JPH10510774A - 伸長セミトーン印刷方法およびこれにより印刷される基材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 印刷方法では、連続して動く基材(50)に、伸長したセミトーンの図案を印刷する。印刷された基材(50)が複合弾性材料(48)に組み入れられ、基材(50)が収縮されてセミトーンの図案から所望のフルトーンの図案を形成することになる。

Description

【発明の詳細な説明】 伸長セミトーン印刷方法およびこれにより印刷される基材 本発明は、基材を印刷するための方法、およびこれにより印刷された基材に関 する。 織布、不織布およびフィルムのような基材の印刷がよく知られている。インク および染料で布を印刷することは、基本の布地に模様と色を与えるのに一般的で 広く用いられる方法である。おむつ、幼児訓練用パンツのような現在の日常製品 の多くのものは、外観を高めるために製品の所定部分に印刷された模様を含む。 これらの印刷部分は、一般的に非弾性であり、これらに模様を印刷するのには直 接的な従来の印刷を使用する。しかしながら、印刷されるべき基材、あるいはこ れの所定の部分が弾性である場合、あるいは印刷された後に、弾性化される場合 に、重要な問題が発生する。 分解性が高く鮮明度の高い印刷模様が弾性基材に望まれる場合に、１つの問題 が起こる。この場合には、弾性基材を一般的に十分に広げてインクが模様領域全 体に印刷されるようにする。このことは、弾性基材が弛緩し収縮した状態で印刷 されるときに発生する印刷されない空隙領域をなくすために必要なことである。 これらの印刷されない空隙領域は、弛緩し収縮した弾性基材の持ち上がっていな い部分、すなわち溝部分が印刷装置と直接および十分に接触しないために存在す ることになる。従って、いずれにしても、持ち上がっていない、すなわち溝部分 は十分に印刷されない。 残念なことに、多くの場合、伸びた弾性基材の印刷は、費用が法外にかかるこ とがわかった。これは、伸ばされた、すなわち薄い弾性基材をインクが貫通しな いようにするための支持シートをいくつかの印刷過程において使用しなければな らないためである。この支持シートは、摩耗すると取り替えられるので、さらに 費用がかかってしまう。 別の問題は、高速で絶えず動く弾性基材上で一定の引っ張り力を保つことは不 可能なことである。高速度およびこの高速度で弾性基材を物理的に処理すること により、弾性基材にかかる引張力が変化し、重ね合わせがずれたり、ブレたり、 または大きさが正確ではなくなる。 印刷弾性基材に関するさらに別の問題が、弾性基材が機械横方向すなわち基材 が連続して動く方向に対し横方向に伸縮性があるときに発生する。この問題の原 因は、連続した印刷工程の間に機械横方向に弾性基材を広げたり、伸ばすことが できないことである。 印刷されるべき基材が低坪量である場合には別の問題が発生する。低坪量の基 材は、多数の小さな空隙、あるいは少数のより大きな空隙を本来含むために基材 に印刷されるインクが基材を通って移動、すなわち貫通することになる。インク の貫通に関する問題は、印刷装置にインクが溜まることである。印刷装置上にイ ンクが溜まることこそが、基材の印刷の質を劣化し、インクを基材の裏に移すこ とになり、そしてインクの溜まりを取り除くための機械停止時間による作動効率 の低下をもたらすことになる。 この問題は、高速印刷の場合に一層重大となる。なぜならば、インクの溜まり が加速的に形成され、この溜まりを取り除くのに機械を停止しなければならない 回数を増大させてしまうからである。停止回数が増大するにつれ、機械の始動に 伴う材料とインクの消耗が増大することになる。 従って、本発明の目的は、貫通することを回避しながら、弾性基材上にフルト ーンの図案を提供することである。 本目的は、独立請求項１に従った印刷方法を提供すること、独立請求項１１お よび１３に従った印刷基材を提供することにより解決される。 さらに、本発明の有効な特徴、態様および詳細な記載は、従属請求項、詳細な 説明、および図面により明らかである。これら請求項が意図していることは、本 発明を総括的に記述し非制限的に解釈する最初のアプローチであるということで ある。 従って、本発明は、基材を印刷するための方法と、これにより印刷された基材 とに関する。