JP2712875B2 - 液体容器用素材の製造方法 - Google Patents

液体容器用素材の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体容器用素材の製造
方法に関し、より詳しくは、紙を主体とし、金属箔を含
まずに高いガスバリヤー性を有する液体容器用素材の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紙を主体とする液体容器用素材
は、紙とポリエチレン樹脂との積層体からなる紙基材
と、内容物に接する側に、耐水(防水)性を付与すると
ともに素材に熱接着性を与えるためのポリエチレン樹脂
層(シーラント層)を有し、保形性のためのポリエチレ
ンテレフタレートフィルムを介在させたものが使用され
ており、さらに、内容物の酸化劣化等を防止するための
ガスバリヤー層として、9μm程度のアルミニウム箔を
積層したものが広く使用されている。
【0003】また、近年では、シーラント層のポリエチ
レン樹脂が、内容物の香気成分を吸着、収着する性質を
有すること、また、ポリエチレン樹脂が、低分子物質を
放出し、それが内容物に移行すること等により、内容物
の味覚が損なわれることが問題視され、上記香気成分の
吸着、収着がなく、また、低分子物質の放出もない、ポ
リエステル系樹脂等の非吸着性樹脂を内面層として使用
したものが提案されている(例えば特開昭57−163
654号公報、特開平1−139336号公報)。
【0004】他方、上記液体容器は、プラスチックフィ
ルムを用いているため、使用された後の工業的な再利用
が困難であることから、焼却処理されることが一般的で
あるが、上述のようにガスバリヤー層としてアルミニウ
ム箔を用いた場合には、焼却が困難であるという問題が
ある。この理由から、欧州においては、金属箔を使用し
た液体紙容器の使用が規制されている地域もある。ま
た、内容物との関係で、場合によって所望されるマイク
ロ波加熱が不可能であるという、金属箔を用いているこ
とに起因する問題点があった。
【0005】ガスバリヤー層として金属箔を用いること
なく、その代替としてエチレン−ビニルアルコール共重
合体、ポリ塩化ビニリデン等の、酸素バリヤー性に優れ
た樹脂フィルムを用いることも提案されているが、これ
ら樹脂フィルムは、アルミニウム箔に比べると著しく酸
素バリヤー性が劣るとともに、透湿度が高い。このフィ
ルムを用いて金属箔と同等の酸素バリヤー性、防湿性を
得ることは困難であり、実用可能な程度の厚さ(30μ
m以下)では、十分な酸素バリヤー性、防湿性は得られ
ない。
【0006】金属箔を用いることなく、かつ、ガスバリ
ヤー性を満足させる技術として、実開平1−96879
号公報が知られている。ここには、紙基材の液体容器用
素材として、金属箔の代わりに、ケイ素酸化物の薄膜層
を設けたプラスチックフィルムを主体としたマイクロ波
透過性シートを用いる技術が開示されている。この技術
によれば、金属箔を用いることなく、十分な酸素バリヤ
ー性と防湿性を得ることができる。
【0007】以下に、アルミニウム箔、エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、酸化ケイ
素の、酸素バリヤー性の比較データを示す。
【0008】
【表1】
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、上記技術を組
み合わせて、非吸着性樹脂と酸化ケイ素の薄膜を層構成
に使用すれば、シーラント層による香気成分の吸着や、
金属箔特有の問題を解決した、優れた液体容器が得られ
る。
【0010】このような液体容器用素材の製造におい
て、紙基材やプラスチックシートと他のプラスチックフ
ィルムを積層する手段としては、プラスチックフィルム
を予めフィルム化しておき、接着剤を介して積層する方
法(ドライラミネート法)、両者に熱を加えて積層する
方法(熱ラミネート法)、または、紙基材やプラスチッ
クシート上に、樹脂を溶融してフィルム状に押し出し、
フィルム化と同時に積層する方法(押し出しラミネート
法)が知られている。
【0011】ところが、酸化ケイ素等の無機化合物の薄
