JP3785604B2 - マルチフィラメント弾性糸の製造方法 - Google Patents

マルチフィラメント弾性糸の製造方法 Download PDF

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英樹 中西
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリウレタンマルチフィラメント弾性糸の製造方法に関し、特に任意の形状に安定して異形化された断面形状をもつポリウレタン弾性糸を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱可塑性ポリウレタンマルチフィラメントを複数本繊維長さ方向に融着して一体化してモノフィラメント状にする溶融紡糸方法が特開昭53−139847号公報で提案されており、また、ポリウレタンウレアの乾式紡糸において、紡糸口金の形状を異形にして紡糸して異形断面繊維を製造する方法が特開平7−197318号公報にて提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの従来法では、マルチフィラメント全体を融着し、かつ、弾性糸の断面を異形化することは全く意図も示唆もするものではなかった。
【0004】
本発明は、ポリウレタンマルチフィラメント弾性糸を一体化してモノフィラメント状にし、かつ、糸条断面形状を異形化したマルチフィラメント弾性糸を安定して製造する方法を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を達成するために、次のような手段を採用する。
すなわち、本発明のマルチフィラメント弾性糸の製造方法は、ポリウレタンマルチフィラメント弾性糸を、ローラ面を周回する溝が設けられ、ポリウレタンの軟化点以上融点以下の温度に加熱されたニップ式加熱ローラの溝内を通過走行させつつ加熱押圧することにより、マルチフィラメント弾性糸の糸条断面形状を異形化し、かつ単糸どうしを圧着させて異形モノフィラメント状にすることを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、異形断面形状を有するマルチフィラメント弾性糸を効率よく、かつ、安定して製造できないものか鋭意検討したところ、ポリウレタンマルチフィラメントを引揃えて、これを適宜の加熱加圧部材で押圧することにより、上述課題を一挙に解決することを究明したものである。
【0007】
本発明におけるマルチフィラメント弾性糸はポリウレタンから構成される。かかる弾性糸は、通常、丸断面のマルチフィラメントを収束して使用されていたものである。本発明者らは、かかる弾性糸を加熱押圧して偏平等の異形断面形状にしたところ、実に柔軟で感触のよい高品質のファッショナブルな紐状物を提供することができることを究明したものである。
【0008】
以下、本発明をポリウレタンマルチフィラメント弾性糸について説明する。本発明でいうポリウレタンとは、熱可塑性もしくは熱可塑性以外のものであってもよい。
【0009】
本発明に用いるポリウレタンとは、ポリオール、ジイソシアネートの共重合体に多官能性を持つ有機アミンまたは有機ジオールを鎖伸張剤、末端封鎖剤として、1官能性アミン、オールを反応させたポリウレタンである。
【0010】
また、かかるジイソシアネートの中で特に好ましいものとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDIと称す)、水添MDI(以下HMDIと称す)である。MDIからなるポリウレタン繊維は強度も高く、耐熱性も高く、さらに耐溶剤性なども良好なものとなる。一方、HMDIからなるポリウレタン繊維は、ポリオール、また伸長剤を適切に選定すると、耐光性が高くなる大きい利点がある。
【0011】
本発明のポリウレタン繊維のジイソシアネートは必ずしも1種に限定されるものではなく複数種のジイソシアネートが併用されてもよいことは言うまでもないことである。
【0012】
