JPH1072726A - マルチフィラメント弾性糸の製造方法 - Google Patents

マルチフィラメント弾性糸の製造方法

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JPH1072726A
JPH1072726A JP19188897A JP19188897A JPH1072726A JP H1072726 A JPH1072726 A JP H1072726A JP 19188897 A JP19188897 A JP 19188897A JP 19188897 A JP19188897 A JP 19188897A JP H1072726 A JPH1072726 A JP H1072726A
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聡 脇坂
Hideki Nakanishi
英樹 中西
Yukio Ota
幸男 太田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、柔軟で感触のよい、断面や表面の形
状を異形化したマルチフィラメント弾性糸を安定して製
造する方法を提供せんとするものである。 【解決手段】本発明のマルチフィラメント弾性糸の製造
方法は、弾性ポリマのマルチフィラメントを加熱押圧し
て、該マルチフィラメントの断面形状および表面形状の
少なくとも一方を異形化することを特徴とするものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性ポリマからな
るマルチフィラメント弾性糸の製造方法に関し、特に表
面および断面の形状を任意の形状に安定して異形化され
た該弾性糸を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性ポリウレタンマルチフィ
ラメントを複数本繊維長さ方向に融着して一体化してモ
ノフィラメント状にする溶融紡糸方法が特開昭53−1
39847号公報で提案されており、また、ポリウレタ
ンウレアの乾式紡糸において、紡糸口金の形状を異形に
して紡糸して異形断面繊維を製造する方法が特開平7−
197318号公報にて提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来法では、マルチフィラメント全体を融着し、か
つ、弾性糸の断面を異形化することは全く意図も示唆も
するものではなかった。
【0004】本発明は弾性ポリマからなるマルチフィラ
メントを一体化し、かつ、断面や表面の形状を異形化し
たマルチフィラメント弾性糸を安定して製造する方法を
提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
達成するために、次のような手段を採用する。すなわ
ち、本発明のマルチフィラメント弾性糸の製造方法は、
弾性ポリマのマルチフィラメントを加熱押圧して、該マ
ルチフィラメントの断面形状または表面形状を異形化す
ることを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、異形の表面や断面を有
するマルチフィラメント弾性糸を効率よく、かつ、安定
して製造できないものか鋭意検討したところ、弾性ポリ
マのマルチフィラメントを引揃えて、これを適宜の加熱
加圧部材で押圧することにより、上述課題を一挙に解決
することを究明したものである。
【0007】もともと弾性ポリマは、合成ゴム、ポリオ
レフィンエラストマー、ポリエステルエラストマーおよ
びポリウレタンから選ばれた少なくとも1種を使用する
ことができるが、特にポリウレタンが一般的に弾性糸と
して好適に実用されている。しかし、かかる弾性糸は、
通常、丸断面のマルチフィラメントを収束して使用され
ていたものである。本発明者らは、かかる弾性糸を加熱
押圧して偏平にしたところ、実に柔軟で感触のよい高品
質のファッショナブルな紐状物を提供することができる
