JPH1065A - 揚げ物用衣材とそれを用いた揚げ物及びそれらを用いた電子レンジ再加熱用揚げ物の冷凍食品 - Google Patents

揚げ物用衣材とそれを用いた揚げ物及びそれらを用いた電子レンジ再加熱用揚げ物の冷凍食品

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JPH1065A
JPH1065A JP8155547A JP15554796A JPH1065A JP H1065 A JPH1065 A JP H1065A JP 8155547 A JP8155547 A JP 8155547A JP 15554796 A JP15554796 A JP 15554796A JP H1065 A JPH1065 A JP H1065A
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chitosan
fried
fried food
bread
flour
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JP8155547A
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Inventor
Kunimitsu Asakura
国満 朝倉
Noriko Hamada
紀子 浜田
Takeshi Okago
健 尾籠
Hiroshi Hirahara
弘志 平原
Yasutaka Kumano
康孝 熊野
Masahatsu Saka
真初 坂
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Nichiro Corp
Original Assignee
Nichiro Corp
Nichiro Gyogyo Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、キトサンの微粒子が混在するよう
固定化した揚げ物用衣材とこれを使用した揚げ物に関
し、油ちょう後、長時間経過しても衣のクリスピー感が
良好に維持できるようにしたものである。 【構成】 キトサンの微粒子の外周に、小麦粉等を主体
とする組成物をコ−ティングしたうえ、加熱処理を施し
てなる揚げ物用衣材と、それを揚げ物表面に被覆してな
る揚げ物、又は小麦粉を主体とした殻粉100(重量
部)にキトサンの微粒子を0.1〜3.0(重量部)を
混入したものに、水と、イースト菌または膨化剤を混入
して練り上げた生地でパンを焼成したうえ、これを粉砕
してキトサン入りパン粉にしたことを特徴とする揚げ物
用衣材と、その揚げ物用衣材を揚げ物表面に被覆したこ
とを特徴とする揚げ物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キトサンの微粒子が混
在するよう固定化した揚げ物用衣材とこれを使用した揚
げ物に関し、油ちょう後、長時間経過しても衣のクリス
ピー感が良好に維持できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】近年は、低温流通システム(コールドチ
ェーン)の発達と普及、外食産業におけるセントラルキ
ッチンシステムの発達と普及、デリカ食品の普及、電子
レンジ対応食品の普及などに伴い、調理済加工食品、半
調理済加工食品、これらの冷凍食品、チルド食品、半調
理済業務用食品が市場に多種多様に出回るようになっ
た。これらの食品は、調理加工後に流通の場におかれる
など、調理してから長時間が経過した後に食される環境
にある。一般に食品は、新鮮な材料を調理した直後に食
するのが美味しいとされており、時間が経過するにした
がって美味しさが低下するものである。フライ、天ぷ
ら、コロッケ、トンカツなど、衣付揚げ物もその例外で
はない。当該衣付揚げ物の美味しさは、中種を衣で被覆
して中種のエキスと香りを保存することと、衣の香ばし
さとそのクリスピー感にある。しかし、時間が経過する
と、酸化や油焼けなどを起こしたり、水分や油がしみ出
すなどして、品質が劣化し、クリスピー感が劣化するの
が普通である。特に、近年電子レンジで再加熱して食べ
