JPH1087553A - （メタ）アクリル酸およびそのエステルの安定化方法 - Google Patents
（メタ）アクリル酸およびそのエステルの安定化方法Info
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- JPH1087553A JPH1087553A JP24627296A JP24627296A JPH1087553A JP H1087553 A JPH1087553 A JP H1087553A JP 24627296 A JP24627296 A JP 24627296A JP 24627296 A JP24627296 A JP 24627296A JP H1087553 A JPH1087553 A JP H1087553A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 （メタ）アクリル酸およびそのエステルの製
造に際し、（メタ）アクリル酸水溶液およびそのエステ
ルの重合を防止し、長期保存を可能にする優れた安定化
法を提供する。 【解決手段】 安定剤として（メタ）アクリル酸および
そのエステルに、塩化鉄（II）および／または塩化銅
（II）を添加する。
造に際し、（メタ）アクリル酸水溶液およびそのエステ
ルの重合を防止し、長期保存を可能にする優れた安定化
法を提供する。 【解決手段】 安定剤として（メタ）アクリル酸および
そのエステルに、塩化鉄（II）および／または塩化銅
（II）を添加する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は（メタ）アクリル酸
およびそのエステルの安定化方法に関する。さらに詳し
くは（メタ）アクリル酸およびそのエステルに塩化鉄
（II）および／または塩化銅（II）を添加することを特
徴とする（メタ）アクリル酸およびそのエステルの安定
化方法に関するものである。
およびそのエステルの安定化方法に関する。さらに詳し
くは（メタ）アクリル酸およびそのエステルに塩化鉄
（II）および／または塩化銅（II）を添加することを特
徴とする（メタ）アクリル酸およびそのエステルの安定
化方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】（メタ）アクリル酸およびそのエステル
を気相接触酸化により製造する方法は工業的製法として
良く知られた方法であるが、酸化反応で生成した（メ
タ）アクリル酸およびそのエステルは水に吸収して回収
されることが通常行われる。一方（メタ）アクリル酸お
よびそのエステルは熱、光、過酸化物等によって容易
に、しかも極めて激しい重合を起こす性質を有している
ため、いかに安定化して保存するかは、大きな課題の一
つである。
を気相接触酸化により製造する方法は工業的製法として
良く知られた方法であるが、酸化反応で生成した（メ
タ）アクリル酸およびそのエステルは水に吸収して回収
されることが通常行われる。一方（メタ）アクリル酸お
よびそのエステルは熱、光、過酸化物等によって容易
に、しかも極めて激しい重合を起こす性質を有している
ため、いかに安定化して保存するかは、大きな課題の一
つである。
【０００３】従来、アクリル酸の安定化法の１つとし
て、重合防止剤を添加することが、古くから提案され実
施されている。代表的な重合防止剤としてはハイドロキ
ノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等のフェノー
ル類、フェノチアジン、ジフェニルアミン等のアミン
類、ジブチルジチオカルバミン酸銅等の銅塩、酢酸マン
ガン等のマンガン塩、ニトロ化合物、ニトロソ化合物が
知られている。そして、これらの重合防止剤を単独の形
で用いたり、或いは分子状酸素含有ガスとこれらの重合
防止剤とを併用する方法などが提案されている。但しア
クリル酸水溶液の安定化剤としては、通常ハイドロキノ
ンや酢酸マンガン等の水溶性の化合物が使用されること
が多い。
て、重合防止剤を添加することが、古くから提案され実
施されている。代表的な重合防止剤としてはハイドロキ
ノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等のフェノー
ル類、フェノチアジン、ジフェニルアミン等のアミン
類、ジブチルジチオカルバミン酸銅等の銅塩、酢酸マン
ガン等のマンガン塩、ニトロ化合物、ニトロソ化合物が
知られている。そして、これらの重合防止剤を単独の形
で用いたり、或いは分子状酸素含有ガスとこれらの重合
防止剤とを併用する方法などが提案されている。但しア
クリル酸水溶液の安定化剤としては、通常ハイドロキノ
ンや酢酸マンガン等の水溶性の化合物が使用されること
が多い。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに提案されている重合防止剤は（メタ）アクリル酸水
溶液が蒸留操作等の高温に曝される場合や、保存が長期
にわたる場合には、その効果が十分ではなく、工業的実
施において満足すべきものではない。かかる事情下に基
づき、本発明者等は高温下、更には長期保存下に於いて
も（メタ）アクリル酸およびそのエステルに優れた安定
性を付与する方法を見出すことを目的として鋭意検討し
た結果、これら水溶液に対し塩化鉄（II）や塩化銅（I
I）が優れた安定性を発揮することを見出し、本発明を
完成するに至った。
うに提案されている重合防止剤は（メタ）アクリル酸水
溶液が蒸留操作等の高温に曝される場合や、保存が長期
