JPH1053823A - 高強度を有する炭化タングステン基超硬合金の製造方法 - Google Patents
高強度を有する炭化タングステン基超硬合金の製造方法Info
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- JPH1053823A JPH1053823A JP8209922A JP20992296A JPH1053823A JP H1053823 A JPH1053823 A JP H1053823A JP 8209922 A JP8209922 A JP 8209922A JP 20992296 A JP20992296 A JP 20992296A JP H1053823 A JPH1053823 A JP H1053823A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高強度を有するWC基超硬合金を製造する。
【解決手段】 原料粉末として、平均粒径:1〜5μm
のWC粉末、同0.1〜1μmの酸化コバルト粉末、お
よび同0.1〜1μmの炭素粉末、さらに同0.1〜1
μmのCr3 C2 粉末およびCr2 O3 粉末を用い、こ
れら原料粉末を、以下いずれも重量%で、酸化コバルト
粉末:3〜30%、炭素粉末:0.2〜4%、必要に応
じてCr3 C2 粉末および/またはCr2 O3 粉末:
0.2〜3%、WC粉末:残り、からなる配合組成に配
合し、混合した後、還元性または不活性ガス雰囲気中で
還元処理して、Co:2〜20%、必要に応じてCr:
0.1〜2%を含有し、残りがWCと不可避不純物から
なる組成を有し、かつWC粉末の表面上にCoまたはC
o−Cr合金が分散分布した状態で融着してなるWC/
Co複合粉末、またはWC/Co−Cr合金複合粉末を
形成し、これから通常の粉末冶金法にてWC基超硬合金
を製造する。
のWC粉末、同0.1〜1μmの酸化コバルト粉末、お
よび同0.1〜1μmの炭素粉末、さらに同0.1〜1
μmのCr3 C2 粉末およびCr2 O3 粉末を用い、こ
れら原料粉末を、以下いずれも重量%で、酸化コバルト
粉末:3〜30%、炭素粉末:0.2〜4%、必要に応
じてCr3 C2 粉末および/またはCr2 O3 粉末:
0.2〜3%、WC粉末:残り、からなる配合組成に配
合し、混合した後、還元性または不活性ガス雰囲気中で
還元処理して、Co:2〜20%、必要に応じてCr:
0.1〜2%を含有し、残りがWCと不可避不純物から
なる組成を有し、かつWC粉末の表面上にCoまたはC
o−Cr合金が分散分布した状態で融着してなるWC/
Co複合粉末、またはWC/Co−Cr合金複合粉末を
形成し、これから通常の粉末冶金法にてWC基超硬合金
を製造する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、結合相形成成分
としてのCoが組織全体に亘って分散性よく分布し、こ
れによって高強度を具備するようになる炭化タングステ
ン基超硬合金(以下、超硬合金と云う)の製造方法に関
するものである。
としてのCoが組織全体に亘って分散性よく分布し、こ
れによって高強度を具備するようになる炭化タングステ
ン基超硬合金(以下、超硬合金と云う)の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に、超硬合金が、基本的に原
料粉末として、所定の粒度を有する炭化タングステン
(以下、WCで示す)粉末およびCo粉末を用い、これ
ら原料粉末を所定の配合組成に配合し、混合した後、通
常の粉末冶金法にて焼結することにより製造され、この
結果の超硬合金が、重量%で(以下、%は重量%を示
す)、Co:2〜20%、を含有し、残りがWCと不可
避不純物からなる組成を有することも広く知られてお
り、また、これらの超硬合金が切削工具や耐摩耗工具な
どとして実用に供されていることも良く知られることで
ある。
料粉末として、所定の粒度を有する炭化タングステン
(以下、WCで示す)粉末およびCo粉末を用い、これ
ら原料粉末を所定の配合組成に配合し、混合した後、通
常の粉末冶金法にて焼結することにより製造され、この
結果の超硬合金が、重量%で(以下、%は重量%を示
す)、Co:2〜20%、を含有し、残りがWCと不可
避不純物からなる組成を有することも広く知られてお
り、また、これらの超硬合金が切削工具や耐摩耗工具な
どとして実用に供されていることも良く知られることで
