JPH1048926A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH1048926A
JPH1048926A JP8208562A JP20856296A JPH1048926A JP H1048926 A JPH1048926 A JP H1048926A JP 8208562 A JP8208562 A JP 8208562A JP 20856296 A JP20856296 A JP 20856296A JP H1048926 A JPH1048926 A JP H1048926A
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carrier
image
toner
developing
developer
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JP8208562A
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English (en)
Inventor
Migaku Fukuhara
琢 福原
Shigeru Inaba
繁 稲葉
Yutaka Kanai
豊 金井
Kazuhiko Yanagida
和彦 柳田
Ishi Kin
石 金
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】環境変化や経時変化の影響を受けにくく中間調
再現性のよい画像形成装置を提供することを目的とす
る。 【解決手段】現像バイアス電位と像担持体の全露光部電
位によって定まる現像コントラスト電位に対する現像ト
ナー量のカーブの傾きが、現像コントラスト電位が0近
傍にある時の傾きの1/5にある点の現像コントラスト
電位をVs、像担持体の全露光部電位をVd、現像バイ
アス電位をVb、キャリア表面に対するトナー被覆率を
Cv(%)、像担持体移動速度をPd、現像剤担持体移
動速度をPs、トナー濃度(%)をTC、キャリア粒径
(μm)をRとしたとき、 |Vs|<|Vb|−|Vd| 15≦Cv≦55(%) 0.8≦Ps/Pd≦2.1 120≦(TC×R×Ps/Pd)≦960 なる関係を満たすように設定されて成る画像形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真方式のディ
ジタルプリンタ及びディジタルコピアなどに用いられる
画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式により多階調を再現
するディジタル画像形成装置が広く用いられている。特
に、近年フルカラーディジタル画像形成装置の普及がめ
ざましい。フルカラーディジタル画像形成装置において
は、例えば、入力信号をイエロー、マゼンタ、サイア
ン、ブラックの4色のディジタル画像信号に変換し、こ
の各ディジタル画像信号に対応した光により像担持体を
露光して、像担持体上に静電潜像を形成し、イエロー、
マゼンタ、サイアン、ブラックの4色の現像器によりこ
れら静電潜像を順次現像して像担持体上に顕像を形成
し、転写手段により像担持体上の顕像を順次記録用紙上
に転写してフルカラー画像を得ている。
【0003】フルカラーディジタル画像形成装置の現像
方式としては、磁性を有するキャリアと色材を含むトナ
ーとから成る二成分現像剤を用い、この二成分現像剤
を、表面に磁極を有する現像剤担持体上に供給して現像
剤担持体上に現像剤がブラシ状に付着した磁気ブラシを
形成させ、この磁気ブラシを介して像担持体上の静電潜
像にトナーを転移させる二成分磁気ブラシ現像方式がよ
く知られている。この二成分磁気ブラシ現像方式は、安
定した現像濃度や帯電性能の点で他の方式よりも有利で
あるため広く採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この二成分
磁気ブラシ現像方式においては、現像剤担持体に印加す
る現像バイアスと像担持体の露光部位にて定まる現像コ
ントラスト電位と、その現像コントラスト電位で現像さ
れるトナー量との間には、一般に、図17に示すように
ほぼ線形の関係がある。
【0005】図17は、現像コントラスト電位と現像ト
ナー量とが線形関係にあり、飽和領域を持たない場合の
現像特性のグラフである。図17に示すように、この場
合の現像特性グラフはほぼ直線を示し、その傾斜は主に
トナー帯電量に依存する。例えば、トナー帯電量が低い
場合傾斜は急となり、現像コントラスト電位はこの傾斜
領域内に設定されるため、トナー帯電量が高い場合と比
較して同一の現像コントラスト電位での現像トナー量は
多くなる。そのため、この現像方式においては、温湿度
などの環境変化や現像剤の経時変化、或いはトナー濃度
の変化などにより、トナー帯電量は変化し現像トナー量
が変化してしまうという欠点を有している。また、感光
体の感度変動によるコントラスト電位自体の変動によっ
ても現像トナー量が変化し、画像濃度が変動する。
【0006】このような画像濃度の変動を防止する方法
として、従来から、現像トナー量と画像濃度の飽和特性
を利用した現像方法が広く採用されている。例えば、コ
ントラスト電位に対する現像トナー量の変化が図17に
示したように線形であっても、記録用紙上の画像濃度
は、あるコントラスト電位以上でほぼ飽和するという現
象を利用する。この飽和現象は、黒色現像剤において顕
著であり、記録用紙上にトナー層が1層以上現像される
ように現像コントラスト電位を設定すると、現像トナー
量が多少変動しても記録用紙には見かけ上安定した画像
濃度が得られる。しかし、この方法においては、原稿に
光照射しその反射光の強度に応じた露光光を像担持体に
照射するアナログ方式の画像形成装置では、中間調の再
現が犠牲になってしまうという問題がある。面積階調法
により中間調再現を行うデジタル方式の場合、白黒画像
用の画像形成装置であれば、上記の方法を採用すること
はできるが、現像トナー量が過剰となるために線再現性
が損なわれたり、トナー厚みが厚くなり過ぎて問題とな
ったりする。また、カラー画像用の画像形成装置におい
ては、複数色トナーの混合による画像形成のため画像濃
度の飽和が不明確になったり、余分な現像量が彩度を低
下させたり、光沢度を変化させたりする。従って、カラ
ー画像においては、上記方法では画像濃度の安定化を図
ることは難しい。
【0007】画像濃度の変動を防止する他の方法とし
て、特開昭61−272672号には、黒濃度に対応す
る露光量での電位検出結果により現像バイアスを制御す
る方法が開示されており、また、特開昭60−2097
53号には、像担持体の温湿度を検知して露光量を制御
する方法が開示されている。これらの、いわゆるプロセ
スコントロールによる方法では、像担持体の一部に経時
変化による感度変化が生じた場合や、像担持体の製造時
における厚膜変動による感度ムラには対処できない。
【0008】また、フィードバック方式のプロセスコン
トロールの場合、検知から制御までの時間遅れのため変
動に対して即時に追従できないという問題がある。とこ
ろで、現像コントラスト電位変動及びトナー帯電量変動
に対して現像トナー量を安定化させるためには、図17
に示したような現像コントラスト電位に対する現像トナ
ー量の線形性は必要ではなく、むしろ、図18に示すよ
うに、現像コントラスト電位に対して現像トナー量が飽
和領域を持つ現像特性であることが望ましい。
【0009】図18は、現像コントラスト電位に対して
現像トナー量が飽和領域を持つ現像特性のグラフであ
る。図18に示すように、この現像特性グラフにおい
て、現像トナー量は現像コントラスト電位の増加につれ
て右上がりの増加傾向を示すが、現像コントラスト電位
がVsに達すると、現像量は飽和状態となり、それ以上
に現像コントラスト電位を増加させても現像トナー量は
ほぼ一定値で推移する。このVs点以上の領域を飽和領
域である。
【0010】このような飽和領域内では現像トナー量が
トナー帯電量に依存しないため環境変化や経時変化にか
かわらず現像量は一定となり、階調性が維持される。ま
た、例えば現像コントラスト電位が感光体の感度変動な
どにより変化した場合も現像トナー量は変化せず安定し
た画像を得ることができる。図18に示すような現像特
性を利用した現像方式の代表的な方式としては、一成分
現像方式が知られており、例えば、電子写真学会誌第2
0巻第1号、第8〜17頁(1981年)にその記載が
ある。この一成分現像方式では、トナー飽和量は、現像
剤担持体上の層形成トナー量と、像担持体と現像剤担持