膜層は、一般に柔軟性に乏しく、基体シートが熱により
膨張または収縮すると、無機化合物の薄膜層がその伸縮
に追従できず、クラックが生じてしまい、本来有するガ
スバリヤー性が著しく低下してしまうことが判明した。
【0012】従って、層構成中に上記無機化合物の薄膜
層を有する液体容器用素材を製造する場合は、積層手段
として、無機化合物の薄膜層を形成した基体シートに熱
がかかる方法は採用できないという問題があった。
【0013】このため、必然的に前記ドライラミネート
法を採用しなければならないことになるが、ドライラミ
ネート法のみによる積層は、接着剤を多量に使用するた
めコスト的に不利であるばかりでなく、積層するフィル
ムとしてインフレーション法により製造されたものを使
用することになるので、フィルム表面が平滑であり、製
造工程中の巻取り操作の際にブロッキングして作業性に
劣り、また、でき上がった製品(液体容器用ブランクシ
ート)の表面も平滑となるため、ブランクシート同士が
ブロッキングしてしまい、箱状に組み立てる作業への自
動供給が安定して行われない等の欠点がある。
【0014】そこで本発明は、層構成中に無機化合物の
薄膜層を有する液体容器用素材を製造するに際して、無
機化合物のクラックを発生させず、しかも、上記ドライ
ラミネート法による場合の問題を克服して、優れたガス
バリヤー性を有する液体容器用素材を提供することを目
的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、非吸
着性樹脂と第1の熱接着性樹脂との共押し出しフィルム
と、無機化合物の薄膜層が形成された基体シートと、紙
基材とからなる、液体容器用素材を製造するに際し、前
記共押し出しフィルムを共押し出しする工程と、該共押
し出した樹脂を、無機化合物の薄膜層が割れない温度
で、かつ、熱接着性を失わない温度まで冷却する工程
と、該冷却された共押し出し樹脂を前記無機化合物の薄
膜層が形成された基体シート上に積層する工程により、
非吸着性樹脂/第1の熱接着性樹脂/無機化合物被覆基
体シートの構成のシートを作成し、次いで、該シートと
紙基材とを積層することを特徴とする、液体容器用素材
の製造方法である。
【0016】また、非吸着性樹脂と第1の熱接着性樹脂
との共押し出しフィルムと、無機化合物の薄膜層が形成
された基体シートと、紙基材とからなる、液体容器用素
材を製造するに際し、前記共押し出しフィルムを共押し
出しする工程と、該共押し出しした樹脂を、無機化合物
の薄膜層が割れない温度で、かつ、熱接着性を失わない
温度まで冷却する工程と、該冷却された共押し出し樹脂
を前記無機化合物の薄膜層が形成された基体シート上に
積層する工程と、さらに、溶融押し出した第2の熱接着
性樹脂を、無機化合物の薄膜層が割れない温度で、か
つ、熱接着性を失わない温度まで冷却し、前記共押し出
しフィルムが積層される側と反対側の基体シート上に積
層する工程とにより、非吸着性樹脂/第1の熱接着性樹
脂/無機化合物被覆基体シート/第2の熱接着性樹脂の
構成のシートを作成し、次いで、該シートと紙基材とを
積層することを特徴とする、液体容器用素材の製造方法
である。
【0017】さらに、非吸着性樹脂と第1の熱接着性樹
脂との共押し出しフィルムと、無機化合物の薄膜層が形
成された基体シートと、紙基材とからなる、液体容器用
素材を製造するに際し、前記共押し出しフィルムを共押
し出しする工程と、該共押し出しした樹脂を、無機化合
物の薄膜層が割れない温度で、かつ、熱接着性を失わな
い温度まで冷却する工程と、該冷却された共押し出し樹
脂を前記無機化合物の薄膜層が形成された基体シート上
に積層する工程と、さらに、溶融押し出した第2の熱接
着性樹脂を、無機化合物の薄膜層が割れない温度で、か
つ、熱接着性を失わない温度まで冷却し、前記共押し出
しフィルムが積層される側と反対側の基体シート上に積
層する工程とにより、非吸着性樹脂/第1の熱接着性樹
脂/無機化合物被覆基体シート/第2の熱接着性樹脂の
構成のシートを作成し、次いで、前記シートの第2の熱
接着性樹脂と紙基材との間に、溶融した第3の熱接着性
樹脂を挟み、両者を積層することを特徴とする、液体容
