JPH1068920A - 液晶電気光学素子の製造方法 - Google Patents

液晶電気光学素子の製造方法

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JPH1068920A
JPH1068920A JP12898197A JP12898197A JPH1068920A JP H1068920 A JPH1068920 A JP H1068920A JP 12898197 A JP12898197 A JP 12898197A JP 12898197 A JP12898197 A JP 12898197A JP H1068920 A JPH1068920 A JP H1068920A
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森  薫
Yuichiro Yamada
祐一郎 山田
Norio Yamamoto
典生 山本
Ichiro Kawamura
一朗 河村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無電界時に分子配向が第1の安定状態を示
し、一方の電界方向への電界印加時に分子配向が第1の
安定状態とは異なる第2の安定状態を示し、他方の電界
方向への電界印加時に分子配向が第1及び第2の安定状
態とは異なる第3の安定状態を示す強誘電性液晶を用い
た場合の、液晶電気光学素子の製造を容易にする。 【解決手段】 上記した強誘電性液晶を加熱し等方性液
体として一対の電極基板間に充填し、その後、冷却して
強誘電性液晶をカイラルスメクチック相にし、液晶セル
を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶電気光学装置
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶を用いた電気光学装置としては、D
SM形、TN形、G/H形、STN形などのネマチック
液晶を用いた電気光学装置が開発され実用化されてい
る。しかしながら、このようなネマチック液晶を用いた
ものはいずれも応答速度が数msec から数十msec と極
めて遅いという欠点を有する。
【0003】このような背景の中で、高速応答性を有す
る強誘電性液晶が開発され、強誘電性液晶を用いた高速
電気光学装置が既にいくつか提案されている。例えば、
特開昭56−107216号公報に示すように、壁面の
力でねじれ構造を解き壁面と平行となった2つの分子配
向を印加電界の極性により変化させるもの、あるいは特
開昭60−195521号公報に示すように、印加電界
の極性反転時に起こる過渡的な分子散乱状態を利用した
ものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
強誘電性液晶では、無電界時における明暗コントラスト
のはっきりした安定な分子配向を実現する点、および明
確な閾値特性を出現させるという点で問題がある。本発
明者等は、このような問題について鋭意研究した結果、
後述するような構造式を有する強誘電性液晶を開発し
た。この強誘電性液晶においては、無電界時に分子配向
が第1の安定状態を示し、一方の電界方向への電界印加
時に分子配向が第1の安定状態とは異なる第2の安定状
態を示し、他方の電界方向への電界印加時に分子配向が
第1及び第2の安定状態とは異なる第3の安定状態を示
すものである。
【0005】本発明はこのような強誘電性液晶を用いた
液晶電気光学素子の製造を容易にすることを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明においては、上記した強誘電
性液晶を加熱し等方性液体として一対の電極基板間に充
填し、その後、冷却して強誘電性液晶をカイラルスメク
チック相にすることを特徴としている。このように強誘
電性液晶を加熱して等方性液体とすることにより、電極
基板間への充填を行いやすくすることができ、この充填
後の冷却にて、強誘電性液晶をカイラルスメクチック相
にして、上記所望の3状態を有する液晶とすることがで