より詳細には、基材に伸長したセミトーンの図案を印刷するための 方法と、これにより印刷された基材に関する。 印刷方法では、連続して動く基材上に伸びたセミトーンの図案を印刷する。印 刷された基材は、複合弾性材料に組み込まれ、該基材が収縮されてセミトーンの 図案から所望のフルトーンの図案が形成されることになる。 本発明の１態様において、印刷面を有する基材を連続して動かし、セミトーン の図案を基材の印刷面に印刷し、印刷された後に基材を弾性化し、基材を収縮さ せてフルトーンの図案を得るようにする、段階を含む。 本発明の別の態様において、印刷面を有する基材と、伸びたセミトーンの印刷 により、印刷面に印刷された図案と、を含む印刷された基材を提供する。詳細に は、基材は、約２０ｇ／ｍ²に等しいか、それ以下の坪量を有する。 本発明のさらに別の態様において、印刷面を有する基材を連続して動かす段階 と、セミトーンの図案を基材の印刷面に印刷する段階と、印刷後に、基材を弾性 化する段階と、基材を収縮させてフルトーンの図案を形成する段階とを含む方法 によって形成された印刷された弾性基材を提供することである。 本発明の上述および別の特徴、態様および利点と、これらを獲得するための手 段は、より明白になり、本発明自体は、添付の図面に関連して記載された以下の 記載を参照してより理解できるであろう。 図１は、本発明の原理を組み入れる物品の斜視図である。 図２は、伸ばされた状態で、複合弾性材料の一部を破断状態で示す横断面図で ある。 図３は、弛緩し収縮した状態の図２の複合弾性材料である。 図４は、本発明の理論に従って印刷された図案を有する基材である。 図５は、収縮した状態の図４における基材を表す。 図６は、本発明の原理に従って印刷された図案を有する別の基材を表す。 図７は、伸びた状態の図６の基材を表す 図８は、本発明の原理に従って印刷された図案を有する別の基材を表す。 図９は、伸びた状態における図８の基材を表す。 図１０は、収縮した状態の図９の基材を表す。 本発明は、日常品のような、これには制限されないが、様々な種類の物品に組 み入れることができる、基材に印刷するための伸びたセミトーン印刷方法を提供 する。これらの日常製品は、おむつ、女性用保護製品、大人用失禁製品および幼 児訓練用パンツを含むがこれらに限定されない。これらの製品には印刷された、 １つか２つ以上の色で１つか２つ以上の視覚可能な図案が印刷されることが望ま れる。幼児トイレ訓練用パンツに関し、例えば、トイレ訓練段階においておむつ から訓練用パンツに移行する幼児の成長過程の際に、幼児が着用し幼児を励ます ように可能な限り興味をそそり、かつ楽しくさせるようなパンツを形成すること が望まれる。 トイレ訓練パンツのようなこれらの製品をより興味を引くものにするための１ つの方法は、外側の目に見える面上に鮮明な色の図案を印刷することである。 本発明の方法は、経済効果、高速および高品質の印刷の適切なバランスをとる ためにフレキソ印刷を採用するのが好ましい。フレキソ印刷は不織繊維ウェブを 印刷するのに特に適する。ウェブの本質的な柔らかな触感が、薄層に適当なイン クを付与することによって維持されるからである。適当なインクの例が、１９９ ４年１１月１４日に出願された米国特許出願番号第０８／３３８、９８６号に記 載されており、本発明は、この先行技術を引用し、この特許明細書の記述を本明 細書の記述の一部とする。 フレキソ印刷は、インクを所定の基板に堆積させるように可撓性のある浮き彫 りのゴムもしくは感光性樹脂プレートを使用する印刷技術である。本発明の方法 に用いることのできるプレートの種類は、デラウエア州、ウィルミントン在住の Ｅ．Ｉ．デュポン・ド・ネーマス アンド カンパニー インコーポレーテッド からデュポン・シレル（登録商標）・ＨＬ、ＰＱＳ、ＨＯＳ、ＰＬＳ、およびＬ Ｐとして市販されているプレート、ニュージャージ州、クリフトン在住のＢＡＳ ＦからＢＡＳＦナイロフレックスとして商業的に市販されているプレート、ジョ ージア州アトランタ在住のＷ．Ｒ．グレースからフレックス・ライト・タイプの ＦＬ−ＳＫＯＲとして市販されているプレートを含む。別のものは、ニューヨー ク州、サラマンカ在住のルミニト・プロダクツ、またはニューヨーク州サラマン カ在住のフレクソ・エクスプレスにより販売されているレーザエッチ加流化ゴム シリンダ、ロードアイランド州ミドルトン在住のファルフレックス・インクによ り販売されているようなゴム印刷プレートを含む。