JPH1084056A - セラミック基板の製造方法 - Google Patents

セラミック基板の製造方法

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JPH1084056A
JPH1084056A JP8257409A JP25740996A JPH1084056A JP H1084056 A JPH1084056 A JP H1084056A JP 8257409 A JP8257409 A JP 8257409A JP 25740996 A JP25740996 A JP 25740996A JP H1084056 A JPH1084056 A JP H1084056A
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green sheet
ceramic substrate
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ceramic
laminate
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JP8257409A
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Satoru Nakano
悟 中野
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Sumitomo Metal SMI Electronics Device Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来より、セラミック基板を製造する際、収
縮による寸法のばらつきを抑えるため、基板用グリーン
シートの両面に収縮抑制用の層を積層し、又は壁面を対
向させ、厚み方向に加圧しながら焼成する方法が採用さ
れていた。しかし、壁面を対向させる方法では気体を流
入させるための特殊な部品を必要とし、また焼成時に熱
効率が低く、一方収縮抑制用の層(グリーンシート)を
積層する方法では、余り高圧でないため圧力の不均一性
に起因して焼結体の場所により収縮量が異なり、焼結体
の寸法精度が低下し易かった。 【解決手段】 セラミック粉末を含有する基板用グリー
ンシート11の両面に、難焼結性セラミック粉末を含有
する拘束層用グリーンシート12を積層し、かかるグリ
ーンシート積層体10の厚み方向に高圧力をかけながら
焼成することにより、焼成前の基板用グリーンシート1
1よりも面方向に伸長した焼結体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセラミック基板の製
造方法に関し、より詳細には半導体素子等を搭載するた
めのICパッケージ等に用いられるセラミック基板の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子を保護すると同時に、マザー
ボード上に形成された配線との接続を図るために、前記
半導体素子は種々のパッケージに実装される。これらパ
ッケージの中でも、セラミックパッケージ(セラミック
基板)は熱伝導性、耐湿性、耐熱性等に優れるために信
頼性が高く、多くの分野で使用されている。
【0003】近年、半導体素子の高集積化に伴い、電子
機器の高性能化や小型化が急速に進展しており、前記半
導体素子をパッケージに実装する方法も、従来のワイヤ
ボンディングによる実装方法から、マルチチップ化や高
密度実装に適したフリップチップボンディングによる実
装方法等に変わってきている。また、電子機器の制御速
度及び信号処理速度の高速化に伴い、スイッチングの際
のノイズが問題となってきており、このスイッチングノ
イズを吸収するためにコンデンサが配設されたセラミッ
ク基板が使用されている。
【0004】上記用途に使用される基板として、低温で
焼成可能なガラスを用いたガラスセラミック基板が注目
されている。このガラスセラミック基板は800〜10
