JPH1085212A - 超音波診断装置 - Google Patents

超音波診断装置

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JPH1085212A
JPH1085212A JP24461096A JP24461096A JPH1085212A JP H1085212 A JPH1085212 A JP H1085212A JP 24461096 A JP24461096 A JP 24461096A JP 24461096 A JP24461096 A JP 24461096A JP H1085212 A JPH1085212 A JP H1085212A
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JP
Japan
Prior art keywords
gain
signal
diagnostic apparatus
ultrasonic diagnostic
overrange
Prior art date
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Application number
JP24461096A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Fujiki
俊昭 藤木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Aloka Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波診断装置において、振動子により得ら
れる受信信号の強度のレンジは、被検体により異なり、
また診断モードにより受信信号の強度レンジのうち関心
のある範囲も異なる。そのため、AD変換器(ADC)
の限りあるダイナミックレンジの有効利用が難しい。 【解決手段】 デジタル変換部14にADCの入力レン
ジに応じた閾値を有したコンパレータを設け、増幅部1
2からの受信信号がその閾値を超えたときにオーバーレ
ンジ信号70を発生させる。ゲイン制御部60が、この
信号70の出力頻度を求め、これが大きいとき増幅部1
2のゲインを低減し、逆に小さいときゲインを増加する
フィードバック制御を行い、増幅された受信信号のレン
ジがADCのダイナミックレンジに常にほぼ等しくなる
ようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、受信信号をデジタ
ル化した後に信号処理を行う超音波診断装置に関し、特
に受信信号を増幅する増幅器のゲインの調整に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波診断装置において、振動子アレイ
の各振動子からの受信信号を整相加算して受信ビームの
形成を行う前に、各振動子からの受信信号をアナログ・
デジタル変換器(ADC)にてデジタル化することが、
従来より行われている。これにより、整相加算における
振動子ごとの遅延をアナログで行うとノイズが多くなる
という問題が解決される。
【0003】ここで、ADCは、ダイナミックレンジが
大きくなるにつれて、すなわちビット数が1ビット増え
るごとに、大幅に高価になる。そのため、超音波受信回
路に、このデジタル遅延方式による受波整相加算回路を
採用すると、一般にADCが超音波受信回路のダイナミ
ックレンジを制限する。つまり、装置の仕様上、必要と
される最低限のビット数のADCが用いられる。
【0004】さて、超音波診断装置には、エコー信号の
振幅値を用いた生体の断層画像を生成するBモード処理
や、位相情報を用いて血流情報を得るドプラ処理などの
複数の診断モードを切り換えることができるものがあ
る。ここで、血流からのエコー信号はBモード処理に用
いるものに比べて非常に弱い。そのため、今述べたモー
ド切り換え可能な超音波診断装置で、例えば10ビット
のADCで得られたBモード処理用のデジタル信号を用
いて、ドプラ処理を行うとそのダイナミックレンジが不
足することになる。この問題をADCのビット数を増や
さずに解決する構成として、各診断モードが対象とする
信号のダイナミックレンジをADCの信号入力レンジに