きる。
【0007】なお、その冷却としては、請求項2に記載
の発明のように、毎分0.1〜1.0℃の割合にて行う
ことが望ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態である
液晶電気光学装置の構造を示すものである。例えば2μ
mの間隔に隔てられ、互いに平行に配置された2枚の電
極基板1、2の間に、自発分極が少なくとも50nC/
cm2 以上の強誘電性液晶材料6を密封する。強誘電性
液晶材料としては化1に示す構造式の液晶材料(TFM
HPOBC)を挙げることができる。
【0009】
【化1】
【0010】〔4−(1−riluoro ethyl epty
loxycarbonyl)henyl 4’−ctyloxy iphenyl −
4−arboxylate〕 電極基板1は、図1のごとく透明状のガラスあるいは樹
脂の透明基板1cの内側表面に沿い酸化インジウムある
いは酸化すずなどの透明状の導電膜よりなる電極1aを
形成してある。もう一方の電極基板2についても同様の
構成となっている。
【0011】導電膜の透明電極1a、2aの内側表面に
は、液晶分子を基板と平行にそろえるための配向処理が
施された高分子膜の配向膜1b、2bが配置されてい
る。また、このほかにも電極基板へのラビング処理、あ
るいは、表面への酸化けい素等の斜め蒸着、あるいは、
界面活性剤による処理などの一般に液晶を配向させるも
のが適用できる。
【0012】この電極基板1、2は液晶が一方向に並ぶ
ように平行に組み合わされる。その後、化1式の強誘電
性液晶材料を加熱して等方性液体として、毛細管現象を
利用して電極基板1、2間に注入した後、液晶セル全体
を毎分0.1〜1.0℃にて徐冷し、カイラルスメクチ
ックC相まで冷却する。このような冷却の結果、カイラ
ルスメクチックC相となった強誘電性液晶分子20は、
液晶分子自身の大きな分極と液晶の持つ秩序のため図2
(a)のように配向する。
【0013】なお、電極基板1、2の外側の偏光板4、
5は直交するよう配置されている。さらに、この偏光板
の偏光子(P)と無電界時の液晶分子長軸方向が0゜
(180゜)の角度をなすようにする。透明電極1a、
2aには駆動回路を含む外部電源3が接続されており、
液晶には、後述するような電圧波形が印加されるように
なっている。
【0014】次に、上記装置の作動を図2(a)、
(b)、(c)を用いて説明する。ここで、各左図は装
置の平面方向の図、各右図は側面方向の図を示す。無電
界時、基板1、2間の液晶分子20は、スメクチック層
10の法線方向にそろい、図2(a)に示す配向状態を
示す。このとき、液晶分子の自発分極は本装置(セル)
の上半分で左方向(または右方向)、下半分で右方向
(または左方向)を向き、即ち、強誘電性液晶分子が動
くコーン上で説明すれば(図2(a)右図)、セルの上
半分では、分子がコーンの上方(または下方)、下半分
ではコーンの下方(または上方)に位置し、セル厚方向
での自発分極の積算値はゼロになる。
【0015】次に、紙面表側から裏側へ液晶分子が回転
するのに十分な電界を印加すると、液晶分子の自発分極
方向30が電界方向40にそろう。これに伴い、液晶分
子は図2(b)のように再配向する。このとき、液晶分
子は層法線方向に対しチルト角θをなす。ちなみに化1
式の強誘電性液晶材料のチルト角は70℃から110℃
の温度範囲内で10℃から31℃を示す。
【0016】次に、紙面裏側から表側へ液晶分子が回転
するのに十分な電界を印加すると、自発分極30は、電
界方向40にそろう。これに伴い、液晶分子は図2
(c)のように再配向する。このとき、液晶分子は層法
線方向から−θのチルト角をなす。このように印加電界
の極性と大きさにより液晶の光学軸を3状態に変化させ
ることができる。
【0017】このような3状態を有する液晶を、一対の
偏光板4、5間に挟むことにより、電気光学装置として
用いることができる。例えば、図2(a)に示すよう
に、偏光板の偏光子(P)と液晶分子長軸方向が0°の
角度をなすように設置する。この状態で偏光子(P)を
