JPH1084867A - 食品素材およびその製造方法 - Google Patents

食品素材およびその製造方法

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JPH1084867A
JPH1084867A JP8243017A JP24301796A JPH1084867A JP H1084867 A JPH1084867 A JP H1084867A JP 8243017 A JP8243017 A JP 8243017A JP 24301796 A JP24301796 A JP 24301796A JP H1084867 A JPH1084867 A JP H1084867A
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milk
condensed milk
caramel flavor
lactose
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JP8243017A
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Mikie Takaina
未来絵 高稲
Minoru Morita
稔 守田
Hirotaro Shimizu
博太郎 清水
Yukio Uchida
幸生 内田
Masaharu Aiuchi
雅治 相内
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Snow Brand Milk Products Co Ltd
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Snow Brand Milk Products Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 芳醇なキャラメル風味を有し、しかも流動性
があって、加工食品の原料として用いることができる食
品素材とその製造方法を提供する。 【解決手段】 乳糖含量を、含有する水分100 重量部に
対して18重量部以下に低減した加糖練乳様乳製品を加熱
により褐変化させてキャラメル風味を付与した食品素
材。この食品素材は、固形分率が40〜80%で粘度が500
P 以下である。乳糖含量を、含有する水分100 重量部に
対して18重量部以下に低減した加糖練乳様乳製品を調製
し、この加糖練乳様乳製品を100 ℃以上で30分間以上加
熱して褐変化させてキャラメル風味を付与することから
なる食品素材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乳糖含量が低減された
加糖練乳様乳製品を加熱して褐変化させ、キャラメル風
味を付与した食品素材およびその製造方法に関する。本
発明の食品素材は、芳醇なキャラメル風味を有し、しか
も低粘度であるため製菓・製パン用の原料として、ある
いはアイスクリームやプリン等のデザート類の原料とし
て利用することができ、他の原料との混合性が良好なも
のである。
【0002】
【従来の技術】加糖練乳は、牛乳本来の好ましい風味を
有している上、濃厚感があり、また高度に濃縮されてい
るため使用しやすいといった理由からアイスクリームや
製菓・製パン用として、あるいはプリン等のデザート類
の原料として用いられている。また加糖練乳は、加熱す
ると乳糖と乳蛋白質の反応(以下、メイラード反応とい
う)により芳醇なキヤラメル風味を生成することも知ら
れ、焼成する加工食品の原料としても用いられている。
しかし、加工食品の中には、加糖練乳を原料として用い
ても他の原料との関係でキヤラメル風味を生成させるの
に必要な温度条件まで加熱することができなかったり、
またキヤラメル風味を生成させても弱く満足できないも
のがある。このため、加糖練乳を予め加熱してキャラメ
ル風味を生成させ、それを加工食品の原料として用いる
ことも試みられている。
【0003】しかし、加糖練乳を単に加熱してキャラメ
ル風味を付与すると、製造工程中あるいは保存中、特に
長期に保存した場合に、加糖練乳中の乳糖が結晶化して
粒状化物を生成し、食感を悪くしたり、また不均一な組
織になって沈澱が生じるといった問題もある。このた
め、本出願人は、先に『新規な食品素材およびその製造
方法』として、練乳等に乳糖分解酵素を加えて乳糖を分
解した後、大気圧以上の圧力下で加熱して褐変化させ、