器用素材の製造方法である。
【0018】
【作用】本発明の第1の発明においては、無機化合物の
薄膜層が形成された基体シートと非吸着性樹脂層が、熱
接着性を示す限度内で冷却した第1の熱接着性樹脂を介
して積層されることとなり、無機化合物の薄膜層への熱
の影響が防がれ、薄膜層にクラックが発生することが防
がれている。
【0019】本発明の第2の発明においては、第1の発
明により非吸着性樹脂層が積層された基体シートの反対
側に、熱接着性を示す限度内で冷却した第2の熱接着性
樹脂が積層されることとなり、上記同様、無機化合物の
薄膜層への熱の影響が防がれ、薄膜層にクラックが発生
することが防がれている。そして、この第2の熱接着性
樹脂は、積層後さらに冷却され、断熱層となり、紙基材
との貼り合わせにおける熱がかかる積層方法の利用を可
能とする。
【0020】本発明の第3の発明においては、第2の発
明により第2の熱接着性樹脂が積層されたシートの第2
の熱接着性樹脂と紙基材とを、溶融押し出し樹脂を介在
させて、両者を直接積層することにより、ドライラミネ
ート法のみによる製造における問題がなく、液体容器用
素材を製造することができる。
【0021】本発明においては積層するフィルムを押し
出し製膜するので、その表面の平滑性は押し出し時のニ
ップロールの表面状態に依存し、適切な滑り性を有する
よう、マット加工を施すことができる。
【0022】
【実施例】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明す
る。
【0023】図1は本発明に係る液体容器用素材の断面
図、図2ないし図4は本発明の液体容器用素材の製造方
法に係る各工程を示す説明図、図5、図6はそれぞれ本
発明に係る液体容器を製造するためのブランクシートの
一例を示す平面図である。
【0024】本発明に係る液体容器用素材は、図1に示
すように、少なくとも紙基材1、無機化合物の薄膜層2
2が形成された基体シート2、非吸着性樹脂31と第1
の熱接着性樹脂32との共押し出しフィルム3を含む積
層体である。
【0025】紙基材1としては、従来この種の容器用素
材に用いられている、坪量200〜500g/m2 程度
の、晒クラフト紙等の紙11に、容器形状とするために
必要なシール性を付与するための、ポリオレフィン樹脂
からなるシール層12とからなるものが使用できる。シ
ール層12は、厚さ17〜25μm程度のポリオレフィ
ン樹脂を適宜方法で紙11上に積層することができる。
【0026】基体シート2は、ポリエチレンテレフタレ
ート、延伸ナイロン、延伸エチレン−ビニルアルコール
共重合体等の、耐熱性のあるフィルムからなるベースフ
ィルム21上に、ケイ素酸化物、マグネシウム酸化物等
の、ガスバリヤー性に優れた無機化合物の薄膜層22
を、真空蒸着、プラズマ蒸着、スパッタリング、イオン
プレーティング等の方法により形成したものである。
【0027】ベースフィルム21の厚さは、無機化合物
の薄膜層22を形成する工程や、その後の加工工程にお
ける取扱い適性等を考慮して、6〜20μm程度の厚さ
のものを使用することが好ましい。
【0028】また、無機化合物の薄膜層22の厚さとし
ては、少なくとも500Å、好ましくは600Å以上と
する。薄膜層22の厚さが500Åよりも薄い場合、十
分なガスバリヤー性が得られないおそれがある。また、
2000Åよりも厚くすることは、後工程での薄膜層の
割れの発生が著しく、実用に耐えない。
【0029】共押し出しフィルム3は、非吸着性樹脂3
1と第1の熱接着性樹脂32とからなる。
【0030】非吸着性樹脂31は、内容物の香気成分を
実質的に殆ど吸着、収着しない樹脂が用いられる。
【0031】前述した特開昭57−163654号公報
には、これら非吸着性樹脂31を定義する物性として、
溶解度指数を上げ、この溶解度指数が9.0以上のもの
を使用することとしている。
【0032】具体的には、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、あるいはこれらのポ
リエステル樹脂を構成する酸成分またはグリコール成分
を適宜変えた、酸変性または/およびグリコール変性ポ