ことを究明したものである。
【0008】以下、本発明の弾性ポリマをポリウレタン
に代表させて説明する。本発明でいうポリウレタンと
は、熱可塑性もしくは熱可塑性以外のものであってもよ
い。
【0009】本発明に用いるポリウレタンとは、ポリオ
ール、ジイソシアネートの共重合体に多官能性を持つ有
機アミンまたは有機ジオールを鎖伸張剤、末端封鎖剤と
して、1官能性アミン、オールを反応させたポリウレタ
ンである。
【0010】また、かかるジイソシアネートの中で特に
好ましいものとしては、ジフェニルメタンジイソシアネ
ート(以下MDIと称す)、水添MDI(以下HMDI
と称す)である。MDIからなるポリウレタン繊維は強
度も高く、耐熱性も高く、さらに耐溶剤性なども良好な
ものとなる。一方、HMDIからなるポリウレタン繊維
は、ポリオール、また伸長剤を適切に選定すると、耐光
性が高くなる大きい利点がある。
【0011】本発明のポリウレタン繊維のジイソシアネ
ートは必ずしも1種に限定されるものではなく複数種の
ジイソシアネートが併用されてもよいことは言うまでも
ないことである。
【0012】次にポリオールについて述べる。ポリオー
ルとしては特に限定されるものでなく、ポリテトラメチ
レンエーテルグライコール(以下PTMGと称す)およ
び/またはその共重合、ポリプロピレングライコールお
よび/またはその共重合を初めとするエーテル系ポリオ
ール、さらには、ポリブチレンアジペートグライコール
および/またはその共重合、さらに、特開平4−417
14号公報などに開示されているポリエステル系ポリオ
ール、また、ポリエステルポリオールを初めとするポリ
カーボネート系ポリオール、ポリシロキサン系ポリオー
ルを初めとする公知のポリオールが代表的なものであ
る。
【0013】そして、かかる中でエーテル系ポリオール
として好ましいものとしては、PTMGおよび/または
その共重合が挙げられる。PTMGの共重合物として
は、エチレンオキシドをPTMGの末端に付加したも
の、また、テトラヒドロフラン(以下THFと称す)と
3−メチルTHFの共重合PTMGなどが代表的なもの
として挙げられる。
【0014】かかるポリオールからなるポリウレタン繊
維は、低温特性に優れ、耐カビ性が高く、回復性が優
れ、加水分解性も高いのである。
【0015】また、好ましい他のポリオールとして、メ
チル基などの側鎖が付いたポリエステル系のポリオール
が挙げられる。
【0016】かかるポリオールとしては、特開平4−4
1714号公報などに開示されたポリエステルポリオー
ルなどを初め、またネオペンチルグライコールを初めと
するネオペンチルグライコールと各種の脂肪族カルボン
酸との共重合グライコール、またネオペンチルグライコ
ールを共重合したポリカプロラクトンジオールなどが代
表的なものとして挙げられる。
【0017】かかるエステル系ポリオールは、耐カビ性
も高く、また耐塩素性、さらに耐光性に優れ、耐加水分
解性も高く特に好ましいもの一つである。
【0018】かかるポリオールの分子量としては、好ま
しくは2000〜6000のものが繊維の強度や回復性
などの点から使用され、また、側鎖の無いポリオールに
おいては、3000〜5000の分子量を有するものが
特に好ましく使用される。
【0019】次に、本発明のポリウレタン繊維のポリオ
ールは分子内で1種類に限定されるものでなく、エーテ
ル系ポリオールとエステル系ポリオールのいずれを用い
てもよく、また用途に応じては、エーテル系ポリオール
とエステル系ポリオールが併用されているほうがよい場
合もある。
【0020】かかるポリウレタンを製造する際に使用さ
れる鎖伸張剤としては、有機ジアミンは公知の脂肪族、
脂環族及び芳香族ジアミンを用いることができる。代表
的なものとして、エチレンジアミン(以下EDAと称
す)、プロピレンジアミン(以下PDAと称す)たとえ
ば1,2−ジアミノ−1−プロピレン、1,2−ジアミ
ノ−2−プロピレン、ブチレンジアミン(BDAと称