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の切削加工
や塑性加工などの高速化および高精密化はめざましく、
これに伴い、これらに用いられる超硬合金製の切削工具
や耐摩耗工具などには、一段の強度向上が求められてい
るのが現状である。
や塑性加工などの高速化および高精密化はめざましく、
これに伴い、これらに用いられる超硬合金製の切削工具
や耐摩耗工具などには、一段の強度向上が求められてい
るのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、高強度を有する超硬合金を製造
すべく、特に上記の従来超硬合金の製造に着目し研究を
行った結果、上記の従来超硬合金の製造における基本的
にWC粉末とCo粉末からなる混合粉末に代わって、予
め所定の割合に配合したWC粉末と酸化コバルト(以
下、Cox Oy で示す)粉末と炭素粉末、さらに必要に
応じてCrの炭化物(以下、Cr3 C2 で示す)粉末お
よび/または酸化物(以下、Cr2 O3 で示す)粉末か
らなる混合粉末に還元性または不活性ガス雰囲気中で還
元処理を施すことにより得られたWC/Co複合粉末、
またはWC/Co−Cr合金複合粉末、すなわちWC粉
末の表面上にCoまたはCo−Cr合金が分散分布した
状態で融着してなるWC/Co複合粉末、またはWC/
Co−Cr合金複合粉末を原料粉末として用い、これら
原料粉末から通常の粉末冶金法にて焼結して超硬合金を
製造すると、製造された超硬合金は、特に結合相形成成
分としてのCoが組織全体に亘って分散性よく分布する
ようになることから、上記の従来方法によって製造され
た超硬合金に比して一段と高強度を具備するようになる
という研究結果を獲たのである。
上述のような観点から、高強度を有する超硬合金を製造
すべく、特に上記の従来超硬合金の製造に着目し研究を
行った結果、上記の従来超硬合金の製造における基本的
にWC粉末とCo粉末からなる混合粉末に代わって、予
め所定の割合に配合したWC粉末と酸化コバルト(以
下、Cox Oy で示す)粉末と炭素粉末、さらに必要に
応じてCrの炭化物(以下、Cr3 C2 で示す)粉末お
よび/または酸化物(以下、Cr2 O3 で示す)粉末か
らなる混合粉末に還元性または不活性ガス雰囲気中で還
元処理を施すことにより得られたWC/Co複合粉末、
またはWC/Co−Cr合金複合粉末、すなわちWC粉
末の表面上にCoまたはCo−Cr合金が分散分布した
状態で融着してなるWC/Co複合粉末、またはWC/
Co−Cr合金複合粉末を原料粉末として用い、これら
原料粉末から通常の粉末冶金法にて焼結して超硬合金を
製造すると、製造された超硬合金は、特に結合相形成成
分としてのCoが組織全体に亘って分散性よく分布する
ようになることから、上記の従来方法によって製造され
た超硬合金に比して一段と高強度を具備するようになる
という研究結果を獲たのである。
【0005】この発明は、上記の研究結果に基づいてな
されたものであって、原料粉末として、平均粒径:1〜
5μmのWC粉末、同0.1〜1μmのCox Oy 粉
末、および同0.1〜1μmの炭素粉末、さらに同0.
1〜1μmのCr3 C2 粉末およびCr2 O3 粉末を用
い、これら原料粉末を、Cox Oy 粉末:3〜30%、
炭素粉末:0.2〜4%、WC粉末:残り、からなる配
合組成、あるいは、Cox Oy 粉末:3〜30%、炭素
粉末:0.2〜4%、Cr3 C2 粉末および/またはC
r2 O3 粉末:0.2〜3%、WC粉末:残り、からな
る配合組成に配合し、混合した後、還元性または不活性
ガス雰囲気中で還元処理して、Co:2〜20%、WC
および不可避不純物:残り、からなる組成を有し、かつ
WC粉末の表面上にCoが分散分布した状態で融着して
なるWC/Co複合粉末、あるいは、Co:2〜20
%、Cr:0.1〜2%、WCおよび不可避不純物:残
り、からなる組成を有し、かつWC粉末の表面上にCo
−Cr合金が分散分布した状態で融着してなるWC/C
o−Cr合金複合粉末、を形成し、このWC/Co複合
粉末、またはWC/Co−Cr合金複合粉末から通常の
粉末冶金法にて、結合相形成成分としてのCoの組織上
の分散性にすぐれ、これによって高強度をもつようにな
る超硬合金を製造する方法に特徴を有するものである。
されたものであって、原料粉末として、平均粒径:1〜
5μmのWC粉末、同0.1〜1μmのCox Oy 粉
末、および同0.1〜1μmの炭素粉末、さらに同0.