次にポリオールについて述べる。ポリオールとしては特に限定されるものでなく、ポリテトラメチレンエーテルグライコール(以下PTMGと称す)および/またはその共重合、ポリプロピレングライコールおよび/またはその共重合を初めとするエーテル系ポリオール、さらには、ポリブチレンアジペートグライコールおよび/またはその共重合、さらに、特開平4−41714号公報などに開示されているポリエステル系ポリオール、また、ポリエステルポリオールを初めとするポリカーボネート系ポリオール、ポリシロキサン系ポリオールを初めとする公知のポリオールが代表的なものである。
【0013】
そして、かかる中でエーテル系ポリオールとして好ましいものとしては、PTMGおよび/またはその共重合が挙げられる。PTMGの共重合物としては、エチレンオキシドをPTMGの末端に付加したもの、また、テトラヒドロフラン(以下THFと称す)と3−メチルTHFの共重合PTMGなどが代表的なものとして挙げられる。
【0014】
かかるポリオールからなるポリウレタン繊維は、低温特性に優れ、耐カビ性が高く、回復性が優れ、加水分解性も高いのである。
【0015】
また、好ましい他のポリオールとして、メチル基などの側鎖が付いたポリエステル系のポリオールが挙げられる。
【0016】
かかるポリオールとしては、特開平4−41714号公報などに開示されたポリエステルポリオールなどを初め、またネオペンチルグライコールを初めとするネオペンチルグライコールと各種の脂肪族カルボン酸との共重合グライコール、またネオペンチルグライコールを共重合したポリカプロラクトンジオールなどが代表的なものとして挙げられる。
【0017】
かかるエステル系ポリオールは、耐カビ性も高く、また耐塩素性、さらに耐光性に優れ、耐加水分解性も高く特に好ましいもの一つである。
【0018】
かかるポリオールの分子量としては、好ましくは2000〜6000のものが繊維の強度や回復性などの点から使用され、また、側鎖の無いポリオールにおいては、3000〜5000の分子量を有するものが特に好ましく使用される。
【0019】
次に、本発明のポリウレタン繊維のポリオールは分子内で1種類に限定されるものでなく、エーテル系ポリオールとエステル系ポリオールのいずれを用いてもよく、また用途に応じては、エーテル系ポリオールとエステル系ポリオールが併用されているほうがよい場合もある。
【0020】
かかるポリウレタンを製造する際に使用される鎖伸張剤としては、有機ジアミンは公知の脂肪族、脂環族及び芳香族ジアミンを用いることができる。代表的なものとして、エチレンジアミン(以下EDAと称す)、プロピレンジアミン(以下PDAと称す)たとえば1,2−ジアミノ−1−プロピレン、1,2−ジアミノ−2−プロピレン、ブチレンジアミン(BDAと称す)たとえば1,4−ジアミノ−1−ブテン、1,4−ジアミノ−2−ブテン、2,3−ジアミノ−2−ブテン、1,3−ジアミノ−1−ブテン、1,3−ジアミノ−2−ブテン、ジエチレントリアミン、へキサメチレンジアミン、シクロヘキサンジアミン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミン、3,3’−ジクロル−4,4−ビフェニルアミン、2,6−ジアミノピリジン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。かかるジアミン伸張剤の中で最も好ましいのが、EDA、PDA、BDAを使用することができる。
【0021】
また有機ジオールもまた公知の脂肪族、脂環族及び芳香族ジオールを用いることができる。代表的なものとしては、エチレングライコール(以下EGと称す)、1,3−プロパンジオール(以下PDOと称す)、1,4−ブタンジオール(以下BDOと称す)、ネオペンチルジオール、1,2−プロピレンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン(以下BHEBと称す)、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート、パラキシレンジオール等を鎖伸長剤とするものである。かかるジオール伸長剤の中で好ましいものとしてはEG、PDO、BDOとBHEBを使用することができる。
【0022】
なお、本発明のポリウレタン繊維の伸長剤は必ずしも1種に限定されるものでなく複数種のジアミンまたはジオールからなる伸長剤が併用されてもよいことはいうまでもないことである。
【0023】