通り抜けた直線偏光は、液晶を通り抜けるが検光子
(A)で遮られ、暗状態となる。
【0018】また、紙面表側から裏側へ電界を印加した
図2(b)の場合、偏光子(P)を通り抜けた光は、液
晶の持つ複屈折効果により一般に楕円偏光となる。この
光の成分は、検光子(A)を通り抜けるため、明状態と
なる。また、紙面裏側から表側へ電界を印加した図2
(c)の場合、偏光子(P)を通り抜けた光は、液晶の
持つ複屈折効果により一般に楕円偏光となる。この光の
成分も、検光子(A)を通り抜けるため、明状態とな
る。
【0019】次に、本装置の電圧−透過率曲線について
説明する。偏光子(P)の偏光軸と無電界時の分子長軸
方向が0°となるように設置し、閾値としては輝度が相
対的に10%変化する時の電圧とする。図3は測定に用
いた電圧波形を示し、印加パルス幅は1msec であり、
一定の周期で繰り返し印加されている。この時の光学応
答を図4に示す。無電界時は暗状態であるが、電圧が印
加されている間は明状態となっていることがわかる。
【0020】この電界が印加されている時の光透過率を
電圧に対しプロットしたものを図5に示す。電圧を0
(V)から増加して行くと、閾値1をすぎ急激に暗状態
から明状態へと変化するが、その後一定になる。次に、
電圧を減少させて行くと、電圧増加時の閾値1をすぎて
から、閾値2で明状態から暗状態へと変化している。
【0021】さらに、電圧を減少させて行くと、再び閾
値3をすぎ、暗状態から明状態へ変化するが、その後一
定になる。次に、電圧を増加させて行くと、電圧減少時
の閾値3をすぎてから、閾値4で明状態から暗状態へと
変化していることがわかる。このように、明確な閾値
と、大きなヒステリシスが存在する。次に、化1式の強
誘電性液晶材料を用いての、本装置の応答速度の温度依
存性を測定した。応答速度の定義としては電圧印加後、
光透過率が90%まで変化するのに要する時間とした。
測定電圧波形としては、10Hzの方形波で電圧は30
(V)である。図6に応答速度の温度依存性を示す。μ
sec 域の高速応答を示している。
【0022】さらに、液晶分子の配向性については、無
電界時に従来の強誘電性液晶で観察されたツイスト状態
は観察されず、安定な1つの配向状態のみ観察された。
一度冷却して結晶状態にした後、温度を上昇させてカイ
ラルスメクチックC相としても前のカイラルスメクチッ
クC相の配向が再現できる。なお、上記実施形態におい
ては、偏光板の偏光子(P)と無電界時の分子長軸方向
とが0°(180°)の角度をなす構成としたが、例え
ば、22.5°、45°、もしくは90°の角度をなす
構成のものとしても良く、例えば22.5°の場合、電
界印加時、一方の電界方向で暗状態を示し、もう一方の
電界方向で明状態を示し、無電界時にはその中間状態を
示すこととなる。
【0023】この構成(22.5°)で、三状態の分子
配向を三角波電圧に対する透過率と分極反転電流により
確認した。測定に用いた電圧波形は、±30(V)、1
0(Hz)の三角波電圧である。この波形を印加した時の
2つの温度における透過率と分極反転電流を図7及び図
8に示す。図中の(a)は印加電圧波形、(b)は透過
率、(c)は分極反転電流波形を示す。透過率(b)に
ついては、マイナス域での暗状態、0ボルト域での中間
明状態、プラス域での明状態とはっきり現れている。分
極反転電流(c)については、前記の状態変化に対応し
て分極反転電流波形のピークがそれぞれ現れていること
がわかる。
【0024】また、電極基板1、2において、図9に示
すように、各々ストライプ状の透明電極1a、2aを複
数本平行に形成し、これら基板1と基板2の電極が互い
に直交するように配置し、電極にはダイナミックに駆動
が行えるような回路を含む外部電源を接続してマトリッ
クス形表示装置を形成して、前記の電圧−透過率曲線で
示したヒステリシス特性を利用した駆動を行うこともで
きる。
【0025】ここで、ダイナミック駆動法の線順次方法
について説明する。一例として、1/3バイアス法を図
10を用いて説明する。Xは線順次走査される電極(走
査電極)を、Yは信号電圧が印加される電極(信号電
