723A JP9269346A JP26934697A JPH1087723A JP H1087723 A JPH1087723 A JP H1087723A JP 9269346 A JP9269346 A JP 9269346A JP 26934697 A JP26934697 A JP 26934697A JP H1087723 A JPH1087723 A JP H1087723A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクリル系重合体凝固物からなる耐衝撃性、
光学特性、耐熱水性に優れた成形物、それを得るための
アクリル系重合体凝固物を提供する。 【解決手段】 乳化重合法によって得られ、硬質層と軟
質層とから構成されるアクリル系多層構造重合体が4cm
/hr以下の速度で凍結凝固されていることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリル系重合体
凝固物の多層構造重合体からなる耐衝撃性に優れた成形
物、それを得るためのアクリル系重合体凝固物、アクリ
ル系重合体組成物、およびアクリル系重合体凝固物の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニ
ル樹脂等の合成樹脂の耐衝撃性を改善する方法として、
弾性を有するゴム相を硬質樹脂中に不連続的に分散させ
ることが一般的に行われている。ジエン系ゴムの導入が
最も一般的であるが、耐候性の観点からアクリルゴムも
広く用いられている。
【0003】アクリルゴムを用いた改質樹脂としては、
芯、殻構造を基本とする、軟質層と硬質層を組み合わせ
た多層構造重合体が種々検討されている(特公昭54-182
98号公報、特公昭55-27576号公報、特公昭62-41241号公
報等)。その製造方法として乳化重合法が広く用いられ
ている。これらの乳化重合法を用いる重合体の製造方法
においては、重合体ラテックスから重合体を分離する工
程が必要であり、この方法として、塩化アルミニウム、
硫酸マグネシウム等の無機塩を添加する方法、硫酸等の
酸を添加する方法、噴霧乾燥法等がとられている。しか
しながら上記の方法は、得られた重合体が微粉末状で取
り扱いにくいために、生産性の低下や成形加工性の低下
を起こす等の問題を有していた。また一方、これらの重
合体を用いて成形加工されたものは、加熱着色して光学
特性に劣り、熱水に浸漬すると白化しやすく耐熱水性に
劣る等の問題も有していた。
【0004】重合体の取扱性を改善する方法として、耐
衝撃性改質重合体のスラリーと硬質非弾性重合体のスラ
リーを混合後、乾燥することにより乾燥時のブロック化
現象を抑制する方法(特開昭58−1742号公報)が提案さ
れている。多少の改善効果は認められるものの十分満足
できるものではなく、着色、耐熱水性については改善さ
れていない。
【0005】また、着色を改善する方法として、−OS
3 M−,−COOM,−SO3 M(ただしMはKまた
はNa)で表される基を有する乳化剤を用いて重合を行
い、得られたラテックスを硫酸マグネシウム水溶液と接
触させて重合体を分離する方法(特開昭61−108629号公
報)、−PO32 ,−PO2 M(ただしMはアルカリ
金属またはアルカリ土類金属)で表される基を有する乳
化剤を用いて重合を行い、得られたラテックスを硫酸マ
グネシウム水溶液と接触させて重合体を分離する方法
(特開昭63−227606号公報)等が提案されている。多少
の改善効果は認められるものの十分満足できるものでは
なく、しかも分離された重合体形状が微粉末状で取り扱
いにくいという欠点を有しており、耐熱水性も改善され
ていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】すなわち本発明の目的
は、アクリル系重合体凝固物からなる耐衝撃性、光学特
性、耐熱水性に優れた成形物、それを得るためのアクリ
ル系重合体凝固物およびその組成物、並びにその製造方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な現状に鑑み鋭意検討した結果、乳化重合法によって得
られた多層構造重合体であって、かつ凍結凝固されてい
ることを特徴とするアクリル系重合体凝固物により上記
問題点が解決されることを見出し本発明を完成するに至
った。
【0008】すなわち本発明は、乳化重合法によって得
られた多層構造重合体であって、その多層構造重合体の
最外層は、(1)少なくとも1種のメタクリル酸エステ
ル単位40〜100重量%、これらと共重合可能な他の
単量体単位0〜60重量%からなる層であって該層単独
で重合したときに25℃以上のガラス転移温度(以下T
gという)を有する硬質層であり、その内層の少なくと
も一つは、(2)少なくとも一種のアクリル酸エステル
単位40〜99.9重量%、これらと共重合可能な他の