ることができる電子レンジ対応の調理済冷凍食品におい
ては、その再加熱過程や冷凍過程で中種から表面に水分
が浸出し易く、湿り気を帯びて衣のクリスピー感が著し
く失われる欠点がある。
【0003】このような衣を付けて油で揚げている油ち
ょう済冷凍食品の技術課題である衣のクリスピー感を保
持するために、多方面で研究開発がおこなわれている。
例えば、具に増粘剤や粘性を呈する蛋白質をまぶして膨
潤する(特開平3−39053号)、衣層を熱風乾燥す
る(特開平4−12150号)、衣および追種を半揚げ
状態にして冷凍する(特開平5−49412号)、乳化
剤と油脂を添加する(特開昭63−276452号)、
レシチン又は/及びモノグリセリン脂肪酸エステルを含
有するバター液を付着する(特開平1−281041
号)、精白したもろこし粉を含有する(特公平1−62
31号)、食用繊維素材を微粉砕し、造粒したものが添
加する(特公平6−4013号)などである。しかし、
これらはそれなりに効果があるが、満足すべきものには
なっていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者も、フライな
どの、衣を付けて油で揚げ物とする冷凍食品、特に電子
レンジ再加熱用フライ類の技術課題であるクリスピー感
を長時間保持するための研究を鋭意行った。その結果、
「クラムの中心に微粒子のキトサンを配し、その外周
に、小麦粉等を主体とする組成物をコ−ティングし、さ
らに加熱処理を施した揚げ物用衣材は、これを中種の表
面に付着して油ちょうすると、そのままでも冷凍しても
長時間経過しても衣のクリスピー感を保持することがで
きる。また特に電子レンジによる再加熱をしてもクリス
ピー感を維持し、澱粉の老化による食感や風味が良好と
なること。」という技術的知見を見出した。発明者ら
は、このような新たに見出した技術的知見に基づいて本
発明をしたものである。
【0005】
【問題を解決しようとする手段】特許を受けようとする
第1発明は、キトサンの微粒子の外周に、小麦粉等を主
体とする組成物をコーティングし、加熱処理を施してな
る揚げ物用衣材である。
【0006】本発明で用いるキトサンとは、動物におい
ては主として節足動物たるエビやカニの甲殻の構成成分
としてあるキチン、即ちN−アセチル−D−グルコミサ
ンが多数結合した多糖類のアセチル基を取り除いたもの
である。キトサンは、セルロース様の構造を持つ食物繊
維であり、血中のコレステロール改善作用、整腸作用、
血圧調整作用などの生理作用を有する。そして、キトサ
ンは、水、アルカリ性水溶液、有機溶媒には不要である
が、希酸(塩酸、硝酸など)や有機酸(酢酸、乳酸、蟻
酸、アスコルビン酸、リンゴ酸など)水溶液に溶解し、
クエン酸、酒石酸などの多価有機水溶液には高温で溶解
し、低温でゲル化する性質を有している。また、このキ
トサンの有機酸水溶液は、抗菌性があるので保存料とし
て利用でき、増粘安定剤、粉末乾燥成分の流動性の改
良、嵩の増加、テクスチャー改善などの用途もある。
【0007】キトサン微粒子の周囲に配する小麦粉等を
主体とする組成物は、その本来の組成に応じて調整す
る。その際、調整した組成物をキトサン微粒子の周囲に
配するに際し、塗布等の処理を行なった後に焼成しても
よいし、組成物の中に、キトサンの微粒子を均一に分散
させ、焼成した後、破砕するようにしてもよい。クラム
素材をパン粉により組成物を製造する場合には、パン生
地の仕込み方法には直捏法と中種法があり、焼成方法に
は焙焼式と電極式があり、また、焼成直後の高温多湿の
パンをある程度老化させる方法には常温放置、冷蔵除
湿、強制除湿のそれぞれの方法がある。本発明に用いら
れる組成物はクラムの素材としては、パン粉の他にクラ
ッカ−粉、天かすなどが考えられる。
【0008】このようにキトサン微粒子の外周に、小麦
粉等を主体とする組成物をコーティングし、加熱処理を
施すことにより、キトサンの凝集作用により、クラム中
の蛋白質が凝集し、焼成に際しておこるクロスリンクを
密にし、クラム自身の物理的構造を強化するとともに、
耐水性を付与し、クラムの中心まで水が浸透することを
阻害する。また、澱粉の老化も抑えられることにより、
