JPH104938A - 安定化された脂肪を含む乳性酸性飲料 - Google Patents

安定化された脂肪を含む乳性酸性飲料

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JPH104938A
JPH104938A JP8177514A JP17751496A JPH104938A JP H104938 A JPH104938 A JP H104938A JP 8177514 A JP8177514 A JP 8177514A JP 17751496 A JP17751496 A JP 17751496A JP H104938 A JPH104938 A JP H104938A
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明重 素本
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夏絵 河上
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 脂肪を含む乳性酸性飲料であって、乳性蛋白
質およびゼラチンおよび/またはゼラチン加水分解物を
含有する原液をトランスグルタミナーゼで処理したもの
を原料成分として用いたものであり、脂肪および/また
は脂肪と乳性蛋白質の会合物の分離浮上が抑制されたも
のであることを特徴とする安定化された脂肪を含む乳性
酸性飲料。乳性蛋白質とゼラチンおよび/またはゼラチ
ン部分加水分解物を含む混合物1g当りトランスグルタ
ミナーゼを0.1〜100ユニット作用させる。トラン
スグルタミナーゼで処理したものへ全脂乳および/また
は脂肪を添加しpHを3.0〜4.5に調製した後、均
質化後に加熱殺菌処理したものである。脂肪含有量は
0.05重量%以上5.0重量%以下である。 【効果】 長期または過酷な条件下において保存しても
脂肪の分離浮上が抑制され、まろやかさとこく味を有す
る嗜好性の高い脂肪を含む乳性酸性飲料を提供すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安定化された脂肪
を含む乳性酸性飲料に関し、さらに詳細には長期または
過酷な条件下において保存中に脂肪および/または脂肪
と乳性蛋白質の会合物の分離浮上が抑制され、外観、風
味に優れたまろやかな味の安定化された脂肪を含む乳性
酸性飲料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、乳性酸性飲料は脱脂乳を原料とし
て乳酸菌または乳酸菌と酵母を用いて発酵を行ない、得
られた発酵乳に甘味料、酸味料、香料および/または果
汁を加え、さらに水を加えて濃度調整を行なった後に均
一混合して、飲用に供している。または、脱脂乳を原料
として発酵を行なわずに酸味料および香料により、酸度
調整と発酵風味を付与する場合もある。従来の乳性酸性
飲料は、原料として脂肪が含有されていない脱脂乳が用
いられ、組成中にほとんど脂肪が含有されていないもの
が市販されている。このように脂肪か含有されていない
乳性酸性飲料が製造・販売されている理由としては、乳
性飲料は通常酸性であるために、脂肪を含有すると酸性
下において脂肪が分離浮上することにより、外観および
風味不良となり商品価値が失われることに起因してい
る。
【0003】脂肪を含む乳性酸性飲料は、脂肪を含まな
い乳性酸性飲料に比べて、乳性酸性飲料のさわやかな風
味にまろやかさとこく味がプラスされるために嗜好性が
高まり、近年愛飲家が増加し、売上高も伸長している。
これまでに、脂肪を安定して分散させる技術に関し、増
粘剤であるペクチンと高濃度の甘味料を混合することに
よる増粘効果により、ならびに使用する牛乳を高圧ホモ
ゲナイズ均質化し脂肪球の微細化処理により、脂肪が安
定して分散している脂肪含有濃縮乳酸菌飲料およびその