単量体単位0〜60重量%、多官能性単量体単位0.1
〜5重量%からなる層であって該層単独で重合したとき
に25℃未満のTgを有する軟質層であって、かつその
多層構造重合体のラテックスが4cm/hr以下の速度
で凍結凝固されていることを特徴とするアクリル系重合
体凝固物、その成形物およびその製造方法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のアクリル系重合体凝固物
(以下、単に凝固物という場合がある)を構成する多層
構造重合体は、乳化重合法によって得られたものであっ
て、その最外層は、(1)少なくとも1種のメタクリル
酸エステル単位40〜100重量%、これらと共重合可
能な他の単量体単位0〜60重量%からなる層であって
該層単独で重合したときに25℃以上のTgを有する硬
質層であり、その内層の少なくとも一つは、(2)少な
くとも一種のアクリル酸エステル単位40〜99.9重
量%、これらと共重合可能な他の単量体単位0〜60重
量%、多官能性単量体単位0.1〜5重量%からなる層
であって該層単独で重合したときに25℃未満のTgを
有する軟質層から構成される。多層構造重合体に占める
最外層の割合は特に限定されないが、溶融混練時の良好
な分散性を得るために10〜80重量%が好ましく、T
gも成形物の良好な耐熱性を得るために50℃以上が好
ましい。さらに最外層は、分子量を調整することが好ま
しい。その理由は、本発明の凝固物を成形加工する場
合、または本発明の凝固物を合成樹脂の改質剤として用
いる場合に加熱溶融流動性が必要であり、特に後者の場
合には合成樹脂との相溶性の点から重要であるからであ
る。この調整はメルカプタン等の連鎖移動剤を用いて行
うことができる。また、多層構造重合体に占める25℃
未満のTgを有する軟質層の割合も特に限定されない
が、耐衝撃性発現のために10〜80重量%が好まし
く、Tgも同様な点から0℃以下が好ましい。さらに多
層構造重合体の内層は、前記軟質層のみかあるいはそれ
と、少なくとも1種のメタクリル酸エステル単位40〜
100重量%、これらと共重合可能な他の単量体単位0
〜60重量%、多官能性単量体単位0〜5重量%からな
る層であって該層単独で重合したときに25℃以上のT
gを有する硬質層からなる、任意の層構造をとることが
できる。例えば、最外層を含めた多層構造重合体におい
て、最内層から軟質層−硬質層の二層構造、硬質層−軟
質層−硬質層の三層構造、軟質層−硬質層−軟質層−硬
質層の四層構造、硬質層−軟質層−軟質層−硬質層の四
層構造等の構成がとられる。
【0010】この多層構造重合体の硬質層を構成する単
量体単位としては、以下に示すものが用いられる。メタ
クリル酸エステルとして、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ベン
ジル、メタクリル酸シクロヘキシル等が挙げられ、それ
らは単独または併用して用いられるが、好ましくはメタ
クリル酸メチルである。共重合可能な他の単量体とし
て、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸
シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸エ
ステル、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレ
ン等の芳香族ビニル化合物、N−シクロヘキシルマレイ
ミド、N−o−クロロフェニルマレイミド、N−tert−
ブチルマレイミド等のN−置換マレイミド化合物、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル
化合物が挙げられ、それらは単独または併用して用いら
れる。また、多官能性単量体として、メタクリル酸アリ
ル、アクリル酸アリル、シアヌル酸トリアリル、桂皮酸
アリル、ソルビン酸アリル、マレイン酸ジアリル、フタ
ル酸ジアリル、トリメリット酸トリアリル、フマル酸ジ
アリル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビ
ニルベンゼン、 1,3−ブチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート等の多官能性単量体が挙げられ、それらは単
独または併用して用いられる。
【0011】また、多層構造重合体の軟質層を構成する
単量体単位としては、以下に示すものが用いられる。ア
クリル酸エステルとして、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチル
ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベン
ジル等が挙げられ、それらは単独または併用して用いら
れるが、好ましくはアクリル酸ブチル、アクリル酸−2