す)たとえば1,4−ジアミノ−1−ブテン、1,4−
ジアミノ−2−ブテン、2,3−ジアミノ−2−ブテ
ン、1,3−ジアミノ−1−ブテン、1,3−ジアミノ
−2−ブテン、ジエチレントリアミン、へキサメチレン
ジアミン、シクロヘキサンジアミン、フェニレンジアミ
ン、トリレンジアミン、キシレンジアミン、3,3’−
ジクロル−4,4−ビフェニルアミン、2,6−ジアミ
ノピリジン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等が
挙げられる。かかるジアミン伸張剤の中で最も好ましい
のが、EDA、PDA、BDAを使用することができ
る。
【0021】また有機ジオールもまた公知の脂肪族、脂
環族及び芳香族ジオールを用いることができる。代表的
なものとしては、エチレングライコール(以下EGと称
す)、1,3−プロパンジオール(以下PDOと称
す)、1,4−ブタンジオール(以下BDOと称す)、
ネオペンチルジオール、1,2−プロピレンジオール、
1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエト
キシ)ベンゼン(以下BHEBと称す)、ビス(β−ヒ
ドロキシエチル)テレフタレート、パラキシレンジオー
ル等を鎖伸長剤とするものである。かかるジオール伸長
剤の中で好ましいものとしてはEG、PDO、BDOと
BHEBを使用することができる。
【0022】なお、本発明のポリウレタン繊維の伸長剤
は必ずしも1種に限定されるものでなく複数種のジアミ
ンまたはジオールからなる伸長剤が併用されてもよいこ
とはいうまでもないことである。
【0023】次に末端封鎖剤に述べる。これも公知の脂
肪族、脂環族、芳香族アミン、アルコールを用いること
ができる。代表的なものとしては、ジメチルアミン、ジ
メチルアミン、エタノール、プロパノール(1−プロパ
ノール、2−プロパノール)、プロピルアルコール等で
ある。
【0024】そして、本発明のマルチフィラメント弾性
糸であるポリウレタンの数平均分子量は、好ましくは1
万〜10万、特に好ましくは3万〜8万のものが、強度
はもとより、実用においても耐久性が著しく向上するの
でよい。
【0025】かかるポリウレタンのマルチフィラメント
を収束(引揃え)して加熱押圧して、該マルチフィラメ
ントの単糸どうしを融着または圧着して、該マルチフィ
ラメントの断面形状および表面形状の少なくとも一方
を、適宜の形状に接着させて異形化するものである。こ
の加熱押圧するときに、任意の形状を有する押圧部材
で、たとえばニップ式加熱ローラで行なうことにより、
所望の形状に賦型を付すことができる。該ニップ式加熱
ローラとして、任意の形状の溝を有するものを使用する
と、該溝内に該マルチフィラメントを収納して押圧する
ことにより、該溝の形状に合せて該マルチフィラメント
の表面形状や断面形状を任意の形に異形化することがで
きる。ここで異形とは、偏平状、多角形、星形、馬蹄
形、楕円形および半円形から選ばれた少なくとも1種で
あればよく、すなわち、不定形をも含む形状を意味する
ものである。
【0026】本発明によれば、該加熱押圧を、連続的に
したり、また、断続的に実施することにより、変り糸を
提供することもできる。また、かかる押圧部材の押圧表
面をエンボスのように適宜の形態を有するものを使用す
ると、その形態が刻印された弾性糸を提供することがで
きる。たとえばギザギザ表面を有する押圧部材で異形化
するとギザギザ表面にたとえば偏平弾性糸を提供するこ
とができる。つまり、押圧部材の賦型用スペーサーや溝
の形状はそれぞれ所望の任意の形状を採用することがで
きる。この加熱押圧の際に付与される加熱は、該ポリウ
レタンの軟化点以上融点以下の温度で、具体的には、該
マルチフィラメントはそれぞれの単糸が軽度に接着して
見かけ上1本の糸のようになっているものであるが、こ
の接着が解ける程度の温度から溶融するまでの温度であ
る。たとえば、ポリマによって相違するが、ポリウレタ
ンウレアでは好ましくは170〜250℃、さらに好ま