00℃程度の低温で焼成することができるため、Ag、
Cu等の低抵抗配線材料と同時焼成を行うことができ、
低誘電率であるため誘電損失が小さく、熱膨張率がSi
に近いために半導体素子をフリップチップボンディング
により接続した場合でも問題が生じず、フリップチップ
基板等の用途に好適である。このガラスセラミック基板
は、従来、以下に示す方法により製造されていた。まず
ホウ珪酸ガラス等のガラス粉末とアルミナ等の骨材粉末
とを混合した後、さらに樹脂、溶剤、可塑剤等を添加し
て混合することによりスラリを調製し、このスラリを用
いてドクターブレード法等によりグリーンシートを作製
する。
【0005】次に、これらグリーンシートを所定のサイ
ズに切断した後、それぞれの積層部分の形状等に応じて
グリーンシートにパンチング等の加工処理を施し、Ag
やCu等を主成分とする導体ペーストをビアホールに充
填し、表面には所定パターンの導体ペースト層を形成す
る。次に、上記処理が施されたグリーンシートを複数枚
積層し、圧着、一体化した後脱バインダ処理を施し、焼
成することによりセラミック基板を製造する。ノイズ吸
収用コンデンサをセラミック基板に内蔵させる場合に
は、同程度の温度で焼成することができる誘電体用粉末
を含むコンデンサ形成用のペースト層又はグリーンシー
ト(両側に電極用導体ペースト層が形成されたもの)を
基板用グリーンシートの内部に形成しておく。
【0006】上記方法により製造されたガラスセラミッ
ク基板は、焼成過程において収縮するが、その収縮率は
約20%程度と大きい。また、グリーンシートの内部に
導体ペースト層が形成されている場合には、収縮率が導
体ペースト層とグリーンシートとで異なり、そのために
ガラスセラミック基板に反りやうねりが生じ易い。ま
た、前記反りやうねりに加え、焼成条件の微妙な変化等
により収縮率が影響を受けるため、その寸法にばらつき
が生ずる。フリップチップ基板においては、フリップチ
ップボンディング用の導体層を形成するため、高い寸法
精度が要求され、通常の焼成方法では寸法精度について
の要求を満足させるのは難しい。
【0007】従来よりセラミック基板の寸法精度を向上
させる手段として、焼成時のグリーンシート積層体の面
方向の収縮を抑制する種々の方法が提案されている。特
公平5−22671号公報には、セラミックグリーンシ
ートの両面に気体が流出入可能な壁面を対向させ、前記
壁面を通じて前記セラミックグリーンシートの厚み方向
に圧力を加え、かつ前記壁面から気体を流入、又は流出
させながら、前記セラミックグリーンシートを焼成する
方法が開示されている。前記公報には、厚み方向から機
械的な圧力や気体による圧力を印加することにより、焼
結体の反り、歪、収縮等を抑えることができることが記
載されている。
【0008】また特表平5−503498号公報には、
グリーンシートの両面に、非金属無機粉末を含有するフ
レキシブルで除去が可能な剥離層を積層し、積層体の厚
み方向に圧力を加えながら焼成する方法が開示されてい
る。上記方法によれば、焼成時に厚み方向に圧力が加え
られているので、面方向の収縮が抑制される結果、収縮
のばらつきが小さくなるととともに反り等の発生も抑制
される。前記非金属無機粉末は焼成後も焼結しないため
焼結体に接着しても、前記剥離層を軽い力で除去するこ
とができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
5−22671号公報に開示された方法においては、セ
ラミックグリーンシートを変形させないように押圧し、
かつ気体を流入又は流出させるための特殊な部品を必要
とし、また焼成時に気体を流入又は流出させるために、
その熱効率も低いという課題があった。
【0010】また特表平5−503498号公報に開示
された方法では焼成時のグリーンシートの面方向への収
縮抑制を目的としているため、グリーンシートに変形が
生じないように余り大きな圧力を加えていない。そのた
め、グリーンシートは前記剥離層によりしっかり保持さ
れておらず、グリーンシート中に加えた圧力に近い圧力