リエステル樹脂、さらには、必要に応じて他の第3成分
を加えた、コポリエステルなどの、ポリエステル系樹脂
が使用できる。
【0033】また、他の非吸着性樹脂31としては、エ
チレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニト
リル等が例示でき、これらの共重合体あるいはブレンド
樹脂、さらにはこれらと他の樹脂とのブレンド樹脂も、
本発明の非吸着性を満足する範囲において使用すること
ができる。
【0034】この非吸着性樹脂31は、本発明において
必ず液体容器の内容物と接する側に形成される。このた
め、非吸着性樹脂31としては、ヒートシール性を有し
たものであることが、液体容器用素材から液体容器を製
造する上で好ましい。ポリエステル系樹脂にあっては、
前述した酸変性または/およびグリコール変性すること
により、ヒートシール性を得ることができる。
【0035】上記非吸着性樹脂31は、通常押し出し適
性が劣り、単独での押し出し、製膜が困難である。従っ
て、他の押し出し適性に優れた樹脂と、共押し出しする
ことによって、製膜が可能となる。本発明では、第1の
熱接着性樹脂32を担体として用いている。
【0036】第1の熱接着性樹脂としては、低密度ポリ
エチレン等の熱接着性を有する樹脂が使用できる。
【0037】ここで、第1の熱接着性樹脂32として
は、非吸着性樹脂31に比べてメルトフローレシオ(M
FR)の小さい樹脂を用いることが好ましい。すなわ
ち、MFRの小さい樹脂を用いることにより、非吸着性
樹脂31と第1の熱接着性樹脂32の共押し出し時にお
ける、非吸着性樹脂31のネックイン等を小さく抑える
ことができ、均一な皮膜が得られ、加工がし易く、皮膜
に柔軟性が得られ、また、コストも安く、良好に製膜で
きる。
【0038】この非吸着性樹脂31と第1の熱接着性樹
脂32との共押し出しに際しては、必要に応じて接着性
樹脂33を介在させることができる。
【0039】この熱接着性樹脂33は、非吸着性樹脂3
1と第1の熱接着性樹脂32の双方に接着性を有する樹
脂が用いられる。例えば、非吸着性樹脂31としてポリ
エステル系樹脂を用い、第1の熱接着性樹脂32として
低密度ポリエチレンを用いた場合、接着性樹脂33とし
ては、変性ポリオレフィン樹脂を用いることができる。
【0040】本発明は、上記共押し出しフィルムを押し
出した後、適切な温度に冷却して、前記無機化合物の薄
膜層22が形成された基体シート2上に、共押し出しフ
ィルムの熱接着性を利用して積層、一体化するものであ
る。
【0041】すなわち、図2に示すように、押し出しダ
イ61から非吸着性樹脂31と第1の熱接着性樹脂32
を共押し出しし、これをチルロール71などの冷却手段
により、無機化合物の薄膜層22が割れない温度で、か
つ、熱接着性を失わない温度まで冷却し、次いで、前記
基体シート2上に重ね、圧着して積層するのである。こ
こで、必要に応じ、共押し出しフィルム3の第1の熱接
着性樹脂32表面には、基体シート2との接着性を高め
るための処理、例えばコロナ放電処理を施すことができ
る。コロナ放電処理は、周知のコロナ放電処理装置8を
使用し、従来同様の処理で構わない。さらに必要であれ
ば、基体シート2の積層面に、接着アンカーコート層
(図示せず)を形成してもよい。
【0042】共押し出しした樹脂の冷却温度は、その上
限についてはベースフィルム21の材質、厚さ、無機化
合物の種類や薄膜層22の厚さにより異なり、また、そ
の下限についてはさらに第1の熱接着性樹脂32の材質
により左右されるが、20〜50℃の範囲にすることが
好ましい。
【0043】90℃よりも温度が高いと、無機化合物の
薄膜層22にクラックが発生するおそれが高く、他方、
15℃よりも温度が低いと、第1の熱接着性樹脂32と
基体シート2との接着強度が不十分となり、簡単に剥離
してしまい、包装材料として使用できない。
【0044】なお、共押し出しフィルム3の積層位置
は、基体シート2の、薄膜層22側、ベースフィルム2
1側のいずれの側であっても構わない。
【0045】得られたシートは、紙基材1と、ドライラ
ミネート法のような熱がかからない方法により積層する
ことができる。