合わせるように、診断モードの種類に応じて、ADCの
前段に設けた増幅回路のゲイン(利得)を切り換える構
成が提案されている(特公平6−14934号公報)。
【0005】ちなみに、生体内から返ってくる超音波エ
コーの強度は、生体組織の音響インピーダンスの差の大
きさに依存するほか、超音波の反射の起こる深さ、すな
わち超音波の伝搬距離に応じた減衰量にも依存する。こ
の伝搬距離による減衰量の違いを補正するために、深さ
に応じて増幅回路のゲインを動的に制御するTGC(Ti
me Gain Compensation)処理が行われる。つまり、上記
ADCの前段の各振動子ごとの増幅回路のゲインは、上
記診断モードに応じた静的なゲイン制御で与えられるゲ
インと、TGC処理の動的なゲイン制御で与えられるゲ
インとの積で定まる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、TG
C処理のゲインは、超音波エコーが生じる深さに応じて
定まり、また診断モードに応じたゲインは、各診断モー
ドごとに一定である。つまり、これらのゲイン制御は、
受信信号レベルを直接に考慮するものでなく、あらかじ
め想定された受信信号のダイナミックレンジに対して、
ADCのダイナミックレンジを有効利用するような制御
を行う。しかし実際には、常にその条件が満たされると
は限らないので、ADCのダイナミックレンジを最大限
に有効利用し切れないという問題があった。具体的に
は、実際の受信信号レベルが想定されたレベルより低い
と、超音波受信回路のダイナミックレンジはADCのダ
イナミックレンジより低くなり、一方、想定されたレベ
ルより高いと、ADCがオーバーフローを起こし出力波
形が歪むことになるという問題があった。
【0007】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたもので、受信信号のレベルに応じてADC前段の増
幅回路のゲインを動的に制御して、ADCのダイナミッ
クレンジを最大限に有効利用できる受信回路を備えた超
音波診断装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る超音波
診断装置は、超音波を送受信する送受波手段と、前記送
受波手段からの受信信号を増幅し、増幅された受信信号
を出力する利得調整可能な増幅手段と、前記増幅手段か
らの受信信号をデジタル受信信号に変換するとともに、
前記増幅手段からオーバーレンジ判定値を超えた受信信
号が入力されるとオーバーレンジ信号を出力するデジタ
ル変換手段と、前記オーバーレンジ信号に応答して、前
記増幅手段の利得をフィードバック制御するダイナミッ
クレンジ制御手段とを有することを特徴とする。
【0009】本発明によれば、デジタル変換手段から出
力されるオーバーレンジ信号に応じて、ダイナミックレ
ンジ制御手段が、前記増幅手段の利得を増減する。オー
バーレンジ判定値は、デジタル変換手段が変換可能な最
大の入力信号レベルに基づいて定められ、その好適な態
様としては、その最大の入力信号レベルそのもの、また
はそれよりある値だけ低いレベルが設定される。
【0010】第2の発明に係る超音波診断装置において
は、前記ダイナミックレンジ制御手段は、前記オーバー
レンジ信号の出力頻度に応じて前記利得のフィードバッ
ク制御を行うことを特徴とする。
【0011】本発明によれば、増幅手段の利得は、ある
時間範囲または例えば超音波ビームによって走査される
ある空間領域におけるオーバーレンジ信号の発生回数に
応じて増減される。例えば、ある1つの値または上限と
下限とからなる2つの値を基準値として、基準値よりオ
ーバーレンジ信号の出力頻度が大きいとき、増幅手段の
利得をある量だけ下げ、逆にその出力頻度が小さいと
き、増幅手段の利得をある量だけ上げるといった制御が
ダイナミックレンジ制御手段によって行われる。これに
より、増幅手段により増幅された受信信号のダイナミッ
クレンジは、デジタル変換手段のダイナミックレンジと
ほぼ一定の関係に維持される。
【0012】第3の発明に係る超音波診断装置は第2の
発明において、前記ダイナミックレンジ制御手段が、前
記出力頻度を決定する頻度決定手段と、前記出力頻度が
所定の目標範囲に収まるように、前記出力頻度が目標範
囲の上限を上回ると前記利得を減少させる利得減少信号