を受ける部分と余り圧力を受けない部分とが存在し、上
記圧力の不均一性に起因して焼結体の場所により収縮量
が異なり、焼結体の寸法精度が低下するという課題があ
った。
【0011】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、寸法精度(位置精度)が高く、かつ構造が面方向に
均一なセラミック基板を製造することができるセラミッ
ク基板の製造方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段及びその効果】本発明に係
るセラミック基板の製造方法(1)は、セラミック粉末
を含有する基板用グリーンシートの両面に、難焼結性セ
ラミック粉末を含有する拘束層用グリーンシートを積層
し、かかる積層体の厚み方向に高圧力をかけながら焼成
することにより、焼成前の基板用グリーンシートよりも
面方向に伸長した焼結体を製造することを特徴としてい
る。
【0013】上記セラミック基板の製造方法(1)によ
れば、高圧力をかけるため、グリーンシートの面全体に
圧力が均一にかかり、また焼成による収縮を防止するこ
とができ、寸法精度(位置精度)が高いセラミック基板
を製造することができる。
【0014】また、本発明に係るセラミック基板の製造
方法(2)は、上記セラミック基板の製造方法(1)に
おいて、基板用グリーンシートの内部及び/又は表面に
導体ペースト層が形成されていることを特徴としてい
る。
【0015】上記セラミック基板の製造方法(2)によ
れば、前記導体ペーストにも均一に圧力がかかるため、
表面や内部に導体層(金属層)が形成されていても、導
体層等の寸法精度(位置精度)が高いセラミック基板を
製造することができる。
【0016】また、本発明に係るセラミック基板の製造
方法(3)は、上記セラミック基板の製造方法(1)又
は(2)において、基板用グリーンシートの内部にコン
デンサ形成用のペースト層又はグリーンシートを含む層
が形成されていることを特徴としている。
【0017】上記セラミック基板の製造方法(3)によ
れば、コンデンサ形成用のペースト層等にも均一に圧力
がかかり、セラミック基板の内部にコンデンサが形成さ
れていても、寸法精度(位置精度)が高いセラミック基
板を製造することができる。
【0018】また、本発明に係るセラミック基板の製造
方法(4)は、上記セラミック基板の製造方法(1)〜
(3)のいずれかにおいて、セラミック基板がガラスセ
ラミック基板であることを特徴としている。
【0019】上記セラミック基板の製造方法(4)によ
れば、製造するセラミック基板がガラスセラミック基板
であるため、比較的低温で焼成することができ、導通抵
抗率の低い配線材料を用いることができ、また拘束層用
グリーンシートとも反応しにくいため、より寸法精度
(位置精度)が高いガラスセラミック基板を製造するこ
とができる。
【0020】また、本発明に係るセラミック基板の製造
方法(5)は、上記セラミック基板の製造方法(1)〜
(4)のいずれかにおいて、拘束層用グリーンシートを
構成する難焼結性セラミック粉末が、MgO、Al2
3 、ZrO2 、又は安定化ZrO2 のうちの少なくとも
1種以上を含んで構成されていることを特徴としてい
る。
【0021】上記セラミック基板の製造方法(5)によ
れば、上記難焼結性セラミック粉末は基板用グリーンシ
ートと反応しにくく、該基板用グリーンシートの焼結温
度では焼結せず、焼成後に容易にセラミック基板上から
除去することができる。
【0022】また、本発明に係るセラミック基板の製造
方法(6)は、上記セラミック基板の製造方法(1)〜
(5)のいずれかにおいて、拘束層用グリーンシートの
厚さが0.30mm以下であることを特徴としている。
【0023】上記セラミック基板の製造方法(6)によ
れば、拘束層用グリーンシートの厚さを薄くしたので、
基板用グリーンシートの伸びすぎを抑制でき、焼成によ
る伸び率がより適切な範囲となり、寸法のばらつきも抑
制することができる。