次に末端封鎖剤に述べる。これも公知の脂肪族、脂環族、芳香族アミン、アルコールを用いることができる。代表的なものとしては、ジメチルアミン、ジメチルアミン、エタノール、プロパノール(1−プロパノール、2−プロパノール)、プロピルアルコール等である。
【0024】
そして、本発明のマルチフィラメント弾性糸であるポリウレタンの数平均分子量は、好ましくは1万〜10万、特に好ましくは3万〜8万のものが、強度はもとより、実用においても耐久性が著しく向上するのでよい。
【0025】
かかるポリウレタンのマルチフィラメント弾性糸を収束(引揃え)して、所定のニップ式加熱ローラで加熱押圧して、該マルチフィラメント弾性糸の単糸どうしを融着または圧着して、該マルチフィラメント弾性糸の糸条断面形状を、適宜の形状に変形させ接着させて異形化するものである。この加熱押圧を、任意の形状の溝を有する押圧部材、即ちニップ式加熱ローラでもって行なうことにより、所望の形状に賦型を付すことができる。該ニップ式加熱ローラとして、任意の形状の溝を有するものを使用し、該溝内に該マルチフィラメント弾性糸を収納して押圧することにより、該溝の形状に合せて該マルチフィラメント弾性糸の糸条断面形状を任意の形に異形化することができる。ここで異形とは、偏平形、多角形、星形、馬蹄形、楕円形および半円形から選ばれた少なくとも1種であればよく、すなわち、不定形をも含む形状を意味するものである。
【0026】
本発明によれば、該加熱押圧を、連続的にしたり、また、断続的に実施することにより、変り糸を提供することもできる。また、かかる押圧部材の押圧表面をエンボスのように適宜の形態を有するものを使用すると、その形態が刻印された弾性糸を提供することができる。たとえばギザギザ表面を有する押圧部材で異形化するとギザギザ表面にたとえば偏平弾性糸を提供することができる。つまり、押圧部材の溝の形状はそれぞれ所望の任意の形状を採用することができる。
この加熱押圧の際に付与される加熱は、該ポリウレタンの軟化点以上融点以下の温度である。具体的には、該マルチフィラメントはそれぞれの単糸が軽度に接着して見かけ上1本の糸のようになっているものであるが、この接着が解ける程度の温度から溶融するまでの温度である。たとえば、ポリマによって相違するが、ポリウレタンウレアでは好ましくは170〜250℃、さらに好ましくは200〜230℃程度の温度がよい。かかる加熱方法としては、ニクロム線ヒータや遠赤外線ヒータを用いて弾性糸に非接触で加熱するもの、ホットロールのように直接弾性糸にその表面を接触させて加熱するものなどのいずれでもよい。
【0027】
かかる押圧部材は、その材質は特に限定されないが、軟化、溶融した弾性糸がくっつきにくいシリコンのような材質であることが好ましい。また、押圧部材は、弾性糸の長手方向に対して上下、左右もしくはそれらの組み合せの向きに加圧することができる。
【0028】
たとえば、かかる加熱押圧工程を、該弾性ポリマのマルチフィラメント紡糸工程の紡糸筒下部から巻取装置までの任意の箇所に設定することもできるし、また、既に紡糸されて巻糸体となっているものでも、該巻糸体から繰り出して、再度巻き取るまでの任意の箇所に該加熱押圧工程を設定することもできる。
【0029】
本発明のマルチフィラメント紡糸工程とは、特定の方式に限定されるものではない。乾式紡糸について述べると、紡糸溶液の温度も限定されるものでなく、任意の温度を採用することができる。紡糸溶質の融点や軟化点より高温にすることも特に問題ない。また吐出速度も特に限定されるものでない。さらに口金形状も任意のものが適用される。マルチフィラメントの単糸本数は、口金の穴数を変えることにより、任意の本数にすることが出来る。
【0030】
紡糸溶液はこうした口金から吐出され糸状になり、次に加熱される。加熱は筒からの加熱であっても、加熱ガスによりされてもよい。またこれらの併用であってもよい。熱効率という面から特に好ましいのが加熱ガスと筒を加熱することである。加熱ガスを使用する場合、その供給方式も特に限定されるものでない。
【0031】
なお、筒の形状は特に問われず、円形でも、矩形でも、多角形であってもよく、特に限定されるものでない。
【0032】
加熱ガスは紡糸揮発分の種類により、適宜選択することが好ましい。紡糸揮発分が、揮発性の有機溶剤の時には不活性ガスが主体であることが好ましい。
【0033】