−エチルヘキシルである。共重合可能な他の単量体とし
て、1,3 −ブタジエン、2,3 −ジメチルブタジエン、イ
ソプレン等のジエン系化合物、スチレン、ビニルトルエ
ン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブ
チル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキ
シル等のメタクリル酸エステル、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物が挙げら
れ、それらは単独または併用して用いられる。また、多
官能性単量体として、メタクリル酸アリル、アクリル酸
アリル、シアヌル酸トリアリル、桂皮酸アリル、ソルビ
ン酸アリル、マレイン酸ジアリル、フタル酸ジアリル、
トリメリット酸トリアリル、フマル酸ジアリル、エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、
1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の
多官能性単量体が挙げられ、それらは単独または併用し
て用いられる。
【0012】乳化重合法によって得られる多層構造重合
体の粒子は、特に限定されないが0.01〜0.5μの
粒子径範囲に変わりうる。耐衝撃性発現のために好まし
くは0.05〜0.3μである。
【0013】本発明のアクリル系重合体の凝固物におい
ては、性状の優れた凍結凝固物であることに最も特徴を
有する。これに対して噴霧乾燥法、酸や塩添加法により
凝固されたものでは、乾燥等の取扱性が悪く、なおかつ
押出成形時の押出安定性が劣るので本発明においては使
用できない。
【0014】本発明において、ラテックス、凍結凝固、
凝固物は以下のように定義される。ラテックスとは、乳
化重合法によって得られ、その表面が界面活性剤等によ
って保護されている0.01〜0.5μ程度の直径を有
する球状重合体粒子が水に分散したものである。凍結凝
固とは、乳化重合法によって得られたラテックスを凍結
することにより、多層構造重合体の粒子を凝集、圧着す
ることによって凝固させて乳化状態を破壊し、ラテック
ス中から重合体を分離することである。凝固物とは、乳
化重合法によって得られた多層構造重合体の球状粒子
が、ラテックスの凍結によって凝集、圧着され、凍結
後、融解ついで脱水してラテックスから分離された十数
μ〜数千μの粒径を有する固形物をいう。
【0015】本発明の凝固物は前記のように種々粒子径
をとりうるが、平均粒子径が20〜2000μであるこ
とが好ましく、50〜1000μであることがより好ま
しい。20μ未満であると濾過するときの分離性が悪く
なり、2000μを越えると溶融混練時の分散性が悪く
なる傾向がある。その凝固物の平均粒子径が20〜20
00μであることにより、その取扱性が格段に向上す
る。
【0016】本発明の凝固物を構成する多層構造重合体
は公知の乳化重合法により製造される。多層構造重合体
の製造方法としては、先ず所望の単量体混合物を乳化重
合させて芯粒子をつくった後、他の単量体混合物をその
芯粒子の存在下において乳化重合させて周りに殻をつく
る。次いで芯と殻からなる該粒子の存在下においてさら
に他の単量体混合物を乳化重合させて別の殻をつくる。
この様な反応を繰り返して所望の多層構造重合体を得
る。
【0017】乳化重合に使用される乳化剤の種類と量
は、重合系の安定性、目的とする粒子径等によって選択
されるが、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、
ノニオン界面活性剤等の公知の乳化剤を単独または併用
して用いることができる。特にアニオン界面活性剤が好
ましく用いられる。アニオン界面活性剤としては、ステ
アリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、N−ラ
ウロイルザルコシン酸ナトリウム等のカルボン酸塩、ジ
オクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム等のスルホン酸塩、ラウリル硫酸
ナトリウム等の硫酸エステル塩、モノ−n−ブチルフェ
ニルペンタオキシエチレンリン酸ナトリウム等のリン酸
エステル塩等が挙げられる。
【0018】乳化重合に使用される重合開始剤としても
特に限定されないが、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニ
ウム等の無機過酸化物、過酸化水素−第一鉄塩系、過硫
酸カリウム−酸性亜硫酸ナトリウム系、過硫酸アンモニ
ウム−酸性亜硫酸ナトリウム系等の水溶性レドックス系
開始剤、クメンハイドロパーオキシド−ナトリウムホル
ムアルデヒドスルホキシレート系、tert−ブチルハイド
ロパーオキシド−ナトリウムホルムアルデヒドスルホキ
シレート系等の水溶、油溶レドックス系の開始剤が用い