ゴム印刷プレートと加流化ゴ ムシリンダは天然ゴム、ＥＰＤＭ、ニトリル、またはウレタンである。 本発明に関して用いることのできる別の印刷システムは、浮き出し印刷ロール を用いるグラビア印刷、静電荷を用いてインキの小滴を偏向させるインキ・ジェ ット印刷を含む。 図１を参照すると、フロントセクション２２、バックセクション２４、股セク ション２６、および一対のサイドセクション２８とを含む幼児訓練用パンツ２０ を示す。各サイドセクション２８は、超音波結合、熱結合、接着結合等のような 適切な手段で形成されてもよい結合シーム３０を含む。訓練用パンツ２０は、ウ エスト開口部３２と一対の脚開口部３４とを形成する。ウエスト開口部３２のま わりに弾性を与えるために、弾性ウエストバンド３６が、本分野において公知の 適当な手段でウエスト開口部３２において訓練用パンツ２０に組み入れられる。 同様に、弾性脚バンド３８が、各脚開口部３４において訓練用パンツ２０に組み 入れられ、これに弾性を与えるようになっている。「弾性」とは、変形を起こす 力を取り除いた後に元の大きさと形状に回復しようとする材料または複合弾性材 料のことを言い、％で表される。 訓練用パンツ２０は、さらに、液体透過性ライナー４０、股セクション２６に おける吸収体（図示せず）、および外側カバー４２を含む。外側カバー４２は、 液体不透過性であっても、なくてもよく、複数の図案４６が印刷された外面４４ を有する。「図案」とは、デザイン、イメージ、マーク、図柄、コード、言葉、 パターン等であればいかなる種類のものも含む。訓練パンツ２０のような製品に 関し、図案４６は、一般的に多色使いのトラック、飛行機、ボール、人形、船等 のような、年少の少年少女に関連する対象物を含む。訓練用パンツ２０は、本分 野において公知の適当な手段で形成できる。幼児訓練用パンツのいくつかの他の 例および構成が米国特許第４、９４０、４６４号に記載されており、本発明は、 この先行技術を引用し、この特許明細書の記述を本明細書の記述の一部とする。 訓練用パンツ２０は、弾性ウエストバンド３６と弾性脚バンド３８とによって 得られる以外の弾性特徴を組み入れることも、一般的に望まれる。例えば、ライ ナーカバー４０と外側カバー４２とは、弾性材料から形成でき、訓練用パンツ２ ０によって形成されるように、パンツ本体にわたって弾性を与えるようになって いる。訓練用パンツ２０の特定の実施例において、ライナー４０は、適切な液体 透過性の弾性材料から形成され、外側カバー４２は３層の複合弾性材料である。 「複合弾性材料」とは、少なくとも２つの場所で少なくとも１つのギャザー可能 な基材に結合される少なくとも１つの弾性基材を有し、ギャザー可能基材が該弾 性基材に結合された場所の間でギャザーが寄せられるようになっている多層材料 のことをいう。複合弾性材料は、結合場所の間で、ギャザー可能な基材が弾性基 材を伸ばすことができる程度に伸ばされてもよい。この種の複合弾性材料が、例 えばバンダー・ウイレン他に付与された米国特許第４、７２０、４１５号に開示 されており、本発明は、この先行技術を引用し、この特許明細書の記述を本明細 書の記述の一部とする。「基材」という用語の使用では、織布または不織布、多 孔性フィルム、インク透過性フィルム、ペーパ、複合構造等を含むが、これらに 限定されない。 図１から図３を参照すると、外側カバー４２は、２つのギャザー可能な基材と １つの弾性層とからなる複合弾性材料である。図２を参照すると、弾性化された 基材４８の形態で複合弾性材料が表されている。「弾性化される」とは、本質的 には非弾性であるが、例えば適切に、弾性材料、層または基材と結合されること によって弾性化されたことをいう。図２において、弾性化された基材４８は、伸 ばされた状態であるが、図３は弛緩した収縮状態である。幼児用訓練パンツ２０ の本実施例において、外側カバー４２は、弾性化された基材４８から形成されて いる。基材４８（図２参照）は、ギャーザー可能な基材５０、弾性層５２、およ びギャザー可能基材５４とからなる。ギャザー可能な基材５０が、幼児訓練用パ ンツ２０の外面４４（図１参照）を形成し、印刷面５６および対向面５８（図３ 参照）を備える。弾性層５２は適当な弾性材料から形成でき、平坦なシートの形 状か、または弾性材料からなる層または弾性材料の複数のストランド、ロープ、 等の形態にできる。 