JPH106428A - 減圧吸収蓋材と使用方法 - Google Patents

減圧吸収蓋材と使用方法

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JPH106428A
JPH106428A JP8177165A JP17716596A JPH106428A JP H106428 A JPH106428 A JP H106428A JP 8177165 A JP8177165 A JP 8177165A JP 17716596 A JP17716596 A JP 17716596A JP H106428 A JPH106428 A JP H106428A
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heat
lid
film
adhesion
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JP8177165A
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Takashi Asakura
隆 浅倉
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D1/00Containers having bodies formed in one piece, e.g. by casting metallic material, by moulding plastics, by blowing vitreous material, by throwing ceramic material, by moulding pulped fibrous material, by deep-drawing operations performed on sheet material
    • B65D1/22Boxes or like containers with side walls of substantial depth for enclosing contents
    • B65D1/26Thin-walled containers, e.g. formed by deep-drawing operations
    • B65D1/28Thin-walled containers, e.g. formed by deep-drawing operations formed of laminated material

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Mechanical Engineering (AREA)
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  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Packages (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチック成形容器に、沸点近くまで加熱
し飽和蒸気圧の状態の液体をホット充填したとき、容器
のヘッドスペースに存在する蒸気の液化や、温度の低下
により、包装体の内部圧力が低下するに伴い容器が変形
することを防止する減圧吸収蓋材の提供を課題とする。 【解決手段】通気孔4を設けた基材フィルム11に接着
阻害層13又は弱接着層、更にヒートシール可能な熱可
塑性樹脂層20からなる成形容器の蓋材として用いられ
る積層体であって、前記ヒートシール阻害層13、又は
弱接着層を、蓋材と成形容器とのヒートシール部以外に
設けて、成形容器用の減圧吸収蓋材1を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形容器に内容物
を充填後密封する蓋材に関し、密封後の包装体が減圧に
応じて蓋材の一部が変形し、減圧による成形容器の変形
を吸収できる包装体に属する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来の成形容器の蓋材
は、基材フィルムとなる絵柄層を設けた二軸延伸フィル
ムと、易開封性をもつヒートシーラント層との積層フィ
ルムより構成されていた。しかしながら、そのような構
成で、内容物を充填した後密封を施した場合、内容物や
