JPH1063645A - 3次元fft装置 - Google Patents

3次元fft装置

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JPH1063645A
JPH1063645A JP8225068A JP22506896A JPH1063645A JP H1063645 A JPH1063645 A JP H1063645A JP 8225068 A JP8225068 A JP 8225068A JP 22506896 A JP22506896 A JP 22506896A JP H1063645 A JPH1063645 A JP H1063645A
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dimensional
fft
time
axis
circuit
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Tsuneaki Daishidou
経明 大師堂
Seiichiro Iwase
清一郎 岩瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電波到来方向の分析を行い、更にこれを3次
元に展開するようなFFTを行うこと、すなわち方向と
周波数を同時に分析することを、小規模で且つ安価な構
成によって実現する。 【解決手段】 2次元配列したアンテナ素子A0〜A63
からの信号を受けて、電波到来方向分析のための空間軸
2次元FFT演算を行う2次元並列FFT回路11と、
この2次元並列FFT回路11からの出力を受けて、周
波数分析のための時間軸FFT演算を行う64次並列F
FT回路13とを有する。さらに、2次元並列FFT回
路11での方向分析結果として出力される方向別分解結
果が並列化され且つ時刻順になっている時系列を、一定
時間の信号時系列を一組として並列化し、時間と共に方
向順に変換して出力するシフトレジスタ群12を設け、
このシフトレジスタ群12の出力を64次並列FFT回
路13に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば移動体通
信、衛星通信、衛星放送受信、レーダー、電波望遠鏡な
どに使用可能な3次元FFT装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、通信や電波信号源観測を行う
場合においては、方向分析のためにFFT(Fast Fourie
r Transform:高速フーリエ変換)を利用することや、周
波数分析のためにFFTを利用することが知られてい
る。
【0003】このような従来より知られていた技術とし
て、上記周波数分析をFFTで実現する方法について
は、多くの教科書的書物で説明されているので、説明を
省略するが、例えば、N次FFTによれば、N個の複素
時系列データからN個の周波数区間に分解分析をするこ
とが可能となっている。
【0004】また、上記FFTにより方向分析を実現す
る方法については、同時に多方向を観測する(いわゆる
マルチビーム化する)ことが容易に実現できるので、相
関演算などによる他の方向分析方法(例えばいわゆるビ
ームフォーミング等)と比べて、その観測測定速度を非
常に高速化でき、その効果が大きいことが知られてい
る。
【0005】しかし、2次元的に、しかもマルチビーム
で方向分析を実現するFFT方向分析法については、そ
の例が少なく、例えば本件出願人らが先に提案している
特願昭60−5449号の明細書及び図面に記載の高速
フーリエ変換装置や特願昭61−76920号の明細書
及び図面に記載の入力波の到来方向測定装置、電子情報
通信学会論文誌 A Vol.J71-A No.2に記載された電波望
遠鏡用高速並列FFTプロセッサ、電子情報通信学会技
術研究報告 DSP91-44に記載されたビデオ信号用DSP
−LSIの電波天文用2次元FFTへの応用等があった
が、更に3次元に展開する発想は、従来より存在してな
い。
【0006】このように3次元に展開する発想がなかっ
たのは、これまで空間を伝搬する電波の方向を3次元的
に扱ったり、或いは空間を2次元的に扱った上に周波数
についても細かく分解して扱うような用途が少なく、ま
た、例えば通信や電波信号源観測用に使用することを考
えた場合、半導体の演算素子が実現できる演算性能のこ
とを考慮すると、非常に高速で多並列の演算が必要にな
り、且つ非常に大がかりなハードウェアシステムを必要
とするため、その実現が極めて困難であったためであ
る。
【0007】ここで、前記方向分析をFFTにて実現す
る具体的方法については、上記の明細書及び図面や文献
などが参考になるが、以下に簡単に説明する。
【0008】先ず、上記FFTについて説明するが、こ
れは多くの書物に解説されているので、ここでは最低限
必要な事柄だけ触れておく。
【0009】図3にはFFTの要素回路としてのバタフ
ライ演算回路の構成を示す。FFTというのは、図3の
バタフライ演算回路を要素演算として、この要素演算を
多数繰り返して実現されるものである。
【0010】図3のバタフライ演算回路は、複素加算器
である演算器113及び114と、複素乗算器である演
算器111及び112とを有してなるものであって、こ
れら2個の複素加算器と2個の複素乗算器を使用するこ
とで、2つの複素データ(p+jq)と(r+js)が入力
されると、2つの複素データ(t+ju) と(v+jw)
を出力するものである。また、上記複素乗算器である演
算器111入力されるexp(jα)と演算器112に入
力される−exp(jα)は回転子と呼ばれ、これは移相
量を意味し、当該バタフライ演算回路のFFT処理全体
の中における位置により決まる定数である。なお、図3
では、1つの複素データを1本の接続線で表現してい
る。
【0011】ここで、上記複素加算器は、図4に示すよ
うに2個の普通の加算器131及び132を用いて表現
できるものである。すなわち図4には一つの複素加算器
の概略構成を示し、当該複素加算器では、2つの複素デ