体との速度比との積で決定されるトナー供給量と一致す
る。但し、上記論文中に実験装置として使用されている
ような、像担持体と現像剤担持体間に空隙を有する装置
においては十分な飽和領域は得られない。また、例えば
中間調画像などにおいては、像担持体と対向した位置か
らトナー飛翔が起こるだけでなく、その周囲のトナーも
静電潜像に引かれて飛翔するため、安定した現像トナー
量が得られない。従って、中間調再現を必要とする画像
形成装置には一成分現像方式を使用することはできな
い。
【0011】また、電子写真学会誌第30巻第3号、第
293〜301頁(1991年)には、接触型の一成分
現像方式が記載されている。この方式においては中間調
再現においても、電位変動に対して安定した飽和濃度を
維持することが可能であるが、現像トナー量を決定する
現像剤担持体上のトナー付着量は環境変化や経時変化に
よって大きく変動する。これは現像剤担持体へのトナー
付着がトナー電荷による鏡像力と機械的な摩擦力によっ
て決定され、このトナー電荷が環境変化や経時変化によ
って大きく変化するからである。従って、この方式は、
環境変化や経時変化によるトナー帯電量の変化によって
画像濃度が変動するという欠点を有している。
【0012】これらの欠点を回避するためには、磁気吸
引力を利用して、現像剤担持体上から現像剤を剥離し剥
離した現像剤を像担持体に供給できる二成分現像方式が
有利である。二成分現像方式による現像方法としては、
例えば、特開昭61−130959号公報には、体積抵
抗率6.0×104 〜2.5×106 Ω・cmのフェラ
イト焼結粒子をキャリアとし、これを絶縁性トナーと組
合せて二成分現像剤として用いることにより、コントラ
スト電位に対する現像トナー量が飽和特性を示す方法が
開示されている。しかし、ここに記載されている例で
は、原稿の反射光を直接像担持体に照射することにより
静電潜像を形成しており、図17に示したように現像コ
ントラスト電位に対して現像トナー量が線形な領域のみ
を用いなければ十分な階調性を得ることができない。従
って、前述のように飽和領域を使う方式とは基本的に着
想の異なる方式といえる。なお、この公報に開示されて
いる現像剤のキャリアはフェライト焼結粒子のみで構成
されているが、一般に、このようなキャリアでは、トナ
ーの帯電制御をキャリア側で十分行なうことができない
ため、トナー側で帯電制御を行なわなければならない。
その際、トナーに要求される定着特性やクリーニング性
などをトナーに付与した上で、帯電特性を付与すること
は難かしい。また、トナーの外添剤として用いられる微
粉粒子やトナー成分によってキャリアが汚染され、帯電
性が低下して現像剤としての寿命が短縮されるという問
題もある。これらの問題を回避するために、一般的に
は、キャリアを、フェライト焼結粒子などから成るコア
材と、コア材を被覆する樹脂などから成るコート材とに
よって構成することにより、キャリアによる帯電制御と
コート材の選択によるキャリア表面のトナー付着低減と
を図ることが行われている。例えば、特開平1−120
566号公報に開示されているように、特定のコート材
を選択することによって帯電性が良く表面汚染性が良好
なキャリアを得ることができる。しかしながら、この方
法においては、樹脂によりキャリア表面が被覆されるた
め高抵抗なキャリアとなってしまい、そのため現像電界
が小さくなり、像担持体の使用される電位領域では現像
特性が飽和点に到達せずほぼ線形な現像特性領域で現像
が行われることとなる。前述のようにトナーの帯電量を
下げることによって現像特性曲線の傾きを変えて像担持
体の使用される電位領域を飽和領域とすることも不可能
ではないが、逆極性分布の部分が生じるため、かぶりが
発生する恐れがある。
【0013】また、飽和特性(図18参照)を利用した
二成分現像方式として、例えば、L.B.Shein
著、”Electrography and Deve
lopment Physics”(1992年)、第
152頁には、現像機構の解析のために行なった二成分
現像方式の実験結果が記載されているが、現像コントラ
スト電位に対して現像トナー量が飽和する領域を有効に
使用する技術思想は示唆されていない。
【0014】以上説明したように、長期間にわたり安定
性が高く、中間調再現に適した飽和現像特性を利用した
現像技術は完成されていないのが現状である。そこで、
これら上記の問題点を解決する方法として、飽和特性を
持つ二成分現像方式を二値化された静電潜像に適用する
ことによって安定した中間調再現を得る方法が考えられ
るが、実際に飽和現像領域を使うに当たっての具体的方
法が確立されていない。また、この方法においても、飽
和特性が不十分であったり画質欠陥が生じる恐れがある
などの問題点がある。例えば、飽和現像量はトナー濃度
に依存するが、トナー濃度が低過ぎるとキャリア表面の
トナー被覆率が低下し、低抵抗キャリアを使用している
ため高電界下ではキャリアと像担持体の間で絶縁破壊が
おきて潜像が破壊されるためにブラシ状の白抜けが発生
する。また、トナー被覆率が低下すると、低抵抗キャリ
アのため電荷が注入されたキャリアが像担持体側に引か
れてキャリア付着が起こる。一方、トナー濃度が高過ぎ
ると絶縁体であるトナーの割合が増え、現像剤全体とし
て高抵抗となり飽和特性が得られる領域から外れてしま
う。飽和現像量は現像剤担持体と像担持体との速度比に
も依存するが、速度比が低過ぎると、トナー濃度が高い
場合でも現像剤の像担持体に対する接触機会不足による
画質荒れが生じ、逆に速度比が高過ぎると、画像の後端
部の濃度が高くなるといった現象が発生し、カラー画像
では特に色相の変化となって現れ画質を損なう一因とな
る。
【0015】本発明は、上記の事情に鑑み、環境変化や
経時変化の影響を受けにくく中間調再現性のよい画像形
成装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の第1の画像形成装置は、静電潜像を担持して所定
の方向に移動する像担持体と、その像担持体を帯電した
後像担持体上に画像情報を担持した露光光を照射するこ
とにより像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成
手段と、所定の現像位置において上記像担持体に対向し
て配備された、トナー及びキャリアより成る2成分系の
現像剤を担持し上記現像位置において上記像担持体の移
動方向と同一方向に移動する現像剤担持体を有し、その
現像剤担持体と上記像担持体との間に現像バイアスを印
加すると共に、現像剤担持体の担持する現像剤中のトナ
ーを上記像担持体上の静電潜像に供給することによりそ
の像担持体上の静電潜像を現像してトナーによる顕像を
形成する現像手段とを備えた画像形成装置において、現
像バイアス電位と像担持体の全露光部電位によって定ま
る現像コントラスト電位に対する現像トナー量のカーブ
の傾きが現像コントラスト電位が0近傍にある時の傾き
の1/5にある点の現像コントラスト電位をVs、像担
持体の全露光部電位をVd、上記現像バイアス電位をV
b、キャリア表面に対するトナー被覆率をCv(%)、
像担持体移動速度をPd、現像剤担持体移動速度をP
s、トナー濃度(%)をTC、キャリア粒径(μm)を
Rとしたとき、 |Vs|<|Vb|−|Vd| 15≦Cv≦55(%) 0.8≦Ps/Pd≦2.1 120≦(TC×R×Ps/Pd)≦960 なる関係を満たすように設定されて成ることを特徴とす
る。
【0017】また、上記の目的を達成する本発明の第2
の画像形成装置は、静電潜像を担持して所定の方向に移
動する像担持体と、その像担持体を帯電した後像担持体
上に画像情報を担持した露光光を照射することにより像
担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、所
定の現像位置において上記像担持体に対向して配備され
た、各色のトナー及びキャリアより成る2成分系の現像
剤を担持し上記現像位置において上記像担持体の移動方
向と同一方向に移動する複数の現像剤担持体を有し、そ
の現像剤担持体と上記像担持体との間に現像バイアスを
印加すると共に、現像剤担持体の担持する現像剤中のト
ナーを上記像担持体上の静電潜像に供給することにより
その像担持体上の静電潜像を現像してトナーによる顕像
を形成する現像手段とを備えた画像形成装置において、
現像バイアス電位と像担持体の全露光部電位によって定
まる現像コントラスト電位に対する現像トナー量のカー
ブの傾きが現像コントラスト電位が0近傍にある時の傾