を出力し、前記出力頻度が目標範囲の下限を下回ると前
記利得を増加させる利得増加信号を出力する比較判定手
段とを有することを特徴とする。
【0013】本発明によれば、ダイナミックレンジ制御
手段は、オーバーレンジ信号の出力頻度について与えら
れた目標範囲に基づいて増幅手段の利得のフィードバッ
ク制御を行う。これにより、増幅手段により増幅された
受信信号のダイナミックレンジは、常にある一定の範囲
に収まることとなる。受信信号のダイナミックレンジと
デジタル変換手段のダイナミックレンジとの関係は、オ
ーバーレンジ判定値と前記目標範囲とをパラメータとし
て、これらを調節することにより、デジタル変換手段の
ダイナミックレンジの有効利用が常に実現されるように
設定することができる。
【0014】第4の発明に係る超音波診断装置は第3の
発明において、前記送受波手段は、それぞれ前記受信信
号を出力する複数個並列に設けられた振動子を含み、前
記増幅手段は、前記各振動子ごとに設けられた複数の可
変利得増幅器を含み、前記デジタル変換手段は、前記各
可変利得増幅器ごとに設けられた複数のアナログ・デジ
タル変換器を含み、前記ダイナミックレンジ制御手段の
前記頻度決定手段は、前記複数のアナログ・デジタル変
換器のうちの一部又は全部からそれぞれ出力される前記
オーバーレンジ信号の回数の合計値に基づいて前記出力
頻度を定めることを特徴とする。
【0015】第4の発明の一つの好適な態様において
は、前記増幅手段は前記利得として前記各可変利得増幅
器に共通な利得値を設定することを特徴とする。また、
他の好適な態様においては、前記増幅手段は前記利得と
して前記各可変利得増幅器ごとに個別の利得値を設定す
ることを特徴とする。また、もう一つの好適な態様にお
いては、前記ダイナミックレンジ制御手段は、前記複数
のアナログ・デジタル変換器のうちの一部又は全部から
それぞれ出力される前記オーバーレンジ信号の論理和を
生成して前記頻度決定手段へ出力する論理和演算器を有
することを特徴とする。
【0016】第5の発明に係る超音波診断装置は上記発
明において、前記頻度決定手段が、前記超音波のビーム
方向に沿って設定されるゲート範囲内に発生する前記オ
ーバーレンジ信号の回数により前記出力頻度を決定する
ことを特徴とする。
【0017】本発明によれば、ゲート範囲に超音波ビー
ム方向の深さが対応し、観測の関心がある深さ範囲にお
いて、デジタル変換手段のダイナミックレンジが有効利
用されるように増幅手段の利得を調整することができ
る。例えば、ある程度深い領域のみ精度良く観察したい
場合、それより浅い領域を除外するようにゲート範囲を
設定すれば、送受波手段に近く受信信号強度が強いため
にオーバーレンジ信号を発生しやすい浅い領域の影響を
受けることなく、関心のある深さ領域からの受信信号に
デジタル変換手段のダイナミックレンジを合わせること
ができる。
【0018】第6の発明に係る超音波診断装置は上記発
明において、前記超音波の送受信は繰り返して行われ、
前記頻度決定手段は、前記各送受信によって発生する前
記オーバーレンジ信号の回数を、連続した複数回の前記
送受信にわたって加算した加算値を求める加算平均手段
を有し、この加算値により前記出力頻度を決定すること
を特徴とする。
【0019】本発明によれば、加算平均手段は、複数の
超音波ビーム間で、例えば、移動平均を行ってオーバー
レンジ信号の出力頻度を平滑化する。これにより、例え
ば、複数の超音波ビームによって断層像を形成するよう
な場合、画像内での利得の変動が抑制され、見やすい画
像が得られる。
【0020】上記発明の好適な態様においては、前記比
較判定手段における前記目標範囲の下限は0であること
を特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態で
ある超音波診断装置の概略のブロック図である。この超
音波診断装置は、受信ダイナミックフォーカスを行い、
得られた受信信号を処理して、生体組織のBモード断層
画像または血流のカラードプラ画像を表示するものであ
る。
【0022】プローブ内に配置された振動子アレイ2を
構成する各振動子4はそれぞれ、送信部6で発生される
送信信号8を受けて超音波パルスを生体内に放射する。
そして、超音波パルスは生体内組織の音響インピーダン