極)を示す。○印の所が表示させる点(選択点)を示
し、印のない所は、表示を保持する点(非選択点)を示
す。走査電極において選択される電極には+2Vを印加
し、非選択される電極には0Vを印加する。信号電極側
においては選択電極に−1Vを、非選択電極には+1V
を印加する。このように選択点には3Vの電圧が印加さ
れることとなり、それ以外の非選択点に−1Vか+1V
が印加されることとなる。
【0026】このようにダイナミック駆動を行う場合、
非選択点にもバイアス電圧が印加されるため、非選択点
に印加される電圧閾域以下である事が必要となる。ま
た、非選択点に印加される電圧を図5の閾値1と閾値2
の間にとり、暗表示させる点には閾値2から3の間の電
圧をとり、明表示させる点に印加する電圧を閾値1より
高くとるようにすれば、コントラスト比が高く、表示保
持も可能なダイナミック駆動が容易にできる。
【0027】なお、本発明は背面からの照明によって表
示する透過型に限らず、全面からの光を反射する反射型
にも適用できる。ところで、本発明の装置に用いる大き
な自発分極を有する液晶材料としては、次の構造式のも
の(TFMNPOBC)を用いることもできる。
【0028】
【化2】
【0029】〔4−(1−riluoro ethyl onyl
oxy carbonyl)henyl 4’−ctyloxy iphenyl −
4−arboxylate〕 この液晶材料に三角波電圧(±30V、10Hz)を印加
したときの透過率特性及び分極反転電流特性を図11に
示し、前述の液晶材料と同様の3状態を示している。
【0030】また、他の大きな自発分極を有する液晶材
料としては、次の構造式のもの(MHPOBC)を用い
ることもできる。
【0031】
【化3】
【0032】〔4−(1−ethyl eptyloxy carbony
l )henyl 4’−ctyloxyiphenyl −4−arbox
ylate〕 この液晶材料に同じく上記三角波電圧を印加したときの
透過率特性及び分極反転電流特性を図12に示し、前述
の3状態が得られている。次に、上記3つの液晶材料に
ついて、透過率の3状態が出現する自発分極Psの値を
調べたのが図13である。3種類の液晶とも、50数
(nC/cm2 )以上の大きな自発分極を持つとき3状
態を示している。なお、自発分極の測定法は、一般的な
三角波法を用いた。
【0033】さらに、上記3つの液晶材料に加えて他の
液晶材料としては、次の構造式のもの(TFMHB2F
DB)を用いることができる。
【0034】
【化4】
【0035】〔4−(1−riluoro ethyl epty
loxy carbonyl )−4’−iphenylluoro −4
ecyloxy enzoate 〕 この化合物の相転移を示差熱分折(DSC)と偏光顕微
鏡下のテクスチャー観察により測定した結果次の様にな
った。 ここで、Cry;結晶相、SmC* ;カイラルスメクチッ
クC相(強誘電性液晶相)、SmA;スメクチックA
相、I:等方性液体相を示す。
【0036】この化合物の強誘電性スメクチック相での
自発分極を一般的な三角波法を用いて測定したところ、
図14に示す特性が得られた。また、前述の3状態の出
現は強誘電性スメクチック相全域に渡り、即ち、自発分
極の大きさでは4〔nC/cm2 〕程度から80〔nC
/cm2 〕程度の範囲に渡っている。なお、図15は5
5℃で三角波電圧(a)を印加した時の透過率特性
(b)及び分極反転特性(c)を示したものであり、前
述の3状態を示していることがわかる。
【0037】また、強誘電性スメクチック相温度範囲の
室温化及びその拡大のため上記4種類の化合物のうち、
TFMHPOBC、MHPOBC、TFMHB2FDB
の3種類を次に示す比率で混合し、 TFMHPOBC …… 20% MHPOBC …… 46% TFMHB2FDB …… 34% 相転移を示差熱分折(DSC)と偏光顕微鏡により測定
したところ次の結果が得られた。
【0038】 この混合物を液晶セルに封入し、三角波電圧を印加した
ときの透過率特性及び分極反転電流を測定し、前記3状