【0024】また、本発明に係るセラミック基板の製造
方法(7)は、上記セラミック基板の製造方法(1)〜
(6)のいずれかにおいて、焼成前の基板用グリーンシ
ートの1辺の長さに対する焼成後のセラミック基板の1
辺の長さの伸び率が0.20%以下であることを特徴と
している。
【0025】上記セラミック基板の製造方法(7)によ
れば、焼成後のセラミック基板の伸び率を上記した適切
な範囲に設定したので、焼結体の形状は損なわれず、面
内方向に均一でさらに寸法精度が高いセラミック基板を
製造することができる。
【0026】また、本発明に係るセラミック基板の製造
方法(8)は、上記セラミック基板の製造方法(1)〜
(7)のいずれかにおいて、焼成時に積層体の厚み方向
に加える圧力が7.4×105 Pa以上であることを特徴
としている。
【0027】上記セラミック基板の製造方法(8)によ
れば、焼成時に積層体の厚み方向に加える圧力が7.4
×105 Pa以上と高圧力であるので、セラミック基板の
伸長率が十分に調整され、寸法精度が高いセラミック基
板を製造することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るセラミック基
板の製造方法の実施の形態を説明する。
【0029】本発明に係るセラミック基板の製造方法に
おいて、製造の対象となるセラミック基板の種類は特に
限定されるものではなく、その具体例としては、アルミ
ナセラミック基板、ムライトセラミック基板等の酸化物
系セラミック基板、コージェライト等を骨材として含有
するホウ珪酸系ガラス等からなるガラスセラミック基板
等が挙げられる。本実施の形態では、これらのなかでも
特に、比較的低温で焼成することができ、拘束層と反応
しにくく、寸法精度及び平坦性が要求されるガラスセラ
ミック基板、例えばフリップチップ用のガラスセラミッ
ク基板を主として製造の対象としている。従って、以下
においては、ガラスセラミック基板の製造方法を例にと
って説明することにする。
【0030】実施の形態に係るセラミック基板の製造方
法においては、まず、基板用グリーンシートと拘束層用
グリーンシートとを作製し、これらを積層する。
【0031】ガラスセラミックの原料粉末を主成分とす
る基板用グリーンシートは、「従来の技術」の項におい
て説明した方法とほぼ同様の方法で作製することがで
き、例えばセラミック基板用のセラミック粉末、樹脂、
有機溶剤、及び可塑剤等からなる混合スラリをドクタブ
レード法により成形することにより作製する。基板用グ
リーンシートは、通常複数のグリーンシートの積層体か
らなるが、必ず個々のグリーンシートを複数層積層して
積層体とする必要はなく、単層のグリーンシートからな
るものでもよく、またグリーンシート上への導体ペース
ト層の形成も任意的である。
【0032】前記基板用グリーンシートは、前記ガラス
セラミックの原料粉末、樹脂、有機溶剤、及び可塑剤等
から構成される。前記ガラスセラミックの原料粉末は、
ホウ珪酸系ガラス、コージェライト(MgO−Al2
3 −SiO2 )系ガラス、アノーサイト(CaO−Al
23 −SiO2 )系ガラス等の粉末とAl23 等の
骨材の粉末を混合したものであり、その平均粒径は0.
1〜10μmが好ましい。前記樹脂としては、例えばア
クリル樹脂、ブチラール樹脂等が挙げられ、前記有機溶
剤としては、例えばトルエン、キシレン等が挙げられ、
前記可塑剤としては、例えばジブチルフタレート、ジオ
キシルフタレート等が挙げられる。これらの混合割合
は、ガラスセラミックの原料粉末100重量部に対し、
有機溶媒が30〜50重量部、可塑剤が1〜5重量部、
バインダが5〜15重量部が好ましい。前記グリーンシ
ート上に導体ペースト層を形成する場合には、Ag、C
u、Au、Ag−Pd等が導体材料として用いられる。
【0033】セラミック基板の内部にノイズ吸収用のコ
ンデンサを内蔵させる場合には、基板用グリーンシート
の内部にコンデンサ形成用のペースト層又はグリーンシ
ートを積層する。前記ペースト層又は前記グリーンシー
