JPH10503374A - 遺伝子導入禾穀類植物 - Google Patents

遺伝子導入禾穀類植物

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JPH10503374A JP8506538A JP50653896A JPH10503374A JP H10503374 A JPH10503374 A JP H10503374A JP 8506538 A JP8506538 A JP 8506538A JP 50653896 A JP50653896 A JP 50653896A JP H10503374 A JPH10503374 A JP H10503374A
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Abstract

(57)【要約】 安定的に形質転換された遺伝子導入禾穀類植物を得るために、分化していない***組織細胞を形質転換の標的とするよう、露出した***組織にバイオリスティクスの打ち込みを行なう。前期前胚期、中期前胚期、後期前胚期、移行期、または前期子葉鞘期にある未成熟胚をバイオリスティクスの打ち込みのために採収する。次に、***組織になるべく運命づけられている***組織または***細胞を、選抜により、及び/または苗条組織もしくは複数の***組織それ自体からの増殖を行うことにより、遺伝子導入部位を拡大するよう、操作する。このようにして得た苗条集団を、非致死的な増幅アッセイにより、性細胞系の伝達に寄与するキメラ区分であるか、または定義によると後代に伝達する区分化されていないL2周縁キメラであるかを同定するためのスクリーニングを行う。選抜のための培養時間を延ばすと、区分から周縁部へ転化する可能性が高くなり、部位が変わることにより、最終的に性細胞系に寄与するL1からL2への転化を選択することもできる。さらに、遺伝子が導入された区分は、分蘖期の間安定化される。

Description

【発明の詳細な説明】 遺伝子導入禾穀類植物 発明の背景 本発明は、発生の非常に早い段階における***組織へのバイオリスティクスの 打ち込み(biolistic bombardment)、及び性細胞系の伝達に寄与する細胞層にお ける遺伝的な均一性に対する遺伝子導入部位の選択的な増幅を含む方法によって 植物を得ることに関する。 遺伝子導入植物の作出は、アグロバクテリウム(Agrobacterium)の利用によっ て初めて常法になり、このベクターを分化全能組織と共に用いることが、多くの 双子葉植物種にとって、好んで選ばれる方法になった。確実な進歩によりこの方 法が適用される遺伝子型や生物種の範囲は拡大してきたが、アグロバクテリウム により媒介される形質転換は、禾穀類植物を含む単子葉植物では広く利用されて いるとはいえず、特定の遺伝子型に限られたままであるというのに近いようであ る。同様に、プロトプラストを用いる方法は、単子葉植物にとって広くは利用で きない。 バイオリスティクスを用いた、稔性のある遺伝子導入トウモロコシの作出に関 して発表された最初の報告では、特定の雑種であるA188 X B73に限定されていた 。「ゴードン−カム(Gordon-Kamm)ら、Plant Cell 2: 603 (1990)」及び「フロ ム(Fromm)、Bio/Technology 8: 833(1990)」を参照のこと。それ以来、この技術 は、オオムギ、コムギ、イネ、オートムギを含む多くの重要な単子葉植物穀物に も及ぶようになってきており、トウモロコシにおいて利用できる範囲は、ゆっく りと広がり、例えば、よく用いられるA188 X B73、H99、FR16、及びPa91遺伝子 型などの少数の遺伝子型を含むようになってきた。この研究は、一般的に、胚の 胚盤由来の再分化可能なカルスを誘導するという、共通のテーマを巡って展開し てきた。特に、これに関連した報告はすべて、(i)胚を分離した直後の胚盤に遺 伝子を打ち込み、その後胚盤細胞から増殖したカルスを選抜するか、(ii)胚盤を 短期間、前培養した後に誘導されたばかりのカルスに遺伝子を打ち込むか、(iii )長期間培養したカルス又は懸濁培養細胞に遺伝子を打ち込むか、のいずれであ るかには関わらず、未成熟胚の胚盤から再分化可能なカルスを誘導するために前 もって 必要となる条件を強調している。 未成熟な胚由来のカルス、すなわちもろいカルスと固いカルスは、それぞれII 型とI型ともよばれているが、これらの異なる形態に特徴的な形態及び増殖パタ ーンの違いに合わせて、基本的な手法を修正することによって、新たな遺伝子型 又は生物種にカルスを用いる実験方法が次第に広がってきた。しかし、生殖質に よっては、適切なカルス反応を示さないため、遺伝子型による制約は依然として ある。 バイオリスティクスにより仲介された形質転換法の出現により、多くのグルー プが、***組織にミクロ発射輸送法を利用する可能性を調査した。しかしながら 、「単子葉植物種の茎頂***組織の細胞の組み込みによる形質転換が[実のとこ ろ]可能であるか否か」に関しては、未だに「答えが出ていない」(ビラング(Bi lang)ら、Plant J.4: 735(1993))。 文献では、この領域で成功していないことを説明しうる、***組織の標的細胞 の形質転換を妨げる障壁に関する考察が目立つ。例えば、禾穀類植物の「茎の分 裂組織は小さく(約100μm)、...バイオリスティクス粒子は、広い標的範囲に ランダムに打ち込まれ」、また、「***組織細胞は、外来DNAが組み込まれるの を避ける(原文のママ)分子機構を(持って)いるのかもしれない」ということが 観察されている(ポトリカス(Potrykus)、Nature 355: 568,569(1992))。より 一般的には、単子葉植物種が、双子葉種よりも発生において低い可塑性を示すと いう事実から、単子葉類は、バイオリスティクスや他の手法による安定的な形質 転換を起こしにくいという予想が生まれた。 したがって、禾本類に発生上の可塑性がないことから、これらの穀物を形質転 換しようとする努力は、歴史的に、I型又はII型の胚形成カルスを産出する遺伝 子型の一つに由来するカルスに焦点が置かれてきた。未決定の胚形成前の細胞の 大集団を選ぶことができるため、これらの形質転換用の標的は容易に利用するこ とができた。したがって、多くの研究グループが、この方法を利用し、これに代 わる他の標的組織を探求しては来なかった。特に、今のところ、最重要な穀物で あるトウモロコシの***組織への打ち込みによる生殖質の形質転換を報告した者 はいない。このことについて成功例がないことは、***組織を構成する細胞の発 生 上の宿命が厳格に定められているせいだとされている。 発明の概要 このように、本発明の目的は、安定的に形質転換された禾穀類植物を再現可能 に作出するための方法を提供することである。 この目的や他の目的を達成するために、本発明の一つの局面に従って、例えば トウモロコシ、ソルガム、コムギ、オオムギ、オートムギ、又はイネなどの、導 入されたDNAを後代に伝達する遺伝子導入禾穀類植物を作出する方法であって、 (A)(i)鞘葉に覆われていない***組織の細胞及び(ii)該***組織になる運命に ある細胞からなる群より選択される標的細胞に外来DNAを導入する段階、次に、 (B)遺伝子導入部位の大きさが増大するように該***組織の再組織化を誘導し 、それによって遺伝子導入部位が性細胞系の伝達に寄与する可能性を増加させる 段階、ならびに、その後 (C)小植物体が、外来DNAを後代に伝達する形質転換禾穀類植物へと成長するよ うに、該***組織が該遺伝子導入部位をもつかまたは該外来DNAによって均一に 形質転換された小植物体を形成するように分化するような条件下に該***組織を おく段階、を含む方法が提供された。 外来DNAを多数の***組織に導入することができ、そのうちの少なくとも数個 が段階(C)において分化し、多数の小植物体を形成する。外来DNAが、前期前胚期 、中期前胚期、後期前胚期、移行期、及び前期子葉鞘期の胚に由来する***組織 を含む、鞘葉に覆われていない***組織に導入される。 一つの好ましい態様において、再組織化は、(i)***組織に対する非致死的な 選択圧の負荷、(ii)機械的に誘導される***組織の再組織化、及び(iii)ホルモ ンにより誘導される苗条増殖からなる群より選択される少なくとも一つの操作に よって行う。別の好ましい態様において、段階(C)における条件は、***組織が 成熟し植物体が分化して茎頂を形成するような条件であり、また、本方法は、形 質転換された部位を拡大するか、周縁L2キメラを産生するために、茎頂部におけ る***組織の再組織化を行うことをさらに含む。これに関する再組織化は、例え ば、茎頂部において、形質転換された細胞が非形質転換細胞よりも競合的な成長 での有利性をもつように、茎頂部に非致死的な選択圧をかけることによって行う ことが でき、それによって、茎頂部における形質転換細胞の割合が増加する。さらに別 の好ましい態様において、本方法はさらに、段階(B)よりも前、例えば段階(A)の 前に茎頂円部を選択的に傷害することを含む。また、本発明の方法は、(i)葉の 実質的な部分にキメラ領域が観察されたら、小植物体の葉の基部の上から腋芽を 切り出す段階、及び、その後(ii)この腋芽の芽を伸ばして完全な植物体にするか 、又は腋芽を分げつ増加させる段階をさらに含むことができる。 さらに別の好ましい態様において、小植物体の遺伝子導入領域は、茎を誘導す ることによって安定化される。遺伝子導入小植物体の頂端を切除すると、傷害さ れた小植物体は、複数の茎の形成を誘導するように生長するので、次に、この多 数の分蘖の中から遺伝子導入された茎を選抜する。 本発明の別の局面によれば、(A)上述の方法の産物であり、(B)導入されたDNA を後代に伝え、しかも(C)カルスを用いた形質転換には適用困難な禾穀類植物系 に属する遺伝子導入禾穀類植物が提供される。好ましい態様において、遺伝子導 入禾穀類植物は、A188、A188 X B73、H99、Pa91、FR16、及びこれらのいずれか を含む交配から得られた遺伝子型からなる群より選択される遺伝子型の形質転換 によっては作出されないトウモロコシである。 本発明のさらに別の局面によれば、導入されたDNAを後代に伝達し、PHT47、PH P02、PHV78、PHK05、PHW20、PHR62、PHN37、PHM10,PHV37、PHJ65、PHBW8、PHK2 9、PHJ33、PHP60、PHN73及びPHHV4からなる群より選択される系統を含む系図を 有するトウモロコシが提供される。 本発明の他の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明で明らかになるであろ う。しかし、詳細な説明、及び特定の実施例は、本発明の好ましい態様を示すも のであるが、例示のだけに提示されていることが理解されるべきである。