JPH10512642A - 内燃機関のための吸気装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は内燃機関のための吸気装置（１）に関する。本発明吸気装置は少なくとも部分的に可変の通流口を備えており、この通流口により通流挙動が内燃機関の運転状態に適合させられる。内燃機関の運転状態に依存する騒音放出を最適に低減させるために、吸気装置（１）は少なくとも１つの内管（３）と１つの外管（４）とを備えている。吸い込まれる空気流はいかなる運転状態でも内管（３）を通流し、かつ、別の空気流が、それぞれの内管（３）と外管（４）との間に設けられた大きさ可変の付加的な通流口を通流する。付加的な通流口は弾性的なシールリップ（７，１３）を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】 内燃機関のための吸気装置 本発明は請求項１の上位概念に記載の内燃機関のための吸気装置に関する。 背景技術 ドイツ連邦共和国特許出願公開第４０４１７８６号明細書により公知の内燃機 関のための吸気装置では、吸い込んだ空気を通流せしめる通流口を変化させるた めに制御可能な遮断機構を設けられている。この遮断機構は２つの吸込通路の間 に設けた横通路内に位置していて、電子制御装置の制御命令により開放又は閉鎖 される。制御命令は内燃機関の回転数と、温度センサにより検出された外気温度 とに依存している。 本発明の課題は、請求項１の上位概念に記載の内燃機関のための吸気装置を改 良して、簡単な手段により、付加的な制御装置なしで、内燃機関の運転状態へ吸 気装置の通流口を適合させることができるようにすることにある。 発明の利点 この課題は本発明によれば、請求項１の特徴部に記載の内燃機関のための吸気 装置により解決された。 特に有利には、本発明にもとづく吸気装置では、特に内燃機関の騒音放出が、 吸い込まれる空気量のため の、簡単に回転数に適合される通流口の大きさにより著しく低減される。内燃機 関のそのつどの回転数に対しては、規定された大きさの通流口が最適であり、そ の場合、回転数が比較的低い場合には小さい直径により、できるだけわずかな騒 音放出がもたらされる。 本発明によれば、回転数が比較的低い場合もしくは吸込量が少ない場合には内 管だけが開放され、かつ回転数が高い場合又は吸込量が多い場合に初めて、内管 と外管との間に設けられた可変に拡大可能な付加的な通流口が付加的に付け足さ れる。複数の内管を使用した場合には、可変の付加的な通流口が他の内管の間に も設けられる。この場合、複数の可変の通流口の構造的な構成は、以下に記載す るように、それぞれ同様に役立てられる。 可変の通流口は簡単には、管と管との間の、ウエブ状のスペーサにより固定さ れた中間室内に形成された受動的なフラップ機構により実現される。この場合、 このフラップ機構を開放するには、例えば内燃機関の回転数上昇時の吸込圧の上 昇だけで十分である。 特別有利には、このフラップ機構は請求項３から５までのいずれか１項に記載 にもとづき弾性的なシールリップとして形成され、このシールリップはそれぞれ 片側で保持され、かつその可動部分が他方の管面から離反運動して付加的な通流 口を全開または部分的に開放するように形成される。この弾性的なシールリップ は有利には温度に対して安定な弾性材料、例えばエラストマ、ＴＰＥ又は類似物 により製作されているので、開放挙動がほとんど温度に依存しない。この場合、 この非温度依存性を促進させるために、シールリップの自由な可動部分はできる だけ長く形成される。 開放挙動の改善のために、弾性的なシールリップはその端部に付加的にスリッ トを備えているので、自由な部分はさらに一層運動可能である。場合により必要 な、それぞれ他方の管への自由な部分の圧着力は簡単にリングばねにより生ぜし められる。 弾性的なシールリップのさらに可能なジオメトリ的な構成並びに−入口又は出 口又はそれらの間における−そのつど最良の配置は、内燃機関の構造及び又は使 用条件により規定されるそれぞれ特別な使用例に応じて決定される。 