態の出現を調べたところ、強誘電性スメクチック相温度
範囲全域で前記3状態が観察された。
【0039】また、図16は本発明の他の実施形態であ
る液晶電気光学装置の構造を示すものである。本実施形
態においては、例えば2μmの間隔に隔てられ、互いに
平行に配置された2枚の電極基板1、2の間に、自発分
極が少なくとも50nC/cm2 以上の強誘電性液晶材
料に二色性色素を溶解したもの6’を密封している。強
誘電性液晶材料としては、例えば前述の4つの液晶材料
(TFMHPOBC、TFMNPOBC、MHPOB
C、TFMHB2FDB)を挙げることができる。ま
た、二色性色素としては、例えば三井東圧社製S−33
4(アゾ系黒色二色性色素)を用いており、そして強誘
電性液晶を等方性液体相に加熱し、2wt%の前記二色
性色素を添加し、溶解している。その後、毛細管減少を
利用して電極基板1、2間に注入した後、液晶セル全体
を毎分0.1〜1.0℃にて徐冷し、カイラルスメクチ
ックC相まで冷却する。このような冷却の結果、カイラ
ルスメクチックC相となった強誘電性液晶分子20は、
液晶分子自身の大きな分極と液晶の持つ秩序のため図1
7(a)のように配向する。
【0040】なお、本実施形態においては、電極基板2
の外側にのみ偏光板5が配置されている。さらに、この
偏光板の偏光子(P)と無電界時の液晶分子長軸方向が
0°(180°)の角度をなすようにする。透明電極1
a、2aには駆動回路を含む外部電源3が接続されてお
り、液晶に前述したような電圧波形が印加されるように
なっている。
【0041】次に上記構成になる装置の作動を図17
(a)、(b)、(c)を用いて説明する。ここで、各
左図は装置の平面方向の図、各右図は側面方向の図を示
す。無電界時、基板1、2間の液晶分子20は、スメク
チック層10の法線方向にそろい、図17(a)に示す
配向状態を示す。このとき、液晶分子の自発分極は本装
置(セル)の上半分で左方向(または右方向)、下半分
で右方向(または左方向)を向き、即ち、強誘電性液晶
分子が動くコーン上で説明すれば(図17(a)右
図)、セルの上半分では、分子がコーンの上方(または
下方)、下半分ではコーンの下方(または上方)に位置
し、セル厚方向での自発分極の積算値はゼロになる。こ
のとき、二色性色素21は液晶分子20の中に分散した
形になり、液晶分子20の長軸方向と同一方向を向く事
になる。
【0042】次に、紙面表側から裏側へ液晶分子が回転
するのに十分な電界を印加すると、液晶分子の自発分極
方向30が電界方向40にそろう。これに伴い、液晶分
子は図17(b)のように再配向する。このとき、液晶
分子は層法線方向に対しチルト角θをなす。ちなみに化
1式の強誘電性液晶材料に2色性色素を溶解したものの
チルト角は70℃から110℃の温度範囲内で10°か
ら31°を示す。この場合も、二色性色素21は、液晶
分子20の動きに従って動く。
【0043】次に、紙面裏側から表側へ液晶分子が回転
するのに十分な電界を印加すると、自発分極30は、電
界方向40にそろう。これに伴い、液晶分子は図2
(c)のように再配向する。このとき、液晶分子は層法
線方向から−θのチルト角をなす。この場合も、二色性
色素21は、液晶分子20の動きに従って動く。このよ
うに印加電界の極性と大きさにより液晶の光学軸を3状
態に変化させることができる。
【0044】このような3状態を有する液晶に偏光板5
を付設することにより、電気光学装置として用いること
ができる。例えば、図17(a)に示すように、偏光板
の偏光子(P)と液晶分子長軸方向が0°の角度をなす
ように配置する。この状態で偏光子(P)を通り抜けた
直線偏光はその偏光方向が二色性色素の吸収軸と一致
し、吸収されるため、暗状態となる。
【0045】また、紙面表側から裏側へ電界を印加した
図17(b)の場合、及び紙面裏側から表側へ電界を印
加した図17(c)の場合、偏光子(P)通り抜けた直
線偏光は、その偏光方向と、二色性色素の吸収軸が一致
しないため、光が透過し、明状態となる。なお、偏光板
5は電極基板1の外側に付設しても良い。なお、本実施