きの1/5にある点の現像コントラスト電位をVs、像
担持体の全露光部電位をVd、上記現像バイアス電位を
Vb、キャリア表面に対するトナー被覆率をCv
(%)、像担持体移動速度をPd、現像剤担持体移動速
度をPs、トナー濃度(%)をTC、キャリア粒径(μ
m)をRとしたとき、 |Vs|<|Vb|−|Vd| 15≦Cv≦40(%) 1.0≦Ps/Pd≦1.8 120≦(TC×R×Ps/Pd)≦560 なる関係を満たすように設定されて成ることを特徴とす
る。
【0018】ここで、上記本発明の第1及び第2の画像
形成装置が、上記現像剤担持体上のトナー濃度を検知す
るトナー濃度検知手段を有し、トナー濃度検知手段によ
り検知された結果に基づいて上記現像手段へのトナーの
供給量を制御するトナー供給量制御手段を備えたもので
あってもよく、また、上記本発明の第1及び第2の画像
形成装置が、上記現像剤担持体上のトナー濃度を検知す
るトナー濃度検知手段を有し、トナー濃度検知手段によ
り検知された結果に基づいて上記像担持体移動速度に対
する上記現像剤担持体移動速度の比を制御する速度比制
御手段を備えたものであってもよい。
【0019】また、上記静電潜像形成手段が、上記像担
持体上に、面積率約50%露光時の潜像コントラストが
上記像担持体の帯電電位と全露光時の表面電位とで形成
される潜像コントラストと一致する静電潜像を形成する
ものであってもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態
を内蔵したカラー複写機の概略構成図である。図1に示
されたカラー複写機の構成要素のうち、感光体ドラム1
が本発明にいう像担持体に相当し、静電潜像形成用帯電
器2、原稿読取り部10、光ビーム走査部20、及び光
ビームパルス幅変調回路(PWA)30などが本発明に
いう静電潜像形成手段に相当し、回転現像器3が本発明
にいう現像手段に相当する。
【0021】図1を参照しながらこのカラー複写機の動
作について説明する。原稿読取り部10の上部に下向き
に原稿がセットされ、その原稿に記録された画像が原稿
読取り部10により光電的に読み取られて画像信号が生
成される。光ビーム走査部20は、画像信号に基づいて
オン、オフ変調された光ビームを生成し、その光ビーム
25を、矢印方向に回転する感光体ドラム1上に、その
感光体ドラム1の回転方向(副走査方向)に垂直な主走
査方向、すなわちこの図1の紙面に垂直な方向に繰返し
走査する。
【0022】感光体ドラム1は、静電潜像形成用帯電器
2により一様に帯電された後、光ビーム走査部20から
の光ビーム25により主走査方向に繰返し走査される。
その光ビーム25は、光ビームパルス幅変調回路30で
画像信号に応じてオン、オフ変調されたものであり、こ
の光ビーム25により感光体ドラム1が露光され感光体
ドラム1上に静電潜像が形成される。感光体ドラム1上
に形成された静電潜像は、回転現像器3に対向した現像
位置に移動する。回転現像器3は、イエロー、シアン、
マゼンタ、黒色のトナーをそれぞれ有する4台の現像器
により構成されている。各現像器は、2成分磁気ブラシ
現像を用いた反転現像方式を採っている。この回転現像
器3は各色に対応した静電潜像を現像する度に回転し、
その色に対応したトナーでその静電潜像が現像される。
このとき、現像に用いられている現像剤担持体31には
バイアス電圧が印加され、静電潜像の背景部へのトナー
付着を抑制する。
【0023】現像により得られたトナー像は、感光体ド
ラム1の回転により、転写ドラム4に対向した転写位置
に至る。転写ドラム4には、用紙トレイ11から所定の
用紙搬送経路12を経由して搬送されてきた記録用紙
(図示せず)が、用紙吸着用帯電器4aの作用により転
写ドラム4の外周に吸着され、転写ドラム4の矢印方向
への回転に伴って感光体ドラム1と対向した転写位置に
搬送されてきており、感光体ドラム1上に形成されたト
ナー像は、転写位置において、転写帯電器4bの作用に
より、転写ドラム4の外周に吸着された記録用紙上に静
電転写される。
【0024】転写後の感光体ドラム1は、クリーナ5に
より残存するトナーの除去が行なわれ、前露光器6によ
り光が照射されて除電され、再び、静電潜像形成用帯電
器2により、次の静電潜像形成のための帯電が行なわれ
る。一方、転写ドラム4には、感光体ドラム1にイエロ
ー、シアン、マゼンタ、黒の各色のトナー像が順次形成
される間、一枚の記録用紙が吸着され転写ドラム4の回
転に伴って回転しており、各色のトナー像が転写位置に
到達するのと同期して転写ドラム4に吸着された記録用
紙も転写位置に搬送され、その一枚の記録用紙上に各色
のトナー像が順次重なるように転写される。
【0025】転写ドラム4に吸着された記録用紙上にイ
エロー、シアン、マゼンタ、黒の4色のトナー像の転写
が終了すると、その転写ドラム4に吸着された記録用紙
は、剥離用帯電器4cにより転写ドラム4との静電的な
吸着力が除去され、剥離爪4eにより転写ドラム4上か
ら剥離されて定着器9で定着され、さらに装置外部に搬
出される。一方、記録用紙が剥離された転写ドラム4は
除電用帯電器4dで除電され、再度画像形成を行なうと
きは、上記と同様にして、次の記録用紙が吸着される。
【0026】図2は、本実施形態のカラー複写機に用い
られる回転現像器の一部拡大図である。前述のとおり、
回転現像器3には、イエロー、シアン、マゼンタ、黒色
のトナーをそれぞれ有する4台の現像器が備えられてい
るが、図2にはそのうちの、1台の現像器が拡大して示
されている。図2に示すように、この現像器は、筐体3
3内に配置された、複数の固定磁石34と固定磁石34
の周囲を回転する現像スリーブ32とから成る現像剤担
持体31と、スクリューオーガ35などから成る。
【0027】なお、現像剤担持体31にはバイアス電源
37による直流重畳交流バイアス電圧が供給される。ト
ナーとキャリアが混合された二成分現像剤は、スクリュ
ーオーガ35により現像剤担持体31に供給され、現像
剤担持体31の周囲には二成分現像剤が現像剤担持体3
1内の固定磁石34の磁気力によって磁気ブラシとなっ
て、矢印A方向に回転するスリーブに伴われて矢印A方
向に搬送される。磁気ブラシは、層厚規制部材36によ
って一定の厚さに規制された後、現像剤担持体31と像
担持体1とが互いに対向する現像位置に搬送されると、
像担持体1上に形成された静電潜像と摺擦し現像が行わ
れる。現像が終了した現像剤は回転方向Aの下流側に搬
送され、同極性の固定磁石34a,34bによる磁気吸
引力の低下した現像剤剥離領域に至って現像剤担持体3
1から剥離される。剥離された現像剤はスクリューオー
ガ35により撹拌される。スクリューオーガ35で撹拌
されている現像剤に新たなトナーが補給され、撹拌され
現像剤として再調整された現像剤は再び現像剤担持体3
1に供給される。
【0028】なお、現像剤担持体31は図示しない制御
装置によって所定の移動速度に設定されており、その移
動速度は後述する条件(図8参照)により定められる
が、その条件内で、現像剤担持体31の移動速度を可変
とするよう構成してもよく、像担持体1の移動速度を可
変とするように構成してもよい。このように、本実施形
態では、安定的に飽和特性を実現するための現像手段と
して、二成分磁気ブラシ現像方式が採用されている。な
お、本発明にいう飽和特性を利用した現像方式とは、現
像バイアス電位と像担持体の全露光部電位によって定ま
る現像コントラスト電位に対する現像トナー量のカーブ
の傾きが現像コントラスト電位が0近傍にある時の傾き
の1/5にある点の現像コントラスト電位をVs、現像
バイアス電位と像担持体の全露光部電位によって定まる
現像コントラスト電位に対する現像トナー量のカーブの
傾きが現像コントラスト電位が0近傍にある時の傾きの
1/5にある点の現像コントラスト電位をVs、像担持
体の全露光部電位をVd、前記現像バイアス電位をVb
としたとき、 |Vs|<|Vb|−|Vd| なる関係を満たすように設定することによって、現像コ
ントラスト電位の変動によっても現像トナー量がほとん
ど変動しない飽和領域を利用して安定した画像形成を行
なうことを意味する。
【0029】ところで、従来の現像方式のように現像ト
ナー量が現像コントラスト電位とトナー帯電量に依存す
る方式とは異なり、本実施形態においては、トナー帯電
量が変動しても飽和領域に至るまでのカーブの傾きが変
化するだけで、図18に示すように、現像コントラスト
電位を飽和領域A内に設定することによって現像トナー
量自体は変化しない。飽和領域Aにおける飽和現像量
は、最終画像の目標現像量に合わせて決定される。最終