しくは200〜230℃程度の温度がよい。かかる加熱
方法としては、ニクロム線ヒータや遠赤外線ヒータを用
いて弾性糸に非接触で加熱するもの、ホットロールのよ
うに直接弾性糸にその表面を接触させて加熱するものな
どのいずれでもよい。
【0027】かかる押圧部材は、その材質は特に限定さ
れないが、軟化、溶融した弾性糸がくっつきにくいシリ
コンのような材質であることが好ましい。また、押圧部
材は、弾性糸の長手方向に対して上下、左右もしくはそ
れらの組み合せの向きに加圧することができる。
【0028】たとえば、かかる加熱押圧工程を、該弾性
ポリマのマルチフィラメント紡糸工程の紡糸筒下部から
巻取装置までの任意の箇所に設定することもできるし、
また、既に紡糸されて巻糸体となっているものでも、該
巻糸体から繰り出して、再度巻き取るまでの任意の箇所
に該加熱押圧工程を設定することもできる。
【0029】本発明のマルチフィラメント紡糸工程と
は、特定の方式に限定されるものではない。乾式紡糸に
ついて述べると、紡糸溶液の温度も限定されるものでな
く、任意の温度を採用することができる。紡糸溶質の融
点や軟化点より高温にすることも特に問題ない。また吐
出速度も特に限定されるものでない。さらに口金形状も
任意のものが適用される。マルチフィラメントの単糸本
数は、口金の穴数を変えることにより、任意の本数にす
ることが出来る。
【0030】紡糸溶液はこうした口金から吐出され糸状
になり、次に加熱される。加熱は筒からの加熱であって
も、加熱ガスによりされてもよい。またこれらの併用で
あってもよい。熱効率という面から特に好ましいのが加
熱ガスと筒を加熱することである。加熱ガスを使用する
場合、その供給方式も特に限定されるものでない。
【0031】なお、筒の形状は特に問われず、円形で
も、矩形でも、多角形であってもよく、特に限定される
ものでない。
【0032】加熱ガスは紡糸揮発分の種類により、適宜
選択することが好ましい。紡糸揮発分が、揮発性の有機
溶剤の時には不活性ガスが主体であることが好ましい。
【0033】本発明のマルチフィラメント弾性糸は、こ
うして加熱された繊維が、紡糸筒通過後から巻取装置す
なわち巻糸体になる直前の間に、本発明の製造方法を施
すことにより、得られるのである。
【0034】図1は本発明のポリウレタンマルチフィラ
メント弾性糸を製造するための一実施例を示す概略図で
ある。
【0035】この例では、マルチフィラメントの異形断
面化装置は、巻取体から弾性糸を所定の速度で送出する
繰出部1と、繰出された弾性糸を加熱、押圧するための
2本ホットプレスロールを有する異形化部2と、異形化
した弾性糸を巻き取る巻取部3とにより構成されてい
る。
【0036】そして、繰出部1は架台に軸受によって取
り付けられた第1ローラ4、5と、第1ローラ4、5を
回転させる駆動装置6と、架台にブラケットを介して軸
受により取り付けられた回転自在のガイドロール7、9
と、マルチフィラメントの張力を検出するためのポテン
ショメータに取り付けられたダンサーロール8により構
成されており、第1ローラ4、5上に載置されたマルチ
フィラメントの巻取物10を回転させて糸を所定の速度
で送出する。
【0037】上述の駆動装置6はプーリとベルト等の回
転伝達部材によって、速度制御された電動機の回転を第
1ローラ4、5に伝達されるようになっている。
【0038】そして、異形断面化部2は架台に軸受によ
って回転自在に取り付けられたガイドロール11、12
と、架台上に取り付けられたブラケットと、ブラケット
に軸受によって取り付けられたホットプレスロール13
と、ホットプレスロール13に平行になるようにブラケ
ットに取り付けられた2本エアーシリンダー15、16
に軸受によって取り付けられたホットプレスロール14
と、ホットプレスロール13を回転させるための駆動装
置17とにより構成されている。
【0039】上述の駆動装置17はプーリーとベルト等
の回転伝達部材によって、回転制御された電動機の回転