実際、 当業者には、この詳細な説明から、本発明の意図及び範囲に含まれる変更及び修 正が明らかになるであろう。 図面の簡単な説明 図1は、典型的な禾穀類植物の、それぞれ(a)トウモロコシでは受粉後約8日 から14日後に出現する子葉鞘期、及び(b)第三期後期(トウモロコシで受粉後約2 2日から28日後)の典型的な胚の構造、(c)縦断面が描かれている、禾穀類植物を 含む 被子植物の茎頂部のモデル、及び(d)茎の一フィトマーが強調されて描かれてい る、禾穀類植物の一般的な茎及び根の構造を示す一連の線図である。略語:c= 子葉鞘;cn=子葉鞘節;cp=子葉鞘穴;cr=根鞘;m=中胚軸;r=一次根原基 ;s=胚柄;sa=茎頂;sc=胚盤;scn=胚盤節;sr=種子根原基。 図2は、本発明による形質転換法を示す略図である。 好ましい態様の詳細な説明 禾穀類植物に***組織を用いた形質転換を応用することに関して、以前から認 識されていた困難は、(A)図1に描かれているように、茎頂***組織の茎頂円部 が鞘葉で覆われていない条件の下で、茎頂***組織の細胞をバイオリスティクス に対する標的とすること、及び(B)例えば、形質転換細胞に非形質転換細胞より も競争における有利さを与えることによって、また、それによって、領域の幅を 拡大しやすくするために、形質転換細胞の増幅を行うための非致死的な選抜方式 を用いることによって、克服しうることが発見された。非致死的な選抜はまた、 寿命が短い不完全周縁L2で発生した変化が、性細胞系(すなわち、L2層)に寄与す る細胞のほとんど又は全てが形質転換されるような安定した周縁での変化に発展 するよう促進することができる。さらに、選択圧によって、L1-からL2-に転換す る過程を促進することができ、それによって性細胞系の伝達の可能性を増加させ ることが分かっている。 禾穀類植物の茎頂***組織は、種間での違いが大きい。しかし、ほとんどの種 では、層化***組織が存在するが、これは、茎本体を発生させる二層又は三層の 可視的な層、すなわち表層L1、表層下層L2、及び、場合によってはさらに深層の L3層からなる。外層は、垂層細胞***によって特徴づけられる外被を含む。これ に対して、最も内側の層、内体での***は、ランダムに起こり、垂層的にも、周 縁的にも起きる。トウモロコシにおいては、***組織は、二つの層L1及びL2のみ からなると考えられているが、第三のL3層がある可能性もある。「ポエティグ(P oethig)、植物解剖学における最新の問題(CONTEMPORARY PROBLEMS IN PLANT AN ATOMY)、235-39 (1984)」を参照。茎の主な組織の範囲が明確になる細胞分化は 、系譜依存的というよりは位置依存的である。 例えば、ほとんどの種において、表皮はほとんど全てL1層から生成し、L2層は 性細胞系に関係する。外来遺伝子を茎頂***組織細胞のサブセットに導入する過 程で、必然的に「キメラの」植物、すなわちその一部の遺伝子的組成が変化した 植物が作出される。キメラ植物には、特徴的な遺伝学的差異のパターンに基づい た三つの大きな分類がある。すなわち、(1)植物体の一部が、全細胞層を通して 、例えば変異した体細胞表現形、染色体数の変化、又は形質転換された細胞の存 在などを示すことによって「遺伝的に異なっている」区分キメラ、(2)全細胞層 (例えば、L1のみ又はL2のみ)が、植物体の残りの部分と異なっている周縁キメラ 、及び(3)これら2つのタイプの中間タイプ、すなわち一つの細胞層の一部のみ が遺伝学的に異なっているという特徴をもつ不完全周縁キメラである。 本明細書において、「バイオリスティク」及び「バイオリスティクスによって 」という用語は、例えば、米国特許第4,945,050号及び米国特許第5,141,131号に 開示されている遺伝学的な形質転換法を意味する。これらの内容はそれぞれ、本 明細書に参照として包含される。 バイオリスティク法によると、例えば、粒子の表面に被覆されるか、粒子の中 に吸着したDNAを運ぶ小粒子に力が伝わり、加わった圧力によって、粒子が標的 細胞又は組織(「生物学的試料」)の中に入る。このため、この粒子は「ミクロ発 射物」ないし「ミクロ担体」と呼ばれる。換言すると、ミクロ発射物を生物学的 試料に向かって打ち出し、当たった瞬間に、細胞の表面を貫いて、細胞の内側な いし試料中の細胞に取り込まれるように加速する。 ミクロ発射物の平均直径は、細胞を破壊することなく、生物学的試料の細胞に 貫入し、細胞内に保持されるのに十分な程度に小さくなければならない。約0.1 から4ミクロンの範囲にある、金又はタングステンの粒子が、外因的な核酸を宿 主に輸送するのに適したミクロ発射物の例である。別のタイプのバイオリスティ クス輸送媒体が、例えば、米国特許第5,120,657号(電気的な発射により担体シー トが標的に向かって推進する)及び米国特許第5,240,842号(エアロゾル水滴によ って輸送される核酸)、並びにPCT出願WO 92/01802(担体としての氷粒子)で開 示されている。 前記の局面(A)に関して、本発明は、初期の発生段階における茎頂***組織細 胞をバイオリスティクスによってターゲティングすることを企図している。好ま し い態様において、***組織細胞は、茎頂円部が葉原基によって保護されておらず 完全に露出していて、後の段階より***組織に含まれる細胞が少ない、子葉鞘環 段階よりも遅くない生長段階に打ち込みを受ける。トウモロコシの胚形成の段階 については、「ポエティグ(Poethig)ら、Developmental Biology 117: 392-404( 1986)」によって詳細に説明されており、この内容は参照として包含される。 より具体的には、本発明の形質転換法は、子葉鞘段階及び初期段階の胚、すな わち、初期前胚期、中期前胚期、後期前胚期、及び胚発生の移行期に焦点を置い ている。最も初期の発生段階では、***組織は明確ではなく、その代わり、細胞 質の濃度が高い一群の細胞がより迅速に***し、最終的に茎頂***組織を形成す る。 したがって、このようなさまざまな胚段階を標的とするに当たって、DNAは、( i)***組織そのものを作っている細胞(すなわち、子葉鞘段階の細胞)、又は(ii) 発生のより初期の段階の、位置又は運により***組織に寄与する運命の細胞に導 入される。本発明によるバイオリスティクス打ち込み法は、***組織の中にある 細胞、又は、***組織に寄与すべく運命づけられている細胞がバイオリスティク ス発射物に直接的に接触するように、胚の位置を決めることによって行われる。 後期前胚期においては、胚の軸側が僅かに平らになり、打ち込みのために、胚 のこの側を上に向けて(寒天培地から離して)置くことができる。移行段階の胚及 び子葉鞘段階の胚も同じ様な位置に置かれる。しかし、分離した後の寒天培地上 の中期及び初期の前胚(すなわち、茎が伸びる前)には、そのような位置関係はな い。むしろ、前胚を寒天培地上のランダムな位置に置くと、***組織は、明らか に胚の上部側に(培地から離れて)発達する。このように、培地に置くことは、例 えば、提供されているインビトロの条件(すなわち、胚の中に確立されている、 新しいホルモン勾配)によって、胚の成長軸を再方向づけさせるように胚を刺激 しているのかもしれない。 本発明で使用するための、便利で、したがって、好ましい***組織の供給源は 、子葉鞘期の胚である。禾穀類植物の胚発生の子葉鞘期に、子葉鞘は、露出した ***組織の回りの葉原基の環として眼で見ることができる。トウモロコシにおい て、初期子葉鞘段階のものは、一般的に受粉後10日から12日で現れる。(受粉後 日 数という基準、すなわち「DAP」は、胚の回りの状況及び遺伝子型に影響される ため、形態学に基づいた発生段階の決定に付随し、本発明における形質転換の時 期を決定するための重要な基準となる。)初期葉鞘期には、目に見える外被と内 体(それぞれ、L1層とL2層)により***組織の境目が見分けられる。 本発明で使用するための、特に好ましい標的細胞の供給源は、初期前胚期、中 期前胚期、後期前胚期、及び胚発生の移行段階の胚に存在する。トウモロコシに おいては、初期前胚期、中期前胚期、後期前胚期、及び移行期は、一般的にそれ ぞれ2、4、7〜8、及び8〜10DAPで単離することができる(ポエティグ(Poeth ig)ら(1986)、前記を参照)。さらに、発生段階は、重要な分類基準である。発生 の速さ、及び胚が単離されるDAPは、生育環境及び遺伝子型によってさまざまで ある。 中期前胚期には、L1層とL2層の区別はない。L1層とL2層の区別は、胚が移行期 に達する時までに明確に区別されるまで進行する。 又は、未成熟の雄花序(雄穂)及び雌花序(穂)を、本発明による形質転換のため の***組織の供給源として利用することができる。ここで、「未成熟」とは、花 の***組織が、発生上可塑的である、すなわち、茎に分化することができる時期 の発生上の状態を意味する。この発生上の可塑性は、イネ科植物の花の発生にお ける類似性が認識されているのであれば、本発明によって、多くのイネ科植物種 の形質転換のために利用できるはずである。 熟練した技術者であれば、一日に200個から600個の中期前胚期、後期前胚期、 移行期、又は子葉鞘期の胚を単離でき、胚の大きさと共に、単離のし易さ及び単 離できる胚の数が増加する。およそ10倍の数の***組織の外植片を、未成熟な雄 穂及び/又は雌穂から単離することができ、これらのうちの多くの割合が、植物 的な生長パターンを経るように誘導することができる。花器の外植片を***組織 の供給源として用いることに関連した別の重要な利点は、花器の外植片を出発材 料に用いると、多くの遺伝子型で、良好な***組織の増殖及び苗条の増殖が見ら れることである。この利点は、例えば、PHV78系統を含む系族とのトウモロコシ の近交系統に関して顕著である。逆に、PHBW8系統を含む系族をもつトウモロコ シの近交系統のように、遺伝子型によっては、未成熟胚が好ましい外植片である 場合 もある。両方の選択肢を実行することができるため、本発明に基づく***組織の 形質転換のための遺伝子型の範囲が有意に拡大される。 本発明によるバイオリスティクス処理のための標的細胞の供給源として、どの ような外植片または組織を用いても、打ち込まれた細胞はまず、直接的に生育さ せた小植物(図2のコースI)を作出する過程で、非致死的な選択圧をかけるか、 または、二回目の非致死的な選抜(図2のコースII)を行う前に、機械的に、もし くはホルモンによって誘導される***組織の再組織化を行わせる。非致死的な選 抜及び***組織の再組織化の局面を、さらに詳しく説明する。 ***組織の中の細胞の発生上の宿命は、通常、厳格に定められている。したが って、***組織中の特定の細胞の形質転換によって、典型的には、この細胞の子 孫だけでできている、小さな遺伝子導入区分ができることになる。