図３を参照すると、弾性化された基材４８が弛緩した、収縮状態で図示されて おり、***領域６０がギャザー可能基材５０、５４の双方に形成され、非***部 分６２もギャザー可能基材５０、５４の双方に形成された状態になっている。上 述したように、この種の複合弾性材料が、伸長した弾性材料をギャザー可能な材 料に結合し、２つの材料を収縮させることによって構成されている。図３におい て、ギャザー可能な基材５０、５４は非***領域６２に対応する場所で、伸長し た、すなわち伸びた弾性層５２に適切に結合あるいは接合される。この後、弾性 化された基材４８が、トイレ訓練用パンツ２０の製造過程中に、外側カバー４２ として形成されたり、構成できる。 ギャザー可能な基材５０、５４の弾性化のために、外側表面の双方に布様の感 触を有する、基材４８のような複合弾性材料となる。基材４８（図２を参照）を 弛緩する際には、***領域６０と非***領域６２（図３を参照）とを形成する収 縮しているギャザー可能な基材５０、５４が存在することになる。 弾性基材４８（図３参照）のような収縮した複合弾性材料に図案を印刷する際 に、連続して動く弾性基材４８を印刷装置に供給できる。この印刷過程の間、印 刷装置から基材４８に移されたインクが***領域６０（図３参照）に最初に落ち る、すなわち堆積されるが、非***領域６２はほとんどインクを受取らず、たと えあったとしても、分解性が低く、鮮明度が低いものである。このことは、従来 の印刷装置と方法に関連する上述に記載の問題の１つである。これらの問題の別 の問題は、重ね合わせがずれていること、色の濃度が変化すること、印刷模様の 形状が変わること、等を含む。 収縮した複合弾性材料を印刷することに関連する別の問題は、弾性材料が高速 度で印刷装置にわたり連続して移動しながら、複合弾性材料に一定の引張力を維 持しなければならないことである。高速度で移動しつつある複合弾性材料に一定 の引張力を維持することは、極めて困難であり、弾性材料が印刷装置を通って動 くときに、材料の引張力を変えることになり、ブレたり誤った寸法を有する図案 が作られることになる。 本発明は、これらの問題に対する解決策を提供するとともに、別の可能性のあ る問題を解決するものである。本発明の特徴の１つは、収縮された複合弾性材料 に印刷することのために発生するブレたり「ゴースト」状態の図案を排除するこ とである。上述したように、このためにあったとしても、極めてわずかなインク が、例えば弾性化された基材４８の非***領域６２（図３参照）に直接堆積され る。ブレたり、ゴースト状態の図案を排除することは、基材５０（図３参照）の ようなギャザー可能基材を、弾性基材４８のような複合弾性材料に組み入れる前 に、弛緩した非収縮状態で印刷することによって達成される。ギャザー可能基材 ５０は、弛緩した非収縮状態で印刷されるので、ブレたりゴースト状態の図案の 原因となる弾性化基材４８の領域６０、６２に相当する***または非***領域が 存在しない。従って、本発明は、非***領域６２のような、印刷されなかったり また部分的に印刷される空隙領域を実質的に排除することによって、高分解性ま たは高鮮明度の図案を形成することになる。さらに、本発明によるセミトーンの 図案を印刷する際に、インクの使用量が減少することのために、特に低坪量の基 材をインクが貫通することが少なくなることによって、印刷装置状のインクの溜 まりが排除されることになる。 印刷面５６上に印刷された図案４６（図１参照）のような図案が、大きさ的に 正確である場合には、弾性基材４８を製造中、ギャザー可能基材５０を収縮させ る際に、印刷された図案が、大きさと形状において圧縮されたり、ゆがんだりす るであろう。本発明の別の特徴では、最終製品における所望の目的図案に対し、 伸長したり圧縮されて印刷された状態で図案を提供することが、この状況に関連 する。 本明細書を通して、「伸ばされた」とは、伸長等のために長さが変化した材料 のことを意味し、長さの単位で表される。「伸長」とは、（ｉ）伸ばされた材料 の長さと（ｉｉ）伸ばされる前の材料の元の長さ、との比を意味し、次の式に従 ってパーセントで表される。 伸びた長さ−元の長さ／元の長さ × １００ ％ 「伸長」、「伸びた」という用語は、本明細書において図案４６に関しても用 いられ、図案４６が印刷されたり、あるいは最終製品における所望の目的図案に 比較して伸びるようにインクが堆積されることを意味する。