製造方法が開発されている(特開昭64−20057
号)。
【0004】しかし、実際は脂肪を含む乳性酸性飲料
は、長期または過酷な条件下において保存中に脂肪およ
び/または脂肪と乳性蛋白質の会合物の分離浮上を防止
することが技術的に困難であり、脂肪含有量を限定し、
さらに、市場における賞味期間を限定して販売している
のが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、長期
または過酷な条件下において保存中に、脂肪および/ま
たは脂肪と乳性蛋白質の会合物の分離浮上を抑制するこ
とができ、さわやかな風味にまろやかさとこく味がプラ
スされた嗜好性の高い安定化された脂肪を含む乳性酸性
飲料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、脂肪を含む乳
性酸性飲料であって、乳性蛋白質およびゼラチンおよび
/またはゼラチン加水分解物を含有する原液をトランス
グルタミナーゼ(以下、「TGase」と称することも
ある。)で処理したものを原料成分として用いたもので
あり、脂肪および/または脂肪と乳性蛋白質の会合物の
分離浮上が抑制されたものであることを特徴とする安定
化された脂肪を含む乳性酸性飲料である。
【0007】本発明者らは、複数種類のタンパク質およ
び/またはペプチドからなる混合系にトランスグルタミ
ナーゼを作用させる技術(特開平4−91750号)に
着目し、これを脂肪を含む乳性酸性飲料における脂肪な
どの分離浮上の抑制に適用すべく鋭意研究し、原料成分
である乳性蛋白質とゼラチンおよび/またはゼラチン部
分加水分解物を含む混合物にトランスグルタミナーゼを
作用させることにより、脂肪を含む乳性酸性飲料製品の
長期または過酷な条件下において保存中に、脂肪および
/または脂肪と乳性蛋白質の会合物の分離浮上が顕著に
抑制されることを見いだし本発明を完成させたものであ
る。
【0008】乳性蛋白質およびゼラチンおよび/または
ゼラチン加水分解物を含有する原液をトランスグルタミ
ナーゼで処理するに際しては、乳性蛋白質とゼラチンお
よび/またはゼラチン部分加水分解物を含む混合物1g
当りトランスグルタミナーゼを0.1〜100ユニット
作用させる。
【0009】本発明の安定化された脂肪を含む乳性酸性
飲料は、乳性蛋白質およびゼラチンおよび/またはゼラ
チン加水分解物を含有する原液をトランスグルタミナー
ゼで処理したものを原料成分として用いることのほか
は、通常の原料および製造方法が採用される。したがっ
て、本発明の安定化された脂肪を含む乳性酸性飲料は、
脂肪を含まない乳性蛋白質およびゼラチンおよび/また
はゼラチン加水分解物を含有する原液をトランスグルタ
ミナーゼで処理したものへ全脂乳および/または脂肪を
添加し、pHを3.0〜4.5に調製した後、均質化後
に加熱殺菌処理したものである。そして、乳性酸性飲料
中の脂肪含有量は0.05重量%以上5.0重量%以下
の範囲に調整される。
【0010】本発明の好ましい態様によれば、脂肪を含
む乳性酸性飲料において、脂肪および/または脂肪と乳
性蛋白質の会合物の分離浮上が抑制された脂肪を含む乳
性酸性飲料であって、脂肪を含まない乳性蛋白質とゼラ
チンおよび/またはゼラチン部分加水分解物含有原液
に、脂肪を含まない乳性蛋白質とゼラチンおよび/また
はゼラチン部分加水分解分解物を含む混合物1g当りト
ランスグルタミナーゼを0.1〜100ユニット作用さ
せて、トランスグルタミナーゼ処理液(以下、「TGa
se処理液」と称する。)を得、このTGase処理液
へ全脂乳および/または脂肪を添加し、pHを3.0〜
4.5に調製した後、均質化後に加熱殺菌処理すること
を特徴とする安定化された脂肪を含む乳性酸性飲料が提
供される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の安定化された脂肪を含む