少なくとも１つの内管がそれぞれの外管に比して若干長く、その結果、入口平 面から突出しているとさらに有利である。このようにすれば、付加的な通流口内 の、吸込挙動に不都合に作用する乱流及び負圧がほぼ回避される。 図面 本発明にもとづく吸気装置の実施例を図面につき説明する。 第１図は内管と外管と弾性的なシールリップとを備えた吸気装置の第１実施例 の断面図を示し、 第２図は第１図にもとづく吸気装置の断面図を示し、 第３図から第８図までは弾性的なシールリップの種々の実施例を示し、 第９図から第１１図までは弾性的なシールリップの種々の配置の変化形を示し 、かつ 第１２図は出口において内管が種々異なる長さを有する吸気装置の１実施例を 示す。 実施例の説明 第１図には、ここには図示されていない内燃機関のための吸気装置１が示され ており、この吸気装置を通して矢印２で示すように空気流が吸い込まれる。吸気 装置１は内管３と、外管４と、これらの内管３と外管４との間のウエブ状のスペ ーサ５とを備えている。内管３はこの場合、予め規定した分だけ入口６の平面を 越えて延長されている。この図及びこれ以降の図では内管３が１つしか設けられ ていないが、原則的には、それぞれ外側の管とあいまって付加的な可変の通流口 を形成する多数の内管３を設けることができる。 入口６のところには外管４に弾性的なシールリップ７が保持されており、この シールリップ７はある限度内で自由に運動可能な部分８を有している。このシー ルリップ７は自由な部分８により、吸込方向で斜め後方へ案内されており、その 結果、吸込圧が所定の大きさに達すると、シールリップ７の自由な部分８が内管 ３から離反運動して、空気流のために付加的な通流口を開放する。 第２図には第１図にもとづく吸気装置の断面が示されており、この断面は特に 管３と管４との間のウエブ状のスペーサ５の位置を明瞭に示している。 第３図は自由な可動部分８を備えたシールリップ７の第１実施例を示し、その 場合、第３図の右側の半分にはシールリップ７の平面図が示されている。 シールリップ７の自由な部分８の運動性を向上させるために、第４図によれば スリット９が設けられており、これらのスリット９はシールリップの自由な脚部 の運動を助成する。スリット９の数及び大きさは吸気装置内の圧力比もしくは内 燃機関の使用条件もしくはシールリップ７の弾性度に応じて選択される。第５図 ではスリット９の代わりにひだ１０が設けられており、このひだは第４図のスリ ット９と同様にシールリップ７の開放を助成する。 第６図にもとづく実施例はスリット９に対して付加的にさらにリングばね１１ をも備えており、このリングばね１１は内管３へのシールリップ７の予め規定さ れた圧着力を生ぜしめる。所定の使用例のためには、リングばね１１のばね作用 により予め規定された吸引力を生じた状態の後にはじめて付加的な通流口の開放 が生じるように、シールリップ７のある程度受動的に制御される開放挙動を保証 することが必要である。 第７図及び第８図はシールリップ７のそれぞれ別の実施例を示し、これらのシ ールリップは腹状に拡張された自由な部分８を備えており、この部分は部分的に １つの領域１２内で、ある程度の強度を有することができる。通流口の変化形は この場合もスリット９の配置により（第７図）、又はひだ１０により（第８図） 行われる。 第９図は内管３に固定され、可動部分で外管４に当接したシールリップ１３を 備えた吸気装置１の実施例を示す。シールリップ１３の別の配置の可能性は第１ ０図（出口１４の領域内での外管４への固定）、並びに第１１図（出口１４の領 域内での内管３への固定）から得られる。この場合、シールリップ１３の構造的 な構成はそれぞれの使用例に適合されており、かつその場合、第３図から第８図 のまでに記載された運動性に関する特徴に相応している。 内管３のさらに別の構成の可能性が第１２図に示されており、この場合には、 空気流の出口における流れ技術的に効果的な形状を保証するために、内管３が出 口１４の平面を越えて突出案内されている。