このことは、例えば 所望の目的図案に対して伸びた浮き彫り印刷面を有する印刷シリンダを与えるこ とによって達成される。 ギャザー可能面５０のみを印刷することによって、本発明は、印刷される複合 弾性材料上に一定の引張力を維持しなければならないという必要性を省くことが できるので有効である。ギャザー可能基材５０は非弾性なので、ブレたり大きさ において不正確な図案はほぼ実質上なくなる。 本発明は、ギャザー可能基材５０のような、基材上に、伸びた、セミトーンの 図案を印刷する印刷方法を採用する。印刷された基材が、弾性材料４８のような 複合弾性材料に組み込まれる場合には、基材の収縮によって伸びた、セミトーン の図案が収縮され、視覚的にフルトーンの図案を形成することができる。「フル トーンの図案」とは、鮮明度、分解度、トーン、色の濃度、等が所望のものとな る所定量のインクで印刷された図案のことをいう。 図４を参照すると、ギャザー可能基材５０は、一般的にほぼセミトーンの図案 ６４が印刷された状態で図示されている。印刷過程の間、連続した長さのギャザ ー可能基材５０が、１つの図案６４だけしか図４には示していないが、セミトー ン図案６４で印刷されている間に絶えず印刷装置を通って動き、本発明では、異 なる大きさと形状の多数の図案を印刷できると考えられる。図４を参照すると、 基材５０は、矢印６６により示されている機械方向に進行する。「マシン方向」 とは、基材が印刷装置を通って絶えず動く方向のことを意味し、本実施例におい ては、以下に記載するように、基材５０が複合弾性材料に組み込まれたときに収 縮する方向のことも意味する。弾性層５２（図２参照）とギャザー可能層５４と が組み込まれ、弾性基材４８を形成するとき、該基材４８は弛緩でき、図３に示 すようにギャザー可能基材５０、５４を収縮させることができる。印刷された弾 性基材４８の平面すなわち上面図が図５に示されており、印刷面５６が見る側の 方を向いている。図５に見ることができるように、最初に印刷された図案６４は 収縮したり圧縮され視覚的にフルトーンの図案６８を形成するようになる。図４ のセミトーンの図案６４は、収縮されたり圧縮されるので、図４のほぼ長方形は 図５の所望とされるほぼ正方形になると考えられた。 従って、基材５０の収縮は、元の印刷図案６４の幾何形状を変化させて、所望 の色濃度、トーン、分解度、鮮明度等が与えられることにもなる。収縮される際 に、図４の基材５０が弛緩した非収縮状態で印刷されると、複数の***領域６０ 、非***領域６２（図３参照）を形成する。非***領域６２が、あったとしても ごくわずかのインクが堆積されることになる、先に記載した弾性基材４８を印刷 する方法とは異なり、本発明は、収縮した際に非***領域６２となるギャザー可 能基材５０の所定部分に直接印刷を行なう。従って、図３からわかるように、隆 起領域６０と非***領域６２との双方がインクで直接印刷され、上述に記載した 従来の印刷方法に関連する非印刷空隙領域を実質的になくすことになる。 上述したように、伸びた、セミトーンの図案で印刷することは、一般的に所望 の目的となる図案の最終的な幾何形状を知ることが必要となる。その幾何形状を 認識することで、セミトーンの図案６４の寸法を計算できる。例えば、図４にお けるギャザー可能な基材５０は、最初の非収縮長さ７０（図４参照）と、最終収 縮長さ７２（図５参照）とを有すると想定する。最終的な収縮長さ７２は、印刷 される弾性基材４８（図３参照）に望まれる弾性量に基づく。これを知ることか ら、すなわち所望の弾性を知ることから、最終の収縮長さ７２を求めることがで きる。最終製品例えばトイレ訓練用パンツ２０に望まれるフルトーンの図案６８ の寸法も知る。図５は、矢印７４で示された幅と、矢印７６で示された最終長さ とを有するフルトーンの図案６８を示す。求められるべき、まだ知られていない 要因は、図４に示した矢印７８によって図示されている、印刷される図案長さで ある。印刷される図案長さ７８がわかると、基材５０は伸びたセミトーンの図案 ６４で印刷できる。印刷される図案長さ７８を求める式は以下の通りである。 初期の非収縮長さ ７０＝Ｘ、 最終収縮長さ ７２＝Ｙ、 最終図案長さ ７６＝ｂ、 印刷される図案長さ７８＝ｂ１ である場合には、ｂ１＝（Ｘ／Ｙ）（ｂ）である。 