1〜1μmのCr3 C2 粉末およびCr2 O3 粉末を用
い、これら原料粉末を、Cox Oy 粉末:3〜30%、
炭素粉末:0.2〜4%、WC粉末:残り、からなる配
合組成、あるいは、Cox Oy 粉末:3〜30%、炭素
粉末:0.2〜4%、Cr3 C2 粉末および/またはC
r2 O3 粉末:0.2〜3%、WC粉末:残り、からな
る配合組成に配合し、混合した後、還元性または不活性
ガス雰囲気中で還元処理して、Co:2〜20%、WC
および不可避不純物:残り、からなる組成を有し、かつ
WC粉末の表面上にCoが分散分布した状態で融着して
なるWC/Co複合粉末、あるいは、Co:2〜20
%、Cr:0.1〜2%、WCおよび不可避不純物:残
り、からなる組成を有し、かつWC粉末の表面上にCo
−Cr合金が分散分布した状態で融着してなるWC/C
o−Cr合金複合粉末、を形成し、このWC/Co複合
粉末、またはWC/Co−Cr合金複合粉末から通常の
粉末冶金法にて、結合相形成成分としてのCoの組織上
の分散性にすぐれ、これによって高強度をもつようにな
る超硬合金を製造する方法に特徴を有するものである。
【0006】つぎに、この発明の方法において、製造条
件を上記の通りに限定した理由を説明する。 (a)原料粉末の平均粒径 WC粉末の平均粒径を1〜5μmとしてのは、その平均
粒径が1μm未満では、製造された超硬合金の耐クリー
プ変形性が低下するようになり、一方その平均粒径が5
μmを越えると、製造された超硬合金の強度が急激に低
下するようになるという理由によるものである。また、
Cox Oy 粉末の平均粒径を0.1〜1μmとしての
は、その平均粒径を0.1μm未満にしても還元反応上
効果は現れず、むしろ細粉化の面で経済的でなく、一方
その平均粒径が1μmを越えると、未還元Cox Oy が
存在するようになり、この結果超硬合金中に巣が発生
し、所望の高強度を確保することができなくなるという
理由からである。さらに、炭素粉末の平均粒径は還元性
の面から定めたものであり、0.1〜1μmの平均粒径
をを有するCox Oy 粉末の還元には同様の粒度の炭素
粉末を用いるのがよく、なぜならその平均粒径が0.1
μm未満では還元反応が強力で、残留炭素の存在は避け
られず、一方その平均粒径が1μmを越えると、逆に還
元反応が緩慢となり、Cox Oy が残留するようになる
からである。さらに、またCr3 C2 粉末およびCr2
O3 粉末は、還元処理で結合相形成成分であるCo中に
固溶させ、Co−Cr合金を形成して前記結合相の強度
および耐熱性を向上させる目的で必要に応じて配合され
るものであるが、これのもつ平均粒径を0.1〜1μm
としたのは、その平均粒径を0.1μm未満にすること
は細粒化の面で経済的でなく、一方その平均粒径が1μ
mを越えると、Co中への固溶が完全に行われない場合
が生じ、この場合には超硬合金の強度低下の原因となる
という理由によるものである。
件を上記の通りに限定した理由を説明する。 (a)原料粉末の平均粒径 WC粉末の平均粒径を1〜5μmとしてのは、その平均
粒径が1μm未満では、製造された超硬合金の耐クリー
プ変形性が低下するようになり、一方その平均粒径が5
μmを越えると、製造された超硬合金の強度が急激に低
下するようになるという理由によるものである。また、
Cox Oy 粉末の平均粒径を0.1〜1μmとしての
は、その平均粒径を0.1μm未満にしても還元反応上
効果は現れず、むしろ細粉化の面で経済的でなく、一方
その平均粒径が1μmを越えると、未還元Cox Oy が
存在するようになり、この結果超硬合金中に巣が発生
し、所望の高強度を確保することができなくなるという
理由からである。さらに、炭素粉末の平均粒径は還元性
の面から定めたものであり、0.1〜1μmの平均粒径
をを有するCox Oy 粉末の還元には同様の粒度の炭素
粉末を用いるのがよく、なぜならその平均粒径が0.1
μm未満では還元反応が強力で、残留炭素の存在は避け
られず、一方その平均粒径が1μmを越えると、逆に還
元反応が緩慢となり、Cox Oy が残留するようになる
からである。さらに、またCr3 C2 粉末およびCr2
O3 粉末は、還元処理で結合相形成成分であるCo中に