スの変化に応じた強度の反射を生じ、各振動子4がこの
反射波を検出し、振動子アレイ2からは各振動子4に対
応した複数チャネルの受信信号10が出力される。受信
信号10は増幅部12で増幅され、デジタル変換部14
においてデジタル受信信号16に変換される。増幅部1
2、デジタル変換部14はそれぞれ、複数のプリアンプ
18、デジタル変換回路20から構成される。
【0023】デジタル受信信号16は、整相加算回路3
0に入力される。整相加算回路30には、各チャネルご
とに設けられ遅延量を制御可能なデジタル遅延器32と
それらの出力を加算する加算器34とを内蔵している。
各デジタル遅延器32は走査制御部36からの制御信号
を受け、超音波ビームの方向、フォーカス位置に応じて
遅延量を調整する。ちなみに、デジタル遅延器32は、
例えば、シフトレジスタによって構成される。
【0024】加算された受信信号38は、I/Q生成回
路40に入力され、ドプラ処理に用いられる複素信号成
分であるI信号、Q信号が生成される。組織断層エコー
処理部42、カラードプラ処理部44はそれぞれ、この
複素信号を処理する。組織断層エコー処理部42は複素
信号から信号のパワーを演算し、Bモード画像やMモー
ド画像を形成する。カラードプラ処理部44は自己相関
処理を行って、ドプラ画像を形成する。こらら各処理部
42、44はそれぞれ形成した画像データをDSC(Di
gital Scan Converter)46に出力する。DSC46
は、これら画像データを合成し、表示器48はDSC4
6から所定のフレームレートにて画像データを読み出し
表示する。
【0025】本装置の特徴は、増幅部12に対するゲイ
ン制御にある。このゲイン制御は、デジタル変換部14
とゲイン制御部60とで構成されるフィードバックルー
プにより行われる。図2は、増幅部12、デジタル変換
部14及びゲイン制御部60で構成されるフィードバッ
クループの回路構成を示すブロック図である。この図に
おいて、各ブロックを動作させるクロックなど制御信号
は省略した。各デジタル変換回路20は、アナログ入力
を受けるコンパレータと、ADCとのセットである。コ
ンパレータには、ADCの入力レンジに応じた、つまり
ADCが変換可能な電圧の上限に応じた閾値が設定さ
れ、そして、入力される受信信号が、その閾値を超える
とパルスを発生する。これがオーバーレンジ信号70で
ある。各チャネルのデジタル変換回路20のコンパレー
タから出力されたオーバーレンジ信号70が、ゲイン制
御部60に入力される。
【0026】ゲイン制御部60に入力されたオーバーレ
ンジ信号70は、まずOR回路100において論理和を
とられ、1つの信号に束ねられる。以降、増幅部12の
ゲインを決定する回路は、Bモード断層画像等を生成す
る組織断層エコー処理時(以下、Bモードで代表させ
て、Bモード処理時と呼ぶ。)のゲインを決定する回路
と、カラードプラ処理時(以下、Dモード処理時と呼
ぶ。)のゲインを決定する回路との2系統に分かれる。
それらの回路構成は同様である。それぞれで決定される
ゲインは、モードの種類に応じて選択され使用される。
ここでは、まず、図2の中のBモード処理時のゲイン決
定回路のブロック構成を用いて、それらに共通の機能を
説明し、その後で各ゲイン決定回路の細部について述べ
る。
【0027】さて、増幅部12のゲインを最適化してA
DCのダイナミックレンジを有効利用したいと考える生
体内の深さ範囲を、目標深さ範囲と呼ぶこととする。走
査制御部36は、各超音波ビームごとに、目標深さ範囲
からの受信信号が得られる期間に同期してゲート信号1
02を発生する。ゲート回路104は、このゲート信号
102に応じて開き、OR回路100から入力されるオ
ーバーレンジ信号のうち1本の超音波ビームの目標深さ
範囲の受信信号により生じるもののみを通過させる。
【0028】カウンタ106は、ゲート回路104を通
過したオーバーレンジ信号を、各超音波ビームごとにカ
ウントアップする。つまり、カウンタ106からは、各
超音波ビーム上の目標深さ範囲で発生するオーバーレン
ジ信号の数が順次出力される。減算器108は、カウン
タ106の現在の超音波ビームについてのカウント値A
iと、デジタル遅延器110で遅延された所定本数(m
本とする。)前の超音波ビームについてのカウント値A