画像の目標現像量は、最終画像の濃度再現性や階調性、
粒状性、光沢度といった画質などに基づいて決定され
る。カラー画像の場合は、これらの項目に加え再現色域
の広さ、画質欠陥、現像後転写時の転写性などの項目が
加味される。この飽和現像量は、本実施形態の現像方式
においては、現像装置の現像領域へのトナー供給量によ
って定まり、そのトナー供給量はトナー濃度、及び現像
剤担持体と像担持体との移動速度の速度比に依存する。
トナー濃度が低過ぎるとキャリア表面に対するトナー被
覆率が低下し、高電界下で絶縁破壊によるブラシ状の白
抜けや、像担持体へのキャリア付着が発生する。逆にト
ナー濃度が高過ぎると現像剤としての抵抗を上昇させ飽
和特性が得られなくなるので、本発明の第1の画像形成
装置においては、キャリア表面に対するトナー被覆率は
15から55%の範囲内に設定する。
【0030】しかし、特に、カラー画像においては多重
転写性などの観点から目標現像量が黒色に対して低く設
定されているため、トナー被覆率は本発明の第1の画像
形成装置より低めに設定する。すなわち、本発明の第2
の画像形成装置においては、キャリア表面に対するトナ
ー被覆率は15から40%の範囲内に設定する。次に、
トナー被覆率の計算方法について説明する。まず、キャ
リア及びトナーはそれぞれ半径R及び半径rを持つ均一
な球であるものと仮定する。半径Rのキャリアのまわり
に半径rのトナーによってトナー層が形成されていると
するとトナー濃度TC及びトナー被覆率Cvは下式で表
せる。
【0031】K=r/R TC=((6K+12K2 +8K3 )ρt ・Cv・p)
/(ρc +(6K+12K2 +8K3 )ρt ・Cv・
p)×100(%) Cv=TC・ρc /(1−TC)(6K+12K2 +8
3 )ρt ・p ここで、ρt :トナーの比重 ρc :キャリアの比重 p=π/3√3:トナーの細密充填密度(平面近似) キャリア粒径は、キャリアの飛散、像担持体への付着防
止及び十分な画像濃度と画質を両立させるため、30〜
80μmの範囲内とすることが望ましい。
【0032】このような現像手段に用いるキャリアとし
ては、体積抵抗率108 Ω・cm以下であることが望ま
しい。なぜなら、高抵抗キャリア(≧109 Ω・cm)
を用いた場合は現像電界が弱いために現像曲線の立ち上
がりが緩やかとなり、現像剤層内に存在する電界のため
に、現像剤層表面のトナーばかりでなく現像剤層内部の
トナーも像担持体に移行するため、現像コントラスト電
位が非常に高くなり現像電界を完全に中和するまで飽和
特性が得られないからであり、低抵抗キャリアを用いた
場合は現像電界が強いために現像曲線の立ち上がりが急
峻となり、現像剤層内が導電性に近くなり電界が存在し
ないため現像剤層表面のごく近傍のトナーしか現像に寄
与せず現像トナー量が飽和するからである。
【0033】また、キャリアのコート材の体積抵抗率
は、101 Ω・cm以上108 Ω・cm以下であること
が望ましく、キャリアのコア材の体積抵抗率は101 Ω
・cm以下であることが望ましい。なぜなら、コート材
の抵抗とコア材の抵抗のバランスによってキャリア全体
の抵抗が規定され、キャリア全体の抵抗により上述の飽
和領域の出現が左右されるものであることに加え、コー
ト材の抵抗がコア材の抵抗に比較して小さくなると、コ
ート材側に電荷が集まりやすく、キャリア内部よりも像
担持体により近いキャリア表面部に電荷が誘起され、結
果として像担持体側へキャリアが強く引かれキャリア付
着から転写時の白抜けを起こす恐れがあるからである。
また、低抵抗キャリアをトナー濃度が低い状態で使用す
ると、高電界下においてキャリアと像担持体の間で絶縁
破壊が起きて潜像が破壊されるためにブラシ状の白抜け
が発生する可能性がある。この現象はキャリアの表面抵
抗が低いことに起因するものであるから、コート材の体
積抵抗率としては101 Ω・cm以上で108 Ω・cm
以下とすることが望ましい。
【0034】また、像担持体のキャリア付着の回避には
キャリアの磁力を上げることが最も効果的であるので、
キャリア全体としての飽和磁化としては60emu/g
以上、好ましくは、70emu/g以上とすることが望
ましい。また、現像手段に印加する現像バイアスとして
は、直流電界に交番電界を重畳したバイアスを用い、V
p−pとしては100V以上700V以下、周波数とし
ては4kHz以上20kHz以下とすることが望まし
い。これは、現像バイアスは飽和特性には直接影響を与
えないが、交番電界を印加することによりトナーとキャ
リアの間、あるいはトナーと現像剤担持体の間の非静電
的付着力や磁力、鏡像力の影響を小さくし、飽和状態の
出現を安定なものにするという効果が得られるからであ
る。また、交番電界による振動によって非画像部かぶり
の発生を抑えることができるが、Vp−pを過大にする
とキャリア抵抗が低いためにリークが発生するので、上
記の範囲内での使用が望ましい。また、現像バイアスの
周波数が低過ぎると非画像部かぶりが発生し、あまりに
周波数が高い場合はトナーの追従性が悪くなり上記効果
が失われるので、上記の範囲内での使用が望ましい。
【0035】次に、本実施形態において、静電潜像形成
手段が、像担持体上に面積率約50%露光時の潜像コン
トラストが静電像担持体の帯電電位及び全露光時の表面
電位とで形成される潜像コントラストとほぼ一致する、
二値化された静電潜像を形成するものである場合につい
て説明する。従来、例えば高線数での中間画像面積率の
露光を行なった時などに光ビームが分布を持っているた
め潜像レベルで露光エネルギプロファイルのコントラス
トが低下し、現像電界が弱まる結果、最終画像が悪化す
ることがある。この露光エネルギプロファイルのコント
ラスト低下は、画素間距離を大きくとるか、ビーム径を
小さくすることにより解決することができるが、最近の
高画質化の要求下では単純に画素間距離を大きくするこ
と、すなわち低線数化することは避けなければならない
ので、従来の像担持体を使用する場合、ビーム径を小径
化することが必要となってくる。しかし、図3に示すよ
うに、いわゆるS字形状の光電位減衰特性を持つ像担持
体の場合は、露光エネルギを適切に調整することでビー
ム径が多少大きくとも露光エネルギプロファイルのコン
トラストを維持することができる。
【0036】図3は、S字形状の光電位減衰特性のグラ
フである。図3に示すように、像担持体の光電位減衰特
性がある領域までは変動せず急激な過渡領域を経てほぼ
電位0近くまで減衰している。このような像担持体を用
いることにより、二値化された静電潜像形成が可能とな
るが、二値化された静電潜像に対して、前述の飽和特性
を利用した現像方式を用い、この飽和領域の範囲内で現
像が行なわれるように現像バイアスを設定することによ
り、環境変化や経時変化によるトナー帯電量の低下や像
担持体の感度ムラなどに対しても現像トナー量は安定
し、良好な画像再現が可能となる。この方式は多階調な
どが要求されるカラー画像形成装置などに特に好適であ
る。
【0037】次に、本実施形態の装置を使用して行った
実施例を比較例と共に説明する。ここでは、先ず本実施
例及び比較例に用いられたキャリアについて説明する。
本実施例に用いられるキャリアは、カーボンブラックを
分散させた樹脂でコーティングされている。カーボンブ
ラックは、特に限定されるものではなく、コート剤や電
気抵抗率との関係から適当なものが選択される。なお、
導電性を呈する粉体で前述の要件を満たすものであれば
必ずしもカーボンブラックに限定されるものではない。
また、特定の種類のものを単独で用いても、複数の種類
のものを混合して用いてもよい。
【0038】また、キャリアのコア材には、低抵抗の特
性を示すマグネタイトが用いられるが、マグネタイトの
みに限定されるものではない。以下に、本実施例に用い