ータ(a+jb)と(c+jd)とを加算して、複素データ
(e+jf)を生成する。なお、図中のa,b,c,d,
e,fの関係は、e=a+c,f=b+dとなってい
る。
【0012】また、上記複素乗算器は、図5に示すよう
に4個の普通の乗算器141,142,143,144
と2個の普通の加算器146,147を用いて表現でき
るものである。すなわち図5には一つの複素乗算器の概
略構成を示し、当該複素乗算器では、2つの複素データ
(a+jb)と(c+jd)とを乗算して、複素データ(g
+jh)を生成する。図中のa,b,c,d,g,hの
関係は、g=ac−bd,h=bc+adとなってい
る。
【0013】なお、図4及び図5では1つの実数或いは
虚数のデータを1本の接続線で表現している。
【0014】結局、図3のバタフライ演算回路は、原理
的に8個の乗算器と8個の加算器で実現できる。ただ
し、実際には、回転子の位相により演算が不要になる部
分も多い。
【0015】このようなことから、例えば8次のFFT
というのは、図6ような構成により実現されるようにな
る。当該図6に示す8次FFT回路によれば、8つの複
素データI0,I1,I2,・・・,I7(実数部と虚
数部に分けると16個のデータI0R,I0I,I1R
I1I,I2R,I2I,・・・,I7R,I7Iとなる)
が入力され、8つの複素データO0,O1,O2,・・
・,O7(実数部と虚数部に分けると16個のデータO
R,O0I,O1R,O1I,O2R,O2I,・・・,O
R,O7Iとなる)が出力される。なお、各複素データ
I0R,I0I〜I7R,I7IとO0R,O0I〜O7R
O7Iの下添え字のRとIはそれぞれの複素データの実
数部と虚数部であることを示している。すなわちこの図
6の構成は、12個バタフライ演算器151〜162を
有している。なお、図中Wはexp(jα)を意味し、W
の上添え字の数字がαである。 この図6でも1つの実
数或いは虚数のデータを1本の接続線で表現している。
【0016】次に、図7を用いて電波の方向分析の原理
を説明する。
【0017】この図7においては、アンテナ素子を8個
備えている場合の例を示しており、これら8個のアンテ
ナ素子A0〜A7の配列は直線等間隔としている。また、
図中の矢印にて示す方向を電波の到来方向であるとする
と、電波の波面は図中に示すようにアンテナ配列の法線
に対してある角度をなす並行線なっている。
【0018】このようなアンテナ配列と電波到来方向及
び電波の波面の関係を有する場合、上記8個のアンテナ
素子A0〜A7への電波の到達時間は少しづつズレるの
で、ある瞬時の各アンテナ素子A0〜A7での観測波面デ
ータを得て8次のフーリエ変換を行うと、標本化時ごと
の観測波面の空間周波数、すなわち方向が分析できるの
である。
【0019】ここで、図7の信号処理回路180は、各
アンテナ素子A0〜A7にて受信されそれぞれ対応する増
幅器170〜177にて増幅された受信信号毎に、高周
波増幅、周波数変換、ベースバンド増幅、A/D変換、
等化などの処理を行う。当該信号処理回路180では、
上記周波数変換の際に直交周波数変換を行い、これによ
り上記各アンテナ素子A0〜A7からの信号が直交する2
つの信号となされ、その2つの信号を実数部と虚数部と
見なして複素信号として扱う。なお、上記信号処理回路
180の入出力は、各アンテナ素子A0〜A7に対応する
信号になっていて、入力信号はアナログ高周波信号であ
るが、出力信号はA/D変換後であってディジタルの複
素時系列信号となる。
【0020】上記信号処理回路180の出力データB0
R,B0I,B1R,B1I,B2R,B2I,・・・,B7
R,B7Iを、それぞれ上記図6に示した8次FFT回路
へ前記各複素データI0R,I0I,I1R,I1I,I2
R,I2I,・・・,I7R,I7Iとして送り、当該図6
の8次FFT回路にて前述したように8次のFFT演算
を行えば、上記図6の8次FFT回路より出力される8
つの複素データO0R,O0I,O1R,O1I,O2R
O2I,・・・,O7R,O7Iから、上記標本化の瞬間
ごとの電波の到来方向を8方向に分解分析した複素デー
タが得られることになる。
【0021】これは、上記配列されたアンテナ素子A0
〜A7群での観測波面データの空間周波数が、図7中の
矢印で示す電波到来方向の角度(すなわちアンテナ配列
方向に対する電波到来方向の角度)によって異なること
を利用している。このように、上記8個の各アンテナ素
子と8次FFTとにより、8方向の分解分析が可能とな
る。なお、図7でも図中のRとIはそれぞれの複素デー
タの実数部と虚数部であることを示しており、また1つ
の実数或いは虚数のディジタルデータを1本の接続線で
表現している。
【0022】次に図8には、縦方向(Y軸方向)に8個
且つ横方向(X軸方向)に8個の合計64個のアンテナ
素子A00〜A77を2次元配列した例を示している。前記
図7の例では8個のアンテナ素子A0〜A7を1次元的に
配列していたが、この図8に示す2次元配列アンテナの
ようにX軸方向とY軸方向に各8列で合計64個のアン
テナ素子A00〜A77を2次元的に等間隔に配列すると、
X軸方向に対して8方向分の電波到来方向を分解分析で
き、さらにY軸方向に対しても8方向分の電波到来方向
を分解分析できるため、合計で64方向分の電波到来方
向を分解分析可能となる。
【0023】この図8に示したような2次元配列アンテ
ナに対応するFFT回路としては、図9に示すような構
成の2次元並列FFT回路が適用されることになる。す
なわちこの図9に示す2次元並列FFT回路は、図8の
ような2次元配列された64個の各アンテナ素子A00
77に対応して電波到来方向を分析するものである。な
お、図9においては、前述した図6のように各バタフラ
イ演算器やそれらの接続関係を全て図示すると見にくく
なるのでこれらを省略して示しており、前記図6同様の
8次FFT回路を一つのブロックとして図示し、これら
8次FFT回路を示すブロックをX軸方向用(8次FF
T回路X0〜X7)とY軸方向用(8次FFT回路Y0
〜Y7)に分けて図示している。また、この図9の各8
次FFT回路X0〜X7及びY0〜Y7上には、入出力