キャラメル風味を付与することを提案した(特願平7-92
028 号)。この方法によって得られたキャラメル風味を
有する食品素材は、均一なキャラメル色を有し、組織が
滑らかで乳糖の粗大結晶もなく、またガラクトオリゴ糖
を多く含有し、保存性も良い等の特徴を有し、スプレッ
ドとして、あるいは製菓・製パンのフィリング材、トッ
ピング材、練り込み材等の原料として好適に用いること
ができるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したように特願平
7-92028 号に記載した食品素材は、練乳等に含有する乳
糖を乳糖分解酵素によって分解し、大気圧以上の圧力下
で加熱して意図的に増粘させているものである。しか
し、高粘度であるため容器からの取り出しが困難であっ
たり、加工食品の原料として用いた場合には、他の原料
と容易に混合できないといった問題がある。また褐変化
された練乳の色調も濃いために、使用態様に制限がある
といった問題もある。このため、本発明者らは、低粘度
で淡色のキャラメル風味を有する食品素材について検討
した。その結果、乳糖含量を低減した加糖練乳様乳製品
を加熱することにより低粘度で淡色のキャラメル風味を
有する食品素材を得ることができるとの知見に基づき本
発明を完成させた。すなわち、本発明は、キャラメル風
味を有し、低粘度で淡色の食品素材とその製造方法を提
供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、次のような食品素材を提供するもので
ある。すなわち、本発明は、乳糖含量を含有する水分10
0 重量部に対して18重量部以下に低減した加糖練乳様乳
製品を加熱により褐変化させてキャラメル風味を付与し
た食品素材である。また、本発明は、上記の食品素材に
おいて、固形分率が40〜80%で粘度が500p 以下からな
り、さらに色調は、色彩色差計で測定したL値が55以上
からなるものである。そして、本発明は、上記のキャラ
メル風味を付与した食品素材を調製するに当たり、次の
製造方法も提供するものである。すなわち、含有する水
分100 重量部に対して乳糖含量を18重量部以下に低減し
た加糖練乳様乳製品を調製し、この加糖練乳様乳製品を
100 ℃以上で30分間以上加熱して褐変化させ、キャラメ
ル風味を付与することからなる食品素材の製造方法であ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、加熱によるメイラード反応によりキャ
ラメル風味を付与した加糖練乳様乳製品は、次の方法に
よって調製される。先ず、全乳や脱脂乳、あるいはこれ
らを一旦粉乳にしたものを水性媒体に溶解した還元乳を
原料乳として、例えば、分画分子量10万Da以下、好ま
しくは5,000 〜50,000Daの限外ろ過膜(以下UF膜とい
う)、またはポアサイズ0.05μm 以下の精密ろ過膜(以
下MF膜という)を用いて、原料乳の温度を5 〜60℃、運
転圧力0.5 〜10kg/cm2 でろ過膜処理して水分と乳糖、
およびミネラル類の低分子成分の一部分を透過させて濃
縮乳を調製する。このろ過膜処理による濃縮乳の調製に
あたり、濃縮液側の乳糖含有量を、含有する水分に対し
て18重量部以下に調整し、また固形分率も40%以上にす
る。濃縮乳の乳糖含量と固形分率は、ろ過膜処理の際、
濃縮側液をダイアフィルトレーションすることにより、
容易に目的とする濃度に調整することができる。
【0007】また、本発明において、濃縮乳としては、
上記のように膜処理によって調製した濃縮液の他に、市
販されている粉末状の乳蛋白質濃縮物(MPC)を、水や上
記のように膜処理した濃縮乳のような水性媒体に溶解し
たものであっても用いることができる。この市販されて
いる粉末状の乳蛋白質濃縮物は、上記のUF膜やMF膜を用
いて調製した濃縮乳とほぼ同じ方法によって調製された
濃縮乳を乾燥して粉末化したもので、乳糖含量も低減さ
れているものである。粉末状の乳蛋白質濃縮物の水性媒
体への溶解は、モノ、ジ、トリ、ポリのリン酸ナトリウ
ム、モノリン酸カリウム、クエン酸ナトリウム等の溶融
塩を用いて溶解するのがよい。
【0008】本発明では、上記のようにして得られた乳
糖含量が低減された濃縮乳を60〜80℃程度に予熱した
後、糖類(例えば蔗糖やぶどう糖あるいは果糖等)、好
ましくは精製した蔗糖を添加する。また必要に応じて無
塩バターやバターオイル等の乳脂肪を添加してもよい。