乳性酸性飲料を得るためには、まず乳性蚕白質含有原液
を調製する。乳性蛋白質含有原液は、乳性蛋白質を含
み、かつ後述するトランスグルタミナーゼが乳性蚕白質
に反応しうる形態のものであれば、例えば乳性蛋白質が
溶解および懸濁分散した状態などの液状物に限定される
ものではなく、乳性蛋白質粉末や乳性蛋白質含有物に
水、塩類溶液などを混合した練り状物などの溶液含有物
であっても良い。
【0012】乳性蛋白質含有原液に含有させる乳性蛋白
質は、動物であるか植物であるかの由来を問わずに用い
ることができる。例えば乳性蛋白質を含む乳としては、
牛乳、山羊乳、羊乳、馬乳などの獣乳、大豆などの植物
乳が挙げられる。また、乳原料の種類としては、脱脂
乳、ホエー、脱脂粉乳および/または還元脱脂乳などを
使用することができる。乳原料に全脂乳などの脂肪を含
む乳性蛋白質を使用した場合には、本願発明の顕著な作
用効果は期待できない。
【0013】ゼラチンおよび/またはゼラチン部分加水
分解分解物は、動物由来の皮および骨を原料として、難
溶性のコラーゲンを酸やアルカリで処理し、熱水で抽出
可溶化したゼラチンであれば使用することができる。さ
らに、ゼラチンを酸あるいは酵素で部分加水分解したゼ
ラチン加水分解分解物であれば使用することができる。
これらのゼラチンおよびゼラチン部分加水分解分解物
は、場合によっては、さらに脱色脱臭精製処理して使用
することもできる。ゼラチン部分加水分解分解物の平均
分子量は、1,000〜10,000のものが好まし
く、さらに好ましくは1,000〜5,000のものが
よい。ゼラチン部分加水分解分解物の平均分子量10,
000以上では、溶液の一部でゲル化が生じ、さらに本
願発明の効果も弱くなる。平均分子量1,000以下で
は、風味上味覚的に好ましくないものとなり、本願発明
の効果も得られなくなる。
【0014】本発明において、得られる乳性酸性飲料の
無脂乳固形分含有量は、0.1〜5.0重量%(乳性蛋
白質含有量0.03〜1.5重量%)、好ましくは0.
2〜3.0重量%(乳性蛋白質含有量0.06〜0.9
重量%)となるようにするのか望ましい。0.1重量%
未満では、乳性酸性飲料の風味が得られ難く、5.0重
量%を越えると粘度が上昇して清涼感に欠ける風味とな
り、また、乳性蛋白質の凝集沈殿を抑制することが困難
になる恐れがあるので好ましくない。
【0015】本発明において得られる脂肪を含む乳性酸
性飲料のゼラチンおよび/またはゼラチン部分加水分解
物の固形分含有量は、乳性蛋白質含有量と同量の範囲内
の0.03〜1.5重量%、好ましくは0.06〜0.
9重量%となるようにするのが望ましい。0.03重量
%未満では、脂肪を含む乳性酸性飲料の保存安定性が得
られ難く、1.5重量%を越えるとゼラチンの風味が強
くなり、清涼感に欠ける風味となるので好ましくない。
【0016】トランスグルタミナーゼとしては、ペプチ
ド鎖中のリジン残基のε位アミノ基がアシル基受容体と
して作用すると乳性蛋白質などの蛋白質分子間にε−
(γーGlu)Lysの架橋結合を形成するものであっ
て、その起源は特に限定されず、例えばストレプトベル
チシリウム(Streptoverticillium)などに属する微生
物由来、魚類および哺乳動物などの動物由来、バイオテ
クノロジー利用による製造方法由来などを挙げることが
できる。また、血液中に存在するFactorXIIIと称
せられる因子も本発明のTGaseに含まれる。具体的
には、特開平1−27471号公報、特公平1−508
82号公報、特開平6−225775号公報等に記載さ
れたTGaseなどを挙げることができる。
【0017】乳性蛋白質とゼラチンおよび/またはゼラ
チン加水分解物含有原液に乳性蛋白質とゼラチンおよび
/またはゼラチン部分加水分解物を含む混合物にTGa
seを作用させてTGase処理液を調製するには、例