図４と図５に示した基板５０が、機械方向６６にのみ収縮するので、最終図案 幅７４から印刷される図案幅を調整する必要はない、すなわち基材５０が収縮し たり伸長したりするときとほぼ同じ幅のままである。 印刷される図案長さ７８が求められ、印刷装置が適切な伸長した図案を印刷す るように設計され与えられた場合には、連続してギャザー可能な基材５０は、複 数の同一または異なる種類の伸長セミトーン図案で連続して印刷できる。 この後、別の長さのギャザー可能基材５０を、既知の弾性率を有する弾性層５ ２（図２および図３）とギャザー可能な基材５４とに組み入れて所望の弾性率を 有する印刷された弾性基材４８を形成し、弛緩し収縮した状態のときに所望の色 の図案を形成できるようになっている。 印刷される図案長さ７８を求めるための別の式は次の通りである。 （所望の弾性率／１００）＋１ この式において、１例においてトイレ訓練用パンツ２０の外側カバー４２（図 １参照）とできる最終弾性基材の獲得できる、すなわち所望の弾性を１００でわ り、これに１が加えられて印刷図案の長さ７８を求めるのに必要な倍数となる。 例えば、外側カバー４２が２００％の弾性率を有することが望まれる場合には、 式は以下のようになる。 ２００／１００＋１＝２ 最終の図案長さ７６（図５参照）に２の倍数がかけられて印刷される図案長さ ７８（図４参照）を計算するようになっている。 上述に記載の例は、伸びた図案として印刷された長方形を含んでいたが、これ らと同じ原理と式が別の幾何形状に適用される。 図２と図３に関し先に述べたように、ギャザー可能基材５０、５４は伸長した 弾性層に結合されるように記載してきた。これらの３つの要素を結合後、そして 弾性層５２を弛緩する際に、ギャザー可能な基材５０、５４にギャザーが寄せら れるか収縮し、弾性基材４８を形成するようになっている。別の方法も、弾性基 材４８のような複合弾性材料を形成するのに利用できる。例えば、弾性層５２は 熱収縮性材料から形成されてもよく、従ってギャザー可能基材５０、５４をこれ に結合する前に伸長されない。かわりに、基材５０、５４を熱収縮性弾性層５２ に通常の弛緩状態で結合できる。これらの要素を共に結合した後、熱収縮性弾性 層５２は、該層の全て、あるいはこれの選択された部分のみを弾性にするために 、熱処理できる。別の材料を同じように用いることができ、弾性の特徴が、機械 的処理、化学的処理等により発生したり作り出される。 図４と図５に記載したように、印刷された弾性基材４８は、機械方向６６（図 ４参照）に伸長するように製造されている。しかしながら、機械方向６６に対し ほぼ横方向に弾性を有するのが好ましいような、図１の訓練用パンツ２０の物品 の所定の構造がある。この横方向は、矢印８４（図４参照）に示したような機械 横方向である。弾性を機械横方向８４に有しなければならないギャザー可能基材 ５０に印刷することは、異なる伸びたセミトーンの印刷技術を必要とする。 図６と７を参照すると、機械横方向の伸長を有する複合材料を製造する１方法 は、複合材料を弛緩したエラストマー層に結合する前に、ギャザー可能基材を伸 ばすことである。この方法において、弛緩したままの状態なのは弾性層であり、 機械方向６６（図７参照）に伸長されるのはギャザー層である。 図６と７に示すように機械横方向に伸長しなければならない基材に図案を印刷 する場合と、図４と図５に示したように機械方向に伸長しなければならない基材 に印刷する場合とに差がある。図６における基材５０は、弛緩し非収縮状態であ る。図７において、印刷された基材５０は、弛緩した弾性層に結合される前に機 械方向６６に伸ばされた。図６と７の基材５０を比較すると、寸法における２つ の変化、すなわち長さが増大していることと、幅が減少していることを表してい る。図６と図７における基材５０は、長さと幅方向の双方において変化を受ける ので、印刷の前に計算されなければなない２つの倍数がある。 もう一度見直すと、図１のトイレ訓練用パンツ２０の外側カバー４２のような 最終の製品に望まれる弾性率は、基材５０の矢印８６（図７）によって示されて いる伸長した最終長さと、矢印８８によって示されたような収縮した最終幅のよ うな既知のパラメータである。２つの別の既知のパラメータは、最終的な図案長 さ７６（図７参照）と最終的図案幅９０である。これらの既知のパラメータで、 伸びた、セミトーンの図案９４（図６参照）を印刷するのに必要な２つの倍数を 計算できる。 