糖類の添加量は嗜好性や種類によって異なるが、蔗糖の
場合には、濃縮乳の水分に対して2倍量以下になるよう
に添加することが好ましい。添加量が2倍量を超える
と、低温で保存したとき、比較的大きな蔗糖の結晶が生
成しやすくなるためである。また乳脂肪の場合には、加
糖全脂練乳と同じ8 〜9 %程度の乳脂肪率になるように
添加するのがよい。そして固形分率は、40〜80%の範囲
内に調整する。固形分率が40%未満の場合には、後述す
るように加糖練乳様乳製品を加熱により褐変化させて
も、得られた食品素材に濃厚感がなく、またキャラメル
風味も弱くなる。一方、80%を超えると、濃厚感はでる
が、粘度が増し流動性が低下する。このため、本発明で
は、この加糖練乳様乳製品の固形分率を上記の範囲に調
整する。また、食品素材としての最終の固形分率もこの
加糖練乳様乳製品の固形分率によって決まる。
【0009】このように濃縮乳に糖類を添加した後は、
加糖練乳を調製する場合と同様に、常法に従って殺菌
(荒煮)して加糖練乳様乳製品とする。その殺菌(荒
煮)方法としては、例えば、75〜83℃で5 〜10分間保持
するか、110 〜120 ℃で2 〜5 秒間の瞬間殺菌方法を採
用することができる。また得られた加糖練乳様乳製品
が、ろ過膜処理において、濃縮率が低かったり、ダイア
フィルトレーションによって加水され、目標とする固形
分率40%以上に満たない場合には、上記の殺菌(荒煮)
処理後、さらにエバポレーター等の濃縮機により所定濃
度まで減圧濃縮してもよい。そして、このようにして得
られた加糖練乳様乳製品をサリター式冷却器、チューブ
ラー式冷却器、もしくは円筒撹拌式冷却器等で冷却して
加糖練乳様乳製品とする。
【0010】次に、本発明においては、上記のように調
製した、加糖練乳様乳製品を褐変化させることによりキ
ャラメル風味が付与された食品素材とするが、褐変化方
法は、大気圧以上に加圧しながら100 ℃以上で30分間以
上加熱する方法を採用するのがよい。具体的な加熱方法
を例示すると、例えば、加圧減圧撹拌釜(品川工業所
製)等の耐圧性密閉釜に、加糖練乳様乳製品を入れ、密
閉後2 〜3 kg/cm2 の加圧下で撹拌しながら100 〜200
℃の加熱温度で30分間〜1 時間の範囲で加熱して、目的
とする程度にキャラメル風味を付与して食品素材とす
る。上記のように加糖練乳様乳製品を大気圧以上で、か
つ密閉下で加熱した場合には、加熱時間が短縮でき、ま
た水分の蒸発や飛散等がないために組成を変化せずに褐
変化させることができるので、好ましい実施態様の一つ
である。
【0011】上記のようにして調製された本発明の食品
素材は、乳糖含量が含有する水分100 重量部に対して18
重量部以下に調整されているために、芳醇なキャラメル
風味を有していながら、粘度が500 p 以下で、その色調
も淡い茶褐色を呈し、色彩色差計で測定したL値( 明る
さの指標となる数値で、値が大きければ大きい程白色が
強く、値が小さければ小さい程黒色が強いことを表
す。) が55以上の食品素材にすることができる。本発明
において、加糖練乳様乳製品の乳糖含量を含有する水分
100 重量部に対して18重量部以下に低減したのは、食品
素材の製造工程中や保存中において、乳糖の結晶化によ
り沈澱物を生成するのを防止するためであり、またキャ
ラメル風味を付与する際に過度の着色を防止して淡色と
し、低粘度にするためである。本発明の食品素材は、キ
ャラメル風味を有していながら、粘度が低く、淡色であ
るため、加工食品の原料として用いた場合には他の原料
との混合が容易である上、例えば白色を基調とするよう
な食品の色彩を損なうことなくキャラメル風味を付与す
ることができる。
【0012】以下に本発明の実施例を示して具体的に説
明すると共に試験例を示し、本発明の効果を明瞭にす
る。
【実施例1】 (加糖練乳様乳製品の調製)脂肪分率が3.7 %の生乳40
kgを、分画分子量が8000Daで、有効膜面積が0.5 のUF膜
( コーク社 (米) 製;HFK131) に供給して、温度50℃、
運転圧力5 kg/cm2で、濃縮倍率約4.8 倍に濃縮して8.3
kgの濃縮乳を得た。この濃縮乳から5 kgを分取して73
℃に加温し、蔗糖6.3 kgを徐々に加えて溶解した。そし
て、75℃で10分間保持して殺菌(荒煮)し、加糖練乳様
乳製品11.3kgを得た。この加糖練乳様乳製品の乳糖含量
は、水分100 重量部に対し、約5.9 重量部であった。 (食品素材の調製)上記で調製した加糖練乳様乳製品を