固溶させ、Co−Cr合金を形成して前記結合相の強度
および耐熱性を向上させる目的で必要に応じて配合され
るものであるが、これのもつ平均粒径を0.1〜1μm
としたのは、その平均粒径を0.1μm未満にすること
は細粒化の面で経済的でなく、一方その平均粒径が1μ
mを越えると、Co中への固溶が完全に行われない場合
が生じ、この場合には超硬合金の強度低下の原因となる
という理由によるものである。
【0007】(b)配合組成および成分組成 Cox Oy 粉末の配合割合が3%未満では、還元処理で
生成されたWC/Co複合粉末におけるCo含有割合が
2%未満となってしまい、これを用いて超硬合金を製造
した場合、所望の強度を確保することができず、一方そ
の配合割合が30%を越えると、同様に製造された超硬
合金のCo含有量が20%を越えて多くなってしまい、
耐摩耗性が低下するようになるばかりでなく、超硬合金
でのCoの分散性も低下し、強度低下が避けられないこ
とから、Cox Oy 粉末の配合割合を3〜30%、WC
/Co複合粉末またはWC/Co−Cr合金複合粉末に
おけるCo含有割合を2〜20%と定めたのである。ま
た、炭素粉末の配合割合:0.2〜4%は、Cox Oy
粉末の配合割合:3〜30%、さらに必要に応じて配合
されたCr2 O3 粉末の配合割合:0.2〜3%に対応
して定めたものであり、したがって、所望の配合割合の
Cox Oy 粉末を残留炭素の発生なく、CoまたはCo
−Cr合金に還元するのに必要な炭素粉末の配合割合と
して0.2〜4%を定めたのである。さらに、Cr3 C
2 粉末およびCr2 O3 粉末の配合割合が0.2%未満
では、Co−Cr合金中のCr含有量が全体に占める割
合で0.1未満になってしまい、上記の通り結合相の強
度および耐熱性に摩耗性向上効果が得られず、一方その
配合割合が3%を越えると、Co−Cr合金中のCr含
有量が同じく全体に占める割合で2%を越えて高くなり
すぎ、超硬合金の強度が低下するようになることから、
その配合割合を0.2〜3%、Co−Cr合金中のCr
含有量を0.1〜2%と定めたのである。なお、この発
明の方法における還元処理は、通常の金属酸化物粉末の
還元に採用されている条件、すなわち水素気流などの還
元性雰囲気中、あるいは窒素気流またはAr気流などの
不活性ガス雰囲気中、800〜1100℃に1〜5時間
保持の条件で行なわれる。
生成されたWC/Co複合粉末におけるCo含有割合が
2%未満となってしまい、これを用いて超硬合金を製造
した場合、所望の強度を確保することができず、一方そ
の配合割合が30%を越えると、同様に製造された超硬
合金のCo含有量が20%を越えて多くなってしまい、
耐摩耗性が低下するようになるばかりでなく、超硬合金
でのCoの分散性も低下し、強度低下が避けられないこ
とから、Cox Oy 粉末の配合割合を3〜30%、WC
/Co複合粉末またはWC/Co−Cr合金複合粉末に
おけるCo含有割合を2〜20%と定めたのである。ま
た、炭素粉末の配合割合:0.2〜4%は、Cox Oy
粉末の配合割合:3〜30%、さらに必要に応じて配合
されたCr2 O3 粉末の配合割合:0.2〜3%に対応
して定めたものであり、したがって、所望の配合割合の
Cox Oy 粉末を残留炭素の発生なく、CoまたはCo
−Cr合金に還元するのに必要な炭素粉末の配合割合と
して0.2〜4%を定めたのである。さらに、Cr3 C
2 粉末およびCr2 O3 粉末の配合割合が0.2%未満
では、Co−Cr合金中のCr含有量が全体に占める割
合で0.1未満になってしまい、上記の通り結合相の強
度および耐熱性に摩耗性向上効果が得られず、一方その
配合割合が3%を越えると、Co−Cr合金中のCr含
有量が同じく全体に占める割合で2%を越えて高くなり
すぎ、超硬合金の強度が低下するようになることから、
その配合割合を0.2〜3%、Co−Cr合金中のCr
含有量を0.1〜2%と定めたのである。なお、この発
明の方法における還元処理は、通常の金属酸化物粉末の
還元に採用されている条件、すなわち水素気流などの還
元性雰囲気中、あるいは窒素気流またはAr気流などの
不活性ガス雰囲気中、800〜1100℃に1〜5時間
保持の条件で行なわれる。
【0008】
【発明の実施の形態】この発明の方法を実施例により具