にわたる場合には、その効果が十分ではなく、工業的実
施において満足すべきものではない。かかる事情下に基
づき、本発明者等は高温下、更には長期保存下に於いて
も（メタ）アクリル酸およびそのエステルに優れた安定
性を付与する方法を見出すことを目的として鋭意検討し
た結果、これら水溶液に対し塩化鉄（II）や塩化銅（I
I）が優れた安定性を発揮することを見出し、本発明を
完成するに至った。
【０００５】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は（メ
タ）アクリル酸およびそのエステルに塩化鉄（II）およ
び／または塩化銅（II）を添加することを特徴とする
（メタ）アクリル酸およびそのエステルの安定化方法を
提供するにある。
タ）アクリル酸およびそのエステルに塩化鉄（II）およ
び／または塩化銅（II）を添加することを特徴とする
（メタ）アクリル酸およびそのエステルの安定化方法を
提供するにある。
【０００６】
【発明の実施の形態】以下、本発明方法について詳細に
説明する。本発明方法は（メタ）アクリル酸およびその
エステルに適用し得る。（メタ）アクリル酸とはアクリ
ル酸、メタクリル酸であり、アクリル酸エステルとして
はアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブ
チル、アクリル酸２−エチルヘキシル、アクリル酸２−
ヒドロキシエチル、アクリル酸２−ヒドロキシプロピル
等、またメタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸２−ヒドロ
キシエチル、メタクリル酸２−ヒドロキシプロピル等が
挙げられる。
説明する。本発明方法は（メタ）アクリル酸およびその
エステルに適用し得る。（メタ）アクリル酸とはアクリ
ル酸、メタクリル酸であり、アクリル酸エステルとして
はアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブ
チル、アクリル酸２−エチルヘキシル、アクリル酸２−
ヒドロキシエチル、アクリル酸２−ヒドロキシプロピル
等、またメタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸２−ヒドロ
キシエチル、メタクリル酸２−ヒドロキシプロピル等が
挙げられる。
【０００７】本発明方法における（メタ）アクリル酸お
よびそのエステルの安定化方法としては、これらの溶液
中に塩化鉄（II）および／または塩化銅（II）を添加す
ることを必須とする。これらの添加量は（メタ）アクリ
ル酸およびそのエステルに対して約１〜５０００ｐｐ
ｍ、好ましくは１０〜５００ｐｐｍ添加される。安定剤
の使用量が上記範囲未満の場合には重合防止効果が十分
ではなく、また、この範囲を越える場合には重合防止効
果は得られるものの経済的でない。
よびそのエステルの安定化方法としては、これらの溶液
中に塩化鉄（II）および／または塩化銅（II）を添加す
ることを必須とする。これらの添加量は（メタ）アクリ
ル酸およびそのエステルに対して約１〜５０００ｐｐ
ｍ、好ましくは１０〜５００ｐｐｍ添加される。安定剤
の使用量が上記範囲未満の場合には重合防止効果が十分
ではなく、また、この範囲を越える場合には重合防止効
果は得られるものの経済的でない。
【０００８】安定剤の添加方法は、通常公知の方法で実
施するばよく特に制限されないが、例えばアクリル酸の
場合には、安定剤をアクリル酸にそのまま添加する方法
や適当な有機溶剤に溶解して添加してもよい。これらは
アクリル酸の製造直後に添加することもできるが蒸留を
行う直前に添加してもよく、工業的には蒸留装置へ供給
されるアクリル酸の供給原料中や蒸留によって蒸留缶液
側に還流される液中に溶解させて供給することもでき
る。一般にアクリル酸またはアクリル酸を含む系の蒸留
は約５０〜約１５０℃、約１００〜約５００ｍｍＨｇの
条件で行われるが、本発明方法によれば、このような高
温状態での処理に於いても十分に重合を防止することが
でき、さらにアクリル酸の水への吸収時、アクリル酸水
溶液の貯蔵、輸送に際して安定剤を添加することによっ
ても長期の保存が可能になる。
施するばよく特に制限されないが、例えばアクリル酸の
場合には、安定剤をアクリル酸にそのまま添加する方法
や適当な有機溶剤に溶解して添加してもよい。これらは
アクリル酸の製造直後に添加することもできるが蒸留を
行う直前に添加してもよく、工業的には蒸留装置へ供給
されるアクリル酸の供給原料中や蒸留によって蒸留缶液
側に還流される液中に溶解させて供給することもでき
る。一般にアクリル酸またはアクリル酸を含む系の蒸留
は約５０〜約１５０℃、約１００〜約５００ｍｍＨｇの
条件で行われるが、本発明方法によれば、このような高
温状態での処理に於いても十分に重合を防止することが
でき、さらにアクリル酸の水への吸収時、アクリル酸水
溶液の貯蔵、輸送に際して安定剤を添加することによっ
ても長期の保存が可能になる。
【０００９】本発明方法に於いては安定剤として塩化鉄
（II）および／または塩化銅（II）を使用するものであ
るが、公知の他の安定剤を更に添加・併用することも可
能である。かかる公知の安定剤としてはハイドロキノ
ン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等のフェノール
類、フェノチアジン、ジフェニルアミン等のアミン類、
ジブチルジチオカルバミン酸銅等の銅塩、酢酸マンガン
等のマンガン塩、ニトロ化合物、ニトロソ化合物等が挙
げられる。これらの使用は上記した本発明方法に於いて