られたキャリアA,B,Cの特性を示す。 (キャリアA:10-1Ω・cm) 粒径: 50μm カーボンブラック:(VXC72、キャボット社製) 15体積% コア材:マグネタイト(MX030A、富士電気化学社製) 100重量部 トルエン: 13.5重量部 スチレン−メタクリレート共重合体(共重合比20:80) 1.8重量部 コア材抵抗: 10-5Ω・cm コート材抵抗: 101 Ω・cm 飽和磁化: 70emu/g (キャリアB:102 Ω・cm) 粒径: 50μm カーボンブラック:(VXC72、キャボット社製) 12体積% コア材:マグネタイト(MX030A、富士電気化学社製) 100重量部 トルエン: 13.5重量部 スチレン−メタクリレート共重合体(共重合比20:80) 1.8重量部 コア材抵抗: 10-5Ω・cm コート材抵抗: 103 Ω・cm 飽和磁化: 70emu/g (キャリアC:108 Ω・cm) 粒径: 50μm カーボンブラック:(VXC72、キャボット社製) 8体積% コア材:マグネタイト(MX030A、富士電気化学社製) 100重量部 トルエン: 13.5重量部 スチレン−メタクリレート共重合体(共重合比20:80) 1.8重量部 コア材抵抗: 10-5Ω・cm コート材抵抗: 105 Ω・cm 飽和磁化: 70emu/g 次に、比較例のキャリアD〜Gの特性を示す。 (キャリアD:106 Ω・cm) 粒径: 50μm カーボンブラック:(VXC72、キャボット社製) 14体積% コア材:フェライト(F−300、パウダテック社製) 100重量部 トルエン: 12.3重量部 スチレン−メタクリレート共重合体(共重合比20:80) 1.7重量部 コア材抵抗: 108 Ω・cm コート材抵抗: 101 Ω・cm 飽和磁化: 60emu/g (キャリアE:富士ゼロックス社製キャリア:109 Ω・cm) 粒径: 50μm コア材:フェライト(F−300、パウダーテック社製) コア材抵抗: 108 Ω・cm 飽和磁化: 60emu/g (キャリアF:1011Ω・cm) 粒径: 50μm コア材:フェライト 100重量部 トルエン: 14重量部 スチレン−メタクリレート共重合体(共重合比20:80):1.0重量部 飽和磁化: 50emu/g (キャリアG:106 Ω・cm) 粒径: 50μm カーボンブラック:(VXC72、キャボット社製) 10体積% コア材:フェライト(C28−FB、富士電気化学社製) 100重量部 トルエン: 13.5重量部 スチレン−メタクリレート共重合体(共重合比20:80):1.8重量部 コア材抵抗: 104 Ω・cm コート材: 104 Ω・cm 飽和磁化: 50emu/g また、トナーとしては市販のカラー用トナーを用い、こ
れを上記キャリアと混合した後、タービュラシェイカミ
キサ(Inversina社製)により3分間混合した
ものを用いる。なお、トナーの平均粒径は7μmであ
る。
【0039】次に、本発明の実施例に用いたキャリアの
抵抗率測定方法について説明する。図4は、キャリアの
抵抗率を測定する装置の概要図である。図4に示すよう
に、このキャリア抵抗率測定装置50には、内部に固定
磁石51が配備された回動自在なシリンダ52と、シリ
ンダ52と対向配置されたセル53と、セル53の両側
に配備されたガード電極54と、セル53にバイアスを
印加するための直流電源55と、バイアス電圧及びバイ
アス電流を測定する電圧計56及び電流計57が備えら
れている。シリンダ52は現像器の現像剤担持体を模し
たものであり、また、セル53は画像形成装置の像担持
体を模したものである。
【0040】このように構成されたキャリア抵抗率測定
装置50のシリンダ52表面に現像剤を供給し現像剤層
厚規制板58により所定層厚の現像剤層59を形成し、
10 6 V/mのバイアス電圧を印加した時に電流計57
に流れる電流値を測定する。そして、セル53に対向す
る部分の現像剤層が占める体積からキャリア抵抗率を算
出する。なお、セル53の寸法はシリンダ軸方向に60
mm、シリンダ幅方向に5mmである。また、セル53
とシリンダ52とのギャップは2.2mmとした。現像
剤層厚は、現像剤層59をセル53に当接させシリンダ
52を回転させた時にセル53との間で現像剤詰りを発
生させない厚さに調節する。なお、低抵抗のキャリアの
場合、バイアス電圧を106 V/mまで上げる前にブレ
イクダウンを起こす場合があるが、その場合は、電界の
1/2乗と電流密度の関係から106V/m時の抵抗値
を外挿しこれを用いてキャリア抵抗率を求めた。
【0041】次に、前述のキャリアA〜Gを用いて実施
例及び比較例について説明する。 (実施例1)図5は、キャリアA、B、C、D、E、F
を用いて作製した現像剤による現像量曲線を示すグラフ
である。図5には、キャリアA、B、C、D、E、Fを
負帯電トナーと混合し、それを図1に示す画像形成装置
の回転現像器3に入れ、現像バイアス条件を調整しなが
ら現像テストを行って得られた現像量曲線が示されてい
る。この時の実験条件は表1に示すとおりである。
【0042】
【表1】
【0043】表1に示すとおり、像担持体と現像剤担持
体とは互いに異なる方向、すなわち接点上では互いに同
一接線方向に移動するウイズモードで回転させた。像担
持体と現像剤担持体との速度比は1である。図5に示す
ように、体積抵抗率108 Ω・cm以下のキャリアA,
B,C,Dでは現像曲線は飽和特性を示しており、現像
コントラスト電位が500V以上に上昇しても現像トナ
ー量はほぼ一定に保たれていることがわかる。これに対
して、体積抵抗率109 Ω・cm以上のキャリアE,F
では、現像曲線は飽和特性を示さず、現像トナー量はコ
ントラスト電位の増加に応じて増加し続ける。また、現
像曲線の立ち上がりの傾きはキャリア抵抗が低いものほ
ど急峻となっている。この傾きはトナー帯電量にも依存
し、例えばトナー帯電量が低くなると傾きは高くなる
が、それぞれの現像剤において傾きをトナー帯電量で正
規化した後も、キャリア抵抗に依存していることが明ら
かとなった。この理由としては、抵抗の低いキャリアの
場合、現像電界が強いため現像曲線の立上りが急峻とな
るが、現像剤層内は導電性に近く、電界が存在しないた
め現像剤層表面近傍のトナーのみが現像に寄与し、この
現像剤層表面近傍のトナーが現像完了となって現像量が
飽和に達する。これに対し、抵抗の高いキャリアの場
合、現像電界が弱いため現像曲線の立ち上がりが緩やか
となるが、現像剤層内に電界が存在するため、現像に寄
与するトナーは現像剤層表面のトナーだけでなく、内部
のトナーまで現像に寄与することとなり、飽和が起こり
にくいと考えられる。 (実施例2)図6は、種々の環境条件下における現像テ
ストの結果を示すグラフである。
【0044】図6には、キャリアB、Eを用い、種々の
温湿度条件下で実施例1と同様の現像テストを行って得
られた現像量曲線が示されている。実験条件は表1に示
した条件と同様である。また、現像コントラスト電位は
500Vとした。図6に示すように、体積抵抗率108
Ω・cm以下のキャリアB(本実施例)を用いた場合
は、同一のトナー濃度下で温湿度の変化によりトナー帯
電量を変化させても飽和領域の現像量は変動しないが、
体積抵抗率109 Ω・cm以上のキャリアE(比較例)
を用いた場合は、温湿度の変化に伴うトナー帯電量変化
の影響により現像量が変動している。前述のように、こ
の現象が従来の現像方式の問題点である。
【0045】図6に示す実験結果から、飽和特性はトナ
ー帯電量に依存しないことが明らかである。 (実施例3)図7は、現像剤担持体上の現像剤重量と現
像トナー量比率との関係を示すグラフである。
【0046】図7には、キャリアB、Eを用い、現像剤
担持体上の単位面積当たりの現像剤重量を変化させた場
合の現像トナー量の変化の様子が示されている。図7の
縦軸は、現像剤担持体上の現像剤重量を、初期値45m
g/cm2 を1として正規化し、初期値に対する比率と
して表示したものである。なお、現像コントラスト電位
は500Vとした。
【0047】図7に示すように、体積抵抗率109 Ω・
cmのキャリアE(比較例)を用いた場合は、現像剤担
持体上の単位面積当たりの現像剤重量を増加するにつれ
て現像トナー量比率も増加していくが、体積抵抗率10
8 Ω・cmのキャリアB(本実施例)を用いた場合は、
単位面積当たりの現像剤重量が増加しても現像トナー量
比率はほとんど変化しない。これは、前述のように、高
抵抗のキャリアを用いた場合は、現像電界が弱く現像剤
層内に電界が存在し、現像剤層の表面のトナーが現像に
寄与するだけでなく現像剤層内部のトナーまで現像に寄
与するため、現像剤担持体上の単位面積当たりの現像剤
重量が増加するにつれて、現像トナー量も増加する。一
方、低抵抗のキャリアを用いた場合は、仮想の現像電極
が現像剤層表面近傍まで近づくが、単位面積当たりの現
像剤重量が増加するにつれて現像剤層中の導電路がさら
に増加し、仮想の現像電極位置がさらに像担持体側に近
づき、現像剤層表面に近いトナーのみが現像に寄与する
ようになる。そのため単位面積当たりの現像剤重量は増
加するが、現像電界の影響を受けるトナーは現像剤層表
面近傍に存在するものに限定され、結果として現像トナ
ー量は変化しなくなるものと考えられる。従って、低抵
抗キャリアを用いた場合は、例えば、層厚規制部材の作
動状態の変動などにより現像剤担持体上の単位面積当た