られる。
【0019】また、必要に応じて用いられる連鎖移動剤
としては、n−ドデシルメルカプタン、n−ラウリルメ
ルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、sec−ブ
チルメルカプタン等が挙げられる。乳化重合において、
単量体、乳化剤、開始剤、連鎖移動剤等は、一括添加
法、分割添加法、連続添加法等公知の任意の方法で添加
されてよい。
【0020】本発明における凍結凝固は、以下に示すよ
うなメカニズムで進行すると考えられる。ラテックスを
水の凝固点以下に冷却すると水相に氷晶が発生し、球状
重合体粒子及び水相に溶解していた水溶性物質を排除し
ながら成長する。球状重合体粒子は氷晶間に閉じ込めら
れ、水溶性物質もそこに濃縮され濃度が飽和値に達する
と沈澱する。氷晶の成長とともに球状重合体粒子は次第
に圧着される。さらに温度が低下すると、水溶性物質の
濃縮水溶液が凍結する。凍結の進行にともない、裸の球
状重合体粒子が圧縮され強固に圧着される。この段階を
経たラテックスを融解すると、球状重合体粒子の圧着は
破壊されず凝固物として水相から分離される。
【0021】ところが、重合体の種類や凍結条件により
生成する凝固物およびそれから得られる成形物の性質は
かなり異なり、取扱性、耐衝撃性、光学特性、耐熱水性
等に優れた性質のものが、凍結凝固法により必ずしも得
られるとは限らない。特定の多層構造重合体と凍結凝固
法、好ましくは特定の凍結条件とを組み合わせることに
より、球状重合体粒子の適度な圧着性、凝固物の適度な
粒径、乳化剤等の不純物の洗浄し易さが得られ、本発明
の目的が初めて達成される。
【0022】本発明の凝固物の製造において、その凍結
方法としては公知の空気凍結法、接触凍結法、浸漬凍結
法、噴霧凍結法等が用いられるが、その場合、本発明に
おいては、4cm/hr以下の速度、好ましくは0.7〜4
cm/hrの速度で凍結することが必要である。4cm/hrを
超える速度で凍結すると、後工程での取扱性や押出安定
性が不良となる。本発明においては、重合体ラテックス
温度が0℃になった時を凍結開始、重合体ラテックス温
度が−5℃になった時を凍結終了とし、その間の時間を
凍結時間と定め、単位凍結時間当りに重合体ラテックス
が凍結した厚さを凍結速度とする。凍結後の融解は40
℃〜100℃で行い、得られた重合体を0℃〜100℃
の水または温水で水洗することが好ましい。
【0023】本発明においては、上記の凝固物と、メタ
クリル酸メチル単位50〜100重量%、これと共重合
可能な他の単量体単位0〜50重量%からなるメタクリ
ル系重合体とから構成されるアクリル系重合体組成物が
有効に用いられる。アクリル系重合体組成物におけるア
クリル系重合体凝固物と、メタクリル系重合体との配合
割合は、前者が1〜99重量%、後者が99〜1重量%
であることが好ましい。耐衝撃性、光学特性、耐候性、
耐熱性等にバランスのとれた性質を得るためには、凝固
物が5〜70重量%、メタクリル系重合体が95〜30
重量%であることがより好ましい。また、本発明のアク
リル系重合体組成物には、メタクリル系重合体を乳化重
合し、これを前記多層構造重合体とエマルジョンブレン
ドして得たアクリル系重合体凝固組成物を、本発明の目
的に支障のない範囲で必要に応じて添加することができ
る。
【0024】上記メタクリル系重合体において、共重合
可能な他の単量体単位としては、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等
のメタクリル酸エステル、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル等のアクリル酸エステル、スチレン、ビニルト
ルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、
N−シクロヘキシルマレイミド、N−o−クロロフェニ
ルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド等のN−置
換マレイミド化合物、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等のシアン化ビニル化合物が挙げられ、それらは
単独または併用して用いられる。また、この単独または
共重合体は、成形加工性を良くするために分子量を調整
することが好ましく、この調整はメルカプタン等の連鎖
移動剤を用いて行うことができる。このメタクリル系重
合体は、公知の懸濁重合、溶液重合、乳化重合、塊状重
合等により得られる。
【0025】従来、弾性を有するゴム相をブレンドした
組成物によりアクリル系樹脂等の耐衝撃性を改善する場
合、その基体樹脂が本来有する諸特性を著しく低下させ
るという欠点を有していたが、本発明のアクリル系重合
体組成物によれば、アクリル系樹脂が本来有する光学特