i-mとを入力され、それらの差Ai−Ai-mを出力する。
なお、デジタル遅延器110は、FIFO動作されるメ
モリである。
【0029】積算器112は、減算器108から順次出
力される差データを超音波ビームの送受信周期で累積加
算する。容易に分かるように、積算器112から出力さ
れる値は、最近のm本分のカウント値Aiの和、すなわ
ちAi+Ai-1+…+Ai-m+1である。このように、デジ
タル遅延器110、減算器108及び積算器112は、
m本の超音波ビームにわたる移動平均処理を行う加算平
均手段である。この移動平均は、m本のビームの目標深
さ範囲内で、どのくらいの割合で受信信号がADCの入
力レンジをオーバーフローしたかという出力頻度を表
す。よって、ゲイン制御部60の積算器112までが出
力頻度を決定する頻度決定手段として機能する。
【0030】出力頻度である移動平均値は、比較判定手
段である比較器114に入力される。比較器114に
は、出力頻度の目標範囲が設定される。例えば、その目
標範囲の上限は、ある有限の正値に、また下限は0に設
定される。比較器114は、出力頻度が、上限値を超え
ると、次のカウンタ116のカウントを減少させるカウ
ントダウン信号DNを出力し、一方、出力頻度が0であ
れば、カウントを増加させるカウントアップ信号UPを
出力する。なお、この比較器の動作は、超音波ビームの
送受信周期に同期して行われる。
【0031】このカウンタ116のカウントが、デジタ
ル・アナログ変換器118により、例えば、超音波ビー
ムの周期やフレームの周期でアナログ信号に変換され、
これがゲイン信号120として増幅部12にフィードバ
ックされる。以上が、Bモード処理時、Dモード処理時
それぞれのゲイン決定回路に共通の機能である。上述し
たように、ゲイン制御部60は、オーバーレンジ信号の
出力頻度がその目標範囲に収束するように、増幅部12
内の各プリアンプ18のゲインをフィードバック制御す
るダイナミックレンジ制御手段である。すなわち、ゲイ
ン制御部60によって、受信信号のダイナミックレンジ
がデジタル変換回路20内のADCのダイナミックレン
ジに合う、つまり受信信号の最大値がADCの入力レン
ジの上限に近づくように制御され、ADCのダイナミッ
クレンジを最大限に有効活用することが図られる。
【0032】次にBモード処理時、Dモード処理時に用
いるゲイン決定回路についてそれぞれ説明を加える。B
モード処理時には受信信号の振幅値に基づいて画像が形
成されることになる。そのため、ビームスキャンにより
形成される画像1フレーム内のビーム相互間でゲインが
変動すると見づらい画像となる。そこで、Bモード処理
時には、移動平均処理が行われるビーム本数mをある程
度以上大きくとる必要がある。例えば、Bモード処理時
のゲイン決定回路1フレーム以上のビームを用いフレー
ム単位でオーバーレンジ信号の出力頻度を決定し、フレ
ーム単位で、増幅部12に対するゲインを変更するよう
な制御を行う。また、ビーム間でゲインが変動すること
による上記画像の見づらさを解決する他の方法として、
組織断層エコー処理部42における画像形成時に、アナ
ログ・デジタル変換前のゲイン調整に応じた逆変換を行
って輝度値を補正することが考えられる。
【0033】なお、Bモード処理時のゲイン決定回路の
ゲート回路102は、上述したように観察の関心がない
領域を除去し、関心のある領域でダイナミックレンジを
最適に調整する目的のものであるから、全領域を観察し
たい場合には無くても構わない。
【0034】Dモード処理時には、受信信号の周波数解
析が行われ、受信信号の位相偏移量に基づいて画像が形
成される。例えば、周波数のドプラ偏移に基づいて血流
の流速の大きさを色に対応させて画像表示することが行
われる。ここで、処理の対象となる血流からの受信信号
は、他の生体組織、例えば心臓壁からの信号に比べて極
めて小さい。この血流からの小さい信号にADCのダイ
ナミックレンジを合わせるためには、他の組織からの大
きな信号が過入力になるので、例えば、ゲート回路10
4Dに対するゲート信号は、単なる目標深さ範囲という
条件だけでなく、他の組織の存在範囲を除くという条件
を満たすように生成される。このような処理は、例え
ば、Bモード処理により得られる生体組織の断層画像情
報を利用して、強い反射を生じる領域をマスクすること