される複素データI0〜I7及びO0〜O7を示してい
るが、これら複素データの実数部と虚数部の図示も省略
している。
【0024】ここで、上記図8に示した2次元配列アン
テナの各アンテナ素子A00〜A77の出力と上記図9に示
した2次元並列FFT回路のX軸方向の8次FFT回路
X0〜X7の入力との対応関係では、図8の各アンテナ
素子A00〜A77のうちX軸方向の一列をなす各アンテナ
素子A00,A10,A20,・・・,A70の出力が図9の8
次FFT回路X0に入力される複素データI0,I1,
I2,・・・,I7とそれぞれ対応し、図8の各アンテ
ナ素子A00〜A77のうちX軸方向の一列をなす各アンテ
ナ素子A01,A11,A21,・・・,A71の出力が図9の
8次FFT回路X1に入力される複素データI0,I
1,I2,・・・,I7とそれぞれ対応し、以下同様に
して、図8の各アンテナ素子A00〜A77のうちX軸方向
の一列をなす各アンテナ素子A07,A17,A27,・・
・,A77の出力が、図9の8次FFT回路X7に入力さ
れる複素データI0,I1,I2,・・・,IN7にそ
れぞれ対応する。
【0025】さらに、図9の2次元並列FFT回路にお
いて、X軸方向の各8次FFT回路X0〜X7とY軸方
向の8次FFT回路Y0〜Y7との間の入出力の対応関
係では、X軸方向の8次FFT回路X0から出力される
複素データO0がY軸方向の8次FFT回路Y0へ入力
される複素データI0に対応し、X軸方向の8次FFT
回路X1から出力される複素データO0がY軸方向の8
次FFT回路Y0へ入力される複素データI1に対応
し、以下同様にして、X軸方向の8次FFT回路X7か
ら出力される複素データO0がY軸方向の8次FFT回
路Y0へ入力される複素データI7に対応する。また、
8次FFT回路X0からの出力複素データO1が8次F
FT回路Y1への入力複素データI0に対応し、8次F
FT回路X1からの出力複素データO1が8次FFT回
路Y1への入力複素データI1に対応し、以下同様にし
て、8次FFT回路X7からの出力複素データO1が8
次FFT回路Y1への入力複素データI7に対応する。
以下同じように対応付けられており、8次FFT回路X
0からの出力複素データO7が8次FFT回路Y7への
入力複素データI0に対応し、8次FFT回路X1から
の出力複素データO7が8次FFT回路Y7への入力複
素データI1に対応し、以下同様にして、8次FFT回
路X7からの出力複素データO7が8次FFT回路Y7
への入力複素データI7に対応する。
【0026】このように図9の2次元並列FFT回路に
おいて、X軸方向の各8次FFT回路X0〜X7とY軸
方向の8次FFT回路Y0〜Y7との間の入出力が対応
付けられることで、Y軸方向の8次FFT回路Y0〜Y
7の各出力に、64方向の各方向ごとの複素データ時系
列が得られるようになる。この図9に示す2次元並列F
FT回路では、上記2次元のFFT演算を並列演算処理
しているので、64方向の電波到来方向の分析結果が毎
サイクル出力されることになる。
【0027】上述したような電波到来方向の分析機能
は、通信などで活用できる。また、上記64方向の各方
向ごとの複素データ時系列に対して、それぞれ例えば自
乗積分を施すようにすれば、各方向毎の電波の強度を得
ることができ、さらにこれら各方向毎の電波の強度分布
を表示することにより、レーダーや電波望遠鏡に利用可
能となる。
【0028】上述した図3,図6,図9の構成は、強力
なCPU(中央処理装置)の上に載せるソフトウェアプ
ログラムにて実現できれば、ハードウェアにて実現する
よりも構成が簡略化できると共にコストも低減可能とな
るが、通信や電波源測定の用途に対してそれが実現でき
るような強力なCPUは当面の半導体技術では無理であ
る。したがって、現状では、上記図3,図6,図9の構
成はできる限りの並列化とパイプライン化を施したハー
ドウェア構成にて実現するしかない。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】ところで、移動体通信
などでは、通信の相手としてできるだけ多くを扱えたほ
うがよいし、その扱える通信情報量も多いほうがよい。
さらに移動体通信などでは、通信の相手との位置関係が
時々刻々変化するので、電波到来方向や周波数につい
て、自在に分解して扱えることが望まれる。
【0030】また、衛星による通信や放送においては、
今後衛星が増えたり、放送チャンネルが増えることが予
想されるので、やはり電波到来方向や周波数についての
自由度が大きいことが望まれる。
【0031】レーダーや電波望遠鏡においても、その観
測や測定を高速に行うためには、同時に多方向を観測
し、また周波数分析についても同時に細かく行いたいと
いう要求があり、この場合もやはり電波到来方向や周波
数について、自在に分解して扱えることが望まれる。
【0032】ところが、従来の通信や電波信号源観測に
おいては、電波到来方向の分析についてのみFFTを利
用するものや、周波数分析についてのみFFTを利用す
ることは知られていたが、2次元以上でしかもマルチビ
ームで電波到来方向の分析を実現するFFT方向分析法
についてはその例が少なく、更にこれを3次元に展開す
る発想も従来はなかった。また、このような電波到来方
向の分析を行い、更にこれを3次元に展開するようなF
FTを実現するためには、高速で多並列の演算が必要と
なり、大規模なハードウェアになってしまう。したがっ
て、構成が簡単な方式が望まれている。
【0033】そこで、本発明はこの様な実情に鑑みてな
されたものであり、電波到来方向の分析を行い、更にこ
れを3次元に展開するようなFFTを、小規模で且つ安
価な構成によって実現することができる3次元FFT装
置を提供することを目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】本発明の3次元FFT装
置は、2次元配列したセンサ素子からの信号を受けて、
方向分析のための空間軸2次元FFT演算を行い、この
空間軸2次元FFT演算結果を受けて、周波数分析のた
めの時間軸FFT演算を行うことにより、上述の課題を
解決する。