性、耐熱水性、耐候性等の諸特性をあまり低下させるこ
となく、その樹脂の耐衝撃性を向上させることができる
ので、使用範囲が拡大される。
【0026】本発明のアクリル系重合体組成物におい
て、ブレンドする方法は特に限定されないが、ヘンシェ
ルミキサー等で混合後、押出機を用いて200〜300
℃で溶融混練する等の公知の方法で製造することができ
る。
【0027】本発明において、前記アクリル系重合体凝
固物およびアクリル系重合体組成物を塩化ビニル系樹
脂、スチレン系樹脂等の合成樹脂の改質に使用すること
もできる。その場合、基体樹脂が本来有する光学特性等
の諸特性をあまり低下させることなく、それらの樹脂の
耐衝撃性を向上させることができる。その際、例えば前
記アクリル系重合体凝固物1〜80重量%と、スチレン
単位、塩化ビニル単位、アクリロニトリル単位の少なく
とも一種の50〜100重量%、これらと共重合可能な
他の単量体単位0〜50重量%からなる、単独または共
重合体20〜99重量%とから構成される組成物が有効
である。上記後者の単独または共重合体において、共重
合可能な他の単量体単位としては、アクリル系重合体組
成物に使用する共重合体と同様のものが使用でき、単独
または共重合体は公知の懸濁重合、溶液重合、乳化重
合、塊状重合等により得られる。
【0028】本発明は、また前記凝固物、前記重合体組
成物のうちの単独またはその混合物を用いて加熱成形さ
れた成形物に関するものである。
【0029】本発明における成形物とは、成形材料、シ
ート、フィルム等であり、さらには、射出成形された物
品、およびシート、フィルムの熱加工品等も含まれる。
【0030】本発明の成形物は、前記凝固物、前記重合
体組成物のうちの単独、または混合物からなり、イエロ
ーインデックス(YI)が次式を満足するものが好まし
い。 YI≦0.035X+2.0 [ただし、Xは成形物中の多層構造重合体の割合(重量
%)である。]
【0031】本発明において、前記凝固物等を用い、か
つ前記YIの条件を満足することにより、耐衝撃性、光
学特性、耐熱水性に優れた成形物が得られる。従来の成
形物では、耐衝撃性、光学特性、耐熱水性を同時に満足
する優れた成形物を得ることが困難である。また、前記
の材料を用いた成形物であっても、イエローインデック
スが上式を満足しないと、成形加工により着色の増加も
大きくなり、使用範囲が限定される恐れがある。イエロ
ーインデックスは、板厚3mmの成形物をASTM−D
1925に示された方法で測定した値である。本発明に
おける成形物は、射出成形、押出成形、プレス成形、真
空成形等の公知の方法で製造される。現在市販されてい
る成形用材料は、染料を添加して補色したり、安定剤を
添加して黄着色を抑制しているのが現状であるが、本発
明によればそのような添加剤の添加は特に必要としな
い。また、耐熱水性の改善により浴室用品等への使用範
囲が広がり、さらに耐候性も向上する。
【0032】本発明のアクリル系重合体凝固物、アクリ
ル系重合体組成物および成形物には、本発明の目的に支
障のない範囲で必要に応じて滑剤、紫外線吸収剤、光安
定剤、熱安定剤、酸化防止剤、可塑剤、染顔料、帯電防
止剤、難燃剤、他の樹脂等を加えることもできる。
【0033】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説
明する。実施例に示した諸特性の測定は下記の方法に従
って実施した。
【0034】(1)凝固物、重合体組成物または固形物
を乾燥した時の融着、ブロック化;凝固物、重合体組成
物または固形物を棚段式熱風乾燥機中で80℃、10時
間乾燥し、融着、ブロック化を起こすかどうかを調べ、
次のように表に示した。 ×…融着、ブロック化を起こした。 ○…融着、ブロック化を起こさなかった。
【0035】(2)凝固物、重合体組成物または固形物
の平均粒子径の測定法;顕微鏡を用いて200個以上の
凝固物、重合体組成物または固形物の粒子径を測定し、
数平均粒子径を求めた。
【0036】(3)押出安定性の評価;凝固物、重合体
組成物または固形物とアクリル樹脂ビーズ(パラペット
EH用ビーズ:(株)クラレ製)を1対1の割合で混合
し、50φのシート押出機を用いてシリンダー温度25
0℃で溶融混練して3mm板厚のシートを得る時の押出安
定性を調べ、次のように示した。 良好……サージングを起こさず、良好なシートが得られ
た。 不安定…サージングを起こし易く、良好なシートが得ら
れにくかった。
【0037】(4)アイゾット衝撃強度;ASTM-D256 (5)耐熱水性の評価;3mm板厚の平板サンプルを80
℃の熱水中に2時間浸漬し、ASTM-D1003によりヘイズ値
を測定してヘイズ値の変化量(Δヘイズ)を測定した。 (6)全光線透過率;ASTM-D1003(3mm板厚) (7)イエローインデックス;ASTM-D1925(3mm板厚)
【0038】(8)濾過性;直径11cmのTOYO ROSHI C