耐圧性密閉釜(加圧減圧撹拌釜;品川工業所製)で2 kg
/cm2 に加圧して130 ℃の温度で30分間撹拌しながら加
熱してキャラメル風味が付与された食品素材を得た。
【0013】
【実施例2】脱脂乳38.5kgを、分画分子量が8000Daで、
有効膜面積が0.5 のUF膜( コーク社(米) 製;HFK131)
に供給して、温度50℃、運転圧力5 kg/cm2 の条件で加
熱しながらダイアフィルトレーションを行い、乳糖の77
%を除去した。このようにして乳糖を低減させたダイア
フィルトレーション液を73℃に加温して無塩バター1.5
kgを溶解した後、5 kgを分取し、蔗糖1.11kgを徐々に加
えて溶解した。そして、75℃で10分間保持して殺菌(荒
煮)し、更にエバポレーターで2.9 倍になるまで減圧濃
縮して加糖練乳様乳製品2.1 kgを得た。この加糖練乳様
乳製品の乳糖含量は、水分100 重量部に対し、約8.6 重
量部であった。そして上記で調製した加糖練乳様乳製品
を実施例1の食品素材の調製方法と同じ方法で加熱して
キャラメル風味が付与された食品素材を得た。
【0014】
【実施例3】乳糖含有量が5.5 %のMPC(乳蛋白質濃
縮物)0.98kgをクエン酸ナトリウム0.05kgと共に温水に
固形分率43.2%に溶解した後、73℃に加温し、蔗糖 5.
5 kgと無塩バター1.0 kgを徐々に加えて溶解した。そし
て、75℃で10分間保持して殺菌(荒煮)し、均質化と脱
気処理した後食塩0.4 kgを加えて加糖練乳様乳製品10kg
を得た。この加糖練乳様乳製品の乳糖含量は、水分100
重量部に対し、約1.9重量部であった。そして上記で調
製した加糖練乳様乳製品を実施例1の食品素材の調製方
法と同じ方法で加熱してキャラメル風味が付与された食
品素材を得た。
【0015】
【比較例】市販の加糖全脂練乳(乳糖含量が水分100 重
量部に対し、42.6重量部で固形分率 73.5 %)を実施例
1の食品素材の調製方法と同じ方法で加熱してキャラメ
ル風味が付与された食品素材を得た。
【0016】上記実施例1〜3および比較例で得られた
食品素材について、それぞれ粘度、色調、および製造直
後と6 ケ月間保存後の乳糖の結晶の生成について評価し
た。その結果を表1に示す。尚、粘度は、B 型粘度計(
東京計器社製;BL 型) を用い、色調は、色彩色差計(ミ
ノルタ社製;CR-100) を用いてL値と共にa 値 (値が大
きければより赤色が強いことを示し、値が小さければ緑
色の強いことを示す。)、b 値 (値が大きければより青
色が強いことを示し、値が小さければ黄色の強いことを
示す。) も測定した。また製造直後と6ケ月間保存後の
乳糖の結晶の生成については、食品素材を口に含み、粒
状化物が生成していないかどうかを舌触りにより評価
し、+++;ざらつきが大きく製品にならない、++;
ざらつきあり、+;若干ざらつきあり、−;全くざらつ
きなし、で表わした。
【0017】
【表1】
【0018】表1から明らかなごとく、実施例1〜実施
例3で得られた食品素材は、乳糖含量が市販の加糖全脂
練乳を用いた比較例の約1/5 〜1/22に低減され、褐変化
の程度を表す色調のL 値も55以上で淡色に褐変化されて
いた。また粘度についても比較例に比べてかなり低減さ
れ、流動性の高い食品素材であることが判る。さらに、
製造直後と6 ケ月保存後の乳糖の結晶生成についてみる
と、実施例1〜実施例3で得られた食品素材は、いずれ
も乳糖の結晶化による粒状化物を全く生成していなかっ
たが、比較例では製造直後から粒状化物が多く、6 ケ月
保存後ではさらに粒状化物が増加している上、粗大化し
て食感が極端に悪くなり、製品として許容できないもの
であった。
【0019】
【試験例】実施例1および比較例で得られた食品素材を
用いて、ブラマンジェを調製した。この調製過程におい
て、それぞれの食品素材と他の原料との混合性を評価す
ると共にブラマンジェの色差の測定およびキャラメル風
味の評価をした。 (ブラマンジェの調製) (1) 牛乳180 g にコーンスターチ13g を加えて沸騰させ
た。これにあらかじめ水325 g でふやかしたゼラチン11
g を加え、さらに実施例1で得られた食品素材を100 g
加えて撹拌した後、冷却して生クリーム150 g とホワイ
トキュラソー45gを添加して撹拌した。これを型に流し
込み、冷却してブラマンジェを調製し、試験試料品とし
た。 (2) 実施例1で得られた食品素材に代えて、比較例の食