形態における光学応答、光透過率、応答速度の温度依存
性、および液晶分子の配向性等については、前記の実施
形態と実質的に同一である。
【0046】なお、本実施形態においては、偏光板の偏
光子(P)と無電界時の分子長軸方向(二色性色素分子
長軸方向)とが0°(180°)の角度をなす構成とし
たが、例えば、45°、もしくは90°の角度をなす構
成のものとしても良く、例えば90°の場合電界印加
時、一方の電界方向で暗状態を示し、もう一方の電界方
向で明状態を示し、無電界時にはその中間状態を示し2
段階の階調表示が可能となる。
【0047】また、二色性色素は、アゾ系の二色性色素
に限らず、耐光性の良好なアントラキノン系の二色性色
素も用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す液晶電気光学装置の
構成図である。
【図2】(a)、(b)、(C)は図1に示す装置にお
ける液晶分子の配向状態を示す図である。
【図3】液晶の電圧と透過率の関係の測定に用いる電圧
波形図である。
【図4】液晶に図3の電圧を印加したときの透過率の変
化を示す図である。
【図5】液晶の電圧と透過率の関係を示す図である。
【図6】液晶の応答速度と温度との関係を示す特性図で
ある。
【図7】三角波電圧に対する透過率と分極反転電流を示
す図である。
【図8】図7に示すものとは異なる温度における三角波
電圧に対する透過率と分極反転電流を示す図である。
【図9】本発明の液晶電気光学装置の他の構成を示す図
である。
【図10】ダイナミック駆動法の説明に供する説明図で
ある。
【図11】他の液晶材料における三角波電圧に対する透
過率と分極反転電流を示す図である。
【図12】さらに他の液晶材料における三角波電圧に対
する透過率と分極反転電流を示す図である。
【図13】3つの液晶材料に対する透過率の3状態が出
現する自発分極の値を示す図である。
【図14】さらに他の液晶材料における自発分極の温度
依存性を示す図である。
【図15】図14に示す液晶における三角波電圧に対す
る透過率と分極反転電流を示す図である。
【図16】本発明の他の実施形態を示す液晶電気光学装
置の構成図である。
【図17】図16に示す装置における液晶分子の配向状
態を示す図である。
【符号の説明】
1、2…電極基板、1a、2a…透明電極、1b、2b
…配向膜、1c、2c…透明基板、4、5…偏光板、
6、6’…強誘電性液晶、10…スメクチック層、20
…液晶分子、21…二色性色素、30…自発分極方向、
40…電界方向、50…偏光方向。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 典生 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 河村 一朗 東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 昭 和シェル石油株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無電界時に分子配向が第1の安定状態を
    示し、一方の電界方向への電界印加時に分子配向が前記
    第1の安定状態とは異なる第2の安定状態を示し、他方
    の電界方向への電界印加時に分子配向が前記第1及び第
    2の安定状態とは異なる第3の安定状態を示す強誘電性
    液晶(6)を、一対の電極基板(1、2)間に有してな
    る液晶電気光学素子の製造方法において、 前記強誘電性液晶を加熱し等方性液体として前記一対の
    電極基板間に充填し、その後、冷却して前記強誘電性液
    晶をカイラルスメクチック相にすることを特徴とする液
    晶電気光学装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記冷却を毎分0.1〜1.0℃の割合
    にて行うことを特徴とする請求項1に記載の液晶電気光
    学装置の製造方法。
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