適用する安定剤と同様の方法、同様の添加量範囲で使用
することができる。
（II）および／または塩化銅（II）を使用するものであ
るが、公知の他の安定剤を更に添加・併用することも可
能である。かかる公知の安定剤としてはハイドロキノ
ン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等のフェノール
類、フェノチアジン、ジフェニルアミン等のアミン類、
ジブチルジチオカルバミン酸銅等の銅塩、酢酸マンガン
等のマンガン塩、ニトロ化合物、ニトロソ化合物等が挙
げられる。これらの使用は上記した本発明方法に於いて
適用する安定剤と同様の方法、同様の添加量範囲で使用
することができる。
【００１０】また、本発明方法に於いては必要に応じて
分子状酸素を用いることも可能である。分子状酸素はエ
アーバブリング等によりアクリル酸に混入させればよ
く、工業的には、アクリル酸の蒸留塔や、アクリル酸と
溶剤の分離塔、アクロレインやメタクロレイン塔の軽沸
分のストリッパー塔の蒸留操作を行う箇所で実施するこ
とができる。
分子状酸素を用いることも可能である。分子状酸素はエ
アーバブリング等によりアクリル酸に混入させればよ
く、工業的には、アクリル酸の蒸留塔や、アクリル酸と
溶剤の分離塔、アクロレインやメタクロレイン塔の軽沸
分のストリッパー塔の蒸留操作を行う箇所で実施するこ
とができる。
【００１１】
【発明の効果】以上詳述した本発明方法によれば、安定
剤として廉価な塩化鉄（II）や塩化銅（II）を用いるの
みで、効果的に（メタ）アクリル酸およびそのエステル
の重合防止を可能ならしめ、長期の貯蔵に於いても重合
を抑止効果を発揮するもので、その産業上の利用価値は
頗る大である。
剤として廉価な塩化鉄（II）や塩化銅（II）を用いるの
みで、効果的に（メタ）アクリル酸およびそのエステル
の重合防止を可能ならしめ、長期の貯蔵に於いても重合
を抑止効果を発揮するもので、その産業上の利用価値は
頗る大である。
【００１２】
【実施例】以下実施例、比較例によって本発明を具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【００１３】実施例１ 気相接触酸化により製造したアクリル酸水溶液を減圧下
に蒸留した溶液に、ハイドロキノンを１００ｐｐｍ添加
した。この溶液にさらに表１の安定剤を各々１０ｐｐｍ
添加し、内容積２０ｍｌの蓋付き試験管に５ｇ入れ密栓
した。これを８０℃のオイルバスに浸け、３時間まで加
熱を行い、取り出し冷却した。この溶液を水で希釈し、
４級アンモニウム塩と反応させ、その濁りの度合いから
ポリアクリル酸を定量した。その結果を表１に示す。な
お、表１に於いて安定剤名の欄の記載が───のものは
ハイドロキノン以外の安定剤は添加しなかった例を示す
ものである。
に蒸留した溶液に、ハイドロキノンを１００ｐｐｍ添加
した。この溶液にさらに表１の安定剤を各々１０ｐｐｍ
添加し、内容積２０ｍｌの蓋付き試験管に５ｇ入れ密栓
した。これを８０℃のオイルバスに浸け、３時間まで加
熱を行い、取り出し冷却した。この溶液を水で希釈し、
４級アンモニウム塩と反応させ、その濁りの度合いから
ポリアクリル酸を定量した。その結果を表１に示す。な
お、表１に於いて安定剤名の欄の記載が───のものは
ハイドロキノン以外の安定剤は添加しなかった例を示す
ものである。
【００１４】
【表１】 ※１：ポリアクリル酸濃度が高すぎて、測定ができなかった。
Claims (2)
- 【請求項１】 （メタ）アクリル酸およびそのエステル
に塩化鉄（II）および／または塩化銅（II）を添加する
ことを特徴とする（メタ）アクリル酸およびそのエステ
ルの安定化方法。 - 【請求項２】 （メタ）アクリル酸およびそのエステル
に対する塩化鉄（II）および／または塩化銅（II）の添
加量が１〜５０００ｐｐｍであることを特徴とする請求
項１記載の（メタ）アクリル酸およびそのエステルの安
定化方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24627296A JPH1087553A (ja) | 1996-09-18 | 1996-09-18 | （メタ）アクリル酸およびそのエステルの安定化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24627296A JPH1087553A (ja) | 1996-09-18 | 1996-09-18 | （メタ）アクリル酸およびそのエステルの安定化方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1087553A true JPH1087553A (ja) | 1998-04-07 |
Family
ID=17146073
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24627296A Pending JPH1087553A (ja) | 1996-09-18 | 1996-09-18 | （メタ）アクリル酸およびそのエステルの安定化方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1087553A (ja) |
-
1996
- 1996-09-18 JP JP24627296A patent/JPH1087553A/ja active Pending
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