体的に説明する。原料粉末として、それぞれ表1、2に
示される平均粒径を有するWC粉末、Cox Oy 粉末、
炭素(C)粉末、Cr3 C2 粉末、およびCr2 O3 粉
末を用意し、これら原料粉末を同じく表1、2に示され
る配合組成に配合してなる配合粉末a〜rを調整し、こ
れら配合粉末a〜rをそれぞれボールミルで72時間湿
式混合し、乾燥した後、表3に示される条件で還元処理
して、同じく表3に示されるCo含有量のWC−Co複
合粉末、並びにCoおよびCr含有量のWC/Co−C
r合金複合粉末を形成し、これら複合粉末のCoおよび
Cr含有量を測定し(この測定結果を表3に示した)、
引き続いてこれら還元粉末を、それぞれ1ton/cm
2 の圧力で圧粉体にプレス成形し、これら圧粉体を、真
空雰囲気中、1350〜1450℃の範囲内の所定の温
度に1時間保持の条件で焼結し、さらに温度:1320
℃、圧力:900kgf/cm2 、保持時間:1時間の
条件でHIP処理を施すことにより本発明方法1〜18
を実施し、強度を評価する目的で、8mm×4mm×2
5mmの抗折力試験片形状をもった超硬合金をそれぞれ
製造した。
体的に説明する。原料粉末として、それぞれ表1、2に
示される平均粒径を有するWC粉末、Cox Oy 粉末、
炭素(C)粉末、Cr3 C2 粉末、およびCr2 O3 粉
末を用意し、これら原料粉末を同じく表1、2に示され
る配合組成に配合してなる配合粉末a〜rを調整し、こ
れら配合粉末a〜rをそれぞれボールミルで72時間湿
式混合し、乾燥した後、表3に示される条件で還元処理
して、同じく表3に示されるCo含有量のWC−Co複
合粉末、並びにCoおよびCr含有量のWC/Co−C
r合金複合粉末を形成し、これら複合粉末のCoおよび
Cr含有量を測定し(この測定結果を表3に示した)、
引き続いてこれら還元粉末を、それぞれ1ton/cm
2 の圧力で圧粉体にプレス成形し、これら圧粉体を、真
空雰囲気中、1350〜1450℃の範囲内の所定の温
度に1時間保持の条件で焼結し、さらに温度:1320
℃、圧力:900kgf/cm2 、保持時間:1時間の
条件でHIP処理を施すことにより本発明方法1〜18
を実施し、強度を評価する目的で、8mm×4mm×2
5mmの抗折力試験片形状をもった超硬合金をそれぞれ
製造した。
【0009】また、比較の目的で、原料粉末として、表
4に示される平均粒径をもったWC粉末、Co粉末、お
よびCr3 C2 粉末を用意し、これら原料粉末を同じく
表4に示される配合組成(本発明方法1〜18によって
製造された超硬合金の組成にそれぞれ対応)に配合し、
ボールミルで72時間湿式混合し、乾燥した後、この混
合粉末を、以下いずれも本発明方法1〜18におけると
同一の条件で、圧粉体にプレス成形し、焼結し、さらに
HIP処理を施すことにより従来方法1〜12を行い、
実質的に配合組成と同一な成分組成をもった超硬合金を
それぞれ製造した。この結果得られた各種の超硬合金に
ついて、抗折力を測定し、この測定結果をそれぞれ表3
および表4に示した。
4に示される平均粒径をもったWC粉末、Co粉末、お
よびCr3 C2 粉末を用意し、これら原料粉末を同じく
表4に示される配合組成(本発明方法1〜18によって
製造された超硬合金の組成にそれぞれ対応)に配合し、
ボールミルで72時間湿式混合し、乾燥した後、この混
合粉末を、以下いずれも本発明方法1〜18におけると
同一の条件で、圧粉体にプレス成形し、焼結し、さらに
HIP処理を施すことにより従来方法1〜12を行い、
実質的に配合組成と同一な成分組成をもった超硬合金を
それぞれ製造した。この結果得られた各種の超硬合金に
ついて、抗折力を測定し、この測定結果をそれぞれ表3
および表4に示した。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】
【表3】
【0013】
【表4】
【0014】
【発明の効果】表3、4に示される結果から、本発明方
法1〜18においては、原料粉末としてWC粉末の表面
にCoまたはCo−Cr合金が分散分布した状態で融着
したWC/Co複合粉末またはWC/Co−Cr合金複
合粉末を使用することによって、要素粉末の混合粉末を