図６は、基材５０に印刷された図案９４を示しており、図案９４は印刷される 図案長さ７８と印刷される図案幅９８とを有する。２つの倍数は、以下の式から 計算される。 初期の非収縮幅９２＝Ｃ、 収縮最終幅８８＝Ｄ、 最終図案幅９０＝ａ、 印刷図案幅９８＝ａ１、である場合には、 ａ１＝（Ｃ／Ｄ）（ａ）である。 初期の非収縮長さ７０＝Ｘ、 伸長最終長さ８６＝Ｙ、 最終図案長さ７６＝ｂ、 印刷図案長さ７８＝ｂ１、である場合には、 ｂ１＝（Ｘ／Ｙ）（ｂ）である。 上述に関し、セミトーン図案９４を弛緩した非収縮基材５０上に印刷できる。 その後に、基材５０は、弾性層５２（図３参照）のような弛緩した弾性層に結合 される前に、図７に図示したように、機械方向６６に伸ばされる。図７に示すよ うに、基材５０が伸ばされると、図案９４はフルトーン図案９６になる。 図６と図７を参照して記載するように、弛緩し非収縮状態で絶えず動く基材５ ０は、最終的には、所望のフルトーンの図案９６（図７参照）になるインク量を 用いて、伸びたセミトーン図案９４で印刷できる。基材５０が印刷された後に、 印刷方法の一部として、または次の処理過程のいずれかとして、基材が機械方向 ６６に伸ばされ、弛緩した弾性層５２に適切に結合される。弾性層５２に結合さ れると、基材５０は、弾性層５２によって収縮状態に維持され、機械横方向に弾 性を有する複合弾性材料となる。 この点に関し、図４と図５に関する基材５０を印刷する説明は、機械方向６６ のみに伸長する複合弾性材料に関連し、図６と図７とに関連する基材５０の記載 は、機械方向８４にのみ伸長する複合弾性材料に関連する。いくつかの用途にお いて、複合弾性材料は、例えば、機械方向６６と機械横方向８４との双方に弾性 を有するように複数方向性であるのが望まれる。図８乃至図１０は、この種の複 数方向性複合材料の印刷技術を示している。図８は、弛緩し非収縮状態の基材５ ０を表しており、セミトーン図案１００が上に印刷されている。図９は、これが 機械方向６６に伸びた後の基材５０を表している。機械方向６６に伸びると、基 材５０は伸長した弾性層に結合され、伸長した弾性層を弛緩する際に、基材５０ は図１０に示すように、機械方向６６に収縮される。従って、図１０の基材５０ は、機械方向６６と機械横方向８４との双方に弾性を有する。 印刷図案幅９８（図８参照）と印刷された図案長さ７８とを求めるための２つ の式は以下の通りである。 初期の非収縮幅９２＝Ｃ、 収縮最終幅８８＝Ｄ、 最終図案幅９０＝ａ、 印刷図案幅９８＝ａ１である場合には、 ａ１＝（Ｃ／Ｄ）（ａ）である。 初期の非収縮長さ７０＝Ｘ、 最終収縮長さ７２＝Ｙ、 最終図案長さ７６＝ｂ、 印刷図案長さ７８＝ｂ１、である場合には、 ｂ１＝（Ｘ／Ｙ）（ｂ）である。 低坪量の基材が、所望のフルトーンの図案を形成するために必要な量のインク で印刷されると、インク部分が通過して、インク装置の面に堆積され始める。こ のことは、「貫通」といわれ、印刷装置の上にインクの溜まりが形成される。材 料が本質的に貫通させる傾向にある場合には、この材料は、「低坪量」である。 この傾向は、材料内の多数の小さな空隙、もしくは少数の大きな空隙から発生す る。例えば、坪量が約２０グラム／平方メートルか、それ以下である場合には、 不織基材は低坪量であると考えられる。 このインク貫通とインクの溜まりのために、基材の印刷の質が劣化し、インク が基材の裏面に移り、インクの溜まりを取り除くのに必要とされる機械停止のた めに作動効率が低下する。さらに、インク貫通のために、色の染み、模様のずれ および重ね合わせが正確ではないといった、好ましくない図案の影響を基材にお よぼすことになる。これらの好ましくない影響は、使用者に喜ばれるものではな く、製品の質と性能を劣化させることになる。 この問題は、セミトーン図案を印刷するために使用するインクの量が少なくな るといる本問題によって実質的に回避された。使用するインク量がより少なくな るために、インク貫通が実質的に減少した。 上述したように、本発明は、インクの貫通を実質的に減少させ、インク装置の インク溜まりを減少させることにより、フルトーンの図案に対し、セミトーンの 図案を印刷することのために、はっきりした、鮮やかな図案を形成することにな る伸長したセミトーンの印刷法を提供する。 本発明は、好ましい実施例を有するものとして記載されてきたが、さらに別の 変更例も可能であることがわかる。