【0035】すなわち、本発明によれば、2次元配列し
たセンサ素子からの信号に対して、方向分析と周波数分
析の両方を行うようにしている。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について図面を参照にしながら説明する。
【0037】図1には、本発明実施例の3次元FFT装
置の全体構成を示す。なお、この図1では、1つの実数
或いは虚数のディジタルデータをそれぞれ1本の接続線
で表現している。
【0038】この図1おいて、センサ素子としての64
個のアンテナ素子A0,A1,A2,・・・,A63は、前
記図8のようにY軸方向に8列でX軸方向に8列の2次
元的に配列されている。すなわち、図1の64個のアン
テナ素子A0〜A63のうち、アンテナ素子A0,A1
2,・・・,A7は前記図8のアンテナ素子A00
10,A20,・・・,A70とそれぞれ対応し、図1のア
ンテナ素子A8,A9,A10,・・・,A15は前記図8の
アンテナ素子A01,A11,A21,・・・,A71とそれぞ
れ対応し、以下同様にして、図1のアンテナ素子A56
57,A58,・・・,A63は前記図8のアンテナ素子A
07,A17,A27,・・・,A77とそれぞれ対応してい
る。これら各アンテナ素子A0〜A63はそれぞれ電波を
受信し、アナログ高周波信号を信号処理回路10に送
る。
【0039】上記各アンテナ素子A0〜A63からのアナ
ログ高周波信号は、信号処理回路10の対応する端子に
入力される。当該信号処理回路10は、基本的には前述
した図7の信号処理回路180と同様な機能を有するも
のである。ただし、上記64個のアンテナ素子A0〜A
63に対応するために、当該図1の信号処理回路10の構
成は前記8個のアンテナ素子用であった図7の信号処理
回路の8倍の規模となっている。すなわち、当該信号処
理回路10には、上記64個のアンテナ素子A0〜A63
用として、前記図7と同じ回路が8個独立して用意され
ている。
【0040】この信号処理回路10では、各アンテナ素
子A0〜A63から供給されたアナログ高周波信号毎に、
高周波増幅、周波数変換、ベースバンド増幅、A/D変
換、等化など、後段のFFT処理の前処理を行う。ま
た、当該信号処理回路10では、上記周波数変換の際に
直交周波数変換を行い、これにより上記各アンテナ素子
0〜A63からの各信号がそれぞれ直交する2つの信号
となされ、それら2つの信号を実数部と虚数部と見なし
て複素信号として扱う。なお、当該信号処理回路10の
入出力は、各アンテナ素子A0〜A63に対応する信号に
なっていて、入力信号はアナログ高周波信号であるが、
出力信号はA/D変換後であってディジタルの複素時系
列信号となる。
【0041】当該信号処理回路10の出力データB0,
B1,B2,・・・,B62,B63は、空間軸2次元
FFT演算手段である2次元並列FFT回路11へそれ
ぞれ入力データI0,I1,I2,・・・,I62,I
63として送られる。なお、上記信号処理回路10の出
力データB0〜B63及び2次元並列FFT回路11へ
の入力データI0〜I63はそれぞれ複素データであり
実数部と虚数部からなるため、これら信号処理回路10
と2次元並列FFT回路11との間の接続線はそれぞれ
2本で表している。
【0042】上記2次元並列FFT回路11は、前記図
6の8次FFT回路を16個使用する前記図9にて示し
た2次元並列FFT回路と同様に構成されるものであっ
て、前記2次元配列された各アンテナ素子A00〜A63
対応して電波到来方向を分析するものである。
【0043】ここで、本実施例における上記64個のア
ンテナ素子A00〜A63の出力と上記2次元並列FFT回
路11の入力との対応関係では、上記アンテナ素子
0,A1,A2,・・・,A7の出力データと2次元並列
FFT回路11の入力データI0,I1,I2,・・
・,I7とが対応し、上記アンテナ素子A8,A9
10,・・・,A15の出力データと2次元並列FFT回
路11の入力データI8,I9,I10,・・・,I1
5とが対応し、以下同様にして上記アンテナ素子A56
57,A58,・・・,A63の出力データと2次元並列F
FT回路11の入力データI56,I57,I58,・
・・,I63とが対応している。
【0044】また、当該2次元並列FFT回路11の内
部では、前記図9の構成を用いて説明すると、上記2次
元並列FFT回路11への入力データI0,I1,I
2,・・・,I7(すなわちアンテナ素子A0,A1,A
2,・・・,A7の出力)と前記図9の8次FFT回路X
0へ入力される複素データI0,I1,I2,・・・,
I7とが対応し、2次元並列FFT回路11の入力デー
タI8,I9,I10,・・・,I15(すなわちアン
テナ素子A8,A9,A10,・・・,A15の出力)と前記
図9の8次FFT回路X1へ入力される複素データI
0,I1,I3,・・・,I7とが対応し、以下同様に
して、2次元並列FFT回路11の入力データI56,
I57,I58,・・・,I63(すなわちアンテナ素
子A56,A57,A58,・・・,A63の出力)と前記図9
の8次FFT回路X7へ入力される複素データI0,I
1,I3,・・・,I7とが対応する。なお、当該2次
元並列回路11内部における前記図9の8次FFT回路
X0〜X7とY0〜Y7との間の接続関係は前述同様で
ある。
【0045】このように、当該2次元並列FFT回路1
1は、前記図9にて説明したようにX軸方向の各8次F
FT回路とY軸方向の8次FFT回路とを組み合わせて
なり、上記各アンテナ素子A00〜A63にて観測された瞬
時瞬時の波面情報としてのディジタル複素信号を上記信
号処理回路10から受け取ると、当該ディジタル複素信
号を上記瞬時ごとに電波到来方向別に分解分析してディ
ジタル複素データに変換し、電波到来方向毎の複素時系
列データとして出力するものである。すなわちこの2次
元並列FFT回路11では、上記2次元のFFT演算を
並列演算処理しているので、64方向の電波到来方向の
分析結果が毎サイクル出力されることになる。言い換え
れば、当該2次元並列FFT回路11では、前記8×8
個の合計64個を2次元的に配列したアンテナ素子A0