本発明のマルチフィラメント弾性糸は、こうして加熱された繊維が、紡糸筒通過後から巻取装置すなわち巻糸体になる直前の間に、本発明の製造方法を施すことにより、得られるのである。
【0034】
図1は本発明のポリウレタンマルチフィラメント弾性糸を製造するための一実施例を示す概略図である。
【0035】
この例では、マルチフィラメントの異形断面化装置は、巻取体から弾性糸を所定の速度で送出する繰出部1と、繰出された弾性糸を加熱、押圧するための2本ホットプレスロールを有する異形化部2と、異形化した弾性糸を巻き取る巻取部3とにより構成されている。
【0036】
そして、繰出部1は架台に軸受によって取り付けられた第1ローラ4、5と、第1ローラ4、5を回転させる駆動装置6と、架台にブラケットを介して軸受により取り付けられた回転自在のガイドロール7、9と、マルチフィラメントの張力を検出するためのポテンショメータに取り付けられたダンサーロール8により構成されており、第1ローラ4、5上に載置されたマルチフィラメントの巻取物10を回転させて糸を所定の速度で送出する。
【0037】
上述の駆動装置6はプーリとベルト等の回転伝達部材によって、速度制御された電動機の回転を第1ローラ4、5に伝達されるようになっている。
【0038】
そして、異形断面化部2は架台に軸受によって回転自在に取り付けられたガイドロール11、12と、架台上に取り付けられたブラケットと、ブラケットに軸受によって取り付けられたホットプレスロール13と、ホットプレスロール13に平行になるようにブラケットに取り付けられた2本エアーシリンダー15、16に軸受によって取り付けられたホットプレスロール14と、ホットプレスロール13を回転させるための駆動装置17とにより構成されている。
【0039】
上述の駆動装置17はプーリーとベルト等の回転伝達部材によって、回転制御された電動機の回転をホットプレスロール13に伝達される。
【0040】
巻取部3は、本体フレームに軸受によって取り付けられた回転自在のガイドロール18と、ポテンショメータによりマルチフィラメントの張力を検出するためのダンサーロール19と、溝カム方式(図示せず)のトラバースロール20と、ドライブロール21と、糸状物の巻取半径の増加により半円上に移動する本体フレームに軸受によって取り付けられた巻取ロール22とにより構成されている。上述のガイドロール18、ダンサーロール19とトラバースロール20は溝カムにより移動するブラケット上に取り付けてある。また駆動装置23は溝カムとドライブロールにプーリーとベルト等回転部材伝達部材により速度制御された電動機の回転を伝達する。
【0041】
この状態で、繰出部1の第1ローラ4、5上にマルチフィラメントの巻取体10を載置し、巻取体から引き出したマルチフィラメント24をガイドロール7、ダンサーロール8、ガイドロール9、11、12、ホットプレスロール13と14の間、ガイドロール18、ダンサーロール19、トラバースロール20、ドライブロール21を通して巻取ロール22に結びつける。
【0042】
これらの準備ができると第1ローラ4、5を始動させて弾性糸を予め設定された速度で繰出して加熱押圧加工する。
【0043】
上述の弾性糸の繰出しが行われると、ダンサーロール8、19の変位角度をポテンショメーターが検出し、駆動装置6、17、23の制御装置に信号を送り所定の速度で回転する。そして弾性糸24は、異形断面化部2のエアーシリンダー15、16により下降させたホットプレスロール14とホットプレスロール13の間で加熱押圧されて、たとえば偏平に異形化された弾性糸25となり、巻取部3でトラバースロール20、ドライブロール21を介して巻取ロール22に巻き取られる。
【0044】
図2は上述異形断面化装置を紡糸筒下部と巻取部との間に設置し、直接異形断面糸を製造するための一実施例を示す概略図である。
【0045】
この例では、弾性糸37を送り出す既設の紡糸筒26と、それを巻き取る巻取部、それらの間に設置した2本のホットプレスロールを有する異形断面化部27から構成されている。
【0046】
異形断面化部27は図1と同様に、ガイドロール30、31、2本のホットプレスロール33、34、2本のエアーシリンダー35、36、ホットプレスロール32用の駆動装置29と巻取速度の増加に伴い弾性糸に余熱を与えるための遠赤外線を利用したプレヒーター32から構成されている。