当該クラムは電子レンジなどで再加熱しても、油ちょう
時のクリスピー感のある食感を維持することが可能とな
った。すなわち、これを用いて作られた油ちょう食品
は、電子レンジ等で加熱してもその衣の食感が非常に好
ましいものとなることが判明した。
【0009】特許を受けようとする第2発明は、小麦粉
を主体とした殻粉100(重量部)にキトサンの微粒子
を0.1〜3.0(重量部)を混入したものに、水と、
イースト菌または膨化剤を混入して練り上げた生地でパ
ンを焼成したうえ、これを粉砕してキトサン入りパン粉
にしたことを特徴とする揚げ物用衣材である。
【0010】この発明は上記第1の発明における揚げ物
用衣材の配合割合を特定すると共に、混練したパン生地
を焼成して粉砕することにより揚げ物用衣材とした発明
である。キトサン微粒子の配合割合が小麦粉等を主体と
する組成物に対して0.1%以下であるとキトサンの性
質としての凝集作用に充分な効果が得られなくなる。ま
た、3.0%以上であると、グルテン形成に障害をきた
し、パン焼成が不良となる問題を有している。なお、品
質効果や経済的な実現性等の点から0.3〜0.5%程
度であることが望ましい。ここで用いるキトサンの粘度
は、0.5%の酢酸に0.5%のキトサンを溶解して3
88Poisとし、35メッシュパスで、425μm 以下の
粒度であり、キトサンの外観は、白色〜淡黄色の微粒子
として用いる。
【0011】特許を受けようとする第3発明は、キトサ
ンの微粒子の外周に、小麦粉を主体とする組成物をコー
ティングし、加熱処理を施してなる揚げ物用衣材を、揚
げ物表面に被覆してなる揚げ物である。
【0012】この発明は前記第1の発明による揚げ物用
衣材を用いて揚げ物表面に被覆してなる揚げ物の発明で
ある。本発明においては、揚げ物表面が揚げ物用衣材で
被覆されているために、キトサンの凝集作用により、ク
ラム中の蛋白質が凝集し、クラム自身の物理的構造を強
化するとともに、耐水性を付与し、クラムの中心まで水
が浸透することを阻害する効果を有する。また、クラム
中の澱粉の老化も抑えらることにより、当該クラムは電
子レンジなどで再加熱しても、油ちょう時のクリスピー
感のある食感を維持することが可能となる。
【0013】特許を受けようとする第4発明は、小麦粉
を主体とした殻粉100(重量部)にキトサンの微粒子
を0.1〜3.0(重量部)を混入したものに、水と、
イースト菌または膨化剤を混入して練り上げた生地でパ
ンを焼成したうえ、これを粉砕してキトサン入りパン粉
にした揚げ物用衣材を、揚げ物表面に被覆したことを特
徴とする揚げ物である。この発明は前記第2の発明によ
る揚げ物用衣材を用いて揚げ物表面に被覆してなる揚げ
物の発明である。
【0014】特許を受けようとする第5発明は、キトサ
ンの微粒子の外周に、小麦粉を主体とする組成物をコ−
ティングし、加熱処理を施してなる揚げ物用衣材を、揚
げ物表面に被覆してなる衣の内側および/または外側に
付着させたうえ油ちょうし、その後冷凍したことを特徴
とする電子レンジ再加熱用揚げ物の冷凍食品である。
【0015】この発明は前記第1発明の揚げ物用衣材を
用いて揚げ物表面に被覆してなるもので、衣の内側およ
び/または外側に付着させたうえ油ちょうし、その後冷
凍した電子レンジ再加熱用揚げ物の冷凍食品としたもの
である。
【0016】特許を受けようとする第6発明は、小麦粉
を主体とした殻粉100(重量部)にキトサンの微粒子
を0.1〜3.0(重量部)を混入したものに、水と、
イースト菌または膨化剤を混入して練り上げた生地でパ
ンを焼成したうえ、これを粉砕してキトサン入りパン粉
にした揚げ物用衣材を、揚げ物表面に被覆してなる衣の
内側および/または外側に付着させたうえ油ちょうし、
その後冷凍したことを特徴とする電子レンジ再加熱用揚
げ物の冷凍食品である。
【0017】この発明は前記第2発明で特定した配合割
合の揚げ物用衣材をパン粉にした揚げ物用衣材を用いて
揚げ物表面に被覆してなるもので、衣の内側および/ま
たは外側に付着させたうえ油ちょうし、その後冷凍した
電子レンジ再加熱用揚げ物の冷凍食品としたものであ
る。
【0018】ここで、電子レンジ再加熱用揚げ物の冷凍