〜A63からの信号を、8×8次の2次元並列FFT処理
することで、8×8方向(合計64方向)に電波到来方
向を分析分解している。
【0046】なお、上記2次元並列FFT回路11は、
光学望遠鏡がレンズによって光の波面をフーリエ変換し
て、人間の目に画像を結ぶのと同様のことを、ディジタ
ルの電気的なシステムにより実現しているのに他ならな
い。
【0047】上記2次元並列FFT回路11の出力デー
タO0,O1,O2,・・・,O62,O63は、直並
列変換手段であるシフトレジスタ群12へそれぞれ入力
されるデータM0,M1,M2,・・・,M62,M6
3として送られる。なお、上記2次元並列FFT回路1
1の出力データO0〜O63及びシフトレジスタ群12
への入力データM0〜M63はそれぞれ複素データであ
り実数部と虚数部からなるため、2次元並列FFT回路
11とシフトレジスタ群12との間の接続線はそれぞれ
2本として表している。
【0048】上記シフトレジスタ群12は、直並列変換
回路として機能するシフトレジスタ群であり、次段の後
述する64次並列FFT回路13で周波数を64区間に
分解分析するための準備としてのデータ並べ変えを行う
ものである。すなわち、当該シフトレジスタ群12は、
上記2次元並列FFT回路11での方向分析結果である
方向別分解結果が並列化されていて且つそれが時刻順に
並んでいる上記複素時系列データ受けて、方向毎に別に
用意された64サンプル分のシフトレジスタに蓄積し、
それを今度は毎サイクルごとに方向を変えて、順に時系
列64サンプル分を一組として並列に出力するものであ
る。言い換えれば、シフトレジスタ群12では、上記2
次元並列FFT回路11から供給された方向毎の時系列
の入力データM0,M1,M2,・・・,M63を直並
列変換し、64サンプル分の時系列データを一組として
並列化した出力データN0,N1,N2,...N63
を得ている。このように、入力データM0,M1,M
2,・・・,M63はそれぞれ方向が違うのであり、出
力データN0,N1,N2,・・・,N63はそれぞれ
標本化時刻が違うのである。
【0049】ここで、当該シフトレジスタ群12は、具
体的には図2に示すような回路構成にて実現されるもの
である。ただし、図1のシフトレジスタ群12は、当該
図2に示す回路を実数部用と虚数部用の2つ有してなる
ものであり、その動作は全く同じである。なお、上記実
数部用と虚数部用の回路構成は共に同じであるが、図2
の例では実数部用のみを図示している。また、この図2
でも1つの実数(虚数部用では虚数となる)のディジタ
ルデータを1本の接続線で表現している。
【0050】この図2において、当該シフトレジスタ群
12の実数部用回路は、図中点線で囲む要素回路が64
×64個(合計4096個)並べられて構成されてい
る。各要素回路は、2つのレジスタKとLからなる。レ
ジスタKは横方向に64段のシフトレジスタを構成して
おり、レジスタLは縦方向に64段のシフトレジスタを
構成している。レジスタKからレジスタLへの接続にお
いては、全要素回路のKとLの間で、64シフトごとに
1回、一斉にデータの移動が行われる。上記レジスタK
により構成されるシフトレジスタとレジスタLにより構
成されるシフトレジスタは、普通はそれぞれ所定の方向
へシフトを行うものであると考えてよく、したがって例
えば各レジスタLは前段のレジスタLの出力を受けるの
だが、64サイクルに1回だけ、各レジスタLは要素回
路でペアをなすレジスタKの出力を受けるようになって
いる。すなわち、各レジスタLは、前段のレジスタLの
出力を受けるか又はレジスタKの出力を受けるかを選べ
るように、セレクタが用意されているものである。
【0051】より具体的に説明すると、当該シフトレジ
スタ群12においては、各方向毎の時系列データが方向
ごとに入力データM0,M1,M2,・・・,M63と
して供給されており、レジスタKが構成する横方向のシ
フトレジスタによって標本化周期ごとに右方向シフトを
行い、64クロック後には全てのレジスタKに、その時
点より過去の64標本化期間分の時系列データが蓄積さ
れる。このように全てのレジスタKに時系列データが蓄
積されると、これらレジスタKからレジスタLに対して
一斉にデータロードが行われ、全てのレジスタKの内容
がそれぞれのレジスタKとペアになっているレジスタL
に移される。その後、レジスタKからなる全てのシフト
レジスタは、次の64クロック期間の時系列データの蓄
積を再開する。また、当該レジスタKによって次の64
クロック期間の時系列データを蓄積している最中に、レ
ジスタLが構成する縦方向のシフトレジスタは、標本化
周期ごとに下方シフトを行う。このとき、レジスタKか
らなるシフトレジスタもレジスタLからなるシフトレジ
スタも共に64段であるので、レジスタKの時系列デー
タの蓄積が終わる時には、レジスタLの下方シフトによ
る次段の64次並列FFT回路13への出力も同じタイ
ミングで終了し、次のレジスタKからレジスタLへの一
斉データ移動が行われる。そして、また次のレジスタK
からなるシフトレジスタにおける右シフトと、レジスタ
Lからなるシフトレジスタの下方シフトとが開始され
る。そしてそれが繰り返される。
【0052】このような動作により、当該シフトレジス
タ群12からは、上記レジスタKからレジスタLへの一
斉データ移動が行われたタイミングで、先ず最初の入力
データM0の方向における64サイクル分の時系列デー
タが並列に出力され、これ以降はレジスタLからなるシ
フトレジスタの下方シフトにより、クロックごとに順に
入力データM1,M2,M3へと方向を変えながら、順
にそれぞれの64サイクル分の時系列データを並列に出
力する。
【0053】本実施例では、上記直並列変換回路として
上述したシフトレジスタ群12による構成例を示した
が、当該直並列変換回路は上記シフトレジスタ群12に
よらなくても良く、例えば2面構成のメモリを用いるこ
とでも実現が可能である。すなわちこの場合は、上記シ
フトレジスタ群12の場合と同様に64×64個の記憶
素子を図9と同様に配置したメモリを2個用意し、これ
ら2個のメモリの同じ位置の記憶素子間で一斉にデータ