により可能である。また、静止したエコー源からの信号
を除去するクラッタ除去回路、例えば、MTI(moving
target indication)回路などを用いて、その入力と出
力とで差を生じた、つまり除去された部分に対し、マス
クを行うようにゲート回路104Dに対するゲート信号
を生成してもよい。このようにゲート回路104DやB
モード処理時のゲート回路104などを用いて、観察の
関心がある領域を指定すれば、ゲイン制御部60は、フ
ィードバック制御により、その領域内の受信信号をAD
Cのダイナミックレンジに合わせるように自動的にゲイ
ン調整を行い、精度の良いアナログ・デジタル変換が実
現される。なお、Dモード処理による画像には、受信信
号の振幅値は表されないので、移動平均はフレーム単位
で行わなくても問題はなく、また、デジタル遅延器11
0D、減算器108及び積算器112Dからなる加算平
均手段を備えない構成も可能である。
【0035】上記説明では、比較器114の下限値を0
とした。この下限値は、デジタル変換回路20内のコン
パレータに設定されるオーバーレンジ判定値が、ADC
が変換可能な電圧の上限そのもの、またはそれに近いと
きに特に好適である。オーバーレンジ判定値を低めに設
定し、比較器114の下限値を上限値より小さな正値と
して好適なゲイン制御を行うことも可能である。
【0036】また、OR回路100が、全チャネルのオ
ーバーレンジ信号の論理和ではなく、一部のみの論理和
をとる構成も可能である。このとき、その一部のチャネ
ルは、ビーム方向に応じて選択されるようにしてもよ
い。さらに、OR回路100を設けずに、チャネルに個
別にゲイン制御部が設けられてもよい。
【0037】上述のゲイン制御部60は、Bモード処理
時とDモード処理時とでは、別々のゲイン信号とされて
いたが、各プリアンプ18に対しては同一の値が設定さ
れていた。これに対し、ゲイン制御部60において、例
えばカウンタ116のカウント値にチャネルごとのファ
クターを乗算して、各プリアンプ18に個別のゲイン信
号を付与することも可能である。例えば、深さ及びチャ
ネル間で異なる減衰量の差を補正するTGC処理のう
ち、チャネル間の補正を上記ファクターに取り込んで実
現することができる。
【0038】
【発明の効果】本発明の超音波診断装置によれば、AD
C前段に設けられるプリアンプなど増幅回路のゲイン
を、受信信号のレベルに応じて動的に制御し、ADCの
入力レンジに適合するように受信信号が増幅される。こ
れにより、ADCのダイナミックレンジが最大限に利用
されて、受信信号のアナログ・デジタル変換が良好な精
度で行われ、装置のダイナミックレンジが向上するとい
う効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態である超音波診断装置の概
略のブロック図である。
【図2】 ゲイン制御のためのフィードバックループの
回路構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
2 振動子アレイ、4 振動子、10 受信信号、12
増幅部、14 デジタル変換部、16 デジタル受信
信号、18 プリアンプ、20 デジタル変換回路、3
0 整相加算回路、32 デジタル遅延器、34 加算
器、42 組織断層エコー処理部、44 カラードプラ
処理部、46 DSC、48 表示器、60 ゲイン制
御部、70 オーバーレンジ信号、100 OR回路、
104ゲート回路、106,116 カウンタ、108
減算器、110 デジタル遅延器、112 積算器、
114 比較器、118 デジタル・アナログ変換器。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波を送受信する送受波手段と、 前記送受波手段からの受信信号を増幅し、増幅された受
    信信号を出力する利得調整可能な増幅手段と、 前記増幅手段からの受信信号をデジタル受信信号に変換
    するとともに、前記増幅手段からオーバーレンジ判定値
    を超えた受信信号が入力されるとオーバーレンジ信号を
    出力するデジタル変換手段と、 前記オーバーレンジ信号に応答して、前記増幅手段の利
    得をフィードバック制御するダイナミックレンジ制御手
    段と、を有することを特徴とする超音波診断装置。