その充填・密封方法によっては、包装体の内部が減圧状
態となり、成形容器が変形するという問題があった。例
えば、沸点近くまで加熱した飽和蒸気圧をもつ液体を充
填・密封した後包装体を冷却すると、包装体のヘッドス
ペースに存在する蒸気の液化や、温度差により包装体の
内部圧力が低下し、成形容器が変形するという問題があ
った。
【0003】また、粉体、顆粒上の内容物や、熱い米飯
などが含気状態で充填した後に、残留酸素により内容物
が酸化を起こさないように脱酸素剤とともに包装・密封
した包装体において、酸素が脱酸素剤に吸収されるにし
たがって内部圧力が低下し、減圧状態になるにともなっ
て成形容器が変形するという問題があった。本発明は、
成形容器に充填密封後、減圧状態になっても、包装体の
減圧を吸収し、容器の変形を防ぐことができる蓋材の提
供を課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を達成するた
めに本発明は、通気孔を設けた基材フィルムに接着阻害
層又は弱接着層、更にヒートシール可能な熱可塑性樹脂
層からなる、成形容器の蓋材として用いられる積層体で
あって、前記接着阻害層又は弱接着層が、前記蓋材と成
形容器とのヒートシール部以外に設けられた減圧吸収蓋
材である。そして、第2の発明は、前記蓋材のヒートシ
ール可能な熱可塑性樹脂層が、エチレン・ビニルアルコ
ール共重合体の層(以下EVOH層と記載する)を含む
複合フィルムである成形容器用の減圧吸収蓋材である。
また、第3の発明は、内容物とともに脱酸素剤を含む包
装体に用いる上記減圧吸収蓋材の使用方法である。
【0005】
【従来の技術】従来より、成形容器の蓋材は、基材フィ
ルムと強固な接着をもつヒートシーラント層との積層体
で構成されていた。そして、容器内の完全な脱気と密封
とを必要とする液体の場合は、満注充填シール(液体を
オーバーフローする状態で蓋材をヒートシールする。)
で行われていた。しかしながら、果汁や日本酒のように
高栄養物がシール部に残存するときは、それに誘因され
て包装体の内容物が腐敗・変質するという問題があっ
た。
【0006】満注充填シールができないときには、加熱
した液体の内容物を成形容器の上部に空間を設けて充填
して、ヒートシール部が清浄な状態を保って、蓋材をヒ
ートシール(以下、上記のように、加熱して飽和蒸気を
含む液体を上部に空間を設けて充填シールすることを
「ホット充填」と記載する。)し、脱気状態を形成して
いた。例えば日本酒をホット充填し、冷却したとき、包
装体内部が蒸気の液化により減圧状態となり、その減圧
を蓋材の延びだけでは、吸収することができず成形容器
が変形するという問題点があった。
【0007】このようなときには、凹状に成形した『落
し蓋』を液体の表面に接する程度に設けて、蒸気を追い
出して、蓋材で密封し蒸気の液化による包装体内部の僅
かの減圧は、落し蓋の中央部に設けた凹部を変形・吸収
することが行われていた。この落し蓋は、成形品を使用
するために、蓋材の供給が枚葉方式となり、供給を行う
ときのスタッキングや搬送が煩雑となり、巻取り供給方
式の蓋材と比較して著しく生産性が劣るという問題点が
あった。
【0008】酸化されやすい内容物を、含気状態で脱酸
素剤とともに包装体内に封入した場合、内部の酸素が吸
収されるにしたがい包装体の内部が減圧状態となり、成
形容器が変形してしまうという問題点があった。
【0009】蓋材の基材フィルムを、二軸延伸フィルム
でなく、未延伸フィルムのみで構成することにより、そ
の柔軟性・延伸性を利用して包装体内の減圧を吸収する
こともある程度はできる。しかしながら、未延伸フィル
ムは、二軸延伸延伸フィルムと比較してその強度が劣る
ため、開封時に引裂かれたり、また、絵柄層を設ける定
常のピッチで印刷することは、テンション変動が大きく
充填機で絵柄層とヒートシール部の位置見当が同調し難
いという問題点があった。
【0010】
【発明の実施形態】本発明の通気孔を設ける基材フィル
ムは、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフ
ィン系樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニ
ルアルコール、EVOH、ポリアミド、アクリル酸エス
テル又はメタアクリル酸エステルを主成分とするアクリ
ル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエ
ステル、ポリアセタール、アセチル・ジ又はトリ・セル
ロースの繊維素誘導体や、ポリカーボネートなどよりな
る延伸あるいは未延伸のフィルム又はこれらの延伸フィ
ルムにアルミニウム蒸着を施したものである。また、
紙、アルミニウム箔と上記熱可塑性樹脂フィルムとの積
層体を用いることもできる。なお、基材フィルムとなる
ポリビニルアルコール、EVOHのフィルムは、いわゆ
るガスバリアフィルムとして積層するものではなく、静
電気による粉塵の付着防止フィルムとするものであり、
またアルミニウム箔やアルミニウム蒸着フィルムは金属
光沢としての装飾効果を活用するものである。特に印刷
適性、後加工適性に優れたポリエチレンテレフタレー
ト、ポリプロピレンやナイロン6の二軸延伸フィルムの
厚みが6〜50μmのものが印刷適性などの加工適性に
優れ、基材プラスチックフィルムとして好ましいもので
ある。
【0011】接着阻害層は、基材フィルムとは接着力が
強く、接着剤との親和性がないものから選択することが
できる。基材フィルムとの関係にもよるが、フッ素系樹
脂、各種ワックス、ワセリン、シリコーン樹脂などの剥
離性材料を公知のベヒクル、例えばアクリル系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、ダイマー酸とジアミンとよりなるポ
リアミド、塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合体あるいは
繊維素誘導体に加えて作成したワニスを後述の剥離空間
部に相当する部分に印刷して設けることができる。
【0012】接着阻害層は、グラビア印刷やフレキソ印
刷又はシルクスクリーン印刷で形成でき、その塗布量
は、ある程度の膜を形成できればよく、その塗布量は、
固形物(以下塗布量は固形物で記述する)で1〜3g/
2 、多少の印刷むらがあっても基材フィルムとヒート
シール可能な熱可塑性樹脂層とを積層するときに使用す
る接着剤層との接着バランンス(剥離性)が保てればよ
い。
【0013】弱接着層は、基材フィルムとの接着力が弱
いか、ヒートシール可能な熱可塑性樹脂層を設けるとき
の熱処理工程などで、基材フィルムとの接着力を低下す
る材料から選択することができる。ポリエステルフィル
ム、二軸延伸ポリプロピレンフィルムに対する硝化綿
(可塑剤を含む)、塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合
体、ポリビニルブチラール、塩化ゴム系のワニスがあ
る。また、弱接着層を設けたときは、一応の接着強度は
示すが、ヒートシール可能な熱可塑性樹脂層の形成方
法、例えば低密度ポリエチレンなどを溶融押出しコーテ
ィングで設けたり、ヒートシール可能な熱可塑性樹脂層
となるフィルムを溶融ポリエチレンでサンドイッチラミ
ネーションをするときの熱で接着強度が低下する、いわ
ゆる耐熱性が劣る材料、例えば、塩化ビニル・酢酸ビニ
ル系共重合体、ポリビニルブチラール、ダイマー酸とジ
アミンとよりなるポリアミドなどがある。そして、接着
阻害層と同様にプラスチックフィルムに印刷できるグラ
ビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷などに
より枚葉、あるいは輪転印刷で形成できる。
【0014】接着阻害層又は弱接着層は、必ずしも無色
のワニスで印刷する必要はなく、デザイン上の問題がな
ければ、通常の染料や顔料で着色することもでき、これ
により、所望の位置に容易に印刷できる長所がある。ま
た接着阻害層と、弱接着層とは明確に分ける必要がな
く、これらの層が、ヒートシール可能な熱可塑性樹脂層
の剥離に寄与するときは、凝集破壊であっても、基材と
の界面剥離であっても、双方の作用が混在していても構
わない。
【0015】ヒートシール可能な熱可塑性樹脂層は、成
形容器とヒートシールして強いヒートシール性を示すも
のあるいは易剥離性を示すもののいずれでも構わない。
また、粘着力で接着するものであっても使用することが
できる。例えば、低密度、中密度又は高密度ポリエチレ
ン、線状ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合
体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリ
ル酸エステル共重合体、アイオノマー、EVOH、ポリ