移動ができるようにしておく。具体的な動作としては、
先ず最初に、一方のメモリに対して、例えば横方向から
順にデータを書き込んでゆき、上の行の書き込みが終わ
った後は下の行に対して同様に横方向から順にデータを
書き込んでいくことにより、当該一方のメモリが一杯に
なるまでデータの書き込みを行う。次に、当該一方のメ
モリが一杯になると、この一方のメモリ内の各記憶素子
に記憶された各データを、他方のメモリのそれぞれ対応
する記憶素子に一斉に移動する。次いで、当該他方のメ
モリからは縦方向に順番にデータを読み出すようにし、
前の列の書き込みが終わった後は次の列に対して同様に
縦方向から順にデータを読み出していくことにより、当
該他方のメモリに記憶された全てのデータを読みだして
いく。このようにすることで、2面構成のメモリによっ
て上記シフトレジスタ群12と同様の直並列変換が可能
となる。
【0054】上記シフトレジスタ群12の出力データN
0,N1,N2,・・・,N62,N63は、時間軸F
FT演算手段である64次並列FFT回路13へそれぞ
れ入力されるデータI0,I1,I2,・・・,I6
2,I63となる。なお、上記シフトレジスタ群12の
出力データN0〜N63及び64次並列FFT回路13
への入力データI0〜I63はそれぞれ複素データであ
り実数部と虚数部からなるため、これらシフトレジスタ
群12と64次並列FFT回路13との間の接続線もそ
れぞれ2本として表している。
【0055】上記64次並列FFT回路13は、64次
の1次元並列FFT回路からなり、64個の各方向毎の
周波数を分解分析するものであって、周波数分析する方
向をサイクル毎に変える形で処理している。すなわち当
該64次並列FFT回路13への入力としては、上記シ
フトレジスタ群12の実数部用と虚数部用の回路によっ
て同じ方向の64個の実数部時系列データとやはり64
個の虚数部時系列データが同じサイクルに得られ、これ
ら64クロック分の複素時系列データがクロックごとに
方向を変えながら与えられるので、順に周波数分析のた
めの64次FFT処理を行っていく。これにより、当該
64次並列FFT回路13からの出力としては、クロッ
ク毎に上記方向を変えながらその方向毎の周波数分析結
果が並列に得られることになる。なお、この64次並列
FFT回路13における64次のFFT処理について
は、その原理は既知の通りであるためここでは特に説明
しないが、具体的には前記図6に示した8次FFT回路
を64次に拡張したものである。
【0056】上記64次並列FFT回路13の出力デー
タO0,O1,O2,・・・,O62,O63は、それ
ぞれ自乗積分回路14へ送られる。なお、上記64次並
列FFT回路13の出力データはそれぞれ複素データで
あり実数部と虚数部からなるため、上記64次並列FF
T回路13と自乗積分回路14との間の接続線もそれぞ
れ2本として表している。
【0057】上記自乗積分回路14は、通信などの用途
では不要であるが、例えばレーダーや電波望遠鏡のよう
な用途では必要になり、自乗積分を行うことにより、方
向毎のパワーを求めるものである。このように自乗積分
回路14では、方向と周波数ごとに自乗積分を行うこと
により、S/N改善がなされ、非常に微弱な電波源も検
出できるようになる。
【0058】上記自乗積分回路14からのパワーを示す
出力データD0,D1,D2,・・・,D62,D63
は、本実施例の3次元FFT装置の出力として取り出さ
れる。ただし、当該自乗積分回路14を用いない場合、
本実施例の3次元FFT装置の出力は、上記64次FF
T回路13の各出力となる。上記自乗積分回路14から
出力データは、複素データではなく上述のようにパワー
を表すためそれぞれ1本で表す出力となっている。
【0059】本実施例の3次元FFT装置の出力データ
D0,D1,D1,・・・,D63は、周波数別であっ
てもまた方向別であっても良く、自乗積分回路14内で
のデータの並べ方次第である。ここで、上記出力データ
D0,D1,D1,・・・,D63を例えば上記方向分
析別であるとし、それぞれを例えば表示装置の輝度信号
として、これら出力データD0,D1,D1,・・・,
D63のそれぞれを例えばX軸方向に8個及びY軸方向
に8個ずつ並べて8×8の2次元的に配列し、これを上
記表示装置のディスプレイ上に表示すれば、周波数区間
ごとの電波源観測画像を表示することが可能となる。こ
れにより、方向については64方向、周波数については
64周波数区間に分解分析がなされたわけである。
【0060】上述したように本発明実施例では、各アン
テナ素子の配列を8×8個の合計64個とした2次元配
列を例に挙げて説明したが、前述したような8個の直線
配列であってもよく、また、縦或いは横方向の配列数も
上記8個に限定せず、何れの数であってもよい。このよ
うに、N×N個のアンテナ素子を用いた場合、図1の2
次元並列FFT回路11に対応する部分の構成と前記6
4次並列FFT回路13に対応する部分の構成は、それ
ぞれに設けられるFFT部が、Nの自乗の次数のFFT
を行うものとなされる。また、N×N個のアンテナ素子
を用いた場合の上記シフトレジスタ群12に対応する部
分の構成は、Nの自乗個のデータ入力とNの自乗個のデ
ータ出力に対応する回路を実数用と虚数用とで2面設け
るものとなる。これによって、方向についてはNの自乗
方向、周波数についてはNの自乗周波数区間に分解分析
を行うことが可能となる。
【0061】さらに、縦方向と横方向に配列するアンテ
ナ素子の数は異なってもよく、したがって、N×M個に
配列したアンテナ素子を用いることも可能である。この
ようにN×M個のアンテナ素子を用いた場合、前記2次
元並列FFT回路11に対応する部分の構成と前記64
次並列FFT回路13に対応する部分の構成は、それぞ
れに設けられるFFT部が、N×M次のFFTを行うも
のになされる。また、このときの前記シフトレジスタ群
12に対応する部分の構成は、N×M個のデータ入力と
N×M個のデータ出力に対応する回路を実数用と虚数用
とで2面設けたものとなされる。これによって、方向に
ついてはN×M方向、周波数についてはN×M周波数区