えば乳性蛋白質とゼラチンおよび/またはゼラチン部分
加水分解物含有原液にTGaseを接触させて、反応温
度と時間とを管理しながら酵素反応させる公知の方法な
どにより行なうことができる。
【0018】作用させるTGase酵素量は、乳性蛋白
質とゼラチンおよび/またはゼラチン部分加水分解物の
混合物1g当り0.1〜100ユニット、好ましくは
0.5〜50ユニットである。トランスグルタミナーゼ
酵素量が0.1ユニット未満では、後述の長期または過
酷な条件下において保存中に脂肪および/または脂肪と
乳性蛋白質の会合物の分離浮上抑制の所望の効果が得ら
れず、100ユニットを越えると酵素反応の制御か困難
になる。酵素反応条件は、通常pH4〜9、好ましくは
pH5〜8程度、反応温度は0〜70℃、好ましくは2
〜55℃である。反応時間は5分間〜48時間、好まし
くは10分間〜24時間が望ましい。反応終了後必要に
応じて、加熱などによりTGaseを失活させることが
できる。
【0019】本発明の安定化された脂肪を含む乳性酸性
飲料を得るために、前記TGase処理液に脂肪および
/または全脂乳を加えた後にホモゲナイザーにより均質
化処理を行なう。添加する脂肪は、獣乳など由来の動物
性脂肪またはコーン油、オリーブ油などの植物性脂肪の
いずれでも使用することができる。脂肪の含有量は、
0.05〜5.0重量%、好ましくは0.1〜2.0重
量%となるようにするのが望ましい。0.05重量%未
満では、まろやかさとこく味のある風味が得られ難く、
また、脂肪浮上の問題もほとんど生じない。5.0重量
%を越えると濃厚感が増して清涼感に欠ける風味とな
り、また、脂肪および/または脂肪と乳性蛋白質の会合
物の分離浮上を抑制することが困難になる恐れがあるの
で好ましくない。
【0020】脂肪を添加したTGase処理液に糖類お
よび糖アルコールなどの甘味料を含有させることができ
る。具体的には例えば、ブドウ糖、果糖、ガラクトース
などの単糖類、蔗糖、麦芽糖、乳糖などの2糖類、ラフ
ィノース、スタキオースなどのオリゴ糖類、ソルビトー
ル、マンニトール、エリスリトールなどの糖アルコール
類、アスパルテーム、ステビア抽出物、グリチルリチ
ン、アセスルファムKなどの高甘味度甘味料などを使用
することができる。甘味料の含有量は、脂肪を含むTG
ase処理液中に20重量%以下、好ましくは15重量
%以下が風味および清涼感の点から望ましい。
【0021】本発明において得られる安定化された脂肪
を含む乳性酸性飲料に、風味および清涼感などを付与す
るために、pHを3.0〜4.5、好ましくは3.2〜
4.0に調製し、脂肪を添加したTGase処理液を酸
性化する必要がある。
【0022】酸性化の方法は、有機酸類、無機酸類、果
汁またはこれらの混合物などを添加する方法、乳酸菌な
どの微生物を利用して発酵法により乳酸などの有機酸を
生成させる方法、あるいはこれらの併用による方法など
により行なうことができる。添加する有機酸としては、
乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸、琥珀
酸、フマール酸などが使用できる。無機酸類としては、
燐酸などが使用できる。このpH調製は、前記甘味料を
含有させた後に行なうのが好ましい。
【0023】さらに、必要に応じて、外観および風味を
向上させるために色素、香料、増粘剤などを添加しても
良く、添加時期は特に限定されるものではないが、好ま
しくはpH調製前後が望ましい。
【0024】本発明の乳性酸性飲料は、必要により前記
の甘味料等含有し、pH調製された脂肪を含む均質化さ
れたTGase処理液を、所望の容器などに充填する際
やその前後に、混入微生物による汚染対策のために加熱
殺菌処理を行なう。この加熱殺菌処理の条件は、従来の
乳性酸性飲料を製造するために行われている容器充填後
に85℃前後、l0分間程度で行なうことができる。こ