用いる従来方法1〜12によって製造された超硬合金に
比して、いずれも結合相形成成分としてのCoの分散性
が一段と向上した超硬合金を製造することができ、この
Co分散性の向上によってそれぞれの抗折力の相対比較
で強度が著しく向上していることが明らかである。上述
のように、この発明の方法によれば、高強度を有する超
硬合金を製造することができ、したがって超硬合金が適
用される切削工具や各種対摩耗工具などに対する要求に
十分満足に対応することがでるのである。
法1〜18においては、原料粉末としてWC粉末の表面
にCoまたはCo−Cr合金が分散分布した状態で融着
したWC/Co複合粉末またはWC/Co−Cr合金複
合粉末を使用することによって、要素粉末の混合粉末を
用いる従来方法1〜12によって製造された超硬合金に
比して、いずれも結合相形成成分としてのCoの分散性
が一段と向上した超硬合金を製造することができ、この
Co分散性の向上によってそれぞれの抗折力の相対比較
で強度が著しく向上していることが明らかである。上述
のように、この発明の方法によれば、高強度を有する超
硬合金を製造することができ、したがって超硬合金が適
用される切削工具や各種対摩耗工具などに対する要求に
十分満足に対応することがでるのである。
Claims (2)
- 【請求項1】 原料粉末として、平均粒径:1〜5μm
の炭化タングステン粉末、同0.1〜1μmの酸化コバ
ルト粉末、および同0.1〜1μmの炭素粉末を用い、
これら原料粉末を、以下いずれも重量%で、 酸化コバルト粉末:3〜30%、 炭素粉末:0.2〜4%、 炭化タングステン粉末:残り、からなる配合組成に配合
し、混合した後、還元性または不活性ガス雰囲気中で還
元処理して、 Co:2〜20%、 炭化タングステンおよび不可避不純物:残り、からなる
組成を有し、かつ炭化タングステン粉末の表面上にCo
が分散分布した状態で融着してなる炭化タングステン/
Co複合粉末を形成し、この炭化タングステン/Co複
合粉末から通常の粉末冶金法にて炭化タングステン基超
硬合金を製造することを特徴とする高強度を有する炭化
タングステン基超硬合金の製造方法。 - 【請求項2】 原料粉末として、平均粒径:1〜5μm
の炭化タングステン粉末、同0.1〜1μmの酸化コバ
ルト粉末、および同0.1〜1μmの炭素粉末、さらに
同0.1〜1μmのCrの炭化物粉末および酸化物粉末
を用い、これら原料粉末を、以下いずれも重量%で、 酸化コバルト粉末:3〜30%、 炭素粉末:0.2〜4%、 Crの炭化物粉末および酸化物粉末のうちの1種または
2種:0.2〜3%、 炭化タングステン粉末:残り、からなる配合組成に配合
し、混合した後、還元性または不活性ガス雰囲気中で還
元処理して、 Co:2〜20%、 Cr:0.1〜2%、 炭化タングステンおよび不可避不純物:残り、からなる
組成を有し、かつ炭化タングステン粉末の表面上にCo
−Cr合金が分散分布した状態で融着してなる炭化タン
グステン/Co−Cr合金複合粉末を形成し、この炭化
タングステン/Co−Cr合金複合粉末から通常の粉末
冶金法にて炭化タングステン基超硬合金を製造すること
を特徴とする高強度を有する炭化タングステン基超硬合
金の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8209922A JPH1053823A (ja) | 1996-08-08 | 1996-08-08 | 高強度を有する炭化タングステン基超硬合金の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8209922A JPH1053823A (ja) | 1996-08-08 | 1996-08-08 | 高強度を有する炭化タングステン基超硬合金の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1053823A true JPH1053823A (ja) | 1998-02-24 |
Family
ID=16580896