エステル、ポリアミド、線状ポリエステル、ポリイソブ
チレンやこれらのブレンド物や多層の複合フィルムから
構成される。そして、その製膜は、通常のサーキュラダ
イスやTダイスを用いて作成することができる。その厚
みは、15〜60μmが好ましく、材料、用途によって
は多少の増減ができることはいうまでもない。
【0016】ヒートシール可能な熱可塑性樹脂層は、製
膜したフィルムをポリエステル・イソシアネート系接着
剤や、ポリエーテルイソシアネート系接着剤を用いてド
ライラミネーションしたり、プライマー層を設けて低密
度ポリエチレンなどの接着樹脂層を用いてサンドイッチ
ラミネーションしたりして形成することができる。ま
た、上記の材料を用いた溶融押出しコーティングや、共
押出しコーティングにより形成することもできる。
【0017】第2の発明に記載したEVOHをヒートシ
ール可能な熱可塑性樹脂層に構成するには、接着阻害層
を設けた基材フィルムと単層のEVOHフィルムをドラ
イラミネーションしたり、熱可塑性樹脂によるサンドイ
ッチラミネーションで複合することができる。更に、ヒ
ートシール性樹脂を積層して減圧吸収蓋材を構成する。
また、EVOHをヒートシール可能な熱可塑性樹脂層に
構成する好ましい方法は、図3に示すようにポリエチレ
ン層(以下PE層と記載する)17・EVOH層30・
PE層17からなるEVOHを含む複合フィルム21の
ように、共押出し多層フィルムである。そして、接着阻
害層13を設けた基材フィルム11及び、必要に応じて
他の側に所望のヒートシール機能をもつ層を積層して減
圧吸収蓋材を構成する。また、EVOHを含む共押出し
多層フィルムは、高価なEVOH層を単層(10μm以
上の厚み)で製膜するときよりも薄く(3〜20μm)
できる利点がある。そして、PE層17とEVOH層3
0との間に双方の樹脂に接着性をもつ層を介在すること
もできる。
【0018】基材フィルムに設ける通気孔の形成方法
は、特に問うものではなく、通常使用されている方法を
利用できる。例えば、表面に微細針状の構造をもつロー
ルで連続的に回転して加工したり、スタンプで部分的に
所望の位置に設けたりすることができる。その他レーザ
ーなどにより加工することもできる。いずれにしろ、表
面からは、その孔の存在がわかり難く、通気度が、20
0〜5000cc/minが好ましい、200ccより
少ないと、減圧に追随できず、成形容器が変形したりす
ることがあり、また5000cc/minを超えると外
観が低下したりして好ましくない。
【0019】減圧吸収蓋材は、図1に示すように、基材
フィルム11のヒートシール部を除いた部分に接着阻害
層13をグラビア印刷で設け、更に全面で微細の通気孔
4を形成し、そして接着剤層12を介してヒートシール
可能な熱可塑性樹脂層20とを積層した変形部2をもつ
蓋材1を構成することができる。そして、成形容器5に
飽和蒸気圧に近い温度の内容物を充填して、容器の周辺
でヒートシールした包装体は、冷却されるにともなって
包装体の内部は減圧されるが、図2に示すように変形部
2が接着阻害層13の面で剥離し、可塑性の変形部2が
剥離空間部6を形成して包装体の減圧を吸収する。した
がって、基材フィルム11及び成形容器5は変形をする
ことがなく充填時の状態を保つことができるものであ
る。
【0020】また、図示はしないが、基材フィルム11
とヒートシール部を除いた部分に弱接着層14をグラビ
ア印刷で設け、更に全面で微細の通気孔4を形成し、そ
して接着剤層12を介してヒートシール可能な熱可塑性
樹脂層20とを積層した変形部2をもつ蓋材1を構成す
ることができる。そして、該蓋材1を成形容器5に飽和
蒸気圧に近い温度の内容物を充填して、成形容器5の周
辺でヒートシールした包装体は、冷却されるにともなっ
て包装体の内部は減圧されるが、図4に示すように変形
部2は、基材フィルム11と弱接着層14との間で剥離
し、可塑性の変形部2が剥離空間部6を形成して包装体
の減圧を吸収する。したがって基材フィルム11及び成
形容器5は変形をすることがなく充填時の状態を保つこ
とができるものである。
【0021】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に
説明する。 (実施例1)図1に示すように、厚み12μmのポリエ
チレンテレフタレートフィルム11の一方の側にグラビ
ア印刷により、直径80mmの円形状の塗布量が3g/