それ以上の操 作をせずに、このような区分が、正常な発生過程で配偶体組織と部分的に一致す ることはほとんどない。しかし、前述のように、より初期の発生段階にある細胞 を標的とし、そして次に、本発明に従った緩やかな選抜条件を用いることによっ て、すなわち、選択圧は、形質転換細胞に生育上の有利性を提供するが、***組 織の全体的な成長を妨げるほど強くはなく、この結果、形質転換細胞の***速度 が速くなって、後代細胞は、***組織の部分をより多く含むようになる。これに よって、遺伝子導入区分が、成熟した植物体のより大きな部分を占めるようにな るため、この区分が性細胞系の伝達に寄与する可能性が高くなる。 一つの好ましい態様によれば、選択的な生育上の有利性は、NPTIIによりコー ドされた、トブラマイシン、カナマイシン、または、それに関連した化合物に対 する抵抗性という形で形質転換細胞に付与される。しかし、別の「漂白用」抗生 物質に対する抵抗性(例えば、ストレプトマイシン体耐性遺伝子という方法によ って)または、例えば、ノルフルラゾンに対する抵抗性を付与するcrtI遺伝子で 形質転換することによって、除草剤に対する抵抗性を付与することも可能である 。同じように、本発明は、選択圧によって、非形質転換細胞の増殖が、遺伝子導 入区分の細胞に較べて遅延する結果になる限り、ビアラフォス(bialaphos)及び ハイグロマイシンなどの他の選抜用試薬を、それに対応する抵抗性を付与する遺 伝子とともに使用することを伴う類似の非致死的な方法を企図している。 これに関するモデル実験は、分離された***組織の試料を、選抜用試薬が段階 希釈されている選択培地中に入れ、次に、形質転換細胞に有利な選択圧が、それ 以下になると、一般的な***組織の成長を阻害するほどに強くはなくなる閾値濃 度を決定することを含むであろう。この方法では、一般的に、選択している間も 、***組織の増殖は続くことになるので、本発明はまた、***組織全体の発達に 有害な効果をもたらさないよう、高濃度の選抜用試薬(「パルス選抜」)に短時間 曝すことによって区切られる、***組織をほとんど成長させないかまたは全く成 長させない条件(「静止条件」)を確立することも考えている。 前記のように、本発明による禾穀類植物の形質転換は、例えば、茎円頂部を傷 つけることにより、***組織の再組織化を含むようにすることもできる。別の方 法で傷つけて再組織化を行うこともできるが、好ましい方法は、極微操作用針を 用いて茎円頂部を刺すことである。このようにして行われた再組織化は、茎円頂 部における成長を変化させ、順に形質転換頻度を増加させ、区分サイズを大きく するような、複数の***組織の増殖を促進することが発見されている。例えば、 選択圧とともに、機械的に誘導された***組織の増殖により、その結果できる葉 に見られる遺伝子導入区分の頻度及び大きさが増加する。 ***組織の再組織化をバイオリスティクス処理の前に行い、その後でキメラに 形質転換された植物体の作出へとつながる発芽及び選抜を行ってもよい(コースI )。または、***組織の増殖をもたらすために、***組織への打ち込みを行った 後で、機械的に傷つけることもできる。再組織化された***組織が少数の細胞に 由来し、そのため***組織中の形質転換細胞の割合が増加するため、区分は、こ のようにしてキメラ***組織に適用されると、増加する。 コースIIによると(図2参照)、形質転換した区分を有するため選ばれた小植物 の苗条の***組織を発達させるために、ホルモン誘導による苗条増殖によって再 組織化が起きる。ホルモン誘導による再組織化は、前述した選択的、機械的に誘 導される再組織化法を排除するものではなく、苗条増殖を経て***組織の増殖を 引き起こす。 ホルモン誘導による再組織化を行うために、まず、発達途中の苗条***組織を 、典型的には、発芽した小植物体の中胚軸と上胚軸の間の結合部にある***部に 置く(図2参照)。つぎに、***組織を含む2から3mmの大きさの切片を***部で 切り出して、例えば、それぞれ、「ロウィ(Lowe)ら、Plant Science 41: 125(19 85)」、及び「ゾン(Zhong)ら、Planta 187: 483(1992)」に開示されているよう な、苗条を増殖させる培地上で培養することができる。このために、***組織は 、典型的には、2 mg/l BAP(6-ベンジル-アミノプリン)、3%ショ糖、及び、9 mg /l寒天を含むMS培地で培養される。より一般的には、苗条増殖培地は、キネチン (Kinetin)、BAP、チヂアズロン(Thidiazuron)、またはゼアチン(Zeatin)などの サイトカイニンを、0.5から10 mg/lの濃度で利用する。遺伝子型によっては、低 濃度のオーキシンが必要になる場合もあろう。ムラシゲ及びスクーグ(Murashige and Skooge:MS)塩が適当であるが、MSのアンモニウム濃度よりも高いアンモニ ウム濃度の培地を用いた予備実験で、よりよい培養反応が得られたことから、こ れが最適ではないかもしれない。さらに、オーキシン輸送阻害剤、TIBA、ならび に硝酸銀及びセフォタクシム(cefotaxime)などのエチレン阻害剤のような添加剤 も有用であると考えられる。 ホルモン成分によって、苗条増殖培地は、切り出された苗条の***組織毎に、 数本から数百本の苗条を発生させることができ、それによって、そのうちの何本 かが形質転換された区分から発生した苗条の部分的な集団を得る可能性を増加す ることができる。性細胞系への伝達の可能性が低い不完全周縁キメラ及び区分キ メラとは異なり、この結果できる苗条は、そのうちの有意で再現性のある割合が 周縁キメラであるため、L2層などの細胞層の中で、遺伝子的な均質性を促進する という意味で「安定化され」ており、最終的に性細胞系の伝達に寄与する。 前述の苗条の部分的な集団を同定するために、誘導された苗条の大集団を、非 区分化した周縁キメラを同定するためにスクリーニングする。これは、(i)通常 は緑色の組織をその成長を阻害しないレベルで漂白するか、または(ii)***組織 の生存力を有意に奪うことなく、形質転換していない***組織の増殖を阻害する ような選抜用試薬を利用した、形質転換細胞の増加をもたらす非致死的なアッセ イ法によって行われる。 既に説明したように、非致死的なレベルで適切に選抜用試薬を使用することに より、形質転換された***組織層中の均質性の程度を視覚的に評価する機会も提 供される。本発明に従って、選抜のための培養時間を延ばすと、不完全周縁部か ら周縁部へ転化、区分的な形質転換から均質的な形質転換へ転化される可能性が 高くなり、部位が変わることにより、最終的に性細胞系に寄与するL1からL2への 転化の選抜も増す。 前述したところから、本発明の局面の一つは、打ち込みの前、打ち込みの後、 またはその両時期に、茎円頂部を選択的に傷害して細胞増殖を抑制することによ って、多数の***組織の発生を促したり、切り出した***組織をホルモンによる 刺激に曝すことによって、同じように多数の***組織ができるようにして、増殖 した苗条という形でではあるが、***組織を再組織化させることに関することは 明らかである。さらに、別の好ましい態様により、キメラ区分が葉の実質的な部 分で見つかったら、形質転換した小植物体の腋芽を、その葉の基部のすぐ上で切 除してもよい。分離した腋芽は、完全な植物体に成長させるか、または前述のよ うに、より均質的な形質転換植物を得るために苗条増殖の短い周期を経させるこ とができる、さらに別の***組織を示している。 既に説明した別の方法と同様、この方法の目的は、性細胞系への伝達の頻度を 増加させることである。このため、もし形質転換された区分が一枚以上の葉に広 がっていたら、腋芽における形質転換の発生を、すなわち、形質転換した不完全 周縁キメラまたは区分キメラから周縁的または均質的な形質転換された苗条への 変化を「捕捉する」ことができるはずである。 遺伝子導入区分を安定化させる別の方法は、形質転換植物での分蘖を誘導する ことである。遺伝子導入区分が、トウモロコシの最下部の葉または部位に限定さ れている場合には、これらの遺伝子導入区分を安定化するために分蘖を誘導する 。 本発明の方法によって、初めて、広範囲の禾穀類植物の品種を、遺伝子型依存 的な方法で安定的に形質転換することが可能になった。例えば、トウモロコシに おいて、このことは、付与された形質を種子後代に伝達することを特徴とする形 質転換をこれまで行うことができなかった有望系統を、農業上有利な、さまざま な表現形質を発現させるために、今や、遺伝子工学的に操作できるようになった ことを意味している。これに関して意図される遺伝子は、以下に分類された遺伝 子に含まれるが、それらに限定はされない。 I.病虫害に対する抵抗性を付与する遺伝子で以下のものをコードする遺伝子: (A) バチルス・チューリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)の蛋白質、そ れから派生した蛋白質、またはそれをモデルにした人工的なポリペプチド。例え ば、ガイサー(Geiser)ら(Gene 48: 109(1986))を参照のこと。彼らは、Bt δ内 毒素遺伝子のクローニング及びヌクレオチド配列を開示している。さらに、δ内 毒素遺伝子をコードしているDNA分子は、アメリカンタイプカルチャーコレクシ ョン(American Type Culture Collection)(メリーランド州ロックビル)から、AT CC寄託番号40098、67136、31995及び31998の下に購入することができる。 (B) レクチン。例えば、ヴァンダムら(Van Damme et al.,Plant Molec.Biol. 24:825(1994))による開示を参照のこと。彼らは、クリビア・ミニアータ(Clivi a miniata)のいくつかのマンノース結合レクチン遺伝子のヌクレオチド配列を開 示している。 (C) アビジンなどのビタミン結合蛋白質。本明細書において参照として包含さ れる米国特許出願番号07/911,864を参照のこと。この出願は、アビジン及びアビ ジンの類似体の、害虫に対する殺幼虫剤としての使用を開示している。 (D) 例えば、プロテアーゼ・インヒビターまたはアミラーゼ・インヒビターな どの酵素インヒビター。例えば、「アベ(Abe)ら、J.Biol.Chem.262:16793(19 87)(イネのシステイン・プロテイナーゼ・インヒビターのヌクレオチド配列)」 、「フーブ(Huub)ら、Plant Molec.Biol.21: 985(1993)(タバコのプロテイナ ーゼ・インヒビターIをコードするcDNAのヌクレオチド配列)」、及び、「スミタ ニ(Sumitani)ら、Biosci.Biotech.Biochem.57: 1243(1993)(ストレプトマイセ ス・ニトロスポレウス(Streptomyces nitrosporeus)のα-アミラーゼ・インヒビ ターのヌクレオチド配列)」を参照のこと。 (E) エクジステロイド及び幼若ホルモンなどの昆虫特異的ホルモンもしくはフ ェロモン、その変異剤、それに基づいた疑似剤、またはその拮抗剤もしくは作用 剤。例えば、「ハンモック(Hammock)ら、Nature 344: 458(1990)」による、幼若 ホルモンの不活化因子であるクローン化された幼若ホルモンエステラーゼのバキ ュロウイルスによる発現の開示を参照のこと。 (F) 発現により、作用を受ける害虫の生理機能が破壊される、昆虫特異的なペ プチドまたはニューロペプチド。例えば、「リーガン(Regan)、J.Biol.Chem. 269: 9(1994)(発現クローニングによって、昆虫利尿ホルモン受容体をコードす るDNAを得た)」、及び、「プラット(Pratt)ら、Biochem.Biophys.Res.Comm. 163:1243(1989)(ディプロプテラ・プンタータ(Diploptera puntata)」で、アロ スタチンが同定された)の開示を参照のこと。また、米国特許番号5,266,317で、 トマルスキー(Tomalski)らが、昆虫特異的、麻痺性神経毒をコードする遺伝子を 開示しているのを参照のこと。 (G) ヘビ、スズメバチなどによって、自然に産生される昆虫特異的な毒素。例 えば、サソリの昆虫毒性ペプチドをコードする遺伝子の、植物における異種発現 を開示している、「パン(Pang)ら、Gene 116: 165(1992)」を参照のこと。 (H) モノテルペン、セスキテルペン、ステロイド、ヒドロキサム酸、フェニル プロパノイド誘導体、または別の殺虫活性をもつ非蛋白質性分子の過剰蓄積に関 係する酵素。 (I) 翻訳後修飾を含む、生物学的に活性のある分子の修飾に関係する酵素、例 えば、天然又は合成の解糖酵素、蛋白質分解酵素、脂質分解酵素、ヌクレアーゼ 、シクラーゼ、トランスアミナーゼ、エステラーゼ、加水分解酵素、ホスファタ ーゼ、キナーゼ、ホスホリラーゼ、ポリメラーゼ、エラスターゼ、キチナーゼ、 及びグルカナーゼ。カルラーゼ遺伝子のヌクレオチド配列を開示している、スコ ット(scott)ら名義のPCT出願WO 93/02197を参照のこと。キチナーゼをコードす る配列を含むDNA分子は、例えば、ATCCの寄託番号39637及び67152の下で得るこ とができる。また、タバコ鉤虫のキチナーゼをコードするcDNAのヌクレオチド配 列を開示している、「クレイマー(Kramer)ら、Insect Biochem.Molec.Biol.2 3: 691 (1993)」、及び、パセリのubi4-2ポリユビキチン遺伝子のヌクレオチド 配列を提供する、「カワルレック(Kawalleck)ら、Plant Molec.Biol.21: 673 (1993)」を参照のこと。 (J) シグナル伝達を刺激する分子。例えば、「ボテラ(Botella)ら、Plant Mole c.Biol.24: 757 (1994)」による、ヤエナリ(mung bean)のカルモジュリンcD NAクローンのヌクレオチド配列の開示、及び、トウモロコシのカルモジュリンcD NAクローンのヌクレオチド配列を提供している、「グリエス(Griess)ら、PlantP hysiol.104: 1467 (1994)」を参照のこと。 (K) 疎水的なモーメント・ペプチド。米国特許出願番号08/168,809(菌類の植物 病原を阻害するタキプレシンのペプチド誘導体の開示)、及び番号08/179,632(病 気抵抗性を付与する合成抗菌ペプチドを開示する)を参照のこと。これらの内容 は、それぞれ、本明細書において参照文献として包含される。 (L) 膜透過酵素、チャンネル形成因子またはチャンネル阻害因子。例えば、「 ジェインズ(Jaynes)ら、Plant Sci.89: 43(1993)」による、遺伝子導入タバコ にシュードモナス・ソラナシーラム(Pseudomonas solanacearum)に対する抵抗性 をもたらすセクロピン-β分解ペプチド類似体の異種発現の開示を参照のこと。 (M) ウイルス侵入性蛋白質、またはそれに由来する複合毒素。例えば、形質転 換植物細胞中でのウイルス外被蛋白質の蓄積は、外被蛋白質遺伝子が由来するウ イルス、ならびに、それに関連するウイルスによって起こるウイルス感染、及び /または、病気の進行に対する抵抗性を付与する。「ビーチー(Beachy)ら、Ann .Rev.Phytopathol.28: 451(1990)」を参照のこと。アルファルファモザイク ウイルス、キュウリモザイクウイルス、タバコ条斑ウイルス、ジャガイモXウイ ルス、ジャガイモYウイルス、タバコ腐食ウイルス、タバコ茎えそ(rattle)ウ イルス及びタバコモザイクウイルスに対して、外被蛋白質によって媒介される抵 抗性が、形質転換植物体に付与されている。同上。 (N) 昆虫特異的抗体、またはそれに由来するイムノトキシン。このように、昆 虫の腸内の重要な代謝機能を標的とした抗体は、影響を受ける酵素を不活性化し 、昆虫を殺す。テイラー(Taylor)ら、植物-微生物の分子的相互作用に関する第 七回国際シンポジウム(1994)の要旨#497(一本鎖抗体断片の産生による、遺伝子 導入タバコにおける酵素の不活性化)を参照。 (O) ウイルス特異的抗体。例えば、「タウラドラキら(Tavladoraki et al.)、N ature 366: 469(1993)」を参照。彼らは、組換え抗体遺伝子を発現する遺伝子導 入植物が、ウイルスによる攻撃から保護されることを明らかにしている。 (P) 病原体または寄生体によって、天然に産生される生育停止蛋白質。このよ うに、菌類のエンド-α-1,4-D-ポリガラクツロナーゼは、植物細胞壁のホモα-1 ,4 -D-ガラクツロナーゼを可溶化することによって、菌類のコロニー形成及び植物 の栄養放出を促す。「ラム(Lamb)ら、Bio/Technology 10: 1436(1992)」を参照 のこと。豆類のエンドポリガラクツロナーゼ−阻害蛋白質をコードする遺伝子の クローニング及び特徴決定が、「タウバート(Toubart)ら、Plant J.2: 367(199 2)」によって述べられている。 (Q) 植物によって天然に生産される生育停止蛋白質。例えば、「ロジマン(Loge mannet)らは、Bio/Technology 10: 305(1992)」が、オオムギのリボソーム不活 性化遺伝子を発現する遺伝子導入植物が、菌類の病気に対する抵抗性を高めるこ とを示した。 II.除草剤に対する抵抗性を付与する遺伝子、例えば: (A) イミダザリオンまたはスルホニル尿素などの、成長点または***組織を阻 害する除草剤。この範鴫に含まれる典型的な遺伝子は、例えば、それぞれ、「リ ー(Lee)ら、EMBO J.7: 1241(1988)」、及び、「ミキ(Miki)ら、Theor.Appl.G enet.80:449(1990)」によって開示されている、ALS及びAHAS変異体酵素をコー ドしている。 (B) グリホセート(それぞれ、EPSP合成酵素の変異体及びaroA遺伝子の変異体に よって付与される抵抗性)、及び、その他、グルフォシネート(PAT及びbar遺伝子 )などのホスホノ化合物、及び、ピリジノキシもしくはフェノキシプロプリオニ ック酸及びシクロスヘキソン(cycloshexones)(ACCアーゼ・インヒビターをコー ドしている遺伝子)。例えば、グリホセート抵抗性をもたらすことができるEPSP の型のヌクレオチド配列を開示している、シャー(Shah)らに付与された米国特許 第4,940,835号を参照。aroA変異体遺伝子をコードしているDNA分子は、ATCC寄託 番号39256の下で入手することができ、この変異体遺伝子のヌクレオチド配列は 、コメイ(Comai)に付与された米国特許第4,769,061号で開示されている。クマダ (Kumada)らに付与された欧州特許出願第0 333 033号、及び、グッドマン(Goodma n)らに付与された米国特許第4,975,374号が、L−ホスフィノスリチンなどの除 草剤に対する抵抗性を付与するグルタミン合成酵素遺伝子のヌクレオチド配列を 開示している。ホスフィノスリチン−アセチル基−転移酵素遺伝子のヌクレオチ ド配列は、リーマン(Leeman)らに付与された欧州出願第0 242 246号で開示され ている。デグ リーフ(De Greef)らは、「Bio/Technology 7: 61(1989)」で、ホスフィノスリチ ン-アセチル基−転移酵素活性をコードしているキメラbar遺伝子を発現する遺伝 子導入植物の作出について述べている。セトキシジム及びハロキシフォップなど の、フェノキシプロプリオニック酸及びシクロスヘキソン(cycloshexones)に対 する抵抗性を付与する遺伝子の例は、マーシャル(Marshall)らが「Theor.Appl .Genet.83: 435(1992)」で述べているAcc1-S1、Acc1-S2及びAcc1-S3遺伝子であ る。 (C) トリアジン(psbA及びgs+遺伝子)及びベンゾニトリル(ニトリラーゼ遺伝子) など、光合成を阻害する除草剤。プルジビラ(Przibilla)らは、「Plant Cell 3: 169(1991)」で、変異psbA遺伝子をコードするプラスミドによる、クラミドモナ ス(Chlamydomonas)の形質転換について述べている。ニトリラーゼ遺伝子のヌク レオチド配列が、ストーカー(Stalker)らに付与された米国特許第4,810,648号で 開示されており、これらの遺伝子を含むDNA分子は、ATCC寄託番号53435、67441 及び67442の下で入手することができる。グルタチオンSトランスフェラーゼをコ ードするDNAのクローニング及び発現が、「ヘイズ(Hayes)ら、Biochem.J.285: 173(1992)」によって述べられている。 III.次のような付加価値的特性を付与するか、またはそれに寄与する遺伝子。 (A) 以下に例示するような栄養作用の増加 (1) リシン含量の増加:トウモロコシなどの禾穀類植物をリシン含量を上昇 させる遺伝子で形質転換することができれば、禾穀類植物は栄養的により完全に なり、例えば、鳥及び豚の飼料にリシンを追加して摂取させる必要がなくなる。 (2) メチオニン含量の増加:例えば、メチオニン成分が少ないダイズと多い トウモロコシとを組み合わせた鳥の飼料などで、全体的に低いメチオニン含量を 相殺するために、禾穀類穀物のメチオニンのレベルを上げるように遺伝子を添加 する。 (B)フィチン酸含量の減少 (1) フィターゼをコードする遺伝子を導入すると、フィチン酸の分解が促進 され、形質転換した禾穀類植物で遊離したリン酸がさらに増加する。例えば、ヴ ァン・ハルティングスフェルト(Van Hartingsveldt)らの、アスペルギルス・ニ ガー (Aspergillusniger)のフィターゼ遺伝子のヌクレオチド配列の開示を参照のこ と。 (2) フィチン酸含量を減少させる遺伝子を導入できる。例えば、これは、フ ィチン酸レベルが低いという特徴をもつトウモロコシの変異体の原因である一つ の対立遺伝子に関連したDNAをクローニングしてから再導入することによって達 成することができる。「ラボイ(Raboy)ら、Maydica 35: 383(1990)」を参照。 (C) 例えば、デンプンの分枝パターンを変える酵素をコードする遺伝子でトウ モロコシを形質転換することによってもたらされる、改変された炭水化物組成物 。「シロザ(Shiroza)ら、J.Bacteriol.170: 810(1988)(ストレプトコッカス・ ミュータンスのフルクトシルトランスフェラーゼ遺伝子のヌクレオチド配列)」 、「スタインメッツ(Steinmetz)ら、Mol.Gen.Genet.200: 220(1985)(枯草菌( Bacillus subtilis)のレバンスクラーゼ遺伝子のヌクレオチド配列)」、「ペン( Pen)ら、Bio/Technology 10: 292(1992)(バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)のα-アミラーゼを発現する遺伝子導入植物の作出)」、「エリ オット(Elliot)ら、Plant Molec.Biol.21: 515(1993)(トマトのインベルター ゼ遺伝子のヌクレオチド配列)」、「セガール(Soegaard)ら、J.Biol.Chem.26 8: 22480(1993)(オオムギのアミラーゼ遺伝子の部位特異的突然変異誘発)」、及 び、「フィッシャー(Fisher)ら、Plant Physiol.102: 1045(1993)(トウモロコ シの胚乳デンプン分枝酵素II)」を参照のこと。 本発明で適切に用いられた遺伝子の合成は、相互にプライマーとなる長いオリ ゴヌクレオチドによって行うことができる。例えば、「アウスベル(Ausubel)ら( 編)、分子生物学の最新プロトコール、8.2.8から8.2.13頁(Wiley Interscience 1990)」、及び「ウォスニック(Wosnick)ら、Gene 60: 115(1987)」を参照。さら に、ポリメラーゼ連鎖反応を用いる最新の技術によれば、長さ1.8キロ塩基位長 い遺伝子を合成することができる。「エイディング(Adang)ら、Plant Molec.Bi ol.21: 1131(1993)」、及び「バンボット(Bambot)ら、PCR法及びその応用2:2 66(1993)」を参照。 本発明によって形質転換できるトウモロコシの系統は、とりわけ、市販用雑種 を作出するために用いられる近交系を含む。これらの近交系は、私的な所有権が あるものも、公に利用できるものも共に、多くの雑種強勢系統群を含む。雑種強 勢群の中で好ましいものの代表、及び完全な雑種強勢パターンの適切な利用は、 問題となっている市場によってさまざまである。例えば、適応のための異なる地 理的区域(例えば、南部、東部、西部、北部及び中央穀物地帯)を含む合衆国大陸 向け、ヨーロッパ向け、及び、南アメリカ向け、ならびに、別の国際市場向けの 改良をするときには、それぞれ異なった生殖質が好まれる。 必要とされるカルス反応を示さないか、またはカルスを用いた方法を利用不可 能なほど非効率なものにするように増殖するカルスを提供する(「適用困難な」 近交系)、多くの近交系にとっては、カルスを媒介する方法は適当ではない。し たがって、このような方法は、大幅に制限されていて、トウモロコシでは、A188 、A188 X B73、H99、Pa91、FR16、及びこれらの遺伝子型の一つを含む交配によ り得られた遺伝子型など、いくつかの遺伝子型の形質転換に制限されている。こ れとは対照的に、本発明による***組織の形質転換法は、その系統がカルスを媒 介する形質転換に対してどのように反応したかに関わらず、あらゆる系統に応用 可能である。したがって、今まで形質転換するには適用困難であると思われてい た禾穀類植物系統でも、本発明によって安定的に形質転換できる。このような影 響を受けるトウモロコシの近交系の例は、PHT47、PHP02、PHV78、PHK05、PHW20 、PHR62、PHN37、PHM10、PHV37、PHJ65、PHBW8、PHK29、PHJ33、PHP60、PHN73及 びPHHV4である。同じように、本発明は、新たに作り出された近交系、ならびに 熱帯及びその他の地域の資源から育種計画に持ち込まれた「外来の」材料を含む 、現存の生殖質を組み合わせることによって作出した新しい雑種強勢群に応用す ることができる。 したがって、好ましい態様によれば、本発明は、カルスに基づく方法による形 質転換では適用困難な穀類系統に属する遺伝子導入植物を企図している。逆に、 別の好ましい態様は、A188、A188 X B73、H99、Pa91またはFR16の形質転換によ っては作出されない遺伝子導入トウモロコシを含む。ここにおいて、「穀類系統 」という語句は、絶対にではないが、一般的に自家受粉を数世代繰り返したこと により、一個以上の明確な形質に関して比較的小さな個体間変異を示すようにな った、イネ科植物のポアオイデ(Poaoideae)亜科の群を意味する(さらに、ここ で 「系統」という語は、組織培養技術によって、単一の親株植物から栄養繁殖させ た植物群を含むような充分に広い意味で用いられる)。植物が、(A)特定の系統 の材料から再生された初代の形質転換植物体(T0)であるか、または(B)その系統 のT0植物を含む後代をもてば、その植物はその系統に「属する」と言われる。こ こにおいて、「後代」という語は、例えば、ヘテロ接合的(ヘミ接合的)またはホ モ接合的な条件で、遺伝子または遺伝子の組み合わせが、望ましい形質を植物に 付与するように行われる有***配との関連において、植物の系譜を意味する。 本発明は、さらに、以下の実施例で説明されるが、これらは例示的なものに過 ぎない。実施例を行うに当たって、一般的な方法は、バイオリスティクスによる 形質転換に従う。この方法によって、1.0から1.8μmのタングステンのミクロ投 射物、60 mg(供給元:ジェネラル・エレクトリック社)を2 mlの0.1 M HNO3に懸 濁して、氷上で20分間超音波処理した。HN03を除去するために、10,000 rpmで遠 心分離した後、1mlの無菌脱イオン水を加えてから、短時間超音波処理し、さら に遠心分離した。この水洗を2回繰り返し、その後、水を除去して1 mlの100% エタノールを加えた。超音波処理によって粒子を再懸濁し、エタノール洗浄を繰 り返した。1 mlの無菌脱イオン水を加えて、さらに超音波処理してから、できた 懸濁液を4等分して(各250μl)、ピペットで別々のチューブ(2 ml容量)に分注し た。無菌脱イオン水(750μl)を各チューブに加えて、-20℃で保存できるように した。DNAを調製するために、50μlの超音波処理したタングステンのミクロ投射 物の懸濁液をピペットで1.5 mlチューブに分注し、これに1μgから10μgの外来D NAを加えた。混合した後、2.5 M CaCl2溶液を50μl加え、さらに混合した後、20 μlの0.1 Mスペルミジンも加えた。この結果できた組成物を混合して、超音波処 理してから、約10秒間遠心分離した。上清を取り除き、250μlの100%エタノー ルを加えた後、再び、組成物を超音波処理して遠心分離し、上清を取り除いた。 最後に、30μlの100%エタノール溶液を組成物に加え、その後、200-1100 p.s.i .の範囲の破裂ディスクで、一回の打ち込みに5μlずつを用いた。 実施例1.非致死的選抜による形質転換 (A) NPTIIに結合したトウモロコシ・ヒストンプロモーターの評価 本明細書のために「N10000」と名付けて、商標登録したトウモロコシの遺伝子 型の穂を、受粉後7日目の生育初期の子葉鞘段階で採収した。採収した穂を、Tw een20を含む50%クロロックス(Chlorox)で20分間表面を滅菌してから、無菌脱イ オン水で3回洗浄した。穀粒の先端をメスで切り取って、胚を胚乳から切り出し た。67個の胚を、一枚のプレートに10個ずつ、成熟用培地(MS塩、0.1 g/Lミオイ ノシトール、MSビタミン、0.5 mg/L ゼアチン、150 g/L ショ糖、及び、6 g/L シーケム(Sea-Kem)アガロース;オートクレーブ前でpH 5.6)の上に、軸側を上に 向けて置いた。打ち込みを行う前に、胚を、暗所、28℃で一晩インキュベートし た。 これらの実験において、プラスミドDP6212及びDP3953を用いて、胚を形質転換 した。DP6212は、2X ヒストン-143プロモーター、トウモロコシのADH1遺伝子の 第一イントロン、ネオマイシン・ホスホトランスフェラーゼ(NPTII)をコードす るnptII遺伝子、及び、ジャガイモのプロテイナーゼ・インヒビターII(PinII)遺 伝子に由来する3'側転写物プロセッシング領域を含んでいる。DP3953は、ユビキ チンプロモーター、ubi遺伝子の第一イントロン、β-グルクロニダーゼ(GUS)を コードする遺伝子、及び、PinII遺伝子に由来する3'側転写物プロセッシング領 域を含んでいる。胚に、1:1の割合で混合したDP6212及びDP3953を、酸で洗浄し たタングステン粒子のチューブ一本毎にDNA総量1μgという濃度で打ち込んだ。 この濃度は、標準よりも10倍低いが、選抜マーカーの機能にも、または形質転換 頻度にも、破壊的な効果を与えずに、より均質なGUS染色パターンをもつ形質転 換体を得るためには至適であった。 上で検討したバイオリスティクスプロトコールに基づいて、PDS-1000ヘリウム ガンを1100 p.s.i.の破裂ディスクとともに用いて、タングステンチューブ1本 につき5回の5-μlの打ち込みを行なって、粒子を輸送した。すべての胚が、一 つのプレートにつき一回ずつ打ち込みを受けた。 打ち込み後、28℃、暗所で7日間、成熟培地上で胚を維持した。そして、胚を 、選抜用試薬として150 mg/Lのトブラマイシン硫酸を含む272K苗条伸長用培地(M S塩、0.1g/L ミオイノシトール、MSビタミン、30 g/L ショ糖、及び4 g/L ゲル ライト)に移し換えた。胚を、明所、28℃でインキュベートした。移し換える時 には、胚は子葉を伸長させていた。 打ち込み後、2週、3週、及び4週目に、再生した小植物体をサンプリングし て、マッケイブ(McCabe)らが、「Bio/Technology 87: 923-26(1988)」で述べて いる方法によって、GUS発現について解析した。葉片を約200μlの組織化学的染 色液に入れ、GUS発現を最大にするために、37℃で一晩、暗所でインキュベート した。第一位の葉及び第二位の葉からのデータを下の表にまとめてある。 陽性区分を示す小植物をすべて、トブラマイシンを含まない苗条伸長培地を入 れた培養チューブに移し換える。それぞれの新しい葉のGUS発現を調べた。