トの両側には、当然電極用の導体ペースト層を形成して
おく必要がある。コンデンサ用の材料としては、例えば
BaTiO3 系誘電体、SrTiO3 系誘電体等が挙げ
られ、その比誘電率は3000程度が好ましい。
【0034】前記ガラスセラミックグリーンシートの両
面に積層する難焼結性セラミック粉末を含有するグリー
ンシート(拘束層用グリーンシート)も通常のグリーン
シートの作製方法により作製することができる。
【0035】前記難焼結性セラミック粉末としては、基
板用グリーンシートとの反応が起こりにくく、また基板
用グリーンシートの焼成温度では焼結しないものが好ま
しく、具体例としては、MgO、Al23 、ZrO
2 、安定化ZrO2 、ムライト、SiO2 、AlN、B
N等が挙げられるが、ガラスセラミック中のガラス成分
が塩基性の場合には、MgO等が好ましく、ガラス成分
が酸性のものではAl23 、ZrO2 、安定化ZrO2
等が好ましい。拘束層用グリーンシートの厚さは、焼
成後のセラミック基板の伸びを抑え、寸法精度を高く保
つため0.30mm以下が好ましい。前記拘束用グリー
ンシートの厚さが0.30mmを超えると、拘束層用グ
リーンシートが圧力により伸びを生じ、それに伴い基板
用グリーンシートの伸びも大きくなり、焼成後のセラミ
ックス基板の伸び率が大きくなるため、寸法精度が低下
する傾向が生ずる。
【0036】拘束層用グリーンシートの作製に使用する
有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等が挙げ
られ、可塑剤としては、例えばジブチルフタレート、ジ
オキシルフタレート等が挙げられ、バインダとしては、
例えばブチラール樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
これらの混合割合は、難焼結性セラミック粉末の原料粉
末100重量部に対し、有機溶媒が30〜50重量部、
可塑剤が1〜5重量部、バインダーが5〜15重量部が
好ましい。
【0037】次に、上記基板用グリーンシートの両面に
上記拘束層用グリーンシートを積層し、熱圧着してグリ
ーンシート積層体を作製する。その後、前記グリーンシ
ート積層体の厚み方向に高圧力をかけ、前記グリーンシ
ート積層体の面方向に伸びを与えながら、酸化性雰囲気
で有機成分を分解、消失させる脱脂工程を行い、さらに
焼成を行う。前記グリーンシート積層体の厚み方向に加
える圧力は、7.4×105 Pa以上が好ましく、9.8
×105 Pa以上がより好ましい。前記グリーンシート積
層体の厚み方向に加える圧力が7.4×105 Pa未満で
あると、寸法のばらつきが大きくなる傾向が生ずる。ま
た、前記脱脂工程での温度は、200〜600℃程度が
好ましく、焼成温度は800〜1000℃程度が好まし
い。高圧力がかかっているためにグリーンシート積層体
が高密度化され、前記脱脂工程において、樹脂や溶剤が
分解しにくいので、ガスを十分流通させながら、十分な
時間脱脂を行うことが望ましい。
【0038】上記方法をとることにより、基板用グリー
ンシートの焼結中に面方向の収縮は発生せず、逆に面方
向に若干伸長し、焼成後の寸法のばらつきを抑えること
ができる。また、高圧をかけることにより焼成前の基板
用グリーンシートがより平坦化されるため、焼成後の基
板の平坦性も高くなる。伸長率は焼結するガラスセラミ
ックの種類により異なるので、一概には言えないが、焼
成前の基板用グリーンシートの1辺の長さに対する焼成
後のセラミック基板の1辺の長さの伸び率が0.20%
以下になるのが好ましく、0.01〜0.08%となる
のがより好ましい。通常、拘束層の材料に関係なく、焼
成後の伸び率は略一定である。
【0039】以上の方法により、製造したセラミック基
板の寸法のばらつきを抑制することができ、寸法精度を
向上させることができる。特に、拘束層用グリーンシー
トの厚さを0.30mm以下とするか、前記グリーンシ
ート積層体の厚み方向に加える圧力を7.4×105 Pa
以上とすると、セラミック基板の寸法のばらつきを0.