食品というのは、製造段階で中種に揚げ物用衣材を被覆
した上、油ちょうする段階まで調理加工し、この油ちょ
う済の衣付食品を凍結して流通させ、消費者には喫食直
前にオーブントースターや電子レンジ等で加熱するだけ
で喫食させる方式の食品である。冷凍食品としては、農
産加工品、畜産加工品、水産加工品等の各種フライ類の
他に、各種コロッケ類、各種カツ類、各種てんぷら類等
を含むものである。
【0019】キトサンの有機酸水溶液は、抗菌性を有す
るので保存料として利用できる他に、増粘安定剤、粉末
乾燥成分の流動性の改良、嵩の増加、テクスチャー改善
などの用途がある。このような性質を有するキトサンの
微粒子の外周に、小麦粉を主体とする組成物をコーティ
ングし、加熱処理を施してなる揚げ物用衣材を、揚げ物
表面に被覆して用いることにより、キトサンの凝集作用
により、クラム中の蛋白質が凝集し、焼成に際しておこ
るクロスリンクを密にし、クラム自身の物理的構造を強
化するとともに、耐水性を付与し、クラムの中心まで水
が浸透することを阻害する効果を有すると共に、クラム
中の澱粉の老化も抑えらることにより、当該クラムは電
子レンジなどで再加熱しても、油ちょう時のクリスピー
感のある食感を維持することが可能となる。すなわち、
これを用いて作られた油ちょう食品は、電子レンジ等で
加熱してもその衣の食感が非常に好ましいものとなるこ
とが判明した。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
する。 <実施例1>揚げ物用衣材の実施例としてまず、組成物
をコーティングする微粒子のキトサンの原料として油ガ
ニ脚殻由来のキトサンを用意した。このキトサンは水分
が4.2%、灰分が0.3%、蛋白質が0.02%、脱
アセチル化度が85.9%のもので、外観上は淡黄色が
かった白色である。0.5%酢酸に本キトサンを0.5
%溶解した時の粘度は388Poisとなった。このキトサ
ンを粉砕機で粉砕し、微粒化した。その粒度は、35メ
ッシュパスのふるいを通過する、425μm 以下になる
ように調整した。
【0021】<実験例2>揚げ物用衣材の実施例とし
て、小麦粉などを主体とする組成物であるパン粉を製造
した。 試料1(本発明品) 10Kgの小麦粉に対し、実施例
1のキトサン微粒子40gを加え、さらにイ−スト菌、
膨化剤、食塩、砂糖などを加えて混練し、生地温度が約
30度になるまで5分間ミキシングを行い、約1時間発
酵させた後、180℃で50分間オプン加熱を行ってパ
ンとなし、さらに粉砕してなるパン粉。 試料2(対照品) 10Kgの小麦粉にイ−スト菌、膨化
剤、食塩、砂糖などを加えて混練し、生地温度が約30
度になるまで5分間ミキシングを行い、約1時間発酵さ
せた後、180℃で50分間オ−プン加熱を行いパンと
なし、さらに粉砕してなるパン粉。 試料3(比較例1) 10Kgの小麦粉に実施例1のキト
サン微粒子8gを加え、さらにイ−スト菌、膨化剤、食
塩、砂糖などを加えて混練し、生地温度が約30度にな
るまで5分間ミキシングを行い、約1時間発酵させた
後、180℃で50分間オ−プン加熱を行ってパンとな
し、さらに粉砕してなるパン粉。 試料4(比較例2) 10Kgの小麦粉に実施例1のキ
トサン微粒子400gを加え、さらにイ−スト菌、膨化
剤、食塩、砂糖などを加えて混練し、生地温度が約30
度になるまで5分間ミキシングを行い、約1時間発酵さ
せた後、180℃で50分間オ−プン加熱を行ってパン
となし、さらに粉砕してなるパン粉。ここで、試料1お
よび試料3で得られたパンは、対照品である試料2のパ
ンと大きな差は見られなかった。しかし試料4のパン
は、それ自身のふくらみが悪くまたもろいもので、パン
粉にする際の破砕で粒子が小さくなってしまい、本件揚
げ物用衣材としてのパン粉に向かないことが判明した。
なお、パンの焼成法については、電極法と焙焼法がある
が、パン粉の製造に際して両者に顕著な差は認められな
かった。
【0022】<実験例3>実施例2にて作成したパン粉
を用いて、白身魚を中種とする白身魚フライを製造する
実験を行った。 試験区1 実験例2で製造した試食用パン粉を中種表面
に付着させた後、バッタリングし、さらに従来のパン粉