  2. 【請求項2】 前記ダイナミックレンジ制御手段は、前
    記オーバーレンジ信号の出力頻度に応じて前記利得のフ
    ィードバック制御を行うことを特徴とする請求項1記載
    の超音波診断装置。
  3. 【請求項3】 前記ダイナミックレンジ制御手段は、 前記出力頻度を決定する頻度決定手段と、 前記出力頻度が所定の目標範囲に収まるように、前記出
    力頻度が目標範囲の上限を上回ると前記利得を減少させ
    る利得減少信号を出力し、前記出力頻度が目標範囲の下
    限を下回ると前記利得を増加させる利得増加信号を出力
    する比較判定手段と、 を有することを特徴とする請求項2記載の超音波診断装
    置。
  4. 【請求項4】 前記送受波手段は、それぞれ前記受信信
    号を出力する複数個並列に設けられた振動子を含み、 前記増幅手段は、前記各振動子ごとに設けられた複数の
    可変利得増幅器を含み、 前記デジタル変換手段は、前記各可変利得増幅器ごとに
    設けられた複数のアナログ・デジタル変換器を含み、 前記ダイナミックレンジ制御手段の前記頻度決定手段
    は、前記複数のアナログ・デジタル変換器のうちの一部
    又は全部からそれぞれ出力される前記オーバーレンジ信
    号の回数の合計値に基づいて前記出力頻度を定めるこ
    と、 を特徴とする請求項3記載の超音波診断装置。
  5. 【請求項5】 前記増幅手段は、前記利得として前記各
    可変利得増幅器に共通な利得値を設定することを特徴と
    する請求項4記載の超音波診断装置。
  6. 【請求項6】 前記増幅手段は、前記利得として前記各
    可変利得増幅器ごとに個別の利得値を設定することを特
    徴とする請求項4記載の超音波診断装置。
  7. 【請求項7】 前記ダイナミックレンジ制御手段は、前
    記複数のアナログ・デジタル変換器のうちの一部又は全
    部からそれぞれ出力される前記オーバーレンジ信号の論
    理和を生成して前記頻度決定手段へ出力する論理和演算
    器を有することを特徴とする請求項4記載の超音波診断
    装置。
  8. 【請求項8】 前記頻度決定手段は、前記超音波のビー
    ム方向に沿って設定されるゲート範囲内に発生する前記
    オーバーレンジ信号の回数により前記出力頻度を決定す
    ることを特徴とする請求項3から請求項7のいずれかに
    記載の超音波診断装置。
  9. 【請求項9】 前記超音波の送受信は繰り返して行わ
    れ、 前記頻度決定手段は、前記各送受信によって発生する前
    記オーバーレンジ信号の回数を、連続した複数回の前記
    送受信にわたって加算した加算値を求める加算平均手段
    を有し、この加算値により前記出力頻度を決定するこ
    と、 を特徴とする請求項3から請求項8のいずれかに記載の
    超音波診断装置。
  10. 【請求項10】 前記比較判定手段における前記目標範
    囲の下限は0であることを特徴とする請求項3から請求
    項9のいずれかに記載の超音波診断装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007082806A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Toshiba Corp 超音波診断装置
JP2009095442A (ja) * 2007-10-16 2009-05-07 Aloka Co Ltd 超音波診断装置のゲイン調整方法および装置
JP2012235912A (ja) * 2011-05-12 2012-12-06 Fujifilm Corp 超音波診断装置および超音波画像生成方法
US10410437B2 (en) 2015-10-26 2019-09-10 Continental Automotive France Method for automatically adapting the conditions for establishing a diagnostic by an on-board diagnostic system

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