のような加熱殺菌処理後においても脂肪を含む乳性酸性
飲料は、従来よりも長期の保存安定性を保持することが
でき、さらに、脂肪含有量を増加させることもできる。
【0025】従来の脂肪を含む乳性酸性飲料の賞味期限
は、常温下において通常は6ケ月位であり、最大9ケ月
が限度である。本発明により得られる安定化された脂肪
を含む乳性酸性飲料は、所定の容器に充填され、常温下
に12ケ月保存した場合においても脂肪の分離浮上が認
められず、良好な外観および風味が保持される。特に、
温度変化の激しい環境下に置いた場合に、脂肪の分離浮
上が生じ易くなるが、本発明を実施することにより効果
が顕著に認められるようになる。
【0026】
【実施例】以下実施例により、さらに詳細に説明する
が、本発明の技術的範囲はこれらの記載内容に限定され
るものではない。
【0027】実施例1 脱脂粉乳1.8kgを7.2kgの温水に攪拌しながら
溶解する。これに、あらかじめ2.12kgの温水にゼ
ラチン〔(株)ニッピ製、商品名:ニッピゼラチンPA−
10〕490gを溶解させておいたものを加える。充分
に攪拌混合後に、混合液を加温し55℃に調節する。こ
の溶液にトランスグルタミナーゼ製剤〔味の素(株)製、
商品名:KS−100〕10重量%溶液400g添加
し、55℃で60分間反応する。尚、この時の反応液の
pHは6.5であった。また、乳性蛋白質およびゼラチ
ン混合物中の蛋白質1g当りのTGase添加量は3.
6ユニットであった。反応終了後にTGase処理液を
9O℃まで加熱し、TGaseを失活させたTGase
処理液を得た。
【0028】牛乳9.3kg、上記反応液12.0kg
および乳化剤〔三菱化学(株)製、商品名:シュガーエス
テルS−1570〕1重量%溶液13.8kgを均一に
攪拌混合した後、得られた混合液に果糖−ブドウ糖液糖
(固形分75重量%)18.0kg、50重量%クエン
酸溶液1.2kgおよび温水で懸濁調製したHMペクチ
ン〔雪印食品(株)、商品名:AYD−30〕2重量%溶
液15.0kgを加え攪拌混合する。次に50重量%ク
エン酸ナトリウム溶液でpH3.6に調整後に香料18
0gを加えた後、イオン交換水110.5kgを加えて
全量を180kgに調製した。尚、この液中の脂肪の含
有量は0.17%であった。
【0029】この液をラボラトリーホモゲナイザー(マ
ントンゴーリン社製、型式:15M−8BA)により、
圧力150kg/cm2、処理流量2,500ml/m
inで均質化処理を行った。次いで得られた均質化処理
液を95℃まで加熱殺菌し、透明ガラス壜容器(容量2
00ml)に熱時充填した後に室温まで冷却し、安定化
された脂肪を含む乳性酸性飲料を得た。
【0030】対照例1として、TGase10%溶液を
90℃(達温)まで加熱し失活処理したものを使用し、
以下は上記と同様の操作を行ない脂肪を含む乳性酸性飲
料を得た。尚、この時のTGaseの添加量は乳性蛋白
質およびゼラチン混合物中の蛋白質1g当り3.6ユニ
ットであった。
【0031】得られた各飲料について、プログラム恒温
器〔ヤマト科学(株)製、型式名:IN−800〕を使用
してサイクル保存試験を行なった。温度の設定は12時
間ごとに5℃と40℃を繰り返し上下させた。このサイ
クルを30日間くり返し浮上した脂肪層の厚さを測定し
た。さらに、製造直後の脂肪を含む乳性酸性飲料中に懸
濁する脂肪および凝集会合乳蛋白質の平均粒径をレーザ
ー回折式粒度分布計(島津製作所製、商品名:SALD
−1100)を用いて測定した。試験結果を表1に示
す。
【0032】
【表1】
【0033】実施例2 実施例1におけるゼラチン(ニッピゼラチンPA−1
0)使用量を250gとし、温水2.36kgに溶解さ
せ以下は実施例1と同様の処理操作を行なった。得られ
た各飲料について、実施例lと同様に保存試験を行なっ
た。試験結果を表2に示す。尚、この時の実施例2にお