2の接着阻害層13をポリアミドをバインダーとする
ワニスを用いて印刷した。更に、上記フィルム11の他
の側から、直径0.5mmの針状突起物を3本/cm2
の割合のローラーで穿孔した。フィルムの通気度は、2
500cc/minであった。更に、上記フィルム11
の接着阻害層13をもつ側に厚み50μmの未延伸ポリ
プロピレンフィルムをヒートシール可能な熱可塑性樹脂
層20としてポリエステル・イソシアネート系接着剤1
2を4g/m2 用いてドライラミネーションで積層し
て、図1に示す実施例1の蓋材1を作成した。
【0022】(実施例2)厚み12μmのポリエチレン
テレフタレートフィルム11の一方の側にグラビア印刷
により、直径80mmの円形の形状の塗布量が2g/m
2 の弱接着層14を塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合体
をバインダーとするワニスで印刷した。更に、上記フィ
ルム11の他の側から、実施例1と同様に穿孔し、厚み
50μmの未延伸ポリプロピレンフィルム20をポリエ
ステル・イソシアネート系接着剤12を3g/m2 用い
てドライラミネーションで積層して実施例2の蓋材1を
作成した。
【0023】(比較例1)接着阻害層若しくは弱接着層
及び通気孔を設けない以外は、実施例1と同様の構成
で、ポリエチレンテレフタレート11と厚み50μmの
未延伸ポリプロピレンフィルムとを積層した比較例1の
フィルム蓋材1Aを作成した。
【0024】外径98mm、内径88mmすなわちフラ
ンジ巾が5mm、高さが80mmのポリプロピレン製の
射出成形のカップ状の成形容器5に、80℃に加熱した
日本酒を内容物10としてフランジ下10mmの位置に
まで注入した。そして、実施例1及び実施例2の蓋材1
については接着阻害層又は弱接着層がヒートシール部に
触れないようにし、また比較例1の蓋材1Aを用いて夫
々巾2mmのリングシーラーで密封・室温に冷却した。
【0025】カップのヘッドスペースの圧力は、始めは
高温の水蒸気及びアルコール蒸気が存在するため大気圧
に近い状態であったが、冷却されるに伴い水蒸気圧及び
アルコール蒸気圧が低下し減圧状態となった。その結
果、実施例1及び実施例2の蓋材は、図2(接着阻害層
13と接着剤層12との間で剥離)及び図4(弱接着層
14と基材フィルム11との間で剥離)並びに図5に示
すように変形部2がのびて、ポリプロピレンフィルム2
0が剥離空間部6を形成した状態となり、全体としての
カップ形状は充填時の状態に保たれた。しかしながら、
比較例のものは、図6に示すように蓋材1Aが内容物1
0に接触するように、変形するばかりでなく、カップの
側面も内側に向かって湾曲し外観不良を呈した。
【0026】(実施例3)厚み25μmのポリエチレン
テレフタレートフィルム11の一方の側にグラビア印刷
により、95mm×125mm、コーナー部Rが10m
mの形状をもつ接着阻害層13として、ポリアミド:硝
化綿=1:1のバインダーにシリコーンを0.5%添加
したワニスを用いて塗布量が3g/m2 になるように印
刷し、その中央部に直径0.3mmの通気孔4を2ケ設
けた。上記フィルムの接着阻害層13の側に、ポリエス
テル・イソシアネート系プライマー16を設け、厚み1
5μmの低密度ポリエチレンを接着樹脂層15として
「PE層17/EVOH層30/PE層17の総厚み3
0μmの共押出し製膜によるEVOHを含む複合フィム
21」とをサンドイッチラミネーションし、更に厚み1
5μmの低密度ポリエチレンを接着樹脂層15として
「線状ポリエチレンとポリプロピレンとから構成される
厚み30μmの易開封層18」とをサンドイッチラミネ
ーションして、図3に示す減圧吸収蓋材1を作成した。
【0027】ポリプロピレン層100μm/EVOH3
0μm/ポリプロピレン層200μmよりなる多層シー
トを、フランジ内寸100mm×130mm、フランジ
巾8mm、高さが25mmのトレイ状の成形容器51を
圧空・真空成形により作成した。そして、炊飯後ほぐし
た約90℃の米飯を200gを充填し、その直後に10
0ccの酸素吸収能力をもつエージレス(脱酸素剤 三
菱瓦斯化学(株)製商品名)を投入し、上記の実施例3
の減圧吸収蓋材の易開封層18及び比較例1の蓋材のポ
リプロピレン層と上記成形容器51のフランジとを夫々
ベタシールでヒートシールして密封した。
【0028】上記の包装体を48時間常温で放置した後