従って、本出願は、本発明の原則に従って、 全ての変化例、均等例、使用、適用例をカバーするものであり、本発明が請求の 範囲の制限に関する、本分野において公知のまたは従来の実施内で得られるであ ろう本発明の詳細な記載からの展開を含むものである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，Ｕ Ｇ)，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，Ｃ Ａ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ， ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，Ｍ Ｇ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ， ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ (72)発明者 コンラッド ダニエル ジェームズ アメリカ合衆国 テネシー州 37129 マ ーフリーズボロ ウェックスフォード ド ライヴ 1622 (72)発明者 クチェロヴスキー ジョセフ エス アメリカ合衆国 ペンシルバニア州 19115 フィラデルフィア ウィングチッ プ ロード 9937

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．印刷面(56)を有する基材（50）を連続して動かし、 前記基材の前記印刷面(56)にセミトーンの図案を印刷し、 前記印刷面が印刷された後に前記基材(50)を弾性化し、 該基材(50)を収縮させてフルトーンの図案を形成する、 段階からなる印刷された弾性化基材(48)を形成する方法。 ２．弾性化することは、前記基材(50)を弾性にするように処理する段階を含むこ とを特徴とする請求項１に記載の方法。 ３．前記弾性化することは、前記基材(50)を弾性層(52)に結合する段階を含むこ とを特徴とする請求項１または２に記載の方法。 ４．前記弾性層(52)は、弾性材料からなるシートであることを特徴とする請求項 ３に記載の方法。 ５．前記弾性層(52)は、弾性材料からなる複数のストランドであることを特徴と する請求項３に記載の方法。 ６．前記印刷された弾性基材(48)を物品に組み入れる段階からなることを特徴と する前述の請求項のいずれかに記載の方法。 ７．前記印刷はフレキソ印刷であることを特徴とする前述の請求項のいずれかに 記載の方法。 ８．前記印刷は、グラビア印刷であることを特徴とする前述の請求項のいずれか に記載の方法。 ９．前記印刷はインクジェット印刷であることを特徴とする前述の請求項のいず れかに記載の方法。 10．前記基材(50)は、約20グラム/ 平方メートルに等しいか、それ以下の坪量を 有することを特徴とする前述の請求項のいずれかに記載の方法。 11．印刷面(56)を有する基材（50）を連続して動かし、 該基材(50)の前記印刷面(56)にセミトーンの図案を印刷し、 前記印刷面が印刷された後に前記基材(50)を弾性化し、 該基材(50)を収縮させてフルトーンの図案を形成する、 段階からなる方法によって製造される印刷された弾性化基材（48）。 12．弾性化することは、前記基材(50)を弾性にするように処理することを特徴と する請求項１１に記載の基材。 13．弾性化はすることは、前記基材(50)を弾性層(52)に結合する段階を含むこと を特徴とする請求項１１または１２に記載の基材。 14．前記弾性層(52)は、弾性材料からなるシートであることを特徴とする請求項 １３に記載の基材。 15．前記弾性層(52)は弾性材料からなる複数のストランドであることを特徴とす る請求項１３に記載の基材。 16．前記印刷はフレキソ印刷であることを特徴とする請求項１１乃至１５のいず れかに記載の基材。 17．前記印刷は、グラビア印刷であることを特徴とする請求項１１乃至１６のい ずれかに記載の基材。 18．前記印刷はインクジェット印刷であることを特徴とする請求項１１乃至１７ のいずれかに記載の基材。 19．前記基材(50)は約20グラム／平方メートルに等しいか、それ以下の坪量を有 することを特徴とする請求項１１乃至１８のいずれかに記載の基材。