間に分解分析を行うことが可能となる。なお、N×M個
のアンテナ素子配列を想定するときの前記図9に相当す
る図1の2次元配列FFT回路11の部分の構成として
は、N次並列FFTを行う部分をM個と、M次並列FF
Tを行う部分をN個用意し、これらを直列接続すること
で実現可能である。一方、前記64次並列FFT回路1
3に対応する構成としては、FFT部がN×M次の1次
元FFTを行うものとなる。
【0062】また、FFTのバタフライ演算回路の構成
方法やその接続構成方法については、いろいろな変形が
知られているが、本発明実施例では、特にその変形には
無関係であり、どのようなものを採用しても違いはな
い。本実施例の3次元FFT装置では、前記FFTを行
うための構成要素であるバタフライ演算回路として、前
記図3に示したようないわゆるラディックス2のものを
用いたが、いわゆるラディックス4などでも、或いは一
部を時分割処理をしたり、ソフトウェアで実現したもの
でも、或いはまた一部の回転子をハードウェアで固定し
たものでもよく、前述同様なことは実現できる。
【0063】なお、本実施例ではデータのビット数につ
いては触れなかった。ビット数については、その用途に
おける演算精度の設定によって個々に異なるが、方式に
は関係ない。また、本実施例では、電波の受信系のみを
説明したが、本実施例手法自体に可逆性があり、受信系
の逆操作により、送信系でも受信系と同様に方向と周波
数を高速に多数合成して送信することが可能であり、そ
の用途は広い。
【0064】上述したように、本発明実施例の3次元F
FT装置においては、8×8個で合計64個のアンテナ
素子を2次元的に配列し、これらアンテナ素子群からの
信号を、8×8次の2次元並列FFT処理によって8×
8方向(合計64方向)に分解し、その後64次の1次
元FFT処理で64周波数区間に周波数を分解してい
る。したがって、ある方向から到来し、ある64周波数
区間に集中された信号について見れば、到来方向と周波
数とで4096倍(dB)のS/N電力改善が実現されて
いる。見方を変えると、64方向の相手を区別して、同
時に扱うことができ、かつ、64周波数区間の相手を区
別して同時に扱うことができる。このため、アンテナ素
子配列がN×N個の2次元配列であれば、Nの4乗のS
/N改善となり、また、アンテナ素子配列がN×M個の
2次元配列であれば、N×Mの2乗のS/N改善とな
る。
【0065】このように、本実施例によれば、電波到来
方向の分析と周波数分析が両方同時に実施され、しかも
その方向分析はマルチビームが実現され、同時に多方向
を別々に扱うことができている。また、本実施例によれ
ば、方向を分解するだけでなく周波数も分析しており、
これらの分析が細かいほどにその回線のS/Nは改善さ
れるので、例えば通信であれば同時に別方向の多数の相
手と多数の周波数で別々にS/Nの良い通信が確保され
る。さらに、電波源測定のような用途では、同時に多方
向を観測しながら同時に各方向別に周波数分析も実施し
てしまうので、非常に効率のよい観測が可能である。別
の見方をすると、周波数ごとの観測画像を得るというよ
うなことも、別々の演算処理をすることなく実現してい
る。
【0066】このように、本発明実施例によれば、移動
体通信、衛星通信、衛星放送受信、レーダー、電波望遠
鏡などの多くの用途に有効な効果を有する。すなわち、
例えば移動体通信などでは、通信の相手としてできるだ
け多くを扱えたほうがよいし、その通信の相手との位置
関係も時々刻々変化するので、方向や周波数についての
自由度が大きく、同時に多数の分解分析ができたほうが
よく、また、衛星による通信や放送においては、今後衛
星が増えたり、チャンネル数が増加したりすることが考
えられ、さらに、レーダーや電波望遠鏡においても、そ
の観測を高速に行うためには、同時に多方向を観測し、
また周波数分析についても同時に細かく行いたいという
要求があり、本発明実施例によれば、こういった多くの
用途で大きな効果を上げることが可能となる。
【0067】また、図1の2次元配列FFT回路と64
次配列FFT回路は、本実施例の説明ではあたかも別々
の構成のように述べているが、実際にはこれらを同じハ
ードウェア構成として使用することが可能である。すな
わち、図1の2次元配列FFT回路は、前記図9の構成
を有しており、この図9のX軸方向のFFT処理部とY
軸方向のFFT処理部とを組み合わせた構成は、64次
FFT処理を行える構成となっている。より具体的に説
明すると、前記図9では8次FFT回路8台によりX軸
方向のFFT処理部を実現し、もう一組の8次FFT回
路8台によりY軸方向のFFT処理部を実現し、それら
を直列に接続しているが、図9の全体を眺めると、その
構成は、FFTの原理によって、個々のバタフライ演算
器の回転子の与え方は違ってくるものの、それ以外は6
4次の場合のFFTと同じ構成になっているのである。
すなわち、バタフライ演算器の数も、その間の接続のト
ポロジーも全く同じなのである。一般に、FFTの各バ
タフライ演算器に与える回転子はハードウェア化せず、
全体制御用コントローラからソフトウェアで発生し与え
られるため、ハードウェア構成は前記図9の場合と同じ
ものでよいことになるのである。なお、N×M個のアン
テナ素子を想定するときの前記2次元並列FFT回路1
1の2次元FFT処理部は、M台のN次並列FFT処理
部とN台のM次並列FFT部とが直列接続されて実現さ
れることになるが、実際にはこれらも回転子を除いてそ
のハードウェア構成は全く同じで良い。
【0068】上述したように図1の2次元並列FFT回
路11と64次並列FFT回路13のハードウェアが全
く同じでよいというということは、図1の全体構成を非
常にわかり易く、且つ作り易くする効果がある。すなわ
ち同じ回路部品を使用でき、同じFFT回路が使えるた
め、コストアップを防ぐことも可能となる。
【0069】なお、FFTはよく知られているディジタ
ル信号処理技術であるが、よく利用されるのは、あるひ
とつの信号時系列を一定時間記憶回路に蓄積し、その時
系列について、その信号標本数をその変換次数に対応さ
せたFFTを施し、時間軸データを周波数軸データに変