一貫 してGUS陽性を示す小植物を温室に移植して、根の発達が確実になるまで成熟さ せた。GUS発現が停止した植物の表現形質の変化、すなわち、壊死、退色、また は、通常の成長が見られないことなど、選抜からの回避が起きたことを示す変化 を観察した。正常な表現形質をもつ植物体を、コロラド州80303ボールダー、ア ラパホーロード5603の5'-->3'社から入手できるNPTII ELISAキット(カタログ番 号5307-661-514)を用いて、NPTII蛋白質について解析した。陽性を示した植物体 を温室に移植した。 温室で成熟した遺伝子導入植物をサンプリングして、各植物体における発現パ ターンの特徴を見るため、それぞれの新しい葉、ならびに雄穂及び雌穂組織にお けるGUS活性またはNPTII蛋白質を調べた。受粉は、自家受粉または姉妹交配で行 なった。受粉後8日から10日目に、雌穂を採収して、表面を滅菌し、胚を切り出 して、発芽させるために苗条伸長培地に胚を置くことによって、胚を回収した。 (この手順は必要ではないが、解析処理を促進するために行われた。)T1葉組織 をサンプリングしてGUS組織化学的アッセイを行い、導入遺伝子の伝達を確認す るために、0.2% SDS緩衝液中2%硫酸塩カナマイシンを塗布した。T0形質転換体 から成熟葉の試料を採収して、さらに、形質転換の特徴を調べるためにサザン解 析を行なった。 「2-4」と名付けたN10000植物の組織化学的な解析によって、葉、毛(一次雌穂 )、一次雌穂の外皮及び穂軸、ならびに、雄穂の中心花穂及び分枝においてGUSが 発現していることが明らかになった。さらに、サザン解析によって、成熟R0植物 体から採収した葉組織にNPTII構造遺伝子が存在していることが確認された。こ のハイブリダイズしたバンドの分離は、この植物におけるNPTII陽性ELISAの結果 と一致した。中心桿の解析によって、不定根の表皮層及び中心桿の維管束におけ るGUS発現もまた明らかになった。 (B) 非致死的選抜によるトウモロコシ系統の形質転換 さまざまなトウモロコシの遺伝子型において、非致死的選抜の有効性を決定す るために実験を行なった。遺伝子型N10000、ならびに、本明細書のために、それ ぞれ、「P10000」、「W20000」、「E10000」、「PHP02」及び「R20000」と名付 けられた、その他の品種登録された遺伝子型を、上記のDP6212及びDP3953で形質 転換した。下の表2には、安定な区分頻度及びサイズを評価するために、二次的 な非選択的遺伝子の発現を用いた同時形質転換実験に基づいて、非致死的選抜法 がさまざまなトウモロコシ系統に応用可能なことを示すデータが列挙されている 。 (C) 打ち込み前の茎円頂部の機械的な破壊により***組織の再組織化がもた らされたときの形質転換頻度の評価 初期子葉鞘の生育段階にある、受粉後それぞれ11日目及び9日目に、E10000及 びW20000の遺伝子型の雌穂を採収した。前述のように、160個の胚を分離して成 熟用培地上でインキュベートした。 ***組織を再組織化し、新しい***組織領域を形成させるために、打ち込みの 前に、いくつかの胚の茎円頂部を損傷した。ワールド・プリシジョン・インスツ ルメンツM3301極微マニュピレーターに接続した直径0.5μmから5μmの範囲の極 微操作用針によって機械的な損傷を与えた。それぞれの胚の針による貫通は、胚 の形態によって、数ミクロンから数百ミクロンの範囲の深さに、茎円頂部の中心 部を刺して行なった(大きな胚盤をもつ胚ほど、深い貫通を受容する)。標的とす べき好ましい差し込みの深さは、50μmと150μmの間である。そして、前述した よう なNPTII及びGUS構築物を胚に打ち込んだ。 胚は、暗所、28℃で7日間、成熟用培地上で維持してから、150 mg/Lのトブラ マイシン硫酸を含む272K培地に移植した。移植の時に、胚は、伸長した子葉をも つ、多数の***組織を形成する。胚を明所、28℃でインキュベートした。 打ち込んだ後、2週間目、3週間目及び4週間目に、再生した小植物体の一位 の葉及び二位の葉を、組織化学的アッセイによって、GUS発現について解析した 。表3は、GUSアッセイの結果、ならびに***組織の形成に関する観察の結果を 示している。 これらのデータは、茎円頂部の機械的な損傷により、新しい***組織の形成及 び形質転換頻度の増加が起きたことを示す。さらに、機械的な損傷により、より 狭く、斑点様のパターンを示す、操作を加えない植物に較べて、より継続的なGU S発現パターンが提供された。このように、損傷されていない***組織は、しば しば葉片でのGUS発現のみを示したが、損傷された***組織のほとんどは、葉の 中で、広く継続的な区分を示した。 実施例2. 苗条増殖を伴う形質転換 (A) 一般的な方法 子葉鞘期の胚を分離して、胚成熟用培地に胚盤を下向きに置いて培養した(10 〜20胚/プレート)。胚発生に影響する、季節的かつ遺伝子型によるかなりの変異 がありうるため、大きさまたは受粉後の日数ではなく、胚の成長段階を注意深く 測定した。 胚は、一般的には、MSを基本にした培地で、0.5 mg/Lゼアチン、1 mg/Lインド ール酢酸、及び、浸透圧(osmoticum)を維持するための標準より高い濃度の糖 を 含む培地で成熟させる。12〜24時間が至適であるが、分離後0〜48時間の期間内 、胚を培養した。その後、カナマイシン抵抗性またはストレプトマイシン抵抗性 を付与する遺伝子を、農業的または可視的な形質を示すマーカー遺伝子などの、 他の非選択的遺伝子と一緒に***組織へ打ち込んだ。 打ち込みの後、発芽を促進するために、胚を暗所で培養した。1週間から2週 間後、胚を、例えば、ホルモンなしまたは低ホルモンのMS培地などの発芽培地に 移した。発芽した小植物体には、一般的に中胚軸と上胚軸との間の接続部に*** 部がある。この***部は、発達中の苗条***組織を含む部位に生じる。 ***組織を含む2から3 mmの切片を切り出して、適当なホルモン及び選抜用 試薬を含む苗条増殖培地で培養した。伸長した葉から切片を定期的に切り出して 、10日から14日毎に新しい培地に移した。培養する***組織は、暗所、28℃でイ ンキュベートした。3週間から9週間後、増殖した***組織を照明を灯した培養 室に移した。 選抜に際して非形質転換組織は退色したままであるため、明所での培養を1週 間から2週間した後、緑色の表現形質に基づいて、形質転換した区分を同定した 。通常、ホルモン濃度を低下させることによって、植物体を再生させた。但し、 遺伝子型によっては、植物体の再生を促すためにサイトカイニン濃度を上昇させ たものもある。再生した植物は、時に、発根が困難であるため、1 mg/lのNAAを 含むSH培地上で培養することにより、または茎の基部に傷を付け1 mg/mlのNAA溶 液にその苗条を浸すことにより、発根を促進した。 (B) ハニー(Honey)種及びパール(Pearl)種のNPTII形質転換 受粉後9日目にハニー品種とパール品種の、子葉鞘期のトウモロコシ胚を180 個採収した。分離した胚の胚盤は、平均して0.48 mmの長さだった。これらの胚 を、胚成熟用培地に置き(プレート当たり10個の胚)、暗所28℃で一晩培養した。 胚を置いたプレート16枚に、1.8μmのタングステン粒子を10μg DNA/タングス テンチューブのDNA濃度で用い、前述の方法にしたがって、プラスミドDP551を2 回打ち込んだ。プラスミドDP551は、ADHのイントロン1、GUS遺伝子及びnosター ミネーター、ならびに、ADHのイントロン1、NPTII遺伝子、及びPinIIターミネ ーターを含む。GUS遺伝子もNPTII遺伝子も、35S CaMV配列によって制御されてい る 。これらの胚を含むプレートを、暗所、28℃で培養して成熟させた。8日後、数 個の胚をX-Gluc組織化学的染色液の中に入れた。全ての胚が、GUS活性を示す、 強い青色に染色された。 粒子を打ち込んでから19日後には、ほとんどの胚が発芽した。この時、***組 及び葉原基を含む領域を、前記のようにして切り出し、2 mg/L BAP及び50 mg/L カナマイシンを含むMS培地を固めた寒天培地の上で培養した。葉組織を染色した ところ、16プレートのうち8プレートでキメラの青く染まる区分が観察された。 伸長した葉から***組織を含む領域を切り取り、10日から14日毎に新しい培地に 移し換えた。打ち込み後26日目に、カナマイシンの濃度を100 mg/Lに上げた。1 週間後に、増殖している***組織を明所に移した。これらの実験で、独立した3 個の形質転換体が作出された。2個の形質転換体について、PCR、GUS染色、NPTI I ELISAアッセイ、及び、サザン解析によって、その特徴を調べた。これらのう ちの一つは、強いGUS活性を示し、NPTII蛋白質を高レベルで産生した。この形質 転換体のT1及びT2世代を以下の解析に用いた。後代は、他系交配の後、GUS活性 及びNPTII ELISAの両方の結果に基づき(表4参照)、取り込まれた遺伝子がメン デルの遺伝と一致する1:1の共分離を示した。NPTII ELISAの陽性の結果に相関す る、NPTII遺伝子の取り込み及び分離が、T1植物のサザン解析によって明らかに された。 (C) ハニー(Honey)種及びパール(Pearl)種のaadA形質転換 子葉鞘段階にあるハニー種及びパール種の胚を分離して、288B培地(0.5 mg/l ゼアチン、1 mg/l IAA、0.25 M ソルビトール、及び4% ショ糖を含むMS培地を3 g/lゲルライトで固めたもの)で培養した。前述のようにして、1プレート当た り10個の胚を含む8プレートに、一回の打ち込みを行なった。各粒子調製物(6 回の打ち込みに充分な量がある)は、組み合わせたDNA全体で10μgのDNA(5μgのD P4790 + 5μgのDP460またはDP3536)を用いた。プレート1から4には、35S CaMV プロモーター、オメガ配列、aadA及びocsターミネーターを含むプラスミドDP479 0(ジョン・イネス(John Innes)研究所のジョナサン・ジョーンズ(Jonathan John s)博士より提供された)、ならびに35SCaMVプロモーター、ADHのイントロン、GUS 遺伝子及びnosターミネーターを含むプラスミドDP460を打ち込んだ。プレート5 から8には、プラスミドDP4790とプラスミドDP3536を打ち込んだ。後者のプラス ミド は、cabプロモーター、ADHのイントロン6、GUS遺伝子及びocsターミネーターを 含む。本実施例の(B)の部分で述べられているように、全ての胚を成長させ、発 芽させた。発芽後、***組織を含む領域を、2 mg/L BAP及び100 mg/Lストレプト マイシン硫酸を含むMS培地を寒天で固めたもので培養した。 培養した***組織を、照明を灯した培養室に移した後、プレート6で増殖して いる***組織に緑色の区分が観察された。