【0046】ここで、本発明の第2の発明は、基体シー
ト2の前記共押し出しフィルム3が積層された側と反対
側に、溶融押し出した第2の熱接着性樹脂4を、無機化
合物の薄膜層22が割れない温度で、かつ、熱接着性を
失わない温度まで冷却し、非吸着性樹脂/第1の熱接着
性樹脂/無機化合物被覆基体シート/第2の熱接着性樹
脂の構成のシートを作成することを特徴とする。
【0047】すなわち、上述のように、基体シート2と
共押し出しフィルム3からなるシートと紙基材1とをド
ライラミネート法により積層することは、前述のように
滑り性、コスト等の問題が、なお存在する。従って、基
体シート2に第2の熱接着性樹脂4を、所定温度に冷却
して直接積層することが望ましいのである。
【0048】第2の熱接着性樹脂4の積層方法は、前述
した共押し出しフィルム3の積層同様に、押し出しダイ
62から第2の熱接着性樹脂4を溶融押し出しし、これ
をチルロール72などの冷却手段により、無機化合物の
薄膜層22が割れない温度で、かつ、熱接着性を失わな
い温度まで冷却し、次いで、前記基体シート2の共押し
出しフィルム3が積層された側と反対側に重ね、圧着し
て積層するのである(図3参照)。また、必要に応じ、
コロナ放電処理や接着アンカーコート層を適用できるこ
とは、前述同様である。
【0049】第2の熱接着性樹脂4としては、前述した
第1の熱接着性樹脂32同様の樹脂を使用することがで
きる。
【0050】上述のように第2の熱接着性樹脂4が積層
されたシートは、この第2の熱接着性樹脂4が断熱層と
して働き、もはや基体シート2には極端な熱がかかるこ
とはない。従って、上述したシートと紙基材1の接着に
は、熱を利用する公知の積層手段が適用可能となる。
【0051】なお、第2の熱接着性樹脂4が十分に断熱
層としての働きをするためには、第2の熱接着性樹脂4
の厚さは、15μm以上の厚さとすることが好ましい。
【0052】また、上述した基体シート2への共押し出
しフィルム3、第2の熱接着性樹脂4の積層順序は、特
に限定されない。
【0053】上述した第2の熱接着性樹脂4が積層され
たシートと紙基材1との積層は、上述のように熱を利用
するものであってよく、非吸着性樹脂31/第1の熱接
着性樹脂32/無機化合物被覆基体シート2/第2の熱
接着性樹脂4の構成のシートと、紙基材1との間に、溶
融押し出しした第3の熱接着性樹脂5を挟み、両者を圧
着して積層することができる(図4参照)。
【0054】第3の熱接着性樹脂5は、第2の熱接着性
樹脂4と紙基材1の双方に接着性があるものであれば特
に制限はなく、第2の接着性樹脂4と同じ樹脂を使用す
ることが、接着性を高めることができるので好ましい。
この第3の熱接着性樹脂5の厚さは、10μmあれば十
分である。
【0055】なお、紙基材1の第2の熱接着性樹脂4に
接する側に、ポリエチレン等の熱接着性樹脂を設けてお
き、第2の熱接着性樹脂4と熱接着性樹脂とを加熱して
積層する、いわゆる熱ラミネーション法も考えられる
が、基体シート2側から熱をかけることができない(基
体シート2に熱が多くかかり、薄膜層にクラックが生じ
る)ため、紙11側から熱をかけることとなるが、紙1
1の断熱性が高いため、熱効率が極端に悪く、この方法
は採用し難い。
【0056】以上のようにして得られた本発明の液体容
器用素材は、例えば図5、図6に示すような形状のブラ
ンクス9に打ち抜かれ、屋根型頂部を有する方形の容
器、あるいは、ブロック状の容器に組み立てることがで
きる。また、得られた素材を筒状に形成し、上下開口部
に適当な蓋材を取り付けることによって、円筒状の容器
に形成することも可能である。
【0057】得られた容器は、従来同様、各種の飲料を
充填することができるが、本発明による液体容器は、特
に内容物の香気を大切にする必要のある、ジュース、日
本酒、洋酒、茶、コーヒー、その他清涼飲料、または浴
用剤等の内容物を充填するに用いた場合、その効果が著
しい。
【0058】以下に、本発明の一実施例を示す。
【0059】坪量320g/m2 の晒クラフト紙(新富
士製紙(株)製、商品名SIE)の片面に、厚さ20μ
mのポリエチレンフィルムを積層し、紙基材を準備し
た。