のトレイの形状は、実施例3の蓋材を用いたものでは、
図7に示すように剥離空間部6を形成することにより成
形容器の原型を保ち、米飯も充填直後のほぐした状態を
維持していた。これに対して、比較例1の蓋材を用いた
ものは、図8に示すように包装体内部は減圧によりトレ
イのフランジが内側に湾曲し、51Aのように変形した
外観不良を呈するばかりでなく、ほぐした米飯も圧縮さ
れたものであった。
【0029】
【発明の効果】通気孔を設けた基材フィルムとヒートシ
ール可能な熱可塑性樹脂層との間に接着阻害層又は弱接
着層を設けた蓋材は、成形容器に用いて密封した包装体
の内部が減圧状態となったとき上記、熱可塑性樹脂層が
接着阻害層又は弱接着層の部分で剥離して、剥離空間部
を形成・延伸変形することにより、包装体の減圧を吸収
することができる。したがって、成形容器にホット充填
した場合においても、冷却後、成形容器が変形すること
がなく、日本酒、果汁などの成形容器の蓋材に適用でき
る。また、米飯のように含気状態でホット充填し、かつ
脱酸素剤を用いて減圧状態を維持しても、成形容器が変
形しない包装体を提供できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】減圧吸収蓋材の断面の構成を示す概略図であ
る。
【図2】減圧吸収蓋材の減圧された状態を示す断面概略
図である。
【図3】ヒートシール可能な熱可塑性樹脂層にバリア層
を含む減圧吸収蓋材の断面の構成を示す概略図である。
【図4】他の構成の減圧吸収蓋材の減圧された状態を示
す断面概略図である。
【図5】減圧吸収蓋材を用いた包装体の減圧された状態
を示す断面概略図である。
【図6】通常の蓋材を用いた包装体の減圧された状態を
示す断面概略図である。
【図7】減圧吸収蓋材を用いた他の形状の包装体の減圧
された状態を示す断面概略図である。
【図8】通常の蓋材を用いた他の形状の包装体の減圧さ
れた状態を示す断面概略図である。
【符号の説明】
1、1A 蓋材 2 変形部 4 通気孔 5 51 成形容器 5A 51A 変形した成形容器 6 剥離空間部 10 内容物 11 基材フィルム 12 接着剤層 13 接着阻害層 14 弱接着層 15 接着樹脂層 16 プライマー層 17 PE層 18 易開封層 20 ヒートシール可能な熱可塑性樹脂層 21 EVOHを含む複合フィルム 30 EVOH層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B65D 81/26 B65D 1/00 B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通気孔を設けた基材フィルムに接着阻害
    層又は弱接着層、更にヒートシール可能な熱可塑性樹脂
    層からなる、成形容器の蓋材として用いられる積層体で
    あって、前記接着阻害層又は弱接着層が、前記蓋材と成
    形容器とのヒートシール部以外に設けられたことを特徴
    とする減圧吸収蓋材。
  2. 【請求項2】 前記蓋材のヒートシール可能な熱可塑性
    樹脂層が、エチレン・ビニルアルコール共重合体層を含
    む複合フィルムであることを特徴とする請求項1記載の
    成形容器用の減圧吸収蓋材。
  3. 【請求項3】 内容物とともに脱酸素剤を含む包装体に
    用いることを特徴とする請求項1、又は請求項2記載の
    減圧吸収蓋材の使用方法。
JP8177165A 1996-06-19 1996-06-19 減圧吸収蓋材と使用方法 Withdrawn JPH106428A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016030406A (ja) * 2014-07-30 2016-03-07 住友ベークライト株式会社 抗菌フィルムおよび包装体
WO2017187766A1 (ja) * 2016-04-26 2017-11-02 株式会社彫刻プラスト スキンパック包装用積層フィルム、包装体及び包装体の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016030406A (ja) * 2014-07-30 2016-03-07 住友ベークライト株式会社 抗菌フィルムおよび包装体
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