o.製、No2濾紙を用い、20mmHg減圧下で29重量%の
固形分をを含む500ミリリットルの凍結融解液を濾過
し、濾過に要する時間により濾過性を評価した。 △…濾過時間5分以上 ○…濾過時間5分未満
【0039】また、実施例、比較例、参考例、参考比較
例中に用いた略称を以下に示す。メタクリル酸メチル
(MMA)、アクリル酸メチル(MA)、アクリル酸エ
チル(EA)、アクリル酸ブチル(BA)、スチレン
(ST)、メタクリル酸アリル(ALMA)、N−シク
ロヘキシルマレイミド(CHMI)、 1,3−ブチレング
リコールジメタクリレート(BGDMA)、クメンハイ
ドロパーオキサイド(CHP)、n−オクチルメルカプ
タン(n−OM)、ナトリウムホルムアルデヒドスルホ
キシレート(ロンガリット)、ステアリン酸ナトリウム
(SS)、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(SD
OSS)、ラウロイルザルコシン酸ナトリウム(LS
S)部は重量部、%は重量%を表す。
【0040】実施例1 還流冷却器付反応容器に、イオン交換水250部、SS
1.0部、MMA29.4部、MA0.6部、ALMA
0.15部を投入した。ついで10%過硫酸カリウム水
溶液0.3部を投入し、80℃に昇温し60分保持し
た。ついでこのラテックスの存在下に、10%過硫酸カ
リウム水溶液0.5部を投入し、BA40.7部、ST
9.3部、ALMA0.25部からなる単量体混合物を
60分かけて連続的に添加し、添加終了後30分間保持
した。ついでこのラテックスの存在下に、10%過硫酸
カリウム水溶液0.2部を投入し、MMA19.6部、
MA0.4部、n−OM0.06部からなる単量体混合
物を30分かけて連続的に添加し、添加終了後60分間
保持して三層構造重合体ラテックスを得た。
【0041】得られたラテックスをステンレス製容器に
高さ6cmになるように入れ、冷凍庫中、−20℃の温度
条件下で凍結させた。ラテックス中に熱伝対を入れて温
度を測定した結果、0℃に達してから−5℃を通過する
のに、6時間要した。すなわち凍結速度は1cm/hrであ
った。温度が−5℃を通過した後、さらに2時間冷却し
て凍結されたラテックスを取り出した。
【0042】この凍結されたラテックスを70℃の温度
条件で融解した後、濾別して重合体を分離した。さらに
70℃温水で水洗脱水を3回繰り返した後、80℃−1
0時間乾燥した。融着、ブロック化は起こさず、サラサ
ラした凝固物が得られ、その平均粒子径は200μだっ
た。
【0043】得られた乾燥後の凝固物とアクリル樹脂ビ
ーズ(パラペットEH用ビーズ:(株)クラレ製)を1
対1の割合で混合し、50φのシート押出機を用いてシ
リンダー温度250℃で溶融混練し、3mm板厚のシート
を得た。このとき、サージングを起こさず良好な押出安
定性を示した。これらの結果を表1に示す。
【0044】比較例1 実施例1で得た最終ラテックスを、その2倍量の1%塩
化アルミニウム水溶液を用い、70℃の温度条件で塩析
凝集した。ついで70℃温水で水洗脱水を3回繰り返し
た後80℃−10時間乾燥した。重合体は融着、ブロッ
ク化を起こしていたので、条件を60℃−15時間に変
更して乾燥した。得られた固形物の平均粒子径は20μ
であった。
【0045】得られた乾燥後の固形物とアクリル樹脂ビ
ーズ(パラペットEH用ビーズ:(株)クラレ製)を1
対1の割合で混合し、50φのシート押出機を用いてシ
リンダー温度250℃で溶融混練し、3mm板厚のシート
を得た。このとき、サージングを起こし易く、良好なシ
ートが得られにくかった。これらの結果を表1に示す。
【0046】比較例2〜4 3%塩化ナトリウム水溶液、2%硫酸マグネシウム水溶
液、1%硫酸水溶液をそれぞれ用いた以外は、比較例1
と同様に評価した結果を表1に示す。
【0047】比較例5 実施例1で得た最終ラテックスを、流入熱風温度170
℃の噴霧乾燥機中に噴霧して重合体を乾燥、分離した。
得られた固形物は微粉末状をしていた。得られた乾燥後
の固形物とアクリル樹脂ビーズ(パラペットEH用ビー
ズ:(株)クラレ製)を1対1の割合で混合し、50φ
のシート押出機を用いてシリンダー温度250℃で溶融
混練し、3mm板厚のシートを得た。このとき、サージン
グを起こし易く、良好なシートが得られにくかった。こ
れらの結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】表1から明らかなように、凍結された凝固
物は良好な取扱性、押出安定性を示すことが分かる。
【0050】実施例2〜4 実施例1で得られた最終ラテックスを用い、凍結条件を
変えて凍結凝固した。その凍結されたラテックスを70
℃の温度条件で融解した後、濾別して重合体を分離し、
濾過性を調べた。また、これらの濾液を厚さ1cmガラス
製セルに入れ、波長600nm光の光線透過率を測定し