換して周波数を分析するだけの用途である。これに対し
て、本発明実施例では、2次元配列したアンテナ素子
(センサ)で電波を捕らえ、各アンテナ素子における同
時刻の標本化データを使って2次元FFTし、これによ
って空間的な信号分布(波面)を空間的な映像に変換し
て方向を分解分析し、その2次元FFTの出力につい
て、今度はその各方向ごとに時系列を一定時間記憶回路
に蓄積し、その各時系列についてその信号標本数を変換
次数に対応させた1次元FFTを施し、時間軸データを
周波数軸データに変換して周波数を分析することによ
り、方向と周波数を高速に多数分解分析し、通信や信号
源検出の性能を大きく改善している。このように、本発
明実施例では、空間で2次元、時間で1次元の計3次元
のFFT処理をしている。
【0070】
【発明の効果】本発明においては、2次元配列したセン
サ素子からの信号を受けて、方向分析のための空間軸2
次元FFT演算を行い、この空間軸2次元FFT演算結
果を受けて、周波数分析のための時間軸FFT演算を行
うことにより、電波到来方向の分析を行い、更にこれを
3次元に展開するようなFFTを行うこと、すなわち方
向と周波数を同時に分析することを、小規模で且つ安価
な構成によって実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の3次元FFT装置の全体構成を
示すブロック回路図である。
【図2】シフトレジスタ群の具体的構成を示す回路図で
ある。
【図3】FFTの要素回路としてのバタフライ演算回路
の構成を示す回路図である。
【図4】複素加算回路の構成を示す回路図である。
【図5】複素乗算回路の構成を示す回路図である。
【図6】8次の並列FFT回路の構成を示すブロック回
路図である。
【図7】電波の方向分析の原理を説明するための図であ
る。
【図8】8×8の2次元配列されたアンテナ素子を示す
図である。
【図9】64個のアンテナ素子を2次元配列した2次元
配列アンテナに対応する方向分析2次元並列FFT回路
の構成を説明するための図である。
【符号の説明】
0〜A63 アンテナ素子、 10 信号処理回路、
11 2次元並列FFT回路、 12 シフトレジスタ
群、 13 64次並列FFT回路、 14自乗積分回

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2次元配列したセンサ素子からの信号を
    受けて、方向分析のための空間軸2次元FFT演算を行
    う空間軸2次元FFT演算手段と、 上記空間軸2次元FFT演算手段からの出力を受けて、
    周波数分析のための時間軸FFT演算を行う時間軸FF
    T演算手段とを有することを特徴とする3次元FFT装
    置。
  2. 【請求項2】 上記空間軸2次元FFT演算手段での方
    向分析結果として出力される方向別分解結果が並列化さ
    れ且つ時刻順になっている時系列を、一定時間の信号時
    系列を一組として並列化し、時間と共に方向順に変換し
    て出力する直並列変換手段を設け、 当該直並列変換手段の出力を上記時間軸FFT演算手段
    に供給することを特徴とする請求項1記載の3次元FF
    T装置。
  3. 【請求項3】 上記空間軸2次元FFT演算手段は、N
    ×M個に2次元配列したセンサ素子からの信号を受け
    て、上記方向分析のためのN×M次の空間軸2次元FF
    T演算を行い、 上記時間軸FFT演算手段は、当該空間軸2次元FFT
    演算手段からの出力を受けて、上記周波数分析のための
    N×M次の時間軸FFT演算を行うことを特徴とする請
    求項1記載の3次元FFT装置。
  4. 【請求項4】 上記空間軸2次元FFT演算手段での方
    向分析結果として出力される方向別分解結果が並列化さ
    れ且つ時刻順になっている時系列を、N×M個の信号時
    系列を一組として並列化し、時間と共に方向順に変換し
    て出力する直並列変換手段を設け、 当該直並列変換手段の出力を上記時間軸FFT演算手段
    に供給することを特徴とする請求項3記載の3次元FF
    T装置。
  5. 【請求項5】 上記空間軸2次元FFT演算手段と上記
    時間軸FFT演算手段とは、同一のハードウェア構成に
    よってなることを特徴とする請求項3記載の3次元FF
    T装置。
  6. 【請求項6】 上記空間軸2次元FFT演算手段と上記
    時間軸FFT演算手段とは、同一のハードウェア構成に
    よってなることを特徴とする請求項4記載の3次元FF
    T装置。
  7. 【請求項7】 上記空間軸2次元FFT演算手段は、N
    ×N個に2次元配列したセンサ素子からの信号を受け
    て、上記方向分析のためのN×N次の空間軸2次元FF
    T演算を行い、 上記時間軸FFT演算手段は、当該空間軸2次元FFT
    演算手段からの出力を受けて、上記周波数分析のための
    Nの自乗次の時間軸FFT演算を行うことを特徴とする
    請求項1記載の3次元FFT装置。
  8. 【請求項8】 上記空間軸2次元FFT演算手段での方
    向分析結果として出力される方向別分解結果が並列化さ
    れ且つ時刻順になっている時系列を、Nの自乗個の信号
    時系列を一組として並列化し、時間と共に方向順に変換
    して出力する直並列変換手段を設け、 当該直並列変換手段の出力を上記時間軸FFT演算手段
    に供給することを特徴とする請求項7記載の3次元FF
    T装置。
  9. 【請求項9】 上記空間軸2次元FFT演算手段と上記
    時間軸FFT演算手段とは、同一のハードウェア構成に
    よってなることを特徴とする請求項7記載の3次元FF
    T装置。
  10. 【請求項10】 上記空間軸2次元FFT演算手段と上
    記時間軸FFT演算手段とは、同一のハードウェア構成
    によってなることを特徴とする請求項8記載の3次元F
    FT装置。
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