を外側にブレッダリングしたのち、180℃3分間油ち
ょうして冷凍した冷凍白身魚フライ。 試験区2 実験例2で製造した試食用パン粉をバッタリ
ングした中種の表面に付着させた後、180℃3分間油
ちょうして冷凍した冷凍白身魚フライ。 試験区3 実験例2で製造した試食用パン粉を中種表面
に付着させた後、バッタリングし、さらに試食用パン粉
を外側にブレッダリングしたのち、180℃3分間油ち
ょうして冷凍した冷凍白身魚フライ。ここで白身魚フラ
イの中種は約60g、油ちょう後のフライ重量は約10
0gとなるように調整した。
【0023】官能検査の結果 出来上がった白身魚フライは、凍結後、1週間および2
ケ月後に取り出し、電子レンジで加熱処理した後、官能
検査に共した。官能検査の評価は、クリスピ−感、歯切
れの良さ等の好ましい食感について20人のパネラ−に
より10点法で採点したものの平均とした。
【0024】
【0025】この結果から、本発明の揚げ物用衣材は、
フライトして好ましい食感即ちクリスピ−感、歯切れの
良さが好評であり、優れていること、また長期保存に耐
えることが判った。また、充分な添加料を入れなかった
試料3では、製造直後は多少の効果は示すものの、長期
の保存に耐えうるほどの効果は有さないことが判った。
試料4は、パン粉自体の性状が劣っていたこともあり効
果が無かった。これらの効果は、クラム自身への水の浸
透が阻害されていると同時に、キトサンの外周に組成物
がコ−ティングされている揚げ物用衣材であるために、
加熱時に水分の発散が促進されるためと思われる。した
がって、本発名品に係る揚げ物用衣材は、衣の内側およ
び外側のいずれにおいてもキトサンが有する効果を有効
に発揮されることが確認された。
【0026】
【発明の効果】第1発明は、揚げ物用衣材としてキトサ
ンの微粒子の外周に、小麦粉等を主体とする組成物をコ
−ティングし、加熱処理を施してなる点が技術的特徴で
ある。
【0027】第2発明は、小麦粉を主体とした殻粉10
0(重量部)にキトサンの微粒子を0.1〜3.0(重
量部)を混入したものに、水と、イースト菌または膨化
剤を混入して練り上げた生地でパンを焼成したうえ、こ
れを粉砕してキトサン入りパン粉にした揚げ物用衣材で
ある点が技術的特徴である。
【0028】第3発明は、キトサンの微粒子の外周に、
小麦粉を主体とする組成物をコ−ティングし、加熱処理
を施してなる揚げ物用衣材を、揚げ物表面に被覆してな
る揚げ物である。
【0029】第4発明は、小麦粉を主体とした殻粉10
0(重量部)にキトサンの微粒子を0.1〜3.0(重
量部)を混入したものに、水と、イースト菌または膨化
剤を混入して練り上げた生地でパンを焼成したうえ、こ
れを粉砕してキトサン入りパン粉にした揚げ物用衣材
を、揚げ物表面に被覆したことを特徴とする揚げ物であ
る。
【0030】第5発明は、キトサンの微粒子の外周に、
小麦粉を主体とする組成物をコ−ティングし、加熱処理
を施してなる揚げ物用衣材を、揚げ物表面に被覆してな
る衣の内側および/または外側に付着させたうえ油ちょ
うし、その後冷凍したことを特徴とする電子レンジ再加
熱用揚げ物の冷凍食品である。
【0031】第6発明は、小麦粉を主体とした殻粉10
0(重量部)にキトサンの微粒子を0.1〜3.0(重
量部)を混入したものに、水と、イースト菌または膨化
剤を混入して練り上げた生地でパンを焼成したうえ、こ
れを粉砕してキトサン入りパン粉にした揚げ物用衣材
を、揚げ物表面に被覆してなる衣の内側および/または
外側に付着させたうえ油ちょうし、その後冷凍したこと
を特徴とする電子レンジ再加熱用揚げ物の冷凍食品であ
る。
【0032】本願発明は、このような性質を有するキト
サンの微粒子の外周に、小麦粉を主体とする組成物をコ
ーティングし、加熱処理を施してなる揚げ物用衣材を、
揚げ物表面に被覆して用いることにより、キトサンの凝
集作用により、クラム中の蛋白質が凝集し、焼成に際し
ておこるクロスリンクを密にし、クラム自身の物理的構
造を強化するとともに、耐水性を付与し、クラムの中心
まで水が浸透することを阻害する効果を有すると共に、
クラム中の澱粉の老化も抑えらることにより、当該クラ