他の培養***組織はすべて、ストレプ トマイシン脱色によって白かった。この時のGUS染色では、区分のある青色染色 葉と区分のない青色染色葉とが混ざっていることが分かった。打ち込みをして約 7週間後に、プレート6の形質転換体の葉に区分があるのが観察された。区分が なくGUS陽性である葉もあったが、まだ不完全周縁的な葉もあった。PCR、GUS染 色及びサザン解析を用いて形質転換を確認した。 (D) 有望な近交系の形質転換 受粉後8日目に、本明細書での説明のために「B30000」と名付けた有望な近交 系の子葉鞘期の胚を分離して、15枚のプレートの288L培地上で、各プレートに20 個の胚を培養した。標準的なプロトコールを用いて12枚のプレートに打ち込みを 行なった。要約すると、粒子の打ち込みは、650 psiの破裂ディスク及び1μmの タングステン粒子を用いて6回行なった。このタングステン粒子は、各プラスミ ドについて、濃度5μg DNA/粒子調製チューブの濃度のプラスミドDP5397(品種登 録された農業経済上の遺伝子)及びDP5606(Ubiプロモーター/Ubi-イントロン/NPT II/pin IIターミネーターをcabプロモーター/ADH イントロン6/GUS/ocsターミ ネーターに結合したもの)で覆われていた。 プラスミドDP5397は、Bt遺伝子を含む、品種登録された農業経済上のプラスミ ドで、プラスミドDP5606は、Ubiプロモーター、Ubiイントロン、NPTII遺伝子及 びPin IIターミネーターをcabプロモーター、ADH イントロン6、GUS遺伝子及び ocsターミネーターに結合したものを含んでいる。 打ち込みの後、2 mg/L BAP、0.25 mg/L、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸及び3% 蔗糖を含むMS培地を寒天で固めた培地の上で***組織を培養した。打ち込み後5 週間目に、***組織をカナマイシン選抜培地(100 mg/L)に置いた。***組織の不 可逆的な退色を防ぐために、この組織を、選抜培地及び非選抜培地の上に交互に 置いた。 打ち込み後5ケ月目に、退色した苗条の培養物から大きな緑色の区分を切り取 った。この区分から3枚の小さな葉を切り取り、X-Glucで染色した。これらの葉 は、表皮細胞以外の細胞においてGUS活性を発現することが分かった。 この一連の実験から、一個の植物体が再生された。この植物体は、多量の花粉 、及び数本の雌穂を産生した。花粉が、GUS発現に関して分離することが分かっ たが、この遺伝子がcabプロモーターの支配下にあることは意外であった。この 植物体の葉はすべて、区分なしの強いGUS活性を示した。雄穂の包頴もGUS活性に ついて陽性であった。このT0植物からの葉組織の試料は、NPT-II及びBt蛋白質( それぞれのELISAで明らかになった)を含んでおり、強いGUS活性(蛍光定量法)を 示した。GUSの組織化学的アッセイによって、今までのところ、試料の苗106個の うち42個で、後代への伝達があったことが明らかになり、これは、メンデルの遺 伝様式に一致する。 実施例3.未成熟な雌穂及び雄穂の***組織を用いた形質転換法 (A) 未成熟な雌穂の切り出し 植え付け後7週から9週で採収した植物体から、一度に一枚ずつ、無菌的に葉 を取り除き、雌穂を露出させた。切開用顕微鏡下で、外皮から雌穂を切り取った 。穂を縦に二分した方が反応が強く、打ち込みに対しより完全に***組織を露出 させた。 (B) 反応性のある外植片の時期設定及び選抜 切り出された雌穂全体の大きさ、及び***組織の発生段階は、適切な採収時期 の信頼性のある指標であることが明らかになった。穂が小さいほど、発生的には 未決定で、かつホルモン刺激に対してより反応性であるが、生き残る***組織は 少なくなるため、形質転換のための標的細胞が少なくなる。より小さな穂も用い られてきたが、形質転換実験のためには、実用的には最小の大きさを2mmとした 。反応性のある標的を選抜するための上限は、***組織の段階によって決定され る。つまり、包頴が目立ち始め、***組織の円頂部の方に近づくと、発生上の可 塑性は急激に低下する。 (C) 初期培養培地 さまざまな培地が用いられたが、近交系は、これらの違いに異なった反応を示 した。花芽分化期の***組織を初期培養するのに用いられる(さまざまな遺伝子 型に用いられる)、好ましい培地は、ムラシゲ及びスクーグ塩、MSビタミン、0.1 mg/l 2,4-D、0.5mg/l 6-BAP、12.2μMの1-プロリン、8%蔗糖、及び、30 mg/l の硝酸銀を成分にもつ。好ましいゲル化剤は、3.5 g/lのゲルライト(GELRITE)( ニュージャージー州ラーウェイのメルク(Merck)社/ケルコ(Kelco)事業部の製 品)。 (D) 打ち込み 650 psiの破裂ディスク、及び組織の上約0.5 cmから1.0 cmに張ったステンレ ス鋼製のスクリーン(100 umメッシュサイズ)を用いて、未成熟の雌穂外植片に打 ち込んだ。DNA沈殿及び他の打ち込み条件は実施例1で説明されている。 (E) 小区分、継代培養及び選抜 各***組織の迅速な成長及び生存の維持は、雌穂を分離後4日から6日目に各 々4個から8個の***組織片に細かく砕くことによって行なった。これらの組織 片を苗条増殖培地で培養した。この培地は、1 mg/l BAP及び3%蔗糖を含む以外 は、初期培養培地(前記)と基本的には同じ組成をもつ。***組織は、苗条増殖培 地上で、2週間の間隔で繰り返し継代培養した。 打ち込みを行なった雌穂***組織をX-gluc中でインキュベートすると、一貫し て、打ち込みの2日後に、高い頻度でGUSの一過的発現が起きた。打ち込み後一 ケ月で、多数の苗条塊から発生した葉の中に、GUSを発現する安定的な区分が見 られた。この段階で、葉の長さは約1 cmから2 cmで、形質転換された部分は、葉 の長さの半分以上に伸びていた。さらに、この段階における***組織は、組織化 学的アッセイにおいて高レベルのGUSを発現していた。 一ケ月間苗条を増殖させた後、100 mg/lのストレプトマイシンを用いて、一ケ 月間選抜を行なった。この処理の後、すべての材料を選抜試薬抜きの培地でもう 一度継代培養し、さらに、明所へ移動した。非選抜培養物中の葉及び苗条は、す ぐに緑色になった。選抜された培養物の葉は、退色した(白色)ままだった。 (F) 植物体の再生 形質転換した苗条塊と推定されたものを、植物成長調節剤を抜いた培地に移し た。さまざまな発達程度の葉が、1 mg/l BAP上で生じ、ホルモンがないと、すぐ に苗条が形成され、伸長した。 (G) 発根 1〜5 mg/lのNAAを含むMS培地またはSH培地を基本とする培地に、数日間置いて おくと、高い頻度で発根が起きた。 実施例4.前期前胚期、中期前胚期、後期前胚期、移行期及び前期子葉鞘期の胚 の形質転換 中期前胚期、後期前胚期、移行期及び前期子葉鞘期の未成熟の胚を採収して、 高濃度のサイトカイニン及び浸透圧(osmoticum)用試薬を含む培養培地610Aで 培養した。610A培養培地は、MS塩、MSビタミン、100 mg/L ミオイノシトール、0 .4 mg/L チアミン塩酸、1 mg/L ゼアチンリボシド、0.1 mg/L BAP、60 g/L シ ョ糖、400 mg/L アスパラギン、及び7g/L ヘイゼルトン(Hazelton)TC寒天を含む 。一日回復させた後、前述したパーティクルガンによって、DNAを打ち込み、頂 端***組織が発達する中央部を、0.5μmの極微操作用針で刺した。 胚は、成熟させるために、暗所に7日間置き、その後、1 mg/l ビアラフォス を含む、ホルモンなしの培地に移した。さらに7日間、暗所、ホルモンなしの培 地で培養した後、胚を発芽培地に移して、発芽を継続させるために、明所で培養 した。葉が成長するのにあわせて、植物体の表現形質を観察し、前述の組織化学 的アッセイ(GUS)によって、区分形成を調べるため試料を採取した。 正常な表現型及び/またはレポーター遺伝子活性をもつ健全な植物体を成熟さ せるために温室に移した。表4に示すデータは、上で検討したプロトコールによ って作成されたものであるが、これらは、近交系N10000に関し、中期前胚期、後 期前胚期、移行期及び前期子葉鞘期にある胚を用いた、いくつかの同じような実 験で得られた区分頻度を示している。 中期前胚を標的にした後で観察されたGUS頻度は、これらのデータが集められ た時、打ち込み及び選抜の後の生存率が比較的低かったことを反映している。し かし、粒子が輸送される間、1 mg/l ゼアチンを培地610Aに加え、寒天の濃度を 上げ(12 g/l)、低い破裂ディスクの圧力(200 p.s.i.)を用いることにより、分離 及びDNA輸送の後の中期前胚の生存率がよくなる。 実施例5.***組織の形質転換−−直接発芽法 遺伝子型N10000の植物体を受粉させて、8日後に、胚を培養基に入れた。した がって、採収された胚は後期前胚期にあった。 より特異的には、胚を、培養0日目に軸を上に向けて、150 g/l 蔗糖、1 mg/l ゼアチン及び12 g/l 寒天を含む改変610A培地に置き、暗所、28℃で一晩インキ ュベートした。一晩インキュベートした翌日の1日目に、0.5μmのフェムトチッ プ(Femtotip)極微操作用針を用いて、すべての胚の頂端***組織の茎円頂部の中 央を損傷した。胚はすべて、暗所に戻して、28℃で一晩インキュベートした。2 日目に650PSI破裂ディスクを用いて、プレート毎に一回ずつ、PDS-1000ヘリウム パーティクルガンで打ち込みを行なった。ここで用いられたDNAは、1-μmタング ステン1チューブ当たり1μgのDP3528+DP3953[2X35S::BAR+UBI::GUS]であった 。2日目に、***組織を成熟させるため、すべての胚を暗所、28℃で7日間610A 培地で維持した。7日目(610A培地で培養してから7日目)に、発芽及び選抜のた め、MS塩、及びビタミン、0.001mg/l カイネチン、0.1 mg/l アデニン硫酸、20 g/ l ショ糖、6g/l 寒天、及び0.5 mg/L ビアラフォスを含む612培地に、胚を移し た。14日目には、さらに発芽させるために明所に移す前の7日間、胚を暗所、28 ℃で保持した。21〜49日目には、発達中の葉にGUS組織化学的アッセイを行ない 、35日目には増殖してきた小植物を、ホルモンなしで5 mg/L ビアラフォスを含 むMS培地の入ったチューブに移した。56日目に、植物体6-1(SID 180741)及び植 物体2-7(SID 180742)を温室に移した。 培養し、打ち込みを行なった胚の総数は48個であった。このうち37個は正常に 発達した。第一葉以上まで生育した胚の数は17個で、このうち4個の植物体がGU S発現を示した。2個の植物体が、5 mg/L ビアラフォスによる選抜を生き残り、 正常な根の発達を示したため、成熟させるために温室に移した。 