【0047】
巻取部28は本体フレームに取り付けられた、それぞれ駆動装置(図示せず)により回転するフィードロール39、40と、溝カム方式(図示せず)のトラバースガイド41と、ドライブロール42と、糸状物の巻取半径のり半円上に移動する本体フレームに軸受けによって取り付けられた巻取ロール43とにより構成されている。
【0048】
上述のトラバースガイド41とドライブロール42はプーリートベルト等伝達部材により速度制御された電動機の回転を伝達される。
【0049】
この状態で、紡糸筒下部26から送り出された弾性糸37をサッカガン等で吸引させながら、ガイドロール30、プレヒーター32、ガイドロール31、ホットプレスロール33と34の間、フィードロール39、40、トラバースガイド41、ドライブロール42を通して巻取ロール43に巻き付ける。
【0050】
これらの準備ができると巻取部28のトラバースガイド41とドライブロール42を駆動させると同時に、異形断面化部27のエアーシリンダー35、36を下降させる。そして弾性糸37は、プレヒーター32で予加熱されホットプレスロール33と34により加熱押圧されて、たとえば偏平に異形化された異形断面糸38となり、巻取部28でトラバースガイド41、ドライブロール42を介して巻取ロール43に巻き取られる。
【0051】
図3は、かかる方法により製造される異形化された各種弾性糸の断面形状を示す模式図の一例(A〜G)であるが、もちろん表面形状もエンボスなどのような刻印模様を有する金型を使用することによって容易に形成することができる。この例からわかるように、偏平状、多角形、星形、馬蹄形、楕円形および半円形から選ばれた少なくとも1種である形状、つまり、これらの複合された形状や該弾性糸の長さ方向に変更される断面形状を有するものや、さらに、組合せによって不定形の形状のものも容易に形成することができるものであって、ここに例示した形状のものに限定されるものではない。また、この例では、単糸の形状は便宜上丸形で表示しているが、もちろん、押圧によって変形している部分を含むものであり、押圧力の大きさによって、その変形度は大きいものであることはいうまでもないことである。
【0052】
図4は、図1のホットプレスロール13に加工した溝の形状の例を示すものである。また、溝の形状はここに例示した形状に限定されるものではなく、図3等の弾性糸の断面形状を得るために適宜形状を選ぶことができる。
【0053】
【実施例】
以下、実施例をあげて、本発明を更に、具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されない。
【0054】
付加比率が1.60になるように、分子量2000ポリテトラメチレンエーテルグライコール2000gとジフェニルメタンジイソシアネート400gを窒素シールされた撹拌容器中に投入し、90℃で反応させ、プレポリマーを得た。次に、このプレポリマー699gをジメチルアセトアミド1288gに溶解し、さらに、プレポリマーに対するモル比が1.05になるように鎖伸張剤としてエチレンジアミン11gと末端封鎖剤としてジエチルアミン1.6gを添加し、80℃で撹拌し、反応させ、ポリウレタン溶液を得た。
【0055】
上記ポリウレタン溶液に、酸化チタン等の改質剤を重量比で6%になるように調整した安定剤を、添加し撹拌した。
【0056】
得られたポリウレタン溶液に含まれるポリウレタンの数平均分子量をGPC法で測定したところ、ポリスチレン換算で約3.8万であった。また、TMA法により、測定したポリウレタンの熱軟化点は170℃であった。
【0057】
上記、ポリウレタン溶液を、50℃に加熱し、孔経(D)=0.20mm、孔長(L)=0.55mm、L/D=2.75の吐出孔を200持つ口金を用いて、単位時間当たり、22.5KG溶液で紡糸筒内に吐出した。
【0058】
紡糸筒内の温度は、加熱温度即ち、紡糸筒の壁面温度は300℃とし、この時の乾燥風は400℃で毎時60KGの窒素ガスを紡糸筒上部から噴出した。
【0059】
得られたポリウレタン糸を、50本毎に紡糸筒下部の収束ガイドに4本の糸束に分糸し、加圧空気により紡糸筒内で収束させた。
【0060】
その際、引取速度は1000m/分、巻取速度は1150m/分、速度比率(巻取速度/引取速度)は1.15で巻き取り840dのポリウレタン糸を得た。