【0060】これとは別に、厚さ12μmの二軸延伸ポ
リエチレンテレフタレートフィルム(帝人(株)製、商
品名NS)の片面に、無機化合物の薄膜層として、酸化
ケイ素を1500Åの厚さに設け、基体シートを準備し
た。
【0061】次に、前記基体シートの酸化ケイ素面に、
ポリエチレン樹脂(三井石油化学工業(株)製、商品名
M401PC)を、押し出しダイから30μmの厚さに
押し出し、約5℃に冷却したチルロールにて冷却し、コ
ロナ放電処理(処理度:濡れ指数43dyne/cm以
上(JIS K6768に準拠))を施した後、重ね、
圧着して積層した。この際、押し出したポリエチレン樹
脂の温度は、積層直前で約35℃であった。
【0062】次に、ポリエステル系樹脂(三井ポリケミ
カルデュポン(株)製、商品名シーラーPT J−80
2)、接着性樹脂(三井石油化学工業(株)製、商品名
アドマーSE800)、ポリエチレン樹脂(三井石油化
学工業(株)製、商品名M401PC)を、共押し出し
ダイから押し出し、この共押し出しした樹脂(樹脂温:
約280℃)を、約5℃に冷却したチルロールにて冷却
し、コロナ放電処理(処理度:濡れ指数43dyne/
cm以上(JIS K6768に準拠))を施した後、
前記基体シートのポリエチレンテレフタレート面に重
ね、圧着して積層し、ポリエステル系樹脂/接着性樹脂
/ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート/酸化ケ
イ素薄膜層/ポリエチレンの構成のシートを作成した。
【0063】次いで、上記シートのポリエチレンと、紙
基材の紙を向かい合わせ、その間に、厚さ20μmのポ
リエチレン樹脂を押し出しダイから押し出し、両者を圧
着、冷却して、積層し、本発明の液体容器用素材を得
た。
【0064】得られた液体容器用素材の酸素透過度、透
湿度を測定したところ、酸素透過度が1cc/m2 ・2
4hr・atm、透湿度が0.7g/m2 ・24hr・
atm(40℃、90%RH)であり、十分なガスバリ
ヤー性を有していた。
【0065】比較のため、上記共押し出し樹脂の冷却を
行わない外は上述同様にしたものを作成し、ガスバリヤ
ー性の評価を行ったところ、酸素透過度が5cc/m2
・24hr・atm、透湿度が3g/m2 ・24hr・
atm(40℃、90%RH)であり、十分なガスバリ
ヤー性が得られなかった。このものを分解して無機化合
物の薄膜層の状態を顕微鏡で観察したところ、薄膜層に
は無数の微細なクラックが生じていた。
【0066】次に、上記本発明の液体容器用素材と、従
来公知のポリエチレンを内面層として用いた液体容器用
素材を、図3に示す形状のブランクス9に打ち抜き、組
み立てて液体容器を製造し、内容物としてオレンジジュ
ースを充填し、4週間、25℃、65%RHの条件で保
存した後、官能検査を行ったところ、本発明のものは味
覚の変化が全くみられなかったのに対し、従来のポリエ
チレンを内面層に用いたものは、ポリエチレンの臭いが
内容物に移行したことが、かすかに感じられた。
【0067】また、本発明の液体容器用素材と、従来公
知のアルミニウム箔をガスバリヤー層として用いた液体
容器用素材を、それぞれ焼却したところ、本発明のもの
は完全に燃焼し、有毒ガスを発生しないものであった
が、アルミニウム箔を用いた従来のものは、アルミニウ
ム箔が燃焼せずに残るものであり、本発明のものが有利
なことが明らかとなった。
【0068】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、無
機化合物の薄膜層にクラックを生じさせることなく、ガ
スバリヤー性に優れ、金属箔を用いた場合の問題を解消
し、さらに、内容物の保香が可能な、優れた液体容器用
素材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液体容器用素材の断面図である。
【図2】本発明の液体容器用素材の製造方法における共
押し出しフィルムの積層工程を示す説明図である。
【図3】本発明の液体容器用素材の製造方法における第
2の熱接着性樹脂の積層工程を示す説明図である。
【図4】本発明の液体容器用素材の製造方法における、