けるTGaseの使用量は乳性蛋白質およびゼラチン混
合物中の蛋白質1g当り4.7ユニット、対照例2にお
けるTGaseの使用量も同一ユニットとした。
【0034】
【表2】
【0035】比較例1 全脂粉乳1.13kgおよび脱脂粉乳0.91kgを
6.96kgの温水に攪拌しながら溶解する。これに、
あらかじめ2.12kgの温水にゼラチン(ニッピゼラ
チンPA−l0)490gを溶解させておいたものを加
える。充分に攪拌混合後に、混合液を加温し55℃に調
節する。この溶液にTGase〔味の素(株)製、商品
名:KS−100〕10重量%溶液400g添加し、6
0分間反応する。反応終了後にTGase処理液を90
℃まで加熱し、TGaseを失活させたTGase処理
液を得た。
【0036】0.95kgの脱脂粉乳を8.35kgの
水に溶解し、上記反応液12.01kgおよび乳化剤
〔三菱化学(株)製、商品名:シュガーエステルS−15
70〕1重量%溶液13.8kgを均一に攪拌混合した
後、得られた混合液に果糖−ブドウ糖液糖(固形分75
重量%)18.0kg、50重量%クエン酸溶液1.2
kgおよび温水で懸濁調製したHMペクチン〔雪印食品
(株)、商品名:AYD−30〕2重量%溶液15.0k
gを加え攪拌混合する。次に50重量%クエン酸ナトリ
ウム溶液でpH3.6に調整後に香料180gを加えた
後、イオン交換水110.5kgを加えて全量を180
kgに調製した。
【0037】この液をラボラトリーホモゲナイザー(マ
ントンゴーリン社製、型式:15M−8BA)により、
圧力150Kg/cm2、処理流量2,500ml/m
inで均質化処理を行った。次いで得られた均質化処理
液を95℃まで加熱殺菌し、透明ガラス壜容器(容量2
00ml)に熱時充填した後に室温まで冷却し、脂肪を
含む乳性酸性飲料を得た。得られた飲料について、実施
例1と同様に保存試験を行なった。試験結果を表3に示
す。
【0038】
【表3】
【0039】
【発明の効果】長期または過酷な条件下において保存し
ても脂肪の分離浮上が抑制され、まろやかさとこく味を
有する嗜好性の高い脂肪を含む乳性酸性飲料を提供する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河上 夏絵 神奈川県相模原市淵野辺五丁目11番10号 カルピス食品工業株式会社基盤技術研究所 内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪を含む乳性酸性飲料であって、乳性
    蛋白質およびゼラチンおよび/またはゼラチン加水分解
    物を含有する原液をトランスグルタミナーゼで処理した
    ものを原料成分として用いたものであり、脂肪および/
    または脂肪と乳性蛋白質の会合物の分離浮上が抑制され
    たものであることを特徴とする安定化された脂肪を含む
    乳性酸性飲料。
  2. 【請求項2】 トランスグルタミナーゼによる処理が、
    乳性蛋白質とゼラチンおよび/またはゼラチン部分加水
    分解物を含む混合物1g当りトランスグルタミナーゼを
    0.1〜100ユニット作用させることである請求項1
    の安定化された脂肪を含む乳性酸性飲料。
  3. 【請求項3】 トランスグルタミナーゼで処理したもの
    へ全脂乳および/または脂肪を添加しpHを3.0〜
    4.5に調製した後、均質化後に加熱殺菌処理したもの
    である請求項1または2の安定化された脂肪を含む乳性
    酸性飲料。
  4. 【請求項4】 乳性酸性飲料中の脂肪含有量が0.05
    重量%以上5.0重量%以下である請求項1〜3のいず
    れかに記載の安定化された脂肪を含む乳性酸性飲料。
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