をホットプレスロール13に伝達される。
【0040】巻取部3は、本体フレームに軸受によって
取り付けられた回転自在のガイドロール18と、ポテン
ショメータによりマルチフィラメントの張力を検出する
ためのダンサーロール19と、溝カム方式(図示せず)
のトラバースロール20と、ドライブロール21と、糸
状物の巻取半径の増加により半円上に移動する本体フレ
ームに軸受によって取り付けられた巻取ロール22とに
より構成されている。上述のガイドロール18、ダンサ
ーロール19とトラバースロール20は溝カムにより移
動するブラケット上に取り付けてある。また駆動装置2
3は溝カムとドライブロールにプーリーとベルト等回転
部材伝達部材により速度制御された電動機の回転を伝達
する。
【0041】この状態で、繰出部1の第1ローラ4、5
上にマルチフィラメントの巻取体10を載置し、巻取体
から引き出したマルチフィラメント24をガイドロール
7、ダンサーロール8、ガイドロール9、11、12、
ホットプレスロール13と14の間、ガイドロール1
8、ダンサーロール19、トラバースロール20、ドラ
イブロール21を通して巻取ロール22に結びつける。
【0042】これらの準備ができると第1ローラ4、5
を始動させて弾性糸を予め設定された速度で繰出して加
熱押圧加工する。
【0043】上述の弾性糸の繰出しが行われると、ダン
サーロール8、19の変位角度をポテンショメーターが
検出し、駆動装置6、17、23の制御装置に信号を送
り所定の速度で回転する。そして弾性糸24は、異形断
面化部2のエアーシリンダー15、16により下降させ
たホットプレスロール14とホットプレスロール13の
間で加熱押圧されて、たとえば偏平に異形化された弾性
糸25となり、巻取部3でトラバースロール20、ドラ
イブロール21を介して巻取ロール22に巻き取られ
る。
【0044】図2は上述異形断面化装置を紡糸筒下部と
巻取部との間に設置し、直接異形断面糸を製造するため
の一実施例を示す概略図である。
【0045】この例では、弾性糸37を送り出す既設の
紡糸筒26と、それを巻き取る巻取部、それらの間に設
置した2本のホットプレスロールを有する異形断面化部
27から構成されている。
【0046】異形断面化部27は図1と同様に、ガイド
ロール30、31、2本のホットプレスロール33、3
4、2本のエアーシリンダー35、36、ホットプレス
ロール32用の駆動装置29と巻取速度の増加に伴い弾
性糸に余熱を与えるための遠赤外線を利用したプレヒー
ター32から構成されている。
【0047】巻取部28は本体フレームに取り付けられ
た、それぞれ駆動装置(図示せず)により回転するフィ
ードロール39、40と、溝カム方式(図示せず)のト
ラバースガイド41と、ドライブロール42と、糸状物
の巻取半径のり半円上に移動する本体フレームに軸受け
によって取り付けられた巻取ロール43とにより構成さ
れている。
【0048】上述のトラバースガイド41とドライブロ
ール42はプーリートベルト等伝達部材により速度制御
された電動機の回転を伝達される。
【0049】この状態で、紡糸筒下部26から送り出さ
れた弾性糸37をサッカガン等で吸引させながら、ガイ
ドロール30、プレヒーター32、ガイドロール31、
ホットプレスロール33と34の間、フィードロール3
9、40、トラバースガイド41、ドライブロール42
を通して巻取ロール43に巻き付ける。
【0050】これらの準備ができると巻取部28のトラ
バースガイド41とドライブロール42を駆動させると
同時に、異形断面化部27のエアーシリンダー35、3
6を下降させる。そして弾性糸37は、プレヒーター3
2で予加熱されホットプレスロール33と34により加
熱押圧されて、たとえば偏平に異形化された異形断面糸
38となり、巻取部28でトラバースガイド41、ドラ
イブロール42を介して巻取ロール43に巻き取られ
る。
【0051】図3は、かかる方法により製造される異形
化された各種弾性糸の断面形状を示す模式図の一例(A
