JPH10508180A - 互いに移動が可能なモータ部を備えたモータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、互いに移動が可能なモータ部（１０，２０）を有し、第１モータ部（１０）は、２ｐ個の磁極（１３）を備える永久磁石（１１）によってエアギャップ（１）に多極励起領域を形成し、第２モータ部（２０）は、エアギャップ（１）の方向に突出する数Ｔの極歯（２２）が励起コイル（２３）を支持すると共に、極ギャップ（２４）による隙間を形成するヨーク（２１）であるモータにおいて、磁極（１３）の数２ｐおよび極歯（２２）の数Ｔが、１よりも大きな公約数を有しないモータの場合、極歯（２２）それぞれは、エアギャップに面した側の極歯（２２）の中心に補助スロット（２５）を有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】 互いに移動が可能なモータ部を備えたモータ 本発明は、互いに移動が可能なモータ部を有し、第１モータ部は、２ｐ個の磁 極を備える永久磁石によってエアギャップに多極励起領域を形成し、第２モータ 部は、エアギャップの方向に突出する数Ｔの極歯が励起コイルを支持すると共に 極ギャップによる隙間を形成するヨークであるモータに関するものである。 こうしたモータは、回転モータとして既知であり、一例としては、ドイツ連邦 共和国特許明細書２８２３２０８Ｃ２号および３１２２０４９Ｃ２号がある。こ うしたモータでは、永久磁石の磁化した極とヨークの極歯との間の相互作用の結 果として、もどり止めトルクが生じる。このもどり止めトルクは、不必要な振動 を生じさせる可能性があるため、通例、好ましくない。トルクの基本周波数の次 数は、磁極の数２ｐと歯の数Ｔとの最小公倍数に従い、また、トルクの基本周波 数の次数は、その次数が増加するに従いこの好ましくないトルクの大きさを減少 させるため、できる限り大きくすべきである。従って、大きなもどり止めトルク を有するモータと、永久磁石の磁極の数２ｐと極歯の数Ｔのため、小さなもどり 止めトルクを有するモータとがある。組をなす極の数２ｐ＝２と歯数Ｔ＝３とを 有するモータは、基本周波数の次数が６であるもどり止めトルクを受ける。もど り止めトルクの大きさは、その結果として、幾分高い。ドイツ連邦共和国特許明 細書２８２３２０８Ｃ２号には、もどり止めトルクを極歯の窪みによってどのよ うに軽減できるかが記載されている。 しかしながら、また、すでに、磁極数２ｐと歯数Ｔとのためこうした特別な手 段無しで小さなもどり止めトルクを有するモータがある。例えば、磁極数２ｐ＝ ８と歯数Ｔ＝９とを有したモータのもどり止めトルクは、次数が７２の基本周波 数を有する。それ故、こうしたモータのもどりトルクの大きさは、非常に小さい 。しかしながら、こうしたモータに起因する問題は、モータが対称ではないこと 、即ち、エアギャップの磁界が対称でないことである。結果として、モータのモ ータ部が回転する場合、ラジアル力が発生する。例えば、こうしたモータの磁極 が直接エアギャップを挿んで極歯に面する場合、２つのモータ部の間のラジアル 力はもはや互いに相殺しないから、磁極は、円周方向に１８０°移動して極ギャ ップに面する。 本発明の目的は、エアギャップの非対称な磁界の結果として生じるラジアル力 を減少または除去するため、第一段落に定義したタイプのモータを構成すること である。 本発明によれば、この目的は、磁極の数２ｐおよび極歯の数Ｔが、１よりも大 きな公約数を有しないモータであって、極歯それぞれが、エアギャップに面した 側の極歯の中心に補助スロットを有することで達成される。 エアギャップの磁界が対称でない場合、常にラジアル力が発生する。エアギャ ップの磁界は、円周方向に見て、磁界が周期的に３６０°回転した後で現れる場 合、非対称である。これは、周期性が最大公約数によって正確に３６０°で分け られるため、磁極の数および極歯の数が１よりも大きな公約数を有しないときの 場合である。 このタイプのモータの実施形態は、３つの極歯および２つの磁極、３つの極歯 および４つの磁極、また９つの極歯および８つの磁極を有したモータを含む。 磁極の数２ｐは常に偶数であるから、上記構成においては極歯が奇数Ｔの場合 にだけ、ラジアル力を発生させることができる。各歯にエアギャップに面した側 の極歯の中心に補助スロットを設けた場合、これにより、エアギャップの方向に 向いたヨークの開口部の数が２倍、即ち、Ｔ個の極ギャップおよびＴ個の補助ス ロットになる。この結果、エアギャップの磁界が対称になる。磁極が極ギャップ に面する場合、磁極は、円周方向に１８０°移動して補助スロットに面し、それ によって、２つのモータ部の間のラジアル力は減少する。 本発明の好適な実施形態は、補助スロットを、補助スロットのそれぞれが極歯 の間の極ギャップと同一の磁気効果を有するように形成したことを特徴とするも のである。 各極歯が補助スロットを備える場合、磁界の構造に関する補助スロットの効果 は、極ギャップの効果に対応し、エアギャップでは、磁界の完全な対称性が達成 され、ラジアル力は完全に除去される。 また補助スロットの相殺効果は、以下の考察に基づいて説明することができる 。各極歯が補助スロットを備える場合、磁界の構造に関する補助スロットの効果 は、極ギャップの効果に対応し、これは効果的な歯数の２倍になる。この結果と して、効果的な歯数は偶数となるから、歯数および磁極の数は公約数を有し、ラ ジアル力を除去する。 