【0061】
得られたポリウレタン糸を本発明の装置(図1〜図2)を用いて、巻取り速度を3m/分、ホットロールの表面温度を220℃で異形断面化した。
この際のホットロールの断面形状は通常の円形であり、連続的に加圧するタイプで、加えた圧力はエアーシリンダーにより20kg/cm3とした。その結果得られた弾性糸は偏平形態を有するものであった(参考例)
【0062】
上述と同じ装置のホットプレスロール13のみを図4のものに取り替え、同条件で加工した結果、図3−Bの形態を有する弾性糸を得た。
【0063】
また紡糸筒下部から本発明の装置を用いて、上述の紡糸条件で、プレヒーターの温度を490℃、ホットロールの表面温度を230℃で異形断面化した。ホットロールの表面形状は通常の円形であり、連続的に加圧するタイプで、加えた圧力はエアーシリンダーにより20kg/cm3とした。その結果得られた弾性糸は図3のような形態を有するものであった。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、柔軟で感触のよい高品質の、実にファッショナブルな弾性糸からなる紐状物を効率的、かつ、安定して、提供することができ、しかも、該紐状物の太さ、変形量、表面形状および断面形状を含め自由に加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、本発明のマルチフィラメント弾性糸の製造方法の一例を示す概略図である。
【図2】この図は、本発明のマルチフィラメント弾性糸の製造方法を用いて、紡糸筒下部から巻取装置までの間に該加熱押圧工程を設置した一例を示す概略図である。
【図3】この図は、本発明のマルチフィラメント弾性糸の製造方法を用いて製造される各種異形断面糸の断面形状を示す模式図の一例である。
【図4】この図は、任意の断面形状を持つマルチフィラメント弾性糸を得るために、本発明の製造方法の一例を示す図1のホットプレスロール13の表面に溝加工した一例である。
【符号の説明】
1:繰出部
2:異形断面化部
3:巻取部
4、5:第1ローラ
8、19:ダンサーロール
7、9、11、12、18:ガイドロール
10:巻取体
6、17、23:駆動装置
13、14:ホットプレスロール
15、16:エアーシリンダー
20:トラバースロール
21:ドライブロール
22:巻取ロール
24:弾性糸
25:異形断面糸
26:紡糸筒下部
27:異形断面化部
28:巻取部
29:駆動部
30、31:ガイドロール
32:プレヒーター
33、34:ホットプレスロール
35、36:エアーシンリンダー
37:弾性糸
38:異形断面糸
39、40:フィードロール
41:トラバースガイド
42:ドライブロール
43:巻取ロール

Claims (6)

  1. ポリウレタンマルチフィラメント弾性糸を、ローラ面を周回する溝が設けられ、ポリウレタンの軟化点以上融点以下の温度に加熱されたニップ式加熱ローラの溝内を通過走行させつつ加熱押圧することにより、マルチフィラメント弾性糸の糸条断面形状を異形化し、かつ単糸どうしを圧着させて異形モノフィラメント状にすることを特徴とするマルチフィラメント弾性糸の製造方法。
  2. ップ式加熱ローラに設けられた溝の断面形状が、マルチフィラメント弾性糸に付与する異形形状である請求項記載のマルチフィラメント弾性糸の製造方法。
  3. 加熱押圧が、断続的に加圧するものである請求項1記載のマルチフィラメント弾性糸の製造方法。
  4. 熱押圧工程が、ポリウレタンマルチフィラメントを紡糸する工程における紡糸筒下部から巻取装置までの任意の箇所に設置されているものである請求項1記載のマルチフィラメント弾性糸の製造方法。
  5. 熱押圧工程が、ポリウレタンマルチフィラメント弾性糸巻糸体から繰り出した後、再度巻き取るまでの任意の箇所に設置されているものである請求項1記載のマルチフィラメント弾性糸の製造方法。
  6. マルチフィラメント弾性糸に加える異形形状が、偏平、多角形、星形、馬蹄形、楕円形および半円形から選ばれた少なくとも1種である請求項1記載のマルチフィラメント弾性糸の製造方法。
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