〜G)であるが、もちろん表面形状もエンボスなどのよ
うな刻印模様を有する金型を使用することによって容易
に形成することができる。この例からわかるように、偏
平状、多角形、星形、馬蹄形、楕円形および半円形から
選ばれた少なくとも1種である形状、つまり、これらの
複合された形状や該弾性糸の長さ方向に変更される断面
形状を有するものや、さらに、組合せによって不定形の
形状のものも容易に形成することができるものであっ
て、ここに例示した形状のものに限定されるものではな
い。また、この例では、単糸の形状は便宜上丸形で表示
しているが、もちろん、押圧によって変形している部分
を含むものであり、押圧力の大きさによって、その変形
度は大きいものであることはいうまでもないことであ
る。
【0052】図4は、図1のホットプレスロール13に
加工した溝の形状の例を示すものである。また、溝の形
状はここに例示した形状に限定されるものではなく、図
3等の弾性糸の断面形状を得るために適宜形状を選ぶこ
とができる。
【0053】
【実施例】以下、実施例をあげて、本発明を更に、具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されな
い。
【0054】付加比率が1.60になるように、分子量
2000ポリテトラメチレンエーテルグライコール20
00gとジフェニルメタンジイソシアネート400gを
窒素シールされた撹拌容器中に投入し、90℃で反応さ
せ、プレポリマーを得た。次に、このプレポリマー69
9gをジメチルアセトアミド1288gに溶解し、さら
に、プレポリマーに対するモル比が1.05になるよう
に鎖伸張剤としてエチレンジアミン11gと末端封鎖剤
としてジエチルアミン1.6gを添加し、80℃で撹拌
し、反応させ、ポリウレタン溶液を得た。
【0055】上記ポリウレタン溶液に、酸化チタン等の
改質剤を重量比で6%になるように調整した安定剤を、
添加し撹拌した。
【0056】得られたポリウレタン溶液に含まれるポリ
ウレタンの数平均分子量をGPC法で測定したところ、
ポリスチレン換算で約3.8万であった。また、TMA
法により、測定したポリウレタンの熱軟化点は170℃
であった。
【0057】上記、ポリウレタン溶液を、50℃に加熱
し、孔経(D)=0.20mm、孔長(L)=0.55
mm、L/D=2.75の吐出孔を200持つ口金を用
いて、単位時間当たり、22.5KG溶液で紡糸筒内に
吐出した。
【0058】紡糸筒内の温度は、加熱温度即ち、紡糸筒
の壁面温度は300℃とし、この時の乾燥風は400℃
で毎時60KGの窒素ガスを紡糸筒上部から噴出した。
【0059】得られたポリウレタン糸を、50本毎に紡
糸筒下部の収束ガイドに4本の糸束に分糸し、加圧空気
により紡糸筒内で収束させた。
【0060】その際、引取速度は1000m/分、巻取
速度は1150m/分、速度比率(巻取速度/引取速
度)は1.15で巻き取り840dのポリウレタン糸を
得た。
【0061】得られたポリウレタン糸を本発明の装置を
用いて、巻取り速度を3m/分、ホットロールの表面温
度を220℃で異形断面化した。ホットロールの断面形
状は通常の円形であり、連続的に加圧するタイプで、加
えた圧力はエアーシリンダーにより20kg/cm3とした。
その結果得られた弾性糸は図3のような形態を有するも
のであった。
【0062】上述と同じ装置のホットプレスロール13
のみを図4のものに取り替え、同条件で加工した結果、
図3−Bの形態を有する弾性糸を得た。
【0063】また紡糸筒下部から本発明の装置を用い
て、上述の紡糸条件で、プレヒーターの温度を490
℃、ホットロールの表面温度を230℃で異形断面化し
た。ホットロールの表面形状は通常の円形であり、連続
的に加圧するタイプで、加えた圧力はエアーシリンダー
により20kg/cm3とした。その結果得られた弾性糸は図
3のような形態を有するものであった。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、柔軟で感触のよい高品