先に述べたように、もどり止めトルクの基本周波数の次数は、歯数と磁極の数 との最小公倍数に等しい。磁極の数が偶数の場合、２の因数によって奇数の歯が 増大するため、上述した手段は、これに対する影響がなく、効果的な歯数を２倍 にした結果として、上述した手段は、最小公倍数に影響を及ばさない。 本発明を、添付した図面の図に基づいてさらに詳細に説明する。 図面の図は、互いに移動が可能なモータ部を備えたモータを示す直径断面図で ある。モータは、多極永久磁石１１を備える第１モータ部１０で構成され、この 多極永久磁石１１に設けられた軟鉄ヨーク１２が、この永久磁石を被覆する。永 久磁石１１は８つの磁極１３を有し、この磁極１３は、円周に沿って等しい間隔 であり、磁極１３の両極は円周方向に交互する。第１モータ部１０および第２モ ータ部２０は、互いに回転が可能となるように支持される。エアギャップ１は、 第１モータ部１０と第２モータ部２０との間に存在する。第２モータ部２０は、 ９つの極歯２２を有する軟鉄ヨーク２１で構成され、極歯２２はエアギャップ１ の方向に突出し、励起コイル２３を支持する。円周方向に見て、９つの極ギャッ プ２４が、第２モータ部２０の９つの極歯２２の間に存在する。極歯２２の中心 において、第２モータ部２０の歯２２それぞれは、エアギャップ１に面した側に 補助スロット２５を有し、これらスロットは、極ギャップ２４とほぼ同じサイズ を有する。 ここで述べた実施形態において、モータのもどり止めトルクの基本周波数の次 数は、歯の数Ｔ＝９と磁極の数２ｐ＝８との最小公倍数、即ち、７２に等しい。 従って、もどり止めトルクの大きさは、次数が増加するに従い減少して非常に小 さくなるため、このモータは、用途変化にあわせて利用することが好ましい。こ のモータは、奇数の歯Ｔ＝９を有するため、第１モータ部１０と第２モータ部２ ０との間にラジアル力を発生させるから、特別な手段を取らない場合、エアギャ ップで非対称な磁界が得られる。補助スロット２５は、エアギャップ領域が対称 になることにより、ラジアル力の発生を排除することを確実にする。 これら補助スロット２５の機能を明確にするため、補助スロット３２を備えた 極歯３１、磁極３３、同様に、反対側にある極ギャップ３５および磁極３４をさ らに詳細に考察する。これら要素は、他の磁極１３、極ギャップ２４、極歯２２ および補助スロット２５とまさに同種のものであり、補助スロット２５の役割を 説明するため、単に参照数字を与えているに過ぎない。図面の図に示したモータ 部１０および２０の位置において、補助スロット３２を備えた極歯３１は、円周 方向に見て、永久磁石１１の磁極３３の中心となる。磁極３４は、円周方向に磁 極３３を１８０°移動したものであり、極ギャップ３５の中心となる。極ギャッ プ３５および補助スロット３２はほぼ等しいサイズであるため、これらはまた、 エアギャップ１の磁界の構造と同様の磁気誘導を有する。第１モータ部１０の磁 極３４に対する第２モータ部２０の磁気抵抗は、第１モータ部１０の磁極３３に 対する第２モータ部２０の磁気抵抗に等しい。この結果として、磁極３３および ３４の方向でモータ部１０および２０の間のラジアル力を互いに相殺する。永久 磁石１１の他の磁極１３にも同様の考えが当てはまる。従って、モータ部１０お よび２０の間の磁気による相互作用の結果として、モータ部１０および２０の間 ではラジアル力を発生しない。 組をなす極の数２ｐ＝８と歯数Ｔ＝９とを有するモータの実施形態は、エアギ ャップに非対称な磁界を有し補助スロット２５の無いモータの一例である。エア ギャップ領域の対称性と、補助スロット２５によるラジアル力の除去とは、非対 称なエアギャップ領域を有する全てのモータに対して可能である。補助スロット ２５の対称効果のために、これらスロットを極歯２２の中心に配置することは極 めて重要なことである。これら補助スロット２５は、極歯２２の中心に位置し、 もどり止めトルクの基本周波数の次数を変えない。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 コンプター ヨハン コルネリス オランダ国 5644 デーエー アインドー フェン フェルベークラーン ２ (72)発明者 ワン ピンフ−シー アメリカ合衆国 コネティカット州 チェ シャー アレクサンダー ドライヴ 160

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．互いに移動が可能なモータ部（１０，２０）を有し、 第１モータ部（１０）は、２ｐ個の磁極（１３）を備える永久磁石（１１） によってエアギャップ（１）に多極励起領域を形成し、 第２モータ部（２０）は、エアギャップ（１）の方向に突出する数Ｔの極歯 （２２）が励起コイル（２３）を支持すると共に、極ギャップ（２４）による隙 間を形成するヨーク（２１）であるモータにおいて、 磁極（１３）の数２ｐおよび極歯（２２）の数Ｔが、１よりも大きな公約数 を有しないモータの場合、極歯（２２）それぞれは、エアギャップに面した側の 極歯（２２）の中心に補助スロット（２５）を有することを特徴とするモータ。 ２．補助スロット（２５）は、補助スロット（２５）のそれぞれが、極歯（２２ ）の間の極ギャップ（２４）と同様の磁気効果を有するように形成されたことを 特徴とする請求項１に記載のモータ。 ３．補助スロット（２５）は、極ギャップ（２４）の形状に類似または同一であ ることを特徴する請求項１または２に記載のモータ。