品素材を用い、上記の方法と同様にブラマンジェを調製
し、対照品とした。 (3) 上記の(1) の試験試料品、および(2) の対照品につ
いて、調製過程で混合性を評価し、また得られたブラマ
ンジェについて色差を測定すると共に風味について官能
評価した。その結果を表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】表2から明らかなごとく、キャラメル風味
については、試験試料品も対照品もほとんど差が認めら
れなかった。しかし、色彩を表すL 値については、試験
試料品のブラマンジェの方が対照品のブラマンジェより
かなり大きい。これは実施例1の食品素材の色彩が淡色
であるため、ブラマンジェの色を大きく変化させず、よ
り白色に近いものであることを表している。すなわち、
実施例1の食品素材は、白色を基調とするような加工食
品の原料として用いた場合に、本来の色調を損ねること
なく芳醇なキャラメル風味を有効に付与できることが判
った。また原料の混合段階では、実施例1の食品素材の
粘度が低く流動性があるため、他の原料との混合が短時
間に均一化でき、混合性が高いことも判った。これは、
加工食品の品質の向上と同時に生産性の向上も図れるも
のである。
【0022】
【発明の効果】従来のキャラメル風味を付与した食品素
材は、加糖練乳を単に加熱して褐変化させることにより
キャラメル風味を付与するか、あるいは加糖練乳の乳糖
を分解酵素で分解した後加熱してキャラメル風味を付与
したものである。このため、粘度が高く、また色彩もか
なり焦げ色が強くなって加工食品の原料として用いた場
合、得られた加工食品の色調を損ねるといった問題があ
る。これに対して、本発明の食品素材は、乳糖含量を低
減した加糖練乳様乳製品を加熱により褐変化させてキャ
ラメル風味を付与して得られたものである。本発明の食
品素材は、乳糖の結晶化による粒状化物を生成すること
がなく、粘度も低く流動性が高い。また色彩も淡色で、
加工食品の原料として用いた場合、他の原料との混合性
が良好な上、本来の色調を損ねることなく有効にキャラ
メル風味を付与することができる。このことによってキ
ャラメル風味を付与した加工食品の品質の向上と生産性
の向上を図ることができ、実用上効果が大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相内 雅治 埼玉県川越市吉田新町1−2−2 初雁13 −501

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳糖含量を、含有する水分100重量部
    に対して18重量部以下に低減した加糖練乳様乳製品を
    加熱により褐変化させてキャラメル風味を付与したこと
    を特徴とする食品素材。
  2. 【請求項2】 固形分率が40〜80%である請求項1
    記載の食品素材。
  3. 【請求項3】 粘度が500p 以下である請求項1又は
    2記載の食品素材。
  4. 【請求項4】 色彩色差計で測定したL値が55以上で
    ある請求項1乃至3のいずれか記載の食品素材。
  5. 【請求項5】 乳糖含量を、含有する水分100重量部
    に対して18重量部以下に低減した加糖練乳様乳製品を
    調製し、この加糖練乳様乳製品を100℃以上で30分
    間以上加熱して褐変化させ、キャラメル風味を付与する
    ことを特徴とする食品素材の製造方法。
JP8243017A 1996-09-13 1996-09-13 食品素材およびその製造方法 Pending JPH1084867A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102447433A (zh) * 2010-10-08 2012-05-09 东元电机股份有限公司 转速估算方法及应用其的电脑可读取媒体

Cited By (2)

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CN102447433A (zh) * 2010-10-08 2012-05-09 东元电机股份有限公司 转速估算方法及应用其的电脑可读取媒体
CN103546076A (zh) * 2010-10-08 2014-01-29 东元电机股份有限公司 转速估算方法及应用其的电脑可读取媒体

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