質の、実にファッショナブルな弾性糸からなる紐状物を
効率的、かつ、安定して、提供することができ、しか
も、該紐状物の太さ、変形量、表面形状および断面形状
を含め自由に加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、本発明のマルチフィラメント弾性糸
の製造方法の一例を示す概略図である。
【図2】この図は、本発明のマルチフィラメント弾性糸
の製造方法を用いて、紡糸筒下部から巻取装置までの間
に該加熱押圧工程を設置した一例を示す概略図である。
【図3】この図は、本発明のマルチフィラメント弾性糸
の製造方法を用いて製造される各種異形断面糸の断面形
状を示す模式図の一例である。
【図4】この図は、任意の断面形状を持つマルチフィラ
メント弾性糸を得るために、本発明の製造方法の一例を
示す図1のホットプレスロール13の表面に溝加工した
一例である。
【符号の説明】
1:繰出部 2:異形断面化部 3:巻取部 4、5:第1ローラ 8、19:ダンサーロール 7、9、11、12、18:ガイドロール 10:巻取体 6、17、23:駆動装置 13、14:ホットプレスロール 15、16:エアーシリンダー 20:トラバースロール 21:ドライブロール 22:巻取ロール 24:弾性糸 25:異形断面糸 26:紡糸筒下部 27:異形断面化部 28:巻取部 29:駆動部 30、31:ガイドロール 32:プレヒーター 33、34:ホットプレスロール 35、36:エアーシンリンダー 37:弾性糸 38:異形断面糸 39、40:フィードロール 41:トラバースガイド 42:ドライブロール 43:巻取ロール

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弾性ポリマのマルチフィラメントを加熱押
    圧して、該マルチフィラメントの断面形状および表面形
    状の少なくとも一方を異形化することを特徴とするマル
    チフィラメント弾性糸の製造方法。
  2. 【請求項2】該弾性ポリマが、合成ゴム、ポリエステル
    エラストマーおよびポリウレタンから選ばれた少なくと
    も1種である請求項1記載のマルチフィラメント弾性糸
    の製造方法。
  3. 【請求項3】該加熱押圧が、任意の形状をもつ押圧部材
    によるものである請求項1記載のマルチフィラメント弾
    性糸の製造方法。
  4. 【請求項4】該押圧部材が、ニップ式加熱ローラである
    請求項3記載のマルチフィラメント弾性糸の製造方法。
  5. 【請求項5】該ニップ式加熱ローラが、該マルチフィラ
    メントを収納する任意の形状の溝を有するものである請
    求項4記載のマルチフィラメント弾性糸の製造方法。
  6. 【請求項6】該加熱押圧が、断続的に加圧するものであ
    る請求項1記載のマルチフィラメント弾性糸の製造方
    法。
  7. 【請求項7】該加熱が、該弾性ポリマの軟化点以上融点
    以下の温度である請求項1記載のマルチフィラメント弾
    性糸の製造方法。
  8. 【請求項8】該加熱押圧工程が、該弾性ポリマのマルチ
    フィラメント紡糸工程の紡糸筒下部から巻取装置までの
    任意の箇所に設定されているものである請求項1記載の
    マルチフィラメント弾性糸の製造方法。
  9. 【請求項9】該加熱押圧工程が、該弾性ポリマのマルチ
    フィラメント弾性糸の巻糸体から繰り出され、再度巻き
    取るまでの任意の箇所に設定されているものである請求
    項1記載のマルチフィラメント弾性糸の製造方法。
  10. 【請求項10】該異形が、偏平状、多角形、星形、馬蹄
    形、楕円形および半円形から選ばれた少なくとも1種で
    ある請求項1記載のマルチフィラメント弾性糸の製造方
    法。
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