りの現像剤重量が変動しても飽和現像量は変化しないこ
とが明らかである。 (実施例4)図8は、現像トナー量に対するトナー濃
度、及び現像剤担持体と像担持体の速度比の関係を表わ
すグラフである。
【0048】図8には、キャリアCを用いて、トナー濃
度、及び現像剤担持体と像担持体の移動速度の比(以
下、速度比という)を変更した場合の現像トナー量の変
化を測定した結果が示されている。この時の現像コント
ラスト電位は500Vであり、トナーとしてはマゼンタ
トナーを使用し、キャリア粒径は50μmとした。図8
に示すように、速度比の増加に伴い現像トナー量は直線
的に増加するが、その直線の傾きはトナー濃度によって
決まり、トナー濃度が3%から4%へ、さらに5%へと
増加するに従って直線の傾きは急峻となっている。図8
におけるトナー濃度の範囲内では500Vのコントラス
ト電位で現像トナー量は飽和しているので、飽和現像ト
ナー量はトナー濃度と速度比に依存することがわかる。
図8の結果から、目標とする現像トナー量を得るための
トナー濃度と速度比の関係を計算で求めることができ
る。
【0049】ところで、現像剤担持体と像担持体との速
度比は、低過ぎるとトナー濃度が高く設定されていても
像担持体に対する接触機会不足による画質荒れが生じ、
高過ぎると画像後端部の濃度が高くなるといった画像欠
陥を生じるため、0.8以上2.1以下とする必要があ
る。特に、カラー画像においては画質に関する要求が厳
しく、また、濃度変化は色相の変化につながるため、現
像剤担持体と像担持体との速度比は1.0以上1.8以
下とすることが望ましい。
【0050】図9は、目標現像トナー量を得るためのト
ナー濃度と速度比との関係を示すグラフである。目標現
像トナー量は、ベタ部の単位面積当たり0.45mg/
cm2 、0.55mg/cm2 、0.65mg/cm2
の3水準とした。この目標現像トナー量は最終画像の濃
度再現性や階調性、粒状性、光沢度といった画質面か
ら、さらにカラー画像の場合は再現色域の広さ及び画質
欠陥や現像後転写時の転写性などから決定される。単位
面積あたりの現像トナー量が低過ぎると、濃度再現性や
階調性、粒状性、光沢度などが低下したり、あるいは再
現色域の広さが減少したりするという問題が生じ、逆
に、単位面積当たりの現像トナー量が高過ぎると、階調
性の低下、特に転写性の悪化が生じる。そこで、これら
の問題点に鑑み、カラー画像の場合は、0.65mg/
cm2 程度に設定される。ちなみに、粒径7μmのトナ
ーを使用しそれを細密充填構造で1層現像した場合の単
位面積当りの現像トナー量を計算すると、0.51mg
/cm2 となる。そこで、トナーの色材重量を増加させ
たり、転写性を向上させることによって上記の問題点を
解決しながらより低い現像トナー量を実現させることが
可能であるため、目標現像トナー量は上記3水準に設定
した。
【0051】図9に示すように、目標現像トナー量が低
くなるとそれに応じてトナー濃度、速度比とも低く設定
する必要がある。次に、トナー被覆率及び速度比が画質
欠陥及び飽和安定性に及ぼす影響について説明する。表
2は、トナー被覆率が画質欠陥及び飽和安定性に及ぼす
影響の評価結果を示す表である。
【0052】
【表2】
【0053】この評価テストはキャリアCを用いて行わ
れた。また、目標現像トナー量は、黒画像の場合0.8
〜1.0mg/cm2 、カラー画像の場合0.45〜
0.65mg/cm2 とし、この時、目標現像量との関
係で、速度比をある一定範囲内で変化させてテストを行
った。この評価結果から、トナー被覆率Cvが15%以
下の場合は速度比を上げてもトナー供給量の不足が生じ
画像荒れが目立ち、また低抵抗であるキャリア表面が像
担持体に接触する機会が増えるため絶縁破壊が生じ潜像
を破壊するブラシ状の白抜けが顕著に発生した。さら
に、目標現像トナー量を得るために速度比を上げること
に伴い画像後端部が高濃度になる現象も見られる。トナ
ー被覆率Cvが15%以上40%以下の範囲、及び40
%以上55%以下の範囲では一部画質欠陥の発生が見ら
れるが、全体としてはほぼ許容範囲内である。しかし、
トナー被覆率Cvが40%以上55%以下の範囲では、
現像剤抵抗の上昇も伴い現像量の増加傾向が見られ飽和
安定性がやや低下し始める。このことは、色相や階調性
の面で要求特性が厳しいカラー画像の場合に問題となる
可能性がある。トナー被覆率Cvが55%以上になる
と、さらに飽和安定性が失われ許容不可能なレベルに達
する。従って、トナー被覆率は15%以上55%以下の
範囲内で使用される必要があり、画質要求の厳しいカラ
ー画像の場合は15%以上40%以下の範囲内での使用
が望ましい。
【0054】表3は、速度比が画質欠陥及び飽和安定性
に及ぼす影響の評価結果を示す表である。
【0055】
【表3】
【0056】この評価テストは表2の場合と同様キャリ
アCを用い、目標現像トナー量も表2の場合と同様の条
件下で行われた。なお、目標現像量との関係でトナー被
覆率Cvをある一定範囲内で変化させてテストを行っ
た。この評価結果から、速度比Ps/Pdが0.8以下
の場合は、トナー被覆率Cvを上限値まで上げても画質
荒れ、ブラシ状白抜けが許容範囲を越えており、速度比
Ps/Pdが0.8以上1以下の場合は、カラー画像に
おいて中間調画像の粒状性悪化のため許容不可能なレベ
ルに達する。速度比Ps/Pdが1以上2.1以下の場
合は、すべての画質欠陥がほぼ許容範囲内に納まるが、
速度比Ps/Pdの上昇に従い画像後端部の高濃度化が
目立ち始め、カラー画像においては色相変動、階調変動
を惹き起こす。速度比Ps/Pdが2.1以上の場合
は、目標トナー濃度に対応してトナー被覆率Cvを下げ
て使用するため、結果として表2と同様、白抜けの発生
が顕著となる。また、画像後端部の高濃度化も一層顕著
となる。これらの観点から、速度比Ps/Pdは0.8
以上2.1以下の範囲内で使用する必要があり、カラー
画像においては速度比Ps/Pdは1.0以上1.8以
下の範囲内での使用が望ましい。
【0057】さらに、上記のトナー被覆率Cvから求め
られるトナー濃度TCと、キャリア粒径Rと、速度比P
s/Pdとの積(TC×R×Ps/Pd)との関連か
ら、キャリア粒径Rが非常に小さい場合は、キャリア自
体の飽和磁化が弱まり、結果としてキャリア飛散や像担
持体へのキャリア付着が発生する。またキャリア粒径R
が所定値よりも大きい場合は、キャリア間に隙間が多く
なりその結果、飽和特性が得られにくくなったり、また
画質レベルが悪化したりする。従って、積(TC×R×
Ps/Pd)は120以上960以下の範囲内である必
要があり、さらにカラー画像においては積(TC×R×
Ps/Pd)は120以上560以下の範囲内であるこ
とが望ましい。
【0058】表2及び表3に示した画像欠陥は、特にカ
ラー現像剤の場合に大きな問題となる。それは、カラー
画像には特に高画質が要求され、また、カラー画像の場
合、微妙な濃度変化が階調や色相の変化につながるため
である。黒画像の場合は、記録用紙の下地が見えやすい
ことや、ライン部の画像の細線再現性が問題となるため
目標現像トナー量が0.80〜1.00mg/cm2
と、カラー画像の場合に比較して高いため、トナー濃度
が8%と高くトナー被覆率が55%となる場合でも、速
度比は1.2と、カラー画像の場合より高い値で使え
る。また、逆に、トナー濃度を下げてトナー被覆率が低
下した場合でも、速度比上昇による画像後端部の濃度上
昇が目立ちにくいため、結果としてトナー被覆率、速度
比とも画質面からの許容範囲が広くなる。
【0059】以上の結果から、カラー画像においてはト
ナー被覆率は15%以上40%以下であることが望まし
く、速度比は1.0以上1.8以下であることが望まし
い。黒画像においてはトナー被覆率の上限を55%まで
広げることができ、速度比も0.8以上2.1以下まで
の使用が可能である。本実施例においては、目標トナー
現像量を達成するための上記トナー被覆率及び速度比の
範囲内において画質欠陥が認められず良好な飽和特性を
得ることができた。 (実施例5)表4は、キャリアA,B,C,Dにおける
コア材とコート材の抵抗値及び像担持体へのキャリア付
着状況を示す表である。
【0060】
【表4】
【0061】表4に示すように、本実施例のキャリア
A,B,Cの場合は、像担持体へのキャリア付着の発生
はみられず問題はないが、比較例として挙げたキャリア
Dにおいては、像担持体へのキャリア付着の発生が顕著
であった。この原因としては、キャリアDはコア抵抗が
108 Ω・cmでコート抵抗が101 Ω・cmと、コー