2%以内に抑制することができ、寸法精度を±10μm
/10mm以内にすることができる。また、セラミック
基板の平坦度も10μm/10mm以内に抑制すること
ができる。ここで、寸法のばらつきとは、例えば配線間
の寸法に関し、{(実際の寸法−設定の寸法)/設定の
寸法}×100(%)をいう。また、平坦度は10mm
の直線について凹凸を測定したときの、最も低い部分と
最も高い部分との差を示し、Aμm/10mmとして表
す。
【0040】
【実施例及び比較例】以下、本発明に係るセラミック基
板の製造方法の実施例を説明する。
【0041】<実施例> (1)基板用グリーンシート ガラスセラミック原料粉末の調合 ガラス材料粉末:CaO−Al23 −SiO2 −B2
3 系ガラス 骨材粉末:アルミナ 混合比率:ガラス材料粉末:60重量部、アルミナ粉
末:40重量部 スラリの調製:ガラスセラミック原料粉末に有機溶媒
としてトルエン、可塑剤としてジオキシルフタレート、
及びバインダーとしてアクリル樹脂を添加して湿式混合 基板用グリーンシートの作製 (i) ドクタブレード法によりシートを作製した後、所定
の寸法に切断。 (ii)パンチングによりビアホールを形成し、Ag導体ペ
ーストをビアホールに充填。 (iii) スクリーン印刷によりグリーンシートの表面に導
体ペースト層を形成。
【0042】(2)拘束層用グリーンシート スラリの調製 難焼結性セラミック粉末としてアルミナ粉末(平均粒径
0.5μm)、有機溶媒としてトルエン、可塑剤として
ジオキシルフタレート、及びバインダーとしてアクリル
樹脂を用い湿式混合。 拘束層用グリーンシートの作製 (1)の場合と同様の方法でグリーンシートを作製。
【0043】(3)グリーンシート積層体の作製 図1に示したように、基板用グリーンシート11の両面
に拘束層用グリーンシート12を積層し、9.8×10
6 Paの圧力で熱圧着してグリーンシート積層体10を作
製。
【0044】(4)グリーンシート積層体10の脱脂、
焼成 グリーンシート積層体10の厚み方向への圧力:5.
0×105 〜 9.8×105 Pa 脱脂条件 温度:600℃、時間:1時間、雰囲気:大気雰囲気 焼成条件 温度:900℃、時間:10分、雰囲気:大気雰囲気 <評価>製造されたセラミック基板につき、その寸法
(導体層パターンの寸法を含む)を測定し、設定値との
差を比較して寸法のばらつきを算出した。その結果を下
記の表1に示している。
【0045】
【表1】
【0046】上記表1より明らかなように、グリーンシ
ート積層体10の厚み方向に高圧力をかけ、脱脂処理及
び焼成処理を施すことにより製造されたセラミック基板
は収縮せず、逆に伸びを生じており、寸法のばらつきも
小さくなっている。特に、拘束層用グリーンシートの厚
さを0.30mm以下、その圧力を7.4×105 Pa以
上としたものは、寸法のばらつきも0.2%以内と小さ
くなっており、焼成後の寸法のばらつきを大幅に改善す
ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るセラミック基板の製
造方法において、焼成を行う前のグリーンシート積層体
の積層状態を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
10 グリーンシート積層体 11 基板用グリーンシート 12 拘束層用グリーンシート

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック粉末を含有する基板用グリー
    ンシートの両面に、難焼結性セラミック粉末を含有する
    拘束層用グリーンシートを積層し、かかる積層体の厚み
    方向に高圧力をかけながら焼成することにより、焼成前
    の基板用グリーンシートよりも面方向に伸長した焼結体
    を製造することを特徴とするセラミック基板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 基板用グリーンシートの内部及び/又は
    表面に導体ペースト層が形成されていることを特徴とす
    る請求項1記載のセラミック基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 基板用グリーンシートの内部にコンデン
    サ形成用のペースト層又はグリーンシートを含む層が形
    成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記
    載のセラミック基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 セラミック基板がガラスセラミック基板
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に
    記載のセラミック基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 拘束層用グリーンシートを構成するセラ
    ミック粉末が、MgO、Al23 、ZrO2 、又は安
    定化ZrO2 のうちの少なくとも1種以上を含んで構成
    されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの
    項に記載のセラミック基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 拘束層用グリーンシートの厚さが0.3
    0mm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れかの項に記載のセラミック基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 焼成前の基板用グリーンシートの1辺の
    長さに対する焼成後のセラミック基板の1辺の長さの伸
    び率が0.20%以下であることを特徴とする請求項1
    〜6のいずれかの項に記載のセラミック基板の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 焼成時に積層体の厚み方向に加える圧力
    が7.4×105 Pa以上であることを特徴とする請求項
    1〜7のいずれかの項に記載のセラミック基板の製造方
    法。
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