た。これ以外は実施例1と同様に操作して評価した結果
を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】実施例5 実施例1で得られた乾燥後の凝固物とメタクリル樹脂
(パラペットHR−L用ビーズ:(株)クラレ製)を1
対1の割合で混合し、40φの押出機を用いてシリンダ
ー温度250℃で溶融混練しペレットを得た。このペレ
ットを用いシリンダー温度250℃、金型温度50℃で
射出成形し、ASTM基準に基づいたアイゾット衝撃強
度試験片と50×50×3mmの平板を得た。この試験片
を用いて諸特性を評価した結果を表3に示す。
【0053】比較例6〜10 比較例1〜5で得られた乾燥後の固形物を用いた以外
は、実施例5と同様に評価した結果を表3に示す。
【0054】
【表3】
【0055】表3から明らかなように、凍結による凝固
物からなる樹脂組成物は他と比較して光学特性、耐熱水
性に優れ、かつ良好な耐衝撃性を有していることが分か
る。
【0056】実施例6 実施例1で得られた乾燥後の凝固物を平板プレスを用い
て190℃、100Kg/ cm2 の圧力下で10分間プレス
成形して板厚3mmの平板を得、そのイエローインデック
ス、全光線透過率を測定した。イエローインデックス:
3.5、全光線透過率:90%であり、それを表4に示
す。
【0057】比較例11〜14 比較例1,2,4,5で得られた乾燥後の固形物を用い
た以外は、実施例6と同様に操作して評価した結果を表
4に示す。
【0058】
【表4】
【0059】表4から明らかなように、凍結による凝固
物からなる成形物は他と比較して光学特性に著しく優れ
ていることが分かる。
【0060】実施例7、8および比較例15、16 多層構造重合体の組成、乳化剤の種類と量を表5のよう
に変更した以外は、実施例1、比較例1に準じた操作で
凝固物、固形物を得、それらを実施例1、比較例1と同
様に評価した結果を表6に示す。表5において、横線
(−)は多層構造重合体の同一層を形成する単量体単位
等を分けるのに使用され、斜線(/)は層が異なる際に
使用され、また、最も左に示した層が最内層、最も右に
示した層が最外層である。
【0061】
【表5】
【0062】
【表6】
【0063】実施例9および比較例17 実施例7で得られた凝固物、比較例15で得られた固形
物のそれぞれとメタクリル樹脂(パラペットHR−L用
ビ−ズ:(株)クラレ製)を7:3の割合で混合した以
外は実施例2と同様に操作した。結果を表3に示す。
【0064】実施例10および比較例18 実施例8で得られた凝固物、比較例16で得られた固形
物のそれぞれとメタクリル樹脂(パラペットHR−L用
ビ−ズ:(株)クラレ製)を1:1の割合で混合した以
外は実施例2と同様に操作した。結果を表3に示す。
【0065】実施例11、12および比較例19、20 実施例7、8で得られた凝固物、比較例15、16で得
られた固形物を用いた以外は実施例6と同様に操作し
た。結果を表4に示す。
【0066】実施例13 還流冷却器付反応容器に、イオン交換水250部、SD
OSS1.0部を投入し、撹拌下に窒素を吹き込み酸素
の影響のない状態にした後、ロンガリット0.1部を投
入し70℃に昇温した。ついでBA46.4部、ST1
6.2部、ALMA0.6部、CHP0.13部からな
る単量体混合物を200分かけて連続的に添加し、添加
終了後さらに90分間保持した。
【0067】ついでこのラテックスの存在下に、MMA
31.5部、ST1.5部、CHMI4.5部、n−O
M0.07部、CHP0.04部からなる単量体混合物
を30分かけて連続的に添加し、添加終了後さらに60
分間保持して二層構造重合体ラテックスを得た。
【0068】ついでこのラテックスを−20℃温度条件
下で8時間冷却して凍結させた後、70℃温度条件下で
融解させ、70℃温水で水洗脱水を3回繰り返した後9
0℃−10時間乾燥した。融解、ブロック化も起こさず
サラサラした凝固物が得られ、その平均粒子径は220
μだった。
【0069】つぎに得られた凝固物とMMA80%、S
T5%、CHMI15%組成を有するアクリル系樹脂を
1対1の割合で混合し、40φの押出機を用いてシリン
ダー温度250℃で溶融混練しペレットを得た。このペ
レットを用いシリンダー温度250℃、金型温度50℃
で射出成形し、50×50×3mmの平板を得た。この試
験片を用いて光学特性を評価した結果、全光線透過率9
1.8(%)、イエローインデックス3.5であった。
また、耐熱水性テストの結果、Δヘイズ値は5.0であ
った。
【0070】比較例21 実施例13で得られた最終ラテックスを、その2倍量の
3%塩化ナトリウム水溶液を用い、70℃の温度条件で
塩析凝集させた後、90℃−10時間乾燥した。固形物
は融着、ブロック化を起こしたので、条件を60℃−1
5時間に変更して乾燥した。それ以外は、実施例6と同
様に操作して特性を評価した結果、全光線透過率91.