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8209922A Pending JPH1053823A (ja) | 1996-08-08 | 1996-08-08 | 高強度を有する炭化タングステン基超硬合金の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1053823A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2171127A1 (en) * | 2007-07-13 | 2010-04-07 | Seco Tools Ab | Fine grained cemented carbide for turning in heat resistant super alloys (hrsa) |
JP2012024850A (ja) * | 2010-07-20 | 2012-02-09 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 超硬工具の製造方法 |
CN102808085A (zh) * | 2012-05-14 | 2012-12-05 | 北京工业大学 | 一种回收废旧WC-Co硬质合金及再生的工业化方法 |
US9611412B2 (en) | 2009-02-11 | 2017-04-04 | Element Six (Production) (Pty) Ltd | Process for coating diamond with refractory metal carbide and metal |
CN106825599A (zh) * | 2017-01-19 | 2017-06-13 | 北京科技大学 | 一种添加晶粒长大抑制剂的WC‑Co纳米粉末的制备方法 |
CN106944628A (zh) * | 2016-10-06 | 2017-07-14 | 江西理工大学 | 一种废旧硬质合金回收制备超细WC‑Co复合粉方法 |
-
1996
- 1996-08-08 JP JP8209922A patent/JPH1053823A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2171127A1 (en) * | 2007-07-13 | 2010-04-07 | Seco Tools Ab | Fine grained cemented carbide for turning in heat resistant super alloys (hrsa) |
EP2171127A4 (en) * | 2007-07-13 | 2010-07-28 | Seco Tools Ab | FINE GRAIN CEMENTED CARBIDE FOR TURNING HEAT RESISTANT SUPERALLIAGES (HRSA) |
US9611412B2 (en) | 2009-02-11 | 2017-04-04 | Element Six (Production) (Pty) Ltd | Process for coating diamond with refractory metal carbide and metal |
JP2012024850A (ja) * | 2010-07-20 | 2012-02-09 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 超硬工具の製造方法 |
CN102808085A (zh) * | 2012-05-14 | 2012-12-05 | 北京工业大学 | 一种回收废旧WC-Co硬质合金及再生的工业化方法 |
CN106944628A (zh) * | 2016-10-06 | 2017-07-14 | 江西理工大学 | 一种废旧硬质合金回收制备超细WC‑Co复合粉方法 |
CN106944628B (zh) * | 2016-10-06 | 2019-04-26 | 江西理工大学 | 一种废旧硬质合金回收制备超细WC-Co复合粉方法 |
CN106825599A (zh) * | 2017-01-19 | 2017-06-13 | 北京科技大学 | 一种添加晶粒长大抑制剂的WC‑Co纳米粉末的制备方法 |
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