ト材の抵抗がコア材の抵抗より低いため、コート材側に
電荷が行きやすく、キャリア内部よりも像担持体に近い
キャリア表面部に電荷が誘起され、結果としてキャリア
が像担持体側に引かれやすくなり、キャリア付着を起こ
すからであると考えられる。コート抵抗がコア抵抗より
高いキャリアA,Bにおいてはキャリア付着は一部にし
か発生せず、キャリアCにおいてはキャリア付着の発生
はみられない。すでに図5を参照して説明したように、
体積抵抗率108 Ω・cm以下のキャリアA,B,C,
Dを用いることにより飽和特性を得ることができるが、
このうちキャリアDのみに像担持体へのキャリア付着が
発生することから、キャリアのコア抵抗はコート抵抗よ
り低いことが望ましい。 (実施例6)図10は、キャリアA,B,D,Eを用い
た場合のキャリア磁化と像担持体へのキャリア付着量の
関係を示すグラフである。
【0062】図10に示すように、本実施例のキャリア
A,B,Eを用いた場合は像担持体へのキャリア付着量
は少ないが、比較例のキャリアDを用いた場合はキャリ
ア付着量が多い。キャリアDは、コア材の磁化が低いた
め、キャリア全体の磁化が50emu/gと低く、それ
がキャリア付着の主要因であろうと考えられる。よって
キャリア付着防止の観点からキャリア磁化は60mu/
g以上であることが望ましい。 (実施例7)図11は、現像バイアス周波数及び交番成
分のピーク電圧を変化させた場合の現像曲線のグラフで
ある。
【0063】この実施例ではキャリアCを用い、実験条
件としては、現像バイアス以外は表1に示した条件と同
様の条件で実験を行った。図11に示すように、現像バ
イアス周波数及び交番成分のピーク電圧(以後Vp−p
と表わす)を変化させても現像曲線には大きな変化はな
く、飽和現像量には現像バイアスは影響しないことが明
らかである。しかし、交番成分のピーク電圧が800V
以上では現像剤担持体と像担持体との間にリークが発生
して、白抜けや濃度低下などの画像欠陥が生じた。ま
た、現像バイアス周波数が4kHz以下の場合は非画像
部かぶりを発生した。その結果を図12に示す。
【0064】図12は、現像バイアス周波数と非画像部
かぶりの関係を示すグラフである。図12の縦軸は明度
* を表しており、この値が低いほどかぶりが多いこと
を示す。図11及び図12に示す結果からみて、直流電
界に電圧100V以上700V以下、周波数4Hz以上
20kHz以下の交番電界を重畳させた現像バイアスを
使用することが望ましい。 (実施例8)図13は、図3に示した光減衰特性を持つ
像担持体とキャリアCとを用いて画像濃度についての維
持性実験を行った結果を示すグラフであり、図14は、
図3に示した光減衰特性を持つ像担持体とキャリアCと
を用いて肌色再現色差についての維持性実験を行った結
果を示すグラフである。
【0065】表5は、図13及び図14における実験条
件を示す表である。
【0066】
【表5】
【0067】図13及び図14に示すように、出力枚数
の増加にもかかわらず、ベタ部の画像濃度再現性は安定
しており、また、肌色などの中間調の再現性も安定して
いる。この原因は、静電潜像が中間調域においても充分
なコントラスト電位を持っていて、本実施形態における
飽和領域の利用との組み合わせにより二値化された静電
潜像に対して安定した中間調再現性が得られることが確
認された。 (実施例9)図15は、キャリアの経時変化による現像
特性への影響を示すグラフである。
【0068】使用したキャリアはキャリアB(本実施
例)、及びキャリアE(比較例)の2種類である。模擬
的に経時変化させた現像剤を調製するため、新しい現像
剤を図3に示した現像器により約6時間(10,000
枚コピーに相当する時間)連続撹拌を行った。この撹拌
処理前後のトナー帯電量を表6に示す。
【0069】
【表6】
【0070】キャリアB,Eともに撹拌後の帯電量は初
期帯電量の約2/3程度に減少している。ここで、現像
トナー量は像担持体上のトナー現像重量を表わす。図1
5に示すように、キャリアBの場合は、経時変化による
現像特性への影響はほとんど認められないが、キャリア
Eの場合は、経時変化後の現像トナー量は初期状態にお
けるより大幅に増加し現像曲線の形状が大きく変化して
いる。このことから、現像トナー量がトナー帯電量に依
存せず、トナー供給量によって決定されることがわか
る。
【0071】次に、本発明の画像形成装置の他の実施形
態について説明する。前述のように、飽和現像量はトナ
ー濃度と速度比に依存し、これによって目標現像濃度が
決定される。従って、現像濃度は電位変動やトナー帯電
量変動には左右されないが、トナー濃度の変化や速度比
の変動による影響を受ける。従って、トナー濃度の変化
を検知しトナー供給量を制御するトナー供給量制御手
段、あるいは速度比の変動を検知し速度比を制御する速
度比制御手段を設けることが望ましい。従来から現像剤
担持体上のトナー濃度を検知する手段は知られている
が、トナー濃度の変化により帯電量も変動し、この帯電
量の変動によって直接現像量が変化し、また、環境変化
によっても帯電量が変化するため、トナー濃度検知結果
から直接トナー供給量を決定することはできず、データ
テーブルなどを用いた複雑な補正が必要であった。しか
し、本実施形態では帯電量変動による現像量変動が無い
ため、トナー濃度検知結果から直接トナー供給量を決定
するトナー濃度制御手段を作動させることができる。ま
た速度比を変化させることによってもトナー供給量を制
御することができるため、トナー濃度検知結果から速度
比を制御することも可能である。トナー供給量制御手段
と速度比制御手段のどちらか一方を作動させてもよい
し、両方を作動させてもよい。
【0072】図16は、本発明の画像形成装置の第2の
実施形態を示す概要図である。図16に示すように、こ
の画像形成装置は図1に示した画像形成装置と類似して
おり、両者の相違点は、この画像形成装置には、トナー
濃度検知手段42、比較・演算回路43、制御回路4
4、速度比変動手段45などが付加されていることであ
る。
【0073】これらの付加された部分について以下に説
明する。4台の現像器の現像材担持体41の所定の回転
位置に対向して配備されたトナー濃度検知手段42は、
現像材担持体41の担持するトナー濃度を検知し、その
検知結果を比較・演算回路43に転送する。比較・演算
回路43は、検知されたトナー濃度と目標トナー現像量
とから演算された速度比の値を制御回路44に転送す
る。制御回路44は、速度比変動手段45により現像担
持体41または像担持体1あるいはその両方の移動速度
を制御する。また、制御回路44は、トナー補給装置4
6にも接続されており、上記の速度比との関係から所定
量のトナーが回転現像器3に供給されるよう制御する。
速度比制御とトナー供給量制御との関係としては、先
ず、検知されたトナー濃度が所定の目標トナー濃度より
少し低い場合は、速度比を制御させた方が追従性の観点
から好ましい。つまり、トナー供給量制御の場合は、ト
ナー濃度が検知されてから、図示しないトナーディスペ
ンサからトナーが回転現像器3に補給されるまでの時間
遅れが避けられないため、画像形成サイクル内でこの一
連の動作を行うことは難しい。一方、速度比制御の場合
は、トナー濃度が検知されてから比較・演算を行い速度
制御が開始されるまでの時間遅れが少なく、追従性の高
い制御が可能である。しかし、長期にわたる使用によっ
てトナー濃度が大幅に変化すると、速度比制御だけでは
対応できなくなり、トナー補給が必要となる。従って、
第1段階では速度比制御を行い、トナー濃度検知結果に
基づき第2段階としてトナー供給量制御を適宜行うこと
が望ましい。また、必要に応じて像担持体近傍に図示し
ない現像量検知手段を配備することにより、さらに正確
な制御を行うことも可能である。なお、本発明において
は、トナー帯電量に影響されずにトナー濃度と速度比か
ら画像濃度を決定することができるので、従来の画像形
成装置に見られるような環境センサやトナー濃度の変化
による帯電量変動を考慮した複雑なデータテーブルを必
要としない。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の画像形成
装置によれば、飽和領域を利用した二成分現像方式を採
用し、トナー濃度、キャリア粒径、及び現像剤担持体と
像担持体間の速度比の積を所定の範囲内とすることによ
って、環境変化、経時変化によるトナー帯電量の変化及
び像担持体の感度変動などに対して安定で画像欠陥がな
く中間調再現性のよい画像を形成することのできる画像