SID 180741及びSID 180742は、温室に移した時に、ともにGUS発現を示し、正 常な葉及び根の発達を示したが、他の植物体はすべて枯れた。SID 180742は、1- 8葉でのみGUS発現を示した。 発生のV6〜V8期に、1%のイグナイト(Ignite)を含むラノリンのペーストを葉 に塗布した。SID 180741は、区分化した(GUS発現している)領域でのみイグナイ トに 対して抵抗性を示した。SID 180742は、イグナイトに対する抵抗性を示さなかっ た。サンプリングした葉についてPCR解析を行ない、SID 180741にはGUS遺伝子及 びBAR遺伝子が両方とも存在し、SID 180742にはGUS遺伝子が存在することを確認 した。 より初期の発生段階に移った後、すなわち後期前胚を標的としたときに観察さ れる最初の主な違いの一つは、鞍部区分の生産である(ポエティグ(Poethig)(198 6)、前掲、説明のために参照)。本発明者らは、***組織の組織化に関して今の ところ分かっている情報から、***組織の組織化によって雄穂を通した性細胞系 の伝達が起こることが示唆された。鞍部区分は、葉原基から茎円頂部の中央部を 上って広がり、葉原基の別の部位に戻る。遺伝子導入区分が***組織の中央部分 にまで広がっていることから、その区分が雄穂、及び最終的には、花粉に寄与す る区分になる可能性が非常に高い。 トウモロコシの解剖学及びクローン解析に関するこれまでの研究から、トウモ ロコシが、発生の移行期に始まる、組織化され層状になった頂端***組織をもつ ことが明らかになった。「ランドルフ(Randolph)、J.Agric.Res.53: 881-916 (1936)、及び、ポエティグ(Poethig)(1986)、前記」を参照のこと。さらに、「 ダウィ及びフリーリング(Dawe and Freeling)の論文、Developmental Biol.142 :233〜45(1990)」は、トウモロコシの雄花の細胞系譜に関して、頂端***組織 のL1層及びL2層が二層の葯壁のもとになることが示された。その内層のみが、雄 性生殖細胞、すなわちL2細胞と同じ細胞系統由来である。苗条頂端***組織が組 織化される前に(照射によって)起きた結果から、葯壁の両層に、花粉を通して遺 伝する区分が含まれていることも分かった。発生における移行期の後に起きた結 果は、一つの細胞系統だけに限定され、その区分がL2層に生じたときだけ遺伝し た。 ***組織層の組織化が起こる前の、発生中の後期前胚期に、形質転換体180741 にパーティクルガンで打ち込みを行なった。これは、定義によれば、茎円頂部を 横切り、***組織を二分する区分である鞍部を、後に雄穂になる***組織の領域 に含んでいた(ポエティグ(Poethig)(1986)、前記を参照のこと)。また、***組 織の再組織化を促すために、それを極微操作用針で傷つけて、選抜試薬のビアラ フ ォスに曝した。GUS組織化学によるデータから、葉の両層、葯壁、及び中心桿か らの花粉の約50%において発現することが明らかになった。 実施例6.分蘖化による遺伝子導入区分の安定化 前記したように、形質転換した植物体の分蘖は、遺伝子導入区分を安定化させ るための、苗条の増殖に代わるものとなる。したがって、本発明により、有望な 系統の分蘖を誘導し、それにより遺伝子導入区分を安定化する。 本実施例では、デウォルフ(De Wolff)(Euphytica 20: 524〜26(1971))によ って開示された方法を用いて、対照植物の分蘖を誘導した。2週令の苗の苗条頂 端とほぼ同じ高さか、それよりもわずかに上の部分に、11号メス刃で三角形の切 り込みを入れた。主脈を損傷することを避けるために、葉の平面に垂直に切れ目 を入れた。P10000、PHP02、G30000及びE10000の苗から苗条頂端を切除した。こ れらの遺伝子型はそれぞれ、有意に異なる雑種強勢系統群からの近交系を意味す る。同じ遺伝子型で無処理の植物体を、対照として用いた。切り込みが苗条頂端 から上すぎた場合には、最初の切り込みのすぐ下でもう一度切り込み処理を繰り 返した。 傷つけた植物体及び無処理の対照を24時間の連続光の下(日中は温室、夜間は グロースチャンバー)で2週間維持した。反復処理したものは、明/暗条件下で生 育させた。 頂端を切除した植物体において、有意な分蘖が見られた。通常の明/暗条件に 較べると、分蘖頻度に対する連続光の影響はさまざまであり、遺伝子型に依存す るのであろう。無処理の対照は分蘖しなかった。 分蘖頻度を上げるために、切り込みによってできた穴にラノリン、及びTIBA(1 mg/L)またはBAP(10 mg/L)などの植物ホルモンを詰めてもよかったかもしれない 。遺伝子導入区分を同定し、選抜するため、植物ホルモンの代わりに、または、 それに加えて、カナマイシンなどの選抜用試薬を切り込みに加えてもよかったか もしれない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT, UA,UG,UZ,VN (72)発明者 ロス マーゴット シー. アメリカ合衆国 アイオワ州 デモイン ウェスト 28ス コート 124 (72)発明者 サンダール ガリー エイ. アメリカ合衆国 アイオワ州 デモイン ウェスト ソルンウッド ロード 1649 (72)発明者 トムズ ドワイト ティー. アメリカ合衆国 アイオワ州 カミング ビーチウッド 8 (72)発明者 ソングスタッド デヴィッド ディー. アメリカ合衆国 アイオワ州 アーバンデ イル グッドマン ドライブ 6112 (72)発明者 ゴードン−カム ウィリアム ジェイ. アメリカ合衆国 アイオワ州 アーバンデ イル 67ス ストリート 3916

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.導入されたDNAを後代に伝達する遺伝子導入禾穀類植物を作出する方法で あって、 (A)(i)鞘葉に覆われていない***組織の細胞及び(ii)該***組織になる運命に ある細胞からなる群より選択される標的細胞に外来DNAを導入する段階、次に、 (B)遺伝子導入部位の大きさが増大するように該***組織の再組織化を誘導し 、それによって遺伝子導入部位が性細胞系の伝達に寄与する可能性を増加させる 段階、ならびに、その後 (C)小植物体が、外来DNAを後代に伝達する形質転換禾穀類植物へと成長するよ うに、該***組織が該遺伝子導入部位をもつかまたは該外来DNAによって均一に 形質転換された小植物体を形成するように分化するような条件下に該***組織を おく段階を含む、方法。 2.段階(A)が、前期前胚期、中期前胚期、後期前胚期、移行期または前期子 葉鞘期に行われる、請求項1記載の方法。 3.外来DNAが複数の***組織に導入され、該***組織の少なくともいくつか が段階(C)で複数の小植物体を形成するように分化する、請求項1記載の方法。 4.請求項1記載の方法において、再組織化が、(i)***組織に対する非致死 的な選択圧の負荷、(ii)機械的に誘導される***組織の再組織化、及び、(iii) ホルモン誘導される苗条増殖からなる群より選択される少なくとも一つの操作に よって行われる、方法。 5.形質転換された部位を拡大するかまたは周縁L2キメラを産生するために苗 条頂端における***組織の再組織化を行うことをさらに含む、請求項1記載の方 法において、段階(C)における条件が、***組織が成熟し苗条頂端を形成するよ うに植物体に分化するような条件である、方法。 6.請求項5記載の方法において、再組織化が、苗条頂端において形質転換し た細胞が非形質転換細胞に対して競合的な成長での有利性を有し、苗条頂端にお ける形質転換細胞の割合が増加するように、苗条頂端に非致死的な選択圧をかけ ることを含む、方法。 7.段階(A)が、子葉鞘期よりも遅くない発生時期に、胚にバイオリスティク スを打ち込むことを含む、請求項1記載の方法。 8.再組織化が、多数の苗条が器官形成によって増殖するような条件の下で苗 条頂端を培養することを含む、請求項5記載の方法。 9.円頂端部を選択的に傷害する段階(C)の前の段階をさらに含む、請求項1 記載の方法。 10.傷害が段階(A)の前に行われる、請求項9記載の方法。 11.段階(A)が、未成熟の雌穂または雄穂の外植片上の***組織にバイオリス ティクスを打ち込むことを含む、請求項1記載の方法。 12.標的細胞が、トウモロコシ、ソルガム、コムギ、オオムギ、オートムギ、 またはイネ標的細胞である、請求項1記載の方法。 13.標的細胞が、トウモロコシ標的細胞である、請求項12記載の方法。 14.請求項5記載の方法において、(i)葉の実質的な部分にキメラ領域が観察 されたら小植物体の該葉の基部の上から腋芽を切り出す段階、及び、その後(ii) 該腋芽を完全な植物体へと発芽させるかまたは該腋芽を苗条へと増殖させる段階 をさらに含む、方法。 15.請求項1記載の方法において、(i)該小植物体の苗から苗条頂端を切除す ることにより傷害する段階、次に(ii)複数の分蘖の形成を誘導するために該小植 物体を生長させる段階、及び、(iii)多数の該分蘖の中から遺伝子導入された分 蘖を選抜する段階をさらに含む、方法。 16.段階(i)の後に分蘖を増加させる植物ホルモンが傷害部に導入される、請 求項15記載の方法。 17.遺伝子導入区分を同定し選抜するために、段階(i)の後、選抜用試薬が傷 害部に導入される、請求項15記載の方法。 18.導入されたDNAを後代に伝達し、かつカルスを用いた形質転換法を適用す ることが難しい禾本類系統に属する、請求項1記載の処理で作出された遺伝子導 入禾穀類植物。 19.A188、A188 X B73、H99、Pa91、FR16、及びこれらのいずれかを含む交配か ら得られる遺伝子型からなる群より選択される遺伝子型の形質転換によっては作 出されないトウモロコシである、請求項18記載の遺伝子導入禾穀類植物。 20.導入されたDNAを後代に伝達し、かつカルスを用いた形質転換法を適用す ることが難しい禾本類系統に属する、請求項15記載の処理で作出された遺伝子導 入禾穀類植物。 21.請求項20記載の遺伝子導入禾穀類植物において、A188、A188 X B73、H99 、Pa91、FR16、及びこれらのいずれかを含む交配から得られる遺伝子からなる群 より選択される遺伝子型の形質転換によっては作出されないトウモロコシである 、遺伝子導入禾穀類植物。 22.PHT47、PHP02、PHV78、PHK05、PHW20、PHR62、PHN37、PHM10、PHV37、PHJ 65、PHBW8、PHK29、PHJ33、PHP60、PHN73及びPHHV4からなる群より選択される系 統を含む系図を有する、導入されたDNAを後代に伝達するトウモロコシ。
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