ムは電子レンジなどで再加熱しても、油ちょう時のクリ
スピー感のある食感を維持するものとなる。そして、揚
げ物用衣材を用いて作られた油ちょう食品は、電子レン
ジ等で加熱してもその衣の食感が非常に好ましいものと
なるものである。
フロントページの続き (72)発明者 平原 弘志 神奈川県横須賀市久里浜7丁目36番5号 株式会社ニチロ中央研究所内 (72)発明者 熊野 康孝 神奈川県横須賀市久里浜7丁目36番5号 株式会社ニチロ中央研究所内 (72)発明者 坂 真初 神奈川県横須賀市久里浜7丁目36番5号 株式会社ニチロ中央研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キトサンの微粒子の外周に、小麦粉等を
    主体とする組成物をコーティングし、加熱処理を施して
    なる揚げ物用衣材。
  2. 【請求項2】 小麦粉を主体とした殻粉100(重量
    部)にキトサンの微粒子を0.1〜3.0(重量部)を
    混入したものに、水と、イースト菌または膨化剤を混入
    して練り上げた生地でパンを焼成したうえ、これを粉砕
    してキトサン入りパン粉にしたことを特徴とする揚げ物
    用衣材。
  3. 【請求項3】キトサンの微粒子の外周に、小麦粉を主体
    とする組成物をコーティングし、加熱処理を施してなる
    揚げ物用衣材を、揚げ物表面に被覆してなる揚げ物。
  4. 【請求項4】 小麦粉を主体とした殻粉100(重量
    部)にキトサンの微粒子を0.1〜3.0(重量部)を
    混入したものに、水と、イースト菌または膨化剤を混入
    して練り上げた生地でパンを焼成したうえ、これを粉砕
    してキトサン入りパン粉にした揚げ物用衣材を、揚げ物
    表面に被覆したことを特徴とする揚げ物。
  5. 【請求項5】 キトサンの微粒子の外周に、小麦粉を主
    体とする組成物をコーティングし、加熱処理を施してな
    る揚げ物用衣材を、揚げ物表面に被覆してなる衣の内側
    および/または外側に付着させたうえ油ちょうし、その
    後冷凍したことを特徴とする電子レンジ再加熱用揚げ物
    の冷凍食品。
  6. 【請求項6】 小麦粉を主体とした殻粉100(重量
    部)にキトサンの微粒子を0.1〜3.0(重量部)を
    混入したものに、水と、イースト菌または膨化剤を混入
    して練り上げた生地でパンを焼成したうえ、これを粉砕
    してキトサン入りパン粉にした揚げ物用衣材を、揚げ物
    表面に被覆してなる衣の内側および/または外側に付着
    させたうえ油ちょうし、その後冷凍したことを特徴とす
    る電子レンジ再加熱用揚げ物の冷凍食品。
JP8155547A 1996-06-17 1996-06-17 揚げ物用衣材とそれを用いた揚げ物及びそれらを用いた電子レンジ再加熱用揚げ物の冷凍食品 Pending JPH1065A (ja)

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KR20000028503A (ko) * 1998-10-31 2000-05-25 박규홍 후라이드 치킨용 튀김 파우더
DE10054450A1 (de) * 2000-09-06 2002-03-28 Guillermo Pasch Alonso Verfahren zur Modifikation von Getreidemahlerzeugnissen, nach dem Verfahren hergestellte Produkte und deren Verwendung
CN115152975A (zh) * 2022-06-28 2022-10-11 东北农业大学 一种壳聚糖可食用涂层降低油炸食品中油脂含量的方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20000028503A (ko) * 1998-10-31 2000-05-25 박규홍 후라이드 치킨용 튀김 파우더
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