5(%)、イエローインデックス9.0、耐熱水性テス
トのΔヘイズ値が45であり、実施例13と比較すると
劣るものしか得られなかった。
【0071】
【発明の効果】本発明のアクリル系重合体凝固物および
アクリル系重合体組成物によれば、濾過、洗浄、乾燥工
程において著しく取扱い性が向上し、なおかつ押出安定
性も向上するので、後工程が非常に容易となり工業上優
れた効果を発揮する。また、熱着色が小さい等の光学特
性に著しく優れ、耐熱水性、耐衝撃性に優れた成形物を
得ることができるので、利用範囲が拡大する。
フロントページの続き (72)発明者 猪股 尚清 新潟県北蒲原郡中条町倉敷町2番28号 株 式会社クラレ内 (72)発明者 大谷 三夫 新潟県北蒲原郡中条町倉敷町2番28号 株 式会社クラレ内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳化重合法によって得られた多層構造重
    合体であって、その多層構造重合体の最外層は、(1)
    少なくとも1種のメタクリル酸エステル単位40〜10
    0重量%、これらと共重合可能な他の単量体単位0〜6
    0重量%からなる層であって該層単独で重合したときに
    25℃以上のガラス転移温度を有する硬質層であり、そ
    の内層の少なくとも一つは、(2)少なくとも一種のア
    クリル酸エステル単位40〜99.9重量%、これらと
    共重合可能な他の単量体単位0〜60重量%、多官能性
    単量体単位0.1〜5重量%からなる層であって該層単
    独で重合したときに25℃未満のガラス転移温度を有す
    る軟質層であって、かつその多層構造重合体のラテック
    スが4cm/hr以下の速度で凍結凝固されていること
    を特徴とするアクリル系重合体凝固物。
  2. 【請求項2】 平均粒子径が20〜2000μである、
    請求項1記載のアクリル系重合体凝固物。
  3. 【請求項3】 メタクリル酸メチル単位50〜100重
    量%、これと共重合可能な他の単量体単位0〜50重量
    %からなる重合体1〜99重量%と、請求項1記載のア
    クリル系重合体凝固物99〜1重量%とからなるアクリ
    ル系重合体組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のアクリル系重合体凝固
    物、請求項3記載のアクリル系重合体組成物のうちの単
    独であるか、またはその混合物からなり、イエローイン
    デックス(YI)が次式を満足する成形物。 YI≦0.035X+2.0 [ただし、Xは成形物中の多層構造重合体の割合(重量
    %)である。]
  5. 【請求項5】 最外層が、(1)少なくとも1種のメタ
    クリル酸エステル単位40〜100重量%、これらと共
    重合可能な他の単量体単位0〜60重量%からなる層で
    あって該層単独で重合したときに25℃以上のガラス転
    移温度を有する硬質層であり、内層の少なくとも一つ
    が、(2)少なくとも一種のアクリル酸エステル単位4
    0〜99.9重量%、これらと共重合可能な他の単量体
    単位0〜60重量%、多官能性単量体単位0.1〜5重
    量%からなる層であって該層単独で重合したときに25
    ℃未満のガラス転移温度を有する軟質層である多層構造
    重合体のラテックスを乳化重合法により製造し、そのラ
    テックスを4cm/hr以下の速度で凍結した後、融解
    ついで脱水することにより、ラテックスから多層構造重
    合体を分離することを特徴とするアクリル系重合体凝固
    物の製造方法。
  6. 【請求項6】 融解の温度を40〜100℃で行う、請
    求項5記載のアクリル系重合体凝固物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2017500387A (ja) * 2013-11-20 2017-01-05 エボニック レーム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングEvonik Roehm GmbH 水性ポリマー分散液のための連続的、又は半連続的凍結凝集法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04356502A (ja) * 1990-07-18 1992-12-10 Kuraray Co Ltd アクリル系重合体凝固組成物、その製法およびその成形物

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