第3の熱接着性樹脂を用いた、積層シートと紙基材の積
層工程を示す説明図である。
【図5】本発明に係る液体容器を製造するためのブラン
クシートの一例を示す平面図である。
【図6】本発明に係る液体容器を製造するためのブラン
クシートの他の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
1……紙基材 11…紙 2……基体シート 21…ベースフィルム 22…無機化合物の薄膜層 3……共押し出しフィルム 31…非吸着性樹脂 32…第1の熱接着性樹脂 33…接着性樹脂 4……第2の熱接着性樹脂 5……第3の熱接着性樹脂 61、62、63…押し出しダイ 71、72…チルロール 9…ブランクシート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 23:00 67:00 B29L 9:00 22:00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非吸着性樹脂と第1の熱接着性樹脂との共
    押し出しフィルムと、無機化合物の薄膜層が形成された
    基体シートと、紙基材とからなる、液体容器用素材を製
    造するに際し、前記共押し出しフィルムを共押し出しす
    る工程と、該共押し出しした樹脂を、無機化合物の薄膜
    層が割れない温度で、かつ、熱接着性を失わない温度ま
    で冷却する工程と、該冷却された共押し出し樹脂を前記
    無機化合物の薄膜層が形成された基体シート上に積層す
    る工程により、非吸着性樹脂/第1の熱接着性樹脂/無
    機化合物被覆基体シートの構成のシートを作成し、次い
    で、該シートと紙基材とを積層することを特徴とする、
    液体容器用素材の製造方法。
  2. 【請求項2】非吸着性樹脂と第1の熱接着性樹脂との共
    押し出しフィルムと、無機化合物の薄膜層が形成された
    基体シートと、紙基材とからなる、液体容器用素材を製
    造するに際し、前記共押し出しフィルムを共押し出しす
    る工程と、該共押し出しした樹脂を、無機化合物の薄膜
    層が割れない温度で、かつ、熱接着性を失わない温度ま
    で冷却する工程と、該冷却された共押し出し樹脂を前記
    無機化合物の薄膜層が形成された基体シート上に積層す
    る工程と、さらに、溶融押し出した第2の熱接着性樹脂
    を、無機化合物の薄膜層が割れない温度で、かつ、熱接
    着性を失わない温度まで冷却し、前記共押し出しフィル
    ムが積層される側と反対側の基体シート上に積層する工
    程とにより、非吸着性樹脂/第1の熱接着性樹脂/無機
    化合物被覆基体シート/第2の熱接着性樹脂の構成のシ
    ートを作成し、次いで、該シートと紙基材とを積層する
    ことを特徴とする、液体容器用素材の製造方法。
  3. 【請求項3】非吸着性樹脂と第1の熱接着性樹脂との共
    押し出しフィルムと、無機化合物の薄膜層が形成された
    基体シートと、紙基材とからなる、液体容器用素材を製
    造するに際し、前記共押し出しフィルムを共押し出しす
    る工程と、該共押し出しした樹脂を、無機化合物の薄膜
    層が割れない温度で、かつ、熱接着性を失わない温度ま
    で冷却する工程と、該冷却された共押し出し樹脂を前記
    無機化合物の薄膜層が形成された基体シート上に積層す
    る工程と、さらに、溶融押し出した第2の熱接着性樹脂
    を、無機化合物の薄膜層が割れない温度で、かつ、熱接
    着性を失わない温度まで冷却し、前記共押し出しフィル
    ムが積層される側と反対側の基体シート上に積層する工
    程とにより、非吸着性樹脂/第1の熱接着性樹脂/無機
    化合物被覆基体シート/第2の熱接着性樹脂の構成のシ
    ートを作成し、次いで、前記シートの第2の熱接着性樹
    脂と紙基材との間に、溶融した第3の熱接着性樹脂を挟
    み、両者を積層することを特徴とする、液体容器用素材
    の製造方法。
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