形成装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施形態を内蔵した
カラー複写機の概略構成図である。
【図2】本実施形態のカラー複写機に用いられる回転現
像器の一部拡大図である。
【図3】S字形状の光電位減衰特性のグラフである。
【図4】キャリアの抵抗率を測定する装置の概要図であ
る。
【図5】キャリアA、B、C、D、E、Fを用いて作製
した現像剤による現像量曲線を示すグラフである。
【図6】種々の環境条件下における現像テストの結果を
示すグラフである。
【図7】現像剤担持体上の現像剤重量と現像トナー量比
率との関係を示すグラフである。
【図8】現像トナー量に対するトナー濃度、及び現像剤
担持体と像担持体の速度比の関係を表わすグラフであ
る。
【図9】目標現像トナー量を得るためのトナー濃度と速
度比との関係を示すグラフである。
【図10】キャリアA,B,D,Eを用いた場合のキャ
リア磁化と像担持体へのキャリア付着量の関係を示すグ
ラフである。
【図11】現像バイアス周波数及び交番成分のピーク電
圧を変化させた場合の現像曲線のグラフである。
【図12】現像バイアス周波数と非画像部かぶりの関係
を示すグラフである。
【図13】図3に示した光減衰特性を持つ像担持体とキ
ャリアCとを用いて画像濃度についての維持性実験を行
った結果を示すグラフである。
【図14】図3に示した光減衰特性を持つ像担持体とキ
ャリアCとを用いて肌色再現色差についての維持性実験
を行った結果を示すグラフである。
【図15】キャリアの経時変化による現像特性への影響
を示すグラフである。
【図16】本発明の画像形成装置の第2の実施形態を示
す概要図である。
【図17】現像コントラスト電位と現像トナー量とが線
形関係にあり、飽和領域を持たない場合の現像特性のグ
ラフである。
【図18】現像コントラスト電位に対して現像トナー量
が飽和領域を持つ現像特性のグラフである。
【符号の説明】
1 像担持体(感光体ドラム) 2 静電潜像形成用帯電器 3 回転現像器 4 転写ドラム 4a 用紙吸着用帯電器 4b 転写帯電器 4c 剥離用帯電器 4d 除電用帯電器 5 クリーナ 6 前露光器 9 定着器 10 原稿読取り部 11 用紙トレイ 12 用紙搬送経路 20 光ビーム走査部 25 光ビーム 30 光ビームパルス幅変調回路 31,41 現像剤担持体 42 トナー濃度検知手段 43 比較・演算回路 44 制御回路 45 速度比変動手段 46 トナー補給装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳田 和彦 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 金 石 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電潜像を担持して所定の方向に移動す
    る像担持体と、 該像担持体を帯電した後該像担持体上に画像情報を担持
    した露光光を照射することにより該像担持体上に静電潜
    像を形成する静電潜像形成手段と、 所定の現像位置において前記像担持体に対向して配備さ
    れた、トナー及びキャリアより成る2成分系の現像剤を
    担持し該現像位置において前記像担持体の移動方向と同
    一方向に移動する現像剤担持体を有し、該現像剤担持体
    と前記像担持体との間に現像バイアスを印加すると共
    に、該現像剤担持体の担持する現像剤中のトナーを前記
    像担持体上の静電潜像に供給することにより該像担持体
    上の静電潜像を現像してトナーによる顕像を形成する現
    像手段とを備えた画像形成装置において、 現像バイアス電位と像担持体の全露光部電位によって定
    まる現像コントラスト電位に対する現像トナー量のカー
    ブの傾きが現像コントラスト電位が0近傍にある時の傾
    きの1/5にある点の現像コントラスト電位をVs、像
    担持体の全露光部電位をVd、前記現像バイアス電位を
    Vb、キャリア表面に対するトナー被覆率をCv
    (%)、像担持体移動速度をPd、現像剤担持体移動速
    度をPs、トナー濃度(%)をTC、キャリア粒径(μ
    m)をRとしたとき、 |Vs|<|Vb|−|Vd| 15≦Cv≦55(%) 0.8≦Ps/Pd≦2.1 120≦(TC×R×Ps/Pd)≦960 なる関係を満たすように設定されて成ることを特徴とす
    る画像形成装置。
  2. 【請求項2】 静電潜像を担持して所定の方向に移動す
    る像担持体と、 該像担持体を帯電した後該像担持体上に画像情報を担持
    した露光光を照射することにより該像担持体上に静電潜
    像を形成する静電潜像形成手段と、 所定の現像位置において前記像担持体に対向して配備さ
    れた、各色のトナー及びキャリアより成る2成分系の現
    像剤を担持し該現像位置において前記像担持体の移動方
    向と同一方向に移動する複数の現像剤担持体を有し、該
    現像剤担持体と前記像担持体との間に現像バイアスを印
    加すると共に、該現像剤担持体の担持する現像剤中のト
    ナーを前記像担持体上の静電潜像に供給することにより
    該像担持体上の静電潜像を現像してトナーによる顕像を
    形成する現像手段とを備えた画像形成装置において、 現像バイアス電位と像担持体の全露光部電位によって定
    まる現像コントラスト電位に対する現像トナー量のカー
    ブの傾きが現像コントラスト電位が0近傍にある時の傾
    きの1/5にある点の現像コントラスト電位をVs、像
    担持体の全露光部電位をVd、前記現像バイアス電位を
    Vb、キャリア表面に対するトナー被覆率をCv
    (%)、像担持体移動速度をPd、現像剤担持体移動速
    度をPs、トナー濃度(%)をTC、キャリア粒径(μ
    m)をRとしたとき、 |Vs|<|Vb|−|Vd| 15≦Cv≦40(%) 1.0≦Ps/Pd≦1.8 120≦(TC×R×Ps/Pd)≦560 なる関係を満たすように設定されて成ることを特徴とす
    る画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記現像剤担持体上のトナー濃度を検知
    するトナー濃度検知手段を有し、該トナー濃度検知手段
    により検知された結果に基づいて前記現像手段へのトナ
    ーの供給量を制御するトナー供給量制御手段を備えたこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記現像剤担持体上のトナー濃度を検知
    するトナー濃度検知手段を有し、該トナー濃度検知手段
    により検知された結果に基づいて前記像担持体移動速度
    に対する前記現像剤担持体移動速度の比を制御する速度
    比制御手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2記
    載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記静電潜像形成手段が、前記像担持体
    上に、面積率約50%露光時の潜像コントラストが前記
    像担持体の帯電電位と全露光時の表面電位とで形成され
    る潜像コントラストと一致する静電潜像を形成するもの
    であることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成
    装置。
JP8208562A 1996-08-07 1996-08-07 画像形成装置 Pending JPH1048926A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001005266A (ja) * 1999-06-17 2001-01-12 Ricoh Co Ltd デジタル画像の現像装置
JP2002278283A (ja) * 2001-03-22 2002-09-27 Ricoh Co Ltd 現像ユニット及び画像形成装置
JP2010286543A (ja) * 2009-06-09 2010-12-24 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成装置および画像調整方法
JP2017173800A (ja) * 2016-03-22 2017-09-28 キヤノン株式会社 画像形成装置

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