破線１５により内管３の短縮形も示 されており、この短縮形では出口１４の手前で内管３が終っている。特に騒音放 出に関するそれぞれの効果的な構成は、この場合、特に吸込空気を必要とする内 燃機関の構造に依存している。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】１９９７年３月２１日 【補正内容】 請求の範囲 １． 内燃機関のための吸気装置であって、内燃機関の運転状態に吸込挙動を適 合させるために少なくとも部分的に可変の通流口を備えている形式のものにおい て、 吸気装置（１）が少なくとも１つの内管（３）を備えており、該内管（３） の外周があらゆる側で外管（４）から隔てられており、吸込量のわずかな運転状 態では、吸い込まれる空気流が内管（３）しか通されず、かつ吸込量の増大時に は内管（３）を通る空気流に対して付加的に別の空気流が、それぞれの内管（３ ）と外管（４）との間の領域内に設けられた大きさ可変の付加的な通流口を通し て達することを特徴とする内燃機関のための吸気装置。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ハインツ ミュラー ドイツ連邦共和国 Ｄ−71686 レムゼッ ク コムブルクヴェーク ４

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 内燃機関のための吸気装置であって、内燃機関の運転状態に吸込挙動を適 合させるために少なくとも部分的に可変の通流口を備えている形式のものにおい て、 吸気装置（１）が少なくとも１つの内管（３）と１つの外管（４）とを備え ており、吸い込まれる空気が、いかなる運転状態でも内管（３）を通流し、かつ 、別の空気流が、それぞれの内管（３）と外管（４）との間の領域内に設けられ た大きさ可変の付加的な通流口を通流して達することを特徴とする、内燃機関の ための吸気装置。 ２． 内管（３）と外管（４）との間の領域がウエブ状のスペーサ（５）により 固定されており、かつ、受動的なフラップ状の機構がこの領域内に配置されてお り、この機構が、吸込圧の上昇時に、吸い込まれる空気のためにこの領域を可変 に開放させる、請求項１記載の吸気装置。 ３． フラップ状の機構が弾性的なシールリップ（７）から成り、このシールリ ップ（７）が入口（６）において外管（４）に保持されており、かつ、弾性的な シールリップ（７）が吸込方向で斜めに内管（３）の外面へ案内されており、こ のシールリップ（７）又はその一部分がプレロードに抗して内管（３ ）から吸込方向に離反運動可能である、請求項２記載の吸気装置。 ４． フラップ状の機構が弾性的なシールリップ（１３）から成り、このシール リップが吸気装置（１）の入口（６）又は出口（１４）において外管（４）又は 内管（３）に保持されており、前記弾性的なシールリップ（１３）がその可動の 領域でそれぞれ他方の管に当接され、前記可動の領域又はその一部分はプレロー ドに抗してそれぞれ他方の管から吸込方向で離反運動可能である、請求項２記載 の吸気装置。 ５． 弾性的なシールリップ（７）が、内管（３）から半径方向で外管（４）へ 向かって延びる少なくとも４つの所定長さのスリット（９）を備えている、請求 項３記載の吸気装置。 ６． 弾性的なシールリップ（７）がリングばね（１１）により内管（３）に圧 着されている、請求項３又は５記載の吸気装置。 ７． 弾性的なシールリップ（７）が吸込方向で腹状に拡張されており、かつ強 度の大きな領域を備えている、請求項３，５，６のいずれか１項記載の吸気装置 。 ８． 内管（３）が入口において入口平面（６）から突出するように延長されて いる、請求項１から７までのいずれか１項記載の吸気装置。 ９． 内管（３）が出口（１４）において出口平面（１４）から突出するように 延長されている、請求項１から８までのいずれか１項記載の吸気装置。 10． 内管（３）が出口（１４）において外管（４）の内部で終わるように短縮 されている、請求項１から８までのいずれか１項記載の吸気装置。